JPH06279355A - 2,6−ナフタレンジカルボン酸の精製法 - Google Patents
2,6−ナフタレンジカルボン酸の精製法Info
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- JPH06279355A JPH06279355A JP6870593A JP6870593A JPH06279355A JP H06279355 A JPH06279355 A JP H06279355A JP 6870593 A JP6870593 A JP 6870593A JP 6870593 A JP6870593 A JP 6870593A JP H06279355 A JPH06279355 A JP H06279355A
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- solvent
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 粗2,6−ナフタレンジカルボン酸を極性有
機溶媒に溶解し、次いでこれに水、低級脂肪族カルボン
酸又は低級アルコールを添加して2,6−ナフタレンジ
カルボン酸を析出させる2,6−ナフタレンジカルボン
酸の精製法。 【効果】 室温付近で操作を行うことができるため再結
晶法の様な温度上下が不要であり、しかも酸やアルカリ
を使用しないためこれらの後処理が不要で、精製物回収
後の処理は有機溶媒と析出溶媒の簡単な蒸留分離のみ
で、回収率に優れ、高純度の2,6−NDCAを得るこ
とができる。
機溶媒に溶解し、次いでこれに水、低級脂肪族カルボン
酸又は低級アルコールを添加して2,6−ナフタレンジ
カルボン酸を析出させる2,6−ナフタレンジカルボン
酸の精製法。 【効果】 室温付近で操作を行うことができるため再結
晶法の様な温度上下が不要であり、しかも酸やアルカリ
を使用しないためこれらの後処理が不要で、精製物回収
後の処理は有機溶媒と析出溶媒の簡単な蒸留分離のみ
で、回収率に優れ、高純度の2,6−NDCAを得るこ
とができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸の精製法に関する。
カルボン酸の精製法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】2,6
−ナフタレンジカルボン酸(以下、2,6−NDCAと
略す)は、通常、2,6−ジアルキルナフタレン、2−
アルキル−6−アシルナフタレンなどを氷酢酸中、コバ
ルト又はマンガン触媒と臭素触媒の存在下、高温・高圧
で空気酸化することにより製造されている。しかしなが
ら、このような酸化反応により得られる2,6−NDC
Aは、副生するアルデヒドやケトン類、臭素化誘導体、
酸化重合体、着色物質を相当量含んでいるのが常であっ
た。そして、このような不純物を含む2,6−NDCA
を、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリエステ
ル、ポリアミド等の製造原料として使用した場合、得ら
れるポリマーの重合度が低下したり、ポリマーから作ら
れるフィルムや繊維の耐熱性等の物性が低下したり、着
色して品質が低下するなどの問題があった。
−ナフタレンジカルボン酸(以下、2,6−NDCAと
略す)は、通常、2,6−ジアルキルナフタレン、2−
アルキル−6−アシルナフタレンなどを氷酢酸中、コバ
ルト又はマンガン触媒と臭素触媒の存在下、高温・高圧
で空気酸化することにより製造されている。しかしなが
ら、このような酸化反応により得られる2,6−NDC
Aは、副生するアルデヒドやケトン類、臭素化誘導体、
酸化重合体、着色物質を相当量含んでいるのが常であっ
た。そして、このような不純物を含む2,6−NDCA
を、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリエステ
ル、ポリアミド等の製造原料として使用した場合、得ら
れるポリマーの重合度が低下したり、ポリマーから作ら
れるフィルムや繊維の耐熱性等の物性が低下したり、着
色して品質が低下するなどの問題があった。
【0003】このため、2,6−NDCAの純度を99
%以上の高純度及び白色にすることが要求されており、
従来、アルカリ水溶液を用いる精製法(特公昭52−2
0993号、特開昭48−68554号、特開昭50−
160248号、特開昭50−105639号等)が行
われている。しかし、これらの精製法では、大量の酸及
びアルカリを使用するため、精製後のアルカリの処理に
大変な労力が必要となり、工業的に不利なものであっ
た。
%以上の高純度及び白色にすることが要求されており、
従来、アルカリ水溶液を用いる精製法(特公昭52−2
0993号、特開昭48−68554号、特開昭50−
160248号、特開昭50−105639号等)が行
われている。しかし、これらの精製法では、大量の酸及
びアルカリを使用するため、精製後のアルカリの処理に
大変な労力が必要となり、工業的に不利なものであっ
た。
【0004】また、これらの精製法の欠点を解決すべ
く、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシドの有機溶媒を用い
て再結晶を行う方法(特開昭62−230747号)が
提案されている。しかしながら、この方法では精製2,
6−NDCAの純度を高くするために、回収率を低く抑
えなければならず、工業的に不利であるという問題があ
った。従って、簡単な操作で工業的に有利に高純度の
2,6−NDCAを得る方法が望まれていた。
く、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシドの有機溶媒を用い
て再結晶を行う方法(特開昭62−230747号)が
提案されている。しかしながら、この方法では精製2,
6−NDCAの純度を高くするために、回収率を低く抑
えなければならず、工業的に不利であるという問題があ
った。従って、簡単な操作で工業的に有利に高純度の
2,6−NDCAを得る方法が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意研究を行った結果、粗2,6−NDCA
を極性有機溶媒に溶解すれば、精製後は蒸留等の簡単な
操作により該有機溶媒を分離回収するだけでよく、さら
に2,6−NDCAを溶媒より析出させるために水、低
級脂肪族カルボン酸又は低級アルコールを用いれば、精
製2,6−NDCA析出後は簡単な濾過等により高純度
2,6−NDCAを高い回収率で得られることを見い出
し、本発明を完成した。
発明者らは鋭意研究を行った結果、粗2,6−NDCA
を極性有機溶媒に溶解すれば、精製後は蒸留等の簡単な
操作により該有機溶媒を分離回収するだけでよく、さら
に2,6−NDCAを溶媒より析出させるために水、低
級脂肪族カルボン酸又は低級アルコールを用いれば、精
製2,6−NDCA析出後は簡単な濾過等により高純度
2,6−NDCAを高い回収率で得られることを見い出
し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、粗2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸を極性有機溶媒に溶解し、次いでこれに
水、低級脂肪族カルボン酸又は低級アルコールを添加し
て2,6−ナフタレンジカルボン酸を析出させることを
特徴とする2,6−ナフタレンジカルボン酸の精製法を
提供するものである。
ンジカルボン酸を極性有機溶媒に溶解し、次いでこれに
水、低級脂肪族カルボン酸又は低級アルコールを添加し
て2,6−ナフタレンジカルボン酸を析出させることを
特徴とする2,6−ナフタレンジカルボン酸の精製法を
提供するものである。
【0007】本発明において、精製の対象となる粗2,
6−ナフタレンジカルボン酸は、どのような方法により
得られたものでもよく、例えば2,6−ジアルキルナフ
タレンを低級脂肪族モノカルボン酸の溶媒中で、コバル
ト又はマンガンと臭素からなる触媒の存在下に分子状酸
素を含有するガスにより酸化して得られる粗2,6−N
DCA等が挙げられる。
6−ナフタレンジカルボン酸は、どのような方法により
得られたものでもよく、例えば2,6−ジアルキルナフ
タレンを低級脂肪族モノカルボン酸の溶媒中で、コバル
ト又はマンガンと臭素からなる触媒の存在下に分子状酸
素を含有するガスにより酸化して得られる粗2,6−N
DCA等が挙げられる。
【0008】本発明で用いられる極性有機溶媒として
は、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチ
ル−2−ピロリドン等が挙げられ、これらの1種又は2
種以上を組合わせて用いることができる。これらの極性
有機溶媒に粗2,6−NDCAを溶解する際の温度は特
に制限されず、例えば各有機溶媒の常圧での沸点以下で
ある0〜202℃、好ましくは10〜80℃で行うこと
ができ、回収率及び純度、経済性等の面から、特に室温
付近の10〜30℃が好ましく、ジメチルスルホキシド
の場合は20〜30℃が好ましい。溶解温度が高すぎる
と溶媒の損失を招き、低すぎると粗2,6−NDCAの
溶媒への溶解度が低く多量の有機溶媒が必要となるため
好ましくない。
は、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチ
ル−2−ピロリドン等が挙げられ、これらの1種又は2
種以上を組合わせて用いることができる。これらの極性
有機溶媒に粗2,6−NDCAを溶解する際の温度は特
に制限されず、例えば各有機溶媒の常圧での沸点以下で
ある0〜202℃、好ましくは10〜80℃で行うこと
ができ、回収率及び純度、経済性等の面から、特に室温
付近の10〜30℃が好ましく、ジメチルスルホキシド
の場合は20〜30℃が好ましい。溶解温度が高すぎる
と溶媒の損失を招き、低すぎると粗2,6−NDCAの
溶媒への溶解度が低く多量の有機溶媒が必要となるため
好ましくない。
【0009】有機溶媒量は上記温度において粗2,6−
NDCAを溶解するのに必要な最低限量以上を用いれば
よく、例えば所定量の粗2,6−NDCAに有機溶媒を
添加してゆき、完全に溶解した所で有機溶媒の添加を止
めるなどの方法により溶解すればよい。溶媒量を多くし
ても操作性が悪くなるのみで、工業的利点はない。な
お、2,6−NDCAの溶解度は表1に示すとおりであ
る。
NDCAを溶解するのに必要な最低限量以上を用いれば
よく、例えば所定量の粗2,6−NDCAに有機溶媒を
添加してゆき、完全に溶解した所で有機溶媒の添加を止
めるなどの方法により溶解すればよい。溶媒量を多くし
ても操作性が悪くなるのみで、工業的利点はない。な
お、2,6−NDCAの溶解度は表1に示すとおりであ
る。
【0010】
【表1】
【0011】次いで、粗2,6−NDCAを有機溶媒に
溶解して得た溶液に、水、低級脂肪族カルボン酸又は低
級アルコール(以下、析出溶媒という)を加えることに
より2,6−NDCAを析出させる。ここで用いられる
析出溶媒のうち低級脂肪族カルボン酸としては、例えば
酢酸、プロピオン酸、酪酸等を挙げることができ、低級
アルコールとしては、炭素数が1〜4のもの、例えばメ
タノール、エタノール、イソプロピルアルコール等を挙
げることができる。
溶解して得た溶液に、水、低級脂肪族カルボン酸又は低
級アルコール(以下、析出溶媒という)を加えることに
より2,6−NDCAを析出させる。ここで用いられる
析出溶媒のうち低級脂肪族カルボン酸としては、例えば
酢酸、プロピオン酸、酪酸等を挙げることができ、低級
アルコールとしては、炭素数が1〜4のもの、例えばメ
タノール、エタノール、イソプロピルアルコール等を挙
げることができる。
【0012】加える析出溶媒は、粗2,6−NDCAを
溶解した有機溶媒に対して1〜20重量倍、特に2〜1
0重量倍であるのが好ましい。析出溶媒量が多すぎると
析出物と溶媒との分離操作が煩雑になり、少なすぎると
回収率、純度ともに低下するので好ましくない。析出溶
媒は水単独又は低級脂肪族カルボン酸単独又は低級アル
コール単独で用いることができるが、これらの混合物を
用いることもできる。混合物として用いる場合、その割
合はいかなる範囲のものも用いることができるが、析出
溶媒中の水の割合が多い方が、低級脂肪族カルボン酸又
は低級アルコールの割合が多い場合に比べて、精製物の
純度がよくなる。
溶解した有機溶媒に対して1〜20重量倍、特に2〜1
0重量倍であるのが好ましい。析出溶媒量が多すぎると
析出物と溶媒との分離操作が煩雑になり、少なすぎると
回収率、純度ともに低下するので好ましくない。析出溶
媒は水単独又は低級脂肪族カルボン酸単独又は低級アル
コール単独で用いることができるが、これらの混合物を
用いることもできる。混合物として用いる場合、その割
合はいかなる範囲のものも用いることができるが、析出
溶媒中の水の割合が多い方が、低級脂肪族カルボン酸又
は低級アルコールの割合が多い場合に比べて、精製物の
純度がよくなる。
【0013】析出溶媒を加える際の温度は特に制限され
ないが、析出溶媒の沸点以下である0〜115℃が好ま
しく、操作性などを考慮すれば、特に室温付近の10〜
30℃が好ましい。析出した2,6−NDCAは、濾
過、乾燥等、通常の方法により分離、回収することがで
きる。
ないが、析出溶媒の沸点以下である0〜115℃が好ま
しく、操作性などを考慮すれば、特に室温付近の10〜
30℃が好ましい。析出した2,6−NDCAは、濾
過、乾燥等、通常の方法により分離、回収することがで
きる。
【0014】また、本発明においては、粗2,6−ND
CAを極性有機溶媒に溶解させ、再度析出溶媒により析
出させる前に、活性炭による吸着処理を行うことができ
る。ここで用いられる活性炭としては、例えば粒状、顆
粒状、球状、破砕状及び粉末状のいずれの形状のものも
使用できるが、表面積が大きいことから、特に粉末状の
ものが好ましい。処理方法は、例えば上述の条件に従
い、極性有機溶媒に粗2,6−NDCAを溶解して得ら
れた溶液に活性炭を混合し、30分以上攪拌してから活
性炭を濾過等により除去するか、あるいは該溶液を活性
炭充填層の中を通すことにより行うのが好ましい。ま
た、活性炭による吸着処理時の温度は15〜60℃、特
に室温付近の10〜30℃が好ましい。吸着処理終了
後、析出溶媒を加えて2,6−NDCAを析出させ、分
離することにより、精製2,6−NDCAを得ることが
できる。
CAを極性有機溶媒に溶解させ、再度析出溶媒により析
出させる前に、活性炭による吸着処理を行うことができ
る。ここで用いられる活性炭としては、例えば粒状、顆
粒状、球状、破砕状及び粉末状のいずれの形状のものも
使用できるが、表面積が大きいことから、特に粉末状の
ものが好ましい。処理方法は、例えば上述の条件に従
い、極性有機溶媒に粗2,6−NDCAを溶解して得ら
れた溶液に活性炭を混合し、30分以上攪拌してから活
性炭を濾過等により除去するか、あるいは該溶液を活性
炭充填層の中を通すことにより行うのが好ましい。ま
た、活性炭による吸着処理時の温度は15〜60℃、特
に室温付近の10〜30℃が好ましい。吸着処理終了
後、析出溶媒を加えて2,6−NDCAを析出させ、分
離することにより、精製2,6−NDCAを得ることが
できる。
【0015】本発明により精製された2,6−NDCA
は、本発明の精製法のみでも実用にたえ得る程度の高純
度のものであるが、さらに同様の操作を繰り返すか、あ
るいは他の精製方法、例えば再結晶等と組合わせること
により精製効果を一層高めることができる。
は、本発明の精製法のみでも実用にたえ得る程度の高純
度のものであるが、さらに同様の操作を繰り返すか、あ
るいは他の精製方法、例えば再結晶等と組合わせること
により精製効果を一層高めることができる。
【0016】
【発明の効果】本発明の精製法は、温度による溶解度差
ではなく、溶媒への溶解度差すなわち、2,6−NDC
Aは、極性有機溶媒に溶解するが、水又は低級脂肪族カ
ルボン酸又は低級アルコールには不溶であるのに対し、
着色物質などの不純物は水又は低級脂肪族カルボン酸又
は低級アルコールに溶解することを利用するものであ
る。そして、室温付近で操作を行うことができるため再
結晶法の様な温度の上下が不要であり、しかも酸やアル
カリを使用しないためこれらの後処理が不要で、精製物
回収後の処理は有機溶媒と析出溶媒の簡単な蒸留分離の
みで、回収率に優れ、高純度の2,6−NDCAを得る
ことができる。
ではなく、溶媒への溶解度差すなわち、2,6−NDC
Aは、極性有機溶媒に溶解するが、水又は低級脂肪族カ
ルボン酸又は低級アルコールには不溶であるのに対し、
着色物質などの不純物は水又は低級脂肪族カルボン酸又
は低級アルコールに溶解することを利用するものであ
る。そして、室温付近で操作を行うことができるため再
結晶法の様な温度の上下が不要であり、しかも酸やアル
カリを使用しないためこれらの後処理が不要で、精製物
回収後の処理は有機溶媒と析出溶媒の簡単な蒸留分離の
みで、回収率に優れ、高純度の2,6−NDCAを得る
ことができる。
【0017】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をさらに説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。なお、以下の実施例において、2,6−NDCAの
純度分析は高速液体クロマトグラフィーで行い、また着
色成分は25重量%メチルアミン水溶液20mlに試料1
gを溶解し、25重量%メチルアミン水溶液を対照液と
して10mmの石英セルを用いて400nm波長の光学純度
(OD値)を測定することにより分析した。
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。なお、以下の実施例において、2,6−NDCAの
純度分析は高速液体クロマトグラフィーで行い、また着
色成分は25重量%メチルアミン水溶液20mlに試料1
gを溶解し、25重量%メチルアミン水溶液を対照液と
して10mmの石英セルを用いて400nm波長の光学純度
(OD値)を測定することにより分析した。
【0018】実施例1 還流冷却器、ガス吹き込み管、温度測定管及び攪拌機を
有するチタン製300mlオートクレーブに氷酢酸150
g、酢酸コバルト4水塩0.5g、酢酸マンガン4水塩
0.5g、臭化アンモニウム0.25g及び2,6−ジ
メチルナフタレン1.7gを入れ、175〜185℃で
攪拌しながら30kg/cm2 で空気を吹き込み、30分間
反応させた。反応終了後、室温まで冷却し析出した結晶
を濾過し、酢酸及び水で洗浄後、真空乾燥して純度98
%の粗2,6−NDCA 2.2gを得た。着色成分の
含有量を示す25%メチルアミン水溶液のOD値は1.
28であった。このようにして得られた粗2,6−ND
CA 2.2gにN,N−ジメチルアセトアミドを徐々
に加えてゆき、室温25℃で完全に溶解するのに75g
を要した。この溶液に水400gを攪拌しながら徐々に
加えると白濁し、2,6−NDCAが析出した。この析
出物を濾過し減圧乾燥すると、2.1gの2,6−ND
CAが得られた。その純度は99.5%で、粗2,6−
NDCAに対する回収率は95.5%であった。着色成
分の含有量を表す25%メチルアミン水溶液のOD値は
0.12であった。
有するチタン製300mlオートクレーブに氷酢酸150
g、酢酸コバルト4水塩0.5g、酢酸マンガン4水塩
0.5g、臭化アンモニウム0.25g及び2,6−ジ
メチルナフタレン1.7gを入れ、175〜185℃で
攪拌しながら30kg/cm2 で空気を吹き込み、30分間
反応させた。反応終了後、室温まで冷却し析出した結晶
を濾過し、酢酸及び水で洗浄後、真空乾燥して純度98
%の粗2,6−NDCA 2.2gを得た。着色成分の
含有量を示す25%メチルアミン水溶液のOD値は1.
28であった。このようにして得られた粗2,6−ND
CA 2.2gにN,N−ジメチルアセトアミドを徐々
に加えてゆき、室温25℃で完全に溶解するのに75g
を要した。この溶液に水400gを攪拌しながら徐々に
加えると白濁し、2,6−NDCAが析出した。この析
出物を濾過し減圧乾燥すると、2.1gの2,6−ND
CAが得られた。その純度は99.5%で、粗2,6−
NDCAに対する回収率は95.5%であった。着色成
分の含有量を表す25%メチルアミン水溶液のOD値は
0.12であった。
【0019】実施例2 実施例1と同様な操作により得た純度98%の粗2,6
−NDCA 2.2gを75%のN,N−ジメチルアセ
トアミドに溶解させた後、1gの粉末活性炭を加え30
分間攪拌した。次いで活性炭を濾過し、濾液を分離回収
した。この溶液に水400gを攪拌しながら徐々に加え
ると白濁し、2,6−NDCAが析出した。この析出物
を濾過し減圧乾燥すると、2.0gの2,6−NDCA
が得られた。その純度は99.7%で、粗2,6−ND
CAに対する回収率は90.9%であった。着色成分の
含有量を表す25%メチルアミン水溶液のOD値は0.
085であった。
−NDCA 2.2gを75%のN,N−ジメチルアセ
トアミドに溶解させた後、1gの粉末活性炭を加え30
分間攪拌した。次いで活性炭を濾過し、濾液を分離回収
した。この溶液に水400gを攪拌しながら徐々に加え
ると白濁し、2,6−NDCAが析出した。この析出物
を濾過し減圧乾燥すると、2.0gの2,6−NDCA
が得られた。その純度は99.7%で、粗2,6−ND
CAに対する回収率は90.9%であった。着色成分の
含有量を表す25%メチルアミン水溶液のOD値は0.
085であった。
【0020】実施例3 2,6−NDCAの析出溶媒として水の代わりに酢酸を
用いる以外は実施例2と同様に行った。その結果、2.
05gの2,6−NDCAが得られ、その純度は99.
6%で、粗2,6−NDCAに対する回収率は93.2
%であった。着色成分の含有量を表す25%メチルアミ
ン水溶液のOD値は0.090であった。
用いる以外は実施例2と同様に行った。その結果、2.
05gの2,6−NDCAが得られ、その純度は99.
6%で、粗2,6−NDCAに対する回収率は93.2
%であった。着色成分の含有量を表す25%メチルアミ
ン水溶液のOD値は0.090であった。
【0021】実施例4 2,6−NDCAの析出溶媒として水の代わりにメタノ
ールを用いる以外は実施例2と同様に行った。その結
果、1.95gの2,6−NDCAが得られ、その純度
は99.5%で、粗2,6−NDCAに対する回収率は
88.6%であった。着色成分の含有量を表す25%メ
チルアミン水溶液のOD値は0.100であった。
ールを用いる以外は実施例2と同様に行った。その結
果、1.95gの2,6−NDCAが得られ、その純度
は99.5%で、粗2,6−NDCAに対する回収率は
88.6%であった。着色成分の含有量を表す25%メ
チルアミン水溶液のOD値は0.100であった。
【0022】実施例5 2,6−NDCAの析出溶媒として水の代わりに50%
酢酸水溶液を用いる以外は実施例2と同様に行った。そ
の結果、2.05gの2,6−NDCAが得られ、その
純度は99.6%で、粗2,6−NDCAに対する回収
率は93.2%であった。着色成分の含有量を表す25
%メチルアミン水溶液のOD値は0.090であった。
酢酸水溶液を用いる以外は実施例2と同様に行った。そ
の結果、2.05gの2,6−NDCAが得られ、その
純度は99.6%で、粗2,6−NDCAに対する回収
率は93.2%であった。着色成分の含有量を表す25
%メチルアミン水溶液のOD値は0.090であった。
【0023】実施例6 粗2,6−NDCAを溶解させる有機溶媒としてN,N
−ジメチルアセトアミドの代わりにN−メチル−2−ピ
ロリドンを用いる以外は実施例2と同様に行った。その
際、粗2,6−NDCA 2.2gを溶解するのに50
gを要した。その結果、2.0gの2,6−NDCAが
得られ、その純度は99.5%で、粗2,6−NDCA
に対する回収率は90.9%であった。着色成分の含有
量を表す25%メチルアミン水溶液のOD値は0.08
7であった。
−ジメチルアセトアミドの代わりにN−メチル−2−ピ
ロリドンを用いる以外は実施例2と同様に行った。その
際、粗2,6−NDCA 2.2gを溶解するのに50
gを要した。その結果、2.0gの2,6−NDCAが
得られ、その純度は99.5%で、粗2,6−NDCA
に対する回収率は90.9%であった。着色成分の含有
量を表す25%メチルアミン水溶液のOD値は0.08
7であった。
【0024】比較例1 実施例1と同様な操作により得た純度98%の粗2,6
−NDCA 2.2gを75gのN,N−ジメチルアセ
トアミドに溶解させた後、1gの粉末活性炭を加え30
分間攪拌した。次いで活性炭を濾過し、濾液を分離回収
した。この溶液に水40gを攪拌しながら徐々に加える
と白濁し、2,6−NDCAが析出した。この析出物を
濾過し減圧乾燥すると、1.5gの2,6−NDCAが
得られた。その純度は99.0%、着色成分の含有量を
表す25%メチルアミン水溶液のOD値は0.100で
あった。また、粗2,6−NDCAに対する回収率は、
68.1%と低下した。
−NDCA 2.2gを75gのN,N−ジメチルアセ
トアミドに溶解させた後、1gの粉末活性炭を加え30
分間攪拌した。次いで活性炭を濾過し、濾液を分離回収
した。この溶液に水40gを攪拌しながら徐々に加える
と白濁し、2,6−NDCAが析出した。この析出物を
濾過し減圧乾燥すると、1.5gの2,6−NDCAが
得られた。その純度は99.0%、着色成分の含有量を
表す25%メチルアミン水溶液のOD値は0.100で
あった。また、粗2,6−NDCAに対する回収率は、
68.1%と低下した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横溝 晃 埼玉県幸手市権現堂1134−2 (72)発明者 上山 宏輝 埼玉県浦和市大牧922
Claims (2)
- 【請求項1】 粗2,6−ナフタレンジカルボン酸を極
性有機溶媒に溶解し、次いでこれに水、低級脂肪族カル
ボン酸又は低級アルコールを添加して2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸を析出させることを特徴とする2,6−
ナフタレンジカルボン酸の製造法。 - 【請求項2】 粗2,6−ナフタレンジカルボン酸を極
性有機溶媒に溶解した後、これを活性炭により吸着処理
することを特徴とする請求項1記載の2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸の精製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6870593A JPH06279355A (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | 2,6−ナフタレンジカルボン酸の精製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6870593A JPH06279355A (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | 2,6−ナフタレンジカルボン酸の精製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06279355A true JPH06279355A (ja) | 1994-10-04 |
Family
ID=13381461
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6870593A Pending JPH06279355A (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | 2,6−ナフタレンジカルボン酸の精製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06279355A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004015003A3 (en) * | 2002-08-08 | 2004-07-15 | Sk Chemicals Co Ltd | Preparation method of naphthalene dicarboxylic acid |
KR100544954B1 (ko) * | 2002-08-01 | 2006-01-24 | 에스케이케미칼주식회사 | 2,6-나프탈렌 디카르복실산의 정제방법 |
KR100605052B1 (ko) * | 2002-02-21 | 2006-07-26 | 주식회사 효성 | 2,6-나프탈렌디카르복실산의 정제 방법 |
KR100811380B1 (ko) * | 2004-12-31 | 2008-03-07 | 주식회사 효성 | 크산틴 디하이드로게나제를 발현하는 형질전환체의제조방법 및 이를 이용한 2,6-나프탈렌 디카르복실산의정제방법 |
-
1993
- 1993-03-26 JP JP6870593A patent/JPH06279355A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100605052B1 (ko) * | 2002-02-21 | 2006-07-26 | 주식회사 효성 | 2,6-나프탈렌디카르복실산의 정제 방법 |
KR100544954B1 (ko) * | 2002-08-01 | 2006-01-24 | 에스케이케미칼주식회사 | 2,6-나프탈렌 디카르복실산의 정제방법 |
WO2004015003A3 (en) * | 2002-08-08 | 2004-07-15 | Sk Chemicals Co Ltd | Preparation method of naphthalene dicarboxylic acid |
KR100811380B1 (ko) * | 2004-12-31 | 2008-03-07 | 주식회사 효성 | 크산틴 디하이드로게나제를 발현하는 형질전환체의제조방법 및 이를 이용한 2,6-나프탈렌 디카르복실산의정제방법 |
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