JP2602109B2 - 薬剤注入システム - Google Patents

薬剤注入システム

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JP2602109B2
JP2602109B2 JP1337680A JP33768089A JP2602109B2 JP 2602109 B2 JP2602109 B2 JP 2602109B2 JP 1337680 A JP1337680 A JP 1337680A JP 33768089 A JP33768089 A JP 33768089A JP 2602109 B2 JP2602109 B2 JP 2602109B2
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尚生 中村
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、動脈及び静脈血管に薬剤を注入するための
体内埋め込み式薬剤注入システムに関するものであり、
さらに、詳しくは、体内に埋め込んで使用するに際し
て、磁気診断装置の磁力の影響を受けず、また、該診断
装置の診断に影響を与えない上、数箇月に及ぶ長時間の
体内留置においても材質の変化及び組織との反応性がな
く、抗血栓性においても良好な薬剤注入システムに関す
るものである。
[従来の技術] 従来より、薬剤リザーバーとカテーテルよりなる体内
埋め込み式の薬剤注入用カテーテルは、体外に露出した
薬剤供給口がないので、種々の雑菌による感染が防止で
きる利点から広く使用され始めた。
注射針の穿刺部付きリザーバーを手術により体内に埋
め込み、この穿刺部よりリザーバーに定期的に薬剤など
に仕込み、リザーバーに取り付けたチューブを経由し
て、所定の動脈又は静脈に継続的に供給するシステムは
行われている。
この場合、血管の中に挿入されるチューブの先端部
は、抗血栓性であることが必要であり、先端部に達する
までの中間のチューブはこれが接する体内組織と反応性
のないものが必要であり、チューブが両方の特性を有す
るものが必要である。
チューブ材質の組織適合性と抗血栓性はよく似ている
が、一方の性能が良好でも他方の性能が必ずしも良好と
は限らない。
長い場合には数箇月間埋め込まれる薬剤供給システム
では、材質として両者ともに優れていることを必要とす
る。
さらに、従来の該システムでは、注射針の突き抜けの
危険性を回避するためにリザーバーにステンレス銅等の
金属が使用されることが多く、このような磁性金属を使
用した場合、長時間の埋め込み期間中に、MRIなどの強
力な磁気をかける診断を行う場合に、磁気診断に悪影響
を与えたり、埋め込み薬液リザーバーが強力な磁力によ
り移動して、先端部が血管から脱落する不都合が生じ
る。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、体内に埋め込んだ場合に体内組織適合性と
抗血栓性がとも優れ、磁気診断に悪影響のない体内埋め
込み式薬剤供給カテーテルを提供するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、チューブ中間部分の体内組織適合性と
チューブ先端部分の抗血栓性を達成するために、チュー
ブの材質を途中で変更する方法が最適と思考して、先端
の血管内に挿入される部分のチューブをポリウレタンか
らなる抗血栓性材料として、リザーバーから血管に挿入
される前までのチューブをシリコーンからなる組織適合
性材料で形成し、リザーバー容器を非磁性金属にするこ
とにより、上記課題を達成した。
すなわち、本発明は、薬剤リザーバー、中間チュー
ブ、コネクター及び先端カテーテルを必須構成要素と
し、該先端カテーテルと中間チューブの材質を異ならし
めた体内埋め込み式カテーテルであって、薬剤リザーバ
ーは、上面に軟質材料製穿刺部を有する非磁性金属製の
流出口付き容器であって、中間チューブは、シリコーン
からなる組織適合性表面を有して流出口とコネクターで
連結し、コネクターは非磁性金属製又は硬質プラスチッ
ク製であって中間チューブと先端カテーテルを連結し、
先端カテーテルはポリウレタンからなる抗血栓性表面を
有することを特徴とする薬剤注入システムを提供するも
のである。
本発明システムは、第1図に示すように、薬剤リザー
バー1、中間チューブ2、コネクター3及び先端カテー
テル4を必須構成要素とする体内埋め込み式カテーテル
であり、薬剤リザーバー1は、注射針による穿刺注入部
である自己密閉型セプタム7を有する金属容器であっ
て、本体容器部分が非磁性金属製である以外は従来使用
されている埋め込み式薬剤リザーバーと同一形状及び同
一機能のものを特に制限なく使用することができる。
本発明薬剤リザーバーの容器内に2個以上の穿刺部と
2個以上の薬剤室を設け2種以上の薬剤を供給すること
ができる。
この容器部分が金属であることは、薬剤補給の際に注
射針が突き抜けないためとX線による検知ができる利点
がある。
本発明においては、該金属が非磁性金属、例えば、高
純度チタン、非磁性ステンレスなどによって製造されこ
ものである点に特徴がある。
非磁性金属を使用することにより、NMR診断などの場
合に強力な磁力によって、リザーバーが移動したり、回
転して、注入チューブの先端が血管から抜ける危険を防
止することができる。
非磁性金属の中でも、純度99%以上の高純度金属チタ
ンがとくに本発明の薬剤リザーバーの材質として優れて
いる。
高純度チタンは、体内に長期間留置しても体内組織に
影響が全くなく、しかも、鉄などと比較すると密度が1/
2であり、軽量であるので埋め込み部の組織に負担をか
けない利点がある。
本発明システムにおいて、薬剤供給チューブは中間チ
ューブ2と先端カテーテル4に分かれ、両者をコネクタ
ー3が連結している。
本発明に用いる薬剤供給チューブは、2本以上の複数
通路を有する構造にして混合できない2種以上の薬剤又
は輪液を注入できるようにすることができる。
本発明に用いるコネクター3は、金属又は硬質のプラ
スチック製にすることができる。金属の場合はX線によ
り所在が検知できて便利であるが、非磁性金属にする必
要がある点はリザーバー容器1の場合と同様の理由で必
要である。
また、プラスチック製コネクターにした場合には造影
剤をブレンドしたものを使用することができる。
本発明のプラスチック製コネクターの材質としては、
ポリカーボネート樹脂が適している。
本発明のコネクター3は、中空の管状であって、連結
すべき両チューブの端5,6に挿入して嵌合させて連結す
る。コネクター3の長さは連結固定強度があれば短いほ
どよく、連結強度はコネクターの嵌合部に滑り止めの凹
凸溝を設けて達成することができる。この場合、プラス
チック製コネクターを使用する場合は、両チューブの端
5,6をコネクターの上で円滑に重合させて連結部表面を
円滑曲面になるように被覆するのが組織反応防止の点か
ら望ましい。
本発明のコネクターも2種以上の薬剤を供給するため
に複数の通路を設けたものを使用することができる。
このコネクターの位置は、患者によって相違する挿入
部と薬剤リザーバー保持部の距離及び血管内に入る先端
カテーテルの長さに応じて、体内組織から血管に入る境
界近くに、適宜設定することができる。
本発明に用いる中間チューブ2は、シリコンゴム、シ
リコン樹脂などのシリコーンからなる組織適合性材料を
表面に有するものである。シリコーンは体内組織との反
応性が殆どないものである。
本発明においては、中間チューブ2全体をシリコーン
からなる組織適合性材料で製造するか、チューブの外面
をシリコーンからなる組織適合性物質によりコーティン
グ又は積層してものを使用することができる。
本発明に用いる先端カテーテルは、血管内に導入され
て固定されるものであり、長期間血液と接触しているの
で、チューブ先端の内外表面に血液凝固物が付着しやす
く、このものが剥がれ落ちると血液の流れに乗って血管
内を移動する。これが脳塞栓、腎機能の低下などの原因
となる。このため先端チューブの内外表面は、抗血栓性
である必要がある。
本発明の先端カテーテルはウレタンとシロキサンのブ
ロックポリマー、ポリエーテル型ポリウレタンなどのポ
リウレタンからなる抗血栓性材料を表面に有するもので
ある。先端カテーテルは、該抗血栓性材料により製造さ
れたもの又は該抗血栓性材料をコーティングして製造さ
れたものがある。なお、必要に応じて、ヘパリン、ウロ
キナーゼ等の生理活性物質を表面に局在化させたものも
使用することができる。
中間チューブ2及び先端カテーテル4にはX線造影性
粉末などをブレンドしたものを材質とすることができ
る。
先端カテーテルにX線造影性を付与することによっ
て、血管内の先端カテーテル4の固定状況を容易に感知
でき、薬剤などの供給を確実にすることができる。
本発明システムは具体的には、例えば、次のようにし
て使用することができる。
使用例1 肝臓に悪性腫瘍のある患者に対して、金属チタン製容
器とシリコン製中間チューブとポリカーボネート製コネ
クターと造影剤入りポリウレタン製先端カテーテルから
なる本発明システムを適用する。
先端カテーテルの先を門脈の一支流に挿入固定し、同
時に、先端カテーテルの遠位部分にある薬剤リザーバー
は患者の体位変動の影響を受けない部分の皮下に固定
し、その上の皮膚を縫合して、注入システムを総て体内
に埋め込む。先端カテーテルの長さは殆どが血管に入る
ように調節してコネクターで連結する。
1〜2週間に一度の周期で皮膚下の薬剤リザーバーの
穿刺部に体外より注射針を使って薬剤を注入することが
できる。
注入に際しては、皮膚及び注射針を消毒するだけで菌
の汚染は防止でき、6箇月以上体内に埋めて継続的薬液
投与しても血栓や薬剤による詰まりはなく円滑に治療す
ることができる。
しかも、この患者について、薬剤注入システムを体内
に留置したままでMRI撮影で検査することができる。
使用例2 2個の通路を有するチューブと2個の穿刺部と2個の
保存室を有する薬剤リザーバー容器からなる本発明のシ
ステムの先端カテーテルを鎖骨下静脈を経て、中心静脈
にすすめて留置して、他端の静脈用薬剤リザーバーを前
胸部に作成した皮下ポケットに置く。
薬剤リザーバーは筋膜に固定し、皮膚縫合を行い皮下
に埋め込む。
2個の穿刺部は体外から容易に確認でき、必要に応じ
て、輪液及び薬剤を注入することができる。
このような方式で1年以上薬剤及び輪液による栄養補
給をすることができる。
[発明の効果] 本発明の薬剤注入システムは、長時間体内に留置して
も瘻孔及び血栓を起こす危険がない利点を有する上、各
金属部があるにもかかわらず、体内留置中にMRIなどの
診断における強力な磁力によって先端カテーテルが脱離
するおそれもない利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の薬剤注入システムの一実施例の断面図
であり、第2図はその平面図である。 図中の符号は、1;薬剤リザーバー、2;中間チューブ、3;
コネクター、4;先端カテーテル、5;中間チューブの連結
端、6;先端カテーテルの連結端、7;自己密閉型セプタ
ム、8;中間チューブ固定管である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薬剤リザーバー、中間チューブ、コネクタ
    ー及び先端カテーテルを必須構成要素とし、該先端カテ
    ーテルと中間チューブの材質を異ならしめた体内埋め込
    み式カテーテルであって、薬剤リザーバーは、上面に軟
    質材料製穿刺部を有する非磁性金属製の流出口付き容器
    であって、中間チューブは、シリコーンからなる組織適
    合性表面を有して流出口とコネクターで連結し、コネク
    ターは非磁性金属製又は硬質プラスチック製であって中
    間チューブと先端カテーテルを連結し、先端カテーテル
    はポリウレタンからなる抗血栓性表面を有することを特
    徴とする薬剤注入システム。
  2. 【請求項2】薬剤リザーバーの容器内に2個以上の穿刺
    部と2個以上の薬剤室を設け、中間チューブ及びコネク
    ターを2本以上の複数通路を有する構造にした請求項1
    記載の薬剤注入システム。
  3. 【請求項3】硬質プラスチック製コネクターが、造影剤
    をブレンドしたものである請求項1又は2記載の薬剤注
    入システム。
  4. 【請求項4】中間チューブ又は先端カテーテルが、造影
    剤をブレンドしたものである請求項1、2又は3記載の
    薬剤注入システム。
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