JP2821753B2 - カテーテル - Google Patents

カテーテル

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JP2821753B2
JP2821753B2 JP1002350A JP235089A JP2821753B2 JP 2821753 B2 JP2821753 B2 JP 2821753B2 JP 1002350 A JP1002350 A JP 1002350A JP 235089 A JP235089 A JP 235089A JP 2821753 B2 JP2821753 B2 JP 2821753B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、カテーテルに関するものである。具体的に
は、先端が閉鎖したタイプのカテーテルに関する。
[従来の技術] 従来より、高カロリー輸液を行うために、中心静脈カ
テーテル(以下、IVHカテーテル)が用いられており、
また上記IVHカテーテル以外にも血管内に長期間留置さ
れる多くのカテーテルが使用されている。
これらカテーテルを血管内に留置して、薬液の注入な
どを間欠的に行う場合において、薬液の注入を行わない
ときは、抗凝固剤であるヘパリン溶液をカテーテル内に
充填し、カテーテル内での血液凝固を防止していた。
さらに、カテーテル内に抗凝固剤を充填せず、カテー
テル内の血液の凝固を防止するために、カテーテル内に
常時微量の液体を注入する方法がとられていた。
また、先端閉塞型の血管内留置用カテーテルであっ
て、カテーテルの側面に薬液注入口を形成するスリット
を有するものがある(特開昭63−24958号公報)。
[発明が解決しようとする問題点] 血管内に留置されたカテーテル内での血液の凝固防止
のために抗凝固剤をカテーテル内に充填する方法では、
カテーテル内に充填された抗凝固剤が時間とともに血管
内に拡散し、その効果が失われることがあり、さらに留
置している患者の体の動きにより、カテーテル内に血液
が流入し、カテーテル内で血液凝固を起こし、カテーテ
ルの液体流出口さらにはカテーテル内を閉塞することが
あった。
また、血液内に留置されたカテーテル内での血液の凝
固防止のためにカテーテル内に常時微量の液体を流入す
る方法では、カテーテルに微量の液体を持続的に投与す
るための投与装置が必要になるともに、その投与装置に
よる持続的投与が行なわれていることを確認するため
に、装置の監視が必要であった。
また、上記のスリットを有するカテーテルでは、カテ
ーテルの表面において、スリットが開口したときの開口
面積に対するスリット面の接合面積の比をあまり大きく
することができない。これは、カテーテルを細径のもの
とするために、カテーテルの肉厚を厚くできないことに
よる。したがって、スリットより外部から血液が流入す
ることがあり、カテーテルのルーメン内への血液の流入
を抑制できず、ルーメン内での血栓の形成、ルーメンの
閉塞などが発生する虞れが高いものであった。
また、カテーテルのスリットを有する部位が曲折した
場合、スリットが開口し易く、特に、カテーテルのスリ
ット部位は他の部位に比して強度が弱いために外力によ
り曲折しやすい。よって、カテーテルのルーメン内への
血液の流入を確実に抑制することが困難であった。
そこで、本発明の目的は、カテーテルのルーメン内へ
の血液の流入を確実に抑制でき、ルーメンの閉塞を防止
することができ、さらに、持続的な液体投与装置および
その監視の必要のないカテーテルを提供することにあ
る。
[上記問題点を解決するための手段] 上記目的を達成するものは、先端が閉塞した1または
複数のルーメンを有するカテーテルにおいて、該カテー
テルは、カテーテル外面と前記ルーメンとの間に肉厚が
厚い部分と薄い部分とを有しており、さらに、前記ルー
メンより前記肉厚の厚い部分を通りカテーテルの外面に
達する少なくとも1つのスリットを有するステーテルで
ある。
また、前記スリットは、カテーテル本体の肉厚の最大
部もしくはその付近を通っていることが好ましい。さら
に、前記カテーテルは、前記スリットの近傍に該スリッ
とほぼ平行に設けられた補強部を有していることが好ま
しい。さらに、前記補強部は、X線造影効果を有してい
ることが好ましい。
本発明のカテーテルを図面に示す実施例を用いて説明
する。
第1図は、本発明のカテーテルの一実施例の断面図で
あり、第2図は、第1図I−I線拡大断面図である。
本発明のカテーテル1は、先端が閉鎖した1または複
数のルーメン6を有するカテーテルであり、カテーテル
外面とルーメン6との間に肉厚が薄い部分(肉薄部A)
と厚い部分(肉厚部B)とを有しており、さらに、ルー
メン6より肉厚部Bを通りカテーテルの外面に達する少
なくとも1つのスリット5を有している。
以外、図面を用いて説明する。
本発明のカテーテル1は、カテーテル本体2と、カテ
ーテル本体2の後端に取り付けられたハブ3とにより形
成されている。
カテーテル本体2は、先端が閉塞端となっており、さ
らにこの先端部付近までのびるルーメン6を有してい
る。さらに、このルーメン6の先端部付近の位置に設け
られ、ルーメン6と連通するスリット5を有している。
ルーメン6は、薬液を流通するための流路を形成しハブ
3に設けられた開口部7と連通している。そして、この
ルーメン6は、第2図に示すように、カテーテル本体2
の内壁の中心より外周方向に偏心した位置に設けられて
いる。よって、カテーテル本体2の内壁は、部分的に肉
厚が変化しており、肉厚が薄い肉薄部Aと肉厚が厚い肉
厚部Bとが形成されている。肉厚部Bは、肉薄部Aの最
小肉薄部分の2倍以上の厚さを有していることが好まし
い。そして、一般的に、IVHカテーテルの場合、カテー
テル本体2としては、外径が0.9〜2.1mm程度のものが使
用される。また、ルーメン6としては、直径が0.5〜1.7
mm程度が好ましく、さらに、カテーテル本体の外径の1/
2〜2/3であることが好ましい。
カテーテル本体2の形成材料としては、可撓性を有す
るものが好ましく、例えば、軟質塩化ビニル樹脂、ポリ
ウレタンエラストマー、ポリアミドエラストマー、シリ
コーンゴム、ラテックスゴム等が使用でき、好ましくは
ポリウレタンエラストマーである。さらに、カテーテル
本体2の外面に血栓が付着するのを防止するために、抗
血栓性材料、例えば、ポリヒドロキシエチルメタクリレ
ート、ポリヒドロキシメチルメタクリレート、スチレン
−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体(例えば、
HEMA−St−HEMAブロックコポリマー)をコーティングし
てもよい。
スリット5は、ルーメン6内に注入される薬液、栄養
剤、造影剤等の液体により、開口され、液体流出口とし
ての働きをする。また、液体注入時以外は、スリット5
は閉塞しており、ルーメン6内への血液の流入を防止し
ている。
そして、スリット5は、ルーメンの外面より、カテー
テルの肉厚部Bを通って、カテーテルの外面に至るよう
に形成されている。このようにカテーテル本体2の肉厚
を部分的に異なるものとし、スリット5をその肉厚部を
通るようにすることにより、スリット5にカテーテル本
体2の物性を利用した逆止弁効果をあたえることがで
き、ルーメン6内への血液の流入を確実に抑制すること
ができる。スリット5の大きさは、スリット幅が0で、
長さが1〜15mm程度、好ましくは、4〜10mmである。ス
リット5としては、内部に流入される液体の圧力が20mm
Hg以上で開口するものであることが好ましい。また逆
に、カテーテル本体2の外部に負荷される圧力がない場
合でも開口しないことが好ましい。また、スリット5
は、複数設けてもよい。さらに、スリット5の先端は、
第1図に示すように、ルーメン6の先端により近いこと
が好ましい。特に好ましくは、スリット5の先端とルー
メン6の先端が一端していることである。血管内留置用
カテーテルは、血管内に挿入される前に、ルーメン6内
の空気を液体と置換するプライミングが行われる。この
とき、スリット5の先端がルーメン6の先端により近い
ものであれば、ルーメン6の先端まで容易に内部の空気
を除去することができる。
カテーテル本体2の後端は、第1図に示すように、ハ
ブ3の先端に接着剤または熱融着などにより液密に固着
されている。
また、ルーメン6としては、第1図および第2図に示
したような偏心したものに限らず、カテーテル本体2の
内壁が部分的に変化しており、肉厚部と肉薄部が形成さ
れるものであれば、どのようなものでもよい。例えば、
第3図に示すように、ルーメン6が、カテーテル本体2
の内壁の中心に設けられるとともに、断面が偏平したも
のとしてもよい。
次に、本発明のカテーテルを皮下埋込型カテーテル組
立体に応用した実施例について説明する。
第4図は、本発明のカテーテルを皮下埋込型カテーテ
ル組立体に応用した実施例の平面図、第5図は、その側
面断面図である。
これらの図に示すように、皮下埋込型カテーテル組立
体10は、薬液注入具12と、これに接続されたバルーンカ
テーテル11で構成され、バルーンカテーテル11を血管に
挿入、留置するとともに、薬液注入具12を皮下に埋め込
んだ状態で使用される。
薬液注入具12は、ハウジング本体13Aおよび蓋体13Bで
構成されるハウジング13を有し、このハウジング13内
は、第1室15と第2室14とに区分されている。第1室15
および第2室14の上部には、それぞれに連通する第1入
口ポート17および第2入口ポート16が形成されている。
第1入口ポート17および第2入口ポート16からは、それ
ぞれ種類の異なる流体、即ち後述するバルーン膨張用の
流体および目的部位へ投与する薬液が注入される。
この第1入口ポート17および第2入口ポート16の形状
は、互いに異なるのが好ましい。例えば、第4図に示す
ように、第1入口ポート17の縁部の平面形状を円形と
し、第2入口ポート16の縁部の平面形状を四角形とする
ことである。このように、第1入口ポート17および第2
入口ポート16の形状を異なるものとすることにより、薬
液注入具12を皮下に埋め込んだ後、皮膚の上から触診に
より容易に第1入口ポート17(薬液注入用)および第2
入口ポート16(パルーン膨張用)を判別することができ
る。また、第1入口ポート17および第2入口ポート16の
高さ、または大きさ等を変えるというような他の手段に
よってもよい。
このような第1入口ポート17および第2入口ポート16
には、それぞれ弾性体18および19が嵌合されている。こ
の弾性体18,19は、穿刺後自己閉塞可能なもの、即ち、
穿刺針、静脈針等の針管を刺通し抜去した後、自ら閉塞
して気密性を保つようなものである。
弾性体18,19の構成材料としては、シリコーン、イソ
ブレン、天然ゴム等の各種ゴム類、ポリウレタン、ポリ
アミドエラストマー、ポリブタジエン、軟質塩化ビニル
等の各種樹脂、またはこれらのうち2以上を組み合わせ
たもの等が挙げられるが、そのなかでも特に、生体に対
し不活性で、比較的物性変化の少ないシリコーンゴムが
好ましい。
ハウジング13の底部の弾性体18および19と対向する位
置には、板状の針止め部材20が設置され、弾性体18,19
を穿刺した穿刺針がハウジング13の底部を貫通するのを
阻止するようになっている。
この針止め部材20としては、例えばステンレス、チタ
ン合金、真ちゅう等の金属、ポリカーボネート、アクリ
ル、ポリプロピレン、ポリアセタール等の硬質樹脂、ま
たは各種組成のセラミックス等の硬質材料が好適に使用
される。
なお、針止め部材20を設けず、ハウジング13の底部の
少なくとも弾性体18および19と対向する部分を前記のよ
うな硬質材料で構成してもよい。
ハウジング13の側部には、第1室15および第2室14に
それぞれ連通する第1出口ポート24および第2出口ポー
ト23が形成されている。
針止め部材20とハウジング13の底部との間には通路22
が形成され、この通路22の一端は針止め部材20に形成さ
れた貫通孔21を介して第2室14と連通し、通路22の他端
は第2出口ポート23と連通している。
第1出口ポート24および第2出口ポート23は、後述す
るバルーンカテーテル11の第1ルーメン36および第2ル
ーメン32と接続されるため、それに適した形状とされ、
即ち図示の例では各ルーメンに相当距離嵌入する管状体
となっている。
また、第1出口ポート24および第2出口ポート23は、
例えばステンレス、チタン合金、真ちゅう、クロムメッ
キ等を施した鉄等の金属、ポリカーボネート、ポリプロ
ピレン、アクリル、ポリアセタール等の硬質樹脂等の剛
性材料で構成されるのが好ましい。その理由は、出口ポ
ートに接続されたバルーンカテーテル11のチューブ本体
31の折れを防止するためである。即ち、バルーンカテー
テル11の弾性に対抗して流路を確実に確保できる程度の
剛性を有る必要があるためである。よって、前記ポート
23,24は硬質なハウジング13と柔軟なチューブ本体31と
の緩衝部の役目を果たしている。
さらに、バルーンカテーテルが容易に抜けないように
各ポート23,24の外表面に凹凸をつけてもよい。
第4図に示すように、薬液注入具12の四隅には、薬液
注入具をその埋込部の皮下組織に固定するための固定機
構としての小孔25が形成されている。この4つの小孔25
に糸を通し、その糸を筋等の皮下組織に結んで薬液注入
具12を固定する。
なお、薬液注入具をその埋込部の皮下組織に固定する
ための固定機構としては、上記のものに限定されず、そ
の他例えば、皮下組織を挟持しうるクリップのようなも
の等いかなるものでもよい。
このような薬液注入具10は、、例えば、次の方法によ
り製造される。
ハウジング本体13Aを、出口ポート23,24および針止め
部材20を含むインサート射出成形により製造し、このハ
ウジング本体13Aに、第2および第1入口ポート16,17に
それぞれ弾性体18,19を嵌合した蓋体13Bを接着または融
着する。なお、ハウジング本体13Aと蓋体13Bとの接着ま
たは融着は、簡便である超音波融着が好ましいが、溶剤
接着、接着剤接着、熱融着等の他の方法によるものでも
よい。
ハウジング本体13Aおよび蓋体13Bの構成材料は、生体
に対し不活性なものであればいかなるものでもよく、好
ましくは、ポリプロピレン、高感度ポリエチレン、ポリ
カーボネート等の樹脂、アルミナ、アパタイト等のセラ
ミックスが挙げられる。また、ハウジング本体13Aと蓋
体13Bの構成材料は、同一でも異なっていてもよい。
第4図および第5図に示すように、バルーンカテーテ
ル11はチューブ本体31を有し、その先端部(第1図中右
側)付近のチューブ本体外周壁回りにバルーン38が設置
されている。
このバルーン38は、例えばシリコーンゴム、ラテック
スゴムのようなゴム材料、または軟質塩化ビニル、ポリ
ブタジエン、EVA等で構成され、膨張、収縮自在のもの
である。
またチューブ本体31は、例えばシリコーンゴム、ラテ
ックスゴム、塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンエラストマ
ー、EVA、ポリアミドエラストマー等のような可撓性を
有する材料で構成されている。
なお、チューブ本体31およびバルーン38は血管内に挿
入留置されるため、これらは、抗血栓性を有するシリコ
ーンゴムで構成されていること、または、表面に抗血栓
性材料が被覆されていることが好ましい。抗血栓性材料
としては、上述のものが好適に使用できる。
チューブ本体31には、以下に述べるような用途、機能
を有する第1ルーメン36および第2ルーメン32が形成さ
れている。第1ルーメン36は、血管内に薬液を注入する
ための流路を形成し、第2ルーメン32は、バルーン38を
膨張させるための流体の流路を形成する。
そして、第1ルーメン36は、第7図に示すように、カ
テーテル本体31の外周の中心より外周方向に偏心した位
置に設けられている。また同様に、第2ルーメン32もカ
テーテル本体31の外周の中心より外周方向に偏心した位
置に設けられている。よって、カテーテル本体31の内壁
は、部分的に肉厚が変化しており、肉厚が薄い肉薄部A
と肉厚が厚い肉厚部Bとが形成されている。肉厚部B
は、肉薄部Aの最小肉薄部分の5倍以上の厚さを有して
いることが好ましい。そして、カテーテル本体31として
は、外径が1.5〜2.1mm程度のものが使用される。また、
第1ルーメン36としては、直径が0.5〜1.0mm、好ましく
は0.6〜0.9mmであり、カテーテル本体の外径の1/2〜1/3
であることが好ましい。また、第2ルーメン32として
は、外径が0.1〜0.5mm、好ましくは0.2〜0.3mmであり、
カテーテル本体の外径の1/7〜1/12であることが好まし
い。そして、第1ルーメン36の先端付近にはスリット34
が設けられている。スリット34は、第1ルーメン36内に
注入される薬液等の液体により、開口し、液体流出口と
しての働きをする。また、液体注入時以外は、スリット
34は閉塞しており、第1ルーメン36内への血液の流入を
防止している。そして、スリット34は、第1ルーメン36
の外面より、カテーテルの肉厚部Bを通って、カテーテ
ルの外面に至るように形成されている。このようにカテ
ーテル本体31の肉厚を部分的に異なるものとし、スリッ
ト34をその肉厚部を通るようにすることにより、スリッ
ト34にカテーテル本体31の物性を利用した逆止弁効果を
あたえることができ、第1ルーメン36内への血液の流入
を確実に抑制することができる。スリット34の大きさ
は、スリット幅が0(密着した状態)で、長さが1〜15
mm程度、好ましくは、4〜10mmである。スリット34とし
ては、内部に流入される液体の圧力が20mmHg以上で開口
するものであることが好ましい。また逆に、カテーテル
本体31の外部に負荷される圧力がない場合でも開口しな
いことが好ましい。
また、スリット34は、複数設けてもよい。さらに、ス
リット34の先端は、第6図に示すように、第1ルーメン
36の先端により近いことが好ましい。特に好ましくは、
スリット34の先端と第1ルーメン36の先端が一致してい
ることである。血管内留置用カテーテルは、血管内に挿
入される前に、第1ルーメン36内の空気を液体と置換す
るプライミングが行われる。このとき、スリット34の先
端が第1ルーメン36の先端により近いものであれば、第
1ルーメン36の先端まで容易に内部の空気を除去するこ
とができる。
そして、バルーン38の内側のチューブ本体31の外周部
には、第2ルーメン32と連通する側孔33が形成されてお
り、第2ルーメン32は、バルーン38内と連通している。
そして、側孔33より先端側の第2ルーメン32内には、例
えば補強材35が挿入または充填されている。この補強材
35は、スリット34の開口圧力を高くする機能を有してい
る。よって、この補強材35を設けることにより、スリッ
ト34として同じ接合面積であっても、その開口圧力が高
くなるから、外部からルーメン36内への血液の流入を確
実に抑制することができる。そして、補強材35は、スリ
ット34に平行して、設けられていることが好ましい。補
強材の長さは、スリット34とほぼ同じか、それより長い
ことが好ましい。特に好ましくは、補強材35の先端が、
第1ルーメン36の先端よりカテーテル本体31のより先端
まで延びていることである。このようにすることによ
り、より高い補強効果を達成できる。そして、補強材35
によりスリット34の強度は補強され、カテーテルの屈曲
やねじれによるスリットのゆるみも防止できる。補強材
の材質は、アルミニウム、ステンレス、ニッケルチタン
等の金属棒またはコイル、さらには、エポキシ樹脂、ポ
リカーボネイトなどが好適に使用される。そして、補強
材35はX線造影機能を有することが好ましく、上記のよ
うな金属物、さらには上記のような樹脂に硫酸バリウ
ム、酸化ビスマスのような金属塩を混入したものを用い
ることが好ましい。
第2ルーメン32の基端側からバルーン膨張用の流体を
注入すると、該流体が第2ルーメン32および側孔33を通
じてバルーン38内へ送り込まれバルーン38が膨張し、ま
た流体を排出すると、バルーン38が収縮する。
なお、バルーン膨張用の流体としては、空気、CO2
ス、O2ガス等の気体、または生理食塩水、X線造影剤等
の液体が挙げられる。
また、チューブ本体31には、第6図および第7図に示
すように、第1ルーメン36の内面からチューブ本体31の
外周部に至るスリット34が設けられている。なお、第6
図は、第5図のカテーテルの先端拡大断面図であり、第
7図は、第6図のIII−III線断面図である。この第1ル
ーメン36は、バルーンカテーテル11を挿入、留置した血
管内の目的部位へ薬液等を投与するのに用いられる。
さらに、チューブ本体31の先端には、第1ルーメン36
を閉塞する封止部材39が取り付けられている。
バルーン38は、チューブ本体31のスリット34より基端
側に設置されている。このバルーン38は、膨張時に挿入
する血管内壁面を密着するようになっており、血管に対
しバルーンカテーテル11を固定する役割と、血液流を遮
断し、バルーン38より前方(チューブ先端側)において
スリット34より噴出された薬液が血液により希釈される
のを防止する役割を持っている。
このようなバルーン38は、膨張させたときチューブ本
体31の中心から放射状に膨張するようになっているのが
好ましい。
またバルーン38の横断面形状は円、楕円、その他これ
に類する形状が可能であるが、挿入、留置する血管の横
断面形状に近似したものとすれば、血管への密着性、即
ち血液流の遮断性が良好となり好ましい。
このようなバルーンは、チューブ本体31の長手方向に
沿って複数個形成されていてもよい。
なお、バルーン38は、チューブ本体31に対し気密また
は液密状態に取り付けられている。
このようなバルーンカテーテル11は、その基端側にお
いて、第2ルーメン32が第2出口ポート23と、第1ルー
メン36が第1出口ポート24とそれぞれ連通するよう薬液
注入具12と接続されている。
なお、バルーンカテーテル11を体内に留置する際に、
これを固定する必要がある場合には、バルーンカテーテ
ル11を筋等の皮下組織に固定するための固定手段(図示
せず)をバルーンカテーテル基端側の適所に設けるのが
好ましい。
皮下埋込型カテーテル組立体10は、体内に留置された
状態で使用されるので、バルーンカテーテル11の存在位
置をX線透視下で確認しつつ薬液の投与等を行う場合が
ある。そこで、バルーンカテーテル11にX線造影性を付
与しておくのが好ましい。具体的には、チューブ本体31
および/またはバルーン38の構成材料中にX線造影剤を
含有せしめるのが好ましい。X線造影剤としては、例え
ば、硫酸バリウム、酸化ビスマス等の金属塩が挙げられ
る。
以上では、バルーンカテーテル11を備えた皮下埋込型
カテーテル組立体の構成例について説明したが、本発明
では、バルーンのないカテーテルを備えたものでもよい
ことは言うまでもない。
[作用] 以下、本発明のカテーテルを皮下埋込型カテーテル組
立体に応用した実施例を用いてその作用について説明す
る。
バルーンカテーテル11の先端を例えば腹部から担癌臓
器の栄養動脈血管の目的部位まで挿入し、留置するとと
もに、薬液注入具12をバルーンカテーテルを挿入した腹
部の皮下に埋め込んでおく。このとき、薬液注入具を四
隅の小孔25にて筋等の皮下組織に固定する。この状態
で、皮下埋込型カテーテル組立体10は体表面に露出する
部分がない。
まず、皮膚の上から触診により薬液注入具12の第2入
口ポート16を判別し、バルーン膨張用流体の入った針付
きシリンジの穿刺針を第2入口ポート16の弾性体18に穿
刺し、バルーン膨張用流体を第2室14内へ注入する。
第2室14内へ注入されたバルーン膨張用流体は、貫通
孔21から通路22を通り第2出口ポート23へ至り、さらに
第2ルーメン32を通って側孔33からバルーン内へ送り込
まれ、バルーン38を所定の大きさに膨張させる。このバ
ルーン38の膨張により、血管内の血液流が遮断される。
バルーン38の膨張後は、弾性体18から、穿刺針を抜き
取る。弾性体18は、穿刺針抜去後自己閉塞し、よってバ
ルーン38の膨張はそのまま維持される。
次に、皮膚の上から触診により薬液注入具12の第1入
口ポート17を判別し、投与すべき薬液(例えば、抗癌
剤)が入った針付きシリンジの穿刺針または輸液ボトル
からチューブを介した静脈針を第1入口ポート17の弾性
体19に穿刺し、薬液を第1室15内へ注入する。注入され
た薬液の圧力によりスリット34が開き、薬液が噴出す
る。薬液の注入をしないときにはスリット34が閉じ、細
いスリットからは血液が第1ルーメン36内へ浸入せず、
よって血栓による第1ルーメン36の閉塞は防止される。
血管内の血液流は、膨張したバルーンにより遮断され
ているため、目的部位へ注入された薬液は、血液に希釈
されることなく癌細胞へ取り込まれる。
薬液の投与後は、弾性体19から穿刺針を抜き取る。弾
性体19は穿刺針抜去後自己閉塞するため、薬液の漏洩等
は生じない。
薬液の投与から所定時間(通常、30分程度)経過後、
針付きシリンジの穿刺針を第2入口ポート16の弾性体18
に穿刺し、バルーン膨張用流体を第2室14から吸引し、
バルーン38を収縮させ、血流を再開させる。
以上の方法で、数日ないし数週間毎に繰り返し治療を
行う。
従来では、1回の治療を行う毎にバルーンカテーテル
を挿入、抜去していたため、患者への負担が大きく、ま
たバルーンカテーテルを経皮的に挿入していたため、感
染の危険もあった。これに対し、この皮下埋込型カテー
テル組立体10を体内に留置しておけば何回でも繰り返し
治療を行うことができるため、患者の負担が極めて小さ
く、また、治療を行っている期間、皮下埋込型カテーテ
ル組立体10は体表面に露出していなので、感染の危険が
なく、患者は自由に行動でき、入浴も可能となる。
[発明の効果] 本発明のカテーテルは、先端が閉鎖した1または複数
のルーメンを有するカテーテルにおいて、該カテーテル
のカテーテル外面と前記ルーメンとの間に肉厚が厚い部
分と薄い部分とを有しており、さらに、前記ルーメンよ
り前記肉厚の厚い部分を通りカテーテルの外面に達する
少なくとも1つのスリットを有するものであり、特に、
液体流入口を形成するスリットは、上記のようにカテー
テルの肉厚部を通っているので、広い接合面積を有して
いるおり、このため開口圧力が高く、カテーテルのルー
メン内への血液の流入を確実に抑制でき、カテーテルの
ルーメンが血栓等により閉塞することを防止する。さら
に、本発明のカテーテルでは、持続的な液体投与装置お
よびその監視の必要がなく、取り扱いが容易である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のカテーテルの一実施例の部分断面
図、第2図は、第1図のI−I線断面図、第3図は、本
発明のカテーテルの他の実施例の断面図、第4図は、本
発明のカテーテルの他の実施例の平面図、第5図は、第
4図のII−II線断面図、第6図は、第4図のカテーテル
の先端部の拡大断面図、第7図は、第6図のIII−III線
断面図である。 1……カテーテル 2……カテーテル本体、3……ハブ 5……スリット、6……ルーメン 10……皮下埋込型カテーテル組立体 13……ハウジング、20……バルーンカテーテル 34……スリット、35……補強材

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端が閉鎖した1または複数のルーメンを
    有するカテーテルにおいて、該カテーテルは、カテーテ
    ル外面と前記ルーメンとの間に肉厚が厚い部分と薄い部
    分とを有しており、さらに、前記ルーメンより前記肉厚
    の厚い部分を通りカテーテルの外面に達する少なくとも
    1つのスリットを有することを特徴とするカテーテル。
  2. 【請求項2】前記スリットは、カテーテル本体の肉厚の
    最大部もしくはその付近を通っている請求項1に記載の
    カテーテル。
  3. 【請求項3】前記カテーテルは、前記スリットの近傍に
    該スリットとほぼ平行に設けられた補強部を有している
    請求項1または2に記載のカテーテル。
  4. 【請求項4】前記補強部は、X線造影効果を有している
    請求項3に記載のカテーテル。
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