JPH06280040A - 厚膜形成が可能な防食被覆組成物 - Google Patents

厚膜形成が可能な防食被覆組成物

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JPH06280040A
JPH06280040A JP9236392A JP9236392A JPH06280040A JP H06280040 A JPH06280040 A JP H06280040A JP 9236392 A JP9236392 A JP 9236392A JP 9236392 A JP9236392 A JP 9236392A JP H06280040 A JPH06280040 A JP H06280040A
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JP
Japan
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coating film
water
compound
composition
soluble
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JP9236392A
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English (en)
Inventor
Akihisa Hashimoto
明久 橋本
Tadayoshi Inoue
忠良 井上
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Nippon Dacro Shamrock Co Ltd
Original Assignee
Nippon Dacro Shamrock Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 厚膜形成が可能なクロメート防食被覆組成物
の提供。 【構成】 水溶性クロム酸化合物、亜鉛もしくはアルミ
ニウム単体またはその混合物ないしこれらの合金の粉
末、pH調整剤、水および290℃以上の沸点を有する
水可溶性のグリセロール化合物および/またはポリオキ
シアルキレン化合物の分散媒からなる金属防食被覆用組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は金属防食被覆用の組成物に
関する。
【従来技術とその問題点】金属(主として鉄鋼)防食の
ための被覆用組成物は種々のものが知られているが、一
つの有力なものは無水クロム酸と金属(主として亜鉛、
アルミニウム)とpH調整剤(金属の酸化物、水酸化
物)と分散溶媒であるオキソヒドロキシ低分子量エーテ
ル(ポリグリコール類)と水からなる組成物である。
【0002】この組成物は、通常無水クロム酸とpH調
整剤と水などを含む第一成分と金属粉末とオキソヒドロ
キシ低分子量エーテル(プロピレングリコールなど)など
を含む第二成分の組合せとして使用者に提供され、使用
前に混合して塗布され、金属表面に一定量(最終的に1
ミクロン程度の被覆層が形成される程度)塗布され、約
200℃以上の温度で少なくとも0.2秒加熱されて、
被覆膜に形成される。この組成物は、鉄鋼の塩水に対す
る防食皮膜として亜鉛メッキ処理などに比較して優れた
効果を発揮し、連続塩水噴霧試験でも長期に渡り優れた
性能を見せ、塩害対策に有効な防食処理として利用され
ている。
【0003】この組成物の防食機構は完全に解明されて
いるわけではないが、クロム酸化物(無水クロム酸の還
元生成物、主としてCr23)が金属粉末の結合剤(マ
トリックス)となって金属基体の表面に被覆層を形成
し、金属表面を不働態化作用により安定化する。また該
マトリックスはある程度の導電性を有し、またクロム酸
化物中に六価クロムが残存して金属粉末を活性に保ちこ
れらが金属粉末に犠牲保護作用を発揮させるものと考え
られている。しかしながらこの組成物に於て塗布量を厚
さで10ミクロン、重量で350mg/dm2以上になる
ように塗布すると塗膜に膨れ、あるいはクラックを生じ
密着性不良を生じる。更に既存技術に開示されているグ
リコール類、具体的にはエチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレン
グリコールあるいはジアセトンアルコールを配合した組
成物に於いては塗布量を厚さで10ミクロン、重量で3
50mg/dm2以上になるように塗布すると塗膜に膨
れ、あるいはクラックを生じ密着性不良を生じる。即ち
この既存技術に開示されている組成物ではより高耐食性
を要求される場合でも膜厚を10ミクロン以上に塗布す
ることが出来ない。
【0004】この発明は、上述の現状に鑑み、建材用
途、鉄道車両用途、船舶用途等、暴露におけるかかる要
求に対応するため10ミクロン以上の厚膜に塗布しても
塗膜に膨れ、あるいはクラックを生じないような、従っ
て厚膜に於いても密着性が劣らない組成物を提供するこ
とを目的とする。
【0005】本発明者らは、既存技術に開示されている
分散溶媒では加熱硬化過程に於て皮膜が形成されるとき
に表面乾きを起こし、皮膜内部に取り残された残存溶媒
が揮発するときにその乾いた表面の皮膜を押し上げるた
めにかかる現像を起こすものと考え、各種の分散溶媒を
検討したところ、既存技術に開示されているグリコール
類よりも高い沸点を有するグリセロール化合物やポリオ
キシエチレン化合物が有効であることがわかった。
【0006】
【発明の構成】本発明は水溶性クロム酸化合物、亜鉛も
しくはアルミニウム単体またはその混合物ないしこれら
の合金の粉末、pH調整剤、水および290℃以上の沸
点を有する水可溶性のグリセロール化合物および/また
はポリオキシアルキレン化合物の分散媒からなる金属防
食被覆用組成物を提供する。
【0007】本発明において水溶性クロム化合物として
は、無水クロム酸、クロム酸の水溶性金属塩及び重クロ
ム酸塩が使用可能であるが、一般的にいって無水クロム
酸が使用しやすく、クロム酸カルシウム、クロム酸マグ
ネシウム、重クロム酸亜鉛、重クロム酸カリウム、重ク
ロム酸ナトリウム、重クロム酸マグネシウム、重クロム
酸カルシウムなども使用することができる。また最終組
成物としてのpHが3〜6の範囲にあるのが好ましく、
そのために強酸性のクロム酸化合物の場合は、下記のp
H調整剤を加えることが有用である。
【0008】本発明の組成物において使用される沸点2
90℃以上の水可溶性ポオキシアルキレン化合物はテト
ラエチレングリコール、ポリオキシエチレン・アルキル
エーテル(例えば、「ディスパノールTOC」)、ポリオ
キシエチレン・アルキルフェノールエーテル(例えば、
「ノニオンNS220」)、およびオキシエチレン・オ
キシプロピレン・ブロックポリマー(例えば、「プロノ
ン204」)ならびにその混合物である。
【0009】これらの物質は、クロム酸に対して還元剤
として作用してクロム酸化物に変える作用を有するとと
もに本発明の組成物が金属基体表面に塗布されて加熱さ
れ、被覆膜を形成する途上において徐々に揮発して皮膜
の表面乾きを防止し、さらに溶剤の沸騰的揮発を防止し
て均一な防食層の形成を容易にする。
【0010】本発明においてクロム酸化合物の金属粉末
に対する比率(重量比)が0.05より小さくなると金属
微粉に対するバインダー部分である酸化合物が不足する
ために金属微粉間の空隙を充填して相互に結合し同時に
金属媒体面に結合させることが困難となり、密着性の悪
い被覆膜しか得られなくなる。一方この比が 1.0を越
えると金属粉末が余りにも多量の酸化合物の結合層中に
包み込まれて犠牲保護作用を発揮し得なくなる。好まし
くはこの比は0.08〜0.5である。
【0011】本発明において、水溶性クロム酸化合物が
強酸性の場合、前述したようにpH調整剤を用いること
が有用である。このpH調整剤は混合液のpHを3.0
〜6.0の間に調整し混合液の貯蔵安定性を最良の状態
に保ち金属微粉と液中の酸類が急激に反応して被覆膜の
密着性が劣化したり、外観が黒ずんだりするのを防止す
るために使用されるもので、リチウム、ストロンチウ
ム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、亜鉛、カド
ミウムのようなリチウムおよび2A族またはそれより数
値の大きい族の金属酸化物及び水酸化物から選べる。さ
きに述べたようにクロム酸化合物が強酸性でない場合に
は使用しなくてもよい。
【0012】本発明の組成物において、金属微粉末の懸
濁分散を助けるために、必要ならば湿潤剤としてのノニ
オン系界面活性剤、特にポリオキシエチレン・アルキル
フェノール化合物などを添加することができる。
【0013】本発明において組成物は最終混合状態にお
いて、全組成物を100%として、金属粉末10〜40
%、好ましくは15〜30%、クロム酸化合物1〜12
%、好ましくは2〜8%、水可溶性分散溶媒7〜30
%、好ましくは12〜20%含み、残部は必要に応じて
添加されるpH調整剤、添加剤および水およびもしくは
水と混合する溶剤である。
【0014】本発明の組成物は、前述のように酸化合物
と必要に応じて添加されるpH調整剤を水に溶解した第
一成分と金属粉末と水可溶性有機分散溶媒を混合した第
二成分として使用者に供給され、使用前に混合される。
【0015】被覆される金属基体は通常アルカリクリー
ナーまたは塩素系蒸気洗浄溶剤で予め脱脂される。塗布
はスプレー、ロールコート、浸漬塗装、浸漬後遠心振り
切りによって余滴を除去する方法、浸漬後振動によって
余滴を除去する方法、はけ塗りなどのいずれの方法によ
っても行なうことができる。
【0016】金属基体に塗布した混合液は熱風循環炉
(IDG燃焼炉または電気炉)、遠赤外線、赤外線加熱
炉、高周波誘導加熱炉またはこれらの組合せの中から選
択される加熱方法によって金属基体を180℃以上の温
度に少なくとも 0.2秒以上、好ましくは200℃以上
の温度に0.5秒以上、より好ましくは 260℃以上の
温度に0.5秒以上加熱される。 被覆される加熱処理さ
れた金属基体は室温まで放冷または強制空冷され、必要
ならば、繰り返し重ね塗りと加熱処理を行なうことがで
きる。
【0017】
【発明の具体的開示】次に実施例によって本発明を具体
的に説明するが、これらの実施例における塗膜の密着性
はセロファンの接着テープを試料に指の腹で強く押さえ
つけ、ついで急速に引きはがしてその時のセロファンテ
ープへの皮膜の付着度合により評価した。試験片は、7
0mm×150mm,0.8mm厚の軟鋼板であった。
【0018】実施例1 無水クロム酸が5.17%、オルトほう酸が1.72%、
pH調整剤として酸化カルシウム0.5%になるように
脱イオン水に溶解したものを用意する(これを第一成分
とする)。金属亜鉛フレークと金属アルミニウムフレー
クの80:20の重量比の混合物50部を界面活性剤
(ポリオキシエチレン・アルキルフェノール化合物型界
面活性剤)0.3部を混じたグリセロール(沸点290
℃)に分散して全量を100部とする(これを第二成分
とする)。第一、第二成分を重量比58:42の割合
で、前者を後者の中にゆっくり攪拌しながら注ぐことに
よって混合し、1夜室温で攪拌した。この混合液中で無
水クロム酸3%、オルトほう酸1%の濃度となる。得ら
れた混合液を、アルカリ洗浄し、スコッチブライトベリ
ーファイン研磨布(米国スリーエム社製)で十分研磨し
た軟鋼板にバーコーターで均一になるように塗布して電
気加熱式熱風循環炉中で軟鋼板温度が290℃に達して
から8分間保持するように加熱し、室内で放冷した。塗
布量は厚さ15ミクロン、塗布重量で450mg/dm
3であった。
【0019】実施例2 実施例1と同条件であるが、ただし分散媒として、ヘキ
サグリセロール(沸点295℃)を使用して塗膜を形成
した。 実施例3 実施例1と同条件であるが、ただし分散媒として、テト
ラエチレングリコール(TetraEG、沸点327
℃)を使用して塗膜を形成した。 実施例4 実施例1と同条件であるが、ただし分散媒として、ポリ
オキシエチレン・アルキエーテル(POEA)(日本油
脂(株)製)「ディスパノールTOC」沸点300℃以
上)を使用して塗膜を形成した。 実施例5 実施例1と同条件であるが、ただし分散媒として、ポリ
オキシエチレン・ノニルフェノールエーテル(POEN
P)(日本油脂(株)製「ノニオンNS220」、沸点3
00℃以上)を使用して塗膜を形成した。 実施例6 実施例1と同条件であるが、ただし分散媒として、オキ
シエチレン・オキシプロピレン・ブロックポリマー(P
OP)(日本油脂(株)製「プロノン204」、沸点30
0℃以上)を使用して塗膜を形成した。
【0020】比較例1 実施例1と同条件であるが、ただし分散媒としてジプロ
ピレングリコール(DPG)(沸点231.8℃)を使
用して塗膜を形成した。 比較例2 実施例7と同条件であるが、ただし分散媒としてトリエ
チレングリコール(TriEG、沸点287.4℃)を
使用した塗膜を形成した。このように塗膜を形成した試
験片について前述の試験を行なった。結果は次の表に示
してある。
【表1】 テープ密着性 分 散 媒 沸点(℃) 膜 厚 10μ 15μ ─────────────────────────────── 比較例1 DPG 231.8 1 1 比較例2 TriEG 287.4 3 1 実施例1 G 290 4 3 実施例2 6G 295 4 3 実施例3 TetraEG 327.3 5 5 実施例4 POEA 300以上 5 5 実施例5 POENP 300以上 5 5 実施例6 POP 300以上 5 5 ─────────────────────────────── 評 価 1:膨れ、クラックのため全面剥離 5:剥離全くなし (注) DPG :ジプロピレングリコール TriEG :トリエチレングリコール G :グリセロール 6G :ヘキサグリセロール TetraEG :テトラエチレングリコール POEA :ディスパノールTOC POENP :ノニオンNS−220 POP :プロノン204

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性クロム酸化合物、亜鉛もしくはア
    ルミニウム単体またはその混合物ないしこれらの合金の
    粉末、pH調整剤、水および290℃以上の沸点を有す
    る水可溶性のグリセロール化合物および/またはポリオ
    キシアルキレン化合物の分散媒からなる金属防食被覆用
    組成物。
JP9236392A 1992-03-19 1992-03-19 厚膜形成が可能な防食被覆組成物 Pending JPH06280040A (ja)

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Effective date: 20001215