JP2841715B2 - ダイヤモンド膜の製造装置および製造方法 - Google Patents

ダイヤモンド膜の製造装置および製造方法

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JP2841715B2 JP13222690A JP13222690A JP2841715B2 JP 2841715 B2 JP2841715 B2 JP 2841715B2 JP 13222690 A JP13222690 A JP 13222690A JP 13222690 A JP13222690 A JP 13222690A JP 2841715 B2 JP2841715 B2 JP 2841715B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はダイアモンド膜の製造装置および製造方法に
関し、特にアーク放電を利用してダイアモンド膜を気相
合成する製造装置および製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、ダイアモンド膜の低圧気相合成が提案されてい
るが、その合成方法は、次の3種類に大別できる。
第1の方法は、熱フィラメントCVD法と呼ばれるもの
で、800〜1000℃に加熱した基板の直上にタングステン
フィラメントを設け、フィラメントを2000℃以上に加熱
し、水素と炭化水素ガス(例えばCH4)をフィラメント
を通して基板に吹きつけ、基板上にダイアモンド膜を成
長させる方法である。第2は、マイクロ波プラズマCVD
法と呼ばれ、数百ワットのマイクロ波により水素と炭化
水素ガスの混合ガス気体にプラズマを発生させ、プラズ
マ内に設置された基板上にダイアモンドを成長させる方
法で、基板はマイクロ波により加熱され、700〜900℃程
度の温度になっている。以上2種類の合成法では、原子
状水素が重要な役割をしている。原子状水素は、CH4
分解を促進し、さらに無定形炭素などダイアモンド以外
の合成分室を選択的にエッチングする。第3はイオンビ
ームを用いた合成法であり、炭素のイオンビームを基板
にあてることでダイアモンド膜を成長させようとするも
のである。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、現在提案されている上記従来のダイアモンド
膜製造法には、次のような問題がある。すなわち、熱フ
ィラメントCVD法では、フィラメントを高温とするため
断線するトラブルが多く実用的とは言えない。又、タン
グステンの融点を考えるとフィラメントの温度は2000℃
程度でそれ以上の温度では断線を招く。従って、十分な
原料ガス分解ができない。また、マイクロ波プラズマを
用いた合成法では、プラズマ室の寸法が制約され大面積
の試料への適用が困難であり、かつ原料ガス、特に水素
の分解が不十分である。イオンビームによる合成法で
は、アモルファス等の不純物を多く含むダイアモンドと
なってしまうという問題があった。
本出願人は、先に特願昭62−256805号にて、対向した
電極にアーク放電を生じさせ、原料ガスをアーク放電内
に通過せしめてガスプラズマとし、このガスプラズマを
絞り部によりプラズマジェットガスとし、このプラズマ
ジェットガスを基板に吹きつけることにより、この基板
上にダイアモンドを析出形成する合成方法を提案した。
しかしこの合成方法では、合成速度は著しく向上する
ことができたが、ダイアモンド膜の純度を向上させるに
は、導入する炭化水素の水素に対する濃度を低下させな
ければならず、それにより合成速度が低下してしまう。
つまり、第8図に示すデータのように、炭化水素濃度
を低下させると合成ダイアモンド膜の熱拡散率(純度)
は向上するが、合成速度は低下するという問題があっ
た。
本発明は、かかる従来の問題点を解決しようとするも
ので、合成速度を速くした上で、高純度のダイアモンド
膜を形成するダイアモンド膜の製造装置および製造方法
を提供することを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するために、請求項1記載の本発明
のダイアモンド膜の製造装置は、 所定真空度に維持される真空容器と、 互いに対向するように前記真空容器内に配置した正極
および負極と、 前記正極および負極に電気接続し、該正極および負極
との空間にアーク放電を起こすべく所定の電力を印加す
るアーク放電用電源と、 前記アーク放電に少なくともプラズマ源ガスを流すこ
とにより、ガスプラズマを発生し、炭素源ガスを含む前
記ガスプラズマをその下流に配置する基板に吹きつける
ガス供給手段と、 前記アーク放電用電源とは別に設けられ、前記ガスプ
ラズマが発生する領域側と前記基板側との間に、該基板
側が高電位となる電界を印加してその間に所定量の電流
を流す電界印加用電源と を備えることを特徴とている。
また、請求項2記載の本発明のダイアモンド膜の製造
装置は、 所定真空度に維持される真空容器と、 互いに対向するように前記真空容器内に配置した正極
および負極と、 前記正極および負極に電気接続し、該正極および負極
とのそれ間にアーク放電を起こすべく所定の電力を印加
するアーク放電用電源と、 前記アーク放電に少なくともプラズマ源ガスを流すこ
とによりガスプラズマを発生し、炭素源ガスを含む前記
ガスプラズマをその下流に配置する基板に吹きつけるガ
ス供給手段と、 前記ガスプラズマが発生する領域側よりも前記基板側
に配置された第3の電極と、 該第3の電極と前記ガスプラズマが発生する領域側と
の間に電流を流すために該第3の電極が高電位となる電
界を印加する電界印加用電源と を備えることを特徴としている。
また、請求項4記載の本発明のダイアモンド膜の製造
方法は、 少なくともプラズマ源ガスをアーク放電に流すことに
よりガスプラズマを発生し、炭素源ガスを含む前記ガス
プラズマをその下流に配置する基板に吹きつけることに
より該基板上にダイアモンド膜を析出形成する方法にお
いて、 アーク放電を発生させる電源とは別の電源にて、前記
ガスプラズマが発生する領域側と前記基板側との間に電
流を流すために該基板側が高電位となる電界を印加する
ようにしたことを特徴としている。
また、請求項5記載の本発明のダイアモンド膜の製造
方法は、 少なくともプラズマ源ガスをアーク放電に流すことに
よりガスプラズマを発生し、炭素源ガスを含む前記ガス
プラズマをその下流に配置する基板に吹きつけることに
より該基板上にダイアモンド膜を析出形成する方法にお
いて、 前記ガスプラズマが発生する領域側よりも前記基板側
に第3の電極を設置し、 前記第3の電極と前記ガスプラズマが発生する領域側
との間に電流の流すために該第3の電極が高電位となる
電界を印加するようにしたことを特徴としている。
〔実施例〕
本発明に用いられる第1実施例の装置の断面図を第1
図に示す。
プラズマジェットガン1と、基板2及び銅から成る基
板支持台3は、5Torr〜5気圧の範囲内の所定の真空度
に維持される真空容器5内に設けられている。
プラズマジェットガン1は、一端が鋭角に形成された
先端部7aと他端がフランジ部7bとに形成されたタングス
テンよりなる棒状電極7を軸として、フランジ部7b側か
ら、銅よりなる電極冷却部8、テフロンよりなるガス導
入部9および銅よりなるシリンダ状電極10が設けられて
いる。電極冷却部8およびシリンダ状電極10には、中空
である中空部108,110が設けられている。シリンダ状電
極10に接続された冷却水パイプ14より供給される冷却水
がシリンダ状電極10の中空部110から冷却水路14aに流れ
出る。電極冷却器8に接続された冷却水パイプ15より供
給される冷却水が電極冷却器8の中空部108に供給さ
れ、電極冷却部8に接続される冷却水パイプ15aより排
出される。この冷却水によって棒状電極7とシリンダ状
電極10との間に生ずるアーク放電の熱による電極の損耗
を防いでいる。ガス導入部9には、原料ガス導入パイプ
16が設けられており、さらに、棒状電極7の一端側にお
いて開口されガス導入パイプ16より供給されるガスを、
棒状電極7の先端部7aに送るように構成されている。さ
らに棒状電極7とシリンダ状電極10の間でアーク放電を
起こすために、棒状電極7とシリンダ状電極10とはアー
ク放電用電源17が接続されている。尚、このアーク放電
用電源17は、アーク放電を効果的に発生させるために、
鋭角に形成された先端部7aを有する棒状電極7を負電位
にするのが望ましい。また、シリンダ状電極10のガス導
入部9の反対の面には、絞り部であるプラズマ噴出口18
が設けられている。このプラズマ噴出口18の下流には基
板支持台3に基板2が置かれている。この基板支持台3
は、基板を所定温度(本実施例では約800℃)に維持す
るために冷却水パイプ20より冷却水が供給され、冷却水
パイプ20aより排出できるよう中空となっている。これ
は、プラズマ噴出口18より噴き出されるプラズマジェッ
トの気体温度が数千〜数万度に達してしまうため、基板
温度をダイアモンドの合成域である600〜1100℃にする
ために基板2を冷却する必要があるからである。また、
プラズマ噴出口18には、炭素ガス導入口19が設けられて
いる。
棒状電極7と基板支持台3との間には、電界印加用電
源21が電気接続してある。また、プラズマ噴出口18と基
板2との間の距離は60mmとした。
次に、本実施例のダイアモンド膜の合成方法を記述す
る。まずはじめに、真空容器5内を排気した後、電離後
の高い第0族のガスであるアルゴンをガス導入パイプ16
からプラズマジェットガン1に導入し、かつ真空容器5
内圧力を20Torrに設定する。その後、アーク放電用電源
17により棒状電極7(負極)とシリンダ状電極10(正
極)との間にアーク放電を発生させる。放電が安定した
ところで、このアーク放電にガス導入パイプ16より、プ
ラズマ源ガスとしてアルゴン50vol%、H250vol%の混合
ガスを12/minの流量で流し、ガスプラズマとした。さ
らに、炭素源ガス導入口19よりメタンガス240cc/minと
水素ガス60cc/minの混合ガスを導入した。ここで、メタ
ンガスに代表される炭素源ガスとしての炭化水素ガス
は、作動ガス導入パイプ16から導入してもよいが、タン
グステン電極棒が炭化され、長時間放電が安定しない欠
点があるため、炭化水素ガスは放電部下流のガス導入口
19から導入するのが望ましい。真空容器5内の圧力は20
Torrに保つ様、適当に排気している。アーク放電は、電
圧40Vで電極40A,60A,80Aの条件とした。プラズマ噴出口
18にガスプラズマを通過せしめ、プラズマジェットと
し、さらに炭素源ガス導入口19より導入されるメタンガ
スをこのプラズマジェットに吹きつけプラズマジェット
ガスとした。さらに、プラズマ噴出口18と基板2の間に
電界を直流電源である電界印加用電源21により印加す
る。電圧として100V、電流値3Aとし、基板2側の電位を
正電位とする。そして、赤紫色のプラズマジェットガス
を基板2に吹きつけることにより、基板2上にダイアモ
ンドを析出形成させた。
ここで、第1実施例のプラズマ中心部は3000℃以上で
あり、またガン内部の放電部はそれ以上に上昇してい
る。
以上の条件で30分合成を行い、基板2上の付着物を観
察した基板2としてはタングステン金属板を用い、ダイ
アモンド膜が合成し易いように基板2の表面にはあらか
じめ研磨により微細な傷をつけた。
基板2上付着物の観察には、ラマン分光装置と電子顕
微鏡を用いた。第2図(a)は本実施例におけるラマン
シフトとピーク高さの関係を示す特性図を示す。第2図
(b)は第1図に示す構成において、電界印加用電源21
により電界を印加しなかった場合のラマンシフトとピー
ク高さを示す特性図を示す。このラマンスペクトルから
は、第2図(a)よりラマンシフトが1333cm-1付近のダ
イアモンドの存在を示すラマンピークが確認された。ま
た、第2図(b)ではこのラマンスペクトルより、黒鉛
無定形炭素、i−カーボン等を示す1400cm-1〜1600cm-1
のブロードなピークが明らかに現れている。この第2図
(a),(b)の結果から、電界印加用電源により電界
を印加すれば、高純度のダイアモンド膜を析出形成でき
るということがかる。尚、電子顕微鏡の観察でも結晶粒
子像が確認されており、結晶形もマイクロ波プラズマCV
D法で合成されたダイアモンド粒子と同様の形態を示し
ている。
又、ダイアモンド膜の合成速度については、従来知ら
れているマイクロ波プラズマCVDを用いて我々が行った
ダイアモンド合成実験では、0.3μm/Hrの合成速度であ
ったのに対し、本実施例の合成法では50μm/Hrの合成速
度であり、十分に速い速度にて合成できる。
次に、上記実施例のように、棒状電極7と基板支持台
3との間に電界を印加することにより、高純度のダイア
モンド膜が速い合成速度にて析出形成できるようになる
理由について、本発明者達の考察結果をもとに、以下に
説明する。
ここで、アーク放電を利用したダイアモンド膜の合成
法は、アーク放電の熱エネルギーによりガスを十分に分
解してダイアモンド膜を合成する方法であり、使用ガス
は一般には炭化水素と水素である。ガスの役割を考える
と炭化水素はプラズマ分解により分解しダイアモンド、
グラファイト、無定形炭素、i−カーボンを生成する。
一方、水素はプラズマ分解により分解し、水素ラジカ
ル、水素イオン等になると考えられる。この水素ラジカ
ルは、還元力が大きいため、例えば炭素を還元してメタ
ン等に気化する働きがある。つまり、炭化水素がプラズ
マ分解することにより発生するダイアモンド、グラファ
イト、無定形炭素、i−カーボン等を水素ラジカルによ
り還元する。また、上記ダイアモンド、グラファイト、
無定形炭素、i−カーボンに対する水素ラジカルの除去
能力は、それぞれに対して違い、ダイアモンドに対する
除去能力は他のグラファイト、無定形炭素、i−カーボ
ンに対する除去能力に比べ格段に低い。したがって、プ
ラズマ分解によるダイアモンド合成とは、水素ラジカル
によりダイアモンド以外のグラファイト、無定形炭素、
i−カーボン等が見かけ上選択的に除去されるため、ダ
イアモンドのみ合成させるわけである。したがって、ダ
イアモンドの合成速度および純度を向上させるには、炭
化水素の導入量を増加させるだけではなく、水素の分解
(解離)を向上させる必要がある。例えば、統計力学に
より気体温度に対する水素の解離率を計算すると、第4
図に示すグラフのようになる。このグラフより、例えば
熱フィラメント法の様に2千数百゜K程度では、水素は
数%も解離していない。水素を高解離させるには、少な
くとも3千゜K以上の気体温度が必要である。アーク放
電は、空間中を高密度の電流が流れる放電であり、数千
から数万゜Kの気体温度が得られるため水素を十分に解
離できると考えられる。
そして、棒状電極7と基板支持体3との間に電界を印
加することにより、ガスプラズマ中を流れる電子が基板
2側に加速され、その電子のエネルギーが大きくなる。
そして、この電子が水素に衝突することにより、そのエ
ネルギーを水素が吸収する結果、水素が分解し、解離し
易くなり、延いては高純度のダイアモンド膜を析出形成
できるようになるものと考えられる。
第3図に棒状電極7と基板支持体3との間に印加する
電流値(電界)を変化させた場合のラマンシフトとピー
ク高さの特性図を示す。第3図(a)は基板支持体3側
を正(高)電位にした場合の特性図であり、第3図
(b)は基板支持体3を負(低)電位にした場合の特性
図である。第3図(b)からわかるように、基板支持体
3側を負(低)電位にした場合には電流はほとんど流れ
ず、そのラマンスペクトルから1400cm-1〜1600cm-1のブ
ロードなピークが現れ、ダイアモンド膜の純度が低下す
るようになるので、基板支持体3側は正(高)電位にす
る必要がある。又、第3図(a)からわかるように、印
加する電流を1A以上(電界としては50V以上)にすると1
400cm-1〜1600cm-1のブロードなピークがほとんど現れ
なくなり、高純度のダイアモンド膜が得られる。
ここで、バイアスを印加するのはプラズマ中に電流を
流すためであり、その値としては1A以上であれば効果が
あるものである。又、その値が大きい程析出形成される
ダイアモンド膜の純度は向上するが、その上限値は基板
温度とのかね合いより100A程度が望ましい。
第5図は基板2上5mmのところの水素ラジカル発先ピ
ーク強度と通電する電流との関係を調べたものである
が、電流の増加に伴ない、水素ラジカルの存在量も増加
していることがわかる。つまり、ガスプラズマ中に通電
することで基板付近での水素解離量が増大し、この解離
水素の増大がダイアモンド以外の黒船、無定形炭素、i
−カーボンといった非ダイアモンド炭素の除去能力を向
上することにより、ダイアモンドの純度が向上できるの
である。
次に、本発明の第2実施例を第6図を用いて説明す
る。上記第1実施例では、アーク放電プラズマジェット
法により行ったが、第6図に示すような構成のアーク放
電法によっても第1実施例と同様の効果が得られる。つ
まり、対向している電極210,207間にアーク放電用電源2
17によりアーク放電を発生させ、原料ガス導入パイプ21
6よりプラズマ源ガスおよび炭素源ガスを含む原料ガス
として水素、メタン、アルゴンの混合ガスを第1実施例
と同比率、同流量流す。次に、基板支持台203と電極207
(もしくは電極210)の間に電界を直流電源である電界
印加用電源221により印加する。実験条件は第1実施例
に示した条件と同じとした。本実施例の装置によっても
第1実施例と同様、純度の高いダイアモンドの合成が確
認できている。
次に本発明の第3の実施例を第7図を用いて説明す
る。構成としては、第1の実施例のプラズマ噴出口18と
その下の基板2との間に第3の電極31としてリング状の
電極を設置し、電界印加用電源21と接続する。つまり、
棒状電極7と該第3の電極31の間に電界を印加しプラズ
マ中に電流を流すようにしている。該第3の電極31の内
径はφ20mmであり冷却水導入パイプ32から中空部112に
水を流し冷却しており、材質は銅である。又設置位置と
しては基板2上5〜10mmである。
ダイアモンドの合成条件は、第1の実施例とほとんど
同じであるが、棒状電極7と第3の電極31の間に流れる
電流を1〜100Aとした。これにより、ダイアモンドを合
成した結果、第1の実施例と同様純度の高いダイアモン
ドの合成を確認している。
なお、上記第3の電極31と基板2間の距離が1〜100m
mであり、かつガスプラズマが発生する領域側と該第3
の電極31間が5〜100mmであればダイアモンドの合成は
可能である。
以上、本発明を上記第1、第2、第3実施例を用いて
説明したが、本発明はそれらに限定されることなくその
趣旨を逸脱しない限り、例えば以下に示す如く種々変形
可能である。
上記第1実施例では、電界印加用電源21の負(低)電
位側を棒状電極7に接続しているが、シリンダ状電極10
に接続しても良い。
電界印加用電源21の正(高)電位側は基板2に直接接
続しても良く、又、基板2の直上にメッシュ状の電極を
配置させ、この電極に正(高)電位側を接続してもよ
い。要は基板2側からガスプラズマが発生する領域側に
向かって電界が印加され、ガスプラズマ中に所定量の電
流を流すことが必要である。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明によれば、ガスプラズマを
発生する領域側と基板側との間もしくは、ガスプラズマ
を発生する領域側と基板上方の電極間に、該基板側もし
くは基板上方の電極側が高電位となる電界を印加しプラ
ズマ中に電流を流すことにより、ガスの分解が基板近傍
で十分行われるため、合成速度を速くした上で、高純度
のダイアモンド膜を形成することができるという優れた
効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例のダイアモンド膜の製造装
置の断面図、第2図(a),(b)及び第3図(a),
(b)はラマンシフトとピーク高さとを表す特性図、第
4図は気体温度に対する水素の解離度を示すグラフ、第
5図はプラズマ中に通電する電流値に対する基板上5mm
の位置の水素解離量の関係を測定したグラフ、第6図は
本発明の第2実施例のダイアモンド膜の製造装置の断面
図、第7図は本発明の第3の実施例のダイアモンド膜の
製造装置の断面図、第8図は炭化水素濃度(CH4/H2)に
対するダイアモンドの熱拡散率と合成速度を表すグラス
である。 1……プラズマジェットガン,2……基板,3……基板支持
台,5……真空容器,7……棒状電極,10……シリンダ状電
極,16……ガス導入パイプ,17……アーク放電用電源,19
……炭素ガス導入口,21……電界印加用電源,31……リン
グ状電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 正 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式 会社日本自動車部品総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭64−65093(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C30B 1/00 - 35/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定真空度に維持される真空容器と、 互いに対向するように前記真空容器内に配置した正極お
    よび負極と、 前記正極および負極に電気接続し、該正極および負極と
    の空間にアーク放電を起こすべく所定の電力を印加する
    アーク放電用電源と、 前記アーク放電に少なくともプラズマ源ガスを流すこと
    により、ガスプラズマを発生し、炭素源ガスを含む前記
    ガスプラズマをその下流に配置する基板に吹きつけるガ
    ス供給手段と、 前記アーク放電用電源とは別に設けられ、前記ガスプラ
    ズマが発生する領域側と前記基板側との間に、該基板側
    が高電位となる電界を印加してその間に所定量の電流を
    流す電界印加用電源と を備えることを特徴とするダイアモンド膜の製造装置。
  2. 【請求項2】所定真空度に維持される真空容器と、 互いに対向するように前記真空容器内に配置した正極お
    よび負極と、 前記正極および負極に電気接続し、該正極および負極と
    の空間にアーク放電を起こすべく所定の電力を印加する
    アーク放電用電源と、 前記アーク放電に少なくともプラズマ源ガスを流すこと
    によりガスプラズマを発生し、炭素源ガスを含む前記ガ
    スプラズマをその下流に配置する基板に吹きつけるガス
    供給手段と、 前記ガスプラズマが発生する領域側よりも前記基板側に
    配置された第3の電極と、 該第3の電極と前記ガスプラズマが発生する領域側との
    間に電流を流すために該第3の電極が高電位となる電界
    を印加する電界印加用電源と を備えることを特徴とするダイアモンド膜の製造装置。
  3. 【請求項3】前記基板は基板支持台に固定されるもので
    あり、前記基板支持台は内部が中空になっており、この
    中空部分に前記基板を冷却する冷却水が流通されること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載のダイアモ
    ンド膜の製造装置。
  4. 【請求項4】少なくともプラズマ源ガスをアーク放電に
    流すことによりガスプラズマを発生し、炭素源ガスを含
    む前記ガスプラズマをその下流に配置する基板に吹きつ
    けることにより該基板上にダイアモンド膜を析出形成す
    る方法において、 アーク放電を発生させる電源とは別の電源にて、前記ガ
    スプラズマが発生する領域側と前記基板側との間に電流
    を流すために該基板側が高電位となる電界を印加するよ
    うにしたことを特徴とするダイアモンド膜の製造方法。
  5. 【請求項5】少なくともプラズマ源ガスをアーク放電に
    流すことによりガスプラズマを発生し、炭素源ガスを含
    む前記ガスプラズマをその下流に配置する基板に吹きつ
    けることにより該基板上にダイアモンド膜を析出形成す
    る方法において、 前記ガスプラズマが発生する領域側よりも前記基板側に
    第3の電極を設置し、 前記第3の電極と前記ガスプラズマが発生する領域側と
    の間に電流を流すために該第3の電極が高電位となる電
    界を印加するようにしたことを特徴とするダイアモンド
    膜の製造方法。
  6. 【請求項6】前記電流の値は1〜100Aである請求項4ま
    たは請求項5に記載のダイアモンド膜の製造方法。
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