JPH06287997A - プレキャスト鉄筋コンクリート壁部材の接合方法 - Google Patents
プレキャスト鉄筋コンクリート壁部材の接合方法Info
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- JPH06287997A JPH06287997A JP11202093A JP11202093A JPH06287997A JP H06287997 A JPH06287997 A JP H06287997A JP 11202093 A JP11202093 A JP 11202093A JP 11202093 A JP11202093 A JP 11202093A JP H06287997 A JPH06287997 A JP H06287997A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 多数本の部材主鉄筋を有するPC壁部材どう
しの接合を迅速、簡易かつ安全に実施できる接合方法の
提供 【構成】 下階PC壁部材4の多数本主鉄筋6の上端部
は該部材上端面5から突き出て露出しているが、その露
出長は従来の部材のように同一ではなく両端にあるキー
主鉄筋6−aのみが他の主鉄筋露出長より3〜7cm長
くなっている。上階PC壁部材1の主鉄筋3の下端部に
結合されかつ該部材下端面2に開口しているモルタル継
手7または片モルタル継手の埋設位置も下階PC壁部材
主鉄筋露出長差に応じて両端の継手7−aのみが他の継
手より上記差分だけ高い位置にある。上階PC壁部材の
埋設継手内に下階PC壁部材主鉄筋の露出端部が収容さ
れるよう上階部材を建て入れるとき上記キー主鉄筋が収
容のガイド作用を果たすため、建て入れ作業が迅速、簡
易かつ安全に実施できる。
しの接合を迅速、簡易かつ安全に実施できる接合方法の
提供 【構成】 下階PC壁部材4の多数本主鉄筋6の上端部
は該部材上端面5から突き出て露出しているが、その露
出長は従来の部材のように同一ではなく両端にあるキー
主鉄筋6−aのみが他の主鉄筋露出長より3〜7cm長
くなっている。上階PC壁部材1の主鉄筋3の下端部に
結合されかつ該部材下端面2に開口しているモルタル継
手7または片モルタル継手の埋設位置も下階PC壁部材
主鉄筋露出長差に応じて両端の継手7−aのみが他の継
手より上記差分だけ高い位置にある。上階PC壁部材の
埋設継手内に下階PC壁部材主鉄筋の露出端部が収容さ
れるよう上階部材を建て入れるとき上記キー主鉄筋が収
容のガイド作用を果たすため、建て入れ作業が迅速、簡
易かつ安全に実施できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレキャスト鉄筋コン
クリート壁部材を上階壁部材として基礎部材または下階
壁部材と接合する方法に関するものである。
クリート壁部材を上階壁部材として基礎部材または下階
壁部材と接合する方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】壁式プレハブ工法により鉄筋コンクリート
造多層階建築物を構築するに際し、壁部材として下端部
にモルタル継手が埋設されている構造のプレキャスト鉄
筋コンクリート(以下PCと略記)壁部材を使用する例
が多い。ここにモルタル継手とは特公昭53−1273
2、特開昭61−200246、特間昭62−2285
56、実開昭63−186818号公報等に開示されて
いる鉄筋継手であって、図3に例示したように、細長い
中空筒体7(スリーブという)よりなる金物である。ス
リーブ7の内面には複数個の環状突起10が設けられて
おり、接合すべき一対の鉄筋21−aおよび21−bを
対向方向にスリーブ内に挿入してスリーブの長手方向ほ
ぼ中央位置においてほぼ一線上に対向させスリーブ内に
流動性の大きなモルタルであるグラウト14を充填す
る。このグラウトの硬化によりスリーブと鉄筋とが一体
化されこれにより一対の鉄筋の突合せ状接合がなされ
る。なお、スリーブの両端付近には埋設スリーブ内に外
部からグラウトを注入するための注入口12および注入
時の抜気口となる排出口13が設けられ、また、挿入鉄
筋の所定挿入深さ確保のためのストッパー11が通常設
けられている。
造多層階建築物を構築するに際し、壁部材として下端部
にモルタル継手が埋設されている構造のプレキャスト鉄
筋コンクリート(以下PCと略記)壁部材を使用する例
が多い。ここにモルタル継手とは特公昭53−1273
2、特開昭61−200246、特間昭62−2285
56、実開昭63−186818号公報等に開示されて
いる鉄筋継手であって、図3に例示したように、細長い
中空筒体7(スリーブという)よりなる金物である。ス
リーブ7の内面には複数個の環状突起10が設けられて
おり、接合すべき一対の鉄筋21−aおよび21−bを
対向方向にスリーブ内に挿入してスリーブの長手方向ほ
ぼ中央位置においてほぼ一線上に対向させスリーブ内に
流動性の大きなモルタルであるグラウト14を充填す
る。このグラウトの硬化によりスリーブと鉄筋とが一体
化されこれにより一対の鉄筋の突合せ状接合がなされ
る。なお、スリーブの両端付近には埋設スリーブ内に外
部からグラウトを注入するための注入口12および注入
時の抜気口となる排出口13が設けられ、また、挿入鉄
筋の所定挿入深さ確保のためのストッパー11が通常設
けられている。
【0003】モルタル継手が下端部に埋設されている構
造のPC壁部材およびこれの接合方法を図5により説明
する。(上階)PC壁部材22の複数本(図では2本)
の主鉄筋24の下端部にはそれぞれモルタル継手7が結
合されている。この結合は主鉄筋の下端部がスリーブ7
の上半部にストッパー11に届くまで挿入されスリーブ
の上方開口9と主鉄筋とが適当な結合具(実開平4−1
14904号公報開示のゴムプラグ28など)により仮
結合される態様により結合されている。壁部材下端部に
埋設されているスリーブの下方開口8は部材下端面23
に開口している。注入口12および排出口13にはそれ
ぞれ導管16が取り付けられていてこの導管は壁部材の
側面に開口しておりスリーブは導管を通じて部材外部に
連通している。
造のPC壁部材およびこれの接合方法を図5により説明
する。(上階)PC壁部材22の複数本(図では2本)
の主鉄筋24の下端部にはそれぞれモルタル継手7が結
合されている。この結合は主鉄筋の下端部がスリーブ7
の上半部にストッパー11に届くまで挿入されスリーブ
の上方開口9と主鉄筋とが適当な結合具(実開平4−1
14904号公報開示のゴムプラグ28など)により仮
結合される態様により結合されている。壁部材下端部に
埋設されているスリーブの下方開口8は部材下端面23
に開口している。注入口12および排出口13にはそれ
ぞれ導管16が取り付けられていてこの導管は壁部材の
側面に開口しておりスリーブは導管を通じて部材外部に
連通している。
【0004】既に建て入れされた下階PC壁部材25の
複数本(図では2本)の主鉄筋27の上端部は該部材上
端面26から所定長突き出て露出している。この主鉄筋
27と上記の主鉄筋24とは互いに対応する位置にあっ
て上下対をなしている。下階PC壁部材上端面26上に
床部材等(図示省略)を結合した後、上記PC壁部材2
2を上階壁部材として上方から降下させて、下階PC壁
部材25の露出している主鉄筋上端部がそれぞれ対応す
る上階壁部材主鉄筋24に結合しているスリーブ内にそ
の下端開口8を通って収容されるように上階壁部材22
を建て入れる。その後、導管を利用して部材外部から注
入口12を通ってグラウト14をスリーブ内に注入す
る。この注入はグラウトが排出口13を通って導菅16
の開口から部材側面に溢れ出るまで続ける。下階PC壁
部材主鉄筋27は上記のように上階PC壁部材22を建
て入れたときその上端がほぼストッパー11の位置に達
しスリーブ長手方向中央において突合せ状に対向する。
かくて、複数対の主鉄筋どうしが一工程で同時に接合で
きる利点があるので上記工法が広く実施されている。
複数本(図では2本)の主鉄筋27の上端部は該部材上
端面26から所定長突き出て露出している。この主鉄筋
27と上記の主鉄筋24とは互いに対応する位置にあっ
て上下対をなしている。下階PC壁部材上端面26上に
床部材等(図示省略)を結合した後、上記PC壁部材2
2を上階壁部材として上方から降下させて、下階PC壁
部材25の露出している主鉄筋上端部がそれぞれ対応す
る上階壁部材主鉄筋24に結合しているスリーブ内にそ
の下端開口8を通って収容されるように上階壁部材22
を建て入れる。その後、導管を利用して部材外部から注
入口12を通ってグラウト14をスリーブ内に注入す
る。この注入はグラウトが排出口13を通って導菅16
の開口から部材側面に溢れ出るまで続ける。下階PC壁
部材主鉄筋27は上記のように上階PC壁部材22を建
て入れたときその上端がほぼストッパー11の位置に達
しスリーブ長手方向中央において突合せ状に対向する。
かくて、複数対の主鉄筋どうしが一工程で同時に接合で
きる利点があるので上記工法が広く実施されている。
【0005】一般にPC壁部材の主鉄筋は複数本である
が、近時PC壁部材の大型化に伴いこの本数も従来の2
〜4本程度から7〜10本さらには10数本にも達して
いる。また、壁の辺長も長くなってきている。このよう
に辺長が長い壁部材の多くの数の下階壁部材主鉄筋露出
部を同時に上階壁部材下端面に開口している埋設スリー
ブ内に収容することは上階壁部材建て入れ作業上困難と
危険を伴う。本発明はかかる現況に鑑み多数本主鉄筋収
容作業を容易かつ安全に遂行できるPC壁部材接合方法
の提供を目的とする。
が、近時PC壁部材の大型化に伴いこの本数も従来の2
〜4本程度から7〜10本さらには10数本にも達して
いる。また、壁の辺長も長くなってきている。このよう
に辺長が長い壁部材の多くの数の下階壁部材主鉄筋露出
部を同時に上階壁部材下端面に開口している埋設スリー
ブ内に収容することは上階壁部材建て入れ作業上困難と
危険を伴う。本発明はかかる現況に鑑み多数本主鉄筋収
容作業を容易かつ安全に遂行できるPC壁部材接合方法
の提供を目的とする。
【0006】
【発明の開示】本発明は、プレキャスト鉄筋コンクリー
ト(以下PCと略記)壁部材を上階PC壁部材として基
礎部材または下階PC壁部材と接合する方法であって、
(イ)上階PC壁部材は、複数本の主鉄筋の各下端部に
モルタル継手または片モルタル継手が結合された態様で
これら継手が埋設されている構造のものであり、(ロ)
上記埋設継手は、部材主鉄筋と同軸であって、その上半
部(片モルタル継手にあってはその機械的定着部)が主
鉄筋下端部と結合しており、下半部(片モルタル継手に
あってはそのスリーブ部)が部材下端面に開口してお
り、(ハ)上記複数個の埋設継手のうち壁部材長手方向
両端位置にある主鉄筋に結合されている継手は、他の継
手より若干高さ上方に埋設されており、(ニ)上記PC
壁部材が接合さるべき基礎部材または下階PC壁部材の
上端面からは複数本の該部材主鉄筋の上端部が所定長突
き出て露出しており、これら主鉄筋は上階PC壁部材主
鉄筋とそれぞれ上下対をなす対応位置にあり、かつ、そ
のうち部材長手方向両端位置にある主鉄筋の露出長は他
の主鉄筋露出長より若干長くなっており、(ホ)上階P
C壁部材を上方より降下させて、基礎部材または下階P
C壁部材の上端面から突き出て露出している複数個のこ
れら部材主鉄筋上端部がそれぞれ対応位置にある上階P
C壁部材内埋設継手のスリーブ部内にその開口を通って
収容されるよう、上階PC壁部材を建て入れ、(ヘ)つ
いで、埋設継手に設けられている注入口を利用して流動
性の大きいモルタルであるグラウトを埋設継手内に注入
してこれを充填し、該グラウトの硬化により上下対をな
す部材主鉄筋どうしを埋設継手内で接合する、ことを特
徴とするプレキャスト鉄筋コンクリート壁部材の接合方
法、である。
ト(以下PCと略記)壁部材を上階PC壁部材として基
礎部材または下階PC壁部材と接合する方法であって、
(イ)上階PC壁部材は、複数本の主鉄筋の各下端部に
モルタル継手または片モルタル継手が結合された態様で
これら継手が埋設されている構造のものであり、(ロ)
上記埋設継手は、部材主鉄筋と同軸であって、その上半
部(片モルタル継手にあってはその機械的定着部)が主
鉄筋下端部と結合しており、下半部(片モルタル継手に
あってはそのスリーブ部)が部材下端面に開口してお
り、(ハ)上記複数個の埋設継手のうち壁部材長手方向
両端位置にある主鉄筋に結合されている継手は、他の継
手より若干高さ上方に埋設されており、(ニ)上記PC
壁部材が接合さるべき基礎部材または下階PC壁部材の
上端面からは複数本の該部材主鉄筋の上端部が所定長突
き出て露出しており、これら主鉄筋は上階PC壁部材主
鉄筋とそれぞれ上下対をなす対応位置にあり、かつ、そ
のうち部材長手方向両端位置にある主鉄筋の露出長は他
の主鉄筋露出長より若干長くなっており、(ホ)上階P
C壁部材を上方より降下させて、基礎部材または下階P
C壁部材の上端面から突き出て露出している複数個のこ
れら部材主鉄筋上端部がそれぞれ対応位置にある上階P
C壁部材内埋設継手のスリーブ部内にその開口を通って
収容されるよう、上階PC壁部材を建て入れ、(ヘ)つ
いで、埋設継手に設けられている注入口を利用して流動
性の大きいモルタルであるグラウトを埋設継手内に注入
してこれを充填し、該グラウトの硬化により上下対をな
す部材主鉄筋どうしを埋設継手内で接合する、ことを特
徴とするプレキャスト鉄筋コンクリート壁部材の接合方
法、である。
【0007】本発明におけるモルタル継手は上に説明し
た通りのものである。片モルタル継手は、図4に示すよ
うにスリーブ部18と機械的定着部20とが同軸一体に
結合してなる継手金物17である。スリーブ部18は鉄
筋端部を遊挿できる筒体であって、この中に挿入された
鉄筋21−bをこの中に充填されたグラウト14の硬化
により定着する。そして内壁にはモルタル継手と同様な
環状突起10が設けられており、その開口19近くに注
入口12、反対側の端近くに排出口13が設けられてい
る。機械的定着部20は鉄筋を螺着等の機械的手段で定
着する機構を具えた筒体である。該機構としては、螺
着、ビス止め、カプラー締め付け等がある。(実開昭6
2−203318、特開昭63−89764号公報等参
照)なお、図4では螺着機構である。
た通りのものである。片モルタル継手は、図4に示すよ
うにスリーブ部18と機械的定着部20とが同軸一体に
結合してなる継手金物17である。スリーブ部18は鉄
筋端部を遊挿できる筒体であって、この中に挿入された
鉄筋21−bをこの中に充填されたグラウト14の硬化
により定着する。そして内壁にはモルタル継手と同様な
環状突起10が設けられており、その開口19近くに注
入口12、反対側の端近くに排出口13が設けられてい
る。機械的定着部20は鉄筋を螺着等の機械的手段で定
着する機構を具えた筒体である。該機構としては、螺
着、ビス止め、カプラー締め付け等がある。(実開昭6
2−203318、特開昭63−89764号公報等参
照)なお、図4では螺着機構である。
【0008】基礎部材または下階PC壁部材(以下、下
階部材と記す)の上述のように両端にあって他の主鉄筋
より長く突き出ている主鉄筋(キー主鉄筋という)の突
き出し長差は3〜7cm程度が適当である。また、上階
PC壁部材の両端の上記キー主鉄筋に対応する位置にあ
り他の主鉄筋よりその下端末が上方に位置する主鉄筋
(キー対応主鉄筋という)の他の主鉄筋下端末との位置
差は上記の突き出し長差に見合った長さである。
階部材と記す)の上述のように両端にあって他の主鉄筋
より長く突き出ている主鉄筋(キー主鉄筋という)の突
き出し長差は3〜7cm程度が適当である。また、上階
PC壁部材の両端の上記キー主鉄筋に対応する位置にあ
り他の主鉄筋よりその下端末が上方に位置する主鉄筋
(キー対応主鉄筋という)の他の主鉄筋下端末との位置
差は上記の突き出し長差に見合った長さである。
【0009】モルタル継手埋設PC壁部材の場合におけ
る本発明の実施例を図1により説明する。(上階)PC
壁部材1の部材主鉄筋3の下端部にはそれぞれモルタル
継手7が結合されていて該継手はその下方開口8が部材
下端面2に開口するよう部材の下端部に埋設されてい
る。主鉄筋3は8本であるが図示簡略化のため4本とし
て図示してある。主鉄筋3の下端部は上記継手の上方開
口9から継手内に挿入されその下端末は継手の長手方向
ほぼ中央に設けられているストッパー11にほぼ接し、
継手の上端部に嵌着されたゴムプラグ28により仮止め
されて継手に結合されている。一群の埋設継手7のうち
両端に位置する継手7−a(キー対応モルタル継手とい
う)の埋設位置は他の継手の埋設位置より5cm高い位
置にある。従って、これに結合している両端の主鉄筋3
−a(キー対応主鉄筋という)の下端末もまた他の主鉄
筋より5cm高い位置にある。キー対応継手以外の継手
はその下方開口8が部材下端面2と面一になっている。
キー対応継手の下方開口8は部材下端面2より5cm高
い位置にあり、下方開口8と下端面2との間にかさあげ
孔15が設けられていてキー対応継手はこれを通じて部
材下端面に開口している。部材主鉄筋としては公称直径
19mmの異形鉄筋が用いられ継手長は285mmであ
る。埋設継手の注入口12および排出口13にはそれぞ
れ導管16が連結されていて該導管は部材側面に開口し
ている。既に建て入れされた下階PC壁部材4の上端面
5上にPC床部材を載せて互いに結合した後現場打ちコ
ンクリートを打設する。このコンクリート面は床面と面
一である。なお、床部材、コンクリート等は図示を省略
した。また、下階部材主鉄筋は上階部材主鉄筋と同じで
ある。下階PC壁部材4の部材主鉄筋6の上端部は上記
コンクリート面よりさらに上方に突き出て露出してい
る。この主鉄筋群のうち両端に位置するキー主鉄筋6−
aの露出長は他の主鉄筋より約5cm長い。上記床部材
およびコンクリート面上に厚さ2cm程度の目地モルタ
ルを敷き、上階PC壁部材1を上方から降下させる。そ
して両端に位置するキー主鉄筋6−aの露出部が上記か
さあげ孔に収容されるよう上階PC壁部材1を建て入れ
る。このキー主鉄筋露出部の収容作業は該鉄筋が両端に
位置していること、他の鉄筋より露出長が長いこと、こ
れが2本しかないこと等のため甚だ簡易に遂行できる。
そして、このキー主鉄筋がガイドの作用を果たすので、
他の短い露出長の主鉄筋の埋設継手内への収容はキー主
鉄筋の収容と同時に自動的に遂行できる。上階PC壁部
材建て入れ後、継手の注入口12に連結されている導管
16を通じて埋設継手内にグラウト14をこれが継手の
排出口13に連結されている導管16から溢れ出るまで
注入することにより継手内を完全にグラウトで充填す
る。グラウトの硬化により上階PC壁部材が接合され
る。なお、下階PC壁部材主鉄筋上端末はいずれも埋設
継手の長手方向ほぼ中央のストッパーの位置付近に達し
ている。なお、図示してないが、上階PC壁部材1の上
端面からは主鉄筋上端部が下階PC壁部材主鉄筋上端部
と同様態様で突き出て露出している。従って、PC壁部
材1にさらに上階PC壁部材を接合する場合も同様にし
て簡易に施工できる。
る本発明の実施例を図1により説明する。(上階)PC
壁部材1の部材主鉄筋3の下端部にはそれぞれモルタル
継手7が結合されていて該継手はその下方開口8が部材
下端面2に開口するよう部材の下端部に埋設されてい
る。主鉄筋3は8本であるが図示簡略化のため4本とし
て図示してある。主鉄筋3の下端部は上記継手の上方開
口9から継手内に挿入されその下端末は継手の長手方向
ほぼ中央に設けられているストッパー11にほぼ接し、
継手の上端部に嵌着されたゴムプラグ28により仮止め
されて継手に結合されている。一群の埋設継手7のうち
両端に位置する継手7−a(キー対応モルタル継手とい
う)の埋設位置は他の継手の埋設位置より5cm高い位
置にある。従って、これに結合している両端の主鉄筋3
−a(キー対応主鉄筋という)の下端末もまた他の主鉄
筋より5cm高い位置にある。キー対応継手以外の継手
はその下方開口8が部材下端面2と面一になっている。
キー対応継手の下方開口8は部材下端面2より5cm高
い位置にあり、下方開口8と下端面2との間にかさあげ
孔15が設けられていてキー対応継手はこれを通じて部
材下端面に開口している。部材主鉄筋としては公称直径
19mmの異形鉄筋が用いられ継手長は285mmであ
る。埋設継手の注入口12および排出口13にはそれぞ
れ導管16が連結されていて該導管は部材側面に開口し
ている。既に建て入れされた下階PC壁部材4の上端面
5上にPC床部材を載せて互いに結合した後現場打ちコ
ンクリートを打設する。このコンクリート面は床面と面
一である。なお、床部材、コンクリート等は図示を省略
した。また、下階部材主鉄筋は上階部材主鉄筋と同じで
ある。下階PC壁部材4の部材主鉄筋6の上端部は上記
コンクリート面よりさらに上方に突き出て露出してい
る。この主鉄筋群のうち両端に位置するキー主鉄筋6−
aの露出長は他の主鉄筋より約5cm長い。上記床部材
およびコンクリート面上に厚さ2cm程度の目地モルタ
ルを敷き、上階PC壁部材1を上方から降下させる。そ
して両端に位置するキー主鉄筋6−aの露出部が上記か
さあげ孔に収容されるよう上階PC壁部材1を建て入れ
る。このキー主鉄筋露出部の収容作業は該鉄筋が両端に
位置していること、他の鉄筋より露出長が長いこと、こ
れが2本しかないこと等のため甚だ簡易に遂行できる。
そして、このキー主鉄筋がガイドの作用を果たすので、
他の短い露出長の主鉄筋の埋設継手内への収容はキー主
鉄筋の収容と同時に自動的に遂行できる。上階PC壁部
材建て入れ後、継手の注入口12に連結されている導管
16を通じて埋設継手内にグラウト14をこれが継手の
排出口13に連結されている導管16から溢れ出るまで
注入することにより継手内を完全にグラウトで充填す
る。グラウトの硬化により上階PC壁部材が接合され
る。なお、下階PC壁部材主鉄筋上端末はいずれも埋設
継手の長手方向ほぼ中央のストッパーの位置付近に達し
ている。なお、図示してないが、上階PC壁部材1の上
端面からは主鉄筋上端部が下階PC壁部材主鉄筋上端部
と同様態様で突き出て露出している。従って、PC壁部
材1にさらに上階PC壁部材を接合する場合も同様にし
て簡易に施工できる。
【0010】つぎに、片モルタル継手埋設PC壁部材の
場合における本発明の実施例を図2により説明する。
(上階)PC壁部材1の部材主鉄筋3(8本であるが4
本として図示)の各下端部には片モルタル継手の一種で
あるネジモルタル継手17が結合され、該継手は部材下
端面2に開口するよう埋設されている。ネジモルタル継
手は機械的定着部20が螺着式のものである。部材主鉄
筋は表面に螺旋状突起が設けられている異形鉄筋の一種
である公称直径19mmのネジフシ鉄筋が用いられ、機
械的定着部は上記螺旋状突起に螺着できる螺旋状溝が設
けられている。主鉄筋3の下端部はこの螺旋状溝に螺着
されることによってネジモルタル継手上半部に結合され
ている。埋設継手がネジモルタル継手であることおよび
鉄筋がネジフシ鉄筋であることを除いて、上階および下
階PC壁部材の構造、継手の埋設態様、下階PC壁部材
主鉄筋上端部の露出態様、上階PC壁部材建て入れ態様
等は上記の図1にて説明したモルタル継手埋設の場合と
同様である。なお、図において、18はネジモルタル継
手のスリーブ部、17−aはキー対応片モルタル継手
(ネジモルタル継手)である。
場合における本発明の実施例を図2により説明する。
(上階)PC壁部材1の部材主鉄筋3(8本であるが4
本として図示)の各下端部には片モルタル継手の一種で
あるネジモルタル継手17が結合され、該継手は部材下
端面2に開口するよう埋設されている。ネジモルタル継
手は機械的定着部20が螺着式のものである。部材主鉄
筋は表面に螺旋状突起が設けられている異形鉄筋の一種
である公称直径19mmのネジフシ鉄筋が用いられ、機
械的定着部は上記螺旋状突起に螺着できる螺旋状溝が設
けられている。主鉄筋3の下端部はこの螺旋状溝に螺着
されることによってネジモルタル継手上半部に結合され
ている。埋設継手がネジモルタル継手であることおよび
鉄筋がネジフシ鉄筋であることを除いて、上階および下
階PC壁部材の構造、継手の埋設態様、下階PC壁部材
主鉄筋上端部の露出態様、上階PC壁部材建て入れ態様
等は上記の図1にて説明したモルタル継手埋設の場合と
同様である。なお、図において、18はネジモルタル継
手のスリーブ部、17−aはキー対応片モルタル継手
(ネジモルタル継手)である。
【0011】
【発明の効果】従来のPC壁部材のように埋設継手の埋
込み深さが同一で、従って下階部材主鉄筋上端部の露出
長が同一の場合、降下する上階PC壁部材の下端面を下
からのぞきあげながらすべての露出部がそれぞれ上階P
C壁部材の対応する埋設継手開口を通じて該継手内に収
容されるよう観察を続けていかなければならない。この
作業は煩雑で時間がかかるうえに顔が両部材間に挟まれ
る危険性も大きい。ところが、本発明の場合、両端に位
置するキー主鉄筋のみの収容を観察すれば残りの主鉄筋
露出部はキー主鉄筋のガイド作用によって自動的にそれ
ぞれ対応する埋設継手内に収容される。よって、上階P
C壁部材建て入れ作業が顕著に簡易化されこの作業に要
する時間が大幅に短縮できる。さらに、上記の危険性も
なくなる。
込み深さが同一で、従って下階部材主鉄筋上端部の露出
長が同一の場合、降下する上階PC壁部材の下端面を下
からのぞきあげながらすべての露出部がそれぞれ上階P
C壁部材の対応する埋設継手開口を通じて該継手内に収
容されるよう観察を続けていかなければならない。この
作業は煩雑で時間がかかるうえに顔が両部材間に挟まれ
る危険性も大きい。ところが、本発明の場合、両端に位
置するキー主鉄筋のみの収容を観察すれば残りの主鉄筋
露出部はキー主鉄筋のガイド作用によって自動的にそれ
ぞれ対応する埋設継手内に収容される。よって、上階P
C壁部材建て入れ作業が顕著に簡易化されこの作業に要
する時間が大幅に短縮できる。さらに、上記の危険性も
なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の一つを示す図。同(a)図は
縦断図。同(b)図は小口方向縦断図。
縦断図。同(b)図は小口方向縦断図。
【図2】本発明の実施例の一つを示す図。同(a)図は
縦断図。同(b)図は小口方向縦断図。
縦断図。同(b)図は小口方向縦断図。
【図3】モルタル継手の縦断図。
【図4】片モルタル継手(ネジモルタル継手)の縦断
図。
図。
【図5】従来の方法を例示する図。同(a)図は縦断
図。同(b)図は小口方向縦断図
図。同(b)図は小口方向縦断図
1 (上階)PC壁部材 2 同部材下端面 3 同部材主鉄筋 3−a 同部材キー対応主鉄筋 4 下階部材(下階PC壁部材) 5 同部材上端面 6 同部材主鉄筋 6−a 同部材キー主鉄筋 7 モルタル継手(スリーブ) 7−a キー対応モルタル継手 8 モルタル継手下方開口 9 モルタル継手上方開口 10 環状突起 11 ストッパー 12 注入口 13 排出口 14 グラウト 15 かさあげ孔 16 導管 17 片モルタル継手 17−a キー対応片モルタル継手 18 スリーブ部 19 スリーブ部開口 20 機械的定着部 21−a 接合鉄筋 21−b 接合鉄筋 22 従来の上階PC壁部材 23 同上部材下端面 24 同上部材主鉄筋 25 従来の上階PC壁部材 26 同上部材上端面 27 同上部材主鉄筋 28 ゴムプラグ
Claims (1)
- 【請求項1】 プレキャスト鉄筋コンクリート(以下P
Cと略記)壁部材を上階PC壁部材として基礎部材また
は下階PC壁部材と接合する方法であって、(イ)上階
PC壁部材は、複数本の主鉄筋の各下端部にモルタル継
手または片モルタル継手が結合された態様でこれら継手
が埋設されている構造のものであり、(ロ)上記埋設継
手は、部材主鉄筋と同軸であって、その上半部(片モル
タル継手にあってはその機械的定着部)が主鉄筋下端部
と結合しており、下半部(片モルタル継手にあってはそ
のスリーブ部)が部材下端面に開口しており、(ハ)上
記複数個の埋設継手のうち壁部材長手方向両端位置にあ
る主鉄筋に結合されている継手は、他の継手より若干高
さ上方に埋設されており、(ニ)上記PC壁部材が接合
さるべき基礎部材または下階PC壁部材の上端面からは
複数本の該部材主鉄筋の上端部が所定長突き出て露出し
ており、これら主鉄筋は上階PC壁部材主鉄筋とそれぞ
れ上下対をなす対応位置にあり、かつ、そのうち部材長
手方向両端位置にある主鉄筋の露出長は他の主鉄筋露出
長より若干長くなっており、(ホ)上階PC壁部材を上
方より降下させて、基礎部材または下階PC壁部材の上
端面から突き出て露出している複数個のこれら部材主鉄
筋上端部がそれぞれ対応位置にある上階PC壁部材内埋
設継手のスリーブ部内にその開口を通って収容されるよ
う、上階PC壁部材を建て入れ、(ヘ)ついで、埋設継
手に設けられている注入口を利用して流動性の大きいモ
ルタルであるグラウトを埋設継手内に注入してこれを充
填し、該グラウトの硬化により上下対をなす部材主鉄筋
どうしを埋設継手内で接合する、ことを特徴とするブレ
キャスト鉄筋コンクリート壁部材の接合方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11202093A JP2797238B2 (ja) | 1993-04-05 | 1993-04-05 | プレキャスト鉄筋コンクリート壁部材の接合方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11202093A JP2797238B2 (ja) | 1993-04-05 | 1993-04-05 | プレキャスト鉄筋コンクリート壁部材の接合方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06287997A true JPH06287997A (ja) | 1994-10-11 |
JP2797238B2 JP2797238B2 (ja) | 1998-09-17 |
Family
ID=14575980
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11202093A Expired - Fee Related JP2797238B2 (ja) | 1993-04-05 | 1993-04-05 | プレキャスト鉄筋コンクリート壁部材の接合方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2797238B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100441285B1 (ko) * | 2001-09-04 | 2004-07-22 | 삼성물산 주식회사 | 프리캐스트 콘크리트를 이용한 아파트 지하주차장 증축시공방법 |
JP2015196983A (ja) * | 2014-04-01 | 2015-11-09 | 株式会社横河住金ブリッジ | 堤体 |
CN111173145A (zh) * | 2019-12-27 | 2020-05-19 | 北京峰筑工程技术研究院有限公司 | 一种局部加强的装配式混凝土结构及其施工方法 |
-
1993
- 1993-04-05 JP JP11202093A patent/JP2797238B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015196983A (ja) * | 2014-04-01 | 2015-11-09 | 株式会社横河住金ブリッジ | 堤体 |
CN111173145A (zh) * | 2019-12-27 | 2020-05-19 | 北京峰筑工程技术研究院有限公司 | 一种局部加强的装配式混凝土结构及其施工方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2797238B2 (ja) | 1998-09-17 |
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