JPH06287127A - 香料組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 香気の持続性に優れ、使用感触の優れた香料
組成物を提供する。 【構成】 香料を１〜３０重量％とアルコールとからな
る香料組成物にヒドロキシアルキル化β−シクロデキス
トリンを含有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、香気の持続性に優れ、
スキンケア感覚の付与された使用感の優れた香料組成物
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の香料組成物としては、香水、オー
デコロンに代表されるようにエタノールに香料を配合し
たものが主流であり、香気の持続性を高める手段として
は香気の持続性の高い香料成分を組み合わせて調香した
香料を使用することがその目的を達成する唯一の方法で
あり、高い調香技術が要求される上に香りのバリエーシ
ョンも限定された。調香技術以外にも香気の持続性向上
に対し、シクロデキストリンの香料成分の包接による香
気の持続性向上が知られているが、現実には基剤への溶
解性が悪く、実用化が困難であった。また、スキンケア
効果も極めて低いものであった。一方、近年のライフス
タイルの欧米化に伴い、日常的なフレグランスの使用場
面が増え、フレグランスに香気の持続性、ライトな使用
感触、スキンケア効果等の付加価値のニーズが高まりつ
つある。しかしながら、これらのニーズに対応しうるフ
レグランス（香料組成物）は先に述べたように困難を極
めているのが現状である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、このよ
うな事情に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、ヒドロキシア
ルキル化シクロデキストリンを用いると、香料の香気の
持続性が高く、使用感触が優れ、美肌効果等のスキンケ
ア性の高い香料組成物が得られることを見いだし本発明
を完成するに到った。

【０００４】

【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第１
の態様は、香料成分を１〜３０重量％とアルコールとか
らなる香料組成物においてヒドロキシアルキル化β−シ
クロデキストリンを含有することを特徴とする香料組成
物である。本発明の第２の態様は、該香料組成物にさら
に粉末を含有することを特徴とする香料組成物であり、
香気の持続性が相乗的に向上し、使用感に優れた香料組
成物を得ることができる。本発明の第３の態様は、さら
に水を含有することを特徴とする香料組成物であり、美
肌効果の高い香料組成物を得ることができる。

【０００５】以下、本発明について詳述する。本発明に
用いられる香料は、動物系、植物系、鉱物系の天然香料
及び合成香料とも使用可能である。香料の配合量は、フ
レグランス製品として十分な香りが得られる配合量であ
るが、一般的には１〜３０重量％であり、好ましくは１
〜１０重量％が適当である。

【０００６】本発明で使用されるヒドロキシアルキル化
β−シクロデキストリンは、β−シクロデキストリンを
ヒドロキシアルキル化したもので、好ましくは炭素数２
以上のアルキル基を有し、特に好ましくは、ヒドロキシ
プロピル化β−シクロデキストリンである。ヒドロキシ
アルキル化β−シクロデキストリンの含有量は、香料成
分の配合量の１／１０倍量以上、好ましくは１／５倍量
以上、さらに好ましくは１倍量以上である。ヒドロキシ
アルキル化β−シクロデキストリンの含有量が香料成分
の１／１０倍量未満では、香気の持続性および美肌効果
が十分でなく発明の効果を発現出来ない。

【０００７】本発明で用いられる粉末は、ナイロン、シ
リカ、カオリン、雲母、酸化チタン、シルク、セルロー
ス、ポリエチレン、ポリプロピレン、メタクリレートな
どの有機粉末、無機粉末である。また、粘土鉱物等の層
状化合物も使用可能である。さらに、粉末の形状が球形
であるとき使用感触がさらさらし、肌をなめらかにする
効果が付加される。これら粉末は１種または２種以上が
用いられる。粉末の配合量は，香料組成物中０．１〜１
０重量％が好ましい。０．１重量％未満では、香気の持
続性の相乗効果を得るには不十分であり、１０重量％を
超える配合量では、皮膚に塗布したとき粉末の白っぽさ
が目立つ場合がある。

【０００８】水の配合量は、特に限定するものではない
が高配合時には、白濁、油浮き等の著しく外観を損ねる
場合がある。その場合には、界面活性剤や多価アルコー
ル等の成分を補助的に配合することにより外観安定性を
保つことができるが、本発明の効果を減少させるもので
はない。

【０００９】本発明の香料組成物においては、品質を損
ねない範囲で化粧品に一般的に用いられる保湿剤、油
分、界面活性剤、紫外線吸収剤、薬剤、着色剤、塩、高
分子化合物等を配合することができる。その基剤形態に
ついては、特に限定するものではない。

【００１０】

【発明の効果】本発明の香料組成物は、香気の持続性が
高く、使用感触、美肌効果に優れたものである。

【００１１】

【実施例】次に実施例によって本発明をさらに詳細に説
明する。本発明はこれによって限定されるものではな
い。配合量は重量％である。

【００１２】 ＜実施例１＞ ボディーコロン エタノール ９８．０％ 香料 １．０ ヒドロキシプロピル化 １．０ β−シクロデキストリン （製法）エタノールに香料を溶解させヒドロキシプロピ
ル化β−シクロデキストリンを添加し、十分撹拌し、オ
ーデコロンを得た。

【００１３】 ＜比較例１＞ エタノール ９９．０％ 香料 １．０ （製法）実施例１に準ずる。

【００１４】 ＜実施例２＞ ボディーコロン エタノール ８６．０％ 香料 ２．０ ＰＯＥ（６０）硬化ひまし油 １．０ 球状ナイロンパウダー １０．０ ヒドロキシプロピル化 １．０ β−シクロデキストリン （製法）エタノールに界面活性剤と香料を溶解させヒド
ロキシプロピル化β−シクロデキストリンとナイロンパ
ウダーを添加し、十分撹拌し、ボディーコロンを得た。

【００１５】 ＜比較例２＞ ボディーコロン エタノール ９２．０ 香料 ２．０ ＰＯＥ（６０）硬化ひまし油 １．０ 球状ナイロンパウダー ５．０ （製法）実施例２に準ずる。

【００１６】 （製法）Ａのアルコール相部を十分溶解させる。イオン
交換水にヒドロキシエチル化β−シクロデキストリンを
溶解させたＢをＡに添加し十分撹拌を行った後、Ｃの球
状ナイロンパウダーを添加しホモミキサー処理をし、粉
末入りボディーコロンを得た。

【００１７】実施例１〜３及び比較例１〜２を用い、塗
布３時間後の匂いの持続性、肌のしっとりさやなめらか
さに代表される美肌効果について専門パネル１０名によ
り、比較評価を行った。なお、匂いの持続性、肌の美肌
効果の評価基準は以下の通りである。

【００１８】 （匂いの持続性） 強く香りを感じる Ａ 香りを感じる Ｂ わずかに香りを感じる Ｃ 全く香らない Ｄ

【００１９】 （肌の美肌効果、しっとりさ、なめらかさ） 非常に良く感じる Ａ 良く感じる Ｂ わずかに良く感じる Ｃ 全く感じない Ｄ

【００２０】

【表１】 匂いの持続性 ────────────────────────────── 評点 Ａ Ｂ Ｃ Ｄ ────────────────────────────── 実施例１ ０名 ５ ４ １ 比較例１ ０ ０ １ ９ 実施例２ ４ ４ ２ ０ 比較例２ ０ ３ ５ ２ 実施例３ ４ ５ １ ０ ──────────────────────────────

【００２１】

【表２】 肌の美肌効果 ────────────────────────────── 評点 Ａ Ｂ Ｃ Ｄ ────────────────────────────── 実施例１ １名 ３ ４ ２ 比較例１ ０ ０ ０ １０ 実施例２ ２ ４ ４ ０ 比較例２ ０ ２ ４ ４ 実施例３ ４ ５ １ ０ ──────────────────────────────

【００２２】 （製法）Ａのアルコール相部を十分溶解させる。イオン
交換水にヒドロキシブチル化β−シクロデキストリンを
溶解させたＢをＡに添加し十分撹拌を行った後、Ｃの粉
末を添加しホモミキサー処理をし、粉末入りボディーコ
ロンを得た。

【００２３】 （製法）実施例４と同様にしてボディーコロンを得た。

【００２４】 （製法）実施例４と同様にしてボディーコロンを得た。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】香料成分を１〜３０重量％とアルコールと
   からなる香料組成物においてヒドロキシアルキル化β−
   シクロデキストリンを含有することを特徴とする香料組
   成物。
2. 【請求項２】請求項１記載の香料組成物において、さら
   に粉末を含有することを特徴とする香料組成物。
3. 【請求項３】請求項２記載の香料組成物において、さら
   に水を含有することを特徴とする香料組成物。