JPH06284704A - 直流電源装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の負荷にそれぞれ安定化直流電圧を供給
できる直流電源装置に関し、制御信号線を省略して構成
を簡単化する。 【構成】 交流電源電圧を所定の電圧に変換して整流す
る整流部１と、この整流部１に接続した直流給電線２に
対してコンセント等により任意に接続可能とし、且つコ
ンバータ３により負荷１０に安定化直流電圧を供給する
スイッチング電源部４と、このスイッチング電源部４を
制御する電源主制御部５とを備えている。又電源主制御
部５は、直流給電線２に交流結合した電力線搬送部６
と、高周波信号による情報の送受信を制御し且つスイッ
チング電源部４を制御する制御部７とを有し、スイッチ
ング電源部４は、直流給電線２に交流結合した電力線搬
送部８と、高周波信号による情報の送受信を制御し且つ
制御部７からの制御情報に従ってコンバータ３を制御す
るスイッチング制御部９とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複数のスイッチング電
源部を１個の電源主制御部によって制御できる直流電源
装置に関する。各種の大型システムに於いては、複数種
類の安定化直流電圧を必要とする場合が多く、又各種の
電子機器等が分散配置されて構成されたシステムに於い
ては、分散配置された電子機器対応に安定化直流電圧を
必要とする場合が多いものである。そこで、必要とする
安定化直流電圧対応にスイッチング電源部を設け、交流
電源からの交流を共通の整流部により整流して各スイッ
チング電源部に供給し、各スイッチング電源部からそれ
ぞれ設定された安定化直流電圧を電子機器等の負荷に供
給する直流電源装置が採用されている。このような直流
電源装置の構成を簡単化して経済化を図ることが要望さ
れている。

【０００２】

【従来の技術】図３は従来例の説明図であり、４１は整
流部、４２は直流給電線、４３はコンバータ、４４−１
〜４４−ｎはスイッチング電源部、４５は主制御部、４
６は整流回路、４７はトランス、４８は交流電源、４９
はスイッチング制御部、５０−１〜５０−ｎは負荷、５
１は制御信号線である。

【０００３】各種電子機器等の負荷５０−１〜５０−ｎ
対応にスイッチング電源部４４−１〜４４−ｎを設け、
交流電源４８からの交流電圧を整流部４１のトランス４
７により所定の電圧に変換し、整流回路４６により整流
した直流電圧を、直流給電線４２を介して各スイッチン
グ電源部４４−１〜４４−ｎに供給し、各スイッチング
電源部４４−１〜４４−ｎの起動，停止等を主制御部４
５から制御信号線５１を介して制御するものである。

【０００４】各スイッチング電源部４４−１〜４４−ｎ
は、コンバータ４３とスイッチング制御部４９等を含
み、コンバータ４３はスイッチングトランジスタ，トラ
ンス，整流平滑回路等を含み、スイッチング制御部４９
によってスイッチングトランジスタのオン期間を制御
し、負荷５０−１〜５０−ｎに供給する直流電圧を安定
化するものである。

【０００５】又負荷の電子機器等の増設に伴うスイッチ
ング電源部の増設時には、直流給電線４２にコンバータ
の入力側を接続し、主制御部４５との間を制御信号線５
１により接続するものである。この制御信号線５１は、
スイッチング電源部の起動，停止の為の信号線以外に、
主制御部４５に於いて各スイッチング電源部を監視する
為の信号線を含む場合が一般的である。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】前述のように、整流部
４１に、直流給電線４２を介して複数のスイッチング電
源部４４−１〜４４−ｎを接続し、主制御部４５から制
御信号線５１を介して各スイッチング電源部４４−１〜
４４−ｎの起動，停止等を制御するものであり、スイッ
チング電源部４４−１〜４４−ｎの台数が多くなるに伴
って、制御信号線５１の本数も多数となって、配線が複
雑となる問題がある。又スイッチング電源部を増設する
場合には、直流給電線４２にコンバータ４３の入力側を
接続するだけでなく、主制御部４５との間の制御信号線
５１の接続を行う必要があり、増設作業が煩雑となる欠
点があった。本発明は、制御信号線を省略して構成を簡
単化して経済化を図ることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の直流電源装置
は、図１の原理説明図を参照して説明すると、交流電源
電圧を所定の電圧に変換して整流する整流部１と、この
整流部１からの直流給電線２に対して任意に接続可能
で、且つコンバータ３により負荷１０に安定化直流電圧
を供給するスイッチング電源部４と、このスイッチング
電源部４を制御する電源主制御部５とを備え、電源主制
御部５は、直流給電線２に交流結合した電力線搬送部６
と、この電力線搬送部６を介した高周波信号による情報
の送受信を制御すると共に、スイッチング電源部４を制
御する制御部７とを有し、スイッチング電源部４は、直
流給電線２に交流結合した電力線搬送部８と、この電力
線搬送部８を介した高周波信号による情報の送受信を制
御すると共に、制御部７からの制御情報に従ってコンバ
ータ３を制御するスイッチング制御部９とを有するもの
である。

【０００８】

【作用】スイッチング電源部４のコンバータ３は、スイ
ッチング制御部９によって制御されて、整流部１から直
流給電線２を介して入力される直流電圧を、設定値とな
るように制御して負荷１０に供給するものである。又電
力線搬送部６，８は、直流給電線２にコンデンサ等によ
り交流結合され、各種の情報を高周波信号に変調して送
信するものであり、従って、電源主制御部５と、スイッ
チング電源部４のスイッチング制御部８との間に、制御
信号線を設けることなく、直流給電線２を介して電源主
制御部５の制御部７から、例えば、スイッチング電源部
４の起動，停止を制御することができる。

【０００９】

【実施例】図２は本発明の実施例の説明図であり、大型
のシステムの電圧値や容量等が異なる各部又は分散配置
された各種電子機器等の負荷２０−１〜２０−ｎ対応に
スイッチング電源部１４−１〜１４−ｎを設けた場合を
示し、１１は整流部、１２は直流給電線、１５は電源主
制御部、１６はバンドパスフィルタ、１７は送受信部、
１８は変復調部、１９は制御部、２１はコンバータ、２
２はスイッチング制御部、２３は電力線搬送部、２４は
バンドパスフィルタ、２５は送受信部、２６は変復調
部、２７は整流平滑回路、２８は整流器、２９はトラン
ス、３０は交流電源、３１−１〜３１−ｎはコンセン
ト、Ｌ１〜Ｌ３はチョークコイル、Ｃ１〜Ｃ６はコンデ
ンサである。

【００１０】整流部１１は、交流電源３０からの交流電
圧をトランス２９により各スイッチング電源部１４−１
〜１４−ｎに於いて必要とする最大入力電圧に対応する
電圧に変換し、整流平滑回路２７の整流器２８により整
流し、チョークコイルＬ１，Ｌ２とコンデンサＣ１とか
らなる平滑回路により平滑化して、直流給電線１２を介
して直流電圧を各スイッチング電源部１４−１〜１４−
ｎに供給するものである。なお、チョークコイルＬ２
は、直流給電線１２からみた高周波信号に対するインピ
ーダンスを増大する為のものである。又直流給電線１２
の両端に図示を省略した終端抵抗を接続するものであ
る。

【００１１】前述の整流部１１と接続された直流給電線
１２は、スイッチング電源部を設置する個所又は設置が
予定されている個所に布設されると共にコンセント３１
−１〜３１−ｎが設けられている。又電源主制御部１５
は、バンドパスフィルタ１６と送受信部１７と変復調部
１８とを含む電力線搬送部と、マイクロプロセッサ等か
らなる制御部１９とを備え、直流給電線１２とコンデン
サＣ５，Ｃ６を介して交流結合されている。

【００１２】又スイッチング電源部１４−１〜１４−ｎ
は、コンバータ２１とスイッチング制御部２２と電力線
搬送部２３とを備え、電力線搬送部２３は、バンドパス
フィルタ２４と送受信部２５と変復調部２６とを含み、
コンセント３１−１〜３１−ｎにより直流給電線１２と
コンバータ２１の入力側とを接続した時に、その直流給
電線１２に対してコンデンサＣ３，Ｃ４を介して交流結
合される。又チョークコイルＬ３とコンデンサＣ２と
は、直流給電線１２側からコンバータ２１をみた高周波
信号に対するインピーダンスを増大する為のものであ
る。

【００１３】又コンバータ２１は、スイッチングトラン
ジスタとトランスと整流平滑回路等を含み、コンバータ
２１のスイッチングトランジスタのオン，オフを制御す
るスイッチング制御部２２は、コンバータ２１の直流出
力電圧と出力電流とを検出して、その直流出力電圧と設
定電圧とを比較し、その差が零となるように、スイッチ
ングトランジスタのオン期間を制御する機能と、検出し
た出力電流と設定電流とを比較し、出力電流が設定電流
以上となると、過電流状態であるから、スイッチングト
ランジスタのオン期間を短くして直流出力電圧を垂下
し、過電流保護を行う機能を備えている。又設定電圧値
と設定電流値を保持するメモリ等の保持部を備えてい
る。

【００１４】電源主制御部１５の電力線搬送部と、コン
セント３１−１〜３１−ｎにより直流給電線１２に接続
したスイッチング電源部１４−１〜１４−ｎの電力線搬
送部２３とは、直流給電線１２に対してコンデンサ等に
より交流結合されて、高周波信号の送受信が可能となる
ように接続された状態となる。又電力線搬送部のバンド
パスフィルタ１６，２４は、数１０ｋＨｚ〜数１００ｋ
Ｈｚの搬送波周波数を中心周波数とした所定の帯域幅の
フィルタであり、又送受信部１７，２５は送信増幅器や
受信増幅器等を含むものである。又変復調部１８，２６
は振幅偏移変調や位相偏移変調等による送信情報の変調
及び受信情報の復調を行う機能を有するものである。

【００１５】又電源主制御部１５の制御部１９とスイッ
チング電源部１４−１〜１４−ｎのスイッチング制御部
２２とは、送信情報にその宛先を示すアドレス信号を付
加する機能と、受信情報に付加されたアドレス信号を識
別する機能と、受信情報の内容を識別する機能とを備え
ている。なお、このような機能を変復調部１８，２６に
持たせることもできる。又電源主制御部１５の制御部１
９からの送信情報は、例えば、スイッチング電源部１４
−１〜１４−ｎの個別指定による起動や一斉起動の制御
情報，個別指定による停止や一斉停止の制御情報，個別
指定による設定電圧値又は設定電流値を示す制御情報等
があり、又各スイッチング電源部１４−１〜１４−ｎか
ら電源主制御部１５の制御部１９への送信情報は、例え
ば、出力電圧や出力電流の状態情報，各部の障害発生や
過電流状態等によるアラーム情報等がある。

【００１６】例えば、電源主制御部１５の制御部１９か
らスイッチング電源部１４−１を指定するアドレス信号
を付加して、設定電圧値を示す制御情報を送出すると、
変復調部１８に於いて数１０ｋＨｚ〜数１００ｋＨｚの
搬送波を制御情報によって変調し、送受信部１７からバ
ンドパスフィルタ１６を介して直流給電線１２に送出す
る。各スイッチング電源部１４−１〜１４−ｎの電力線
搬送部２３は、バンドパスフィルタ２４を介して送受信
部２５により変調搬送波信号を受信し、変復調部２６に
於いて復調してスイッチング制御部２２に加える。

【００１７】スイッチング制御部２２は、自スイッチン
グ電源部宛てであるか否かを制御情報に付加されたアド
レス信号により識別し、自スイッチング電源部宛ての制
御情報の場合は、その制御情報の内容を識別し、設定電
圧値を示す場合は、メモリ等の保持部にその設定電圧値
を格納する。この設定電圧値の格納終了情報を、電力線
搬送部２３から直流給電線１２を介して電源主制御部１
５に送出する。従って、スイッチング電源部対応にそれ
ぞれ異なる設定電圧値を保持部に格納させて、負荷２０
−１〜２０−ｎに対応した安定化直流電圧を供給できる
ように、電源主制御部１５から設定することができる。
同様に、設定電流値を保持部に格納させて、過電流保護
を行う電流値を設定することができる。

【００１８】前述のような制御により、例えば、電源主
制御部１５から共通アドレス信号を付加し、且つ起動を
示す制御情報を直流給電線１２に送出すると、各スイッ
チング電源部１４−１〜１４−ｎのスイッチング制御部
２２は、それぞれ共通アドレス信号に従って受信処理
し、制御情報を識別してコンバータ２１の制御を開始
し、安定化直流電圧を負荷２０−１に供給することにな
る。又スイッチング電源部１４−１〜１４−ｎからのア
ラーム情報等は、直流給電線１２上に搬送波が送出され
ていないことを識別することにより送信する制御等によ
って、衝突を回避した通信制御を行わせることもでき
る。

【００１９】又直流給電線１２は、専用のデータ伝送路
に比較して伝送品質が劣ることになるから、反転連送方
式や更にこれを複数回繰り返し行う方式により各種情報
を送信し、受信側は多数決論理により伝送誤りによる影
響を除く方式を用いることができる。又電源主制御部１
５の制御部１９に表示装置等を設けて、各スイッチング
電源部１４−１〜１４−ｎの状態情報を収集して表示
し、アラーム情報を受信した場合には、ブザーの鳴動や
ランプの点滅等により取扱者に通知する構成とすること
もできる。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、整流部
１から直流給電線２を介して各スイッチング電源部４に
直流を供給し、安定化直流電圧を負荷１０に供給する直
流電源装置に於いて、各スイッチング電源部４に直流給
電線２に対して交流結合した電力線搬送部８を設け、又
直流給電線２に交流結合した電力線搬送部６を有する電
源主制御部５を設けて、電源主制御部５の制御部７から
の起動，停止，設定値等の制御情報を直流給電線２を介
して送出し、スイッチング電源部４は、この制御情報を
電力線搬送部８により受信してスイッチング制御部９に
加えて、制御情報の内容に従ってコンバータ３の制御を
行うものであり、スイッチング電源部４の新設時や増設
時に於いては、直流給電線２にスイッチング電源部４を
コンセント等により接続するだけで、制御信号線等を接
続する必要がなく、その作業が非常に簡単となり、且つ
配線構成が簡素化されて経済的な構成とすることができ
る利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の原理説明図である。

【図２】本発明の実施例の説明図である。

【図３】従来例の説明図である。

【符号の説明】

１ 整流部 ２ 直流給電線 ３ コンバータ ４ スイッチング電源部 ５ 電源主制御部 ６ 電力線搬送部 ７ 制御部 ８ 電力線搬送部 ９ スイッチング制御部 １０ 負荷

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 交流電源電圧を所定の電圧に変換して整
   流する整流部（１）と、 該整流部（１）からの直流給電線（２）に対して任意に
   接続可能で、且つコンバータ（３）により負荷に安定化
   直流電圧を供給するスイッチング電源部（４）と、 該スイッチング電源部（４）を制御する電源主制御部
   （５）とを備え、 該電源主制御部（５）は、前記直流給電線（２）に交流
   結合した電力線搬送部（６）と、該電力線搬送部（６）
   を介した高周波信号による情報の送受信を制御すると共
   に、前記スイッチング電源部（４）を制御する制御部
   （７）とを有し、 前記スイッチング電源部（４）は、前記直流給電線
   （２）に交流結合した電力線搬送部（８）と、該電力線
   搬送部（８）を介した高周波信号による情報の送受信を
   制御すると共に、前記制御部（７）からの制御情報に従
   って前記コンバータ（３）を制御するスイッチング制御
   部（９）とを有することを特徴とする直流電源装置。