JPH0628351U - 電食防止等速自在継手 - Google Patents
電食防止等速自在継手Info
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- JPH0628351U JPH0628351U JP6286892U JP6286892U JPH0628351U JP H0628351 U JPH0628351 U JP H0628351U JP 6286892 U JP6286892 U JP 6286892U JP 6286892 U JP6286892 U JP 6286892U JP H0628351 U JPH0628351 U JP H0628351U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 等速自在継手に発生する電食を防止する。
【構成】 ボール3は絶縁材料であるセラミックで形成
され、かつ、保持器5の内・外表面にはセラミックのコ
ーティング皮膜5a、5bが形成されている。漏洩電流
は、例えば、外輪2→ボール3→内輪1あるいは外輪2
→保持器5→内輪1といった経路を流れる。その際、ボ
ール3と案内溝1a、2aとの接触部、あるいは、保持
器5と外周面1bおよび内周面2bとの接触部にスパー
クが発生し、電食が生じる可能性がある。しかし、この
等速自在継手はボール3が絶縁材料であるセラッミクで
形成され、かつ、保持器5の内・外表面にセラミックの
コーティング皮膜5a、5bが形成されているため、漏
洩電流がボール3および保持器5のコーティング皮膜5
a、5bで絶縁され、接触部に流れなくなる。
され、かつ、保持器5の内・外表面にはセラミックのコ
ーティング皮膜5a、5bが形成されている。漏洩電流
は、例えば、外輪2→ボール3→内輪1あるいは外輪2
→保持器5→内輪1といった経路を流れる。その際、ボ
ール3と案内溝1a、2aとの接触部、あるいは、保持
器5と外周面1bおよび内周面2bとの接触部にスパー
クが発生し、電食が生じる可能性がある。しかし、この
等速自在継手はボール3が絶縁材料であるセラッミクで
形成され、かつ、保持器5の内・外表面にセラミックの
コーティング皮膜5a、5bが形成されているため、漏
洩電流がボール3および保持器5のコーティング皮膜5
a、5bで絶縁され、接触部に流れなくなる。
Description
【0001】
本考案は、自動車や各種産業機械において動力伝達に用いられる等速自在継手 に関する。
【0002】
等速自在継手には、大別して、駆動軸と従動軸との間の角度変位のみを許容す 固定型と、角度変位および軸方向変位を許容する摺動型とがある。固定型の等速 自在継手としては、ボールフィックスジョイント、アンダーカットフリージョイ ント等があり、いずれもボールをトルク伝達部材として用いるものである。また 、摺動型の等速自在継手としては、ボールをトルク伝達部材として用いるダブル オフセットジョイント、クロスグルーブジョイント、トリボールジョイント、ス フェリカルローラをトルク伝達部材としてを用いるトリポードジョイント等があ る。
【0003】 これらの等速自在継手において、駆動軸と従動軸との間のトルク伝達は、ボー ルと内・外輪との接触部、あるいは、スフェリカルローラと外輪との接触部を介 してなされる。
【0004】
ところで、自動車や各種産業機械には、多くの電気機器が装着されており、電 気源や電気系統等から漏洩した漏洩電流が連結部材を伝わって等速自在継手に流 れこんでくる可能性がある。例えば、圧延設備には鋼板の送り用等に多くのロー ルが使用されるが、これらの中には等速自在継手を介して駆動されるものがあり 、等速自在継手に電流が流れると、ロールと鋼板との間でスパークが発生し、鋼 板やロールの表面に電食が生じる。また、等速自在継手自体にも、内・外輪の案 内溝とボールとの接触部等でスパークが発生し、電食が生じる。
【0005】 本考案の目的は、このような漏洩電流の流入によって発生する電食を防止する ことにある。
【0006】
請求項1の等速自在継手は、内周面に軸方向の案内溝を形成した外輪と、外周 面に軸方向の案内溝を形成した内輪と、外輪の案内溝と内輪の案内溝との間に介 在する複数のボールと、内輪の外周面と外輪の内周面とに接触案内されてボール を保持する保持器とからなり、内・外輪の案内溝とボールとの接触部を介してト ルク伝達を行なうものであって、内輪の少なくとも案内溝の表面、外輪の少なく とも案内溝の表面、ボールの少なくとも表面のうち、いずれか1以上が絶縁材料 で形成され、かつ、保持器の少なくとも表面が絶縁材料で形成されたものである 。ここで「少なくとも〜表面」とは、表面が絶縁材料で形成されたものに限らず 、例えば、部材全体が絶縁材料で形成されたものをも含む意である。以下に、同 じである。
【0007】 請求項2の等速自在継手は、請求項1の等速自在継手において、ボールがセラ ミック材料で形成されたものである。
【0008】 請求項3の等速自在継手は、内壁面の円周等配位置に3対の軸方向の案内溝を 形成した外輪と、円周等配位置から半径方向に延びた3つの脚部にニードルロー ラを介してスフェリカルローラを装着したトラニオン部材とからなり、外輪の案 内溝とスフェリカルローラとの接触部を介してトルク伝達を行なうものであって 、外輪の少なくとも案内溝の表面、スフェリカルローラの少なくとも接触面、ニ ードルローラの少なくとも表面のうち、いずれか1以上が絶縁材料で形成された ものである。
【0009】 請求項4の等速自在継手は、請求項3の等速自在継手において、スフェリカル ローラがセラミック材料で形成されたものである。
【0010】
電食の原因となる漏洩電流が、絶縁材料で形成された部材あるいは部材の表面 によって絶縁される。
【0011】
以下、本考案の実施例について説明する。
【0012】 図1に示す実施例は、ボール3をトルク伝達部材として用いる摺動型の圧延機 用等速自在継手に本考案を適用したものである。この等速自在継手は、外周面1 bに軸方向の案内溝1aを形成した内輪1、内周面2bに軸方向の案内溝2aを 形成した外輪2、案内溝1a、2a間に介在し、案内溝1a、2aとの接触部を 介してトルクを伝達するボール3、内輪1の外周面1bと外輪2の内周面2bと に接触案内されて、ボール3を作動角の角度2等分面内に保持する保持器5を主 要な構成要素とし、一対のものを中間軸8を介して相互に連結して使用する。そ して、一方の等速自在継手の外輪2をロール駆動軸6にフランジ結合し、他方の 等速自在継手の外輪2をロール9にフランジ結合してある。また、それぞれの外 輪2の開口部にブーツ7を装着してある。
【0013】 図2に拡大して示すように、この実施例では、ボール3をセラミックで形成し 、かつ、保持器5の内・外表面にセラミックのコーティング皮膜5a、5bを形 成してある。但し、コーティング皮膜は、保持器5の内・外表面の少なくとも一 方に形成すれば足りる。
【0014】 電気系統から漏れた漏洩電流は、例えば、ロール駆動軸6等を介して等速自在 継手に流入し、外輪2→ボール3→内輪1あるいは外輪2→保持器5→内輪1と いった経路を経てロール9に流れる。その際、ボール3と案内溝1a、2aとの 接触部、あるいは、保持器5と外周面1bおよび内周面2bとの接触部にスパー クが発生し、電食が生じる可能性がある。しかし、この等速自在継手はボール3 を絶縁材料であるセラミックで形成し、かつ、保持器5の内・外表面にセラミッ クのコーティング皮膜5a、5bを形成してあるため、漏洩電流がボール3およ び保持器5のコーティング皮膜5a、5bで絶縁され、接触部に流れなくなる。 そのため、この等速自在継手には電食が生じにくい。尚、ボール3をセラミック で形成する代わりに、ボール3の表面にセラミックのコーティング皮膜を形成す るようにしても良い。また、保持器5の表面にセラミックのコーティング皮膜5 a、5bを形成する代わりに、保持器5をセラミックで形成するようにしても良 い。
【0015】 図3に示す実施例は、ボール3を鋼製とし、内輪1の案内溝1aの表面と、外 輪2の案内溝2aの表面とにセラミックのコーティング皮膜1c、2cを形成し たものである。漏洩電流が、内・外輪1、2のコーティング皮膜1c、2cおよ び保持器5のコーティング皮膜5a、5bで絶縁され、接触部に流れなくなる。 尚、コーティング皮膜1c、2cは、少なくとも一方のみ形成すれば足りる。
【0016】 図4に示す実施例は、スフェリカルローラ13をトルク伝達部材として用いる トリポード型の等速自在継手に本考案を適用したものである。この等速自在継手 は、円周等配位置から半径方向に延びた3つの脚部11aにニードルローラ15 を介してスフェリカルローラ13を装着したトラニオン部材11を、内壁面の円 周等配位置に3対の軸方向の案内溝12aを形成した外輪12に収容し、案内溝 12aとスフェリカルローラ13の球面との接触部を介してトルク伝達を行なう ものである。トラニオン部材11は軸16にスプライン結合され、外輪12の開 口部はブーツ17で被覆されている。
【0017】 図5に拡大して示すように、この実施例では、案内溝12aの表面にセラミッ クのコーティング皮膜12cを形成してある。
【0018】 電気系統から漏れた漏洩電流は、例えば、外輪12→スフェリカルローラ13 →ニードルローラ15→脚部11aといった経路を経て軸16に流れる。その際 、案内溝12aとスフェリカルローラ13との接触部、あるいは、スフェリカル ローラ13とニードルローラ15との接触部、さらには、ニードルローラ15と 脚部11aとの接触部にスパークが発生し、電食が生じる可能性がある。しかし 、この等速自在継手は案内溝12aの表面にコーティング皮膜12cを形成して あるため、漏洩電流がコーティング皮膜12cで絶縁され、接触部に流れなくな る。そのため、この等速自在継手には電食が生じにくい。
【0019】 図6に示す実施例は、スフェリカルローラ13をセラミックで形成したもので ある。漏洩電流が、スフェリカルローラ13で絶縁され、接触部に流れなくなる 。尚、スフェリカルローラ13をセラミックで形成する代わりに、スフェリカル ローラ13の球面にセラミックのコーティング皮膜を形成するようにしても良い 。あるいは、ニードルローラ15をセラミックで形成するようにしても良い。
【0020】 以上説明した実施例は、ボールを用いた摺動型の等速自在継手と、スフェリカ ルローラを用いたトリポード型の等速自在継手に関するものであるが、本考案は これに限定されず、他の形式の等速自在継手、例えば、ボールフィックスジョイ ント、クロスグルーブジョイント、トリボールジョイント等にも適用することが できる。
【0021】
以上説明したように、本考案によれば、等速自在継手の部材間を流れる漏洩電 流が、絶縁材料からなる絶縁部分で遮断されるので、部材間の接触部に生じる電 食が防止される。
【図1】本考案の実施例に係わる等速自在継手を示す縦
断面図である。
断面図である。
【図2】図1の部分拡大横断面図である。
【図3】本考案の他の実施例を示す部分拡大横断面図で
ある。
ある。
【図4】本考案の他の実施例に係わる等速自在継手を示
す縦断面図(図a)、横断面図である(図b)である。
す縦断面図(図a)、横断面図である(図b)である。
【図5】図4の部分拡大横断面図である。
【図6】本考案の他の実施例を示す部分拡大横断面図で
ある。
ある。
1 内輪 1a 案内溝 1b 外周面 1c セラミックのコーティング皮膜 2 外輪 2a 案内溝 2b 内周面 2c セラミックのコーティング皮膜 3 ボール 5 保持器 5a セラミックのコーティング皮膜 5b セラミックのコーティング皮膜 11 トラニオン部材 11a 脚部 12 外輪 12a 案内溝 12c セラミックのコーティング皮膜 13 スフェリカルローラ 15 ニードルローラ
Claims (4)
- 【請求項1】 内周面に軸方向の案内溝を形成した外輪
と、外周面に軸方向の案内溝を形成した内輪と、外輪の
案内溝と内輪の案内溝との間に介在する複数のボール
と、内輪の外周面と外輪の内周面とに接触案内されてボ
ールを保持する保持器とからなり、内・外輪の案内溝と
ボールとの接触部を介してトルク伝達を行なうものであ
って、 内輪の少なくとも案内溝の表面、外輪の少なくとも案内
溝の表面、ボールの少なくとも表面のうち、いずれか1
以上が絶縁材料で形成され、かつ、保持器の少なくとも
表面が絶縁材料で形成された電食防止等速自在継手。 - 【請求項2】 ボールがセラミック材料で形成された請
求項1の電食防止等速自在継手。 - 【請求項3】 内壁面の円周等配位置に3対の軸方向の
案内溝を形成した外輪と、円周等配位置から半径方向に
延びた3つの脚部にニードルローラを介してスフェリカ
ルローラを装着したトラニオン部材とからなり、外輪の
案内溝とスフェリカルローラとの接触部を介してトルク
伝達を行なうものであって、 外輪の少なくとも案内溝の表面、スフェリカルローラの
少なくとも接触面、ニードルローラの少なくとも表面の
うち、いずれか1以上が絶縁材料で形成された電食防止
等速自在継手。 - 【請求項4】 スフェリカルローラがセラミック材料で
形成された請求項3の電食防止等速自在継手。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992062868U JP2572038Y2 (ja) | 1992-09-08 | 1992-09-08 | 電食防止等速自在継手 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992062868U JP2572038Y2 (ja) | 1992-09-08 | 1992-09-08 | 電食防止等速自在継手 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0628351U true JPH0628351U (ja) | 1994-04-15 |
JP2572038Y2 JP2572038Y2 (ja) | 1998-05-20 |
Family
ID=13212695
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1992062868U Expired - Fee Related JP2572038Y2 (ja) | 1992-09-08 | 1992-09-08 | 電食防止等速自在継手 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2572038Y2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002340010A (ja) * | 2001-05-14 | 2002-11-27 | Ntn Corp | ロール駆動力伝達装置 |
KR101147473B1 (ko) * | 2009-03-09 | 2012-05-21 | 주식회사 평산 | 풍력 발전용 베어링 및 그 코팅 방법 |
-
1992
- 1992-09-08 JP JP1992062868U patent/JP2572038Y2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2002340010A (ja) * | 2001-05-14 | 2002-11-27 | Ntn Corp | ロール駆動力伝達装置 |
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---|---|
JP2572038Y2 (ja) | 1998-05-20 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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