JP5363397B2 - 珪素/炭化珪素複合微粒子の製造方法 - Google Patents
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複合化された微粒子として、例えば、非特許文献1には、珪素微粒子の表面に炭化珪素層が形成されたコアシェル構造の複合微粒子が開示されている。
非特許文献1には、珪素粉末をアルゴン−水素(Ar−H2)の熱プラズマ炎に投入し、さらに、アルゴンガスとともにメタン(CH4)ガスを熱プラズマ炎の尾部に噴射して、珪素微粒子の表面に炭化珪素層が被覆された複合微粒子を形成することが記載されている。
また、非特許文献1に記載されたコアシェル構造の複合微粒子の製造方法は、珪素粉末を熱プラズマ炎中に供給した後、メタンガスをアルゴンガスとともに熱プラズマ炎の尾部に供給して製造する手法であり、珪素粉末は熱プラズマ炎中で気相状態になる。
このように、非特許文献1に記載の製造方法では、コアシェル構造の複合微粒子を製造する際に、その形状や粒径を均一にすることが難しい。
また、複合化された微粒子の表面に形成された層の厚さを調節することについては、何ら検討されていない。
本発明の他の目的は、珪素/炭化珪素複合微粒子の炭化珪素層の厚さを調節することができる製造方法を提供することにある。
また、前記炭素を含む液体状の物質として、例えば、アルコール、ケトン、ケロシン、オクタンまたはガソリンが挙げられる。
さらに、前記熱プラズマ炎は、水素、ヘリウムおよびアルゴンの少なくとも1つのガスに由来するものであることが好ましい。
さらには、スラリー中の酸化珪素の含有量を調節することにより、珪素/炭化珪素複合微粒子の炭化珪素の被覆の厚さを調節することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る珪素/炭化珪素複合微粒子の製造方法を実施するための微粒子製造装置の全体構成を示す模式図である。図2は、図1中に示したプラズマトーチ12付近の部分拡大図である。図3は、図1中に示したチャンバ16の天板17、およびこの天板17に備えられた気体射出口28aおよび気体射出口28b付近を拡大して示す断面図である。また、図4は、サイクロン19を拡大して示す断面図である。
本実施形態においては、後述する熱プラズマ炎24中で、炭素を含む液体状の物質(分散媒)を燃焼させることなく分解して炭素を発生させるために、プラズマガスには酸素を含まないものを用いる。このプラズマガスとしては、例えば、水素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。プラズマガスは、単体に限定されるものではなく、水素とアルゴン、ヘリウムとアルゴンのように組み合わせて使用してもよい。
上述のコンプレッサ28cと気体供給源28dは、管28eを介してチャンバ16の天板17に接続されている。
また、アルコールとしては、例えば、エタノール、メタノール、プロパノール、イソプロピルアルコールが挙げられる。
上述のように、炭素を含む液体状の物質は、酸化珪素原料を還元するとともに、その後、炭化珪素を得るための炭素を供給する炭素源として作用するものである。このため、炭素を含む液体状の物質は、熱プラズマ炎24により分解されやすいことが好ましい。このことから、炭素を含む液体状の物質は、低級アルコールが好ましい。
一方、熱プラズマ炎24の温度が高いほど、容易に酸化珪素原料が還元され、珪素原料の表面が炭化されるので好ましいが、特に温度は限定されず、酸化珪素原料が還元される温度に応じて適宜選択してよい。例えば、熱プラズマ炎24の温度を6000℃とすることもできるし、理論上は、10000℃程度に達するものと考えられる。
このようにして、本実施形態においては、ナノサイズの複合微粒子を得ることができる。しかも、本実施形態においては、複合微粒子を形成する酸化珪素原料の供給にスラリーを用いており、原料の供給に粉末を用いる方法に比べて、多くの酸化珪素原料を熱プラズマ炎に供給することができるため、高い生産性でナノサイズの複合微粒子を得ることができる。
なお、本発明の珪素/炭化珪素複合微粒子の製造方法においては、使用するサイクロンの個数は、1つに限定されず、2つ以上でもよい。
本実施形態の珪素/炭化珪素複合微粒子の製造方法で得られる複合微粒子は、例えば、光電極、触媒、光発光材料、熱電材料、電子デバイス材料、太陽電池等に用いることができる。本実施形態の珪素/炭化珪素複合微粒子を、例えば、触媒に利用する場合、粒径をナノサイズにできるため触媒の性能を高めることができる。
なお、コンプレッサ28cと気体供給源28dは、管28eを介してチャンバ16の天板17に接続されている。ここで、熱プラズマ炎の尾部とは、プラズマガス供給口12cと反対側の熱プラズマ炎の端、つまり、熱プラズマ炎の終端部である。
ただし、この供給量は、熱プラズマ炎の安定を妨げることのないように制御されることが好ましい。
しかしながら、アルコール等の分散媒は液体であるため、炭素源である分散媒の量を、例えば、炭化珪素層が形成される最小限の量とした場合、アルコール等の量が少なく、スラリーの粘度が高くなり、スラリーの供給が困難になる虞がある。このため、スラリーを用いた本実施形態の製造方法では炭化珪素層を薄くするにも限界がある。
炭化珪素層がさらに薄い複合微粒子を形成する場合、まず、珪素の粉末を、微粒子製造装置10の酸素を含まない熱プラズマ炎24中に供給して珪素を気相状態にする。その後、炭化珪素層を形成するための炭素源であるメタンガスと、急冷ガスとして機能するアルゴンガスとを熱プラズマ炎24の尾部に向けて射出して、メタンガスに含まれる炭素により珪素の表面に炭化珪素層を形成するとともに、アルゴンガスにより気相状態の珪素を急冷して微粒子化して上述の複合微粒子を形成する。このとき、炭素源であるメタンガスの量を調節することにより、炭化珪素層の厚さを調節することができる。
このように、本実施形態のスラリーを用いる製造方法、および珪素の粉末を用いる製造方法により、メタンガスの量を変えるか、またはスラリー中の酸化珪素の含有量を変えて炭素源の量を調整することにより、図6(a)および(b)に示すように、珪素の微粒子30、複合微粒子32、および炭化珪素の微粒子38に至る種々の微粒子を製造することができる。
また、本実施形態のスラリーを用いる製造方法、および珪素の粉末を用いる製造方法のいずれの方法を用いても、図6(a)および(b)に示すように、珪素の微粒子34の表面に炭化珪素層36が形成されたコアシェル構造の複合微粒子32を得ることができ、酸化され易い珪素の微粒子34が酸化しない状態で存在している。
なお、「原料混合比」の欄に示す二酸化珪素粉末とアルコールの数値は、二酸化珪素粉末とアルコールとの質量比を示すものである。
また、原料に用いた二酸化珪素の粉末は、平均粒径が4μmである。アルコールには、エタノールを用いた。
また、気体供給装置28によって、チャンバ16内に供給される気体としては、アルゴンガスまたはアルゴンとヘリウムとの混合ガスを使用した。このときのチャンバ内流速は5m/secで、供給量は1m3/minとした。
なお、サイクロン19内の圧力は50kPaとし、チャンバ16からサイクロン19への微粒子の供給速度は10m/sec(平均値)とした。
また、プラズマガスが水素ガス、ヘリウムガスの2種類の場合、ヘリウムガスの総量に対して水素ガスの量を0〜20vol%とし、水素ガス、アルゴンガスの2種類の場合、アルゴンガスの総量に対して水素ガスの量を0〜20vol%とした。
なお、プラズマガスの供給量ついては、アルゴンガスは10〜300リットル/minとし、ヘリウムガスは5〜30リットル/minとした。
実験例3は、図7(a)に示すように、珪素および炭化珪素が生成されており、図7(b)に示すように、珪素の微粒子34の表面に炭化珪素層36が形成された複合微粒子32が得られた。
実験例4は、図7(a)に示すように、実験例3と同様に珪素および炭化珪素が生成されている。実験例4では、珪素のピークが実験例3よりも高く、珪素の量が多い。また、図7(b)に示すように、珪素の微粒子34の粒径が実験例3よりも大きい、すなわち、実験例3よりも炭化珪素層36が薄い複合微粒子32が得られた。このように、スラリー中の二酸化珪素粉末の含有量を変えることにより、複合微粒子32における炭化珪素層36の厚さを変えることができる。
12 プラズマトーチ
12a 石英管
12b 高周波発振用コイル
12c プラズマガス供給口
14 材料供給装置
14a スラリー
14b 容器
14c 攪拌機
14d ポンプ
14e 噴霧ガス供給源
14f 供給管
15 一次微粒子
16 チャンバ
17 天板
17a 内側部天板部品
17b 外側部天板部品
17c 上部外側部天板部品
17d 通気路
18 微粒子(二次微粒子)
19 サイクロン
19a 入口管
19b 外筒
19c 円錐台部
19d 粗大粒子回収チャンバ
19e 内管
20 回収部
20a 回収室
20b フィルター
20c 管
22 プラズマガス供給源
24 熱プラズマ炎
26 管
28 気体供給装置
28a 気体射出口
28b 気体射出口
28c コンプレッサ
28d 気体供給源
28e 管
30、34 珪素の微粒子
32 複合微粒子
36 炭化珪素層
38 炭化珪素の微粒子
Claims (4)
- 酸化珪素を用いて、珪素微粒子が炭化珪素で被覆された珪素/炭化珪素複合微粒子を製造する製造方法であって、
前記酸化珪素の粉末を、炭素を含む液体状の物質に分散させてスラリーにし、
該スラリーを液滴化させて酸素を含まない熱プラズマ炎中に供給することを特徴とする珪素/炭化珪素複合微粒子の製造方法。 - 前記スラリー中の前記酸化珪素の含有量は、50〜70質量%である請求項1に記載の珪素/炭化珪素複合微粒子の製造方法。
- 前記炭素を含む液体状の物質は、アルコール、ケトン、ケロシン、オクタンまたはガソリンである請求項1または2に記載の珪素/炭化珪素複合微粒子の製造方法。
- 前記熱プラズマ炎は、水素、ヘリウムおよびアルゴンの少なくとも1つのガスに由来するものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の珪素/炭化珪素複合微粒子の製造方法。
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