JPH06293113A - 積層体の製造方法 - Google Patents

積層体の製造方法

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JPH06293113A
JPH06293113A JP8192893A JP8192893A JPH06293113A JP H06293113 A JPH06293113 A JP H06293113A JP 8192893 A JP8192893 A JP 8192893A JP 8192893 A JP8192893 A JP 8192893A JP H06293113 A JPH06293113 A JP H06293113A
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JP
Japan
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paper
biodegradable resin
polycaprolactone
laminate
dispersion
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Pending
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JP8192893A
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English (en)
Inventor
Masayuki Taniguchi
谷口  正幸
Yoshihiro Nakagawa
善博 中川
Kazuya Hachifusa
和也 八房
Tetsuo Aizawa
哲生 相澤
Motoko Yoshikawa
素子 吉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】紙への食い付きが低くなり、生分解性樹脂と紙
間のラミネート強度が上がらない紙を用いたときにおい
ても、ラミネート強度を十分得ることができ、更に本来
の生分解性機能も損なうことのない積層体の製造方法を
提供すること。 【構成】ポリカプロラクトンのディスパージョンまたは
エマルジョンあるいはポリカプロラクトンと他の生分解
性樹脂をポリカプロラクトンが50重量%以上となるよ
うに混合した混合ディスパージョンまたは混合エマルジ
ョンを紙基材上に塗工し、乾燥後前記塗工面上に押出コ
ーティング法にて、3−ヒドロキシ酪酸・3−ヒドロキ
シ吉草酸共重合体を主成分とする生分解性樹脂を積層す
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紙をベースとした積層体
の製造方法に関するものである。更に詳しくは生分解性
を有する積層体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】紙をベースとした積層体は、紙カップ、
紙トレー(皿)、紙カートン(箱)等紙容器の素材とし
て食品産業をはじめ多くの分野において、使用されてい
るが、耐水性、加工性、表面平滑性、衛生性等を向上さ
せるため、紙の片面あるいは両面にポリエチレン、ポリ
スチレン等の合成樹脂を積層したものを用いている。
【0003】近年のプラスチックごみの廃棄物問題に解
決策の一つとして、合成樹脂の代替として、我々は既
に、特願平3-249106号において、生分解性樹脂を紙等の
天然素材に積層した積層体およびその製造方法について
提案している。更に、特願平4-223972号、特願平4-2239
73号及び特願平4-254630号において、この積層体を用い
た紙容器について提案している。
【0004】生分解性樹脂としては、微生物産性又は合
成の脂肪族系のポリエステルおよびそれらの混合物を積
層することができる。この製造方法としては、上記生分
解性樹脂を直接紙面に押出しコーティング法にて積層す
る方法があるが、これは加熱により溶融粘度が下がった
生分解性樹脂が、紙に物理的に食い付くことにより、接
着剤等の媒体を用いないでも接着が可能なものである。
【0005】しかしこの製造方法は、接着はあくまでも
物理的なものであるため、表面密度が高く含浸性の低い
紙を使用する場合は、紙への食い付きが低くなり、生分
解性樹脂と紙間のラミネート強度が上がらない。
【0006】このような場合、一般的には更に加工温度
を上げ、溶融粘度を下げ、紙への食い付きを増進させる
ことがしばしば行われている。しかし、ここで用いてい
る生分解性樹脂は、押出加工可能な溶融粘度が得られる
温度範囲と、加水分解により急速に粘度低下を起こす温
度範囲との差が、20〜30℃と非常に狭く、加工温度
を上げることにより、ラミネート強度の改善を行うこと
は困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
問題点を解決するためになされたものであり、その課題
とするところは、紙への食い付きが低くなり、生分解性
樹脂と紙間のラミネート強度が上がらない紙を用いたと
きにおいても、ラミネート強度を十分得ることができ、
更に本来の生分解性機能も損なうことのない積層体の製
造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はこの課題を解決
するために、ポリカプロラクトンのディスパージョンま
たはエマルジョンあるいはポリカプロラクトンと他の生
分解性樹脂をポリカプロラクトンが50重量%以上とな
るように混合した混合ディスパージョンまたは混合エマ
ルジョンを紙基材上に塗工し、乾燥後前記塗工面上に押
出コーティング法にて、3−ヒドロキシ酪酸・3−ヒド
ロキシ吉草酸共重合体を主成分とする生分解性樹脂を積
層することを特徴とする積層体の製造方法を提供する。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明に用いるポリカプロラクトンは、分子量は数万オー
ダーで、融点は分子量に関係なく60〜62℃であり、
押出加工温度も150〜200℃とある程度広く、もう
一方の生分解性樹脂とに比べると、加工物性上の性質が
大きく異なる樹脂を使用する。これは、以下に示す積層
される3−ヒドロキシ酪酸・3−ヒドロキシ吉草酸共重
合体が紙と全く接着しないわけではないが、他のプラス
チックと比較してラミネート強度が弱く、容器等に成形
した際に剥離してしまう可能性があるからである。ま
た、耐水性に難があり、多量の水分を含む内容物を充填
した場合にクラックが発生して水分が容器外部に漏洩し
てしまう可能性があるからである。
【0010】また、前記ポリカプロラクトンとの混合に
用いることのできる生分解性樹脂としては、紙と同等も
しくはそれ以上の生分解性を有するものであれば何でも
良く、例えば、3−ヒドロキシ酪酸・3−ヒドロキシ吉
草酸共重合体等の微生物産生ポリエステル、ポリカプロ
ラクトンと同様の脂肪族系ポリエステル、ポリ乳酸等の
ポリグリコリド、ポリビニルアルコール、ポリビニルア
ルコール澱粉複合体等が使用でき、また、これらの生分
解性を有するプラスチック同士の混合体であっても良
い。これらは、紙との接着性および耐水性の点で、PC
Lの重量比が50%以上のものとする。
【0011】本発明では、積層する生分解性樹脂とし
て、3−ヒドロキシ酪酸・3−ヒドロキシ吉草酸共重合
体を主成分とするものを使用する。これは、積層体を容
器などとして成形した際、内側の表面層の衛生性保持機
能を最も重要視するためであり、微生物産生ポリエステ
ルである3−ヒドロキシ酪酸・3−ヒドロキシ吉草酸共
重合体は紙と同様の天然素材とみなすことができ、衛生
性に問題がないためである。一方、ポリカプロラクトン
は融点が60℃、軟化点が50℃であり、内容物がこの
温度を超えて直接接した場合、内容物に付着する恐れが
ある。また、ポリカプロラクトンは化学合成生成物であ
るため、オリゴマー、モノマーが含まれている可能性が
あり、これらの溶出の問題もあり、食品容器等の用途に
おける衛生性は未だ確認されていない。
【0012】本発明の積層体の製造方法は、ポリカプロ
ラクトン又はポリカプロラクトンと他の生分解性樹脂を
ポリカプロラクトンが50重量%以上となるように混合
したものを、水または有機溶剤中に微粒子上に分散させ
たディスパージョンまたはエマルジョンを、紙基材上に
予め薄く塗工し、乾燥後塗工面上に押出コーティング法
にて、3−ヒドロキシ酪酸・3−ヒドロキシ吉草酸共重
合体を主成分とする生分解性樹脂を積層する。
【0013】また、ここで用いるポリカプロラクトンデ
ィスパージョンあるいはエマルジョンは、ポリカプロラ
クトンと同じ生分解性樹脂で微生物産生および化学合成
の脂肪族系ポリエステルとの混合ディスパージョンある
いは混合エマルジョンも用いることが可能である。
【0014】
【作用】以下、前記本発明の製造方法にて作成した積層
体の、完全な接着に至るまでの原理を以下に説明する。
予め紙基材上に塗工された微粒子のポリカプロラクトン
が紙繊維間に十分にしみ込み、直ちに乾燥される。次に
この処理基材上に、3−ヒドロキシ酪酸・3−ヒドロキ
シ吉草酸共重合体を主成分とする生分解性樹脂が溶融押
出コーティング法にて積層される。
【0015】この積層される時、詳しくは処理基材に生
分解性樹脂が押し出され圧着ロールで圧縮される時に、
溶融状態の3−ヒドロキシ酪酸・3−ヒドロキシ吉草酸
共重合体を主成分とする生分解性樹脂の熱量により、繊
維間に浸透していた融点60℃のポリカプロラクトンが
溶融し、微粒子が互いに接着し合い、紙表面の繊維を充
分に抱き込んだポリカプロラクトン層が作成され、積層
された3−ヒドロキシ酪酸・3−ヒドロキシ吉草酸共重
合体を主成分とする生分解性樹脂層と熱接着され、紙/
ポリカプロラクトン/3−ヒドロキシ酪酸・3−ヒドロ
キシ吉草酸共重合体を主成分とする生分解性樹脂の3層
構成の各層が十分な接着強度を持った積層体が製造でき
る。
【0016】
【実施例】
<実施例1>巻き取りの板紙(ノーコートアイボリー、
220g/m2 )の片面にポリカプロラクトン(ユニオ
ンカーバイド社(米国)製:「トーンP−767E」)
トルエン−塩化メチレン(50対50)エマルジョンを
グラビアロールにて固形分10g/m2 になるように塗工
し、同一表面上にTダイ式溶融押出機にて、3−ヒドロ
キシ酪酸・3−ヒドロキシ吉草酸共重合体(アイ・シー
・アイ社(英国)製:「バイオポール」吉草酸含有率1
5%)を10μmの厚みに積層した。得られた積層体を
1週間エージングした後、紙と生分解性樹脂層とのラミ
ネート強度を測定した。
【0017】本実施例で作成した積層体は良好に紙と接
着されており、2層ある生分解性樹脂層は完全に接着さ
れ一体化していた。強度測定では紙/樹脂層間では剥離
せず、紙繊維間での剥離をした。また、本実施例で作成
した積層体を用いて、紙カップを成形し、土壌中に埋設
して分解性の試験をおこなったが、1ヶ月後には生分解
性樹脂層がほぼ完全に分解し、形状を保持しているのは
紙のみの状態で、約1年で判別不可能なほど崩壊した。
【0018】<実施例2>巻き取りの板紙(ノーコート
アイボリー、220g/m2 )の片面にポリカプロラク
トン(ユニオンカーバイド社(米国)製:「トーンP−
767E」)粉末と3−ヒドロキシ酪酸・3−ヒドロキ
シ吉草酸共重合体(アイ・シー・アイ社(英国)製:
「バイオポール」吉草酸含有率15%)粉末をトルエン
−塩化メチレン(50:50)に分散させたディスパー
ジョン溶液をグラビアロールにて固形分10g/m2
なるように塗工し、同一表面上にTダイ式溶融押出機に
て、ポリヒドロキシ酪酸・ポリヒドロキシ吉草酸共重合
体(アイ・シー・アイ社、バイオポール、吉草酸含有率
15%)を10μmの厚みに積層した。得られた積層体
は、1週間エージングした後、紙と生分解性樹脂層との
ラミネート強度を測定した。
【0019】本実施例で作成した積層体も良好に紙と接
着されており、2層ある生分解性樹脂層は完全に接着さ
れ一体化しており、紙繊維間での剥離した。また、実施
例1と同様に紙カップを成形し、土壌中において分解性
の試験をおこなったが、1ヶ月後には生分解性樹脂層が
ほぼ完全に分解し、形状を保持しているのは紙のみの状
態で、約1年で判別不可能なほど崩壊した。
【0020】<比較例1>巻き取りの板紙(ノーコート
アイボリー、220g/m2 )の片面に直接、Tダイ式
溶融押出機にて20μmの厚みに3−ヒドロキシ酪酸・
3−ヒドロキシ吉草酸共重合体(アイ・シー・アイ社
(英国)製:「バイオポール」吉草酸含有率15%)を
積層した。得られた積層体を実施例1同様、1週間エー
ジングした後、紙と生分解性樹脂層とのラミネート強度
を測定した
【0021】本比較例の積層体いずれも、接着はされて
いるが、紙表面と生分解性樹脂層で界面剥離した。以
上、測定したラミネート強度は以下に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】以上に示したように、本発明の製造方法
により、紙への食い付きが低くなり、生分解性樹脂と紙
間のラミネート強度が上がらない紙を用いたときにおい
ても、ラミネート強度を十分得ることができ、更に本来
の生分解性機能も損なうことのない積層体を得ることが
可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相澤 哲生 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 吉川 素子 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリカプロラクトンのディスパージョンま
    たはエマルジョンを紙基材上に塗工し、乾燥後前記塗工
    面上に押出コーティング法にて、3−ヒドロキシ酪酸・
    3−ヒドロキシ吉草酸共重合体を主成分とする生分解性
    樹脂を積層することを特徴とする積層体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記ポリカプロラクトンのディスパージョ
    ンまたはエマルジョンが、ポリカプロラクトンと他の生
    分解性樹脂をポリカプロラクトンが50重量%以上とな
    るように混合した混合ディスパージョンまたは混合エマ
    ルジョンであるこを特徴とする請求項1記載の積層体の
    製造方法。
JP8192893A 1993-04-08 1993-04-08 積層体の製造方法 Pending JPH06293113A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996031347A1 (en) * 1995-04-06 1996-10-10 Zeneca Limited Compostible laminate
JP2002519222A (ja) * 1998-07-07 2002-07-02 エンソ オーワイジェー コンポスト化処理可能な被覆した紙または板紙、その製法およびそれから得られる製品

Cited By (3)

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