JPH06279356A - 2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造方法 - Google Patents

2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造方法

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JPH06279356A
JPH06279356A JP5070141A JP7014193A JPH06279356A JP H06279356 A JPH06279356 A JP H06279356A JP 5070141 A JP5070141 A JP 5070141A JP 7014193 A JP7014193 A JP 7014193A JP H06279356 A JPH06279356 A JP H06279356A
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JP
Japan
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bromide
dmn
manganese
amount
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JP5070141A
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English (en)
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Norioki Mitsune
法興 三根
Hideo Nagaoka
秀男 長岡
Atsuhisa Maeda
敦央 前田
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 2,6−ジメチルナフタレンを分子状酸素に
より接触酸化し、効率的且つ高品質収率で2,6−ナフ
タレンジカルボン酸を製造する。 【構成】 コバルト、マンガン及び臭素を含む酸化触媒
の存在下、2,6−ジメチルナフタレンを連続的に反応
系に供給し、且つその供給量を時間当たり、反応液重量
の0.01〜0.1倍の範囲に制御して該反応を実施す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸(以下2,6−NDCAと略記することがあ
る)の製造方法に関するものである。2,6−NDCA
は、ポリエチレンナフタレート(PEN樹脂)などの高
機能性樹脂の原料として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】2,6−NDCAの製造法としては、例
えば2,6−ジアルキルナフタレンを脂肪族カルボン酸
溶媒中で酸化触媒の存在下に分子状酸素と接触酸化する
方法、ナフトエ酸をアルカリ塩として熱不均化する方法
(ヘンケル転移)等を挙げることができるが、現状では
前者の方法が収率(選択率)の点で優れているようであ
る。更に、2,6−ジアルキルナフタレンとしては、
2,6−ジメチルナフタレン(以下DMNと略すことが
ある)の方が2,6−ジエチルナフタレン及び2,6−
ジイソプロピルナフタレン(DIPNと略すことがあ
る)などに比べ、高品質の2,6−NDCAが高収率で
得られるようであり、この方法について種々の検討がな
されている。
【0003】前記接触酸化法に関する従来技術によれ
ば、高品質の2,6−NDCAを得るためには原料の
2,6−ジアルキルナフタレンの供給方法が重要な要素
の一つである。例えば、特公昭56−3337号公報で
は、DMNを酢酸100モルに対し1グラム原子以上の
量で反応器に一括仕込んで酸化反応が実施されている。
特開平2−164847号公報では、DIPNの供給速
度F(モル/時間)に対する全触媒金属量M(モル)
[M/F]を2〜6あるいは10以上に調節して酸化反
応が実施されている。また、ナフタレンジカルボン酸の
製造と類似技術である、テレフタル酸の製造において
も、p−キシレンの供給方法に関する技術が種々提案さ
れている(例えば、特公昭47−2622号、同56−
21016号及び同47−35899号公報)。これら
先行技術において、2,6−NDCAの製造技術はバッ
チ反応に関するものであり、より効率的な半回分式また
は連続式プロセスの参考とはならず、テレフタル酸の製
造技術についてはベンゼン骨格化合物であり、該技術を
DMNのようなナフタレン環骨格化合物の酸化には必ず
しも適用することはできない。また、DIPNの酸化技
術についても、DMNの酸化機構および触媒量などの反
応条件が異なっており、この技術もそのまま2,6−N
DCAの製造に適用することはできない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、DMNの分
子状酸素による酸化反応により、効率的且つ高品質の
2,6−NDCAを製造する方法を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題の解
決について種々検討を重ねたところ、原料DMNの供給
が特定の条件を満たすように制御されるならば、良好な
結果が得られることを見いだし、本発明を完成するに至
った。即ち、本発明は、2,6−ジメチルナフタレンを
溶媒中で、コバルト、マンガン及び臭素を含む酸化触媒
の存在下、分子状酸素により接触反応させて2,6−ナ
フタレンジカルボン酸を製造する方法において、2,6
−ジメチルナフタレンを連続的に反応系に供給し、且つ
その供給を時間当たり、反応液重量の0.01〜0.1
倍の範囲に制御して該反応を実施することを特徴とする
2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造方法である。
【0006】
【発明の具体的な説明】
(原料)本発明の出発原料であるDMNは、酸化反応に
支障のない純度を有しているものであればどのような方
法で製造されたものでも使用することができる。 (原料の供給方法)本発明による方法の特徴はDMNの
供給方法にある。本発明においてはDMNは連続的に反
応系に供給される。その際、DMNの時間当たりの供給
量(重量)を、反応液重量の0.01〜0.1倍の範囲
内に維持することが重要である。なお、反応液重量と
は、反応系に供給される原料、溶媒および触媒の合計重
量をいう。反応に使用すべきDMNを反応系に一括供給
した場合は、トリメリット酸などの不純物が副生し2,
6−NDCAの収率および品質が低下するばかりでな
く、酸化反応により発生する反応熱の制御も困難となり
好ましくない。また、DMNを連続的に供給するとして
も、その供給量が上記範囲未満であると反応効率が悪く
なるため経済的でなく、一方上記範囲を越えると上記し
た一括供給の場合と同様の問題を生じる。DMNは溶融
状態で反応系に供給してもよいが、反応溶媒に溶解して
供給することもできる。
【0007】(触媒)本発明で使用される触媒は、コバ
ルト、マンガン及び臭素を含有するものである。触媒成
分として用いられるコバルト化合物及びマンガン化合物
については特に制限はないが、例えばコバルト及びマン
ガンのギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マレイン
酸などの脂肪族カルボン酸塩;ナフテン酸などの脂環式
カルボン酸塩;安息香酸、テレフタル酸、ナフトエ酸、
ナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸塩;水
酸化物、酸化物、炭酸塩、ハロゲン化物などの無機塩類
を挙げることができる。これらの中で、特に酢酸塩及び
臭素化物が好ましい。コバルト化合物及びマンガン化合
物は反応に共存させて使用される。本発明による方法で
は、コバルト化合物とマンガン化合物の割合は、金属モ
ル比でコバルト:マンガンで5:1〜1:20、好まし
くは1:1〜1:10の範囲である。コバルト及びマン
ガンの使用量(合計金属モル量として)は、時間当たり
のDMN供給(モル)量の0.005〜0.5倍、殊に
0.01〜0.1倍の範囲であることが好ましい。即
ち、反応系に存在するコバルトおよびマンガンの合計量
(モル)に対するDMNの供給速度(モル/時)を10
〜100の範囲となるように設定することが好ましい。
この範囲未満では反応が著しく遅く、該範囲を越えると
DMNの燃焼等により2,6−NDCAの収率および品
質が低下して、さらに溶媒として使用された酢酸等の脂
肪族カルボン酸の燃焼も著しく、経済的に2,6−ND
CAを製造することが困難となる。
【0008】触媒成分中に含まれる臭素化合物として
は、例えば、分子状臭素、臭化水素、アルカリ金属臭化
物、アルキル土類金属臭化物、臭化水素酸塩等の無機臭
素化合物、または臭化メチル、臭化エチル、プロモホル
ム、臭化エチレン、プロモ酢酸などの有機臭素化合物を
例示することができる。これらの中でも、臭化水素、臭
化ナトリウム、臭化カリウムまたは臭化アンモニウムが
好ましい。臭素化合物の臭素原子としての使用量は、溶
媒中に含まれるコバルト及びマンガン原子の合計モル数
に対し、0.05〜10モル倍、好ましくは0.1〜5モ
ル倍の範囲である。
【0009】(溶媒)溶媒としては、酢酸、プロピオン
酸、酪酸等の脂肪族カルボン酸を単独、あるいはこれら
脂肪族カルボン酸にベンゼン等の芳香族化合物、ヘキサ
ン等の脂肪族化合物などいわゆる有機溶媒を混合した混
合溶媒として用いてもかまわない。混合溶媒を用いる場
合には、混合溶媒中に占める脂肪族カルボン酸の割合は
特に制限はないが、好ましくは25重量%以上、さらに
好ましくは50重量%以上である。特に好ましい溶媒
は、炭素数2〜4の脂肪族カルボン酸、例えば酢酸、プ
ロピオン酢酸、酪酸である。溶媒の使用量は、反応生成
物の2,6−NDCA1重量部に対し、1〜50重量
部、好ましくは2.5〜25重量部である。これより少
ない量では溶媒に不溶の2,6−NDCAのスラリー濃
度が高くなって撹拌が困難となり、色相等の品質も低下
する。また、これより多い溶媒量では生産効率が著しく
低下する。
【0010】(分子状酸素)分子状酸素としては、純酸
素の他、純酸素を窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活
性ガスで任意の濃度に希釈したものでも使用できるが、
空気で十分である。
【0011】(反応条件)本発明の方法では、半回分式
および連続式のいずれの方式でも実施することができ
る。なお、本発明でいう「半回分式」とは、原料を連続
的に反応系に供給して反応させるが、反応生成物は連続
的には反応系外に取り出さずに、原料の供給を停止しそ
して反応終了後に生成物を取り出す反応方式を指す。半
回分式で反応を実施する場合の典型的な方法を示すと、
溶媒および触媒を反応器に仕込み、これに分子状酸素含
有ガスを吹き込みながら、所定の温度及び圧力でDMN
を溶融または溶解状態で連続的に供給し、所定量のDM
Nを供給した後、一定時間酸素含有ガスを吹き込みを続
け反応を完結させる。連続式で反応を実施する場合の典
型的な方法を示すと、溶融または溶解状態のDMN及び
触媒を溶解した溶媒を所定の速度で反応器に連続的に供
給し、これに所定の温度及び圧力で酸素含有ガスを吹き
込むとともに、反応器内の液量を一定に保つように生成
物を連続的に反応系外に連続的に抜き出しながら酸素反
応を行う。反応温度は、好ましくは150〜220℃の
範囲であり、反応温度がこれ未満であると反応速度が著
しく遅くなるため好ましくなく、これを越える温度で
は、溶媒や原料の燃焼による損失が増加するため好まし
くない。反応圧力には特に制限はないが、反応速度を考
慮すると、気相中の酸素分圧が絶対圧で0.2〜10kg/
cm2となるような圧力が好ましい。
【0012】(生成物の分離)目的生成物である2,6
−NDCAは、溶媒に対する溶解度が極めて低くその殆
どが固体として析出するので、反応終了後、反応混合物
を冷却して濾別することにより回収することができる。
一方、触媒及び未反応の原料やその酸化中間体は溶媒に
可溶であるので、濾過によって回収された濾液は反応や
濾過操作で失われた触媒を必要量補充するだけで繰り返
し使用することができる。
【0013】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳し
く説明する。 実施例1 還流冷却装置、ガス導入管、原料送液ポンプ、背圧調整
器および誘導撹拌機を備えた5L容量のチタン製オート
クレーブに酢酸2250g、酢酸コバルト4水和物 1.
59g(6.4mmol Co)、酢酸マンガン4水和物 1.56g
(6.4mmol Mn)、臭化カリウム 0.95g(8.0mmol)を
仕込み、窒素で反応系内を置換し、背圧調整器で系内の
圧力が30kg/cm2Gとなるように調整した。反応器内の
温度が200℃になるまで加熱し、空気を30NL/分
で内圧が30kg/cm2Gに保たれるように供給した。系内
が安定したところで140℃に加熱溶融したDMN 2
00g(1.28mol)を2時間かけて連続供給した[反
応液重量に対するDMNの毎時供給量は0.041(反
応最終)〜0.044(反応初期)に相当する]。原料
DMNの供給終了後、系内を200℃、30kg/cm2Gに
保ったまま1時間空気の供給を続けた。反応終了後、オ
ートクレーブを室温まで冷却し、析出した固形物を濾過
して回収し、温水600gで洗浄した。固形物を乾燥し
たところ、淡いクリーム色の固体状2,6−NDCA
255gが得られた。NDCA純度は99.7%、収率
は92%であった。
【0014】比較例1 2,6−DMNの供給を30分間で行った[反応液重量
に対するDMNの毎時供給量は0.164(反応最終)
〜0.176(反応初期)に相当する]以外は、実施例
1と同様に反応を行ったところ、小豆色の固形物219
gが得られた。このものの2,6−NDCA純度は86
%、収率68%であった。
【0015】実施例2 実施例1と同じ反応装置に、酢酸2250g、酢酸コバ
ルト4水和物 15.9g(64mmol)、酢酸マンガン4水
和物 15.6g(64mmol)、臭化カリウム 9.5g(80m
mol)を仕込み、窒素で反応系内を置換し、背圧調整器
で系内の圧力が0kg/cm2Gとなるように調整した。系内
が安定したところで140℃に加熱溶融したDMN 2
00g(1.28mol)を2時間かけて連続供給した[反
応液重量に対するDMNの毎時供給量は0.040(反
応最終)〜0.044(反応初期)に相当する]。原料
DMNの供給終了後、系内を200℃、30kg/cm2Gに
保ったまま1時間空気の供給を続けた。反応終了後、オ
ートクレーブを室温まで冷却し、析出した固形物を濾過
して回収し、温水600gで洗浄した。固形物を乾燥し
たところ、淡いクリーム色の固体状2,6−NDCA2
43gが得られた。NDCA純度は97.0%、収率は
85%であった。
【0016】実施例3 反応温度を230℃とした以外は実施例1と同様に反応
を行った結果、薄茶色の固体245gが得られた。2,
6−NDCAの純度は95%であり、収率は84%であ
った。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2,6−ジメチルナフタレンを溶媒中
    で、コバルト、マンガン及び臭素を含む酸化触媒の存在
    下、分子状酸素により接触反応させて2,6−ナフタレ
    ンジカルボン酸を製造する方法において、2,6−ジメ
    チルナフタレンを連続的に反応系に供給し、且つその供
    給量を時間当たり、反応液重量の0.01〜0.1倍の
    範囲に制御して該反応を実施することを特徴とする2,
    6−ナフタレンジカルボン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記酸化触媒がコバルトの酢酸塩または
    臭素化物、マンガンの酢酸塩または臭素化物、および臭
    素化合物を含有するものである請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記臭素化合物が臭化水素、臭化ナトリ
    ウム、臭化カリウムおよび臭化アンモニウムからなる群
    から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項2に
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記触媒におけるコバルトおよびマンガ
    ン原子の合計モル量が、時間当たりの2,6−ジメチル
    ナフタレン供給量(モル)の0.005〜0.5倍の範
    囲である請求項1または2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記反応が150〜220℃の温度で実
    施される請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
JP5070141A 1993-03-29 1993-03-29 2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造方法 Pending JPH06279356A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030072789A (ko) * 2002-03-06 2003-09-19 주식회사 효성 2,6-나프탈렌디카복실산의 제조방법
KR100623849B1 (ko) * 1998-12-24 2006-12-19 에스케이케미칼주식회사 2,6-나프탈렌디카르복실산의 제조방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100623849B1 (ko) * 1998-12-24 2006-12-19 에스케이케미칼주식회사 2,6-나프탈렌디카르복실산의 제조방법
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