JPH0629034Y2 - 防虫剤容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、シート状の防虫剤を格納する吊り下げ式の防
虫剤容器に係る。

「従来の技術」 いわゆる防虫剤容器としては従来種々のものが出回って
いるが、大部分のものは縞状に多数の通気孔を穿設しか
つフックを付設した容器に非通行性の紙等で包装した防
虫剤を格納する構造であり、使用に当り非通気性の包装
紙を破って通気状態とするものである。

従来、防虫剤として結晶したブロック状の樟脳を用いて
おり、このため容器はかなり厚形であり、洋服ダンス等
に吊り下げた場合にスペースをとって邪魔となる。とこ
ろで、最近樟脳をゼリー状の防虫剤として紙或いは布等
に塗り込んだシート状の防虫剤が開発され、例えば、実
公昭63-8223号公報記載の考案のように、周縁下部を肉
薄ヒンジで結合させた浅皿状の左右両収納体を、肉薄ヒ
ンジを中心に折り合わせて偏平な防虫剤容器を形成し、
該防虫剤容器内にシート状防虫剤を収納させることで、
上記不都合を解消することができる。しかし、該容器で
は一方の収納体の外面一部から吊り下げ用のフックを一
体に突設し、かつ、その収納体の一部を内方へ突出させ
てフック嵌合用の溝部を形成したので、つまり、容器内
部にシート状防虫剤を収納するスペースの他、フック収
納用の溝部を形成するスペースをも確保することを要す
るので、防虫剤容器を薄く形成できるという、シート状
防虫剤の利点を最大限に生かすことができなかった。

本考案は、上記収納体の周縁上部から起立した支持板上
端にリングを付設すると共に、該リングの周囲に配置し
たＣ字形の吊り下げフックの上方端部をリングの外周面
上部に肉薄ヒンジを介して起立可能に結合させること
で、防虫剤容器をより薄く形成できると共に、流通過程
等にフックが他物に押されて損傷するのを上記リングに
より防止できるよう設けた。

「課題を解決するための手段」 共に縞状に多数の通気孔１，２を開孔し、互いの周縁下
部を第１肉薄ヒンジ３で結合した偏平、薄形であって、
第１肉薄ヒンジ３を中心に折り合わせて容器体を形成す
る皿状の第１収納体４と第２収納体５とを設け、これ等
第１，第２収納体４，５の各周縁上部から突設した、上
端にリング６，７を設けた支持板８，８を相互に当接さ
せ、一方のリング６，７外囲に配置したＣ字形の吊り下
げフック11上方端部をリング６，７の外周面上部へ、第
２肉薄ヒンジ10を介して起立可能に結合させた。

「作用」 上記構成において、本考案防虫剤容器は、第１図の平板
状態で工場から出荷され、また、この第１図状態で販売
ルートを流通する。

消費者は、第１図状態で購入し、購入後、第１肉薄ヒン
ジ３を中心として第１収納体４と第２収納体５を折り合
わせて、第２図（ａ）のように両者を嵌合し、薄形の容
器体を形成する。この場合、容器体内に通気状態とした
シート状の防虫剤を格納する。この後、第２肉薄ヒンジ
10によりフック11を反転起立し、このフック11を例えば
洋服ダンスの取り下げ用のパイプに掛けて吊り下げれば
よい。

「実施例」 以下図面を参照して一実施例を説明するに、本考案の防
虫剤容器は、ブロック状の結晶性防虫剤ではなく、シー
ト状防虫剤の格納を対象としており、従って、容器を偏
平、薄形に形成し、しかも合成樹脂材により一部品で成
形加工しており、第２図（ａ）（ｂ）が示す組み立て状
態で説明する。

４と５とは平面楕円形とした第１収納体と第２収納体
で、偏平かつ薄形の皿状のものであり、側板12,13にそ
れぞれ縞状に多数の通気孔１，２を穿設し、互いの周縁
下部を第１肉薄ヒンジ３で折り合わせ可能に一体結合し
てある。第１収納体４の周り縁14は僅かに突出し、一方
第２収納体５の対応した周り縁15は僅かに凹ませてお
り、従って、第１肉薄ヒンジ３を中心として折り合わせ
ると、両者は周り縁14,15で嵌合し薄形の容器体が形成
できる。

前記第１，第２収納体４，５の周縁上部から、上端側が
当該第１，第２収納体４，５の中央寄りに曲がる支持体
８，９を突出し、この支持板上端に第１，第２収納体
４，５の中央部外方に位置するリング６，７を設けてい
る。このリング６，７は、第１収納体４と第２収納体５
を折り合わせたとき重合するが、このとき第１，第２収
納体４，５と同じように嵌合するようにしてもよい。

そして、リング６，７より径が大きいＣ字形のフック11
の上方端部を第２肉薄ヒンジ10を介して一方のシング、
例えば第２収納体５のリング７の外周面上部に起立可能
に結合させて、フック11をリング外囲に配置している。
この場合、第２肉薄ヒンジ10を挟んだフック11側には結
合用ピン16を、リング７側には結合用穴17を設け、フッ
ク11を反転起立させたとき、この結合部により両者を結
合固定できるようにしてある。

尚、本考案容器は防臭剤容器にも適用できる。

「考案の効果」 上記した如く本考案の容器は、収納物としてシート状防
虫剤を対象とし、偏平、薄形とした第１，第２収容体
４，５周縁下部を第１肉薄ヒンジ３を介して結合させた
から、この第１肉薄シンジ３を中心に左右に開いた平板
状に成形し、輸送、保管等の流通過程をこの状態で扱う
ことができ、コンパクトで嵩張らずに取扱い易く、ま
た、使用時における組み立ては第１肉薄ヒンジ３を中心
として第１，第２収納体４，５を折り合わせればすみ、
何の面倒もなく、更に、一体成形できるので低コストで
作成でき、更にまた、一方のリング６，７外囲に配置し
たＣ字形の吊り下げフック11上方端部をリング６，７の
外周面上部へ、第２肉薄ヒンジ10を介して起立可能に結
合させたから、従来品のように、フック収納用溝部を形
成するためのスペースを容器内部に確保することを要し
ないこととなり、よって、従来品に比して容器をより薄
くすることができ、更にまた、フック11内方にリング
６，７を設けたから、流通過程等にフック11が他物に押
されて弾性復元不能に変形するのを防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案容器の一実施例の成形時、流通過程時の
平面図、第２図（ａ）（ｂ）は組み立て状態を示す正面
図である。 ４……第１収納体、５……第２収納体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】共に縞状に多数の通気孔１，２を開孔し、
   互いの周縁下部を第１肉薄ヒンジ３で結合した偏平、薄
   形であって、第１肉薄ヒンジ３を中心に折り合わせて容
   器体を形成する皿状の第１収納体４と第２収納体５とを
   設け、これ等第１，第２収納体４，５の各周縁上部から
   突設した、上端にリング６，７を設けた支持板８，８を
   相互に当接させ、一方のリング６，７外囲に配置したＣ
   字形の吊り下げフック11上方端部をリング６，７の外周
   面上部へ、第２肉薄ヒンジ10を介して起立可能に結合さ
   せたことを特徴とする防虫剤容器。