JPH06281953A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH06281953A
JPH06281953A JP9260493A JP9260493A JPH06281953A JP H06281953 A JPH06281953 A JP H06281953A JP 9260493 A JP9260493 A JP 9260493A JP 9260493 A JP9260493 A JP 9260493A JP H06281953 A JPH06281953 A JP H06281953A
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JP
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liquid crystal
substrate
display device
crystal display
crystal material
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JP9260493A
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Takeshi Nishi
毅 西
Toshimitsu Konuma
利光 小沼
Harumi Mori
晴美 森
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Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 強誘電性もしくは反強誘電性を示す液晶材料
を用いた液晶表示装置において、画素電位や透過率、メ
モリー性の低下を防ぎ、高コントラスト表示や多階調表
示を安定に行うことが可能な液晶表示装置を得る。 【構成】 第1及び第2の基板からなる一対の基板の間
に、強誘電性もしくは反強誘電性を示す液晶材料を挟持
し、前記第1および第2の基板のそれぞれの内側に電極
を有し、前記第1の基板及び/又は前記第2の基板の電
極上に比誘電率が5以上の誘電体層を前記液晶材料に接
して有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は強誘電性または反強誘電
性液晶を用いた液晶表示装置に関する。また本発明は、
駆動用スイッチング素子として薄膜トランジスタ(以下
TFTという)を使用した液晶表示装置において、使用
する液晶材料は高速応答性に優れた強誘電性液晶もしく
は反強誘電性液晶であるものに関する。また、中間的な
色調や濃淡の表現を得るための階調表示を行うために、
デジタル階調表示を行う液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、液晶材料に外部から電
場を印加し、材料の光学的異方性を変化させることで電
気信号を光信号に変換し表示を行う。液晶材料に強誘電
性もしくは反強誘電性を示すものを用いたものは、非常
な高速化が望めるため注目されている。
【0003】図1に強誘電性または反強誘電性の液晶材
料を用いた単純マトリクス型の液晶表示装置の構成を示
す。液晶表示装置は基板101、102上に形成された
液晶材料を駆動させるための電極103、104を、双
方の電極によりマトリクスを形成するように対向して配
置されており、該基板間に液晶材料105が挟持されて
いる。液晶表示装置は液晶材料の複屈折を利用するもの
が広く知られている。該液晶表示装置は液晶材料の複屈
折性を有効に利用するために、基板面の液晶材料と接す
る側に配向処理層106を施し、液晶材料の光軸を任意
の方向に配向させている。
【0004】また、このような液晶表示装置で、近年高
速かつ多階調表示が可能な装置として、強誘電性もしく
は反強誘電性を示す液晶材料を該基板間に挟持し、片方
の基板に駆動用のスイッチング素子を形成し、該スイッ
チング素子によりアクティブマトリクス方式によってデ
ジタル階調表示を行う装置が提案されている。
【0005】上記液晶表示装置は、片方の基板の信号線
と走査線との交点に画素電極に接続された駆動用のスイ
ッチング素子を形成し、該スイッチング素子として薄膜
トランジスタを使用し信号線及び走査線の双方からの信
号により該トランジスタを制御することで各液晶画素毎
にON/OFFを制御する。さらに上記装置は、走査線
に階調数に応じて任意の間隔で組み合せられた数個のパ
ルスを印加し、液晶画素に電圧が印加される時間を制御
することで、視覚的に階調が得られるデジタル階調表示
が行なわれている。
【0006】
【従来技術の問題点】図2に上記デジタル階調表示を行
う液晶表示装置において、階調表示を行う場合の走査電
極及び信号電極に、印加される波形を示す。図中に示す
ように上記方式においては走査電極には矩形パルス信号
G が加えられる。一方信号線は各スイッチング素子の
ソース(あるいはドレイン電極)に接続されているが、
これには、正もしくは負のいずれかの状態を示すパルス
列VD が印加される。デジタル階調表示を行うため1フ
レームは複数のサブフレームから構成されている。
【0007】ここでは、話を単純にするために、対向基
板の電位は0で一定であるとする。図2に示すように、
最初にVG が印加されたときに、VD は正であったの
で、画素の電位VLCはこの時には自然放電によって徐々
に0に近づく。この時画素の透過率TLCに注目すると、
画素電位VLCが降下するにつれ透過率が変化する場合が
ある。特にVLCが液晶材料のしきい値よりも低くなって
しまう場合は明状態の透過率が低下し逆に暗状態の透過
率が上がってしまい、その結果光学応答性が著しく低下
する。このような表示装置においては透過光強度を制御
することが困難となるため、多階調表示を制御すること
が困難となる。
【0008】また、強誘電性もしくは反強誘電性液晶を
用いた単純マトリクス型の液晶表示装置においては、液
晶材料の自発分極による表示のメモリー性を有するた
め、高いコントラスト比を有する装置が期待されている
が、十分なメモリー性を得ることは困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上述の
欠点を解決するものである。即ち本発明は画素電位や透
過率、メモリー性の低下を防ぎ、高コントラスト表示や
多階調表示を安定に行うことが可能な液晶表示装置を得
ることを目的とする。
【0010】
【問題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、第1及び第2の基板からなる一対の基板の
間に、強誘電性もしくは反強誘電性を示す液晶材料を挟
持し、前記第1および第2の基板のそれぞれの内側に電
極を有し、前記第1の基板及び/又は前記第2の基板の
電極上に比誘電率が5以上の誘電体層を前記液晶材料に
接して有することを特徴とするものである。
【0011】強誘電性もしくは反強誘電性液晶を用いる
液晶表示装置ではある特徴的な特性を示すことが本発明
者らの研究の結果から確認された。
【0012】図3に前述したスイッチング素子を有する
液晶表示装置について、対向する画素電極間に、周波数
5Hz、電圧±30Vの三角波を印加した時の電流−印
加電圧特性を示す。電極間の容量としての電流成分30
1、および液晶材料が有する自発分極が電界方向の変化
に伴って反転するときに発生する電流ピーク302の他
に、ある電流成分303が存在することを示している。
以下の記述ではこの電流成分を2ndピーク電流と表
す。この現象は、配向膜に比較的比誘電率の低い誘電体
を使用した場合に見られる。ここに比誘電率とは、誘電
体について同一体積を有する真空と比較した場合の誘電
率をいう。また、以下に記述される比誘電率もこれと同
じものを指す。
【0013】図4および図5に上述の液晶表示装置につ
いて、液晶材料および配向膜材料さらには配向膜の成膜
条件を変化させ、パルスを印加して次のパルスが印加さ
れる直前の電極間電圧、透過率と上記2ndピーク電流
の関係を調べた結果を示す。2ndピーク電流が大きく
なるほど画素電極間電圧、透過率とも低下している。す
なわち2ndピーク電流の小さいものは画素電極にVG
が印加された時の画素電極間電圧があまり低下せず、か
つ初期透過率が保持される傾向にある。
【0014】デジタル階調表示を安定に行うためにも、
液晶画素の透過率は一定に保持されていなければならな
い。液晶材料はしきい値を越えた電界を印加しないと応
答が不完全となるため、透過率の安定性を確保するため
には、画素電極間電圧が液晶材料のしきい値を越えてい
ることが必要とされる。
【0015】強誘電性を示す液晶材料は一般的に明確な
しきい値は有せず、電界方向の変化に対して応答するも
のとされている。しかし、周波数1Hz以下の矩形波を
液晶材料に印加して該液晶材料の電気光学特性を測定し
た結果、図6に示すようにしきい値が1Vであることが
分かった。従って、デジタル階調表示を行うに当たって
は画素電極間電圧は1V以上に保持されている必要があ
る。
【0016】また、反強誘電性を示す液晶材料はしきい
値を有するので、画素電極間電圧はしきい値以上に保持
されている必要がある。
【0017】またこの2ndピークは、単純マトリクス
型の液晶表示装置においても問題を生じる。スイッチン
グ素子を有する液晶表示装置と同じように、液晶材料、
配向膜材料、配向膜の成膜条件等を変換させて単純マト
リクス型液晶表示装置を作製し、電極間に三角波を印加
して電流−印加電圧特性を測定し、2ndピーク電流と
液晶表示装置との光学応答性の関係を調べたところ、2
ndピークが大きくなるほど表示のメモリー性が低下
し、コントラスト比も低下してしまった。
【0018】これらの研究の結果、2ndピーク電流の
面積(図3、303)は液晶材料の有する自発分極によ
るピークの面積(図3、302)に対して5%以下であ
れば極めて良好な特性を得られた。そして特に2ndピ
ーク電流が低減される傾向を示すものとして、配向膜材
料として比誘電率が高い部類、少なくとも5以上の比誘
電率を有する誘電体を一方または両方の基板において使
用した場合に顕著であった。本発明はこの結果を利用す
ることにより、高コントラスト、多階調表示を安定に行
い、メモリー性を高めることを可能としたものである。
【0019】
【作用】強誘電体である自発分極を有した液晶材料は、
外部電場の反転により自発分極を反転させると共に反電
界の誘起を伴う。反電界の発生には、液晶材料内の不純
物イオンが寄与している。反電界がいつまでも残ってい
ると該自発分極の向きを反転させる様なトルクが働くた
め、図7に示すように液晶材料704の自発分極705
が一方向でなく上下の基板701、702の方向に対し
て捻れた配向をする。反電界の影響は配向膜703に誘
電率の低い材料を使用した場合に顕著に現れ、電界方向
の変化に対して自発分極の反転のみでなく不純物イオン
等も反転するので、2ndピーク電流が発生する。一
方、比誘電率の高い材料を使用すれば、反電界の影響が
少なくなり2ndピーク電流の発生も抑制される。
【0020】従って、配向膜材料に比誘電率の高い材料
を使用することで、2ndピークを除去でき、画素の透
過光強度は一定に保持され、高コントラスト比を有しか
つデジタル階調表示において明確な多階調を有する液晶
表示装置を得ることができた。さらに2ndピークによ
る余分な電流消費が無くなったため、低消費電力化する
こともできた。
【0021】また本発明の構成を、単純マトリクス型の
液晶表示装置に適用した場合においては、表示のメモリ
ー性が向上し、高コントラスト比が得られ、かつ反電界
を反転させる時間が必要ないため表示装置として高速化
できた。
【0022】以下に本発明の実施例を説明する。
【0023】
【実施例】
〔実施例1〕図8に本実施例により作製した液晶表示装
置の構成を示す。セルの片方の基板801は無アルカリ
ガラスであり基板上には絶縁膜808を形成した。該絶
縁膜上には信号電極、走査電極(図示せず)、複数の画
素電極803および結晶性シリコンTFTを用いたアク
ティブ素子805を作製した。他方の基板802として
無アルカリガラスを用い、対向電極として全面にITO
膜804を形成した。上記基板801と基板802の間
に液晶材料807が挟持されている。
【0024】本実施例では、該TFTはシングルゲイト
のPMOSを用いたが、これはリーク電流が小さく、O
N/OFFが大きく取れるためである。典型的にはリー
ク電流は1pA以下(ゲイト電圧+15V、ドレイン電
圧−10V)以下、ON/OFF比7. 5桁以上(ゲイ
ト電圧−15V/+15V、ドレイン電圧−10V)で
あった。
【0025】画素803の大きさは20μm×60μm
とし、マトリクスの規模は1920×480であった。
各画素の電荷保持特性を調べたところ、データ信号とし
て、−10Vを印加した時の最も悪いものは3msec
後の電圧で約−9Vであった。 従って、本実施例では
マトリクスに印加する走査信号パルスの幅は1μsec
としパルスの波高は−15V、データ信号は±15Vと
した。
【0026】基板801、802の電極等が作製されて
いる面上には、配向膜806を設けた。本実施例で使用
した配向膜は、酸化珪素および酸化チタンの複合材料系
の無機コート剤AT−732(日産化学(株)製)であ
る。該配向膜は、原液(6%溶液)もしくは専用の希釈
液を使用して希釈濃度を2〜16倍ここでは8倍に希釈
し、スピンコート法により塗布した。塗布した基板は3
00℃で2. 5時間加熱して溶媒を乾燥させ塗膜を硬化
させた。本条件で作製した該配向膜は、膜厚が1000
〜1500Åここでは1000Å、1kHzの交流電界
下の比誘電率が10〜20ここでは15であった。次に
この基板上の該配向膜を、ナイロン等の布が巻いてある
ローラーで900rpmの回転数で一方向に擦ってラビ
ングを行い、一軸配向処理を施した。次に基板801、
802を前記基板を間隔1〜7μmの無機製のスペーサ
ー(図示せず)を間に挟んで対向させシール剤で接着し
加圧して固定した。これら2枚の基板間に液晶材料80
7を注入した。
【0027】本実施例にて使用した液晶材料はチッソ
(株)製の強誘電性液晶、CS−1014である。この
液晶はその相系列がIso-N* -SmA-SmC* -Cryを取るもの
であり、その転移温度はIso−N* は81℃、N*
SmAは69℃、SmA−SmC* は54℃、SmC*
−Cryは−21℃であった。液晶セルの厚さは1. 6
μmとした。液晶の自発分極は5nC/cm2 であっ
た。液晶材料のしきい値は1Hz以下の矩形波を印加し
て電気光学特性を測定した結果、1Vであった。
【0028】本実施例の液晶表示装置を、平行かつ互い
の光軸の角度が90°に保った2枚の偏光板の間に挿入
し、画素電極間を短絡させた状態で表示装置を基板面に
対して垂直な方向を軸として回転させたところ、ある回
転角で消光位、即ち片方の偏光板に入射した光が、他方
の偏光板を透過せずあたかも光が遮断された様な状態が
得られた。このことは、液晶分子が電界を印加しないで
もすべて一方向に配向し、かつ図9に示すように液晶材
料の有する自発分極の向き901が該液晶表示装置の基
板801、802に対して垂直方向に配列していること
を示す。
【0029】次に、図10に本実施例の液晶表示装置の
画素電極間の電流─印加電圧特性を示す。液晶表示装置
のコンデンサーとしての電流成分301、および液晶材
料が有する自発分極が電界方向の変化に伴って反転する
ときに発生する電流ピーク302以外は他の電流成分は
見られない。
【0030】図11に本実施例の液晶表示装置により、
デジタル階調表示を行った時のパルス波形VG 、信号波
形VD 、画素電極間電圧VLCおよび画素透過率TLCを示
す。本実施例においては1フレームを5つのサブフレー
ムによって構成し、32階調の階調表示を行った。各サ
ブフレームの持続時間を第1サブフレームは179μs
ec、第2サブフレームは2. 87msec、第3サブ
フレームは358μs、第4サブフレームは1. 43m
sec、第5サブフレームは717μsとし、1フレー
ムは5. 5msecすなわち180Hzとした。図中T
0 は179μsecである。
【0031】図11に示すように電極間電圧が液晶材料
のしきい値よりも高い10Vで保持され、かつ透過光強
度が一定に保持されている。
【0032】以上の液晶表示装置によって、最大コント
ラスト比180、32階調の表示を得ることができた。
【0033】なお、本実施例では液晶材料として強誘電
性を示す液晶材料を使用した場合について記述したが、
反強誘電性を示す液晶材料を使用した場合でも同様の結
果が得られた。
【0034】また、薄膜トランジスタを有しない構成の
単純マトリクス型の液晶表示装置を、基板、電極、誘電
体層等の材質、膜厚、成膜条件および電極間距離など、
前述の液晶表示装置と同じくして作製した。第1および
第2の基板のそれぞれの一方の表面に複数の細い電極を
平行に設け、両基板の電極が形成された側の表面上に配
向膜としての誘電体膜を形成して一軸配向処理としてラ
ビングを施し、双方の基板の電極がマトリクス状となる
ように対向して液晶材料を挟持して液晶表示装置を作製
した。
【0035】対向する電極間に±20V、パルス幅30
0μ秒のパルス信号をパルス間隔75m秒で印加して、
次期パルス印加直前時のコントラスト比を測定したとこ
ろ、最大コントラスト比150を得、高コントラスト比
とすることができ、また高速応答、高メモリー性の液晶
表示装置とする事ができた。
【0036】〔比較例1〕実施例1に対する比較例とし
て、図12に1kHzの交流電界下の比誘電率が2〜3
であるポリビニールアルコールを配向膜として塗布した
以外はすべて実施例1と同一の構造である液晶表示装置
について、実施例1と同一条件により該液晶表示装置を
動作させた場合のパルス波形VG 、信号波形VD 、画素
電極間電圧VLCおよび画素透過率TLCを示す。図12か
らも分かるように透過光強度が一定に保持されない。こ
のことからも配向膜の比誘電率が大きい方が装置の特性
を発揮させるのに効果的であることが分かる。
【0037】〔実施例2〕図13に本実施例により作製
した液晶表示装置の構成を示す。セルの片方の基板80
1は無アルカリガラスであり、該基板上には画素電極8
03および結晶性シリコンTFTを用いたアクティブ素
子805を作製した。なお該基板上には絶縁膜808を
形成した。他方の基板802には全面にITO膜804
を形成した。上記基板801と基板802の間に液晶材
料807が挟持されている。
【0038】本実施例では、該TFTはシングルゲイト
のPMOSを用いたが、これはリーク電流が小さく、O
N/OFFが大きく取れるためである。典型的にはリー
ク電流は1pA以下(ゲイト電圧+15V、ドレイン電
圧−10V)以下、ON/OFF比7. 5桁以上(ゲイ
ト電圧−15V/+15V、ドレイン電圧−10V)で
あった。
【0039】画素803の大きさは20μm×60μm
とし、マトリクスの規模は1920×480であった。
各画素の電荷保持特性を調べたところ、データ信号とし
て、−10Vを印加した時の最も悪いものは3msec
後の電圧で約−9Vであった。従って、本実施例ではマ
トリクスに印加する走査信号パルスの幅は1μsecと
しパルスの波高は−15V、データ信号は±15Vとし
た。
【0040】基板801、802の電極等が作製されて
いる面上には、配向膜1301を設けた。本実施例で使
用した配向膜はポリイミド系の樹脂RN−305(日産
化学(株)製)である。該配向膜は、原液(6%溶液)
もしくはn−メチル−2−ピロリドンを使用して希釈濃
度を2〜8倍ここでは4倍に希釈し、スピンコート法に
より塗布した。塗布した基板は300℃で2. 5時間加
熱して溶媒を乾燥させ塗膜を硬化させた。本条件で作製
した該配向膜は、膜厚が1000〜1500Åここでは
1000Å、1kHzの交流電界下の比誘電率が5〜7
ここでは6であった。次にこの基板上の該配向膜を、ナ
イロン等の布が巻いてあるローラーで900rpmの回
転数で一方向に擦った。次に前記基板を間隔1〜7μm
の無機製のスペーサーを間に挟んで加圧して挟んだ。こ
れら2枚の基板間に液晶材料807を注入した。
【0041】本実施例にて使用した液晶材料はチッソ
(株)製の強誘電性液晶、CS−1014である。この
液晶はその相系列がIso-N* -SmA-SmC* -Cryを取るもの
であり、その転移温度はIso−N* は81℃、N*
SmAは69℃、SmA−SmC* は54℃、SmC*
−Cryは−21℃であった。液晶セルの厚さは1. 6
μmとした。液晶の自発分極は5nC/cm2 であっ
た。液晶材料のしきい値は1Hz以下の矩形波を印加し
て電気光学特性を測定した結果、1Vであった。
【0042】本実施例の液晶表示装置を、平行かつ互い
の光軸の角度が90°に保った2枚の偏光板の間に挿入
し、画素電極間を短絡させた状態で表示装置を基板面に
対して垂直な方向を軸として回転させたところ、ある回
転角で消光位、即ち片方の偏光板に入射した光が、他方
の偏光板を透過せずあたかも光が遮断された様な状態が
得られた。このことは、液晶分子が電界を印加しないで
もすべて一方向に配向し、かつ図14に示すように液晶
材料の有する自発分極901が該液晶表示装置の基板8
01、802に対して垂直方向に配向していることを示
す。
【0043】次に、図10に本実施例の液晶表示装置の
画素電極間に電流特性を示す。液晶表示装置のコンデン
サーとしての電流成分301、および液晶材料が有する
自発分極が電界方向の変化に伴って反転するときに発生
する電流ピーク302以外は他の電流成分は見られな
い。
【0044】図11に本実施例の液晶表示装置により、
デジタル階調表示を行った時のパルス波形VG 、信号波
形VD 、画素電極間電圧VLCおよび画素透過率TLCを示
す。本実施例においては1フレームを5つのサブフレー
ムによって構成し、32階調の階調表示を行った。各サ
ブフレームの持続時間を第1サブフレームは179μs
ec、第2サブフレームは2. 87msec、第3サブ
フレームは358μs、第4サブフレームは1. 43m
sec、第5サブフレームは717μsとし、1フレー
ムは5. 5msecすなわち180Hzとした。図中T
0 は179μsecである。
【0045】図11に示すように電極間電圧が液晶材料
のしきい値よりも高い10Vで保持され、かつ透過光強
度が一定に保持されている。
【0046】以上の液晶表示装置によって、最大コント
ラスト比150、32階調の表示を得ることができた。
【0047】なお、本実施例では液晶材料として強誘電
性を示す液晶材料を使用した場合について記述したが、
反強誘電性を示す液晶材料を使用した場合でも同様の結
果が得られた。
【0048】〔比較例2〕実施例2に対する比較例とし
て、図12に1kHzの交流電界下の比誘電率が2〜3
であるナイロン系樹脂を配向膜として塗布した以外はす
べて実施例1と同一の構造である液晶表示装置につい
て、実施例2と同一の条件により該液晶表示装置を動作
させた場合のパルス波形VG 、信号波形VD 、画素電極
間電圧VLCおよび画素透過率TLCを示す。図12からも
分かるように透過光強度が一定に保持されない。このこ
とからも配向膜の比誘電率が大きい方が装置の特性を発
揮させるのに効果的であることが分かる。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、配向膜材料に比誘
電率の高い材料を使用することで、2ndピークを除去
でき、画素の透過光強度は一定に保持され、高コントラ
スト比を有しかつデジタル階調表示において明確な多階
調を有する液晶表示装置を得ることができた。さらに2
ndピークによる余分な電流消費が無くなったため、低
消費電力化することもできた。
【0050】また本発明の構成を、単純マトリクス型の
液晶表示装置に適用した場合においては、表示のメモリ
ー性が向上し、高コントラスト比が得られ、かつ反電界
を反転させる時間が必要ないため表示装置として高速化
できた。
【0051】特に階調表示については、例えば640×
400ドットの256,000個のTFTを100mm
角に作製した液晶表示装置に対し通常のネマチック液晶
を用いてアナログ的な階調表示を行った場合、TFTの
特性のばらつきの影響のため16階調表示が限界であっ
た。しかしながら、本発明によるデジタル階調表示を行
った場合、TFTの特性ばらつきの影響を受けにくくな
っており16階調以上の階調表示が可能となった。
【0052】実施例1及び実施例2においては、あくま
で表示例として32階調表示を行った場合のみ記述し
た。しかし、本発明における液晶材料は高速応答性に優
れた強誘電性もしくは反強誘電性を示す液晶材料を使用
しており、かつ本発明により、より高速化しても安定し
た透過光強度が得られるため、1サブフレームの最小単
位の時間について、実施例1および実施例2に示した1
79μs以下として32階調以上の表示を行っても液晶
材料の光学応答性にはなんら問題はないため64階調表
示のカラー表示も可能であり、その場合なんと16,7
77,216色の多彩であり微妙な色彩の表示が実現で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】強誘電性又は反強誘電性液晶を用いる液晶表示
装置の概略図を示す。
【図2】デジタル階調表示を行う液晶表示装置の走査電
極及び信号電極に印加される信号と、液晶画素電極間の
電極、液晶画素の透過率を示す。
【図3】スイッチング素子を有する液晶表示装置の電流
−印加電圧特性を示す。
【図4】スイッチング素子を有する液晶表示装置の画素
電極間電圧と2ndピーク電流の関係を示す。
【図5】スイッチング素子を有する液晶表示装置の透過
率と2ndピーク電流の関係を示す。
【図6】強誘電性を示す液晶材料の電気光学特性を示
す。
【図7】液晶表示装置の基板間に挟持されている液晶材
料の有する自発分極の配向状態を示す。
【図8】実施例1における液晶表示装置の概略図を示
す。
【図9】実施例1における液晶表示装置の基板間に挟持
されている液晶材料の自発分極の配向状態を示す。
【図10】実施例1及び2における液晶表示装置の液晶
画素電極間の電流−印加電圧特性を示す。
【図11】実施例1及び2における液晶表示装置を動作
させた場合の走査電極及び信号電極に印加される信号
と、液晶画素電極間の電極、液晶画素の透過率を示す。
【図12】比較例1及び比較例2における液晶表示装置
を動作させた場合の走査電極及び信号電極に印加される
信号と、液晶画素電極間の電極、液晶画素の透過率を示
す。
【図13】実施例2における液晶表示装置の概略図を示
す。
【図14】実施例2における液晶表示装置の基板間に挟
持されている液晶材料の自発分極の配向状態を示す。
【符号の説明】
101 基板 102 基板 103 電極 104 電極 105 液晶材料 106 配向処理を施した膜 301 電極間の容量としての電流成分 302 液晶材料の有する自発分極が、電界方向の
変化に伴い反転するときに発生する電流成分 303 2ndピーク電流 701 基板 702 基板 703 配向膜 704 液晶材料 705 液晶材料の有する自発分極の向き 801 基板 802 基板 803 画素電極 804 電極 805 薄膜トランジスタ 806 配向膜 807 液晶材料 808 絶縁膜 901 液晶材料の有する自発分極の向き 1301 配向膜
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02F 1/136 500 9119−2K

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1及び第2の基板からなる一対の基板
    の間に、強誘電性もしくは反強誘電性を示す液晶材料を
    挟持し、前記第1および第2の基板のそれぞれの内側に
    電極を有し、前記第1の基板及び/又は前記第2の基板
    の電極上に比誘電率が5以上の誘電体層を前記液晶材料
    に接して有することを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 第1及び第2の基板からなる一対の基板
    の間に、強誘電性もしくは反強誘電性を示す液晶材料を
    挟持し、前記第1および第2の基板のそれぞれの内側に
    電極を有し、前記第1の基板及び/又は前記第2の基板
    の電極上に比誘電率が5以上の誘電体層を前記液晶材料
    に接して有し、前記誘電体層は前記液晶材料に一軸配向
    性を有せしめる処理が施されていることを特徴とする液
    晶表示装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、誘電体層は酸化珪素
    及び酸化チタンから成ることを特徴とする液晶表示装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項2において、誘電体層はポリイミ
    ド系樹脂から成ることを特徴とする液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 第1及び第2の基板からなる一対の基板
    の間に、強誘電性もしくは反強誘電性を示す液晶材料を
    挟持し、前記第1および第2の基板のそれぞれの内側に
    電極を有し、第1の基板の電極は複数の画素電極よりな
    り、各々の画素電極はスイッチング素子に接続してお
    り、前記第1の基板及び/又は前記第2の基板の電極上
    に、比誘電率が5以上の誘電体層を前記液晶材料に接し
    て有することを特徴とする液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、スイッチング素子は
    薄膜トランジスタであることを特徴とする液晶表示装
    置。
  7. 【請求項7】 第1及び第2の基板からなる一対の基板
    の間に、強誘電性もしくは反強誘電性を示す液晶材料を
    挟持し、前記第1および第2の基板のそれぞれの内側に
    電極を有し、第1の基板の電極は複数の画素電極よりな
    り、各々の画素電極はスイッチング素子に接続してお
    り、前記第1の基板及び/又は前記第2の基板の電極上
    に、比誘電率が5以上の誘電体層を前記液晶材料に接し
    て有し、前記誘電体層は前記液晶材料に一軸配向性を有
    せしめる処理が施されていることを特徴とする液晶表示
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項7においてスイッチング素子は薄
    膜トランジスタであることを特徴とする液晶表示装置。
  9. 【請求項9】 請求項7または請求項8において、誘電
    体層は酸化珪素及び酸化チタンから成ることを特徴とす
    る液晶表示装置。
  10. 【請求項10】 請求項7または請求項8において、誘
    電体層はポリイミド系樹脂から成ることを特徴とする液
    晶表示装置。
  11. 【請求項11】 第1及び第2の基板からなる一対の基
    板の間に、強誘電性もしくは反強誘電性を示す液晶材料
    を挟持しており、前記第1の基板の内側には、信号電極
    と走査電極、該信号電極と走査電極の各交点のスイッチ
    ング素子、該素子の各々に接続された画素電極、を有
    し、前記第2の基板の内側には対向電極を有し、前記第
    1の基板及び/又は第2の基板の電極上に前記液晶材料
    に接する比誘電率が5以上の誘電体層を有することを特
    徴とする液晶表示装置。
  12. 【請求項12】 請求項11において、スイッチング素
    子は薄膜トランジスタであることを特徴とする液晶表示
    装置。
  13. 【請求項13】 請求項11または12において、誘電
    体層は酸化珪素及び酸化チタンから成り、液晶材料に一
    軸配向性を有せしめる処理が施されていることを特徴と
    する液晶表示装置。
  14. 【請求項14】 請求項11または12において、誘電
    体層はポリイミド系樹脂から成り、液晶材料に一軸配向
    性を有せしめる処理が施されていることを特徴とする液
    晶表示装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5936689A (en) * 1997-03-14 1999-08-10 Kabushiki Kaisha Toshiba Liquid crystal display device
KR100878218B1 (ko) * 2001-09-22 2009-01-13 삼성전자주식회사 액정표시장치
WO2012005681A1 (en) * 2010-07-09 2012-01-12 Orthocone Innovation Technologies Ab Liquid crystal device and a method for writing greyscale

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