JPH06279205A - 線 香 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】炭化珪素を含有する線香およびその線香用材料
組成物。炭化珪素は、通常粉末の形態で線香中に含有さ
れ、その含有量は一般に線香全量の１〜３０重量％、好
ましくは１〜２０重量％である。 【効果】本発明の線香用材料を用いて製造される線香
は、有効成分を効率的に揮散させることができることか
ら各種の用途の線香に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、蚊取線香、仏事用また
は発香用線香等の線香および該線香用材料として用いら
れる組成物に関するものである。

【０００２】

【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より、殺虫用、発香用等の有効成分を含有する各種の線
香が用いられているが、一般に線香中の有効成分は、線
香の燃焼熱のためにかなりの部分が分解してしまうた
め、有効に揮散する分が限られていた。

【０００３】

【課題を解決するための手段】本発明は、線香中の有効
成分の揮散率を向上させるためになされたものであり、
炭化珪素を含有する線香およびその線香用材料組成物を
提供するものである。本発明の線香において、炭化珪素
は通常粉末の形態で線香中に含有され、その含有量は一
般に線香全量の１〜３０重量％、好ましくは１〜２０重
量％であり、本発明の線香はこの他に通常使用される線
香用材料である支燃剤、結合剤、さらに必要により色
素、防黴剤等を含むものである。

【０００４】また、蚊、蠅等の殺虫用線香、所謂蚊取線
香においては、有効成分として、ピレトリン、アレスリ
ン、プラレトリン、ベンフルスリン、レスメトリン、エ
ムペントリンならびにそれらの活性な立体異性体および
該異性体混合物等のピレスロイド系化合物などが用いら
れ、発香用線香においては、有効成分として天然香料、
合成香料等が用いられる。これらの有効成分は、そのま
ま単独で、または乳剤、油剤、マイクロカプセル化製
剤、各種包接化製剤等に製剤された後、線香用材料に混
合される。

【０００５】線香用材料の支燃剤としては、比較的低温
での燃焼において発煙、悪臭の少ない材料がよく、例え
ばビャクシン粉末、ビャクダン粉末、クスノキ粉末、モ
ミ粉末、スギ粉末、ヤナギ粉末、ハリギリ粉末、ホオノ
キ粉末、シナノキ粉末、トウヒ粉末、モミノキ粉末、イ
エローポプラ粉末、カツラ粉末、アカシア粉末、ヤマナ
ラシ粉末、オオバボダイジュ粉末、オオバヤナギ粉末、
サワグルミ粉末、ネズコ粉末、キリ粉末、シオジ粉末、
バルサ粉末、ラワン粉末、シラカバ粉末、柑橘類木粉
末、シイタケのホダ木粉末等の木質粉末、キク科植物粉
末、セリ科植物粉末、イネ科植物粉末、センダン科植物
粉末、ジンチョウゲ科植物粉末、フトモモ科植物粉末、
クワ科植物粉末、モクセイ科植物粉末、シソ科植物粉
末、アカネ科植物粉末、スイカズラ科植物粉末等の植物
体粉末、除虫菊抽出粉末（カス粉）等の植物体抽出粉末
などの乾燥粉末が挙げられ、これらを単独でまたは二種
以上を混合して用いる。

【０００６】線香用材料の結合剤としては、デンプン、
マンナン、海藻類抽出粉末、トロロアオイ粉末、トラガ
ントガム、アラビアガム、グアーガム、ガンビル抽出粉
末、タブノキ皮抽出粉末（タブ粉）、カゼイン等の天然
高分子、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、
ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド、ポ
リビニルピロリドン、メチルセルロース、エチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩、カルボ
キシメチルデンプン塩、ジアルデヒドデンプン、カチオ
ンデンプン等の合成高分子などが挙げられ、これらを単
独でまたは二種以上を混合して用いる。

【０００７】線香用材料の色素としては、マラカイトグ
リーン等の有機顔料、無機顔料、染料等が挙げられ、線
香用材料の防黴剤としては、安息香酸、ソルビン酸、デ
ヒドロ酢酸等の酸およびその塩、ｐ−ヒドロキシ安息香
酸エステル、プロピオン酸塩、ｏ−フェニルフェノール
などが挙げられ、これらを単独でまたは二種以上を混合
して用いる。

【０００８】本発明の線香は、上述の線香用材料を混合
し、水を加えて混練した後、プレス成型機、押出し成型
機、射出し成型機等の成型機を用いて任意の形に成型
し、次いで、風乾するかまたは乾燥機により乾燥するこ
とにより、製造することができる。

【０００９】

【実施例】次に、本発明を実施例にてより具体的に説明
するが、本発明は以下の例のみに限定されるものではな
い。 製造例 プラレトリン（ピレスロイド系殺虫化合物）乳剤 0.09
重量部〔プラレトリン0.088 重量部、ハイマールＢＬＺ
（松本油脂製薬製界面活性剤）0.01重量部、ハイマール
1002Ｚ（松本油脂製薬製界面活性剤）0.001 重量部、お
よびソルベッソ150 （エクソン化学製溶媒） 0.009重量
部からなる乳剤〕、炭化珪素粉末10.0重量部、カス粉4
0.0重量部、タブ粉30.0重量部、マラカイトグリーン0.3
重量部およびデヒドロ酢酸ナトリウム0.2 重量部にス
ギ粉末を加えて全体を100 重量部とし、これに適量の水
を加えて良く混練し、押出し成型、乾燥して蚊取線香を
得た。 比較例 上記の製造例において、炭化珪素粉末10.0重量部とカス
粉40.0重量部とにかえて、カス粉50.0重量部を用いた以
外は、全て上記の製造例と同様にして蚊取線香を得た。

【００１０】試験例 上記の製造例と比較例とで得た蚊取線香を用いて、有効
成分化合物であるプラレトリンの揮散率を以下のように
して測定した。まず、秤量した試料を線香立てに取付
け、測定装置（広口ファネル）中で燃焼させる。燃焼煙
を減圧ポンプで吸引しながらシリカゲルに吸着トラップ
する。次いで、測定装置、シリカゲル等をメタノールで
洗浄し、メタノール洗液中のプラレトリン量をガスクロ
マトグラフィーにて定量する。揮散率の測定結果を表１
に示す。

【表１】

【００１１】

【発明の効果】本発明の線香は、有効成分を効率的に揮
散させることができることから、各種の用途の線香に利
用することができる。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】炭化珪素を含有することを特徴とする線
   香。
2. 【請求項２】炭化珪素を含有することを特徴とする線香
   用材料組成物。