JPH06284893A - 天然赤色系染料の製造方法及びこの染料を用いた染色方法 - Google Patents

天然赤色系染料の製造方法及びこの染料を用いた染色方法

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JPH06284893A
JPH06284893A JP5076801A JP7680193A JPH06284893A JP H06284893 A JPH06284893 A JP H06284893A JP 5076801 A JP5076801 A JP 5076801A JP 7680193 A JP7680193 A JP 7680193A JP H06284893 A JPH06284893 A JP H06284893A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プロディジオシンの抽出が容易でその収量を
多くでき、工業的に安定して製造でき、広範囲の繊維素
材に対して染色可能な色素を得る。プロディジオシンを
未抽出の培養液自体を染液に利用でき、環境を汚染しな
い。 【構成】 獣毛分解物を含む液体培地にセラチア属に属
する微生物を接種し、この液体培地で上記微生物を培養
して赤色色素のプロディジオシンを微生物の菌体内及び
菌体外に増殖させ、プロディジオシンが菌体内及び菌体
外に存する培養液を菌体と液体培地に分離し、この菌体
又は液体培地のいずれか又は双方からプロディジオシン
を抽出する。上記微生物が増殖した培養液に、或いはプ
ロディジオシンのアルコール溶液等を水に溶解した液に
繊維製品を浸漬し、この液を昇温してプロディジオシン
からなる天然赤色系染料により繊維製品を染色する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然赤色系染料のプロ
ディジオシン(prodigiosin)を製造する方法及びこの
染料を用いた染色方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セラチア(Serratia)属に属する微生物
の幾種かは、ある条件下において培養すると水不溶性の
赤色色素であるプロディジオシン(prodigiosin)を細
胞膜中(菌体内) に蓄積することが知られている。この
プロディジオシンは化学的には2ーmethyl-3-amyl-6-meth
oxy-5-(2-pyrryl)-2,2'-dipyrrylmethene という構造を
有しており、この色素のためにこの種の菌株の集落はオ
レンジ色から赤色に呈色している[Williams, R.P. and
S. M. H. Qadri. 1980. The pigment of Serratia.In v
on Graeventiz and Rubin (Editors). The genus Serr
atia, CRC Press,Boca Raton, Florida, pp.31-75]。プ
ロディジオシンはエタノール溶解下において、最大吸収
波長を536nmに有する赤色の色素で、そのpHをア
ルカリ側に寄せると最大吸収波長が黄色側にシフトす
る。微生物学の分野では、ペプトン・グリセロール寒天
培地(培地1リットル当り、バクト・ペプトン5g、グ
リセロール10ml、バクト・アガー20g)がセラチ
ア属に属する微生物の色素生産を確認する適当な培地と
して知られているが、現在のところ、この色素の工業的
生産を目的とした製法特許、或いはこの色素を利用した
用途発明の特許はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、赤色系の天然染
料としては、コチニールのような昆虫由来の色素、アカ
ネ、ベニバナ、ソヨゴ等の植物由来の色素、或いはウメ
ノキゴケのような地衣体由来の色素等が知られている
が、ベニバナを除いて大量に生産されていないために一
般に入手が困難で高価である。このような観点から、安
定供給可能で、明るい色調の有する天然赤色系色素の開
発が望まれていた。
【0004】本発明の目的は、プロディジオシンの抽出
が容易でその収量が多く、工業的に安定して製造でき、
広範囲の繊維素材に対して染色可能な赤色系天然染料の
製造方法を提供することにある。また本発明の別の目的
は、環境を汚染することなく繊維製品を染色する、天然
染料を用いた染色方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の天然赤色系染料
の製造方法は、獣毛分解物を含む液体培地にセラチア属
に属する微生物を接種し、この液体培地で前記微生物を
培養して赤色色素のプロディジオシンを微生物の菌体内
及び菌体外に増殖させ、プロディジオシンが菌体内及び
菌体外に存する培養液を菌体と液体培地に分離し、菌体
又は液体培地のいずれか又は双方からプロディジオシン
を抽出する方法である。
【0006】また本発明の天然染料を用いた第1の染色
方法は、獣毛分解物を含む上記液体培地で上記微生物を
培養して赤色色素のプロディジオシンを上記微生物の菌
体内及び菌体外に増殖させ、プロディジオシンが菌体内
及び菌体外に存する培養液に繊維製品を浸漬し、この培
養液を昇温して浸漬した繊維製品を染色する方法であ
る。更に本発明の天然染料を用いた第2の染色方法は、
プロディジオシンからなる天然染料の溶液(例えばアル
コール溶液、水溶液等)を調製した後、この溶液を水に
溶解し、この水溶液に繊維製品を浸漬し、この水溶液を
昇温して浸漬した繊維製品を染色する方法である。
【0007】以下、本発明を詳述する。本発明に適用し
得る微生物は、セラチア属に属し、プロディジオシンを
生産し、獣毛分解物の添加により、プロディジオシンを
菌体外に排出する菌株であればよく、特に制限されな
い。この微生物の例として、セラチア・マーセスセンス
Serratia marcescens)、セラチア・ルビダエア(Ser
ratia rubidaea)、セラチア・プリミューティカ(Serr
atia plymuthica)などの菌種を挙げることができる。
またその代表例としてセラチア・プリミューティカ(Se
rratia plymuthica)ATCC183を挙げることができる。
【0008】本発明のプロディジオシンを生産するため
の液体培地としては、セラチア属に属する細菌が生育す
る培地に獣毛分解物を添加したものであればよく、特に
制限されない。この培地の炭素源としては、獣毛分解物
を添加するだけで十分生育し、プロディジオシンの色素
を生産するが、補助炭素源としてグリセロール等を添加
した方が、その生産性が向上するために好ましい結果が
得られる。ただし、添加する補助炭素源の種類によって
は色素生産性に悪影響を及ぼすものもある。例えば、微
生物にセラチア・プリミューティカ ATCC183を用い、補
助炭素源としてグルコース又はクエン酸を用いた場合に
は、この補助炭素源の添加により、かえって色素の生産
性が悪くなるため、所定の補助炭素源を選択する必要が
ある。また、補助炭素源のみで獣毛分解物を添加しない
場合には、色素はほとんど生産されないか、或いはその
生産量は極めて少なくなる。
【0009】上記培地には、その他必要に応じて、例え
ばアンモニウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、及び
カルシウム塩のような無機塩類などを添加してもよい。
プロディジオシンの生産性に大きく関与するため、使用
する培地のpHは6.5〜9に、培養温度は20〜35
℃にそれぞれ調整することが好ましい。本発明の獣毛分
解物の獣毛源としては、羊毛が入手し易く適当である
が、アンゴラ、カシミア、モヘア又はニワトリの羽根な
どのケラチン蛋白が抽出できるものであれば、特に限定
されるものではない。この獣毛分解物を得る方法として
は、加水分解ケラチン溶液として市販されているものを
購入する方法と、常法(P.Alexander, et al., Wool,
p.356, Reinhold, New York, 1954)に従って作製する
方法がある。常法に従って作製する場合には、過蟻酸、
過酢酸又は過酸化水素などの酸化剤で加水分解した獣毛
を0.3Nアンモニア水に溶解させ、その溶液をpH4
以下にした後、このpH調整した溶液をろ過又は遠心分
離する。この方法で得られた獣毛分解物は水に対して可
溶性の部分と不溶性の部分を含んでおり、これらを乾燥
させたものが獣毛分解物となる。
【0010】本発明の天然染料により染色される繊維製
品は、プロディジオシンによって染色されるものであれ
ば、天然繊維,化学繊維又はこれらの混紡繊維を用いる
ことができる。例えばこの繊維製品は、獣毛,麻,綿,
絹,ビニロン,ポリエステル,アクリル,ナイロン,ア
セテート,レーヨン等の繊維、これらの繊維から作られ
る糸、及び織物,編物,不織布等の布帛である。布帛に
は混紡織物,混紡編物,混用不織布及び交織もしくは交
編物を含む。
【0011】本発明の第1の染色方法は、獣毛分解物を
添加した液体培地で上記微生物を培養して増殖させた
後、この微生物の増殖によってプロディジオシンが菌体
外に排出された培養液に繊維製品を浸漬し、この培養液
を昇温して浸漬した繊維製品を染色する浸染法である。
【0012】また本発明の第2の染色方法は、プロディ
ジオシンからなる天然染料の溶液(例えばアルコール溶
液、水溶液等)を調製した後、この溶液を水に溶解し、
この水溶液に繊維製品を浸漬し、この水溶液を昇温して
浸漬した繊維製品を染色する方法である。ここでアルコ
ール溶液はプロディジオシンを抽出した際のアルコール
溶液を濃縮したものでもよいし、或いはこの濃縮したア
ルコール溶液を乾固して得られるプロディジオシン微粉
末をアルコールに溶かした液でもよい。
【0013】第1の染色方法も第2の染色方法も、昇温
は例えば徐々に行い、所定時間沸騰する染色法、或いは
高温、高圧条件で行う染色法など通常の染色法を用いる
ことができる。ただし、プロディジオシンは強酸性及び
強アルカリ性条件においては徐々に分解するので、染液
のpHは弱酸性から弱アルカリ性の範囲に、好ましくは
中性付近に調整される。
【0014】
【作用】獣毛分解物を添加した液体培地でセラチア属に
属する微生物を培養すると、菌体外にプロディジオシン
が排出される。この獣毛分解物によるプロディジオシン
の菌体外への排出機構は完全に解明されていないが、次
のように推察される。即ち、獣毛分解物はセラチアの微
生物の炭素源及び窒素源として利用されるのみならず、
その利用過程で更に微生物のもつ酵素で水溶性の獣毛分
解物に分解される。プロディジオシンはこの水溶性の獣
毛分解物に吸着し易いため、培養中の微生物の菌体内か
らプロディジオシンが容易に水溶性の獣毛分解物に移行
して培地中に蓄積される。
【0015】菌体外の培地、即ち培養液中に排出された
プロディジオシンは、液体培地にこの培地に混和しない
抽出溶媒を加えてプロディジオシンを溶媒抽出した後、
この抽出物を脱水して濃縮し、更に乾固することにより
微粉末の形態で得られる。菌体内に保有されたままのプ
ロディジオシンは、菌体を乾燥した後、乾燥物をアルコ
ールに浸漬してプロディジオシンを抽出し、抽出物を乾
燥固化することにより微粉末の形態で得られる。プロデ
ィジオシンを未だ抽出していない上記培養液に、或いは
プロディジオシンのアルコール溶液等の溶液を水に溶解
した液に、繊維製品を浸漬し、この培養液又は水溶液を
昇温すると、液中のプロディジオシンが繊維製品に染着
して繊維製品が赤色系に染まる。
【0016】
【実施例】次に本発明の実施例を詳しく説明するが、こ
こに挙げた実施例は一例であって、本発明はこれに限定
されるものではない。
【0017】<実施例1>セラチア属に属するセラチア
・プリミューティカ ATCC183から天然赤色系染料のプロ
ディジオシンを製造した。先ず、培地1リットル当り、
バクト・ビーフ・エクストラクト3gとバクト・ペプト
ン5gを入れ均一に混合したニュートリエント・プロス
に、セラチア・プリミューティカ ATCC183を1白金耳接
種し、30℃で18時間前培養した。次いで、リン酸2
カリウム2gと硫酸マグネシウム1gと硫酸アンモニウ
ム2gとグリセロール10gと羊毛分解物10gを入れ
均一に混合してpH7に調整して作られた1リットルの
羊毛培地に上記培養液を1%接種し、30℃、120r
pmで、4日間回転振とう培養した。
【0018】得られた培養液を遠心分離により菌体と培
地に分け、それぞれよりプロディジオシンを抽出した。
即ち、菌体からは、この菌体を乾燥した後にエタノール
に浸漬し、エタノール中にプロディジオシンを抽出し
た。エバポレータにより抽出物からエタノールを除去し
て留保物を乾固し、再度エタノールで抽出し、抽出液を
ろ過し濃縮と乾固を行うことにより濃赤色の微粉末色素
を得た。また培地からは、培地5容量部に対して酢酸エ
チレンを5容量部とエタノールを3容量部の割合で加え
た後、その酢酸エチレン−エタノール層を分離した。溶
媒抽出物を無水硫酸ナトリウムで脱水した後、濃縮し、
更に留保物を乾固し、再度エタノールで抽出し、抽出液
をろ過し濃縮と乾固を行うことにより同様の濃赤色の微
粉末色素を得た。菌体からは、0.3gの色素が、培地
からは0.5gの色素がそれぞれ得られた。
【0019】<実施例2>実施例1と同様に、セラチア
・プリミューティカ ATCC183を3日間培養して得られた
プロディジオシンを未だ抽出していない培養原液を用い
て、綿糸、ナイロンフィラメント糸、ビニロン紡績糸、
アセテートフィラメント糸、そ毛糸、レーヨンフィラメ
ント糸、アクリル紡績糸、生糸、及びポリエステル紡績
糸の染色を行った。
【0020】即ち、pH調整していないほぼ中性の上記
培養液中に上記9種類の糸を浸漬し、時折、撹拌しなが
ら、約20分かけて徐々に昇温し、沸騰条件で約20分
間放置した。放置後、30℃付近まで温度を下げ、培養
液から上記9種類の糸を取り出し、これらを水道水で洗
い、続いて50℃の温浴で10分間洗浄した。その結
果、この染色条件では9種類すべての糸に対して良好に
染色できた。特に生糸、アクリル紡績糸、ビニロン紡績
糸は蛍光ピンク色に染めることができた。ポリエステル
紡績糸の場合は、更に1気圧で、121℃の過熱条件を
加えることにより、良好な蛍光ピンク色に染めることが
できた。
【0021】<実施例3>実施例1と同様に、セラチア
・プリミューティカ ATCC183 の培養液を作り、これを
遠心分離により分離し、菌体を取り出した。この菌体を
乾燥した後、エタノールに浸漬し、エタノール中にプロ
ディジオシンを抽出した。このエタノール溶液を濃縮し
た後、水9容量部に対してこの濃縮液を1容量部入れ、
均一に混合した。この混合液にビニロン布を浸漬し、時
折、撹拌しながら、約20分かけて徐々に昇温し、沸騰
状態で約20分間放置した。以下、実施例2と同様にし
て蛍光ピンク色に染まったビニロン布を得た。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に天然染料の
製造方法によれば、廃羊毛、クズ羊毛等から安価に得ら
れる獣毛分解物を利用できるので、安価にかつ効率的に
プロディジオシンを生産することができる。これにより
工業的に安定して天然赤色染料を供給できる。また得ら
れたプロディジオシンの色素は広範囲の繊維素材に対し
て染色可能であり、この色素の有する優れた紫色性は数
少ない蛍光赤系色素としての価値が極めて大きい。
【0023】また本発明の第1の染色方法によれば、獣
毛分解物を添加した培地で微生物を培養した液を染液と
することにより、微生物の発酵生産と同一浴で染色加工
を行うことができる。このため、染色に際して従来のよ
うな培養液からの色素の抽出工程や精製工程を省略で
き、それに必要な時間と費用を節約することができる。
更に本発明の第2の染色方法によれば、プロディジオシ
ンを高濃度で含むアルコール溶液等を水に希釈した液を
染液とし、この染液で繊維製品を染色することにより、
プロディジオシンが良好に液中に分散し、不純物のない
状態で均一に染色することができる。特に本発明の染色
方法は安全で環境に優しく、この方法によれば、従来の
天然染料による染色加工と比べてより安定した品質を有
する繊維染色物が得られる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】以下、本発明を詳述する。本発明に適用し
得る微生物は、セラチア属に属し、プロディジオシンを
生産し、獣毛分解物の添加により、プロディジオシンを
菌体外に排出する菌株であればよく、特に制限されな
い。この微生物の例として、セラチア・マーセスセンス
Serratia marcescens)、セラチア・ルビダエア(Ser
ratia rubidaea)、セラチア・プリミューティカ(Serr
atia plymuthica)などの菌種を挙げることができる。
またその代表例としてセラチア・プリミューティカ(Se
rratia plymuthica)ATCC183を挙げることができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】上記培地には、その他必要に応じて、例え
ばアンモニウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、又は
カルシウム塩のような無機塩類などを添加してもよい。
プロディジオシンの生産性に大きく関与するため、使用
する培地のpHは6.5〜9に、培養温度は20〜35
℃にそれぞれ調整することが好ましい。本発明の獣毛分
解物の獣毛源としては、羊毛が入手し易く適当である
が、アンゴラ、カシミア、モヘア又はニワトリの羽根な
どのケラチン蛋白が抽出できるものであれば、特に限定
されるものではない。この獣毛分解物を得る方法として
は、加水分解ケラチン溶液として市販されているものを
購入する方法と、常法(P.Alexander, et al., Wool,
p.356, Reinhold, New York, 1954)に従って作製する
方法がある。常法に従って作製する場合には、過蟻酸、
過酢酸又は過酸化水素などの酸化剤で加水分解した獣毛
を0.3Nアンモニア水に溶解させ、その溶液をpH4
以下にした後、このpH調整した溶液をろ過又は遠心分
離する。この方法で得られた獣毛分解物は水に対して可
溶性の部分と不溶性の部分を含んでおり、これらを乾燥
させたものが獣毛分解物となる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の天然染料の
製造方法によれば、廃羊毛、クズ羊毛等から安価に得ら
れる獣毛分解物を利用できるので、安価にかつ効率的に
プロディジオシンを生産することができる。これにより
工業的に安定して天然赤色染料を供給できる。また得ら
れたプロディジオシンの色素は広範囲の繊維素材に対し
て染色可能であり、この色素の有する優れた紫色性は数
少ない蛍光赤系色素としての価値が極めて大きい。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 獣毛分解物を含む液体培地にセラチア属
    に属する微生物を接種し、 前記液体培地で前記微生物を培養して赤色色素のプロデ
    ィジオシンを前記微生物の菌体内及び菌体外に増殖さ
    せ、 前記プロディジオシンが菌体内及び菌体外に存する培養
    液を菌体と液体培地に分離し、 前記菌体又は液体培地のいずれか又は双方からプロディ
    ジオシンを抽出する天然赤色系染料の製造方法。
  2. 【請求項2】 獣毛分解物を含む液体培地にセラチア属
    に属する微生物を接種し、 前記液体培地で前記微生物を培養して赤色色素のプロデ
    ィジオシンを前記微生物の菌体内及び菌体外に増殖さ
    せ、 前記プロディジオシンが菌体内及び菌体外に存する培養
    液に繊維製品を浸漬し、 前記培養液を昇温して浸漬した繊維製品を染色する天然
    赤色系染料を用いた染色方法。
  3. 【請求項3】 プロディジオシンからなる天然染料の溶
    液を調製した後、この溶液を水に溶解し、 前記水溶液に繊維製品を浸漬し、 前記水溶液を昇温して浸漬した繊維製品を染色する天然
    赤色系染料を用いた染色方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の染色方法により染色され
    た繊維製品。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の染色方法により染色され
    た繊維製品。
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