JPH06277298A - 埋込型薬液注入口 - Google Patents

埋込型薬液注入口

Info

Publication number
JPH06277298A
JPH06277298A JP6007255A JP725594A JPH06277298A JP H06277298 A JPH06277298 A JP H06277298A JP 6007255 A JP6007255 A JP 6007255A JP 725594 A JP725594 A JP 725594A JP H06277298 A JPH06277298 A JP H06277298A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hole
recess
diameter
medicine liquid
chemical liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6007255A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiyuki Shimamura
善行 島村
Mitsuyuki Hagio
満之 萩尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP6007255A priority Critical patent/JPH06277298A/ja
Publication of JPH06277298A publication Critical patent/JPH06277298A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)
  • Infusion, Injection, And Reservoir Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】埋込型薬液注入口において、薬液通路(7)
は、側壁の貫通孔とそれに挿入したパイプ(11)内の
中空で構成され、貫通孔部分の高さ(a)が凹み(6)
の深さの50%以上であり、貫通孔部分の幅,長さ
(b)が各々凹みの直径の50%以上あり、薬液通路
(7)はパイプ(11)内において縮径して薬液流出口
(8)まで延びていることを特徴とする埋込型薬液注入
口。 【効果】本発明の埋込型薬液注入口を用いることによ
り、粘性や粘着性を持った抗癌剤を含む薬剤を注入して
も滞留することなく容易に押し出され、洗浄薬液で洗い
出されて残留物はなく、長期にわたる頻回な薬液投与に
支障をきたさないことから、ゼラチンスポンジのような
血管内に長く滞留して塞栓効果が期待されている塞栓剤
に含浸させた薬剤の注入が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明の埋込型薬液注入口は医療
用に使用する。更に詳しくは、患者の皮膚下に埋込み、
先端を血管内に入れたカテーテルに接続して病変部に直
接または病変部に連絡する血管内に投与する治療薬剤等
を注射針等によっ反復注入するために使用する皮下埋込
型の薬液注入口に関する。
【0002】
【従来の技術】腫瘍疾患の化学療法の一つである病巣に
向かう血管に高濃度の抗癌剤を投与する動注療法は、切
除不能な腫瘍の姑息的治療法あるいは切除後の補助療法
として注目を浴び、その有用性は高く評価されている。
そして、長期にわたって抗癌剤の投与を連続もしくは間
歇的に行う動注療法では、皮膚下に埋め込んだ薬液注入
端に注射針を皮膚を貫通して刺し込み薬剤を送り込む埋
込型薬液注入口を利用する方法は、腫瘍組織の栄養供給
血管にカテーテルを留置しそのカテーテルの薬液注入端
を皮膚を貫通させて体外に保持する簡便な方法に較べ、
薬液注入端部の清潔保持と皮膚貫通部からの感染予防な
どから、入浴制限のような日常生活の束縛から患者を解
放し注目されている。
【0003】従来、その皮下埋込型の薬液注入端として
インシュリンやヘパリン、あるいはウロキナーゼの微量
を血管内に持続的に投与するため開発された皮下埋込型
の薬液注入口がある。これらには、凹みの薬液貯溜部か
ら薬液の微量を持続的に放出する制御機構としてポンプ
機構を持つタイプと、単純に凹みの薬液貯溜部からの拡
散によって微量の薬液を血流に放出するタイプがあり、
現在、腫瘍病巣に高濃度の薬剤を局所投与を行う動注療
法に使用されている皮下埋込型の薬液注入口として、上
記の制御機構のない凹みの薬液貯溜部だけを持つ埋込型
タイプを転用したり、構造や機構は同様で構成材料を金
属から合成樹脂に代え重量が軽くなったInfusaid-A-Por
t (Infusaid、米国)、Port-A-Cath (Pharmacia 、ス
ゥエーデン)、Vascular-Access-Port(Norfolk Medica
l Products、米国)そしてクリニーリザーバーシステム
(クリエートメディック、日本)、ニプロカテーテルア
クセス(ニプロ、日本)などの商品が使用されている。
これらの埋込型薬液注入口を利用すれば、薬剤投与はカ
テーテルの先端を血管内に挿入し、他端を薬液注入口に
接続して皮膚下に埋め込む操作を一度施しておけば、薬
剤投与の度に皮膚を貫通して血管のカテーテル挿入口確
保を行う必要がなくなり、患者にかける負担が軽くな
り、特に高齢な患者に好ましいこととして評価されてい
る。現在では、これらの埋込型薬液注入口の応用が広が
り、経中心静脈栄養補給の注入口としても使用され、社
会復帰の前提である在宅静脈栄養療法をも可能にしつつ
ある。
【0004】現在の動注化学療法は、治療の薬剤を腫瘍
組織へ効率よく吸収・蓄積させることや、腫瘍病巣に向
かう栄養血管に挿入したカテーテル先端から高濃度の薬
剤を投与・分布させて全身に循環する薬剤は少なくす
る。更に、疾患組織内血管を塞ぐ塞栓物質と薬剤を組み
合わせた塞栓術などにより副作用の軽減させて治療効果
をあげており、腫瘍組織に選択的に吸着する油性造影剤
のリピオドールや、血液に分解・溶存するまで血管を塞
ぎ薬剤を病巣部領域に滞留させる分解性デンプン粒子や
ゼラチンスポンジ等の塞栓物質にあらかじめ抗癌剤を混
濁あるいは含浸させて、腫瘍組織の栄養血管に注入して
抗癌剤等を滞留させる方法が試みられている。そして、
これらの反復あるいは持続の薬液投与には前記の埋込型
薬液注入口が使用されている。
【0005】混濁あるいは含浸させた抗癌剤のような治
療薬は、リピオドール、分解性デンプンそしてゼラチン
スポンジの順に、吸着性の油性薬剤より微粒子、微粒子
より細片の粘着性塞先物質に吸着させた方が腫瘍組織栄
養血管内の停滞時間は長くなるが、注入が難しくなる。
すなわち、粘性や粘着性が増大し、混合した薬剤が薬液
注入口の薬液貯溜部の滞留する部分に粘着し、疎通性が
悪くなり最後に詰まってしまう。この傾向は分解性デン
プンの微粒子、さらにゼラチンスポンジはその細片が大
きいために極端な傾向を示し、前記の埋込型薬液注入口
では、せいぜい40〜50μm の分解性デンプンの微粒
子注入が利用の限界で、約1mmの大きさのゼラチンスポ
ンジ細片の使用には利用できない。特開平 3-275074 号
公報に薬液貯溜部から薬液通路への入口周囲の角を丸
め、薬液通路も段差のない平滑な内空面にして薬剤の流
れ込みがスムースになる構造が提案されている。この構
造は流線力学的には好ましいことであるが、薬液通路の
直径は通常先端に外挿して接続するカテーテルの太さの
制限されるため、その内径は1.5mmφあるいはそれ以
下の場合が多く、薬液貯溜部内の大きさに較べて薬液流
路の入口が極端に小さいため滞留防止効果は小さく、ま
た狭い液溜内から薬液通路入口の角取りや丸め加工は難
しい。また、特開昭 64-11562 号公報では、薬液通路を
途中で縮径した構造が紹介されているが凹みの薬液貯留
部から薬液通路入口の部分の滞留防止は改善されていな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の埋込
型薬液注入口では滞留などにより使用が制限される。流
動性の小さい粘性の高い薬液や粘着性物質を含む薬剤で
も滞留することなく容易にカテーテルに流れ出る構造の
埋込型薬液注入口を提供することである。特に、前記の
動注化学療法で腫瘍組織の栄養血管内に停滞効果は高い
が流動性が悪く、詰まりの生じ易いがために利用が妨げ
られている粘着性のあるゼラチンスポンジの細片が容易
に通過し、更に洗浄によって残留物を残さない埋込型薬
液注入口を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の問
題点である粘着性のある薬剤を、凹みから薬液通路へ円
滑に流れ込ませカテーテルに導く構造を鋭意検討した結
果、凹みの直径を小さくし凹みからの薬液流出路の入口
は可能な限り直径を大きく、長く設けて凹みの薬液通路
移行部で滞留する部分をなくすとともに流れの方向を整
え、封止体を通して薬液を注入する圧力を、さらに薬液
を薬液通路内を押し流す力として有効に活用し、それか
ら、薬液流出路の出口では接続するカテーテル内径に見
合うパイプの外径にするためにパイプ内の薬液通路を縮
径し、縮径し細くなった薬液通路部分のパイプ外径を細
くして内空直径が小さいカテーテルを薬液流出口に接続
できるようにする。
【0008】こうして、凹み側壁を窄った大きな直径の
薬液通路により、凹みから薬液通路の移行部の滞留がし
にくくなり、注射針の細い口から高い注入圧で凹みに注
入された薬剤が底に当たって生じる乱流は、注入圧によ
って広い薬液通路内に無理なく流れ込んで一方向の流れ
に整えられて円滑にカテーテルに導かれる。そこで粘着
性物質の塞栓材も滞留することなく凹みからカテーテル
の方に押し出す。特に、粘性の低い洗浄用薬液の流れは
一層円滑で、内容物をきれいに洗い流し残留物がないこ
とを見い出し本発明に達した。
【0009】すなわち本発明は、本体(3)凹み(6)
の開口部を針刺可能な封止体(1)が覆い、凹みの側壁
を窄った貫通孔にパイプ(11)を挿入し、貫通孔とパ
イプの中空が薬液通路(7)として凹みと外部に開口す
る薬液流出口(8)を連通させた薬液注入口において、
薬液通路(7)は、側壁の貫通孔とそれに挿入したパイ
プ(11)内の中空で構成され、貫通孔部分の高さ
(a)が凹み(6)の深さの50%以上であり、貫通孔
部分の幅,長さ(b)が各々凹みの直径の50%以上あ
り、薬液通路(7)はパイプ(11)内において縮径し
て薬液流出口(8)まで延びていることを特徴とする埋
込型薬液注入口を提供するものである。
【0010】次に本発明の埋込型薬液注入口の構造につ
いて、図を用いて説明する。
【0011】第2図は、従来の埋込型薬液注入口につい
て凹み(6)からカテーテル(図示せず)を接続する薬
液流出口(8)までの薬液通路の構造を示す断面図であ
る。このように、従来の埋込型薬液注入口の薬液通路
(7)は、凹みの薬液貯留部(6)側壁の一部を穿った
孔が入口である。このような構造では広い凹みの薬液貯
留部(6)から細い薬液通路(7)に向かう薬液の流れ
を制限し、薬剤の流れが凹みの薬液貯留部(6)出口付
近に滞留するところが生じる。この滞留部分に粘性の高
い薬剤の残留や、粘着性物質が薬液溜まりの壁に固着し
て成長し閉塞する原因になる。
【0012】第1図は、本発明の改良された埋込型薬液
注入口の基本形態を示す断面図で、本体凹み(6)側壁
の貫通孔に設け凹み(6)の直径に近い大きさに開いた
薬液通路(7)の入口は、貫通孔に挿入されたパイプ
(5)挿入端まで長く延び、パイプ内で段階的に縮径し
て細くなり薬液流出口(8)と連通している。そして内
空が縮径した部分のパイプ(5)の外径もカテーテルに
挿入し易いように細くなっている。本体(3)下部に
は、矩形の4隅が翼のように張り出したフランジ(4)
が設けられており、その4隅には縫合孔(5)が窄かれ
ている。
【0013】次に本発明の埋込型薬液注入口各部分の構
成と作用について第1図を例示し、説明する。
【0014】凹み(6)の上部開口部を覆う封止体
(1)は、その下面周囲に凹み(6)上部周縁の突起状
の畝(10)に一致して噛み合う溝(9)が形成されて
いる。この溝(9)と畝(10)の組合わせは、凹み
(6)に薬剤注入する注射針(図示せず)の封止体
(1)に刺し貫通する力によって、封止体(1)が凹み
(6)内にずり落ちることを防止できるため好ましい。
この構造は、本体凹み(6)上部周辺における封止体
(1)の固定代が少なくてすみ、埋込注入口の外直径が
小さくできる利点を生む。突起状の畝(10)が漏斗状
に開いている構造は、針先を凹み(6)の方に導き易く
し、穿刺した針先が畝(10)の上面に当たる割合を少
なくして穿刺操作の確実性を確保している。封止体
(1)は、本体凹み(6)の上部開口部周辺に上から圧
入された押さえリング(2)により押さえられ固定して
いる。
【0015】凹み(6)の壁面下部から底面に移行する
部分は、大きく湾曲した曲線を描き実質的に角がない構
造になっている。この構造により凹み(6)は、薬液が
滞留し易く、洗浄しにくい角を持たず、高い粘性や粘着
性のある薬剤も滞留しにくく、薬剤注入後の洗浄薬液に
よって凹み(6)全体が容易に洗われ、残っている高い
粘性や粘着性のある薬剤でも容易に洗い流すことができ
好ましいものである。
【0016】形状が円あるいは楕円の凹み(6)の直径
の半分以上の大きさで開いている貫通孔は、側壁から底
面の移行部曲線を削り取って、薬液通路(7)入口下部
は、実質的に凹部(6)の底面と同一平面で連り、その
上部を封止体(1)の直下に至る程の大きい内径を持っ
た断面が円形あるいは楕円形の横孔である。側壁と貫通
孔入口が作るの角は、通常行われる丸め加工程度でよ
く、特に曲面を持たせる加工を施こさなくても、凹み
(6)の壁の曲線に沿って流れてくる薬剤を滞留させる
ことなくスムーズに薬液通路(7)の方に向ける。
【0017】薬液通路(7)は本体側壁の貫通孔部分お
よびパイプ(11)内の中空より構成され、貫通孔の部
分の高さ(第1図(B)におけるa)が凹み(6)の高
さの50%以上、好ましくは70%以上、より好ましく
は80%以上である。貫通孔の部分の幅(第1図(B)
においてa,b両方に垂直な方向であるc 図示せず)
が凹み(6)の直径の50%以上、好ましくは70%以
上、より好ましくは80%以上である(ここで凹み
(6)の直径とは凹みの形状が円の場合は直径、楕円の
場合は前記cに平行でかつ最大の長さを意味する)。貫
通孔部分の長さ(第1図(B)におけるb)は凹み
(6)の直径の50%以上あり、好ましくは70%以上
を有するものである。また貫通孔部分の下端は薬液の滞
留を防ぐため、凹み(6)の底面と合わせるのが好まし
い。
【0018】この薬液通路(7)は側面に挿入されてい
るパイプ(11)の中に移行して第1図のように段階的
にあるいは漏斗状に、さらには螺旋状に溝をいれる等を
して縮径するのが好ましい。このように、薬液通路
(7)の内径を広く、縮径させる位置を凹み(6)の出
口からできるだけ遠ざけた構造が、細い針先から高い注
入圧で凹みに押し込まれ、底に当たって生じた薬剤の乱
流の流れは、その圧力で薬液通路(7)の中に押し込ま
れて流れの方向が整えられ、円滑に薬液導出口(8)の
方に導かれる。ここで、凹みの直径は限定されるもので
はないが、粘着性の薬剤を注入するには滞留を起こしに
くく、かつ洗浄効果をよくするため容積は小さいことが
好ましく、具体的には凹み(6)は直径10mm以下好ま
しくは7mm以下である。また深さは穿刺する針の先端開
口部が凹み(6)内に完全に入ることが必要で、封止体
(1)が針先に押されて凹み(6)内に膨らむことから
5〜6mmは必要である。なお凹み(6)の直径7mm、深
さ6mm以下の場合においては図に示す薬液通路(7)は
断面が円状になるが、凹み(6)の直径あるいは深さを
大きくするような場合は、凹み(6)の薬液通路(7)
移行部周辺に薬剤が滞留する部分を小さくするために断
面を楕円形にするなどの工夫が必要である。
【0019】パイプ(5)は、本体(3)側面に圧入あ
るいは螺合して装着し、接合面の露出端側を溶接や接着
により封止して強固な固定と気密性を確保している。パ
イプ(5)の外径は、薬液通路(7)が縮径した部分を
先端から覆せるようにして接続するカテーテル(図示せ
ず)に合わせ細くするのが好ましい。またパイプ(5)
の先端付近の外側外周に滑り止めの切り込みを入れて
(図示せず)外挿したカテーテルが抜け落ちないように
する加工がよく行われるのは周知の通りである。本体下
部に矩形の4隅が翼のように張り出したフランジ(4)
が設けられており、その4隅には縫合孔(5)が窄かれ
ている。この縫合孔(5)は、体内に埋め込まれた薬液
注入口を皮膚下の組織に糸で固定するのに使用し、患者
の日常活動により埋め込んだ薬液注入口が移動したり回
転するのを防止し、その結果カテーテルが折れたりある
いはねじれて薬剤が詰まったり、あるいは患部や薬液注
入口からカテーテル先端が脱落するのを予防するために
使用される。
【0020】封止体(1)の頂点部分は、第2図の従来
品が周囲より心持ち低くし針を刺す部分が指先で関知す
るような構造に較べ、封止体(1)周囲を凹みの開口部
に押しつけて固定している押さえリング(2)の上部平
面に一致する高さか、あるいはドーム状に盛り上がった
構造とするのが好ましい。この構造は、半円球のドーム
状をしている薬液注入口の外観とも関係している。皮下
に埋め込んだ薬液注入口はどうしてもその高さの分だけ
皮膚を押し上げ常に皮膚に応力を与える。半円球のドー
ム状の外観は、封止体(1)の穿刺耐性を大きくするた
め厚みを確保することと、高さをできるだけ低くして応
力集中を分散させるのに特に好ましい形態である。その
ため、組み立てられた本発明の埋込型薬液注入口も全体
がドーム型となる形状とし、本体を低くしてかさばりが
少なく重量も軽くなるようにした。封止体(1)を構成
する素材には、注射針の穿刺に対して耐久性のある材料
であればよく、天然ゴム、シリコンあるいはウレタンゴ
ム等は好ましく用いられる。押さえリング(2)、本体
(3)、パイプ(5)やフランジ(4)の封止体(1)
を除く部分を構成する素材は、ステンレスあるいはチタ
ン等のように生体内に埋め込み可能な金属であれば支障
なく利用できる。特にチタンはステンレスに較べ、比重
が小さいから重量を40%も軽くする好ましい材料であ
る。また、ポリスルホンやポリアセタール、ポリカーボ
ネートあるいはポリメチルペンテン等のような硬質の合
成樹脂も適当な素材であり、例えば上記硬質合成樹脂素
材を押さえ(2)や本体(3)の素材に使い本体(3)
に底部に針突き抜け防止の前記金属を併設した構造や、
パイプ(5)やフランジ(4)の構成部分にも前記硬質
の合成樹脂に使えばさらに軽い薬液注入口が得られ好ま
しいものである。
【0021】
【実施例】次に本発明の埋込型薬液注入口を実施例を挙
げて説明する。
【0022】実施例1 本体(3)の材料としてステンレス・スティールを使
い、直径25mmφ、高さ9mmの母材に内空直径が4mm
φ、深さが4mmで底面周囲に半径1mmの壁面から底面の
曲線移行部を設けた凹み(6)を窄ち、薬液通路(6)
用の貫通孔をその底面と凹み(6)の底部に一致させて
直径3mmφの貫通孔を本体側面から窄った。更に本体
(3)は上から幅2mmの畝(10)を残して内空直径1
5mmφで3mmの深さに削りこんだ凹み上部の周縁部を作
成した。
【0023】別に同じようにステンレスを素材に押さえ
リング(2)として、直径25mmφ、厚さ5mmの母材
に、直径5mmφの孔を軸方向に貫通させ、さらに、内側
を直径13mmφの孔を4mmの深さに削り込んで厚さ1mm
の押さえ部を残して封止体(1)の保持部を作成、その
外に幅2mmの厚みを本体(3)上部との勘合面を残し、
その外側を深さ2mmを削り落とした。削って残った部分
には本体(3)と押さえリング(2)を止めるネジ穴を
窄ち、同じ様なネジ孔を対象に本体(3)の側壁内に貫
通させて設けた。最後に外観がドーム状になるように丸
みをつけた。また別に、同じステンレスを素材とした、
外径3mmφ長さ4mmと外径1.5mmφ長さ12mmが一体
化した棒に、軸方向に直径1mmφ貫通孔を窄ち薬液通路
(7)とし、外径3mmφ側の端の中空をさらに2mmの内
径で深さ2mm削って広げたパイプ(11)を用意した。
【0024】封止体(1)は、厚さ5mmのシリコンシー
トから直径13mmφのデイスクを切り出し、片面の周囲
に深さ1mmの溝(9)を切り込んで作製した。
【0025】本体(3)の側面を窄ってあけた貫通孔の
薬液通路(1)に、パイプ(11)の端面を約3mmの深
さまで圧入し、勘合部を接着固定した。次いで、封止体
(1)の溝(9)を本体(3)の畝(10)に合わせて
凹み(3)に覆せ、上から押さえリング(2)で封止体
(1)の周囲を押さえつけて本体(3)とネジ止めで固
定した。
【0026】実施例2 粘着性を持つ塞栓剤として、20×60×7mmのゼラチ
ンスポンジ(商品名:ゼルフォーム 日本アップジョ
ン)を約1mm角に切り、血管造影剤(商品名:ウログラ
フィン60% 日本シェーリング)の10mlに分散させ
た。実施例1の薬液注入口に、22Gの注射針を使い、
粘性のある油性造影剤(商品名:リピオドーリウルトラ
フルイド 小玉)5mlを流した。次いで針をそのままに
して、油性造影剤の注射筒をゼラチンスポンジが分散し
た血管造影剤の5mlを吸い上げた注射筒に交換し手押し
で一気に押し込んで流した。針はそのままに注射筒をも
う一度油性造影剤5mlを吸い上げた注射筒に換え、薬液
注入口の中を洗浄した。一連の操作が終わった薬液注入
口はネジをゆるめて分解して残留状態を調べたが、塞栓
剤はきれいに流出、洗浄されていた。この操作を繰り返
したが結果は同じだった。
【0027】実施例3 実施例1おける金属材料のステンレス・スチールをチタ
ンに替えて同じ形態に加工して、埋込型薬液注入口を作
製したところ重量がステンレス・スチ−ルを用いた場合
約10gであったのに対し、6.2gと軽くなり、実施
例2記載のゼラチンスポンジ注入試験も支障なく完全に
流出した。
【0028】
【発明の効果】本発明の小型で軽量な埋込型薬液注入口
は、粘性や粘着性を持った抗癌剤を含む薬剤を注入して
も滞留することなく容易に押し出され、洗浄薬液で洗い
出されて残留物はなく、長期にわたる頻回な薬液投与に
支障をきたさないことから、ゼラチンスポンジのような
血管内に長く滞留して塞栓効果が期待されている塞栓剤
に含浸させた薬剤の注入に適し、その結果、反復投与頻
度も少なくなり、薬剤の投与量全体は減少しても動注塞
栓療法の治療効果が得られ、薬剤による多くの副作用も
改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の改良した埋込型薬液注入口の基本形
態を示す上からみた外観(A)と、横からみた断面図
(B)である。
【図2】 従来の一般的な埋込型薬液注入口断面図であ
る。 1; 封止体 2; 押さえリング 3; 本体 4; フランジ 5; 縫合孔 6; 凹み(薬液貯留部) 7; 薬液通路 8; 薬液導出口 9; 溝 10; 畝 11; パイプ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体(3)凹み(6)の開口部を針刺可
    能な封止体(1)が覆い、凹みの側壁を窄った貫通孔に
    パイプ(11)を挿入し、貫通孔とパイプの中空が薬液
    通路(7)として凹みと外部に開口する薬液流出口
    (8)を連通させた薬液注入口において、薬液通路
    (7)は、側壁の貫通孔とそれに挿入したパイプ(1
    1)内の中空で構成され、貫通孔部分の高さ(a)が凹
    み(6)の深さの50%以上であり、貫通孔部分の幅,
    長さ(b)が各々凹みの直径の50%以上あり、薬液通
    路(7)はパイプ(11)内において縮径して薬液流出
    口(8)まで延びていることを特徴とする埋込型薬液注
    入口。
JP6007255A 1993-01-27 1994-01-26 埋込型薬液注入口 Pending JPH06277298A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6007255A JPH06277298A (ja) 1993-01-27 1994-01-26 埋込型薬液注入口

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1148093 1993-01-27
JP5-11480 1993-01-27
JP6007255A JPH06277298A (ja) 1993-01-27 1994-01-26 埋込型薬液注入口

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06277298A true JPH06277298A (ja) 1994-10-04

Family

ID=26341527

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6007255A Pending JPH06277298A (ja) 1993-01-27 1994-01-26 埋込型薬液注入口

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06277298A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102764164A (zh) * 2012-07-12 2012-11-07 北京兆仕医疗器械有限责任公司 免封管植入式给药装置
JP2014210004A (ja) * 2013-04-18 2014-11-13 ニプロ株式会社 皮下埋込型ポート
WO2015083923A1 (ko) * 2013-12-02 2015-06-11 주식회사 맥스엔메디칼 조절 기능이 있는 보형물
JP2015142735A (ja) * 2013-12-27 2015-08-06 株式会社ハイレックスコーポレーション 医療用装置
WO2018143481A1 (ja) * 2017-02-01 2018-08-09 国立大学法人東北大学 薬物を再注入可能な持続性薬物徐放デバイスおよび再充填用のインジェクタブルゲル

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102764164A (zh) * 2012-07-12 2012-11-07 北京兆仕医疗器械有限责任公司 免封管植入式给药装置
JP2014210004A (ja) * 2013-04-18 2014-11-13 ニプロ株式会社 皮下埋込型ポート
WO2015083923A1 (ko) * 2013-12-02 2015-06-11 주식회사 맥스엔메디칼 조절 기능이 있는 보형물
JP2015142735A (ja) * 2013-12-27 2015-08-06 株式会社ハイレックスコーポレーション 医療用装置
US10188847B2 (en) 2013-12-27 2019-01-29 Hi-Lex Corporation Medical device
WO2018143481A1 (ja) * 2017-02-01 2018-08-09 国立大学法人東北大学 薬物を再注入可能な持続性薬物徐放デバイスおよび再充填用のインジェクタブルゲル
JPWO2018143481A1 (ja) * 2017-02-01 2019-11-21 国立大学法人東北大学 薬物を再注入可能な持続性薬物徐放デバイスおよび再充填用のインジェクタブルゲル

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11833325B2 (en) Sprinkler cannula
US8409153B2 (en) Implantable vascular access device
AU764894B2 (en) Implantable device for access to a treatment site
US5944688A (en) Implantable hemodialysis access port assembly
US4405305A (en) Subcutaneous peritoneal injection catheter
US20060084929A1 (en) Infusion port
US20060184141A1 (en) Implantable access port
JPS61268269A (ja) 物質特に治療用物質の投薬量の反復分配の為の手動作動の埋設可能の装置
JPS62217974A (ja) 人工腺
US5147318A (en) Valved arterial catheter
JP2000079168A (ja) 薬液注入ポート
JPH06277298A (ja) 埋込型薬液注入口
JPH08107934A (ja) 皮下埋込型薬液注入ポートスリーブ用キャップ
US11504516B2 (en) Port catheter
JP3137360B2 (ja) 薬液注入ポート
JPH03195563A (ja) 薬剤注入システム
JPH03286776A (ja) 薬液注入器具
CN112618094B (zh) 一种脑梗的颈静脉插管给药装置
JPS63296770A (ja) 皮下埋め込み式リザ−バ−
JP2908503B2 (ja) 薬液注入ポート
JP7213528B2 (ja) 加圧式医薬品注入器
JP2821753B2 (ja) カテーテル
CZ280554B6 (cs) Implantabilní port
JP3169547B2 (ja) 薬液注入ポート
JPH067867B2 (ja) 埋込型薬液注入口