JPH0629099A - 誘導プラズマ装置 - Google Patents

誘導プラズマ装置

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JPH0629099A
JPH0629099A JP4040290A JP4029092A JPH0629099A JP H0629099 A JPH0629099 A JP H0629099A JP 4040290 A JP4040290 A JP 4040290A JP 4029092 A JP4029092 A JP 4029092A JP H0629099 A JPH0629099 A JP H0629099A
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JP
Japan
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plasma
raw material
liquid
nozzle
pipe
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JP4040290A
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English (en)
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Masakazu Nakamura
雅一 中村
Keiichi Sato
馨一 佐藤
Shinichi Yoyogi
新一 代々城
Yusuke Mitsuyoshi
裕介 光吉
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、プラズマを用いる装置において、プ
ラズマ炎中に液状物を供給することを特徴とする誘導プ
ラズマ装置を提供することにある。 【構成】液状物を供給する供給管とガス供給管とを合わ
せ持つ多重管構造の原料供給ノズルをプラズマ炎中に挿
入し、プラズマ炎の安定を保ったままプラズマ炎に液状
物を供給することを特徴とする誘導プラズマ装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラズマを用いた装置
に関する。さらに詳しくは、高周波誘導プラズマ、マイ
クロ波誘導プラズマまたはECRプラズマ等の誘導プラ
ズマ装置においてプラズマ炎を安定させたまま、プラズ
マ炎中に液状物を供給できる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、高周波誘導プラズマ装置、マ
イクロ波誘導プラズマ装置またはECRプラズマ装置等
の誘導プラズマ装置は、溶射、超微粒子の生成、粒子の
球状化等材料合成に用いられてきた。しかしながら使用
原料としては、固体状あるいは気体状物をプラズマ炎中
に供給する方法が主として行われ、液状物を効率的に供
給する方法は考案されていない。液体を供給する装置お
よび方法として、考案されているものとしては以下の方
法が挙げられる。すなわち特殊な使用法としての分析機
器である誘導結合プラズマ発光分析装置である。この装
置では液体分析試料をプラズマ炎中に導入する方法が行
われており、液体試料を極微小の液滴として噴霧し、発
光させるという目的には合うように供給方法および装置
の開発が行われてきた。しかしながら、液体試料を霧化
する割合が非常に少ないので効率的でなく、また本発明
のように液体供給ノズルがプラズマ炎中に挿入されてい
ない。さらに材料合成用の原料供給装置および供給方法
としては、特開平3ー89498号公報に開示されてい
るような、プラズマトーチ上部に原料供給ノズルを設置
し、液体原料を供給する方法が考案されている。しかし
ながら、このようにプラズマ炎近傍より液体原料を供給
するとプラズマ炎は不安定化し、さらに供給量を増加さ
せると場合によってはプラズマ炎が消滅してしまうとい
う欠点がある。
【0003】さらに溶媒に粉末を分散させたスラリー状
等の液状物を効率的に供給する方法は現在のところ技術
的に見い出されていない。
【0004】図1は、プラズマトーチの半断面図であ
り、トーチ内の流れを示したものである。この図1にお
いて、プラズマ炎上部の中央近傍には原料供給方向と反
対方向の流れが生じている。プラズマ炎を安定に保持さ
せておくには、プラズマ炎の温度を高温に保ち、しかも
この流れを安定にしておかなければならない。そのため
プラズマ炎上部より原料を供給した場合すなわちプラズ
マ炎の外から原料を供給した場合には、この流れが乱れ
るかまたは消滅するのでプラズマ炎が不安定となり、場
合によっては消滅してしまう。これらを改良するため
に、原料供給ノズルの先端をプラズマ炎中に挿入する方
法が考えられるが、ノズルの径が大きいと、プラズマト
ーチ内の流れがノズルにより乱されてしまい、しかもプ
ラズマ炎が冷却されてしまうためプラズマが不安定にな
る。そこで細いノズルを用いてプラズマ炎を高温に保
ち、トーチ内の流れを乱さないようにすることも考えら
れる。しかしながら液体噴霧ノズルは構造が複雑である
ため製作上ノズルの径を小さくしにくく、しかも小さく
した場合には溶解物あるいは内容物の固形分等がノズル
の先端等で詰まり、供給が困難になる場合が生じ、さら
にはノズルの径を小さくすると冷却水を大量に流す事が
困難であるためノズルの冷却が不十分になり、またノズ
ルの表面積/体積比が大きくなるので、プラズマ炎の高
温によりノズルが溶融する可能性が大きくなる。従っ
て、プラズマの高温にも耐えうるように充分冷却されて
おり、しかもトーチ内の流れを乱さないような細い液体
噴霧ノズルを設計製作することは困難であり、現在まで
原料供給ノズルをプラズマ炎中に挿入し、液体を供給す
るということは実用化されていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は以上のこ
とを鑑み、従来のプラズマ炎中に液状物を供給する方法
における欠点、すなわちプラズマ炎を安定に保持したま
ま液状物を供給できないという欠点を克服するために鋭
意検討した結果、プラズマ炎を安定に保持したまま液状
物を供給できる誘導プラズマ装置を考案設計し、製作し
た。同装置を用いることにより従来の供給方法では供給
が不可能であったスラリー、ゾル状液、粉砕ゲル分散液
等の液状物も容易に供給できることを見い出した。さら
に、通常の方法では凝集してしまい安定、定量供給しに
くい微粉末もスラリー状にすることにより、極めて安
定、定量的にプラズマ炎中に供給できることが明白とな
った。
【0006】本発明者等は、かかる知見に基づきさらに
重ねて検討した結果、本発明を完成するに至ったもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、プラズマ源と
して高周波誘導プラズマ、マイクロ波誘導プラズマまた
はECRプラズマ等の誘導プラズマ装置において、液状
物を供給する供給管とガス供給管を合わせ持つ多重管構
造の原料供給ノズルを用い、原料供給ノズルの先端をプ
ラズマ炎中に挿入し、プラズマ炎中に液状物を供給する
ことを特徴とする誘導プラズマ装置である。
【0008】本発明において前述した高周波誘導プラズ
マ、マイクロ波誘導プラズマまたはECRプラズマ等は
通常の熱プラズマに限定されるものではなく、グロー状
態のプラズマでも良い。
【0009】また本発明において液状物とは原料が液
体、あるいは原料が溶媒に溶解したような液体単独のも
のばかりでなくスラリー状、ゾル状液、および粉砕ゲル
分散液さらにはこれらの混合物も含まれる。もちろん本
発明において、従来の固体状および/または気体状物質
を供給することも可能であり、本発明は液状物の供給の
みに限定されるものではない。
【0010】以下高周波誘導プラズマ反応装置を例とし
て図面に基づいて説明する。ただし本例は、マイクロ波
誘導プラズマ、またはECRプラズマ等にも適用可能で
あり、以下の説明により何等限定されるものではない。
図2は、本発明装置の断面図である。1は多重管構造の
原料供給ノズルを示しており、2は液状物供給管、3は
原料噴霧ガス供給管、4、5は冷却水供給、排出管を示
している。6、7は、プラズマ作動ガス供給管、8は誘
導コイル、9はプラズマ炎を示している。原料供給ノズ
ル1において、原料噴霧ガス供給管3の内側に液状物供
給管2が挿入されており、かつ供給管2の先端は供給管
3の先端と同位置かもしくは先端より外部にでている。
原料供給ノズルの外径dは、プラズマ装置のトーチ内径
Dの1/2以下である。また原料供給ノズル1の先端が
プラズマ炎9の中に入るようにプラズマトーチ上部に原
料供給ノズル1を設置し、液状物を噴霧供給する。液状
物供給管2の先端が原料噴霧ガス供給管3の先端と同位
置かもしくは先端より外部にでていることにより、液状
物は原料供給ノズルの先端に付着すること無く均一に霧
化される。そのため、大きな液滴が生成しないので、プ
ラズマが不安定になりさらには消滅してしまうことはな
くなる。
【0011】このように本発明によれば、プラズマ炎を
安定に保持したまま液状物を供給することができる。ま
た高周波誘導プラズマまたはマイクロ波誘導プラズマ装
置等により形成されるプラズマは、熱プラズマまたはグ
ロープラズマ状態のどちらであっても本発明の多重管構
造の原料供給ノズルを使用することによって安定に液状
物を供給することが可能になった。以上のプラズマ装置
に関して、原料噴霧ガスとして用いるガスはアルゴン等
の未反応ガスだけではなく、酸素、水素、窒素、メタ
ン、シラン等のガスあるいはこれらの混合ガスを用いる
ことができるが、これのみに限定されるものではない。
さらにプラズマ作動ガスとしては、原料噴霧ガスと同様
なガスを用いることができる。
【0012】
【実施例】以下実施例を挙げて、本発明を具体的に説明
する。ただし、本発明の範囲は、下記実施例により何等
限定されるものではない。以下の実施例において、各原
料の使用量は純分量を示す。
【0013】実施例1 本発明装置において原料粒子の球状化をはかる目的で以
下の実験を行った。図2に示すように、原料供給ノズル
の先端がプラズマ炎中に位置するように、原料供給ノズ
ルを設置した。高周波誘導プラズマ装置においてプラズ
マ炎を発生させ、次に純水100mlに市販のアルミナ
粉末10gを分散させた液状物を、噴霧供給した。この
時の実験条件を表1に示す。液状物は、1.0ml/m
inの割合で原料供給ポンプを用い供給した。その結
果、プラズマ炎の乱れもなく、液状原料を安定供給でき
た。生成物のSEM観察写真を、図3に示す。これよ
り、ほとんどの粒子が球状化していることがわかる。
【0014】
【表1】
【0015】比較例1 図2に示した原料供給ノズルを用い、その先端がプラズ
マ炎の上部に位置するように設置した。実施例1と同様
に、高周波誘導プラズマ装置のプラズマ炎を発生させ、
次に純水100mlに市販のアルミナ粉末10gを分散
させた液状物を、噴霧供給した。この時の実験条件は実
施例1と同一とした。液状物は原料供給ポンプを用い供
給した。
【0016】しかしながら上記実験条件ではプラズマの
熱量が少ないために、原料噴霧ガスを供給しただけでプ
ラズマ炎は不安定となった。液状物の供給量が0.05
ml/min以上になるとプラズマ炎はさらに不安定と
なり、これ以上供給することは不可能であった。生成物
のSEM観察写真を、図4に示す。これより、生成物中
に球状化していない粒子がかなりの割合で存在している
ことがわかる。したがって原料供給ノズルの先端をプラ
ズマ炎の外部に設置したことにより、原料供給量が少な
いにも関わらず球状化が完全には行われなかったことが
わかる。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、実施例から明らかな如
く、従来の液体供給方法と比べ液状物を効率よく霧化で
き、かつプラズマ炎を安定に保持したまま原料を供給で
きるようになったことにより、プラズマを用いた溶射、
超微粒子の生成、粒子の球状化、薄膜形成等材料合成に
おいて大量生産、省エネルギー化を推進することができ
る。しかも従来の液体供給方法では供給できなかった粘
稠な液体、スラリー状物質をも供給可能となり多種多様
な原料を定量的かつ定量的に供給できるようになったこ
とは、プラズマ場を用いた新規物質の合成および材料生
産の工業化に大きく寄与し、その産業的意義は極めて多
大である。
【0018】
【図面の簡単な説明】
図1は誘導プラズマ装置トーチ内の流れを示した図であ
る。図2は本発明装置の断面図を示す。図3は実施例1
により生成した粒子のSEM観察写真を示す。図4は比
較例1により生成した粒子のSEM観察写真を示す。
【符号の説明】
1、原料供給ノズル 2、液状物供給管 3、原料噴霧ガス供給管 4、冷却水供給 5、冷却水排出管 6、プラズマ作動ガス供給管 7、プラズマ作動ガス供給管 8、誘導コイル 9、プラズマ炎 d、原料供給ノズル径 D、プラズマトーチ内径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 光吉 裕介 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマを用いる装置において、液状物を
    供給する供給管とガス供給管とを合わせ持つ多重管構造
    である原料供給ノズルをプラズマ炎中に挿入し、プラズ
    マ炎中に液状物が供給されることを特徴とする誘導プラ
    ズマ装置。
  2. 【請求項2】多重管構造である原料供給ノズル径dがト
    ーチ内径の1/2以下であることを特徴とする請求項1
    記載の誘導プラズマ装置。
  3. 【請求項3】プラズマ源として、高周波誘導プラズマ、
    マイクロ波誘導プラズマまたはECRプラズマを使用す
    ることを特徴とする請求項1記載の誘導プラズマ装置。
JP4040290A 1992-01-30 1992-01-30 誘導プラズマ装置 Pending JPH0629099A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006102737A (ja) * 2004-09-07 2006-04-20 Nisshin Seifun Group Inc 微粒子の製造方法
WO2006137205A1 (ja) 2005-06-22 2006-12-28 Tokyo Institute Of Technology 液体導入プラズマシステム
US7828999B2 (en) 2004-09-07 2010-11-09 Nisshin Seifun Group Inc. Process and apparatus for producing fine particles

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JP4560634B2 (ja) * 2005-06-22 2010-10-13 国立大学法人東京工業大学 液体導入プラズマシステム

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