JPH0629142B2 - イツトリウム鉄ガ−ネツト粉体の製造方法 - Google Patents
イツトリウム鉄ガ−ネツト粉体の製造方法Info
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- JPH0629142B2 JPH0629142B2 JP60249230A JP24923085A JPH0629142B2 JP H0629142 B2 JPH0629142 B2 JP H0629142B2 JP 60249230 A JP60249230 A JP 60249230A JP 24923085 A JP24923085 A JP 24923085A JP H0629142 B2 JPH0629142 B2 JP H0629142B2
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、イットリウム鉄ガーネット粉体の製造方法に
関するものである。
関するものである。
従来の技術 イットリウム鉄ガーネットはマイクロ波用磁性材料や光
磁気効果を利用する部品の材料として注目されている材
料であるが、その合成方法は極めて困難であり、これま
で固相法と溶融塩析出法の二種類が代表的な方法であっ
た。固相法でイットリウム鉄ガーネットを合成する場
合、平衡状態図的にイットリウム鉄ガーネットは厳しい
焼成条件でしか生成しないので、焼成温度や焼成時間は
もちろんのこと、昇温速度や降温速度など、また焼成雰
囲気までも厳密な制御を行なわないと純度の高いイット
リウム鉄ガーネットは得られない(J.バン.ホック、
ジャーナル オブ ジ アメリカン セラミック ソサ
イエティ、44巻、208ページ、1961年)。また、固相法
に比べ、より低い温度で合成可能な溶融塩析出法でも、
高純度のイットリウム鉄ガーネットを得ることは難し
い。例えば、この溶融塩析出法を用いた合成法の一例を
詳しく述べると、高純度のY2O3とFe2O3とPb
Oをよく混合して、白金るつぼに入れ810℃まで急速に
昇温し、これをさらに870℃まで2時間かけて昇温し、
PbOを液化する。そのまま2時間870℃に保ち、つい
で1350℃まで2時間で昇温して、その温度で10時間保持
し、Y2O3とFe2O3を完全に融解させる。次に12
90℃まで炉温を下げ、これより1260℃まで1時間、1260
℃から1240℃までは2℃/時間で、さらにそれ以後は1
℃/時間の速度で高精度な温度制御を行ないつつ冷却す
る方法で、純度の高いイットリウム鉄ガーネットが合成
できる。しかし、溶融塩析出法は、マトリックス成分
が、合成物の組成に混入しやすいという欠点がある(日
本化学会編、新実験化学講座第8巻、丸善、1976年、31
3ページ)。
磁気効果を利用する部品の材料として注目されている材
料であるが、その合成方法は極めて困難であり、これま
で固相法と溶融塩析出法の二種類が代表的な方法であっ
た。固相法でイットリウム鉄ガーネットを合成する場
合、平衡状態図的にイットリウム鉄ガーネットは厳しい
焼成条件でしか生成しないので、焼成温度や焼成時間は
もちろんのこと、昇温速度や降温速度など、また焼成雰
囲気までも厳密な制御を行なわないと純度の高いイット
リウム鉄ガーネットは得られない(J.バン.ホック、
ジャーナル オブ ジ アメリカン セラミック ソサ
イエティ、44巻、208ページ、1961年)。また、固相法
に比べ、より低い温度で合成可能な溶融塩析出法でも、
高純度のイットリウム鉄ガーネットを得ることは難し
い。例えば、この溶融塩析出法を用いた合成法の一例を
詳しく述べると、高純度のY2O3とFe2O3とPb
Oをよく混合して、白金るつぼに入れ810℃まで急速に
昇温し、これをさらに870℃まで2時間かけて昇温し、
PbOを液化する。そのまま2時間870℃に保ち、つい
で1350℃まで2時間で昇温して、その温度で10時間保持
し、Y2O3とFe2O3を完全に融解させる。次に12
90℃まで炉温を下げ、これより1260℃まで1時間、1260
℃から1240℃までは2℃/時間で、さらにそれ以後は1
℃/時間の速度で高精度な温度制御を行ないつつ冷却す
る方法で、純度の高いイットリウム鉄ガーネットが合成
できる。しかし、溶融塩析出法は、マトリックス成分
が、合成物の組成に混入しやすいという欠点がある(日
本化学会編、新実験化学講座第8巻、丸善、1976年、31
3ページ)。
いずれの方法にしても1000℃以上の高温度が要求され
る。
る。
発明が解決しようとする問題点 このように、従来のイットリウム鉄ガーネットの製造
は、高温度が要求され、かつ、合成条件の制御も比較的
高精度が要求され、厳密な合成を行なっても、目的のイ
ットリウム鉄ガーネットに不純物としてYFeO3(イ
ットリウムオルソフェライト)やα−Fe2O3などの
副生成物が混ざって生成しやすいという欠点があった。
は、高温度が要求され、かつ、合成条件の制御も比較的
高精度が要求され、厳密な合成を行なっても、目的のイ
ットリウム鉄ガーネットに不純物としてYFeO3(イ
ットリウムオルソフェライト)やα−Fe2O3などの
副生成物が混ざって生成しやすいという欠点があった。
本発明は、これら上述の欠点を克服し、かつ、比較的低
温で容易に高純度のイットリウム鉄ガーネット粉体を合
成する方法を提供しようとするものである。
温で容易に高純度のイットリウム鉄ガーネット粉体を合
成する方法を提供しようとするものである。
問題点を解決するための手段 本発明は上記問題点を解決するために3価のイットリウ
ム塩と3価の鉄塩を溶解した酸性の混合水溶液にトリエ
タノールアミンを加え、上記混合水溶液中の酸根に対し
て当量以上のアルカリを加えて作製したY3+とFe
3+両イオンを含むけんだく液をオートクレーブ容器に
入れ、370℃以上の温度でオートクレービングすること
によって、イットリウム鉄ガーネット粉体を合成するも
のである。
ム塩と3価の鉄塩を溶解した酸性の混合水溶液にトリエ
タノールアミンを加え、上記混合水溶液中の酸根に対し
て当量以上のアルカリを加えて作製したY3+とFe
3+両イオンを含むけんだく液をオートクレーブ容器に
入れ、370℃以上の温度でオートクレービングすること
によって、イットリウム鉄ガーネット粉体を合成するも
のである。
作用 本発明は、イットリウム塩と鉄(III)塩とトリエタノ
ールアミンの混合溶液にアルカリ溶液を加えて作製した
混合けんだく液を370℃以上の温度でオートクレービン
グすることによってイットリウム鉄ガーネット粉体を製
造する方法であるので、従来の製造方法に比べ、合成温
度が低く、かつ、厳密な温度制御をそれほど必要とせず
に、容易にイットリウム鉄ガーネット粉体を製造できる
という作用がなされる。
ールアミンの混合溶液にアルカリ溶液を加えて作製した
混合けんだく液を370℃以上の温度でオートクレービン
グすることによってイットリウム鉄ガーネット粉体を製
造する方法であるので、従来の製造方法に比べ、合成温
度が低く、かつ、厳密な温度制御をそれほど必要とせず
に、容易にイットリウム鉄ガーネット粉体を製造できる
という作用がなされる。
実施例 以下、本発明の一実施例のイットリウム鉄ガーネット粉
体の製造方法について説明する。
体の製造方法について説明する。
塩化イットリウム(YCl3・6H2O)(1.82g)と塩
化第2鉄(FeCl3・6H2O)(2.70g)を水125mlに
溶解して、Y3+イオンとFe3+イオンを含む酸性水
溶液をつくり、これにトリエタノールアミン(12.0g)を
加え、よく攪拌混合後、さらに6モル/lの濃度の水酸
化ナトリウム(NaOH)水溶液を加えて、0.03モル/
lのY3+イオンと0.05モル/lのFe3+イオン及び
トリエタノールアミンを含むアルカリ性けんだく液200m
lを作製した。
化第2鉄(FeCl3・6H2O)(2.70g)を水125mlに
溶解して、Y3+イオンとFe3+イオンを含む酸性水
溶液をつくり、これにトリエタノールアミン(12.0g)を
加え、よく攪拌混合後、さらに6モル/lの濃度の水酸
化ナトリウム(NaOH)水溶液を加えて、0.03モル/
lのY3+イオンと0.05モル/lのFe3+イオン及び
トリエタノールアミンを含むアルカリ性けんだく液200m
lを作製した。
このようにして作製したけんだく液を内容積300mlのオ
ートクレーブに入れて、300℃、330℃、350℃、370℃、
390℃、450℃あるいは500℃のそれぞれの温度で2時
間、水熱反応を行なった。
ートクレーブに入れて、300℃、330℃、350℃、370℃、
390℃、450℃あるいは500℃のそれぞれの温度で2時
間、水熱反応を行なった。
なお、昇温速度は450℃/時であり、反応後の降温速度
は80℃/時で行なった。反応終了後、生成沈殿物は濾過
後よく水洗し、乾燥した。各合成温度下での生成沈殿物
の種類をX線回析法によって同定した結果を表1に示し
た。
は80℃/時で行なった。反応終了後、生成沈殿物は濾過
後よく水洗し、乾燥した。各合成温度下での生成沈殿物
の種類をX線回析法によって同定した結果を表1に示し
た。
表1から明らかなように、本発明の製造法によると、反
応温度が370℃以上で、イットリウム鉄ガーネット粉体
(Y3Fe5O12)が単一相で得られることがわかる。
応温度が370℃以上で、イットリウム鉄ガーネット粉体
(Y3Fe5O12)が単一相で得られることがわかる。
なお、原料に用いるイットリウム塩が、硫酸イットリウ
ムの場合も、表1と同様の結果が得られた。また、原料
に用いる鉄(III)塩が、硫酸第2鉄の場合も、さら
に、アルカリ水溶液として水酸化ナトリウム水溶液のか
わりに水酸化カリウム水溶液を用いた場合も、表1と同
様の結果が得られた。
ムの場合も、表1と同様の結果が得られた。また、原料
に用いる鉄(III)塩が、硫酸第2鉄の場合も、さら
に、アルカリ水溶液として水酸化ナトリウム水溶液のか
わりに水酸化カリウム水溶液を用いた場合も、表1と同
様の結果が得られた。
発明の効果 以上に述べてきたように、本発明によれば、従来、高温
下でかつ厳密な温度制御を行なって得られていたイット
リウム鉄ガーネットを、低温でかつ、比較的容易に高純
度のイットリウム鉄ガーネット粉体の製造が可能とな
り、同粉体の高純度化、低コスト化が可能になる。
下でかつ厳密な温度制御を行なって得られていたイット
リウム鉄ガーネットを、低温でかつ、比較的容易に高純
度のイットリウム鉄ガーネット粉体の製造が可能とな
り、同粉体の高純度化、低コスト化が可能になる。
Claims (4)
- 【請求項1】イットリウム塩と鉄(III)塩とトリエタ
ノールアミンの混合溶液にアルカリ水溶液を加えたアル
カリ性混合けんだく液を370℃以上でオートクレービ
ングすることを特徴とするイットリウム鉄ガーネット粉
体の製造方法。 - 【請求項2】イットリウム塩が、塩化イットリウムある
いは、硫酸イットリウムのいずれかであることを特徴と
する特許請求の範囲第(1)項記載のイットリウム鉄ガー
ネット粉体の製造方法。 - 【請求項3】鉄(III)塩が塩化第2鉄あるいは硫酸第
2鉄のいずれかであることを特徴とする特許請求の範囲
第(1)項記載のイットリウム鉄ガーネット粉体の製造方
法。 - 【請求項4】アルカリ水溶液の原料のアルカリとして水
酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウムのいずれかを用
いることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載のイ
ットリウム鉄ガーネット粉体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60249230A JPH0629142B2 (ja) | 1985-11-07 | 1985-11-07 | イツトリウム鉄ガ−ネツト粉体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60249230A JPH0629142B2 (ja) | 1985-11-07 | 1985-11-07 | イツトリウム鉄ガ−ネツト粉体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62108735A JPS62108735A (ja) | 1987-05-20 |
JPH0629142B2 true JPH0629142B2 (ja) | 1994-04-20 |
Family
ID=17189856
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60249230A Expired - Lifetime JPH0629142B2 (ja) | 1985-11-07 | 1985-11-07 | イツトリウム鉄ガ−ネツト粉体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0629142B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0791067B2 (ja) * | 1989-11-14 | 1995-10-04 | 宇部興産株式会社 | ガーネット微粒子粉末の製造方法 |
JP4831282B2 (ja) * | 2003-11-10 | 2011-12-07 | 戸田工業株式会社 | フェライト磁性粉体及びフェライト磁性粉体を含有する半導体封止用樹脂組成物 |
JP2006282447A (ja) | 2005-03-31 | 2006-10-19 | Fuji Photo Film Co Ltd | 透光性材料およびその製造方法 |
-
1985
- 1985-11-07 JP JP60249230A patent/JPH0629142B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62108735A (ja) | 1987-05-20 |
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