JPH06278616A - 舵角検出装置とその取り付け方法 - Google Patents

舵角検出装置とその取り付け方法

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JPH06278616A
JPH06278616A JP7163993A JP7163993A JPH06278616A JP H06278616 A JPH06278616 A JP H06278616A JP 7163993 A JP7163993 A JP 7163993A JP 7163993 A JP7163993 A JP 7163993A JP H06278616 A JPH06278616 A JP H06278616A
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JP
Japan
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rotating body
steering shaft
sensor
steering
operating member
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JP7163993A
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English (en)
Inventor
Teruhiko Takatani
輝彦 高谷
Hiroshi Fujii
博司 藤井
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ステアリングホイールを組付けた状態でも、サ
スペンションアライメントを調整して舵角検出可能な状
態にすることができ、さらに、ステアリングホイールを
外しても舵角検出のための調整が不要な舵角検出装置と
その取り付け方法を提供する。 【構成】センサブラケット26に貫通孔31を形成し、
該貫通孔31にロックピン34を通してテーパカラー1
9に係合させるとともに、回転体18に係合させる。こ
れにより、回転体18はステアリングシャフト11への
係合が解除され、且つセンサブラケット26に所定の回
転基準位置でロック保持された状態になる。そして、上
記ロックピン34を抜くことにより、回転体18をステ
アリングシャフト11に上記テーパカラー19によって
係合させるとともに、上記ロック保持を解除する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の舵角検出装置
とその取り付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の舵角検出装置として、4WS
(前輪の転舵に応じて後輪が転舵される4輪操舵装置)
において採用されているようなステアリングシャフトの
回転速度を検出するというものは一般に知られている。
すなわち、前輪と後輪とが機械的に連結されている4W
Sにおいては、ステアリングシャフトの回転速度、つま
りは前輪の転舵速度に応じて後輪の転舵角を制御するた
めに上記舵角検出装置が採用されているものである。
【0003】しかし、同じく4WSであっても、前輪と
後輪とが機械的に連結されていなくて、後輪の転舵を完
全に電気的に制御するものにおいては、ステアリングシ
ャフトの回転角度(前輪の転舵角)の絶対量を検出する
必要がある。
【0004】これに対して、本田技研工業株式会社製の
自動車「プレリュード」のサービスマニュアル(構造編
91−9版)のV−21頁には、前輪の転舵角を検出
する舵角検出装置が記載されている。このものは、ステ
アリングシャフトにこれと同期して回転するようテーパ
嵌合される回転体(マグネットロータ)と、磁気抵抗素
子を有し車体側に取り付けられるセンサとからなり、回
転体の回転位置をセンサで検出して舵角を求めるように
なっている。
【0005】このような舵角検出装置では、上記回転体
をステアリングシャフトに位置決め保持する必要がある
とともに、当該回転体とセンサとの回転基準位置を合わ
せる必要がある。そのために、上記舵角検出装置では上
記回転体にロックカラーが嵌められて係合している。
【0006】すなわち、上記回転体に係合されたロック
カラーは、センサブラケットに対し係脱可能なロック部
を備えていて、当該センサブラケットに係合するようス
プリングによって軸方向に付勢されており、当該ロック
カラーを介して上記回転体がセンサブラケットに位置決
めされて係合している。
【0007】そして、ステアリングホイールをステアリ
ングシャフトに締め付けていくと、上記ロックカラーは
ステアリングホイールのボス部で押され上記スプリング
の付勢に抗して軸方向に移動することになる。これによ
り、センサブラケットとロックカラーとのロックが外れ
て回転体がセンサブラケットに対して回転フリーになる
とともに、ロックカラーを介して上記回転体が軸方向に
押されてステアリングシャフトにテーパ嵌合する。
【0008】従って、自動車のサスペンションアライメ
ントを調整した状態で上記ステアリングホイールのステ
アリングシャフトへの組付けを行なうと、センサ、回転
体及びステアリングシャフトの三者が互いに位置決めら
れ、上記センサによって舵角を検出できるようになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記舵角検出
装置においては、ステアリングホイールの着脱によって
回転体とセンサブラケットとの脱着、並びに回転体とス
テアリングシャフトとの係脱が行なわれるものであるか
ら、サスペンションアライメントを調整する前にはステ
アリングホイールをステアリングシャフトに組付けるこ
とはできない。また、検査工場などでステアリングホイ
ールを外す必要を生じた場合、それによって、ステアリ
ングシャフトが回転体に対して相対回転自在になるた
め、ステアリングホイールを組付ける際には当該ステア
リングシャフトを基準位置に調整して位置付ける必要が
ある。
【0010】すなわち、本発明の課題は、ステアリング
ホイールを組付けた状態でも、サスペンションアライメ
ントを調整して舵角検出可能な状態にすることができ、
さらに、ステアリングホイールを外しても舵角検出のた
めの調整が不要な舵角検出装置とその取り付け方法を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段及びその作用】本発明は、
このような課題に対して、ステアリングホイールの着脱
によって回転体とセンサブラケットとの脱着、並びに回
転体とステアリングシャフトとの係脱を行なう方式に代
えて、ロックピン等のロック操作手段を用いてステアリ
ングシャフトの側面から上記脱着及び係脱の操作を行な
うことができるようにするものである。
【0012】−第1の手段− すなわち、上記課題を解決する第1の手段(請求項1に
記載の発明)は、自動車の舵角を検出する舵角検出装置
であって、ステアリングホイールが取り付けられるステ
アリングシャフトに嵌められ、係合手段によって当該ス
テアリングシャフトに係脱可能に設けられ係合により当
該ステアリングシャフトと同期して回転する回転体と、
車体に取り付けられて上記回転体の外周囲に設けられ、
当該回転体の回転量を検出するセンサと、上記ステアリ
ングシャフトの側面部に設けられ、上記係合手段を非係
合状態に保持する一方、上記回転体を上記センサに所定
の回転基準位置でロック保持するロック操作手段とを備
えていることを特徴とする。
【0013】上記舵角検出装置においては、サスペンシ
ョンアライメントを調整した後、ステアリングシャフト
を舵角零の状態(車輪が直進方向に配置されている状
態)にすることによって上記回転体に位置決めしてか
ら、上記ロック操作手段によって上記係合手段を係合状
態にするとともに、上記回転体の上記センサへのロック
保持を解除すればよい。これにより、上記回転体はセン
サとの位置ずれを招くことなくステアリングシャフトに
位置決めされた状態で係合することになり、上記センサ
はステアリングシャフトの回転から舵角を正確に検出す
ることができることになる。
【0014】そうして、この場合、上記ロック操作手段
の操作はステアリングシャフトの側面から行なうことが
できるから、その操作にステアリングホイールが邪魔に
ならない。そして、該ステアリングホイールの着脱は当
該舵角検出装置には何の影響も与えないから、上記サス
ペンションアライメントの調整前にステアリングホイー
ルをステアリングシャフトに組付けておくことができる
とともに、ステアリングホイールを外して再度組付けて
も舵角検出装置に狂いは生じない。
【0015】−第2の手段− 上記課題を解決する第2の手段(請求項2に記載の発
明)は、上記第1の手段を発展させてなるものであっ
て、上記係合手段は、上記ステアリングシャフトに嵌め
られ上記回転体にテーパ嵌合して当該回転体をステアリ
ングシャフトに係合するテーパカラーと、該テーパカラ
ーを上記回転体にテーパ嵌合するよう当該ステアリング
シャフトの軸方向に付勢する付勢手段とによって構成さ
れ、上記ロック操作手段は、車体に取り付けられて上記
ステアリングシャフトの外周囲に配置され上記センサが
取り付けられるセンサブラケットと上記テーパカラーと
上記回転体とに、当該テーパカラーが上記付勢手段の付
勢に抗して非係合位置に位置付けられ且つ当該回転体が
上記センサに所定の回転基準位置でロック保持されるよ
う、上記ステアリングシャフトの側面から係合離脱可能
に設けられた1個のロック部材によって構成されている
点に特徴がある。
【0016】当該第2の手段においては、ロック操作手
段としての1個のロック部材を操作するだけで、回転体
のステアリングシャフトへの係合と、当該回転体のセン
サからの離脱とを同時に行なわせることができるように
なる。
【0017】−第3の手段− 上記課題を解決する第3の手段(請求項3に記載の発
明)は、上記第1の手段を発展させてなるものであっ
て、上記ロック操作手段は、車体に取り付けられて上記
ステアリングシャフトの外周囲に配置され上記センサが
取り付けられるセンサブラケットと上記係合手段とに当
該係合手段を非係合状態に保持するよう上記ステアリン
グシャフトの側面から係合離脱可能な第1操作部材と、
上記センサブラケットと上記回転体とに当該回転体をセ
ンサブラケットに所定の回転基準位置でロック保持する
よう上記ステアリングシャフトの側面から係合離脱可能
な第2操作部材とによって構成されている点に特徴があ
る。
【0018】当該第3の手段においては、上記回転体と
ステアリングシャフトとの係脱を操作するもの(第1操
作部材)と、当該回転体とセンサブラケットとのロック
保持を操作するもの(第2操作部材)とが別個に設けら
れているから、第1操作部材の操作によって上記回転体
とステアリングシャフトを先に確実に係合させてから、
第2操作部材の操作によって当該回転体をセンサブラケ
ットから離脱させることできる。すなわち、逆に上記回
転体が先にセンサブラケットから離脱した場合には、そ
のことによって当該回転体が回転してステアリングシャ
フトに対する位置決めができなくなるおそれがあるが、
当該第3の手段ではそのようなことを防止することがで
きる。
【0019】−第4の手段− 上記課題を解決する第4の手段(請求項4に記載の発
明)は、上記第2、第3の各手段を発展させてなるもの
であって、上記センサブラケットは円筒状に形成され、
該センサブラケットに上記ステアリングシャフトがベア
リングを介して支持されている点に特徴がある。
【0020】当該第4の手段においては、ステアリング
シャフトが回転体の近傍においてセンサブラケットを介
して車体に回転自在に支持されるから、当該回転体の回
転が安定したものになり、センサによる回転体の回転量
の検出精度を高める上で有利になる。
【0021】−第5の手段− 上記課題を解決する第5の手段(請求項5に記載の発
明)は、上記第3の手段を発展させてなるものであっ
て、上記係合手段は、上記回転体の端部に設けられた割
り溝入りの係合筒と、該係合筒に外嵌され該係合筒が上
記ステアリングシャフトに圧着によって係合するように
径縮小方向に付勢された円形のファスナばねとによって
構成され、上記第1操作部材は、上記ファスナばねの径
縮小方向の変形を規制するよう当該ファスナばねの両端
に係合している点に特徴がある。
【0022】当該第5の手段においては、上記第1操作
部材のファスナばねに対する係合を解除すると、上記割
り溝入りの係合筒は、当該ファスナばねの付勢によって
径が縮小し上記ステアリングシャフトに圧着によって係
合する。
【0023】−第6の手段− 上記課題を解決する第6の手段(請求項6に記載の発
明)は、上記第3の手段を発展させてなるものであっ
て、上記センサブラケットには上記第2操作部材を貫通
させる貫通部が形成され、上記回転体と上記センサとが
互いに上記所定の回転基準位置に位置付けられたときに
上記貫通部に対峙する当該回転体の外周面に、上記第2
操作部材の先端を係合させるための目印が設けられてい
る点に特徴がある。
【0024】当該第6の手段の場合は、上記回転体とセ
ンサブラケットとは、回転体を回転させてその外周面の
係合用目印がセンサブラケットの貫通部に対峙すると
き、互いに所定の回転基準位置に位置付けられることに
なる。よって、上記第2操作部材を上記貫通部に通して
上記目印部位で回転体に係合させれば、当該回転体をセ
ンサブラケットに位置決めしてロック保持することがで
きる。
【0025】−第7の手段− 上記課題を解決する第7の手段(請求項7に記載の発
明)は、上記第3の手段を発展させてなるものであっ
て、車体に取り付けられて上記ステアリングシャフトの
外周囲に配置され上記センサが取り付けられるセンサブ
ラケットに、これを内外に貫通する第1貫通部と第2貫
通部とが形成され、上記係合手段は、上記回転体にテー
パ嵌合して当該回転体を上記ステアリングシャフトに係
合するテーパカラーと、該テーパカラーを上記回転体に
テーパ嵌合するよう当該ステアリングシャフトの軸方向
に付勢する付勢手段とによって構成されていて、上記第
1操作部材は、上記センサブラケットの第1貫通部を貫
通し該貫通部において当該センサブラケットに係合する
とともに、先端が上記テーパカラーを付勢手段の付勢に
抗して非係合位置に位置付けるよう当該テーパカラーに
係合する、上記ステアリングシャフトの側方へ抜き差し
可能に設けられたロックピンによって構成され、上記第
2操作部材は、上記センサブラケットの第2貫通部を貫
通し該貫通部において当該センサブラケットに係合する
とともに、先端が上記回転体に該回転体が上記センサに
所定の回転基準位置でロック保持されるように係合す
る、上記ステアリングシャフトの側方へ抜き差し可能な
ロックピンによって構成されている点に特徴がある。
【0026】当該第7の手段においては、上記第1操作
部材としてのロックピンを抜いて上記回転体とステアリ
ングシャフトを先に確実に係合させてから、第2操作部
材としてのロックピンを抜いて当該回転体をセンサから
離脱させることでき、回転体がステアリングシャフトに
係合する前にセンサブラケットから離脱することを防止
することができる。
【0027】−第8の手段− 上記課題を解決する第8の手段(請求項8に記載の発
明)は、上記第3の手段又は第5乃至第7の各手段を発
展させてなるものであって、第1操作部材に該第1操作
部材を上記ステアリングシャフトの側方へ引いて上記係
合手段から離脱させるための引張り紐が結合され、該引
張り紐の引張りによって上記第1操作部材が上記係合手
段から離脱した後に上記第2操作部材が上記回転体から
離脱するよう、当該第1操作部材と第2操作部材とが紐
で連結されている点に特徴がある。
【0028】当該第8の手段の場合、第1操作部材に結
合された引張り紐を引くと、それによって第1操作部材
が引かれて上記回転体がステアリングシャフトに係合
し、しかる後に上記第2操作部材が回転体から離脱して
該回転体がセンサブラケットに対して回転フリーにな
る。よって、上記回転体がステアリングシャフトに係合
する前にセンサブラケットから離脱することを確実に防
止することができる。
【0029】−第9の手段− 上記課題を解決する第9の手段は、上記第1の手段に係
る舵角検出装置の取り付け方法であって、車体に部品を
組付けて自動車を組み立てる組立工程と、当該組み立て
られた自動車の機能を点検調整する検査工程とを順に行
なって自動車を完成させるにあたり、上記組立工程にお
いて、上記ステアリングシャフト、係合手段、回転体及
びセンサを、上記ロック操作手段によって上記センサと
回転体とが上記所定の回転基準位置でロック保持され且
つ上記ステアリングシャフトが上記回転体に対し相対回
転するよう上記係合手段が非係合状態に保持された状態
にして車体に組付け、上記検査工程において、当該自動
車のサスペンションアライメントを調整した後に、上記
ステアリングシャフトの側面から上記ロック操作手段に
よって上記係合手段を係合状態にし且つ上記センサと回
転体とのロック保持を解除することを特徴とする。
【0030】上記舵角検出装置は、ステアリングシャフ
トの側面部に設けられたロック操作手段の操作によって
他の自動車部品の組付けの有無とは無関係に舵角検出可
能な状態にすることができるものであるから、上記組立
工程及び検査工程のいずれにおいても当該操作をなし得
る性質を有するが、事前にサスペンションアライメント
の調整を要する。
【0031】これに対して、当該第9の手段において
は、上記ロック操作手段の操作を上記検査工程で行なっ
て当該舵角検出装置を舵角検出可能な状態にするように
したから、上記組立工程においては、部品の組付けとは
異質のサスペンションアライメントの調整作業を行なう
必要がない。よって、上記組立工程において車体を各部
品組付けステーションに搬送して行くライン生産方式を
採用する場合において、当該ラインの速度(タクト)の
決定にサスペンションアライメントの調整時間を考慮す
る必要がない。
【0032】−第10の手段− 上記課題を解決する第10の手段(請求項10に記載の
発明)は、上記第9の手段を発展させてなるものであっ
て、上記組立工程において、上記ステアリングシャフ
ト、係合手段、回転体及びセンサの車体への組付けと、
ステアリングホイールの上記ステアリングシャフトへの
仮の組付けとを行ない、上記検査工程において、当該自
動車のサスペンションアライメントを調整してから、上
記ステアリングホイールの上記ステアリングシャフトへ
の本組付けを行ない、しかる後に、上記ステアリングシ
ャフトの側面から上記ロック操作手段によって上記係合
手段を係合状態にし且つ上記センサと回転体とのロック
保持を解除する点に特徴がある。
【0033】当該第10の手段においては、上述の如く
上記ロック操作手段の操作を他の自動車部品の組付けの
有無とは無関係に行なうことができるから、上記組立工
程においてステアリングホイールの仮組付けを行なうよ
うにしたものである。この場合、ステアリングホイール
をステアリングシャフトに完全に締め付けても上記舵角
検出装置には何の影響も与えないから、当該ステアリン
グホイールの仮組付け作業に特別な配慮は不要である。
もちろん、ステアリングホイールそのものを検査工程に
別途搬入する必要はない。
【0034】−第11の手段− 上記課題を解決する第11の手段(請求項11に記載の
発明)は、上記第10の手段を発展させてなるものであ
って、上記ロック操作手段は、車体に取り付けられて上
記ステアリングシャフトの外周囲に配置され上記センサ
が取り付けられるセンサブラケットと上記係合手段とに
当該係合手段を非係合状態に保持するよう上記ステアリ
ングシャフトの側面から係合離脱可能な第1操作部材
と、上記センサブラケットと上記回転体とに当該回転体
をセンサブラケットに所定の回転基準位置でロック保持
するよう上記ステアリングシャフトの側面から係合離脱
可能な第2操作部材とによって構成されていて、上記検
査工程において、上記第1操作部材を係合手段から離脱
させた後に、上記第2操作部材を回転体から離脱させる
点に特徴がある。
【0035】当該第11の手段においては、検査工程に
おいて、第1操作部材を係合手段から離脱させた後に、
上記第2操作部材を回転体から離脱させるようにしたか
ら、上記回転体とステアリングシャフトとを先に確実に
係合させてから、当該回転体をセンサブラケットから離
脱させることでき、ステアリングシャフトに外力が作用
しても上記回転体とセンサとの位置関係がずれることが
ない。
【0036】−第12の手段− 上記課題を解決する第12の手段(請求項12に記載の
発明)は、上記第11の手段を発展させてなるものであ
って、第1操作部材に該第1操作部材を上記ステアリン
グシャフトの側方へ引いて上記係合手段から離脱させる
ための引張り紐が結合され、該引張り紐の引張りによっ
て上記第1操作部材が上記係合手段から離脱した後に上
記第2操作部材が上記回転体から離脱するよう、当該第
1操作部材と第2操作部材とが紐で連結されていて、上
記引張り紐を引張ることにより、上記第1操作部材を係
合手段から離脱させた後に、上記第2操作部材を回転体
から離脱させる点に特徴がある。
【0037】当該第12の手段の場合、第1操作部材に
結合された引張り紐を引くと、それによって第1操作部
材が引かれて上記回転体がステアリングシャフトに係合
し、しかる後に上記第2操作部材が回転体から離脱して
該回転体がセンサに対して回転フリーになる。よって、
上記回転体がステアリングシャフトに係合する前に上記
センサから離脱することを確実に防止することができ
る。
【0038】
【発明の効果】以上に述べた通り、上記第1の手段(請
求項1に記載の発明)によれば、ステアリングシャフト
の側面部に、回転体をステアリングシャフトに係合させ
るための係合手段を非係合状態に保持する一方、上記回
転体をセンサに所定の回転基準位置でロック保持するロ
ック操作手段を設けたから、ステアリングホイールの着
脱は当該舵角検出装置には何の影響も与えることがな
く、サスペンションアライメントの調整前にステアリン
グホイールをステアリングシャフトに組付けておくこと
ができるとともに、ステアリングホイールを外して再度
組付けても舵角検出装置に狂いは生じない。
【0039】上記第2の手段(請求項2に記載の発明)
によれば、ロック操作手段を1個のック部材によって構
成し、該ロック部材をセンサブラケットとテーパカラー
と回転体とに係脱させて、回転体とステアリングシャフ
トとの係脱、並びに回転体とセンサブラケットとの係脱
を同時に行なわせるようにしたから、舵角検出装置を舵
角検出可能な状態にする作業が簡単になる。
【0040】上記第3の手段(請求項3に記載の発明)
によれば、ロック操作手段を、回転体とステアリングシ
ャフトとの係脱を操作する第1操作部材と、当該回転体
とセンサとのロック保持を操作する第2操作部材とによ
って構成したから、上記回転体とステアリングシャフト
を先に確実に係合させてから、当該回転体をセンサから
離脱させることでき、舵角検出装置を狂いなく舵角検出
可能な状態にすることが容易になる。
【0041】上記第4の手段(請求項4に記載の発明)
によれば、センサブラケットを円筒状に形成し、該セン
サブラケットにベアリングを介してステアリングシャフ
トを支持するようにしたから、回転体の回転を安定なも
のにして、舵角検出精度を高める上で有利になる。
【0042】上記第5の手段(請求項5に記載の発明)
によれば、回転体端部の割り溝入り係合筒と、径縮小方
向に付勢された円形のファスナばねとによって係合手段
を構成し、第1操作部材を上記ファスナばねの両端にそ
の径縮小方向の変形を規制するよう係合させたから、簡
単な構造で回転体とステアリングシャフトとの係脱操作
を行なうことができるようになる。
【0043】上記第6の手段(請求項6に記載の発明)
によれば、センサブラケットに第2操作部材を貫通させ
る貫通部を形成し、回転体に目印を設けて、回転体とセ
ンサとが互いに所定の回転基準位置に位置付けられたと
きに上記貫通部に目印が対峙するようにしたから、セン
サと回転体との組立に有利になるとともに、自動車の検
査工場などで上記回転体のセンサブラケットへのロック
保持を解除する必要が生じた場合でも、簡単に当該セン
サと回転体とを位置合わせして再度ロック保持すること
ができる。
【0044】上記第7の手段(請求項7に記載の発明)
によれば、センサブラケットに第1貫通部と第2貫通部
とを形成し、回転体をステアリングシャフトに係合する
テーパカラーと、該テーパカラーを上記回転体にテーパ
嵌合するよう付勢する付勢手段とによって係合手段構成
し、上記第1貫通部を貫通し先端が上記テーパカラーに
係合するロックピンによって第1操作部材を構成する一
方、上記第2貫通部を貫通し先端が上記回転体に係合す
るロックピンによって第2操作部材を構成したから、回
転体がステアリングシャフトに係合する前に上記センサ
から離脱することを防止することができる。
【0045】上記第8の手段(請求項8に記載の発明)
によれば、第1操作部材に引張り紐を結合し、当該第1
操作部材と第2操作部材とを紐で連結したから、上記引
張り紐を引くだけで、回転体をステアリングシャフトに
先に係合させ、しかる後に当該回転体をセンサに対して
回転フリーにすることができる。
【0046】上記第9の手段によれば、組立工程におい
て、舵角検出装置を車体に、ロック操作手段によってセ
ンサと回転体とが所定の回転基準位置でロック保持され
且つステアリングシャフトが上記回転体に対し相対回転
するように組付け、検査工程において、当該自動車のサ
スペンションアライメントを調整した後に、上記ステア
リングシャフトの側面から上記ロック操作手段を操作し
て上記回転体をステアリングシャフトに係合させるとと
もに、当該回転体のセンサへのロック保持を解除するよ
うにしたから、上記組立工程においては、部品の組付け
とは異質のサスペンションアライメントの調整作業を行
なう必要がなく、当該組立工程のラインの設定を複雑に
することがない。
【0047】上記第10の手段(請求項10に記載の発
明)によれば、上記組立工程において、舵角検出装置の
組付けと、ステアリングホイールの仮組付けとを行な
い、検査工程において、当該自動車のサスペンションア
ライメントを調整してから、上記ステアリングホイール
の本組付けを行ない、しかる後に、上記ステアリングシ
ャフトの側面から上記ロック操作手段によって舵角検出
装置を舵角検出可能な状態にするようにしたから、ステ
アリングホイールそのものを検査工程に別途搬入するこ
となく、組立工程において当該ステアリングホイールの
組付け作業を簡単に行なうことができる。
【0048】上記第11の手段(請求項11に記載の発
明)によれば、センサブラケットと係合手段とにステア
リングシャフトの側面から係合離脱可能な第1操作部材
と、上記センサブラケットと上記回転体とに上記ステア
リングシャフトの側面から係合離脱可能な第2操作部材
とを設けて、検査工程において、上記第1操作部材を係
合手段から離脱させた後に、上記第2操作部材を回転体
から離脱させるようにしたから、上記回転体とステアリ
ングシャフトを先に確実に係合させてから、当該回転体
をセンサから離脱させることでき、ステアリングシャフ
トに外力が作用した場合でも上記回転体とセンサとの位
置関係のずれを生ずることを防止することができる。
【0049】上記第12の手段(請求項12に記載の発
明)によれば、第1操作部材に引張り紐を結合し、当該
第1操作部材と第2操作部材とを紐で連結し、当該引張
り紐を引張ることにより、上記第1操作部材を係合手段
から離脱させた後に、上記第2操作部材を回転体から離
脱させるようにしたから、上記回転体がステアリングシ
ャフトに係合する前に上記センサブラケットから離脱す
ることを確実に防止することができる。
【0050】
【実施例】以下、本発明を4WSの自動車に適用してな
る実施例を図面に基づいて説明する。
【0051】<実施例1> (全体構成)図1に示す4WS自動車において、1は車
体、2は前輪、3は後輪、4はエンジン、5はステアリ
ング装置であり、該ステアリング装置5のステアリング
シャフト部位に舵角を機械的に検出する第1舵角センサ
6と舵角を磁気的に検出する第2舵角センサ7とが設け
られている。8は上記舵角センサ6,7及び車速センサ
9の出力を受け後輪転舵装置10をコントロールする制
御手段である。後輪転舵装置10は、上記前輪2のステ
アリング装置5に対しては機械的には連結されておら
ず、上記制御手段8の出力信号のみで作動する。43は
ステアリングホイール(ハンドル)である。
【0052】図2には上記ステアリング装置のステアリ
ングシャフト部位が示されている。同図において、11
は上記ステアリングホイール43が取り付けられるステ
アリングシャフト、12はステアリングコラム、13は
車体に固定されるステアリングブラケット、14はステ
アリングシャフト11の先端に設けられ上記舵角センサ
6,7を備えている舵角検出ユニットである。上記ステ
アリングシャフト11及びステアリングコラム12はエ
ネルギー吸収可能なシャフトであり、また、ステアリン
グブラケット13にはチルト用のアジャストレバー15
が設けられている。
【0053】(舵角ユニットの構成)図3乃至図7には
上記舵角検出ユニット14の具体的な構造が示されてい
る。まず、図3に示すように、上記ステアリングシャフ
ト11の下端部には、上記第1舵角センサ6による舵角
検出のためのウォーム17が嵌合されている。このウォ
ーム17の軸方向の両端面にはステアリングシャフト1
1に固定されたスナップリングが当接していて、この当
接により、ウォーム17の軸方向への移動が規制されて
いる。そして、ウォーム17の上端の筒状延設部に上記
第2舵角センサ7による舵角検出のための回転体18が
ウォーム17(従ってステアリングシャフト11)に嵌
合し、さらに、該回転体18よりも上方において、テー
パカラー19がステアリングシャフト11に相対回転不
能に且つ軸方向移動可能に嵌合している。
【0054】−回転体− 上記回転体18は、上記ウォーム17の上端部に嵌合さ
れた円筒体18aに、マグネットベース18bと該マグ
ネットベース18bの外周面に固定されたマグネット本
体18cとよりなるマグネットロータが圧入によって外
嵌されてなる。上記マグネットベース18bの内周面に
は、上記圧入時の割れを防止するために図4にも示すよ
うに軸方向の両端部が相対的に突出するよう全周にわた
る環状凹部18dが形成されている。さらに、上記マグ
ネット本体18cには、角度を検出するための着磁帯2
1と、回転方向を検出するための着磁帯22とが設けら
れている。また、上記円筒体18aの上部内周面には上
方へいくに従って内径が漸次大きくなるように形成され
たテーパ嵌合面23が形成されている。
【0055】−係合手段(テーパカラー)− 上記テーパカラー19は、上記ウォーム17及び回転体
18をステアリングシャフト11に回転不能に係合させ
るためのものであって、その外周面には上記回転体18
のテーパ嵌合面23に嵌合するテーパ嵌合面24が形成
されている。そうして、当該テーパカラー19は、その
上方に設けられたスプリング25によって上記回転体1
8にテーパ嵌合によって係合するよう下方へ付勢されて
いる。そして、上記テーパ嵌合面24を有するテーパカ
ラー19と、回転体18のテーパ嵌合面と、上記スプリ
ング25とによって、回転体18をステアリングシャフ
ト11に係脱させる係合手段が構成されている。
【0056】−舵角センサ− 一方、上記ステアリングコラム12の下端部には、上記
ウォーム17、回転体18及びテーパカラー19を包囲
する円筒状のセンサブラケット26が固定されている。
さらに、該センサブラケット26には車体に枢着される
コラムブラケット27が固定されている。従って、当該
センサブラケット26は上記ステアリングコラム12及
びステアリングブラケット13を介して車体に取り付け
られているとともに、上記コラムブラケット27を介し
て車体に取り付けられている。
【0057】そして、上記舵角センサ6,7がセンサブ
ラケット26に固定されている。第1舵角センサ6は、
図7に示すように上記ウォーム17に噛合するウォーム
ホイール28を備え、該ウォームホイール28の回転に
よって舵角を検出するように構成されている。第2舵角
センサ7は、図5に示すように、そのMR素子を有する
センサ本体7aを備え、上記回転体18のマグネット本
体18cの着磁帯21,22に感応することによって、
舵角及びステアリングシャフト11の回転方向を検出す
るように構成されている。
【0058】また、上記第2舵角センサ7のセンサ本体
7aは、上記回転体18のマグネット本体18cの接線
方向に対して傾斜して配置されていて、そして、図6に
も示すように、第2舵角センサ7は、その取付部に上記
接線方向と平行に長く形成された取付孔7bが形成され
ていて、該取付孔7bに挿通された取付ボルト29によ
って上記センサブラケット26に固定されている。上記
取付孔7bが長孔に形成されているのは、第2舵角セン
サ7のセンサブラケット26に対する取付け位置を上記
接線方向にずらすことによって、上記センサ本体7aと
マグネット本体18cとの間隔を最適なものに調整でき
るようにするためである。
【0059】−ロック操作手段− そうして、上記センサブラケット26には、上記テーパ
カラー19とスプリング25とによる回転体18のステ
アリングシャフト11への係合離脱を操作するために、
さらに、上記回転体18を当該センサブラケット26に
所定の回転基準位置でロック保持するために、貫通孔3
1が形成されている。
【0060】すなわち、上記回転体18の円筒体18a
の外周面における上端部と上記マグネットベース18b
との間には弾性帯32が固着されている。そして、上記
第2舵角センサ7が舵角零の信号を出すように該舵角セ
ンサ7に対して回転体18が位置付けられたときに上記
弾性帯32におけるセンサブラケット26の貫通孔31
に対峙する位置に、図4に示す目印33が付されてい
る。そうして、上記回転体18をセンサブラケット31
に対し舵角零の回転基準位置でロック保持する第2操作
部材は、上記貫通孔31を貫通し上記目印33において
弾性帯32に係合する抜き差し自在なロックピン(ロッ
ク部材)34によって構成されている。
【0061】一方、上記テーパカラー19の上端部には
その全周にわたって外方へ突出し且つ下方へ突出した環
状の係合突部35が設けられている。この係合突部35
は、上記スプリング25の付勢に抗して上方へ後退した
状態(回転体18とテーパカラー19とのテーパ嵌合が
解除されて回転体18がステアリングシャフト11に対
して相対回転自在な状態)で上記貫通孔31に貫通せし
めたロックピン34の側面に係合するように形成されて
いる。従って、当該ロックピン34は、上記回転体18
のステアリングシャフト11への係合離脱を操作する第
1操作部材をも構成している。
【0062】上記ロックピン34は、その先端部が先細
に形成され、これにより、差し込みによって当該先端部
が上記テーパカラー19の係合突部35を摺動し、該テ
ーパカラー19をスプリング25の付勢に抗して上方へ
(反テーパ嵌合方向へ)移動させることができるように
なされているとともに、弾性帯32への係合を確実なも
のにできるようになされている。この場合、上記ウォー
ム17は、その上端に当接しているスナップリングによ
って上方への移動が規制されているため、上記テーパカ
ラー19に伴われて上方へ移動することがない。このこ
とは、上記ロックピン34によってウォーム17及び回
転体18とテーパカラー19とのテーパ嵌合を確実に解
除させる上で有利になる。さらに、上記ロックピン34
の周面には、上記テーパカラー19の係合突部35が係
合する環状の凹溝が形成されている。
【0063】−ステアリングシャフト11とセンサブラ
ケット26との関係− 上記センサブラケット26の内周面における上端部と下
端部とにはベアリング36,37が設けられていて、上
記ステアリングシャフト11は上記回転体18の上下両
側部位において上記両ベアリング36,37を介してセ
ンサブラケット26に回転自在に支持されている。この
ような支持構造の採用は、ステアリングシャフト11、
ひいては回転体18の回転揺れを少なくし、舵角検出精
度を高めるためのものである。
【0064】さらに、図5及び図6に示すように、上記
コラムブラケット27には、上記ロックピン34をテー
パカラー19の係合突部35に係合させた際に、テーパ
カラー19が反テーパ嵌合方向へ移動しない場合のため
に、つまりステアリングシャフト11と回転体18との
係合が解除されない場合のために、作業孔38が形成さ
れている。
【0065】−舵角検出装置の取り付け方法− 図8に示すように、車体に部品を組付けて自動車を組み
立てる組立工場41において、上記ステアリングシャフ
ト11及び舵角検出ユニット14を車体に組み付ける。
その際、上記ロックピン34をテーパカラー19の係合
突部35に係合させて回転体18とテーパカラー19と
のテーパ嵌合を解除し、且つ当該ロックピン34を回転
体18の弾性帯32に係合させて上記回転体18を舵角
零の回転基準位置で上記センサブラケット26にロック
保持させた状態に組付ける。そして、当該車体にインス
トルメントパネル等の内装材42を組み付けた後に、ス
テアリングホイール(ハンドル)43を上記ステアリン
グシャフト11に仮組付けする。
【0066】この場合、上記ロックピン34によるテー
パ嵌合の解除及び回転体18のロック保持には、他の自
動車部品は何の影響も与えないから、上記ステアリング
ホイール43をステアリングシャフト11に完全に締め
付けることができ、当該仮組付け作業に特別な配慮は不
要である。
【0067】次に、上記組み立てられた自動車の機能を
点検調整する検査工程において、当該自動車のサスペン
ションアライメントを調整した後に、上記ステアリング
ホイール43をステアリングシャフト11に本組付け
(正規つけ)する。この場合、ステアリングホイール4
3は上記組立工程において予め仮組付けされているか
ら、当該ステアリングホイール自体を単独で検査工程に
搬入する必要はない。
【0068】しかる後に、上記ロックピン34を上記ス
テアリングシャフト11の側方へ抜く。これにより、テ
ーパカラー19はロックピン34による止めが解除され
スプリング25の付勢により下方へ移動して回転体18
にテーパ嵌合し回転体18がステアリングシャフト11
に対し位置決めロックされるとともに、回転体18はセ
ンサブラケット26へのロック保持が解除され、舵角検
出ユニットは舵角検出可能な状態になる。
【0069】<実施例2>本例は図9に示されており、
回転体51の構造、回転体51とステアリングシャフト
11との係合手段及びロック操作手段が先の実施例と相
違する。なお、図中の符号に関し、実施例1のものと実
質的に同じ要素には同じ符号を採用している。この符号
に関する処理は次の実施例3及び実施例4でも同様であ
る。
【0070】まず、回転体51は、合成樹脂製の円筒体
52を備えていて、該円筒体52にマグネットロータ5
3と鉄製ウォーム54とが固定されている。すなわち、
円筒体52は、ステアリングシャフト11に相対回転自
在に嵌合されていて、その下部に割り溝(スリット)5
2a入りの係合筒52bが形成されている一方、上端部
には段部を介して大径に形成されたロータ支持部52c
が設けられている。
【0071】先に係合手段について説明すると、上記係
合筒52bには軸方向の進退によって当該係合筒52b
の径を拡大縮小するテーパカラー55が外嵌されてい
る。該テーパカラー55は、係合筒52bがステアリン
グシャフト11に圧着によって係合するよう、スプリン
グ56によって係合筒52bの径を縮小する方向に付勢
されている。
【0072】マグネットロータ53は、上記円筒体52
のロータ支持部52cに固着されている。一方、上記ウ
ォーム54は上記円筒体52における係合筒52bより
も上方部位に圧入されている。そして、上記円筒体52
における上記段部とウォーム54との間の部位に弾性帯
57が固着されている。
【0073】そうして、上記回転体51を包囲するセン
サブラケット58には、上記ウォーム54とテーパカラ
ー55との隙間に対応する部位に第1貫通孔59が形成
されているとともに、上記弾性帯57に対応する部位に
第2貫通孔60が形成されている。上記第1貫通孔59
には上記回転体51の係合筒52bに係合し上記テーパ
カラー55の径縮小方向への移動を阻止する第1ロック
ピン61が抜き差し可能に設けられ、上記第2貫通孔6
0には上記回転体51が舵角零の回転基準位置にあると
きの上記弾性帯57に係合し当該回転体51をセンサブ
ラケット58にロック保持する第2ロックピン62が抜
き差し可能に設けられている。
【0074】そして、上記第1ロックピン61には、こ
れを上記ステアリングシャフト11の側方へ引いて上記
回転体51の係合筒52bから離脱させるための引張り
紐63が結合されている。また、上記第1ロックピン6
1と第2ロックピン62とは連結紐64によって連結さ
れている。
【0075】さらに、ステアリングシャフト11はステ
アリングコラム12にベアリング65を介して回転自在
に支持されている。
【0076】従って、本例の場合は、上記第1ロックピ
ン61に結合された引張り紐63を引くと、それによっ
て第1ロックピン61が第1貫通孔59から引き抜かれ
て上記テーパカラー55がスプリング56の付勢によっ
て上方へ移動することによって回転体51がステアリン
グシャフト11に係合し、しかる後に、上記第2ロック
ピン62が連結紐64を介して上記引張り紐63によっ
て引かれて第2貫通孔60から引き抜かれ、回転体51
はセンサブラケット58に対するロック保持が解除され
て回転フリーになる。よって、上記回転体51がステア
リングシャフト11に係合する前に当該ロック保持が解
除されることを確実に防止することができる。
【0077】<実施例3>本例は図10乃至図12に示
されており、主として係合手段及びロック操作手段に特
徴がある。
【0078】まず、回転体71は、実施例2の円筒体5
2と略同じ形状に形成された金属製の円筒体72を備え
ていて、該円筒体72のロータ支持部72cにマグネッ
トロータ73が固定されている一方、段部よりも下方の
部位にウォーム74が形成されている。そして、当該円
筒体72は、実施例2のものと同様の割り溝72a入り
の係合筒72bを備えている。この係合筒72bはセン
サブラケット75より下方へ突出していて、この係合筒
72bにこれがステアリングシャフト11に圧着によっ
て係合するよう径縮小方向に付勢されたファスナばね7
6が外嵌されている。
【0079】上記ファスナばね76は、図11に示すよ
うに、円筒状に形成された締付け部76aを備えている
とともに、その両端部76b,76bが交差して締付け
部76aの側方に延設されている。そして、一方の端部
76bに第1操作部材としてのボルト77が螺合し他方
の端部76bに当該ボルト77が回転自在且つ進退不能
に係合している。
【0080】また、上記センサブラケット75には、上
記ロータ支持部72cにおけるマグネットロータ73の
隣接位置に対応する部位に内外に貫通するねじ孔75a
が形成されていて、該ねじ孔に第2操作部材としてのロ
ックボルト78が螺合している。このロックボルト78
の先端は、上記回転体71が舵角零の回転基準位置にあ
るときの上記ロータ支持部72cにおけるマグネットロ
ータ73の隣接位置に係合するようになっている。当該
係合部には図12に示すように、係合凹部79が形成さ
れている。
【0081】従って、本例の場合は、ロック操作手段と
してのボルト77,78を操作することによって回転体
71のステアリングシャフト11への係合、及びセンサ
ブラケット75へのロック保持の解除を行なうことがで
きるが、ボルト77を先に操作し、後からボルト78を
操作することになる。
【0082】<実施例4>本例は図13に要部のみが示
されており、係合手段及び第1操作部材に特徴がある。
【0083】すなわち、係合手段を構成するファスナば
ね81は、実施例3と同様に締付け部81aの側方へ延
設された端部81b,81bを備えている。そして、本
例の場合は、この端部81b,81bに、先端が二股に
別れた第1操作部材としてのロックピン82の当該先端
部82a,82aがファスナばね81の径縮小方向への
変形を規制するように係合している。
【0084】従って、上記ロックピン82を引張って上
記先端部82a,82aのファスナばね81に対する係
合を解除すると、当該ファスナばね81の径が縮小して
回転体71の係合筒72bがステアリングシャフト11
に圧着係合する。
【0085】本例の上記構成は、実施例2における係合
手段及び第1操作手段として採用すると、実施例2と同
様の作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の自動車の概略構成を示す平面図
【図2】同例の自動車のステアリングシャフト部分の正
面図
【図3】同例の舵角検出ユニットを一部切り欠いて示す
正面図
【図4】同例の回転体のマグネットロータ部分を示す斜
視図
【図5】図3のA−A線断面図
【図6】同例の舵角検出ユニットを一部切り欠いて示す
平面図
【図7】図3のB−B線断面図
【図8】同例の舵角検出ユニットの取り付け方法を示す
工程図
【図9】実施例2の舵角検出ユニットを示す縱断面図
【図10】実施例3の舵角検出ユニットを示す縱断面図
【図11】同例の係合手段と第1操作部材とを示す断面
【図12】ロックピンと回転体との係合部を示す拡大断
面図
【図13】実施例4の係合手段と第1操作部材とを示す
断面図
【符号の説明】
6 舵角センサ 11 ステアリングシャフト 14 舵角検出ユニット 18,51,71 回転体 19,55 テーパカラー 25,56 スプリング 26,58,75 センサブラケット 31 貫通孔 33 目印 34 ロックピン(ロック部材) 43 ステアリングホイール(ハンドル) 52b 割り溝入り係合筒 59 第1貫通孔 60 第2貫通孔 61 第1ロックピン 62 第2ロックピン 63 引張り紐 64 連結紐 76,81 ファスナばね 77 ボルト(第1操作部材) 78 ロックボルト(第2操作部材) 79 係合凹部 82 ロックピン

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車の舵角を検出する舵角検出装置で
    あって、 ステアリングホイールが取り付けられるステアリングシ
    ャフトに嵌められ、係合手段によって当該ステアリング
    シャフトに係脱可能に設けられ係合により当該ステアリ
    ングシャフトと同期して回転する回転体と、 車体に取り付けられて上記回転体の外周囲に設けられ、
    当該回転体の回転量を検出するセンサと、 上記ステアリングシャフトの側面部に設けられ、上記係
    合手段を非係合状態に保持する一方、上記回転体を上記
    センサに所定の回転基準位置でロック保持するロック操
    作手段とを備えていることを特徴とする舵角検出装置。
  2. 【請求項2】 上記係合手段は、上記ステアリングシャ
    フトに嵌められ上記回転体にテーパ嵌合して当該回転体
    をステアリングシャフトに係合するテーパカラーと、該
    テーパカラーを上記回転体にテーパ嵌合するよう当該ス
    テアリングシャフトの軸方向に付勢する付勢手段とによ
    って構成され、 上記ロック操作手段は、車体に取り付けられて上記ステ
    アリングシャフトの外周囲に配置され上記センサが取り
    付けられるセンサブラケットと上記テーパカラーと上記
    回転体とに、当該テーパカラーが上記付勢手段の付勢に
    抗して非係合位置に位置付けられ且つ当該回転体が上記
    センサに所定の回転基準位置でロック保持されるよう、
    上記ステアリングシャフトの側面から係合離脱可能に設
    けられた1個のロック部材によって構成されている請求
    項1に記載の舵角検出装置。
  3. 【請求項3】 上記ロック操作手段は、車体に取り付け
    られて上記ステアリングシャフトの外周囲に配置され上
    記センサが取り付けられるセンサブラケットと上記係合
    手段とに当該係合手段を非係合状態に保持するよう上記
    ステアリングシャフトの側面から係合離脱可能な第1操
    作部材と、上記センサブラケットと上記回転体とに当該
    回転体をセンサブラケットに所定の回転基準位置でロッ
    ク保持するよう上記ステアリングシャフトの側面から係
    合離脱可能な第2操作部材とによって構成されている請
    求項1に記載の舵角検出装置。
  4. 【請求項4】 上記センサブラケットは円筒状に形成さ
    れ、該センサブラケットに上記ステアリングシャフトが
    ベアリングを介して支持されている請求項2又は請求項
    3に記載の舵角検出装置。
  5. 【請求項5】 上記係合手段は、上記回転体の端部に設
    けられた割り溝入りの係合筒と、該係合筒に外嵌され該
    係合筒が上記ステアリングシャフトに圧着によって係合
    するように径縮小方向に付勢された円形のファスナばね
    とによって構成され、 上記第1操作部材は、上記ファスナばねの径縮小方向の
    変形を規制するよう当該ファスナばねの両端に係合して
    いる請求項3に記載の舵角検出装置。
  6. 【請求項6】 上記センサブラケットには上記第2操作
    部材を貫通させる貫通部が形成され、上記回転体と上記
    センサとが互いに上記所定の回転基準位置に位置付けら
    れたときに上記貫通部に対峙する当該回転体の外周面
    に、上記第2操作部材の先端を係合させるための目印が
    設けられている請求項3に記載の舵角検出装置。
  7. 【請求項7】 車体に取り付けられて上記ステアリング
    シャフトの外周囲に配置され上記センサが取り付けられ
    るセンサブラケットに、これを内外に貫通する第1貫通
    部と第2貫通部とが形成され、 上記係合手段は、上記回転体にテーパ嵌合して当該回転
    体を上記ステアリングシャフトに係合するテーパカラー
    と、該テーパカラーを上記回転体にテーパ嵌合するよう
    当該ステアリングシャフトの軸方向に付勢する付勢手段
    とによって構成されていて、 上記第1操作部材は、上記センサブラケットの第1貫通
    部を貫通し該貫通部において当該センサブラケットに係
    合するとともに、先端が上記テーパカラーを付勢手段の
    付勢に抗して非係合位置に位置付けるよう当該テーパカ
    ラーに係合する、上記ステアリングシャフトの側方へ抜
    き差し可能に設けられたロックピンによって構成され、 上記第2操作部材は、上記センサブラケットの第2貫通
    部を貫通し該貫通部において当該センサブラケットに係
    合するとともに、先端が上記回転体に該回転体が上記セ
    ンサに所定の回転基準位置でロック保持されるように係
    合する、上記ステアリングシャフトの側方へ抜き差し可
    能なロックピンによって構成されている請求項3に記載
    の舵角検出装置。
  8. 【請求項8】 第1操作部材に該第1操作部材を上記ス
    テアリングシャフトの側方へ引いて上記係合手段から離
    脱させるための引張り紐が結合され、該引張り紐の引張
    りによって上記第1操作部材が上記係合手段から離脱し
    た後に上記第2操作部材が上記回転体から離脱するよ
    う、当該第1操作部材と第2操作部材とが紐で連結され
    ている請求項3又は請求項5乃至請求項7のいずれか一
    つに記載の舵角検出装置。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の舵角検出装置の取り付
    け方法であって、 車体に部品を組付けて自動車を組み立てる組立工程と、
    当該組み立てられた自動車の機能を点検調整する検査工
    程とを順に行なって自動車を完成させるにあたり、 上記組立工程において、上記ステアリングシャフト、係
    合手段、回転体及びセンサを、上記ロック操作手段によ
    って上記センサと回転体とが上記所定の回転基準位置で
    ロック保持され且つ上記ステアリングシャフトが上記回
    転体に対し相対回転するよう上記係合手段が非係合状態
    に保持された状態にして車体に組付け、 上記検査工程において、当該自動車のサスペンションア
    ライメントを調整した後に、上記ステアリングシャフト
    の側面から上記ロック操作手段によって上記係合手段を
    係合状態にし且つ上記センサと回転体とのロック保持を
    解除することを特徴とする舵角検出装置の取り付け方
    法。
  10. 【請求項10】 上記組立工程において、上記ステアリ
    ングシャフト、係合手段、回転体及びセンサの車体への
    組付けと、ステアリングホイールの上記ステアリングシ
    ャフトへの仮の組付けとを行ない、 上記検査工程において、当該自動車のサスペンションア
    ライメントを調整してから、上記ステアリングホイール
    の上記ステアリングシャフトへの本組付けを行ない、し
    かる後に、上記ステアリングシャフトの側面から上記ロ
    ック操作手段によって上記係合手段を係合状態にし且つ
    上記センサと回転体とのロック保持を解除する請求項9
    に記載の舵角検出装置の取り付け方法。
  11. 【請求項11】 上記ロック操作手段は、車体に取り付
    けられて上記ステアリングシャフトの外周囲に配置され
    上記センサが取り付けられるセンサブラケットと上記係
    合手段とに当該係合手段を非係合状態に保持するよう上
    記ステアリングシャフトの側面から係合離脱可能な第1
    操作部材と、上記センサブラケットと上記回転体とに当
    該回転体をセンサブラケットに所定の回転基準位置でロ
    ック保持するよう上記ステアリングシャフトの側面から
    係合離脱可能な第2操作部材とによって構成されてい
    て、 上記検査工程において、上記第1操作部材を係合手段か
    ら離脱させた後に、上記第2操作部材を回転体から離脱
    させる請求項9又は請求項10に記載の舵角検出装置の
    取り付け方法。
  12. 【請求項12】 第1操作部材に該第1操作部材を上記
    ステアリングシャフトの側方へ引いて上記係合手段から
    離脱させるための引張り紐が結合され、該引張り紐の引
    張りによって上記第1操作部材が上記係合手段から離脱
    した後に上記第2操作部材が上記回転体から離脱するよ
    う、当該第1操作部材と第2操作部材とが紐で連結され
    ていて、 上記引張り紐を引張ることにより、上記第1操作部材を
    係合手段から離脱させた後に、上記第2操作部材を回転
    体から離脱させる請求項11に記載の舵角検出装置の取
    り付け方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012162190A (ja) * 2011-02-08 2012-08-30 Asahi Denso Co Ltd チルト位置検知装置
CN109631753A (zh) * 2018-11-15 2019-04-16 深圳市特瑞吉科技有限公司 一种确定点胶针头更换后xy平面偏移值的方法

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