JPH06288997A - 高分子物質の分子量分布分析法 - Google Patents

高分子物質の分子量分布分析法

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JPH06288997A
JPH06288997A JP7268893A JP7268893A JPH06288997A JP H06288997 A JPH06288997 A JP H06288997A JP 7268893 A JP7268893 A JP 7268893A JP 7268893 A JP7268893 A JP 7268893A JP H06288997 A JPH06288997 A JP H06288997A
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JP
Japan
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molecular weight
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gpc
polymer material
high polymer
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Application number
JP7268893A
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English (en)
Inventor
Shigeki Ono
成樹 尾野
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Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来分子量分布の測定が困難であった高分子
物質をGPCの移動相を選択することにより、測定可能
にすることを目的とする。 【構成】 高分子物質の例えばアクリルエマルジョンは
臭化リチウムを含有するジメチルホルムアミドで溶解
し、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロライドは水
酸化テトラブチルアンモニウムを添加した酸性水溶液で
それぞれ溶解した後、これら溶液を移動相とするGPC
で高分子物質の分子量分布を測定することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクリルエマルジョン
やポリジメチルジアリルアンモニウムクロライドなどの
高分子物質の分子量分布分析法に関する。さらに詳しく
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下GPC
と言う)を用いた高分子物質の品質管理、性能評価等に
好適な分子量分布分析法に関する。
【0002】
【従来技術】高分子物質の中でも、例えばアクリルエマ
ルジョンは塗料、接着剤、繊維処理剤などの用途に利用
され、またポリジメチルジアリルアンモニウムクロライ
ドはイオン選択性電極膜のマトリックス材料などに利用
されている。
【0003】従って、これら用途に使用するためにも、
高分子物質の品質管理、性能評価は重要で、GPCによ
る分子量分布測定が試みられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来に
あっては、例えばアクリルエマルジョンは、これを溶解
させる適当な溶媒がなかったために、分子量分布測定が
困難で品質管理が十分に行えなかった。そのため、かか
る高分子物質を各種用途に使用した段階で、製品に欠陥
があることが判明する場合もあり、不都合が生じてい
た。
【0005】また、ポリジメチルジアリルアンモニウム
クロライドは、水、メタノールなどを溶媒としてGPC
による分子量分布測定が試みられていたが、この溶媒は
かかる物質を完全に溶解させることはできず、GPCに
付すと、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロライド
がカラムに吸着して、再現性が得られないという欠陥が
あった。
【0006】そこで、本発明は、これら高分子物質を溶
解させるに適した溶媒を見いだすことにより、前記課題
を解決し、高分子物質の分子量分布分析法を確立するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本件発明者は、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、下記の溶媒を選択す
ることによりアクリルエマルジョンやポリジメチルジア
リルアンモニウムクロライドなどの高分子物質の分子量
分布測定ができることを見出だし、本発明をなすに至っ
た。
【0008】すなわち、本発明の第一は、アクリルエマ
ルジョンを臭化リチウムを含有するジメチルホルムアミ
ドで溶解させ、該溶解液を臭化リチウムを含有するジメ
チルホルムアミドを移動相とするGPCに付して、アク
リルエマルジョンの分子量分布を分析することを特徴と
する。
【0009】ここで、臭化リチウムの濃度は、溶媒に溶
解させたとき10mMになるのが好ましい。これ以上だ
とリチウム塩が溶解せず添加の効果が変わらないからで
ある。 溶媒として使用するジメチルホルムアミドは、
市販のものをそのまま使用しても、精製して用いてもど
ちらでも良い。アクリルエマルジョンを臭化リチウムを
含有するジメチルホルムアミドで溶解させるには、例え
ば、アクリルエマルジョンをビーカーに入れ、そこに臭
化リチウムを含有するジメチルホルムアミドの適当量を
加えるだけでよいが、その手法は問わない。アクリルエ
マルジョンの溶解液ができたら、それをGPCに付す。
GPCに付すには、公知の試料導入装置を使用でき、こ
れにより、所定量の溶液をGPCに注入できる。
【0010】GPCに注入された溶液は、臭化リチウム
を含有するジメチルホルムアミドを移動相として分離カ
ラムに付される。ここで、GPCの移動相と溶解用の溶
液とは同一であることが装置の操作上好ましい。GPC
で用いる分離カラムとしては、汎用の高分子ゲルを充填
したものが使用可能であり、例えば、ビニルアルコール
共重合体の充填カラムが好適な例として挙げられる。G
PCの検出手段としては、示差屈折率検出器を用いるの
が好ましい。
【0011】また、本発明の第二は、ポリジメチルジア
リルアンモニウムクロライドを水酸化テトラブチルアン
モニウムを添加した酸性水溶液で溶解させ、該溶解液を
水酸化テトラブチルアンモニウムを添加した酸性水溶液
を移動相とするGPCに付して、ポリジメチルジアリル
アンモニウムクロライドの分子量分布を分析することを
特徴とする。
【0012】ここで用いる酸性水溶液は、たとえば、り
ん酸水溶液を挙げることができ、そのpHは2〜4が好
ましい。但し、酸性水溶液はこれに限定されず、酸性緩
衝液を用いることもできる。酸性水溶液の濃度は、装置
のメンテナンスを考慮し、10mM程度が好ましいが、
これに限定されない。酸性水溶液は、それ単独で用いて
もよいが、例えば、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムを混
合してもよい。硝酸ナトリウムの濃度は、100〜20
0mMが好ましい。
【0013】また、酸性水溶液に添加する水酸化テトラ
ブチルアンモニウムは、5〜10mMが好ましく、酸性
水溶液や水酸化テトラブチルアンモニウム自体は市販の
ものをそのまま使用しても、精製して用いてもどちらで
も良い。なお、GPCで用いる分離カラム及び検出手段
は、第一の発明と同様のものを用いるのが好ましい。
【0014】
【作用】本発明によれば、アクリルエマルジョンやポリ
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドなどの溶解液
などについてのGPCからの溶離液を分画して捕集する
ことにより、従来分子量分布測定が困難であった高分子
物質の分子量分布を測定できる。
【0015】
【実施例】本発明の方法を実施する装置構成を図面に基
づいて説明する。図1は、本発明の方法を実施する装置
の一例で、1は移動相貯流槽、2は送液ポンプ、3はマ
ニュアルインジェクタ、4はカラム、5はカラムオーブ
ン、6は紫外吸光検出器または示差屈折率検出器、7は
データ処理装置である。
【0016】分析に際しては、移動相貯流槽1からポン
プ2によりあらかじめ移動相を流し、定常状態を作る。
次に、マニュアルインジェクタ3から試料を注入する。
注入された試料は移動相によりカラムオーブン5中のカ
ラム4に送られ、検出器6により検出される。このデー
タをデータ処理装置7で処理し、定量計算を行う。以上
の装置を用いて、次の分析条件で分析を行った。
【0017】 <実験例1:アクリルエマルジョンの分子量分布測定> (1)試料の前処理 試料50mgを10mM臭化リチウムを含有するジメチ
ルホルムアミド5mlで溶解し、メンブランフィルタ
(孔径:0.45μm)でろ過する。次に、ろ液200
μlをGPCに注入する。
【0018】(2)分析条件 カラム:Asahipak GF−7MHQ(旭化成工
業株式会社製) (7.6mmI.D.×300mml) 移動相:ジメチルホルムアミド(10mM臭化リチウム
含有) 流 量:0.6ml/min 温 度:40℃ 検出器:RID−6A(示差屈折率検出器 (株)島津
製作所製) 感 度:32×10-6 RIUFS ポラリティ:+ (3)分析結果 上記分析条件で分析した結果を図2に示す。図2の矢印
のピークはアクリルエマルジョンのピークで、この図よ
り本発明によれば、アクリルエマルジョンを感度良く分
析できることがわかる。図2中の縦軸は信号強度、横軸
は保持時間を表す。
【0019】<実験例2:ポリジメチルジアリルアンモ
ニウムクロライドの分子量分布測定> (1)試料の前処理 試料10mgを下記の移動相5mlに溶解し、メンブラ
ンフィルタ(孔径:0.45μm)でろ過する。次に、
ろ液200μlをGPCに注入する。
【0020】(2)分析条件 カラム:Asahipak GF−7MHQ(旭化成工
業株式会社製) (7.6mmI.D.×300mml) 移動相:10mM水酸化テトラブチルアンモニウム、1
00mM硝酸ナトリウムを含む10mMりん酸水溶液 流 量:0.6ml/min 温 度:40℃ 検出器:RID−6A(示差屈折率検出器 (株)島津
製作所製) 感 度:32×10-6 RIUFS ポラリティ:+ (3)分析結果 上記分析条件で分析した結果を図3に示す。図3のピー
クはポリジメチルジアリルアンモニウムクロライドのピ
ークで、この図より本発明によれば、ポリジメチルジア
リルアンモニウムクロライドを感度良く分析できること
がわかる。図3中の縦軸は信号強度、横軸は保持時間を
表す。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、従来正確に分子量分布
測定ができなかったアクリルエマルジョンやポリジメチ
ルジアリルアンモニウムクロライドなどのの分子量分布
を正確に効率良く測定できる。さらに、得られた分子量
分布によりこれら物質の品質管理、性能評価が簡単に行
えるという特別の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を実施するための装置を示す図
【図2】アクリルエマルジョンの分子量分布を測定した
結果を示す図
【図3】ポリジメチルジアリルアンモニウムクロライド
の分子量分布を測定した結果を示す図
【符号の説明】
1:移動相貯流槽 4:分析カラム 6:検出器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリルエマルジョンを臭化リチウムを
    含有するジメチルホルムアミドで溶解させ、該溶解液を
    臭化リチウムを含有するジメチルホルムアミドを移動相
    とするゲルパーミエーションクロマトグラフに付して、
    アクリルエマルジョンの分子量分布を分析することを特
    徴とするアクリルエマルジョンの分子量分布分析法。
  2. 【請求項2】 ポリジメチルジアリルアンモニウムクロ
    ライドを水酸化テトラブチルアンモニウムを添加した酸
    性水溶液で溶解させ、該溶解液を水酸化テトラブチルア
    ンモニウムを添加した酸性水溶液を移動相とするゲルパ
    ーミエーションクロマトグラフに付して、ポリジメチル
    ジアリルアンモニウムクロライドの分子量分布を分析す
    ることを特徴とするポリジメチルジアリルアンモニウム
    クロライドの分子量分布分析法。
JP7268893A 1993-03-31 1993-03-31 高分子物質の分子量分布分析法 Pending JPH06288997A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112034057A (zh) * 2020-08-16 2020-12-04 江苏正大清江制药有限公司 一种测定头孢呋辛酯原料中高分子聚合物的方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112034057A (zh) * 2020-08-16 2020-12-04 江苏正大清江制药有限公司 一种测定头孢呋辛酯原料中高分子聚合物的方法
CN112034057B (zh) * 2020-08-16 2022-04-01 江苏正大清江制药有限公司 一种测定头孢呋辛酯原料中高分子聚合物的方法

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