JPH06291387A - 圧電振動子およびその製造方法 - Google Patents

圧電振動子およびその製造方法

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JPH06291387A
JPH06291387A JP9874393A JP9874393A JPH06291387A JP H06291387 A JPH06291387 A JP H06291387A JP 9874393 A JP9874393 A JP 9874393A JP 9874393 A JP9874393 A JP 9874393A JP H06291387 A JPH06291387 A JP H06291387A
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JP
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piezoelectric
piezoelectric vibrator
ultrafine particles
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manufacturing
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JP9874393A
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English (en)
Inventor
Yukihiko Sawada
之彦 沢田
Hideo Adachi
日出夫 安達
Takenao Fujimura
毅直 藤村
Katsuhiro Wakabayashi
勝裕 若林
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接着を用いず、また裁断工程を必要とするこ
となく、小型にして高性能な圧電振動子を歩留まり良く
製造する。 【構成】 セラミックスにより形成された薄板状の弾性
体10を加熱し、その上面に噴射ノズル11から白金の
超微粒子からなる中間電極用超微粒子12を噴射堆積し
て下部電極13を形成する。続いて、中間電極13上に
噴射ノズル14からPZT超微粒子からなる圧電体用超
微粒子15を噴射堆積し、薄膜の圧電体16を形成す
る。次に、これを500〜1000℃で酸素雰囲気中に
て熱処理する。その後、噴射ノズル17から白金超微粒
子からなる表面電極用超微粒子18を噴射堆積して表面
電極19を形成する。これにより、弾性体10に圧電素
子20を積層した圧電振動子21が得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電振動子に係り、詳
しくは圧電アクチュエータ等の駆動源として使用され
る、圧電素子による電気−機械エネルギー変換素子を用
いた圧電振動子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電磁型モータに代わる新しいモー
タとして、圧電アクチュエータが注目されている。圧電
アクチュエータは、その駆動に際して電磁ノイズを発生
させず、またノイズの影響も受けない。さらに、マイク
ロマシンに代表されるような、サブミリメートルクラス
の大きさである機器が注目されており、その駆動源とし
て微小な圧電アクチュエータが求められている。このよ
うな例として、バイモルフ型圧電アクチュエータがあ
る。このバイモルフ型圧電アクチュエータは、一般にス
テンレス鋼やリン青銅等を用いた板状の弾性シム1と、
(ジルコン酸チタン鉛)PZT圧電セラミックス板2と
を図示のように同一の分極方向となるように接着剤3に
より貼り合わせることで作製され、これに電圧を印加す
ることにより駆動するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のような構造、製造方法では、以下のような問題点が
あった。すなわち、従来のように接着を使用した場合
は、圧電振動子の各部材間に接着層が介在することとな
り、このために、圧電素子の発生力が接着層の弾性によ
り減衰したり、圧電素子の発生力による圧電素子と接着
層との界面における剥離等が生じ、圧電振動子の性能や
信頼性が低下してしまった。この不具合は、マイクロマ
シンに代表されるような微小構造の駆動源として上記圧
電振動子を実現しようとした場合、その大きさがサブミ
リメートルクラスとなるために、相対的に接着層の影響
が大きくなるという問題を惹起する。
【0004】また同時に、部材が極小となるために、製
造においてもハンドリングが困難となる。これに対し、
大型の圧電振動子を作製した後にこれを裁断することに
よって、小型の圧電振動子を得ようとした場合には、裁
断時に加わる応力による接合層の剥離が問題になってし
まう。
【0005】本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので、接着を用いず、また裁断工程を必要とす
ることなく、小型にして高性能な圧電振動子を歩留まり
良く製造することができる圧電振動子およびその製造方
法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明は、薄層状の圧電素子と薄層状
の弾性体とを積層してなる圧電振動子において、少なく
とも1つの層を超微粒子を噴射堆積することにより形成
することとした。
【0007】また、請求項2に係る発明は、圧電振動子
の製造方法において、薄層状の弾性体の一方の面に上部
中間電極材料、上部圧電体材料および上部表面電極材料
をそれぞれ超微粒子の状態で順次積層状に噴射堆積して
上部圧電素子を形成し、次いで上記弾性体の他方の面に
下部中間電極材料、下部圧電体材料および下部表面電極
材料をそれぞれ超微粒子の状態で順次積層状に噴射堆積
して下部圧電素子を形成することとした。
【0008】請求項3に係る発明は、圧電振動子の製造
方法において、基板の表面に金属薄膜を形成した後、そ
の基板の表面に下部圧電素子、弾性体および上部圧電素
子をそれぞれ超微粒子材料を噴射堆積することにより積
層状に形成し、その後基板を除去することとした。
【0009】請求項4に係る発明は、圧電振動子の製造
方法において、基板上に弾性体材料を噴射堆積して薄肉
板状の突起部を形成した後、この突起部の側面に、中間
電極材料、圧電体材料および表面電極材料をそれぞれ超
微粒子の状態で順次積層状に噴射堆積して圧電素子を形
成することとした。
【0010】請求項5に係る発明は、圧電振動子の製造
方法において、超微粒子の噴射ノズルを圧電振動子の各
部材毎にそれぞれ専用のものを用意し、これら複数の噴
射ノズルをノズルの移動方向に積層する順に配置し、噴
射ノズルを噴射堆積しつつ順次走査することにより積層
構造体を形成することとした。
【0011】請求項6に係る発明は、薄層状の圧電素子
と薄層状の弾性体とを積層してなる圧電振動子を製造す
るにあたり、その端面および側面を、絶縁材料からなる
超微粒子を噴射堆積して絶縁層を形成することにより被
覆することとした。
【0012】請求項7に係る発明は、弾性体の両面に圧
電素子を形成した圧電振動子を製造するにあたり、側面
に露出した弾性体および両圧電素子の中間電極を、絶縁
材料からなる超微粒子を噴射堆積して絶縁層を形成する
ことにより被覆し、次いで両圧電素子の表面電極の側面
における露出部を、導電性材料からなる超微粒子を噴射
堆積して電気的に接続することにより圧電振動子内の配
線を行うこととした。
【0013】請求項8に係る発明は、圧電振動子の製造
方法において、圧電振動子を絶縁基板上に固設した後、
その絶縁基板上に形成された配線端子と圧電振動子の電
極とを、噴射堆積により形成した導体層により電気的に
接続することとした。
【0014】
【作用】本発明は、基本的に噴射ノズルから加熱した基
板に超微粒子の状態で噴射堆積することにより、電極、
圧電体層等を積層形成するという手法を用いている。こ
の手法について、以下に説明する。
【0015】噴射ノズルから基板に超微粒子の状態で電
極、圧電体層等を噴射堆積する方法の原理を図2および
図3に示す。この噴射堆積方法は、公知の手法であり、
例えば特開平4−188503号公報や、賀集;「超微
粒子のガス・デポジション」、真空vol.35,N
o.7,1992,pp649〜pp653等に開示さ
れている。
【0016】この手法は、超微粒子生成室で生成または
準備した超微粒子を搬送管を通じて成膜室に導き、噴射
ノズルから高速で基板上に噴射させることにより、噴射
ノズル出射端形状に対応したパターンを有する厚さ数μ
m〜数十μmの膜を、直接的に高精度で成膜できるとい
う手法である。この手法の特徴としては、(1) 多元素の
混合均一膜が得られる、(2) マスクを使用せずにパター
ン形成が可能、(3) 膜形成速度が大きい、(4) 膜密度制
御が可能、(5) 低温膜形成が可能ということが挙げられ
る。また形成された膜の強度および基板への付着強度は
高く、緻密な膜を形成できる。
【0017】金属電極成膜時は、抵抗加熱法、誘導加熱
法、アーク加熱法、誘導プラズマ加熱法、レーザ加熱法
等で金属を加熱して蒸発させ、これと不活性ガス原子と
の衝突で超微粒子を生成し、図2に示すように、搬送管
4に不活性ガスである搬送ガスとともに超微粒子を導入
し、これを噴射ノズル5から基板6に向けて噴射し、超
微粒子の膜7を形成する。一方、圧電膜形成は、図3に
示すように、超微粒子生成室(超微粒子/ガスエアゾル
化室)8にアルコキシド法で準備した例えばPZT超微
粒子粉9を設け、搬送ガス(窒素、ヘリウム、アルゴ
ン、水素ガス等)でこのPZT超微粒子粉9を舞い上が
らせ、舞い上がったPZT超微粒子粉9を搬送ガスで搬
送管4に導入し、噴射ノズル5から基板6に向けて噴射
する。
【0018】この手法においては、超微粒子は金属、ガ
ラス、セラミックス、プラスチックのいずれでもよく、
また基板6についても同様の材質が利用できる。また、
この手法は、噴射ノズル5を複数準備すれば、異種の材
料の薄膜または厚膜積層を一挙に実施できるという特徴
も有している。したがって、複数の噴射ノズル5、例え
ば3本を一定の間隔で並んで配置させ、配置した方向に
基板6を移動することにより、3層の積層薄膜が得られ
る。この場合、形成される膜のパターン、厚さ等の形状
は、超微粒子の搬送条件と、各々の噴射ノズル5の形状
と移動速度により決定される。このために、任意の形状
を噴射堆積のみで加工することができる。
【0019】
【実施例1】(構成・作用)図1に示すように、セラミ
ックスにより形成された薄板状の弾性体10を加熱し、
その上面に噴射ノズル11から白金の超微粒子からなる
中間電極用超微粒子12を噴射堆積して下部電極13を
形成した。続いて、中間電極13上に噴射ノズル14か
らPZT超微粒子からなる圧電体用超微粒子15を噴射
堆積し、薄膜の圧電体16を形成した。次に、これを5
00〜1000℃で酸素雰囲気中にて熱処理した。その
後、噴射ノズル17から白金超微粒子からなる表面電極
用超微粒子18を噴射堆積して表面電極19を形成し
た。これにより、弾性体10に圧電素子20を積層した
圧電振動子21が得られた。
【0020】(効果)形成された圧電振動子21を構成
する各部材は、接着層を介在せずに強固に接合されてい
る。このために、機械的強度に優れるとともに、接着層
内および界面における圧電素子20の発生力の減衰、圧
電素子20と接着層の界面における剥離を生じることが
ない。したがって、高性能で信頼性の高い圧電振動子2
1を得ることができる。
【0021】上記各層の平面形状、厚さ等は、噴射ノズ
ル11,14,17の形状、噴射条件を制御することに
よって任意に決定できる。このために、圧電振動子21
の平面形状は、方形、円形等の単純なものに限定される
ことはなく、任意の形状とすることができる。また、同
一形状であれば、複数種の厚さの圧電振動子21は、同
一の装置で圧電体用超微粒子15の堆積量を変化させる
ことにより、容易に製造できる。さらに、弾性体10
は、ガラス、セラミックス、金属等の弾性に優れた材質
であれば、任意の材料が使用可能である。また、弾性体
10を金属製の薄板とした場合は、上記中間電極13を
省略することができる。
【0022】同様に、電極材料についても白金に限定さ
れるものではなく、導体である金属や、金属粉体とセラ
ミックス粉体とを同時に堆積すること等も可能である。
また、多層膜の電極として、例えば最表面に錫を堆積さ
せて半田付け可能にすることも容易である。
【0023】本実施例においては、圧電素子20の電極
13,19を噴射堆積により形成したが、これを蒸着、
メッキ、スパッタリング、焼き付け等の手法により形成
することも可能である。
【0024】
【実施例2】(構成・作用)図4に本実施例を示す。基
本的には実施例1と同様であるので、相違点のみについ
て説明する。弾性体10の一方の面に、実施例1と同様
に中間電極13、圧電体16、表面電極19を形成し
た。その後、弾性体10の他方の面に、噴射ノズル11
から白金超微粒子からなる中間電極用超微粒子12を噴
射堆積して中間電極13を形成した。続いて、中間電極
13上に噴射ノズル14からPZT超微粒子からなる圧
電体用超微粒子15を噴射堆積し、薄膜の圧電体16を
形成した。次に、これを500〜1000℃で酸素雰囲
気中にて熱処理した。その後、噴射ノズル17から白金
超微粒子からなる表面電極用超微粒子18を噴射堆積し
て表面電極19を形成した。これにより、弾性体10の
両面に圧電素子20を積層したバイモルフ型圧電振動子
22が得られた。
【0025】(効果)弾性体の両面に圧電素子20が形
成された、より発生力や変形量大きいがバイモルフ型圧
電振動子22が得られる。
【0026】
【実施例3】(構成)図5および図6に本実施例を示
す。基本的には実施例1と同様であるので、相違点のみ
について説明する。水溶性樹脂を用いて作製した基板2
3の表面に、蒸着法により金属薄膜24を形成した。続
いて、実施例1と同様にして、基板23の表面上に弾性
体10、中間電極13、圧電体16および表面電極19
を、それぞれの材料を超微粒子の状態で噴射堆積するこ
とにより積層状に形成した。図5において、25は噴射
ノズルを、26は弾性体用超微粒子を示す。その後、図
6に示すように、水中で超音波洗浄することにより、基
板23を融解して除去し、圧電振動子21を得た。
【0027】(作用)噴射堆積のみにより、圧電振動子
21が製造される。
【0028】(効果)圧電振動子21の構造中に基板を
含まなくてもよい。このために、圧電振動子21を構成
する各層を、非常に薄くすることができ、極薄の圧電振
動子21を作製することができる。
【0029】
【実施例4】(構成・作用)図7に本実施例を示す。基
本的には実施例1と同様であるので、相違点のみについ
て説明する。アルミナセラミックスにより基板28を作
製した。基板28の表面上に噴射ノズル29によりアル
ミナを超微粒子30の状態で噴射堆積し、薄板状の弾性
体10からなる突起部31を形成した。その後、突起部
31の側面に、中間電極13、圧電体15および表面電
極19を、それぞれの材料を超微粒子の状態で順に層状
に噴射堆積して圧電素子20を形成した。これにより、
基板28上にこれと一体に圧電振動子21が形成され
た。
【0030】(効果)保持部材である基板28に圧電振
動子21が一体に形成される。このために、特に圧電振
動子21を微小化した際に問題となる、ハンドリングの
困難さや、圧電振動子21を直接保持することによる振
動の抑制等がなくなる。また、基板28の材料と弾性体
10の材料とは、上記実施例に限定されることはなく、
同一の材料であれば使用可能である。例えば、ステンレ
ス鋼、リン青銅等の金属によって形成し、圧電素子20
の中間電極13を省略することも可能である。
【0031】
【実施例5】(構成)図8に本実施例を示す。基本的に
は実施例1と同様であり、相違点のみについて説明す
る。本実施例においては、圧電振動子を構成する各部材
の材料である超微粒子について、それぞれ専用の噴射ノ
ズルを使用する。各噴射ノズルは、断面形状が形成する
圧電振動子よりも十分小さいものとし、これを図8に示
すように、積層の順に従って、走査方向に向けて配置す
る。
【0032】圧電素子に関する加工工程を以下に示す。
まず弾性体10の上方に、中間電極用噴射ノズル11、
圧電体用噴射ノズル14および表面電極用噴射ノズル1
7を順に配置する。これら各噴射ノズル11,14,1
7から中間電極用超微粒子12、圧電体用超微粒子15
および表面電極用超微粒子17を弾性体10に噴射堆積
しながら、弾性体10とノズル11,14,17群を相
対的に矢印A方向に移動させることにより、圧電素子2
0を形成する。
【0033】(作用)圧電振動子21を構成する各部材
が、ほぼ同時に形成される。また、各部材の平面形状、
厚さ等の形状は、超微粒子12,15,18の搬送条件
と各噴射ノズル11,14,17の形状および移動速度
とにより決定される。
【0034】(効果)相対移動の速度・移動パターン等
の条件と、各噴射ノズル11,14,17の噴射条件を
制御することにより、任意の形状の圧電振動子21を、
同一の装置で製造することができる。このために、複雑
な形状の圧電振動子21の製造や、多種少量生産への適
用に優れている。また、層形成中に走査速度を変化させ
ることにより、各層の厚さを段階的・連続的に変化させ
ることも可能である。
【0035】
【実施例6】(構成、作用)図9に本実施例を示す。本
実施例においては、圧電振動子は基本的には前記実施例
で製造した方法により作製されており、以下圧電振動子
の保護被覆法について説明する。圧電振動子21につい
て、圧電体16および電極13、19が露出する面に、
セラミックスを超微粒子の状態で噴射堆積することによ
って被覆層32を形成した。
【0036】(効果)圧電振動子21を、水分の侵入、
傷等の影響などの外部環境に対して保護できる。ここ
で、噴射堆積法を用いることにより、保護すべき面を厳
密に選択できるため、不要な質量を加えて振動モードを
変えてしまうことや、実装において必要な電極端子を全
く汚すことがない状態で、被覆を行うことができる。す
なわち、これらにより、耐環境性に優れ、信頼性が高い
圧電振動子21を安定して得ることができる。保護層の
材質としては、セラミックスの他に樹脂、ガラス等の絶
縁材料が使用可能である。
【0037】
【実施例7】(構成)図10および図11に本実施例を
示す。本実施例においては、圧電振動子は基本的には前
記実施例で製造した方法により作製されており、以下圧
電振動子の振動内における配線方法について説明する。
弾性体10の両面に圧電素子20が形成された圧電振動
子21について、その側面に露出した弾性体10および
両圧電素子20の中間電極13を、噴射ノズル33と圧
電振動子21とを相対的に移動させながら、セラミック
スを超微粒子34の状態で噴射堆積して形成した絶縁被
覆層35で被覆した。次いで、噴射ノズル36と圧電振
動子21とを相対的に移動させながら、金属材料からな
る超微粒子37を噴射堆積して、両圧電素子20の表面
電極19の圧電振動子21側面における露出部を、電気
的に接続する導電層38を形成した。
【0038】(作用)圧電振動子21の両表面電極19
が電気的に接続され、並列型バイモルフが形成される。
【0039】(効果)絶縁被覆層35および導電層38
は、圧電振動子21と一体に形成される。このために、
圧電振動子21の振動モードに影響を与えることがな
く、また断線、接触不良、絶縁不良等の電気的な不良を
生じることがない。これにより、圧電振動子21の信頼
性を高めることができる。
【0040】
【実施例8】(構成)図12に本実施例を示す。本実施
例においては、圧電振動子は基本的には前記実施例で製
造した方法により作製されており、以下圧電振動子と圧
電振動子外部との配線方法について説明する。圧電振動
子21は、薄板状の弾性体がリン青銅により形成されて
いる。セラミックスにより絶縁体基板39を形成し、こ
の表面に圧電振動子保持用スリット40と、銅箔からな
る電気端子41とを形成した。圧電振動子21は、圧電
振動子保持用スリット40に固定した。その後、噴射ノ
ズル42から白金を超微粒子43の状態で噴射堆積する
ことにより、配線パターン44を形成し、この配線パタ
ーン44により電気端子41と圧電素子の表面電極とを
電気的に接合した。
【0041】(作用)配線パターン44により、電気端
子41と電極とが電気的に接合される。
【0042】(効果)圧電振動子21への配線は、基板
上の電気端子41に対して行えばよい。このために、配
線時に圧電振動子21に熱等によるダメージを与えるこ
とがなくなる。また、電気端子41の形状は、圧電振動
子21の特性に全く影響を与えることがないため、任意
に設定できる。したがって、装置への実装を前提とした
端子形状の設定が可能となり、実装工程も含んだ全体と
しての効率向上が図れる。
【0043】本実施例においては、電気端子41は圧電
振動子21の加工以前に形成する場合について説明した
が、配線パターン44形成時に、これを更に延長して端
子のパターンを形成することも可能である。また絶縁体
基板39は、銅合金やステンレス鋼等の導体に樹脂、セ
ラミックス、ガラス等の絶縁被膜を被せたものでも使用
可能である。さらに、圧電素子の中間電極側への配線
は、導体のリン青銅板である弾性体に関して上記の噴射
堆積による配線形成を行えばよい。また、本実施例にお
いては、実装すべき絶縁体基板39と圧電振動子21を
別々に形成した場合について説明したが、実施例3に示
したようにこれらを一体に形成してもよい。
【0044】
【発明の効果】以上のように、本発明の圧電振動子およ
びその製造方法によれば、圧電振動子の各部材の形成に
超微粒子の噴射堆積という手法を用いたので、接着層を
一切用いず、また裁断工程を必要とすることなく製造で
き、小型にして性能が向上し、歩留まり良く大幅なコス
ト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の製造工程を示す工程図であ
る。
【図2】超微粒子の噴射堆積方法を示す概念図である。
【図3】超微粒子の噴射堆積方法を示す概念図である。
【図4】本発明の実施例2の製造工程を示す工程図であ
る。
【図5】本発明の実施例3の製造工程を示す工程図であ
る。
【図6】本発明の実施例3の製造工程を示す工程図であ
る。
【図7】本発明の実施例4の製造工程を示す工程図であ
る。
【図8】本発明の実施例5の製造工程を示す工程図であ
る。
【図9】本発明の実施例6の圧電振動子を示す側面図で
ある。
【図10】本発明の実施例7の製造工程を示す工程図で
ある。
【図11】本発明の実施例7の製造工程を示す工程図で
ある。
【図12】本発明の実施例8の製造工程を示す工程図で
ある。
【図13】バイモルフ型圧電振動子を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10 弾性体 11,14,17,25,29,33,36,42 噴
射ノズル 12,15,18,26,30,34,37 超微粒子 13 中間電極 16 圧電体 19 表面電極 20 圧電素子 21 圧電振動子 22 バイモルフ型圧電振動子 23,28 基板 31 突起部 32 被覆層 35 絶縁被覆層 38 導電層 39 絶縁体基板 41 電気端子 44 配線パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若林 勝裕 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 号 オリンパス光学工業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄層状の圧電素子と薄層状の弾性体とを
    積層してなる圧電振動子において、少なくとも1つの層
    を超微粒子を噴射堆積することにより形成したことを特
    徴とする圧電振動子。
  2. 【請求項2】 薄層状の弾性体の一方の面に上部中間電
    極材料、上部圧電体材料および上部表面電極材料をそれ
    ぞれ超微粒子の状態で順次積層状に噴射堆積して上部圧
    電素子を形成し、次いで上記弾性体の他方の面に下部中
    間電極材料、下部圧電体材料および下部表面電極材料を
    それぞれ超微粒子の状態で順次積層状に噴射堆積して下
    部圧電素子を形成することを特徴とする圧電振動子の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 基板の表面に金属薄膜を形成した後、そ
    の基板の表面に下部圧電素子、弾性体および上部圧電素
    子をそれぞれ超微粒子材料を噴射堆積することにより積
    層状に形成し、その後基板を除去することを特徴とする
    圧電振動子の製造方法。
  4. 【請求項4】 基板上に弾性体材料を噴射堆積して薄肉
    板状の突起部を形成した後、この突起部の側面に、中間
    電極材料、圧電体材料および表面電極材料をそれぞれ超
    微粒子の状態で順次積層状に噴射堆積して圧電素子を形
    成することを特徴とする圧電振動子の製造方法。
  5. 【請求項5】 超微粒子の噴射ノズルを圧電振動子の各
    部材毎にそれぞれ専用のものを用意し、これら複数の噴
    射ノズルをノズルの移動方向に積層する順に配置し、噴
    射ノズルを噴射堆積しつつ順次走査することにより積層
    構造体を形成することを特徴とする圧電振動子の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 薄層状の圧電素子と薄層状の弾性体とを
    積層してなる圧電振動子を製造するにあたり、その端面
    および側面を、絶縁材料からなる超微粒子を噴射堆積し
    て絶縁層を形成することにより被覆することを特徴とす
    る圧電振動子の製造方法。
  7. 【請求項7】 弾性体の両面に圧電素子を形成した圧電
    振動子を製造するにあたり、側面に露出した弾性体およ
    び両圧電素子の中間電極を、絶縁材料からなる超微粒子
    を噴射堆積して絶縁層を形成することにより被覆し、次
    いで両圧電素子の表面電極の側面における露出部を、導
    電性材料からなる超微粒子を噴射堆積して電気的に接続
    することにより圧電振動子内の配線を行うことを特徴と
    する圧電振動子の製造方法。
  8. 【請求項8】 圧電振動子を絶縁基板上に固設した後、
    その絶縁基板上に形成された配線端子と圧電振動子の電
    極とを、噴射堆積により形成した導体層により電気的に
    接続することを特徴とする圧電振動子の製造方法。
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EP1693907A1 (en) * 2005-02-21 2006-08-23 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Piezoelectric actuator and method of producing the same
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