JPH06289171A - 燃料集合体、その核燃料棒被覆管、及び核燃料棒の強化方法 - Google Patents

燃料集合体、その核燃料棒被覆管、及び核燃料棒の強化方法

Info

Publication number
JPH06289171A
JPH06289171A JP6031136A JP3113694A JPH06289171A JP H06289171 A JPH06289171 A JP H06289171A JP 6031136 A JP6031136 A JP 6031136A JP 3113694 A JP3113694 A JP 3113694A JP H06289171 A JPH06289171 A JP H06289171A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nuclear fuel
fuel
cladding
fuel rod
grid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6031136A
Other languages
English (en)
Inventor
Umesh P Nayak
ウメシュ・ピー・ナヤク
Mark P Goldenfield
マーク・フィリップ・ゴールデンフィールド
Elwyn Roberts
エルウィン・ロバーツ
Steven J King
スティーブン・ジェイ・キング
Robert John Comstock
ロバート・ジョン・カムストック
Arthur Mario Filippi
アーサー・マリオ・フィリッピ
David Vincent Lambert
デイビッド・ヴィンセント・ランバート
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
CBS Corp
Original Assignee
Westinghouse Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=21825581&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH06289171(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Westinghouse Electric Corp filed Critical Westinghouse Electric Corp
Publication of JPH06289171A publication Critical patent/JPH06289171A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C3/00Reactor fuel elements and their assemblies; Selection of substances for use as reactor fuel elements
    • G21C3/02Fuel elements
    • G21C3/04Constructional details
    • G21C3/06Casings; Jackets
    • G21C3/07Casings; Jackets characterised by their material, e.g. alloys
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ジルコニウム合金製燃料棒を予め処理して厚
い酸化層を形成し、燃料集合体により捕捉されて同燃料
集合体の最下方の支持格子のところで及びその下方で撹
拌されて燃料棒にぶつかる破片によるフレッチング破損
から燃料棒の外面を保護する。 【構成】 酸素が存在する雰囲気中で燃料棒20を加熱
し、最下方の格子32と燃料棒20の端部との間に厚い
酸化ジルコニウム(ZrO2)の表面層24を形成する。
厚い部分は、厚さが2〜15ミクロンであって、被覆管
の端部10.2〜20.4cm(4〜8in)から燃料棒
が最下方の格子に形成された受容部に支持される点まで
延びている。保護すべき部分は、例えば、電磁誘導加
熱、炉による加熱、電気抵抗加熱、レーザ放射による加
熱等により1時間にわたって400〜870℃(750
〜1600°F)の温度まで加熱される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核燃料棒の構造の分野
に関するものであり、特に、燃料集合体中に入った破片
によるフレッチングに対する耐久性を向上するために、
ジルコニウム基合金の燃料被覆管に対して硬質で、稠密
であり、しかも耐摩耗性のある酸化ジルコニウム(Zr
2)の層を付加する技術に関するものである。この酸
化ジルコニウム層は、燃料集合体の最下部格子のところ
で及びその近傍で、燃料棒の少なくとも10.2〜20.
4cm(4〜8in)の長さの端部分に沿った所定箇所
で熱膨張して、フレッチング損傷を実質的に減じる。
【0002】
【従来の技術】加圧水型原子力発電プラントの運転に際
して、燃料の信頼性が最も重要である。かかる原子力発
電プラントにおいては、水冷却材は、一次冷却系に沿っ
て設けられた圧力容器内で、燃料集合体中に垂直に配列
された細長い燃料棒の形態の核燃料によって加熱され
る。各燃料棒は、典型的にはジルコニウム合金から製作
される中空管内に積み重ねられた濃縮ウランの円筒形ペ
レットからなる。燃料棒は燃料集合体の構造内にグルー
プ化して集められていて、多数の燃料棒をユニットとし
て取り扱うことができる。燃料集合体は、かかる燃料棒
を垂直方向に延長させて且つ密に間隔を置いて、原子炉
容器内に装荷されている。燃料棒は、燃料集合体中のあ
る位置に挿入されたり該位置から引き抜かれたりする中
性子吸収性の制御棒により制御される核分裂率に応じ
て、熱を発生する。このようにして燃料棒が一次冷却材
を加熱するため、対流により、燃料棒の周囲には冷却材
の上向きの強い乱流が生ずる。
【0003】燃料棒の被覆材料は、典型的には、ジルカ
ロイ(商品名)のようなジルコニウム合金である。ジル
コニウムは、容易に入手可能であり、優れた延性を有
し、放射損傷に対する抵抗性があり、熱中性子吸収断面
積が小さく、また、350℃に及ぶ加圧水中での耐食性
が優れている点で、特に有用である。ジルコニウムは活
性の強い金属であり、空気又は水の存在下で表面に安定
な薄い粘着酸化膜を形成するので、アルミニウムのよう
に、受動的である。
【0004】この薄い酸化膜は、ジルコニウム金属を化
学的に保護する。機械的損傷の場合、酸化反応を維持す
る酸素があれば、損傷領域に酸化物が形成される。米国
特許第4,100,020号明細書においては、核燃料棒
がその被覆管の内側に遷移金属酸化物の被覆を備えてい
る。原子力発電プラントの運転中、燃料ペレットの熱膨
張、及び燃料により放出されるよう素との化学反応は、
被覆管の内面を摩耗させる傾向がある。遷移金属酸化物
は酸素を放出するので、燃料棒の有効寿命の間、酸素が
利用できることになり、酸化ジルコニウムの保護皮膜が
確実に再生される。ジルコニウム製被覆管の内面への酸
化層の形成に関する刊行物には、米国特許第4,609,
524号及び第4,233,086号明細書がある。
【0005】これ等の技術は、燃料棒の内面を燃料ペレ
ットによる機械的損傷や化学作用から保護することによ
り、燃料棒の寿命を延ばすのに役立つ。しかし、実際の
経験によると、この種の核燃料棒の主な破損原因は、燃
料棒の外面を摩耗させる浮遊破片によるフレッチングに
よって生ずる燃料棒被覆管の漏れである。金属破片は、
典型的には、原子炉冷却材系に対する保守作業中に一次
冷却回路に入る。浮遊破片は原子炉冷却材系を循環して
燃料集合体に捕捉される。冷却材の乱流により、破片が
振動して燃料棒の外面にぶつかり、長い時間の間に、被
覆管のジルコニウム基合金全体に機械的衝撃による擦過
傷もしくは侵食が生ずる。燃料棒の被覆管に破壊口が生
ずると、放射性核分裂生成物が冷却材の流れに放出され
る。燃料集合体を取り出して交換する必要がある時に
は、その前に上述したように放射性核分裂生成物が放出
されていると、作業員が放射線にさらされる可能性が増
大する。
【0006】燃料集合体は、燃料棒と平行に延びるシン
ブル管によって間隔して結合された一連のパネルもしく
は格子によって該燃料棒を支持する。格子は、燃料棒に
当接する弾性構造を有すると共に、冷却材が燃料集合体
を通って流れるように開放している。燃料集合体の頂部
及び底部にあるパネルは、それぞれ上部ノズル及び下部
ノズルとして知られており、これ等も、冷却材が燃料集
合体を通って流れるのを許容するように構成されてい
る。下部ノズルに小さな穴を設けて、この穴の直径より
大きい破片を取り除き、燃料集合体に同破片が入るのを
防止することは周知である。これ等の穴は、破片のフイ
ルタとしての下部ノズルの有効性と、冷却材の流れに対
する下部ノズルの抵抗という矛盾する機能を最大限に両
立させるよう大きさが決められている。下部ノズルは、
燃料棒に相当な損傷を生じさせる可能性がある大きな破
片が燃料集合体に入ることを防止する。しかし、もっと
小さな破片は下部ノズルを通過してしまう。下部ノズル
にある穴をもっと小さくして、もっと小さな破片も冷却
材から除去することは、冷却材の流れに対する抵抗が増
すことになるので、有利ではない。従って、破片に耐え
る下部ノズルの構造は、燃料棒に対するフレッチング損
傷の問題を完全には解決していない。
【0007】小さいため下部ノズルを通過してしまう破
片は、燃料棒を支持する格子によって通過を邪魔される
か同格子中に滞留するであろう。一方、燃料棒を支持す
る最下部の格子のところや、同格子よりも下方でも破片
は捕捉され、冷却材の乱流が該破片を撹拌して、燃料棒
被覆管に対して擦過傷を生じさせる。
【0008】従って、フレッチング損傷を可能な限り小
さくするように被覆管の外面の耐性を向上させることが
有利である。例えば米国特許第5,073,336号明細
書に開示されているように、燃料棒に、被覆管のジルコ
ニウム合金の全長に亙って独特の金属メッキを施すこと
は既知である。このようなメッキは、保護の一助になる
が製造を面倒にするし、ジルコニウム合金自体から得ら
れる低い中性子吸収という特性の利点を最適に享受する
ものではない。
【0009】
【発明の概要】本発明者は、燃料棒破損に関係した破片
の評価から、燃料棒破損の大部分は最初の放射サイクル
の初期に起こるという結論を得た。破片によるフレッチ
ングにより、破損は、典型的には、最下部の格子の位置
よりも下方の燃料棒上の点で起こる。原子炉の運転中の
加熱により、水冷却材が存在する場合、燃料棒の表面の
酸化が進み、長い時間の経過によるフレッチング破損に
対する燃料棒の耐性が向上する。従って、本発明による
と、最下部の格子のところ及びその下方にある燃料棒の
危険領域を予め酸化させ、フレッチング破損に対する保
護の向上を予め行っている。これは、以下に詳細に述べ
る処理工程に従って酸素の存在下で加熱することにより
実施される。
【0010】本発明の目的は、ジルコニウム合金製燃料
棒を最初に使用する前に酸素の存在下に局部的に加熱す
ることにより、該燃料棒の初期運転中に摩耗を受けやす
い同燃料棒の特定領域の外面における表面酸化を厚くす
ることである。
【0011】本発明の別の目的は、最下方の格子のとこ
ろ及びその下方に捕捉された破片よるフレッチング破損
に対する保護を向上するため、燃料集合体の最下方の格
子近くの限られた長さに沿って、ジルコニウム合金製燃
料棒の外面を酸化することにより、同燃料棒の表面を硬
化することである。
【0012】上述の目的及びその他の目的は、ジルコニ
ウム合金製燃料棒を予め処理して厚い酸化層を形成し、
燃料集合体により捕捉されて同燃料集合体の最下方の支
持格子のところで及びその下方で撹拌されて燃料棒にぶ
つかる破片によるフレッチング破損から燃料棒の外面を
保護することにより達成される。そのため、酸素が存在
する雰囲気中で燃料棒を加熱し、最下方の格子と燃料棒
の端部との間に厚い酸化ジルコニウム(ZrO2)の表面
層を形成する。厚い部分は、厚さが2〜15ミクロンで
あって、被覆管の端部10.2〜20.4cm(4〜8i
n)から燃料棒が最下方の格子に形成された受容部に支
持される点まで延びている。保護すべき部分は、例え
ば、電磁誘導加熱、炉による加熱、電気抵抗加熱、レー
ザ放射による加熱等により1時間にわたって400〜8
70℃(750〜1600°F)の温度まで加熱され
る。この部分は、加熱の間、容器内で、通常の大気より
もガス圧力及び/又は酸素濃度が高いガス雰囲気中で、
又は不活性ガスを有する酸素中に収容しておくことがで
きる。
【0013】
【実施例】次に、本発明の好適な実施例を添付図面を参
照して詳細に説明するが、本発明は、そのような実施例
に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々の
改変が可能である。本発明によると、破片により招来さ
れる核燃料棒20の破損は、燃料棒の底部から10.2
〜20.4cm(4〜8in)の部分22に沿って、即
ち燃料集合体34の最下部の格子32よりも下方の燃料
棒20の領域22において、酸化ジルコニウム(Zr
2)の厚い保護酸化層24を形成することにより、阻
止される。この保護酸化層(酸化ジルコニウム製表面被
覆)24は、硬質且つ稠密であると共に、最初の放射サ
イクルに入る前に予め燃料棒20の表面上に設けられ
る。破片を取り除く構造の下部ノズル36と共に、上述
の厚い保護酸化層24は、核燃料棒20の漏れにつなが
る破片によるフレッチング破損に対する高レベルの保護
を与える。
【0014】図1は、燃料集合体34の下部領域を示し
ている。燃料集合体34は下部ノズル36を有してお
り、これは、冷却材が上向きに通過するのを許容するよ
うに開放している。多数の支持格子32が燃料棒20を
支持すると共に下部ノズル36から間隔を置いて配置さ
れている。これ等の支持格子32は、一般に、シンブル
管によって互いに取着されると共に、上部ノズル及び下
部ノズル(下部ノズル36のみを図示)に取着された開
放式フレーム構造である。支持格子32は、格子用のシ
ート材料からなる帯状部材により形成された燃料棒20
用の複数の受容部を有し、該受容部が、燃料棒20を、
平行に垂直に方向付けて密に詰めて保持する。また、支
持格子32は、冷却材が燃料棒20の回りを通流するの
を許容するが、破片については、燃料棒20の領域、特
に下部ノズル36と最下部の支持格子32ちの間におい
て該破片を捕捉するようになっている。
【0015】各燃料棒20は、ジルカロイ又はジルカロ
(いずれも商品名)のようなジルコニウム合金材料の細
長い中空軸である被覆管28内に、核分裂性燃料を含ん
でいる。ジルコニウムは気中で酸化し、そして被覆管2
8即ち中空軸は、酸化ジルコニウム表面被覆24を有す
る。本発明によれば、格子支持位置26の近くにおいて
被覆管28の外面上にある酸化ジルコニウム表面被覆2
4の部分22が、被覆管28の残りの部分に沿った酸化
ジルコニウム表面被覆24よりも実質的に厚くなってい
る。
【0016】各支持格子32の近くに厚い保護酸化ジル
コニウム表面被覆を形成することは可能である。しか
し、破片により招来されるフレッチングによる問題の大
部分は最下部の支持格子32のところで或はそれより下
方で起こる。従って、被覆管28の外面上の実質的に厚
い酸化ジルコニウムの部分22は、最下部の支持格子3
2の格子支持位置26から、端栓42により閉止されて
核燃料を内部に閉じ込めた被覆管28の底部まで延びて
いることが好ましい。
【0017】この部分22に沿った核燃料棒20の予備
酸化は、底部に予め端栓42が溶接されると共に、酸洗
し、研磨し、製造したジルコニウム基合金の被覆管28
に対して行われる。
【0018】厚い酸化ジルコニウム表面被覆の部分22
は、燃料棒20を通常のガス濃度(即ち、酸素20%、
窒素80%)及び圧力の雰囲気に露出することによって
成長させることができる。或は、酸素に対する露出は、
アルゴンやヘリウムのような不活性ガスと酸素の混合物
を用いたり、圧力を上昇させることにより、増すことが
できる。酸素の露出時間、温度及び濃度は、少なくとも
厚さ2〜15ミクロンの保護酸化層の部分22を形成す
るように選択されている。該保護酸化層の部分22は、
燃料棒が燃料集合体34の格子32により支持される格
子支持位置26のところ及びその下方で、特に、最下部
の格子32のところ及びその下方で、即ち燃料棒20の
底部10.2〜20.4cm(4〜8in)において同燃
料棒20に沿って設けられている。保護酸化層の部分2
2、最下部の支持格子32及び破片を除去する下部ノズ
ル36の相対位置は図1に示されており、保護酸化層の
部分22は図2に断面で示されている。
【0019】加熱は、例えば電磁誘導加熱、炉による加
熱、電気抵抗加熱及びレーザ放射による加熱等を含む種
々の方法で行うことができる。また、加熱は、オートク
レーブにより高いカセス圧力で行うことができる。被覆
管28は、大気の圧力及び酸素濃度で1時間にわたって
600〜870℃(1100〜1600°F)の温度ま
で加熱され、図2に示すように保護酸化層の部分24を
形成する。
【0020】図3は、炉の形式の加熱装置を示してい
る。処理すべきジルコニウム合金製の燃料棒20の底端
は通常の大気の酸素濃度で炉52に通される。各燃料棒
20には端栓42が予め溶接されている。該燃料棒2
0、燃料集合体34の最下部の講師32のところ及びそ
れより下方に配置される燃料棒20の領域もしくは部分
22における酸化ジルコニウムの保護酸化層24を所要
の厚さに成長させるために、短時間にわたって高温に、
或は長時間にわたって低温に加熱することができる。加
熱処理すべき燃料棒20は、それ等の端部が炉52内に
延入して、処理中に長手方向の伸長方向に関して横に動
かされ且つ回動されるように、図示しない支持体上に配
列することができる。
【0021】加熱中の燃料棒20の回りの雰囲気は酸素
を含んでいなければならないが、酸素が通常の大気のガ
ス濃度及び圧力である必要はない。酸素濃度及びガス圧
力を増加すると、保護酸化層の部分22を形成するのに
要する時間が短くなる。図4に示すように、燃料棒20
は、酸素及び不活性ガスの雰囲気中で加熱して、厚い酸
化ジルコニウムの保護酸化層24の部分を形成すること
ができる。通常の大気状態以外の気体雰囲気中で燃料棒
20を加熱するため、燃料棒20は、容器54を形成す
る炉52によって部分的に閉じ込められていて、この容
器54内に、処理すべき領域もしくは部分22にある燃
料棒20の少なくとも端部を囲うことができる。
【0022】図5は、空気中でジルカロイ4(商品名)
の被覆管28上に保護酸化層の部分24を形成するのに
必要な処理時間及び温度の変化を示すグラフである。図
6は、空気中でジルカロ(商品名)の被覆管28上に保
護酸化層の部分22を形成するのに必要な処理時間及び
温度を示す対応するグラフである。これ等のグラフに示
すように、保護酸化層の部分22は、厚さが3〜9ミク
ロンであることが好ましく、図示の温度及び時間関係で
加熱することにより形成することができる。
【0023】図7〜図9は、上述の領域もしくは部分2
2にある燃料棒20を処理すべく加熱するための別の方
法を示している。即ち、図7は電磁誘導による加熱を示
している。コイル62に交流を印加することにより燃料
棒のジルコニウム合金に電流が誘導され、誘導電流によ
る抵抗加熱で燃料棒20を保護酸化層の形成が促進され
る温度にする。
【0024】また、図8に示すように、領域もしくは部
分24の両側に電気コンダクタを接続することにより、
もっと直接的に電気抵抗加熱を用いることができる。そ
の場合、大電流・低電圧源66が燃料棒20の端栓42
と最下部の格子32近くで燃料集合体34中にある燃料
棒20上の棒支持位置26との間に接続される。このよ
うにして燃料棒20に供給された電気エネルギは熱とし
て消散し、酸化を促進する。図9は、保護酸化層の形成
のためにレーザ放射により燃料棒20を加熱する技術を
示している。CO2又はNd-YAGレーザ68を燃料棒
20の外面に沿って走査させて、ジルコニウム合金材料
を局部的に加熱し酸化を促進する。
【0025】再び図1を参照すると分かるように、処理
された燃料棒20は、保護のため酸化された端部が燃料
集合体34の最下部の格子32のところ及びそれより下
方に配置されるように、燃料集合体34中に組み込まれ
る。破片除去式であることが好ましい下部ノズル36を
冷却材と共に上方に通過する破片は、下部ノズル36と
最下部の格子32との間に捕捉され、多分、最下部の格
子32中に蓄積する。破片はこの冷却材の上方への流れ
により撹拌される。保護酸化層の部分22は、硬質であ
り且つ密度が高く、そして、燃料棒20の外面が原子炉
の水冷却材中での運転による加熱により酸化されて比較
できるほどの酸化層の厚さに達する前の燃料棒20の特
に初期放射サイクル中に、ジルコニウム合金材料をフレ
ッチング損傷から保護する。
【0026】本発明が上述のように開示されたが、本発
明の範囲内の種々の改変は当業者にとって自明であろ
う。従って、本発明は上述の特定の実施例に限定される
ものではなく、本発明の権利範囲を確定するには、実施
例よりはむしろ特許請求の範囲を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 酸化ジルコニウム層を備えた本発明の耐フレ
ッチング性燃料棒を有する燃料集合体を示す部分立面図
である。
【図2】 保護酸化層を示す核燃料棒の1つの断面図で
ある。
【図3】 炉を用いた大気酸素中での保護酸化層の成長
について示す説明図である。
【図4】 非大気圧状態且つ/又はガス含有状態におけ
る保護酸化層の成長を示す説明図である。
【図5】 気中においてジルカロイ−4の管に本発明に
従って保護酸化層を形成するための処理温度及び時間の
変化を示すグラフである。
【図6】 気中においてジルカロ管に本発明に従って保
護酸化層を形成するための処理温度及び時間の変化を示
すグラフである。
【図7】 保護酸化層を形成するための本発明による電
磁誘導加熱について説明する概要図である。
【図8】 保護酸化層を形成するための電気抵抗加熱に
ついて説明する概要図である。
【図9】 レーザ放射による保護酸化層の形成について
説明するための概要図である。
【符号の説明】
20…核燃料棒、22…核燃料棒被覆管の外面上にある
一部分、24…保護酸化層(酸化ジルコニウム製表面被
覆)、26…格子支持位置、28…中空軸、32…支持
格子(格子)、34…燃料集合体、36…下部ノズル。
フロントページの続き (72)発明者 マーク・フィリップ・ゴールデンフィール ド アメリカ合衆国、サウス・キャロライナ 州、コロンビア、セント・アイブス・ロー ド 2817 (72)発明者 エルウィン・ロバーツ アメリカ合衆国、サウス・キャロライナ 州、ルゴフ、スティル・メドウ・レーン 193 (72)発明者 スティーブン・ジェイ・キング アメリカ合衆国、サウス・キャロライナ 州、コロンビア、ブリッジクリーク・ロー ド 221 (72)発明者 ロバート・ジョン・カムストック アメリカ合衆国、ペンシルベニア州、アー ウィン、ルーラル・デリバリー 11、ウェ ラー・ドライブ 35 (72)発明者 アーサー・マリオ・フィリッピ アメリカ合衆国、ペンシルベニア州、ピッ ツバーグ、ロビングストン・ドライブ 928 (72)発明者 デイビッド・ヴィンセント・ランバート アメリカ合衆国、サウス・キャロライナ 州、セント・マシューズ、レイクウッド・ ドライブ 112

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核分裂性燃料を保持する核燃料棒被覆管
    を支持するため該核燃料棒被覆管に沿った格子支持位置
    に格子を有する燃料集合体において、前記核燃料棒被覆
    管は、 ジルコニウム合金材料からなる細長い中空軸を有し、該
    中空軸は酸化ジルコニウム製表面被覆を有していて、該
    酸化ジルコニウム製表面被覆は、前記格子支持位置の領
    域において、前記核燃料棒被覆管の外面上にある一部分
    が、該核燃料棒被覆管の残りの長さに沿った酸化ジルコ
    ニウム表面被覆よりも実質的に厚くなっている、燃料集
    合体における核燃料棒被覆管。
  2. 【請求項2】 燃料集合体であって、 下部ノズルと、 複数の受容部を有して、該下部ノズルから離れた空間部
    に配置された少なくとも1つの格子と、 該格子の前記受容部中に配置された複数の核燃料棒であ
    って、該核燃料棒が延長する方向と平行な方向に該核燃
    料棒の周りを越え、前記格子を通って冷却材が流れるよ
    うに、前記核燃料棒は、互いに平行に方向付けられると
    共に、該核燃料棒は、前記冷却材の流れの方向に各核燃
    料棒の端部から離間した格子支持位置で前記格子に係合
    している、前記核燃料棒とを備え、 前記核燃料棒の各々は、ジルコニウム合金材料からなる
    細長い中空軸である被覆管内の核分裂性燃料を含み、該
    中空軸は酸化ジルコニウム製表面被覆を有していて、該
    酸化ジルコニウム製表面被覆は、前記格子支持位置の領
    域において、前記中空軸の外面上にある一部分が、該被
    覆管の残りの長さに沿った酸化ジルコニウム表面被覆よ
    りも実質的に厚くなっている、 燃料集合体。
  3. 【請求項3】 受容部を備えた支持格子を有し、核燃料
    棒が、該核燃料棒に沿った格子支持位置で前記受容部に
    係合すると共に、各核燃料棒が、ジルコニウム合金材料
    からなる細長い中空軸である被覆管内に核分裂性燃料を
    保持して、互いに平行に冷却材の流れの方向に延びるよ
    うに支持されているような、燃料集合体に装着すべき前
    記核燃料棒を強化して、破片によるフレッチング損傷か
    ら保護する方法であって、 前記被覆管の外面上に酸化ジルコニウム製表面被覆を形
    成し、該酸化ジルコニウム製表面被覆には、前記格子支
    持位置の領域において、前記被覆管の外面上にある一部
    分が、該被覆管の残りの長さに沿った酸化ジルコニウム
    表面被覆よりも実質的に厚くなっているようにして、前
    記被覆管が前記格子支持位置の近傍で前記破片による衝
    撃から保護されるように強化する、 核燃料棒の強化方法。
JP6031136A 1993-03-02 1994-03-01 燃料集合体、その核燃料棒被覆管、及び核燃料棒の強化方法 Pending JPH06289171A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US2536193A 1993-03-02 1993-03-02
US08/025361 1993-03-02

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06289171A true JPH06289171A (ja) 1994-10-18

Family

ID=21825581

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6031136A Pending JPH06289171A (ja) 1993-03-02 1994-03-01 燃料集合体、その核燃料棒被覆管、及び核燃料棒の強化方法

Country Status (7)

Country Link
EP (1) EP0614195B1 (ja)
JP (1) JPH06289171A (ja)
KR (1) KR940022587A (ja)
CZ (1) CZ285357B6 (ja)
DE (1) DE69417941T2 (ja)
ES (1) ES2130353T3 (ja)
TW (1) TW239215B (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008151788A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Global Nuclear Fuel Americas Llc Zr合金製燃料バンドル材料のレーザー表面処理
KR101405396B1 (ko) * 2012-06-25 2014-06-10 한국수력원자력 주식회사 표면에 혼합층을 포함하는 코팅층이 형성된 지르코늄 합금 및 이의 제조방법
JP2017503911A (ja) * 2013-10-22 2017-02-02 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフトSiemens Aktiengesellschaft 耐疲労性タービン通しボルト

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SE509382C2 (sv) * 1996-02-23 1999-01-18 Asea Atom Ab Komponent som är utformad för användning i en lättvattenreaktor samt förfarande för att framställa en sådan komponent
US6512806B2 (en) 1996-02-23 2003-01-28 Westinghouse Atom Ab Component designed for use in a light water reactor, and a method for the manufacture of such a component
DE19721080C1 (de) * 1997-05-20 1998-10-01 Siemens Ag Verfahren zum Überdecken eines Bauteiles mit einer korrosionshemmenden Fremdoxidschicht und mit einer solchen Fremdoxidschicht überdecktes Bauteil
DE19910379C1 (de) * 1999-03-09 2000-06-29 Siemens Ag Brennelement für einen Kernreaktor
DE19944509A1 (de) * 1999-09-16 2001-04-19 Siemens Ag Kernbrennelementbauteile mit Schutzschichtsystem
DE10010135A1 (de) * 2000-03-03 2001-09-13 Siemens Ag Bauteil eines Kernreaktor-Brennelements mit einem Mittel zur Verringerung der Wasserstoffaufnahme und/oder der Shadow-Korrosion und entsprechende Herstellung
US6813329B1 (en) * 2003-06-12 2004-11-02 Westinghouse Electric Copmany Llc Crud-resistant nuclear fuel cladding
KR100443624B1 (ko) * 2003-09-05 2004-08-11 연천군 청정 오이 재배용 봉투 및 이를 이용한 오이 재배 방법
US10060018B2 (en) * 2013-05-28 2018-08-28 Westinghouse Electric Company Llc Kinetically applied gradated Zr-Al-C ceramic or Ti-Al-C ceramic or amorphous or semi-amorphous stainless steel with nuclear grade zirconium alloy metal structure
CN105002545A (zh) * 2014-04-24 2015-10-28 北京师范大学 一种用于核燃料棒锆合金包壳激光焊接接头的保护膜制备方法
CN112037950B (zh) * 2020-09-24 2022-02-11 中国核动力研究设计院 一种燃料棒裂变产物释放模拟装置及其使用方法
US20230323519A1 (en) * 2022-04-11 2023-10-12 Michael T. Clarke Formation of surface oxide coatings for zirconium and zirconium based alloys

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1306939A (en) * 1969-07-08 1973-02-14 British Nuclear Fuels Ltd Nuclear reactors
JPS62177489A (ja) * 1986-01-31 1987-08-04 株式会社東芝 耐摩耗,耐食部材およびその製造方法
FR2607616B1 (fr) * 1986-12-01 1990-05-18 Framatome Sa Assemblage combustible nucleaire a gaines revetues et procede de revetement de telles gaines
US5171520A (en) * 1990-09-04 1992-12-15 Combustion Engineering, Inc. Wear resistant coating for fuel cladding
US5265137A (en) * 1990-11-26 1993-11-23 Siemens Power Corporation Wear resistant nuclear fuel assembly components

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008151788A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Global Nuclear Fuel Americas Llc Zr合金製燃料バンドル材料のレーザー表面処理
KR101405396B1 (ko) * 2012-06-25 2014-06-10 한국수력원자력 주식회사 표면에 혼합층을 포함하는 코팅층이 형성된 지르코늄 합금 및 이의 제조방법
JP2017503911A (ja) * 2013-10-22 2017-02-02 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフトSiemens Aktiengesellschaft 耐疲労性タービン通しボルト

Also Published As

Publication number Publication date
CZ44794A3 (en) 1994-09-14
DE69417941T2 (de) 1999-09-30
ES2130353T3 (es) 1999-07-01
TW239215B (ja) 1995-01-21
EP0614195B1 (en) 1999-04-21
EP0614195A1 (en) 1994-09-07
DE69417941D1 (de) 1999-05-27
CZ285357B6 (cs) 1999-07-14
KR940022587A (ko) 1994-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH06289171A (ja) 燃料集合体、その核燃料棒被覆管、及び核燃料棒の強化方法
Pahl et al. Irradiation behavior of metallic fast reactor fuels
JP2996890B2 (ja) 水冷型原子炉又は関連設備の金属構成部の表面における割れの開始又は進展を緩和する方法及び表面に割れを有している金属構成部
US7346140B2 (en) Reactor structural member and method of suppressing corrosion of the same
US5793830A (en) Metal alloy coating for mitigation of stress corrosion cracking of metal components in high-temperature water
EP0560857B1 (en) Wear resistant nuclear fuel assembly components
JP3002129B2 (ja) 応力腐食割れを防ぐための金属の放射線誘発パラジウム・ドーピング
JP2009258126A (ja) 原子炉の炉心の反応を調節するためのクラスター、クラスターの吸収ロッド、及び吸収ロッドを摩耗に対して保護するための方法
Stehle et al. External corrosion of cladding in PWRs
JPH06271988A (ja) 耐中性子照射脆化に優れた構造部材及びそれに用いるオーステナイト鋼とその用途
SE444368B (sv) Forfarande for framstellning av en behallare for kernbrensle for anvendning i kernklyvningsreaktorer samt behallare framstelld enligt forfarandet
JPH0843568A (ja) ノジュラ腐食に耐える被覆及び被覆を製造する方法
US4613479A (en) Water reactor fuel cladding
US5188676A (en) Method for annealing zircaloy to improve nodular corrosion resistance
JP2002323596A (ja) 加圧水型原子炉及び付随する高温水環境での腐食、浸食及び応力腐食割れを低減する貴金属触媒
JP2008070138A (ja) 核燃料集合体、それに用いる部品およびその製造方法
JP2005195346A (ja) 原子炉構造材の腐食低減方法
WO2000026921A3 (en) Rodlet absorbing members for use with spent fuel
JP2001228289A (ja) 原子力発電プラントおよびその運転方法
EP0194797A1 (en) Water reactor fuel element cladding tube
JP2008151788A (ja) Zr合金製燃料バンドル材料のレーザー表面処理
EP0195154B1 (en) Water reactor fuel cladding tubes
JPH08209322A (ja) 水中構造物の耐食コーティング法
JPH0798393A (ja) 原子炉用の部品
KR100740779B1 (ko) 펄스 레이즈를 이용한 사용후핵연료 폐피복관의건식제염을 통한 방사능 저감방법