JPH06286132A - インク噴射装置の駆動方法 - Google Patents
インク噴射装置の駆動方法Info
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- JPH06286132A JPH06286132A JP7670293A JP7670293A JPH06286132A JP H06286132 A JPH06286132 A JP H06286132A JP 7670293 A JP7670293 A JP 7670293A JP 7670293 A JP7670293 A JP 7670293A JP H06286132 A JPH06286132 A JP H06286132A
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- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
にし、高速かつ安定した印字ができるインク噴射装置の
駆動方法を提供すること。 【構成】 噴射パルスがインク室4cに印加される前
に、印字パターンによって、インク室4bに対して噴射
パルスが印加されない場合は、インク室4bに噴射パル
スが印加されたとするタイミングに一致して、インク室
4bおよびインク室4aに対してパルスを与える。これ
によって、側壁6bが変形せず、且つ側壁6cが変形す
る。従って、インク室4bからインクが噴射されなくて
も、インク室4c内のインクの圧力は、インク室4bで
噴射が行なわれたときとほぼ同じ状態となる。
Description
方法に関するものである。
装置にとってかわり、その市場を大きく拡大しつつある
ノンインパクト方式の印字装置のなかで、原理が最も単
純で、かつ多階調化やカラー化が容易であるものとし
て、インクジェット方式の印字装置が上げられる。なか
でも印字に使用するインク滴のみを噴射するドロップ・
オン・デマンド型が、噴射効率の良さ、ランニングコス
トの安さなどから急速に普及している。
53−12138号公報に開示されているカイザー型、
あるいは特公昭61−59914号公報に開示されてい
るサーマルジェット型がその代表的な方式としてある。
このうち、前者は小型化が難しく、後者は高熱をインク
に加えるためにインクの耐熱性に対する要求が必要とさ
れ、それぞれに非常に困難な問題を抱えている。
方式として提案されたのが、特開昭63−252750
号公報に開示されているせん断モード型である。以下、
その概略構成を図面を参照して説明する。
インク噴射装置1は、圧電セラミックスプレート2とカ
バープレート10とノズルプレート14と基板41とか
ら構成されている。
イヤモンドブレード等により切削加工され、複数の溝3
が形成されている。また、その溝3の側面となる側壁6
は矢印5の方向に分極されている。それらの溝3は同じ
深さであり、かつ平行である。それら溝3の深さは圧電
セラミックスプレート2の一端面15に近づくにつれて
徐々に浅くなっており、一端面15付近には浅溝7が形
成されている。そして、溝3の内面には、その両側面の
上半分に金属電極8がスパッタリング等によって形成さ
れている。また、浅溝7の内面には、その側面及び底面
に金属電極9がスパッタリング等によって形成されてい
る。これにより、溝3の両側面に形成された金属電極8
は浅溝7に形成された金属電極9によって電気的に接続
されている。
ス材料または樹脂材料等から形成されている。そして、
カバープレート10には、研削または切削加工等によっ
て、インク導入口16及びマニホールド18が形成され
ている。そして、圧電セラミックスプレート2の溝3加
工側の面とカバープレート10のマニホールド18加工
側の面とがエポキシ系接着剤20(図8参照)によって
接着される。従って、インク噴射装置1には、溝3の上
面が覆われて横方向に同じ間隔を有する複数のインク流
路であるインク室4(図8参照)が構成される。図8に
示すように、そのインク室4は長方形断面の細長い形状
であり、全てのインク室4内には、インクが充填され
る。
ート2及びカバープレート10の端面に、各インク室4
の位置に対応した位置にノズル12が設けられたノズル
プレート14が接着されている。このノズルプレート1
4は、ポリアルキレン(例えばエチレン)、テレフタレ
ート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテル
ケトン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネイト、酢
酸セルロース等のプラスチックによって形成されてい
る。
3の加工側に対して反対側の面には、基板41が、エポ
キシ系接着剤等によって接着されている。その基板41
には各インク室4の位置に対応した位置に導電層のパタ
ーン42が形成されている。その導電層のパターン42
と浅溝7の底面の金属電極9とは、ワイヤボンディング
によって導線43で接続されている。
って、制御部の構成を説明する。基板41に形成された
導電層のパターン42は各々個々にLSIチップ51に
接続されている。また、クロックライン52、データラ
イン53、電圧ライン54及びアースライン55もLS
Iチップ51に接続されている。LSIチップ51は、
クロックライン52から供給される連続したクロックパ
ルスに基づいて、データライン53上に現れるデータに
応じて、どのノズル12からインク滴の噴射を行うべき
かを判断する。そして、駆動するインク室4内の金属電
極8に導通する導電層のパターン42に、電圧ライン5
4の電圧Vを印加する。また、駆動するインク室4以外
の金属電極8に導通する導電層のパターン42にはアー
スライン55の電圧0Vを印加する。
置1の動作を説明する。LSIチップ51が、所要のデ
ータに従って、インク噴射装置1のインク室4bからイ
ンクの噴出を行なうと判断する。すると、金属電極8e
と8fとに正の駆動電圧Vが印加され、金属電極8dと
8gとが接地される。すると、図9に示すように、側壁
6bには矢印13bの方向の駆動電界が発生し、側壁6
cには矢印13cの方向の駆動電界が発生する。する
と、駆動電界方向13b及び13cは分極方向5とが直
交しているため、側壁6b及び6cは、圧電厚みすべり
効果により、この場合、インク室4bの内部方向に急速
に変形する。この変形によってインク室4bの容積が減
少してインク圧力が急速に増大し、圧力波が発生して、
インク室4bに連通するノズル12(図6参照)からイ
ンク滴が噴射される。
側壁6b及び6cが変形前の位置(図8参照)に戻るた
めインク室4b内のインク圧力が徐々に低下する。する
と、図示しないインクタンクからインク供給口16(図
6)及びマニホールド18(図6)を通してインク室4
b内にインクが供給される。
圧を印加することによって、まず側壁6b及び6cを互
いに離れるように変形させ、その後電圧の印加を停止す
ることによって、側壁6b及び6cを変形前の位置(図
8参照)に戻し、インク滴を噴射させることもできる。
を用いて記録媒体にイメージ情報を形成するにあたって
は、その構造上明らかに少なくとも隣接するインク室4
から同時にインクを噴射することはできない。そのた
め、例えば特開平2−150355号公報に記述された
ように、インク室4を奇数のものと偶数のものとの2つ
のグループに分けて交互に噴射させる方法を用いる。さ
らに前記公報には、各インク室4間の相互干渉いわゆる
クロストークが大きいときには、その改善方法としてイ
ンク室4を互いまたがる3つ以上のグループ(例えばグ
ループが3つの場合は、図9におけるインク室4aとイ
ンク室4dとが、インク室4bとインク室4eとが、イ
ンク室4cとインク室4fとがそれぞれ同一グループの
メンバーである)に分けて、各グループ毎に順次にロー
テーションして駆動することも提唱されている。
て順次に駆動する時でも次に述べるような不都合が生じ
る。つまり図9において例えばインク室4bからインク
が噴射されるときに、当然ながらインク室4bの側壁6
bおよび6cが変形するが、側壁6bは同時にインク室
4aの側壁6でもあり、側壁6cは同時にインク室4c
の側壁6でもあるから、インク室4a及び4c内のイン
クにも圧力波が生じる。ここで、このインク室4a及び
4c内に発生する圧力波の大きさは、インク室4a及び
4cからインクを噴射させない大きさである。これら各
インク室4内の圧力波はインクを媒体としてインク室4
内を伝播するとともに壁面などで反射され、インク室4
内を何度も往復しながら減衰していく。
ンク室4内には上記圧力波に起因する圧力変動が暫く残
留する。これはいわゆる残留圧力変動である。ここで、
もし次のインク噴射がインク室4cで行うとすると、イ
ンク室4c内の圧力は本来インク噴射用のものに加えて
上記の残留圧力変動が加算され、噴射されるインク滴の
特性(例えば飛翔速度や体積)が上記残留圧力変動がな
い場合とは異なってしまう。一方、インク室4bのイン
ク噴射による圧力波の有無は印字パターンによって異な
り、インク室4cから噴射される直前にインク室4bか
ら噴射されていなければ当然上記の残留圧力変動が存在
しない。したがって、この場合インク室4cから噴射さ
れるインク滴の特性がインクパターンによって変化し、
安定した噴射が行なわれない。また、各グループのイン
ク室4から順次にインクが噴射されるので、インク噴射
装置1の両側のインク室4を除くすべてのインク室4に
おいて上記の不都合が生じる。
号公報等に開示されているような、インク噴射を行うた
めの印字パルスに続いてキャンセルパルスを印加するこ
とにより、インク室4内の残留圧力変動を低減すること
が考えられている。つまり、インクを噴射した後ある一
定の時間をたってから、インク室4内の残留圧力変動と
位相が逆になるような圧力波を発生させるキャンセルパ
ルスを印加する。この方法を用いると、前記インク室4
bに対し印字パルスとキャンセルパルスを印加すること
によって、インク室4a,4bおよび4c内の残留圧力
変動を同時にキャンセルすることができる。
の圧力波の挙動およびキャンセルの過程について、図1
0のタイミングチャートと図2のインク噴射装置断面図
とを参照しながら具体的に説明する。
射するために、当該インク室4に対し図10(a)で示
す噴射用電圧パルスBを与える(ここで、あるインク室
4に対して電圧を与えることは、そのインク室4に面す
る電極に電圧を印加することを言う)。すると、最初の
立ち上がりで側壁6bと6cとは互いに離れるように動
き(図2参照)、インク室4bの体積が増えて、ノズル
12付近を含むインク室4b内の圧力が減少する(図1
0(d))。この状態を図13中のALで示される間だ
け維持する。その間マニホールド18(図6)からイン
クが供給される。
インク室4の長手方向(マニホールド18からノズルプ
レート14まで、またはその逆)に対して、片道伝播す
るに必要な時間であり、インク室4の長さとインク中で
の音速によって決まる。
上げからちょうどALの時間が立つとインク室4b内の
圧力が逆転し、正の圧力に転じるが、このタイミングに
合わせてインク室4bに印加されている電圧を0Vに戻
す(図10(a))。すると、側壁6bおよび6cは変
形前の状態に戻り、インクに圧力が加えられる。その
時、前記正に転じた圧力と、側壁6b,6cが変形前の
状態に戻って発生した圧力とがたし合わされ、図10
(d)に示すような比較的高い圧力Pbがインク室4b
内のインクに与えられて、インクがノズル12から噴出
される。
に対して新たな電圧パルスを与えなければ、インク室4
bのノズル12付近の圧力は図10(d)の実線で示す
ように2ALを周期として暫く変動し続ける(残留圧力
変動)。一方、上記の一連の動作がインク室4bに隣接
するインク室4cから見ると、片方の側壁6cのみがイ
ンク室4bから見たのと反対の動きをしたので、インク
室4cのノズル12付近は、図10(e)の実線で示す
ように図10(d)とは位相が反対で、振幅が半分にな
るような圧力変動が現れる。なお、インク室4aについ
ても全く同様である(図示せず)。
た後、例えば図10(b)に示す噴射用電圧パルスCを
インク室4cに与えてインクを噴射させるとする。この
パルスCを印加する時点では、図10(e)に示すよう
にインク室4c内は残留圧力変動がまだ残っているの
で、インク室4c内の圧力は残留圧力変動がない場合と
異なり(Pc)、噴射されるインク滴も残留圧力変動が
ない場合と異なる。
の有無、つまり印字パターンによって決まるので、一定
にすることはできない。それを緩和するために、残留圧
力変動をインク噴射後に消去する駆動方法、いわゆるキ
ャンセル波形が種々提案されている。一例を説明する
と、図10(a)の破線で示すキャンセルパルスKを噴
射用パルスBの立ち下がりからAL後に印加し、その幅
はALに等しく、極性はBと反対である。また、電圧値
は残留圧力変動の振幅に応じて、その変動をちょうど打
ち消すように設定される。このキャンセルパルスKを与
えることによって側壁6b及び6cはインク噴射時と反
対の動きをし、残留圧力変動と位相が反対の圧力波を与
えて、残留圧力変動を消去する。つまり、図10の
(d)と(e)の破線で示すように、電圧パルスCを印
加する前にインク室4c内のインクの圧力を0になるよ
うにする。
駆動方法を用いてインクを噴射するときは、残留圧力変
動をキャンセルするために、少なくともインク噴射パル
スを与えてから圧力波がインク室4内で伝播し一往復し
た後にキャンセルパルスを与えなければならない。さら
にキャンセルパルス自身のパルス幅も考慮にいれると、
残留圧力変動をキャンセルされるには、より長い時間が
必要とされる。例えば前記インク室4bの両側壁6bと
6cとを変形させてインクを噴射し、残留圧力変動をキ
ャンセルする場合は、上記キャンセルパルスが完全に完
了するまでは、インク室4aまたは4cからのインク噴
射ができない。なぜなら、インク室4aまたは4cから
インクを噴射させるためには側壁6bと6cを変形させ
る必要があるからである。そのため高速に印字すること
ができないという欠点があった。
る方法は、インク噴射する前にすでに存在するエネルギ
ーを消去するという非効率的な方法と言える。実質的に
インクを噴射するための必要な印加電圧を高くしてしま
い、電源をはじめ駆動回路のコストが高くなるという欠
点があった。
が比較的に高いため、圧電素子である側壁6にとって、
電気的(分極)にも機械的(変位)にも悪影響を与え、
劣化を促し、噴射装置の寿命を縮めてしまうという欠点
があった。
いて、インク室4を3つ以上のグループに分けて順次ロ
ーテーションしてインクを噴射する場合に、印字パター
ンによって隣接する他のグループのインク室4からイン
ク噴射をしないときには、疑似圧力波を発生させること
を提案したが、疑似圧力波を発生させるための駆動回路
が新たに必要となる。ここで、疑似圧力波を発生させる
ことに着目すると、3つのグループに分けた場合には、
確かに疑似圧力波を発生させるための駆動回路が必要で
あるが、4つ以上のグループに分けた場合に限れば、本
出願人は上記の新たな駆動回路を必要としない別の疑似
圧力波発生方法を発見した。
になされたものであり、インク室を4つ以上のグループ
に分けて順次ローテーションしてインクを噴射する場合
に、キャンセルパルスを用いることなく、また、疑似の
圧力波を発生させるための駆動回路も必要とせず、印字
パターンによるインク滴特性の変化をなくし、印字速度
が高速で、印字品質が良好であるインク噴射装置の駆動
方法を提供することを目的とする。
に本発明では、圧電素子の隔壁で隔てられた複数のイン
ク室を有し、前記隔壁のせん断モード変形により前記イ
ンク室内に圧力を与えてインクを噴射するインク噴射装
置を用いて、全インク室を互いにまたがる4つ以上のグ
ループに分けて、各グループ毎に順番にインクを噴射す
ることによって、記録媒体に記録情報を形成するにあた
って、前記4つ以上のグループに分けられたインク室の
うち、1つのグループであるインク室4c内のインクを
噴射する前に、前記順番においてインク室4cの直前に
インク噴射タイミングを有し、且つインク室4cに隣接
する他のグループのインク室4bからインクが噴射され
る場合は、その噴射動作によって予め圧力波を前記イン
ク室4c内のインクに与え、前記インク室4c内のイン
クを噴射する前に、前記隣接する他のグループのインク
室4bからインクが噴射されない場合は、そのインク室
4bのインク噴射タイミングにおいて、インク室4cの
側壁である2つの隔壁6c,6dのうち、インク室4b
と共有する隔壁6cを変形させ、且つ他の隔壁6dを変
形させないで、インク室4c内のインクに疑似圧力を加
えることによって、隣接する他のグループのインク室4
bからインクが噴射された時とほぼ同様な圧力波を前記
インク室4c内のインクに与える。
疑似圧力を加えるために前記隔壁6cに印加される電圧
は、前記インク室4bがインク噴射されるときに隔壁6
cに印加される電圧と同じである。
置では、前記インク室4bがインクを噴射するタイミン
グにおいて、インク室4bのインク噴射の有無にかかわ
らず、次にインクを噴射するタイミングにあたる隣接す
る前記インク室4cと共有する隔壁が常に同様な動作が
行われるので、該隣接するインク室4c内のインクの状
態が、インクを噴射する直前において常に同じである。
また、隣接する他のグループのインク室4bからのイン
クが噴射する時に生じた圧力波をキャンセルする必要が
なく、エネルギーの有効利用ができる。
参照して説明する。尚、従来技術と同一の部分には同一
の符号を付し、その説明を省略する。また、インク噴射
装置そのものは図6〜図8に示したものと全く同一のも
のを用いる。ここでまず、前記インク噴射装置を3つの
グループに分けて順次に駆動する時に本発明の駆動方法
を用いた場合の噴射装置の動作について、図1、図2お
よび図3を参照しながら説明する。なお、図1は駆動波
形や圧力変動波形を示すタイミングチャートであり、図
2および図3はそれぞれインク室4bからインクが噴射
されるときと噴射されないときの側壁6の動きを示す。
図中の記号Gはグランドに、Vは噴射パルスの電圧レベ
ルにそれぞれ接続されていることを意味する。
a〜4cに対して印加する駆動電圧波形である。最初
に、インク室4bからインクを噴射すると想定する。図
1(b)に示す駆動電圧波形でにて、インク室4b(図
2参照)に実線で示すインク噴射用パルスBが印加さ
れ、且つインク室4a,4cは0V(グランド)に維持
される。この場合は、パルスBによってインク室4bの
両側の側壁6b,6cが互いに離れるように変形し(図
2参照)、AL後にもとの位置に戻り、インク室4b内
のインクが噴射される。
と、その片側の側壁6cが内側へ一旦変形し、AL後に
もとの位置に戻る。この場合インク室4cに対しては電
圧パルスを与えてないので、側壁6dは変形せず、イン
ク室4c内のノズル12付近の圧力は図1(g)に示す
ように変動する。この圧力の大きさはインク室4cから
インクを噴射させない大きさである。続いてインク室4
cからインクが噴射されるとすると、そのために図1
(c)に示す噴射用電圧パルスCが、パルスBが印加さ
れてから時間tたってからインク室4cに印加される。
これによって側壁6cと6dとが変形してインク室4c
内のインクに対し圧力が加えられる。この時、前記イン
ク室4bの噴射によって発生した圧力波いわゆる残留圧
力変動と合成した圧力波Pがインク室4c内に発生し
て、インクが噴射される。
される前に印字パターンによって、インク室4bに対し
て噴射パルスBが印加されない場合は、本発明ではイン
ク室4bに対して電圧パルスBを印加し、且つインク室
4bからインクを噴射させないために、インク室4aに
対しても図1(a)の破線で示すようにパルスBと同様
な電圧パルスAを印加する。このときの各側壁6の動き
を図3に示す。インク室4aとインク室4bとの間の電
圧差は常に0であるため、側壁6bは変形せず、インク
室4bからインクは噴射されない。一方、側壁6cはイ
ンク室4bからインク噴射するときと全く同様に動作す
るので、インク室4c内のインクにはインク室4bから
インクが噴射されたときと同様な圧力変動(疑似圧力)
が生じ、同様な残留圧力変動が生じる。その後、噴射用
電圧パルスCがインク室4cに印加されると、インク室
4c内のインクの圧力状態はインク室4bからインクの
噴射があったときと全く同じとなる。したがって、イン
ク室4bの噴射の有無によらずインク室4cからは同一
の特性を持ったインク滴が噴射される。
おいた場合のものであって、図2と図3とを比較する
と、例えば側壁6aの動きが異なるので、インク室4d
1内の圧力波は同様にはならない。しかし、インク室4
d1からインクを噴射する時期は図1のパルスCのさら
のt以降であり(図示せず)、パルスAからは2t離れ
ていて、その間パルスAによる圧力波はかなり減衰し、
その影響はほぼ無視できる。
動すると、すべてのインク室4から噴射されるインク滴
の特性が印字パターンによらずほぼ同じにすることがで
きる。
ンク噴射パルスの最適化について説明する。
を用いたときに、噴射パルスによって発生した圧力と残
留圧力変動を合成した圧力波でインクを噴射するので、
残留圧力変動と位相を合わせて噴射パルスを印加する
と、噴射パルスの電圧が低くても比較的高い噴射圧力が
得られる。そこで、図1の波形を参照するとわかるよう
に、インク室内圧力変動の周期は2ALであって、初期
位相も考慮にいれると、図中のタイミングtがALの奇
数倍である時に両圧力波の位相が完全に一致する。な
お、残留圧力変動は時間が立つに連れて減衰するので、
エネルギー効率のみを重視すると、tがALの奇数倍で
しかも短いほうが有利である。
る。印字速度は主にインク噴射用電圧パルスの周波数に
よって左右される。前記インク噴射装置に対する本発明
の駆動方法では、印字速度が図1における噴射パルスB
とCとの時間差tによって左右される。印字速度を上げ
ようとすると、時間差tを小さくする必要があるが、本
発明の駆動方法では、従来のようなキャンセル波形がな
いため、噴射パルスBとCとが重ならない程度まで時間
差tを縮めることができるので、非常に高速な印字が可
能である。必要な印字速度に合わせて時間差tを変えた
場合、当然インク噴射時におけるインク室4内の圧力状
態は変化するが、すべてのインク室4において変化は同
じであるから、インク室4間のインク滴特性の均一性を
失われることはない。
駆動回路の一実施例を示す。
制御部を示すブロック図であり、図4(b)は駆動波形
を発生するための論理を示す論理表であり、制御部61
に入力された信号が論理表にしたがって変換されて出力
される。ここで各信号線の記号について説明するが、各
記号についているサブスクリプトn−1,n,n+1
は、それぞれn−1,n,n+1番目のインク室4に対
する信号であることを表し、特に必要がある場合以外は
説明中にその表記を省略する。また論理表の信号状態H
とLはそれぞれ信号のオンとオフを指す。
ク噴射のタイミングを与える信号である。イメージ信号
Iは、印字パターンに応じてインク噴射の有無を指示す
る。したがって、走査信号Sとイメージ信号Iとが同時
にオンするときにのみ該当するインク室4からインクが
噴射される。ただし、本発明の駆動方法においては、前
述のようにイメージ信号Inの有無にかかわらず、走査
信号Sがオンであれば電圧パルスを出力し、インク噴射
の制御は隣接するインク室4の駆動回路によって制御さ
れるため、イメージ信号Inは必要としない。また信号
dは印字時のインク噴射装置1(図6参照)の移動方向
を示す。これはインク室4を3つのグループに分けて順
番にローテーションしてインクを噴射する場合、インク
噴射装置の移動方向が反対になるとローテーションの方
向も反対にしなければならないから、両側のインク室4
のどちらに続いて噴射タイミングが廻ってくるかを知る
必要がある。
室4の電極8に与える電圧をVか0かにするための信号
である。図4(b)の論理表からわかるように走査信号
Sがオンの場合はXがオンになり、電圧パルス(図1中
のBに対応する)を発生させる。また噴射装置の移動方
向によって定められた隣接するインク室4が、印字タイ
ミングSが来たにもかかわらず印字パターンに応じてイ
メージ信号Iがオンしない場合は、Xがオンになり、該
隣接するインク室4と同様な電圧パルスを出力する(図
1中のAに対応する)。また上記以外の場合はYがオン
になり、出力電圧を0にする。
波形を発生する回路の一例を図5に示し、図5中の入力
信号X、Yは図4の出力信号X、Yとは同一のものであ
り、コンデンサー91はインク室4の側壁6とその両側
に形成された電極8によって構成される。
ら構成され、それぞれが噴射用充電回路82、放電用回
路84である。そして、入力信号Xのみオンするときは
トランジスタTcが導通となり、抵抗R12を介してコ
ンデンサー91の電極EにVの電位を与える。入力信号
YのみオンするときはトランジスタTgが導通となり、
抵抗R12を介してコンデンサー91の電極Eに0Vの
電位を与える。
が噴射されない場合でも、側壁6cがインク室4bから
インクが噴射されるときと同様な変形をするので、イン
ク室4bからのインク噴射の有無によらず、インク室4
cの噴射タイミングではインク室4c内のインクの圧力
状態は同じである。したがって、インク室4cから噴射
されるインク滴の体積や飛翔速度などの特性は均一であ
り、印字品質は良好である。また、インク室4bからの
インクが噴射する時に生じた圧力波をキャンセルする必
要がなく、エネルギーの有効利用ができ、低コスト化、
ならびにランニングコストの低減をはかることができ
る。
って、高い周波数の噴射パルスを与えることができ、高
速印字をすることができる。
ク室4を4つのグループに分けた場合について行ったも
のであるが、インク室4を5つ以上のグループに分けた
場合でも、上記と同様な駆動方法および駆動回路を用い
ることが可能である。さらに、本発明は以上詳述した実
施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない
範囲の変更は可能である。
を用いたインク噴射装置によれば、各インク室内のイン
クの状態は、そのインク室に対して圧力を加えてインク
を噴射する直前において、隣接する他のグループのイン
ク室からインク噴射の有無によらず、すべて同じであ
る。したがって、噴射されるインク滴の体積や飛翔速度
などの特性は均一であり、印字品質は良好である。ま
た、隣接する他のグループのインク室からのインクが噴
射する時に生じた圧力波をキャンセルする必要がなく、
エネルギーの有効利用ができ、駆動回路の小型化、低コ
スト化、ならびにランニングコストの低減をはかること
ができる。さらに、キャンセルパルスをなくすことによ
って、高い周波数の噴射パルスを与えることができ、高
速印字をすることができる。
チャートである。
断面図である。
断面図である。
る。(b)は前記実施例の論理を示す説明図である。
す斜視図である。
す断面図である。
作を示す説明図である。
トである。
Claims (2)
- 【請求項1】 圧電素子の隔壁で隔てられた複数のイ
ンク室を有し、前記隔壁のせん断モード変形により前記
インク室内に圧力を与えてインクを噴射するインク噴射
装置を用いて、全インク室を互いにまたがる4つ以上の
グループに分けて、各グループ毎に順番にインクを噴射
することによって、記録媒体に記録情報を形成するにあ
たって、 前記4つ以上のグループに分けられたインク室のうち、
1つのグループであるインク室4c内のインクを噴射す
る前に、前記順番においてインク室4cの直前にインク
噴射タイミングを有し、且つインク室4cに隣接する他
のグループのインク室4bからインクが噴射される場合
は、その噴射動作によって予め圧力波を前記インク室4
c内のインクに与え、 前記インク室4c内のインクを噴射する前に、前記隣接
する他のグループのインク室4bからインクが噴射され
ない場合は、そのインク室4bのインク噴射タイミング
において、インク室4cの側壁である2つの隔壁6c,
6dのうち、インク室4bと共有する隔壁6cを変形さ
せ、且つ他の隔壁6dを変形させないで、インク室4c
内のインクに疑似圧力を加えることによって、隣接する
他のグループのインク室4bからインクが噴射された時
とほぼ同様な圧力波を前記インク室4c内のインクに与
えることを特徴とするインク噴射装置の駆動方法。 - 【請求項2】 前記インク室4c内のインクに前記疑似
圧力を加えるために前記隔壁6cに印加される電圧は、
前記インク室4bがインク噴射されるときに隔壁6cに
印加される電圧と同じであることを特徴とする請求項1
記載のインク噴射装置の駆動方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7670293A JP3024425B2 (ja) | 1993-04-02 | 1993-04-02 | インク噴射装置及びその駆動方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7670293A JP3024425B2 (ja) | 1993-04-02 | 1993-04-02 | インク噴射装置及びその駆動方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06286132A true JPH06286132A (ja) | 1994-10-11 |
JP3024425B2 JP3024425B2 (ja) | 2000-03-21 |
Family
ID=13612850
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7670293A Expired - Lifetime JP3024425B2 (ja) | 1993-04-02 | 1993-04-02 | インク噴射装置及びその駆動方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3024425B2 (ja) |
-
1993
- 1993-04-02 JP JP7670293A patent/JP3024425B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3024425B2 (ja) | 2000-03-21 |
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