JPH06292819A - パーベーパレーション法によるフェノール類含有廃液の処理方法及びフェノール類含有廃液処理装置 - Google Patents

パーベーパレーション法によるフェノール類含有廃液の処理方法及びフェノール類含有廃液処理装置

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JPH06292819A
JPH06292819A JP10604893A JP10604893A JPH06292819A JP H06292819 A JPH06292819 A JP H06292819A JP 10604893 A JP10604893 A JP 10604893A JP 10604893 A JP10604893 A JP 10604893A JP H06292819 A JPH06292819 A JP H06292819A
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phenols
separation membrane
phenol
waste liquid
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JP10604893A
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Atsushi Koshinuma
敦 越沼
Kazuo Yamazaki
一雄 山崎
Aizo Kaneda
愛三 金田
Masakazu Kondo
正和 近藤
Yasuo Matsuo
保夫 松尾
Hirohiko Sato
博彦 佐藤
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回収されるフェノール類のフラックスの低
下を防止し安定的な連続運転が可能なパーベーパレーシ
ョン法によるフェノール類含有廃液の処理方法及び処理
装置を提供する。 【構成】 フェノール樹脂の製造に伴い発生するフェノ
ール類含有廃液から分離膜を利用したパーベーパレーシ
ョン法によりフェノール類を回収する際に、分離膜に吸
着した低分子量のフェノール樹脂縮合物を、フェノール
類を含有する水溶液又は溶剤を用いて洗浄、除去する工
程を設けたフェノール類含有廃液の処理方法。フェノー
ル樹脂の製造に伴い発生するフェノール類含有廃液から
フェノール類をパーベーパレーションにより分離する分
離膜モジュールを有するフェノール類含有廃液処理装置
に、分離膜モジュールにより分離されたフェノール類の
流量に基づいてフェノール類を含有する水溶液又は溶剤
を分離モジュールに送液するようになした分離膜モジュ
ールの洗浄機構を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフェノール樹脂などの製
造に伴い排出される縮合水又は設備の洗浄水などのフェ
ノール類を含む廃液の処理方法及びこれに用いられるフ
ェノール類含有廃液処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂を製造することによりフ
ェノール類を含んだ廃液が発生する。例えばノボラック
型のフェノール樹脂の製造では、樹脂の合成原料である
フェノール類とホルムアルデヒド類とを、フェノール類
とホルムアルデヒド類のモル比1:0.75〜0.85
の条件のもと、シュウ酸などの酸触媒下で縮合反応させ
た後、縮合反応により発生した縮合水、未反応のフェノ
ール類及びホルムアルデヒド類などを除去するための脱
水、濃縮を行い樹脂を得る。この脱水、濃縮工程で排出
される廃液は主に未反応のフェノール類と縮合水であ
り、そのフェノール類濃度はおよそ5〜15wt%とい
う高濃度のものである。また、通常はフェノール樹脂を
合成した後に製造設備を洗浄するが、その際にも反応器
内部に付着していた樹脂成分やフェノール類が、洗浄水
中に含まれて排出されることになる。
【0003】一方、フェノール類は河川などの水質汚濁
を引き起こす原因物質の一つに取り上げられており、工
場排水中のフェノール濃度は公害防止の観点から大変厳
しく制限されている。その排出基準は例えば1ppm以
下(茨城県)というものである。したがってフェノール
樹脂の製造に伴い発生する、フェノール類を含む廃液か
ら効率的にフェノール類を除去、低減する方法を実用化
することが望まれている。
【0004】従来から行われてきたフェノール類含有廃
液(以下、廃液と呼ぶことがある。)の処理方法は微生
物処理により廃液中のフェノール類濃度を低減するとい
うものである。すなわちフェノール類を捕食し、分解す
る微生物からなる活性汚泥を用いた活性汚泥槽に廃液を
供給して処理を行い、排出基準値以下のフェノール類濃
度の排水を得ようとするものである。
【0005】しかしながらこの処理方法では、微生物が
フェノール類を捕食、分解可能な濃度まで、廃液を大量
の水で希釈する必要があり、さらに良好な処理を行うた
めには微生物の生存に好適なpH値に調整するなどの操
作が必要となる。そのため大容量の希釈槽と希釈水が必
要となり、さらにまた活性汚泥槽も大容量なものとなる
ため多大な設置面積を必要とする上、運転経費、pH調
整のための薬液などの諸経費もかさむというのが現状で
ある。さらに、活性汚泥槽からは余剰汚泥などが排出さ
れるが、その処理は困難であり、新たな公害問題の原因
となるおそれがある。
【0006】生物処理によらない廃液の処理方法の一つ
として、抽出塔を用いて廃液中のフェノール類のみを抽
出溶剤側に選択的に抽出し、その後、抽出した溶剤を蒸
留塔に供給して蒸留することにより、抽出溶剤とフェノ
ール類とを分離、回収するという方法が実用化されてい
る。
【0007】この処理方法では、抽出溶剤の選定が大変
重要であり、プロセスの能力は使用する溶剤種により大
きく左右される。一般には抽出溶剤としてエーテル類を
使用することが多い。特に、イソプロピルエーテルを用
いることにより非常に高い抽出効率が得られることが明
らかとなっている。この処理方法によれば廃液中のフェ
ノール類を溶剤中に抽出し、さらに蒸留、分離すること
によりフェノール類及び抽出溶剤を回収して再利用する
ことが可能であり、また抽出後の排水中のフェノール濃
度も数100ppm以下に低減できるなど、工業的に優
れた方法であるといえる。
【0008】しかしながらこの処理方法の大きな問題点
は、抽出に際して溶剤を用いることにある。すなわち、
抽出操作において溶剤類を使用する一方で加熱源の必要
な蒸留操作を行うのであるから、常に火災や爆発のおそ
れがあり、安全管理を厳重に行う必要がある。特に抽出
溶剤として抽出効率の優れたエーテル類を使用すること
に対しては注意が必要である。エーテル類は過酸化物が
生成し易く、さらに蒸留操作を繰り返すことにより生成
速度が加速されることになり、これが原因となって災害
の発生する危険がある。また、これらの抽出溶剤は一般
に高価な溶剤であり、この処理方法においては溶剤を蒸
留操作により分離、回収して再使用しているが、そのた
めに蒸留塔の運転費用が発生し、処理装置の運転費用が
高額となってしまう。さらに処理装置の設置にあたって
は消防法に基づく届け出が必要であり、溶剤種、取り扱
い数量などにより保有空地などが必要となるため設置面
積も多大なものとなってしまうという欠点がある。
【0009】これに対して近年、膜分離技術が進歩した
ことにより工業的に廃液からフェノール類を分離、回収
することができるようになりつつある。パーベーパレー
ション法とは、フェノール類に対して親和性を有する高
分子膜を隔てて一方に廃液を供給し、他方を減圧とする
ことにより、フェノール類の蒸気のみが分離膜を選択的
に透過し、これを凝縮、回収する方法である。本方法に
よれば処理量の増加に対しては膜面積を増加させればよ
く、装置も非常にコンパクトにでき、また溶剤などを用
いることも殆どなく、先に述べた溶剤抽出と蒸留分離に
よる処理方法に比べて本質的に安全であるといえる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこでフェノール樹脂
を製造した後に排出される廃液からパーベーパレーショ
ン法によりフェノール類を回収する検討を行った結果、
廃液から高濃度のフェノール類を回収することが可能で
あり、さらに処理時間を充分に取ることで廃液中のフェ
ノール類濃度を数10ppmまで低減できることが分か
った。
【0011】しかしながら、長期間の連続運転において
は、運転時間の経過にともない分離膜を透過するフェノ
ール類のフラックスが徐々に減少することが明らかとな
った。このことを実際のプロセスに当てはめて考えた場
合、長期にわたりパーベーパレーション法により廃液処
理を行うと、次第に回収されるフェノール類の量が減少
していくことになり、実機プラントの連続運転が不可能
であることを意味している。
【0012】本発明は回収されるフェノール類のフラッ
クスの低下を防止し安定的な連続運転が可能なパーベー
パレーション法によるフェノール類含有廃液の処理方法
及び処理装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは分離膜を透
過するフラックスが減少する原因を明らかにするために
鋭意、検討を行った。すなわち種々の廃液の組成を分析
し、フラックスが減少する原因となる因子を検討した。
また、廃液処理に用いた分離膜の分析を行った。その結
果、廃液中に含まれる低分子量のフェノール樹脂縮合
物、例えば2核体や3核体などが分離膜に吸着し、これ
が透過液として回収されずに膜表面あるいは分離膜内に
とどまることにより、分離膜の有効面積が減少したかの
如く作用していることが分かった。また低分子量のフェ
ノール樹脂縮合物は、これらの樹脂分を溶解しているフ
ェノール類がパーベーパレーションにより分離膜を透過
して回収されることにより、廃液中での濃度が高濃度と
なり分離膜への吸着量が増加することが分かった。この
ことから分離膜を透過するフラックスの減少を防止し、
実機プロセスの安全な連続運転を実現する方法として、
分離膜に吸着した低分子量のフェノール樹脂縮合物を分
離膜から除去することが必要であることが分かった。
【0014】本発明はこのような知見に基づいてなされ
たもので、フェノール樹脂の製造に伴い発生するフェノ
ール類含有廃液から分離膜を利用したパーベーパレーシ
ョン法によりフェノール類を回収する際に、分離膜に吸
着した低分子量のフェノール樹脂縮合物を、フェノール
類を含有する水溶液を用いて洗浄、除去する工程を設け
たことを特徴とするフェノール類含有廃液の処理方法を
提供するものである。
【0015】本発明はまた、上記フェノール類含有廃液
の処理方法において、分離膜に吸着した低分子量のフェ
ノール樹脂縮合物を、フェノール類を含有する水溶液に
代えて溶剤を用いて洗浄、除去する工程を設けたことを
特徴とするフェノール類含有廃液の処理方法を提供する
ものである。
【0016】本発明において用いられる分離膜としては
フェノール類をパーベーパレーション法により除去でき
るものであれば特に限定されないが、例えばポリエーテ
ルブロックアミド膜が用いられる。
【0017】分離膜に吸着した低分子量のフェノール樹
脂縮合物を洗浄、除去するためのフェノール類を含有す
る水溶液のフェノール類濃度は、分離膜の性能に影響を
与えず、劣化を促進しない程度であるならばいかなる濃
度であっても差しつかえないが、通常は処理する廃液と
同程度の濃度、すなわち5〜8wt%の純水の水溶液が
適当である。
【0018】フェノールを純水に溶解したフェノール水
溶液を作り、廃液の代わりにフェノール類含有廃液処理
装置に3時間供給した時のフェノールの透過量の変化を
図1に示す。図1に示したようにフェノールの水溶液を
供給することにより、フェノールの透過量が著しく増加
することが確認された。このことから分離膜に吸着され
た低分子量のフェノール樹脂縮合物はフェノール水溶液
に再溶解して分離膜から除去されたと考えられる。
【0019】本発明の処理方法はフェノール類水溶液を
用いて洗浄操作を行う場合において、洗浄操作を行って
いる最中も廃液処理装置を停止する必要が全く無いとい
う利点がある。すなわちフェノール類水溶液で洗浄する
ことから、洗浄中に分離膜を透過して回収したフェノー
ル類中に、フェノール類以外の不純物の混入するおそれ
が全く無いということである。
【0020】また、分離膜は耐溶剤性を有することか
ら、例えば2核体などのフェノール樹脂縮合物を溶解し
得る溶剤を使用して分離膜を洗浄することは、フラック
スを回復させるという点においては非常に効果がある。
この際、処理装置を停止しない場合には微量の溶剤成分
が透過液側にリークするおそれがあり、回収したフェノ
ール類に不純物が混入するのを防止するためには、装置
を一時的に停止することが必要な場合もある。なお、洗
浄に使用する溶剤としては、例えば、アセトン等が用い
られる。分離膜を著しく膨潤させるものや、膜自体に、
ダメージを与えるような極性の大きい溶剤、例えばジメ
チルホルムアミドなどは好ましくない。
【0021】以上述べてきたフェノール類の水溶液又は
溶剤を用いて、分離膜に吸着した低分子量のフェノール
樹脂縮合物を洗浄、除去するためには、従来のパーベー
パレーション法によるフェノール含有廃液処理装置に、
新たに分離膜モジュールの洗浄機構を組み入れる必要が
ある。
【0022】本発明に好適に用いられるフェノール類含
有廃液処理装置はフェノール樹脂の製造に伴い発生する
フェノール類含有廃液からフェノール類をパーベーパレ
ーションにより分離する分離膜モジュールを有するフェ
ノール類含有廃液処理装置に、分離膜モジュールにより
分離されたフェノール類の流量に基づいてフェノール類
を含有する水溶液又は溶剤を分離モジュールに送液する
ようになした分離膜モジュールの洗浄機構を設けたこと
を特徴とする。
【0023】本発明の自動化した分離膜洗浄機構を組み
込んだプロセスフローを図2に示し、比較のために分離
膜モジュール洗浄機構のない従来のプロセスフローを図
3に示す。通常の廃液処理においては、廃液はフェノー
ル類含有廃液タンク1から廃液供給ポンプ2により分離
膜モジュール3へ送液され、分離膜モジュール3により
高濃度のフェノール類蒸気と低濃度フェノール類含有廃
水とに分離される。高濃度フェノール類蒸気は真空ポン
プ6により吸引されてコンデンサー4に到達し、ここで
冷媒により冷却されて凝縮、液化して回収フェノール類
タンク5に回収される。また、低濃度フェノール類含有
排水はフェノール類含有排水タンク7に送液されるよう
になっている。
【0024】長期間の廃液処理を行うことにより、前述
したように分離膜に低分子量フェノール樹脂縮合物が吸
着して、分離膜モジュール3において分離される高濃度
フェノール類蒸気量が減少してくる。したがって回収フ
ェノール類タンク5に回収されるフェノール類量も減少
することから、コンデンサー4において液化した回収フ
ェノール類の流量を流量計13を用いて測定し、予め設
定しておいた流量の限界値に達したところで廃液供給ポ
ンプ2を停止し、流路切り替えバルブ11を切替えて洗
浄剤タンク8から洗浄剤(フェノール類の水溶液又は溶
剤)を洗浄剤供給ポンプ9により分離膜モジュール3に
供給して分離膜の洗浄を行うようにしている。ここで洗
浄剤であるフェノール類水溶液又は溶剤は、一部が回収
フェノール類タンク5に、大部分はフェノール類含有排
水タンク7に回収されることになる。特にフェノール類
含有排水タンク7に回収されることになる洗浄剤はフェ
ノール類含有排水と比較して高濃度のフェノール類水溶
液あるいは特性の異なる溶剤であることから、フェノー
ル類含有排水タンク7とは別個の洗浄剤回収タンク10
を設置するようにして、洗浄工程においては洗浄剤がフ
ェノール類含有排水タンク7に回収されないように流路
切替えバルブ12を切替えて、洗浄剤回収タンク10に
回収されるようにしている。
【0025】図3に示した従来のパーベーパレーション
法による廃液処理装置と比較して、図2に示した自動分
離膜洗浄機構を備えた廃液処理装置は洗浄剤タンク8、
洗浄剤供給ポンプ9、洗浄剤回収タンク10、流量計1
3及び流路切替えバルブ11、12が取り付けられてい
るが、洗浄剤タンク及び洗浄剤回収タンクはフェノール
類含有廃液タンク及びフェノール類含有排水タンクに比
べて容量が小さいもので充分であり、また、他の機器類
も特に高価なものは必要でないことから、分離膜洗浄機
構を組み込んでもプラントのコストが高額になることは
ない。
【0026】また、連続運転を実現する方法としては分
離膜モジュールを2ユニット設置しておき、1ユニット
を廃液処理に使用して、回収フェノール類量が低下して
きたところで他のユニットに切替えて廃液処理を行い、
その間に回収フェノール量が低下したユニットの洗浄作
業を行うという方法も考えられる。しかしながら、この
方法では高価な分離膜モジュールを2ユニット設置する
ことが必要であり、プラントのコストが高額となってし
まうことから経済的であるとはいえない。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例及びその比較例によっ
て本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。分離膜洗浄機構を備
えた廃液処理装置として図4に示すような装置を用いて
廃液の処理を行った。図4の装置は基本的には図2の装
置と同じであり、14、15、16及び17はバルブで
ある。
【0028】実施例1 フェノール樹脂の製造において脱水、濃縮工程から排出
されたフェノール濃度12wt%の廃液をタンクに入れ
静置分離した後、上澄み液として、フェノール濃度7w
t%の廃液を得た。この廃液を図4に示したパーベーパ
レーション法によるフェノール廃液処理装置に供給し、
フェノール類の回収を行った。分離膜としてはシート状
のポリエーテルブロックアミド膜を用いた。分離膜の面
積は22cm2である。実験では廃液を断続的に供給し
て半回分操作とした。1回の供給量は約350ccであ
る。運転当初、約0.55g/hrであった透過量が3
か月の運転により約0.35g/hrまで低下した。そ
こで分離膜上に7wt%のフェノールを含む水溶液を供
給し、3時間、膜表面を洗浄した。この操作を行った後
の透過量は運転当初と同等値に回復した。
【0029】実施例2 フェノール濃度7wt%の廃液を図4に示したパーベー
パレーション法によるフェノール廃液処理装置に供給
し、フェノールの回収を行った。分離膜を透過する回収
フェノール量が低下したところで、溶剤(アセトン)を
一時的に供給して分離膜の洗浄を行った。その結果、透
過量は低下時に0.38g/hrであったものが、洗浄
後は処理開始時とほぼ同等である0.58g/hrに増
加した。
【0030】
【発明の効果】以上、述べてきたように、本発明によれ
ば、分離膜を利用したパーベーパレーション法により廃
液から選択的にフェノール類を回収するプロセスにおい
て、長期間の運転により分離膜に吸着した低分子量のフ
ェノール樹脂縮合物を、フェノール類を含有する水溶液
又は溶剤を用いて洗浄、除去することにより、回収され
るフェノールのフラックスの低下を防止し安定的な連続
運転が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】フェノール類含有廃液処理装置の運転時間に伴
うフェノールの透過量を示すグラフ。
【図2】洗浄、除去工程を行うための自動分離膜洗浄装
置を備えたフェノール類含有廃液処理装置のフローを示
す図。
【図3】洗浄、除去工程を行わない場合の従来のフェノ
ール類含有廃液処理装置のフローを示す図。
【図4】洗浄、除去工程を行うための自動分離膜洗浄装
置を備えたフェノール含有廃液処理装置のフローを示す
図。
【符号の説明】
1 フェノール類含有廃液タンク 2 廃液供給ポンプ 3 分離膜モジュール 4 コンデンサー 5 回収フェノール類タンク 6 真空ポンプ 7 フェノール類含有排水タンク 8 洗浄剤タンク 9 洗浄剤供給ポンプ 10 洗浄剤回収タンク 11 流路切替えバルブ 12 流路切替えバルブ 13 流量計 14 バルブ 15 バルブ 16 バルブ 17 バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金田 愛三 茨城県結城市大字鹿窪1772番地 日立化成 工業株式会社南結城工場内 (72)発明者 近藤 正和 千葉県市原市八幡海岸通1番地 三井造船 株式会社千葉事業所内 (72)発明者 松尾 保夫 東京都中央区築地5丁目6番4号 三井造 船株式会社内 (72)発明者 佐藤 博彦 東京都中央区築地5丁目6番4号 三井造 船株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール樹脂の製造に伴い発生するフ
    ェノール類含有廃液から分離膜を利用したパーベーパレ
    ーション法によりフェノール類を回収する際に、分離膜
    に吸着した低分子量のフェノール樹脂縮合物を、フェノ
    ール類を含有する水溶液を用いて洗浄、除去する工程を
    設けたことを特徴とするフェノール類含有廃液の処理方
    法。
  2. 【請求項2】 フェノール樹脂の製造に伴い発生するフ
    ェノール類含有廃液から分離膜を利用したパーベーパレ
    ーション法によりフェノール類を回収する際に、分離膜
    に吸着した低分子量のフェノール樹脂縮合物を、溶剤を
    用いて洗浄、除去する工程を設けたことを特徴とするフ
    ェノール類含有廃液の処理方法。
  3. 【請求項3】 フェノール樹脂の製造に伴い発生するフ
    ェノール類含有廃液からフェノール類をパーベーパレー
    ションにより分離する分離膜モジュールを有するフェノ
    ール類含有廃液処理装置に、分離膜モジュールにより分
    離されたフェノール類の流量に基づいてフェノール類を
    含有する水溶液又は溶剤を分離モジュールに送液するよ
    うになした分離膜モジュールの洗浄機構を設けたことを
    特徴とするフェノール類含有廃液処理装置。
JP10604893A 1993-04-09 1993-04-09 パーベーパレーション法によるフェノール類含有廃液の処理方法及びフェノール類含有廃液処理装置 Withdrawn JPH06292819A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102964001A (zh) * 2012-11-20 2013-03-13 武汉工程大学 高含酚废水的处理工艺
WO2015053483A1 (ko) * 2013-10-07 2015-04-16 (주)에어레인 Ipa 함유 폐수로부터 ipa의 농축 및 폐수처리를 위한 병합 막분리 공정

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CN102964001A (zh) * 2012-11-20 2013-03-13 武汉工程大学 高含酚废水的处理工艺
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