JPH06290978A - 零相電流検出装置 - Google Patents

零相電流検出装置

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JPH06290978A
JPH06290978A JP5079546A JP7954693A JPH06290978A JP H06290978 A JPH06290978 A JP H06290978A JP 5079546 A JP5079546 A JP 5079546A JP 7954693 A JP7954693 A JP 7954693A JP H06290978 A JPH06290978 A JP H06290978A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気シールド性能を向上させることができる
と共に装置の組立作業性も向上させることができる零相
電流検出装置を提供する。 【構成】 合成樹脂ケース19内に、零相変流器10の
下方に位置する底面側積層シールド板20と、零相変流
器の貫通孔内に位置する内周側巻回シールド21と、零
相変流器の外周に位置する外周側巻回シールド22と、
零相変流器の上方に位置する上面側積層シールド板23
とを載置し、樹脂モールドした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は例えば漏電遮断器に使
用する零相電流検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8は例えば特開平3−233824号
公報に示される従来の漏電遮断器を示す断面図、図9は
図8の零相電流検出部分を示す要部斜視図である。図に
おいて、1はモールド樹脂からなるケース、2は同じく
カバー、3は電源側の端子板3aと一体の固定接触子、
4はこれに対して開閉動作をする可動接触子、5は可動
接触子4を開閉駆動する開閉機構、6は過負荷電流及び
短絡電流を検出して作動する過電流引外し機構、7は可
動接触子4と過電流引外し機構6のヒータ導体6aの一
端とを接続する固定導体、9は一端が引外しコイルにろ
う付けされかつ他端に端子板8が一体成形された導体、
10は導体9を一次導体とする零相変流器で、口出線1
0aが引き出されている。13は零相変流器10の二次
出力を増幅する増幅部11を収容した門形ケース、12
は増幅部11の出力を受けて作動する漏電引外し機構で
ある。
【0003】電流は端子板3aから固定接触子3,可動
接触子4,固定導体7,ヒータ導体6a,導体9を経て
端子板8に流れるが、固定導体7は一端が開閉運動する
可動接触子4と摺動接触し、他端がヒータ導体6aと重
ねてねじ14によりケース1に締め付けられている。
【0004】また、一次導体9は銅帯からの打ち抜き及
び曲げ加工によりR,S及びTの各相ごとに図示形状に
構成されており(9Rと9Tとは左右対称)、過電流引
外し機構6のヒータ導体6aとはろう付けにより一体に
接合される。ヒータ導体6aと固定鉄心6dとはピン6
eによりかしめ付けされる。アーマチュア6bは左右に
突出した腕を介してケース1に回動可能に支持される
が、アーマチュア6bと固定鉄心6dとの間には復帰ば
ね6cが掛け渡され、アーマチュア6bは図8の時計方
向に常時付勢されている。
【0005】このように一次導体9をコの字形状にする
と、零相電流検出部分の小形化が図れるのでケース1が
小さくなって漏電遮断器の電源負荷方向の小形化が図れ
るのであるが、コの字形状の一次導体9によって零相変
流器10が磁気的影響を受けやすくなるという問題点が
あった。
【0006】そこで、かかる問題点を解決するために、
例えば実公昭62−28737号公報に示される零相電
流検出装置がある。この従来の零相電流検出装置を図1
0について説明する。零相変流器10の軸方向両端部に
は、それぞれ貫通孔を有する第1及び第2のシールド板
15,16が、零相変流器10を挟んで互いに対称に配
置されている。第1及び第2のシールド板15,16
は、一端部に突起部15a,16aが,他端部に係合孔
15b,16bがそれぞれ設けられている。
【0007】第1及び第2のシールド板15,16のさ
らに外側には、第1及び第2のシールドケース17,1
8が、零相変流器10と第1及び第2のシールド板1
5,16とを挟んで互いに対称に配置されている。第1
及び第2のシールドケース17,18の中央部には、零
相変流器10及び各シールド板15,16の貫通孔に挿
入される筒状突起部17a,18aが設けられている。
また、第1及び第2のシールドケース17,18は、そ
れぞれ零相変流器10の径方向外周部を覆うための第1
ないし第3の折曲部17b〜17d,18b〜18dを
有している。
【0008】第3の折曲部17d,18dには、突起部
17e,18eが設けられている。さらに、第1及び第
2のシールドケース17,18には、第1及び第2のシ
ールド板15,16の突起部15a,16aが係合する
シールド板用係合孔17f,18f及び対向するシール
ドケース17,18の突起部17e,18eが係合する
係合孔17g,18gが設けられている。
【0009】このような従来の零相電流検出装置を組み
立てる場合、まず各筒状突起部17a,18aを各シー
ルド板15,16の貫通孔に貫通させるとともに、突起
部15a,16aをシールド板用係合孔17f,18f
に係合させることにより、各シールドケース17,18
に各シールド板15,16を装着する。次に、各シール
ドケース17,18を、零相変流器10を挟んで互いに
組み合わせる。このとき、零相変流器10の貫通孔に筒
状突起部17a,18aを挿入するとともに、突起部1
7e,18eを係合孔17g,18gに係合させる。こ
の後、係合孔17g,18gを貫通した突起部17e,
18eの先端部を折り曲げておく。この零相電流検出装
置を使用する場合には、シールドケース17,18が導
電性金属であるため、一次導体9のテーピングまたは図
示しない絶縁部材の挿入により、一次導体9との絶縁を
十分に行う必要がある。
【0010】次に、動作について説明する。零相変流器
10は、中央部を貫通する一次導体の零相電流を検出
し、その出力を口出線10aを通して外部に伝達する。
各シールド板15,16及び各シールドケース17,1
8は、零相変流器10の周囲の外部磁界に対してシール
ド効果を発揮し、一次導体の零相電流以外による出力の
発生を防止している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】図10に示す従来の零
相電流検出装置においては、零相変流器10の軸方向に
対する磁気シールドは各シールド板15,16及び各シ
ールドケース17,18により二重に行われるが、零相
変流器10の径方向外側に対する磁気シールドは各シー
ルドケース17,18のみにより行われるので、径方向
外側に対する磁気シールドが不十分であるという問題点
があった。また組立の際には突起部15a,16aを係
合孔17f,18fに係合させたり、突起部17e,1
8eを係合孔17g,18gに係合させる必要があるの
で、装置の組立作業性が悪いという問題点もあった。さ
らに一次導体との十分な絶縁性を得るためには一次導体
にテーピングや絶縁部材を挿入しなければならず、これ
らの作業が余分に必要になるという問題点もあった。
【0012】この発明はかかる問題点を解消するために
なされたもので、磁気シールド性能を向上させることが
できると共に装置の組立作業性の向上も図れさらには一
次導体との絶縁保持のための作業が不要になる零相電流
検出装置を得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明に係る零相電流
検出装置は、合成樹脂ケース内に、零相変流器の下方に
位置する底面側積層シールド板と、零相変流器の貫通孔
内に位置する内周側巻回シールドと、零相変流器の外周
に位置する外周側巻回シールドと、零相変流器の上方に
位置する上面側積層シールド板とを載置し、樹脂モール
ドしたものである。
【0014】
【作用】この発明においては、零相変流器の周囲を底面
側,上面側積層シールド板と内周側,外周側巻回シール
ドとで覆ったので外部磁界に対する零相変流器の磁気シ
ールド性能が全体的に向上するし、また合成樹脂ケース
内に底面側積層シールド板,外周側巻回シールド,零相
変流器,内周側巻回シールド,上面側積層シールド板を
順次載置する積重ね方式としたので容易に組立ができ
る。
【0015】
【実施例】
実施例1.この発明の一実施例を図1〜図3について説
明する。図1は外観斜視図、図2は図1の線II−IIの断
面図、図3は図2の分解斜視図であり、前記従来のもの
と同一または相当部分には同一符号を付して説明を省略
する。
【0016】図において、19は上面が開口した4角形
状の合成樹脂ケースで、中央に零相変流器10の貫通孔
に挿入される筒状部19aを有している。20は合成樹
脂ケース19の底に載置される4角形状の底面側積層シ
ールド板で、薄い磁性板を積重ねてなりかつ中央に筒状
部19aを挿入する穴20aを有している。21は零相
変流器10の貫通孔と筒状部19aとの間に挿入される
内周側巻回シールドで、磁性帯を円筒状に巻いてなる管
として形成されている。22は零相変流器10の外周と
合成樹脂ケース19との間に挿入される外周側巻回シー
ルドで、磁性帯を円筒状に巻いてなる管として形成され
ている。23は零相変流器10の上方に載置される上面
側積層シールド板で、薄い磁性板を積重ねてなりかつ中
央に筒状部19aを挿入する穴23aを有している。2
4は上面側積層シールド板23に設けた凹部で、零相変
流器10の口出線10aを外周側巻回シールド22の端
面に迂回させるために設けてある。25は上面側積層シ
ールド板23に設けた切欠きで、零相変流器10の口出
線10aをケース外に引き出すために設けてある。26
は合成樹脂ケース19内に充填した電気絶縁性のモール
ド樹脂である。
【0017】このように構成された零相電流検出装置に
おいては、零相変流器10の周囲を合成樹脂ケース19
及びモールド樹脂26で覆うことにより、導電材の露出
をなくしたので、一次導体等の充電部間の電気的な絶縁
が容易となり、電気絶縁性能が向上するし、また零相変
流器10の周囲を底面側,上面側積層シールド板20,
23と内周側,外周側巻回シールド21,22とで覆っ
たので、外部磁界に対する零相変流器10の磁気シール
ド性能が全体的に向上する。
【0018】さらに図3に示すように合成樹脂ケース1
9内に、底面側積層シールド板20,外周側巻回シール
ド22,零相変流器10,内周側巻回シールド21,上
面側積層シールド板25を積重ねて載置することによ
り、組立が可能となるので、装置の組立作業性が向上す
る。しかも、上記のように組立てることにより、零相変
流器10の口出線10aは凹部24に嵌まり切欠き25
から自然に無理なく合成樹脂ケース19の外部に引き出
されるので、口出部が外部に突出することがなく、全体
がコンパクトに収まる。
【0019】底面側,上面側積層シールド板20,23
は、薄い磁性板を積層してあるので、板の厚みを必要に
応じて変えることができるし、上面側積層シールド板2
3に凹部24を形成する際に図3に示すように数枚の磁
性板に穴24aをあけるだけで容易に形成できる。内周
側,外周側巻回シールド21,22は、磁性帯を円筒状
に巻いてあるので、零相変流器10の円周方向の磁気シ
ールドを巻鉄心で構成できる。よって安価で平衡特性が
よくなる。
【0020】実施例2.図4に示すように楕円形状の零
相変流器10Aにおいては、楕円形状の筒状部19bを
有する長方形状の合成樹脂ケース19Aとする。底面
側,上面側積層シールド板は図示しないが、楕円穴を有
する長方形状としておく。内周側,外周側巻回シールド
21A,22Aは、挿入前は円であるが、そのたわみを
利用して図示の如く楕円形状に保持されるので、容易に
対応できる。
【0021】実施例3.図5に示すように上面側積層シ
ールド板23にガス抜き穴27を設けておくと、良好な
樹脂モールドができる。下面側積層シールド板20にも
同様に穴27があるが、これは無くてもよい。しかし下
面側積層シールド板20として上面側積層シールド板2
3と同じものが使えるので、有利であるし、切欠き25
についても同様である。なお、ガス抜き穴27は切欠き
であってもよい。
【0022】実施例4.図6に示すように合成樹脂ケー
ス19内の外周側巻回シールド22の外周にリング状巻
回シールド28を配置しておくと、この設置方向におけ
る磁気シールド性能が向上する。このリング状巻回シー
ルド28は、磁性帯を円筒状に巻いてなる管(積層巻鉄
心)であるので、装着性が良いと共にシールド効果の調
整に容易に対応できる。
【0023】実施例5.図7に示すように上面側積層シ
ールド板23の内側にスペーサ(非磁性のギャップ板)
29を設けておくと、零相変流器10と上面側積層シー
ルド板23との磁気ギャップが確実にとれる。なお、ス
ぺーサ29の中心穴29aに通じる割目29bは、零相
変流器10の口出線10aを引出すためのものである。
【0024】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば磁気シ
ールド性能を向上させることができると共に装置の組立
作業性も向上させることができるという効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を示す外観斜視図である。
【図2】図1の線II−IIの断面図である。
【図3】図2の分解斜視図である。
【図4】この発明の実施例2を示す平面図である。
【図5】この発明の実施例3を示す分解斜視図である。
【図6】この発明の実施例4を示す平面図である。
【図7】この発明の実施例5を示す分解斜視図である。
【図8】従来の漏電遮断器を示す断面図である。
【図9】図8の零相電流検出部分を示す要部斜視図であ
る。
【図10】従来の零相電流検出装置を示す分解斜視図で
ある。
【符号の説明】
10 零相変流器 10a 零相変流器の口出線 19 合成樹脂ケース 19a 合成樹脂ケースの筒状部 20 底面側積層シールド板 21 内周側巻回シールド 22 外周側巻回シールド 23 上面側積層シールド板 24 凹部 25 切欠き 26 モールド樹脂 27 ガス抜き穴 28 リング状巻回シールド
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体が貫通する貫通孔を有している零相
    変流器と、この零相変流器の貫通孔に挿入される筒状部
    を有しかつ零相変流器を収容する合成樹脂ケースとを備
    えた零相電流検出装置において、 前記合成樹脂ケース内に、前記零相変流器の下方に位置
    する底面側積層シールド板と、前記零相変流器の貫通孔
    内に位置する内周側巻回シールドと、前記零相変流器の
    外周に位置する外周側巻回シールドと、前記零相変流器
    の上方に位置する上面側積層シールド板とを載置し、樹
    脂モールドしたことを特徴とする零相電流検出装置。
  2. 【請求項2】 上面側積層シールド板に凹部を設け、こ
    の凹部に零相変流器の口出線を通して外周側巻回シール
    ドの端面を迂回させて前記口出線を合成樹脂ケース外に
    引き出すことを特徴とする請求項1の零相電流検出装
    置。
  3. 【請求項3】 上面側積層シールド板と下面側積層シー
    ルド板との少なくとも上面側積層シールド板に、ガス抜
    きを設けたことを特徴とする請求項1または2の零相電
    流検出装置。
  4. 【請求項4】 リング状巻回シールドを、外周側巻回シ
    ールドの外周面に沿わせて合成樹脂ケース内に配設した
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかの零相電流検
    出装置。
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