JPH0629096U - 高圧用接続器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】部分放電が生じにくく、小型化を図ることがで
きる高圧用接続器を提供する。 【構成】高圧用電線５を差込接続する高圧用接続具１
と、低圧用電線６を差込接続する低圧用接続具２と、高
圧用接続具１を収納する電線挿入孔７付き高圧用収納部
８を有するとともに高圧用収納部８に並設されて低圧用
接続具２を収納する電線挿入孔９付き低圧用収納部１０
を有しさらに低圧用収納部１０の高圧用収納部８と反対
側に取付部１１を有する絶縁ケース３と、この絶縁ケー
ス３に設けられて高圧用収納部８の位置を表示する表示
部４とを備えている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、ＨＩＤランプの管灯回路の接続等の高電圧機器の配線に使用され る高圧用接続器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より高電圧部の結線技術としては、電線・ケーブル，高圧トランスおよび コピー機等の高圧発生部を有する電気機器などで多くの例が紹介されている。し かし、これらの多くはメーカー内の製造工程において結線されるので、充電部の 絶縁対策として絶縁物の充填やアース金属部とのギャップの確保などが容易に行 える。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

これに対して、ＨＩＤランプのようにランプ点灯時に高電圧を印加するランプ を使用した照明器具においては、高電圧を発生するイグナイタの出力とランプソ ケットの結線を端子台を介して行うが、その配線作業は照明器具、安定器の設置 後に工事業者によって行われる。このため、充電部を充填・密閉したりすること が困難であり、また他のアース金属部との絶縁距離が確保されないおそれもある 。

【０００４】 またこのような場合、電線は高圧と低圧の２本が使用されるが、端子台の異極 間についてもかなり大きな絶縁距離を取らないと部分放電が生じ、そのため大型 化するとともに、部分放電に伴うオゾンガスの発生により有機絶縁物が絶縁劣化 を起こすという問題がある。 この問題を回避する手段としては、端子台の絶縁材料としてオゾンガスで絶縁 劣化しない磁器材料（無機材料）の使用が考えられるが、施工時に割れやすく、 重いうえに、端子収納部の寸法精度が出せないといった欠点がある。

【０００５】 したがって、この考案の目的は、部分放電が生じにくく、小型化を図ることが できる高圧用接続器を提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案の高圧用接続器は、高圧用電線を差込接続する高圧用接続具と、低圧 用電線を差込接続する低圧用接続具と、前記高圧用接続具を収納する電線挿入孔 付き高圧用収納部を有するとともに前記高圧用収納部に並設されて前記低圧用接 続具を収納する電線挿入孔付き低圧用収納部を有しさらに前記低圧用収納部の前 記高圧用収納部と反対側に取付部を有する絶縁ケースと、この絶縁ケースに設け られて前記高圧用収納部の位置を表示する表示部とを備えたものである。

【０００７】

【作用】

この考案の構成によれば、電線挿入孔のそれぞれに高圧電線および低圧電線を 挿入し内部の高圧用接続具および低圧用接続具に差し込むことにより結線が行わ れる。この場合、絶縁ケースは高圧用収納部および低圧用収納部をそれぞれ区別 して設けたため、それぞれに必要な絶縁距離を充分に確保することができるとと もに低圧側の絶縁距離を小さくすることができるので小型化を図ることができ低 コスト化できる。また取付部を低圧用収納部の高圧用収納部と反対側に設けたた め、高圧用接続具と取付部の金属製の取付具との間の距離が大きくなるので部分 放電が生じるのを防止することができる。さらに高圧用接続具の位置を表示する 表示部を設けたため誤結線を防止することができる。

【０００８】

【実施例】

この考案の一実施例を図１ないし図４により説明する。すなわち、この高圧用 接続器は、高圧用接続具１と、低圧用接続具２と、絶縁ケース３と、表示部４と を有する。 高圧用接続具１は、高圧用電線５を差込接続する。実施例は速結端子を用いて おり、図３に示すように、矩形の導電板２２を略Ｚ字形に折曲し、その両端部を 中間片２３に対向するようにそれぞれ折曲して折曲部２４とし、その折曲部２４ に電線挿通孔２５を形成し、折曲部２４の先端を内向きに折り返して鎖錠片２６ を形成している。また中間片２５に切起し片２７を形成している。電線挿通孔２ ５より高圧用電線５を挿入すると被覆２０を剥離した心線２１により鎖錠片２６ が内方に押されて心線２１が鎖錠片２６を乗り越え鎖錠片２６により抜止め状態 に係止する。こうして、高圧用電線５を高圧用接続具３に差し込むことにより結 線が行われる。

【０００９】 また高圧用電線５として実施例では太線を使用している。 低圧用接続具２は、低圧用電線６を差込接続する。実施例の低圧用接続具２は 図３の高圧用接続具１と同構造のものを用いている。また実施例の低圧用電線６ は高圧用電線５よりも細い。 絶縁ケース３は、高圧用接続具１を収納する電線挿入孔７付き高圧用収納部８ を有するとともに、高圧用収納部８に並設されて低圧用接続具２を収納する電線 挿入孔９付き低圧用収納部１０を有し、さらに低圧用収納部１０の高圧用収納部 ８と反対側に取付部１１を有する。

【００１０】 実施例の絶縁ケース３は、有機材料の絶縁体を用いたボディ１２とカバー１３ からなる。ボディ１２は開口の略中央に仕切り壁１４を設けて高圧用収納部８と 低圧用収納部１０とを分離し、仕切り壁１４の上面に圧入孔１６を形成するとと もに、カバー１３に圧入突起１７を形成して、圧入突起１７を圧入孔１６に圧入 することによりカバー１３でボディ１２を閉じている。また高圧用収納部８の内 側面から外側面までの壁厚ａは高圧−アース間に必要な絶縁距離に設定し、仕切 り壁１４の厚さｂは異極間に必要な絶縁距離に設定し、低圧用収納部１０の内側 面から外側面までの壁厚ｃは低圧−アース間に必要な絶縁距離に設定し、ａ，ｂ ＞ｃとしている。また高圧用収納部８および低圧用収納部１０の両端面から絶縁 ケース３の外表面までの寸法は高圧用収納部８および低圧用収納部１０が同じ大 きさでありこれらを並設していることから高圧用収納部８の絶縁距離の厚さにし ている。また取付部１１は外側面に突設され、金属ねじ等の金属部品の取付具を 挿入する取付孔１５を形成している。

【００１１】 表示部４は、絶縁ケース３に設けられて高圧用収納部８の位置を表示する。実 施例ではカバー１３の表面に「高圧側」という文字表示を刻印したり、「高圧側 」を表示したシールを電線挿入孔７の上の位置に貼付している。なお、カバー１ ３の電線挿入方向の両端にそれぞれ表示部４を設けてもよい。 この実施例によれば、絶縁ケース３は高圧用収納部８および低圧用収納部１０ をそれぞれ区別して設けたため、それぞれに必要な絶縁距離を充分に確保するこ とができるとともに低圧側の絶縁距離を小さくすることができるので小型化を図 ることができ低コスト化できる。また取付部１１を低圧用収納部１０の高圧用収 納部８と反対側に設けたため、高圧用接続具と取付部の金属製の取付具との間の 距離が大きくなるので部分放電が生じるのを防止することができる。さらに高圧 用接続具１の位置を表示する表示部４を設けたため誤結線を防止することができ る。

【００１２】 さらにこの実施例は、たとえばＨＩＤランプ用ソケットのリード線のように高 圧用電線５を太くしたものを用いることにより、低圧側の細い電線挿入孔９に挿 入できないので誤結線の防止になる。 図４はこの実施例の高圧用接続器を照明器具の配線に使用した一例を示すもの である。図において、３０は照明器具、３１はＨＩＤランプ、３２はランプソケ ット、３３は器具内配線、３４，３５はこの実施例の高圧用接続器を適用した端 子台、３６ａは天井等の高圧配線、３６ｂはその低圧配線、３７は安定器用ボッ クス、３８はイグナイタ、３９は安定器、４２は交流電源であり、端子台３４， ３５のうちイグナイタ側４０およびランプソケット側４１は器具工場内で結線さ れ、天井配線側は工事業者が現場で結線する。

【００１３】 また図２は端子台３４の詳細を示している。 なお、その他の実施例として、取付部１１の設けられた側面と反対側の高圧用 接続具１側にまわり止め突起（図示せず）を設けてもよく、また取付部１１の取 付具として金属ねじではなく樹脂ねじ等を使用する場合または低圧用接続器とし て兼用するものでは高圧用接続具１側に別に取付部（図示せず）を設けてもよい 。また表示部４は電線挿入孔７，９の大きさを異ならせることによって兼用して もよい。さらに低圧用電線６には接地電線を含む。

【００１４】 また、電線挿入孔７，９は絶縁ケース３の各両端に形成したが、高圧用接続具 １および低圧用接続具２の構造に応じて一端側のみに形成してもよく、またそれ ぞれ電線挿入孔７，９を複数個形成してもよい。

【００１５】

【考案の効果】

この考案の高圧用接続器によれば、絶縁ケースは高圧用収納部および低圧用収 納部をそれぞれ区別して設けたため、それぞれに必要な絶縁距離を充分に確保す ることができるとともに低圧側の絶縁距離を小さくすることができるので小型化 を図ることができ低コスト化できる。また取付部を低圧用収納部の高圧用収納部 と反対側に設けたため、高圧用接続具と取付部の金属製の取付具との間の距離が 大きくなるので部分放電が生じるのを防止することができる。さらに高圧用接続 具の位置を表示する表示部を設けたため誤結線を防止することができるという効 果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例のカバーを開いた状態の分
解斜視図である。

【図２】カバーを閉じた状態の斜視図である。

【図３】高圧用接続具の斜視図である。

【図４】この考案の高圧用接続器を適用した照明器具の
配線図である。

【符号の説明】

１ 高圧用接続具 ２ 低圧用接続具 ３ 絶縁ケース ４ 表示部 ５ 高圧用電線 ６ 低圧用電線 ７，９ 電線挿入孔 ８ 高圧用収納部 １０ 低圧用収納部 １１ 取付部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 高圧用電線を差込接続する高圧用接続具
   と、低圧用電線を差込接続する低圧用接続具と、前記高
   圧用接続具を収納する電線挿入孔付き高圧用収納部を有
   するとともに前記高圧用収納部に並設されて前記低圧用
   接続具を収納する電線挿入孔付き低圧用収納部を有しさ
   らに前記低圧用収納部の前記高圧用収納部と反対側に取
   付部を有する絶縁ケースと、この絶縁ケースに設けられ
   て前記高圧用収納部の位置を表示する表示部とを備えた
   高圧用接続器。