JPH06292520A - キトサン成形物入り食品 - Google Patents

キトサン成形物入り食品

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JPH06292520A
JPH06292520A JP5117559A JP11755993A JPH06292520A JP H06292520 A JPH06292520 A JP H06292520A JP 5117559 A JP5117559 A JP 5117559A JP 11755993 A JP11755993 A JP 11755993A JP H06292520 A JPH06292520 A JP H06292520A
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JP
Japan
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chitosan
food
molded
solution
acid
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JP5117559A
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English (en)
Inventor
Takashi Tsugita
隆志 次田
Shinya Takeuchi
真也 竹内
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KATOKICHI BIO KK
Original Assignee
KATOKICHI BIO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】キトサンを成形して食品中に含有させることに
より、特有の「えぐ味」がなく、好適な食感を有するキ
トサン入り食品を提供する。 【構成】キトサンの製造工程において、えび殻等から調
製した乾燥粉砕する前のキトサンを酢酸や乳酸等の有機
酸水溶液に溶解後、未反応キチン等の不溶物をろ過によ
って除去し、この溶液をノズルからアルカリ性の溶液中
に押し出してゲル状に成形する。このキトサン成形物を
含有する加工食品。 【効果】上記の方法で加工したキトサン成形物入り食品
は、キトサン特有の「えぐ味」がなく、食感も優れてい
る。また、キトサンが水に高度に膨潤しているので胃で
の分散性が高く機能が発現しやすい。さらに、低コスト
で、安全性の高いキトサンを含有した食品が提供でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キトサン成形物を含有
する食品に関する。
【0002】
【従来の技術】キトサンは、エビ・カニ等の殻の主成分
であるキチンのN−アセチル基を加水分解することによ
り得られるカチオン性天然多糖類として知られている。
すなわち、アミノ基を有するグルコサミンを構成単位と
するポリマーであり、平均分子量が1万程度以下になら
ないと水には溶解せず、一般的な製造法で得られるキト
サンは希酸水溶液にのみ可溶となる。その一般的な製造
法の概略は次のとおりである。まず、エビ殻を希アルカ
リ水溶液と希酸水溶液で処理してタンパク質とカルシウ
ム分を除去し、水洗・乾燥をするとキチンが得られる。
さらに、このキチンを熱濃アルカリ水溶液で処理して脱
アセチル化し、水洗・乾燥・粉砕することによりキトサ
ン粉末が得られる。
【0003】近年、キトサンの食品添加物としての機能
性が注目されており、保存剤、安定化剤、食物繊維等と
して食品に添加した例が知られている。例えば、保存剤
として「特開昭61−170376;食品の保存剤」
に、安定化剤として「特開昭62−297365;色の
安定化法」に、さらに、食物繊維としては「特開昭63
−94948;食物繊維の製造法」に報告されている。
【0004】また一方では、厚生省の定める特定保健用
食品用素材としてもキトサンが認可される動きがあり、
血中のコレステロール値を低下させたり、整腸作用があ
るなど、薬効を有することが「特開平3−29017
0;高脂血症治療又は予防用補助食品」、及び、「特開
平3−272664;整腸用組成物」に報告されてい
る。
【0005】上記のような機能を有するキトサンを食品
中に添加する場合、従来は粉末としてクッキー・ビスケ
ットやパン等に加えたり、いったん酸に溶解して水溶液
としたものをゼリー等に加えたりしていた。
【0006】しかしながら、粉末で添加した場合は食べ
たときにザラ付き感があり、食後も舌に付着するなど後
味の悪いものであった。また、キトサンを粉末にするた
めには乾燥工程および粉砕工程が必要となりコストアッ
プの要因になっていた。さらに、一般的なステンレス製
の粉砕機を用いるとステンレス鋼の成分であるクロムが
キトサン粉末中に混入する恐れがあり、食品には好まし
くなかった。
【0007】水溶液として添加する場台は、キトサンを
溶解するために用いた酸によってアミノ基が解離し、キ
トサン特有の「えぐ味」が発現するという問題点があっ
た。「特開平3−127954;果肉様ゼリー及びその
製造法」に、りん酸ナトリウムを添加することによって
この「えぐ味」が消えることが報告されているが、添加
剤の使用は、最近の消費者のナチュラル指向を考慮する
と好ましいものではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにキトサン
を食品素材として使用する際には、クロム等の不純物の
混入、食感に対する影響、「えぐ味」等の問題があっ
た。従って、本発明はキトサンを食品素材として使用す
るにあたって、不純物の混入もなく、食感もよく、「え
ぐ味」もない加工法、及び、その加工食品を提供するこ
とを目的とした。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明者らが鋭意研究した結果、先に示したキトサ
ンの製造工程において最終の水洗をした後の濡れたまま
のキトサンを乾燥・粉砕をせずに酢酸や乳酸等の有機酸
水溶液に溶解し、未反応キチン等の不溶物をろ過によっ
て除去した後、このキトサン溶液をノズルからアルカリ
性の溶液中に押し出してゲル状に成形すれば、低コスト
で、粉砕工程におけるクロム分の混入の恐れがなく、キ
トサン特有の「えぐ昧」もなく、食感も優れたキトサン
成形物が得られ、これを用いればキトサンを含有した食
品が容易に製造できることを見いだし本発明を完成する
に至った。
【0010】以下、本発明を具体的に示す。まず、エビ
・カニ等の甲殻類の殻を希アルカリ水溶液中で加熱して
タンパク質を除去し、水洗した後、希酸水溶液中でカル
シウム分を除去し、その後水洗・乾燥をしてキチンを得
た。次に、このキチンを濃アルカリ水溶液中で加熱して
脱アセチル化した後、水洗してキトサンを得た。このキ
トサンを1%酢酸水溶液中にキトサン濃度が2%になる
ように溶解後、孔径が80μmのミクロフィルターで加
圧ろ過して不溶部を除きキトサンの原液とした。
【0011】このキトサン原液を加圧タンクに入れ、コ
ンプレッサーで加圧してノズルの先から0.8%水酸化
ナトリウム水溶液中に滴下して粒状に成形した。さら
に、この成形物を十分に水洗してキトサン成形物とし
た。
【0012】ここで、キトサンを溶解する酸としては、
酢酸、乳酸、りんご酸、アスコルビン酸、ぎ酸、クエン
酸等の食品加工に使用できる有機酸がよい。塩酸や硝酸
等の無機酸も使用可能であるが分子量の低下が起こる可
能性があり注意を要する。これらの酸の添加量はキトサ
ンが溶解する最少量でよい。キトサンを凝固成形させる
アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウ
ム、アンモニア等食品加工に使用できるものがよい。こ
れらのアルカリはキトサン原液中の酸を中和できる量で
よく、その濃度は0.5〜10%程度が適当で、この濃
度を変えることによって粒の比重が調整できる。キトサ
ンの濃度は1〜10%程度でよく、この濃度を変えるこ
とによって食感の調整ができる。また、ノズル押し出し
口の形状及びサイズは自由に選択可能であり、滴下すれ
ば粒状に、連続して押し出せば麺状に成形することがで
きる。
【0013】本発明のキトサン成形物は、コンニャクの
ような食感を呈し、キトサンが溶解するような酸以外の
成分であれば砂糖や醤油等による味付けも容易であり利
用範囲の広いものである。また、水に高度に膨潤してお
り胃での分散性が高いのでキトサンとしての様々な機能
が発揮しやすくなっている。以下、実施例により本発明
の内容を具体的に示すが、これによって本発明の内容が
限定されるものではない。
【0014】
【実施例】
実施例1 濡れたままのエビ殻1kgを1N水酸化ナトリウム水溶
液中で1時間ボイルして除タンパクした後、水洗し、さ
らに、1N塩酸水溶液に室温で1時間浸漬して除カルシ
ウムし、水洗、乾燥して60gのキチンを得た。このキ
チンを48%水酸化ナトリウム水溶液中に80℃で6時
間浸漬して脱アセチル化し、水洗してキトサンを得た。
このキトサンの一部をとって乾燥し分析したところ、脱
アセチル化度は86%で収量は乾物として50gであっ
た。この濡れたままのキトサンを3l容のポリ容器にと
り水を加えて2,500mlとした。ここに酢酸25g
を加え、攪拌・溶解した後、孔径80μmのフィルター
でろ過して不溶部を除去し、一晩放置脱泡して2%キト
サン原液とした。このキトサン原液を10l容のステン
レス製加圧タンクに入れコンプレッサーで1kg/cm
に加圧して孔径0.3mmのノズルから0.8%水酸
化ナトリウム水溶液1,000ml中に攪拌しながら滴
下し、直径1.5mmのキトサンの粒を得た。このキト
サンの粒を外液のpHが7になるまで水洗し、キトサン
成形物とした。以下上記の方法で得た成形物をキトサン
粒という。
【0015】このキトサン粒70ml(乾物として1
g)を平鍋にとり、水70ml、インスタントコーヒー
4g、砂糖10gを加えて、中火て10分間加熱した。
ここに、ゼラチン4gを加え、溶解した後荒熱をとり冷
蔵庫で冷やしてコーヒーゼリーを作った。このキトサン
入りゼリーは「えぐ味」もなく、好適な食感を有してい
た。
【0016】実施例2 米1カップ(160g)を水でよくとぎ、ざるにあげて
水切りをした。この米と水1カップ(200g)を電気
釜に入れ、30分間浸漬した。ここに、実施例1で調製
したキトサン粒70mlを加えて混合し、ご飯を炊い
た。このキトサン入りご飯は「えぐ味」もなく、好適な
食感を有し、凍結保存も可能であった。
【0017】実施例3 米1カップ(160g)を水でよくとぎ、ざるにあげて
水切りをした。この米と水5カップ(1kg)を鍋に入
れ、1時間浸漬した。ここに、実施例1で調製したキト
サン粒70mlを加えて混合し、強火にかけ、煮立った
ところで弱火にして50分間加熱した。火を消す直前に
塩を5g加え、軽く混ぜ合わせて全がゆを作った。この
キトサン入りおかゆは「えぐ味」もなく、好適な食感を
有していた。
【0018】実施例4 自動パン焼き器に強力粉280g、砂糖17g、スキム
ミルク6g、塩5g、ショートニング11g、ドライイ
ースト3g、水70g、および、実施例1で調製したキ
トサン粒140mlを仕込み、発酵・焼き上げ等すべて
自動で食パンを作った。このキトサン入り食パンは「え
ぐ味」もなく、好適な食惑を有し、凍結保存も可能であ
った。
【0019】実施例5 水51gに塩10gを溶解し、実施例1で調製したキト
サン粒40mlを加えて軽く混合した。これを、中力粉
200gに加えて手早く混合し、よくこねて均一にし
た。これを、ぬれふきんに包み30分間ねかせた後、生
地の表面に小麦粉をふり、麺棒で延ばして包丁て切った
(麺厚;3.0mm、切幅;3.4mm)。これを、お
おめの湯の中で12分間ボイルした後冷水に入れ、よく
しごいてざるにあげた。このキトサン入りうどんは「え
ぐ味」もなく、好適な食感を有し、凍結保存も可能であ
った。
【0020】実施例6 四つ切りにしたじゃがいも160gを蒸して熱いうちに
皮をむき、実施例1で調整したキトサン粒70mlを加
えて、ポテトマッシャーでつぶしながら混合した。玉ね
ぎ20gをみじん切りにして約3分間炒め、次に挽き肉
40gを加えてさらに炒め、塩・こしょうで味をつけ
た。これを、先に作っておいたキトサン入りのじゃがい
もに混ぜ、塩・こしょうで味を整えて四等分し適当な形
に整えた。これに小麦粉をまぶし、たまご・パン粉をつ
けて180〜190℃で1.5〜2分間揚げてポテトコ
ロッケを作った。このキトサン入りコロッケは「えぐ
味」もなく、好適な食感を有し、凍結保存も可能であっ
た。
【0021】実施例7 実施例1で用いたキトサン原液を、同様にして孔径0.
8mmのノズルから連続して押し出し、太さ1.0mm
のキトサン麺状物とした。このキトサン麺状物を外液の
pHが7になるまで水洗し、キトサン成形物とした。こ
のキトサン麺状成形物は、そのまま麺として食せる他、
実施例1〜5と同様に食品に含有させられるので、必要
に応じて粒状成形物と使い分けることができる。
【0022】
【発明の効果】本発明のキトサン成形物入り食品は、キ
トサン特有の「えぐ味」もなく、食感も優れており、ま
た、このキトサンは水に高度に膨潤しており胃での分散
性が高いので様々な機能が発揮しやすくなっている。す
なわち、本発明により、低コストで、安全性の高いキト
サンを含有した食品が提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23L 1/16 A 8114−4B 1/48

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キトサンの酸性水溶液をアルカリ性の溶液
    中にノズルから押し出して成形、洗浄して得られるキト
    サン成形物を含有することを特徴とする食品
JP5117559A 1993-04-07 1993-04-07 キトサン成形物入り食品 Pending JPH06292520A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5117559A JPH06292520A (ja) 1993-04-07 1993-04-07 キトサン成形物入り食品

Applications Claiming Priority (1)

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JP5117559A JPH06292520A (ja) 1993-04-07 1993-04-07 キトサン成形物入り食品

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Publication Number Publication Date
JPH06292520A true JPH06292520A (ja) 1994-10-21

Family

ID=14714818

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5117559A Pending JPH06292520A (ja) 1993-04-07 1993-04-07 キトサン成形物入り食品

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JP (1) JPH06292520A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012165759A (ja) * 1998-10-28 2012-09-06 Sanei Gen Ffi Inc スクラロースを含有する組成物及びその応用

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012165759A (ja) * 1998-10-28 2012-09-06 Sanei Gen Ffi Inc スクラロースを含有する組成物及びその応用

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