JPH0627611U - 輸送用結束具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】包装箱体を迅速に結束でき、繰り返し使用で
き、しかも大気汚染を起生することもない輸送用結束具
を提供する。 【構成】中空保持管２の一端部に下方押圧板３を固着
し、他端部に上方バネ止着体４を嵌着する。摺動杆５の
一端部に上方押圧板６を固着し、他端部に下方バネ止着
体７を固着する。下方バネ止着体７を中空保持管２内で
摺動可能とするとともに、上方バネ止着体４と下方バネ
止着体７との間に圧縮バネ８を介装する。中空保持管２
を圧縮バネ８の弾性力に抗して引き下げた後に引き下げ
力を取り去れば、圧縮バネ８の弾性力により上方押圧板
６、下方押圧板３を介して包装箱体１１には上下方向の
押圧力が作用し、包装箱体１１は確実に結束される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、コンテナ、発泡スチロ−ル箱、段ボ−ル箱等の包装箱体を輸送、保 管等する際に、複数段積み重ねて結束し得るようにした輸送用結束具に関するも のである。

【０００２】

【従来の技術】

コンテナ、発泡スチロ−ル箱、段ボ−ル箱等の包装箱体を輸送、保管等する際 には、輸送作業の効率化、保管場所の縮小化等を図るため、複数の包装箱体を同 時に取り扱えるよう結束するのが一般的である。 従来このような場合には、包装箱体を複数段積み重ねた後に、ロ−プ、補強ビ ニルテ−プ（ＰＰバンド）等の結束材を周囲に巻き回して結束していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、ロ−プ、補強ビニルテ−プにあっては、複数段積み重ねた包装箱体の 周囲を縦横、高さ方向に張力を付与しつつ巻き回さねばならず、結束するのに時 間を要した。 又、輸送、保管等終了後に結束を解く際には、作業の迅速化のためロ−プ、補 強ビニルテ−プは切断するのが一般的であり、繰り返して使用することができず 、経費もかかった。 さらに、補強ビニルテ−プは使用後焼却処分されるが、焼却時に有害ガスが発 生し、大気汚染の原因ともなった。

【０００４】 本考案は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とする ところは、包装箱体を迅速に結束でき、繰り返し使用でき、しかも大気汚染を起 生することもない輸送用結束具を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために、本考案の輸送用結束具は、一端部に下方押圧板を 固着し、他端部に上方バネ止着体を嵌着した中空保持管を設け、一端部に上方押 圧板を固着し、他端部に下方バネ止着体を固着した摺動杆を設け、前記下方バネ 止着体を前記中空保持管内で摺動可能とするとともに、前記上方バネ止着体と前 記下方バネ止着体との間に圧縮バネを介装してなるものである。

【０００６】

【作用】

上方押圧板の掛止部を最上位の包装箱体に被覆した天井板の上面に形成した周 辺突部に掛止し、中空保持管を圧縮バネの弾性力に抗して引き下げた後に引き下 げ力を取り去れば、下方押圧板の掛止部は積載台の下面に形成した周辺突部に掛 止され、圧縮バネの弾性力により包装箱体には上下方向の押圧力が作用し、包装 箱体は容易かつ確実に結束される。

【０００７】

【実施例】

本考案の実施例について、図面を参照しつつ説明する。

【０００８】 本考案の輸送用結束具１は、図１及び図２に示すように、薄肉円管状を呈した 中空保持管２の一端部に下方押圧板３を固着し、他端部に上方バネ止着体４を嵌 着してある。

【０００９】 下方押圧板３は、図１（Ｃ）に示すように、略山形状を呈し、山形状の裾部を 内側に折曲して爪状の掛止部３ａとしてある。

【００１０】 上方バネ止着体４は、図２に示すように、略円筒状を呈し、中央部に方形状を 呈する摺動杆案内孔４ａを穿設してある。

【００１１】 角柱状を呈する摺動杆５をこの摺動杆案内孔４ａに挿通してあり、摺動杆５の 一端部には上方押圧板６を固着し、他端部には下方バネ止着体７を固着してある 。

【００１２】 上方押圧板６は、図１（Ｂ）に示すように、下方押圧板３と同形同大の略山形 状を呈し、山形状の裾部を内側に折曲して掛止部６ａとしてある。

【００１３】 下方バネ止着体７は、図２に示すように、略円筒状を呈し、その周側面が前記 中空保持管２の内周面に当接しつつ中空保持管２内を上下に移動できるようにな っている。

【００１４】 中空保持管２に嵌着した上方バネ止着体４と摺動杆５に固着した下方バネ止着 体７との間には圧縮バネ８を介装してある。

【００１５】 なお、輸送用結束具１は屋外で使用されることが多く、錆等の発生を防止する ために、各部材は極力プラスチック、ステンレス等の材料で製作されることが好 ましい。

【００１６】 次に、本考案の輸送用結束具１の使用方法及び作用について説明する。

【００１７】 輸送用結束具１は、図２（Ａ）に示すように、通常時には、圧縮バネ８は弾性 力により伸長しており、摺動杆５は中空保持管２内に押し下げられ、上方押圧板 ６の下面は中空保持管２の上端に当接している。

【００１８】 使用時には、図３に示すように、台車９の積載台１０上に包装箱体１１を複数 段積み重ね、先ず、輸送用結束具１の上方押圧板６の掛止部６ａを最上位の包装 箱体１１に被覆した天井板１２の上面に形成した周辺突部に掛止する。

【００１９】 次に、中空保持管２の下端部を把持し、圧縮バネ８の弾性力に抗して中空保持 管２を引き下げ、図２に示すように摺動杆５を中空保持管２より突出させ、下方 押圧板３を積載台１０の下面より若干低い位置とする。

【００２０】 そして、引き下げ力を取り去れば、縮長していた圧縮バネ８は弾性力により伸 長して中空保持管２を押し上げ、下方押圧板３の掛止部３ａは積載台１０の下面 に形成した周辺突部に掛止される。

【００２１】 このようにして、複数段積み重ねた包装箱体１１には輸送用結束具１より上下 方向の押圧力が作用し、同様にして複数の輸送用結束具１を包装箱体１１に掛止 することによって、包装箱体１１を確実に結束することができる。

【００２２】 一方、包装箱体１１の結束を解くには、上記と逆の操作を行なうことによって 、輸送用結束具１を包装箱体１１より取り外せばよい。

【００２３】 以上、作業者により輸送用結束具１を包装箱体１１に着脱する場合について説 明したが、もちろん自動機を使用して着脱することもできる。 又、本考案の輸送用結束具１は、包装箱体１１の積み重ね高さが若干変更した 場合にも十分対応でき、さらに、圧縮バネ８を適宜取り替えることにより、包装 箱体１１に作用させる押圧力を種々変更することもできる。

【００２４】

【考案の効果】

本考案の輸送用結束具は、圧縮バネの弾性力により包装箱体に押圧力を作用さ せるものであるから、短時間で結束することができ、作業の迅速化を図ることが できるとともに、繰り返して使用することができ、経費の削減をも図ることがで きる。又、使用後焼却処分をすることもないから、有害ガスが発生し、大気汚染 を起生する虞れもない。

【００２５】 又、本考案の輸送用結束具は、構造が極めて簡易であり、部材点数も少ないか ら、製造が容易かつ製造コストも安価であるとともに、中空保持管より突出する 部分も少ないから、未使用保管時にも場所を取らず、極めて実用的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の輸送用結束具の（Ａ）は正面図、
（Ｂ）は左側面図、（Ｃ）は右側面図である。

【図２】本考案の輸送用結束具の（Ａ）は圧縮バネ伸長
時、（Ｂ）は圧縮バネ縮長時の縦断面図である。

【図３】本考案の輸送用結束具の使用状態を示す斜視図
である。

【符号の説明】

１…輸送用結束具 ２…中空保持管 ３…下方押圧板 ４…上方バネ止着体 ５…摺動杆 ６…上方押圧板 ７…下方バネ止着体 ８…圧縮バネ １１…包装箱体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端部に下方押圧板を固着し、他端部に
   上方バネ止着体を嵌着した中空保持管を設け、一端部に
   上方押圧板を固着し、他端部に下方バネ止着体を固着し
   た摺動杆を設け、前記下方バネ止着体を前記中空保持管
   内で摺動可能とするとともに、前記上方バネ止着体と前
   記下方バネ止着体との間に圧縮バネを介装してなる輸送
   用結束具。