JPH06275909A - 半導体歪量子井戸レーザ - Google Patents
半導体歪量子井戸レーザInfo
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- JPH06275909A JPH06275909A JP6027793A JP6027793A JPH06275909A JP H06275909 A JPH06275909 A JP H06275909A JP 6027793 A JP6027793 A JP 6027793A JP 6027793 A JP6027793 A JP 6027793A JP H06275909 A JPH06275909 A JP H06275909A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 半導体歪量子井戸レーザに関し、バンド・オ
フセット値の予測について新たな理論を確立し、それに
基づき、常に、タイプ1の歪量子井戸構造をもつレーザ
が得られるようにする。 【構成】 n−InP基板上に積層されたAl0.25Ga
0.22In0.53As光閉じ込め層23A、In0.2 Ga
0.8 As井戸層23B、Al0.25Ga0.22In0.53As
障壁層23C、In0.2 Ga0.8 As井戸層23D、A
l0.25Ga0.22In 0.53As光閉じ込め層23Eで構成
され、且つ、そのIn0.2 Ga0.8 As井戸層23B、
In0.2 Ga0.8 As井戸層23Dなどには面内方向に
引っ張り歪が加わっている歪量子井戸で構成された活性
層23を備えている。
フセット値の予測について新たな理論を確立し、それに
基づき、常に、タイプ1の歪量子井戸構造をもつレーザ
が得られるようにする。 【構成】 n−InP基板上に積層されたAl0.25Ga
0.22In0.53As光閉じ込め層23A、In0.2 Ga
0.8 As井戸層23B、Al0.25Ga0.22In0.53As
障壁層23C、In0.2 Ga0.8 As井戸層23D、A
l0.25Ga0.22In 0.53As光閉じ込め層23Eで構成
され、且つ、そのIn0.2 Ga0.8 As井戸層23B、
In0.2 Ga0.8 As井戸層23Dなどには面内方向に
引っ張り歪が加わっている歪量子井戸で構成された活性
層23を備えている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、活性層を歪量子井戸で
構成した半導体歪量子井戸レーザの改良に関する。
構成した半導体歪量子井戸レーザの改良に関する。
【0002】現在、例えば、大容量光通信システムに於
ける光源として、狭スペクトル線幅で高速動作が可能で
あり、しかも、高温でも低しきい値電流で動作する半導
体レーザの実現が要求されている。
ける光源として、狭スペクトル線幅で高速動作が可能で
あり、しかも、高温でも低しきい値電流で動作する半導
体レーザの実現が要求されている。
【0003】半導体量子井戸レーザは、特にスペクトル
線幅の狭小化、低しきい値電流化、高速化に対して著し
い改善効果があり、その理由は、量子サイズ効果に依る
状態密度関数の変化及び双極子モーメントの増大に依る
微分利得の増大、発振線幅の低減などに起因している。
線幅の狭小化、低しきい値電流化、高速化に対して著し
い改善効果があり、その理由は、量子サイズ効果に依る
状態密度関数の変化及び双極子モーメントの増大に依る
微分利得の増大、発振線幅の低減などに起因している。
【0004】歪量子井戸レーザでは、前記量子井戸レー
ザに於ける量子サイズ効果に加え、歪の効果に依って、
遷移確率の増加、或いは、正孔の有効質量の低減を図っ
て低しきい値キャリヤ密度での動作を可能にするデバイ
スであり、今後、これ等の特性を更に向上させることが
必要である。
ザに於ける量子サイズ効果に加え、歪の効果に依って、
遷移確率の増加、或いは、正孔の有効質量の低減を図っ
て低しきい値キャリヤ密度での動作を可能にするデバイ
スであり、今後、これ等の特性を更に向上させることが
必要である。
【0005】
【従来の技術】現在、半導体レーザに於ける活性層に量
子井戸を利用することは広く行なわれている。図7は標
準的な半導体量子井戸レーザを表す要部斜面図であり、
また、図8は図7に見られる半導体量子井戸レーザの要
部エネルギ・バンド・ダイヤグラムである。
子井戸を利用することは広く行なわれている。図7は標
準的な半導体量子井戸レーザを表す要部斜面図であり、
また、図8は図7に見られる半導体量子井戸レーザの要
部エネルギ・バンド・ダイヤグラムである。
【0006】図に於いて、1は基板、2は基板側のクラ
ッド層、3は光閉じ込め層、4及び6及び8は井戸層、
5及び7は障壁層、9は光閉じ込め層、10は表面側の
クラッド層、11は埋め込み層、12は絶縁膜、13は
表面側電極、14は裏面側電極をそれぞれ示し、ALは
光閉じ込め層3、井戸層4,6,8、障壁層5,7、光
閉じ込め層9からなる活性層を指示している。
ッド層、3は光閉じ込め層、4及び6及び8は井戸層、
5及び7は障壁層、9は光閉じ込め層、10は表面側の
クラッド層、11は埋め込み層、12は絶縁膜、13は
表面側電極、14は裏面側電極をそれぞれ示し、ALは
光閉じ込め層3、井戸層4,6,8、障壁層5,7、光
閉じ込め層9からなる活性層を指示している。
【0007】この半導体量子井戸レーザに於いては、活
性層ALに注入された電子と正孔は井戸層4,6,8内
に閉じ込められ、高い効率で発光し、その光は、活性層
ALに垂直な方向に於いて、クラッド層2及び3と井戸
層4及び6及び8との間に存在する屈折率差に依って閉
じ込められ、ストライプ両端間の共振器内で繰り返し反
射されているうちに誘導放出が起こり、そして、注入電
流を増加させて、利得が損失を上回るとレーザ発振が起
こる。
性層ALに注入された電子と正孔は井戸層4,6,8内
に閉じ込められ、高い効率で発光し、その光は、活性層
ALに垂直な方向に於いて、クラッド層2及び3と井戸
層4及び6及び8との間に存在する屈折率差に依って閉
じ込められ、ストライプ両端間の共振器内で繰り返し反
射されているうちに誘導放出が起こり、そして、注入電
流を増加させて、利得が損失を上回るとレーザ発振が起
こる。
【0008】近年、量子井戸に歪を導入し、半導体歪量
子井戸レーザにすると特性は更に向上することが理論的
に指摘された。この歪は、圧縮歪の場合(要すれば、Y
ablonovitch,IEEEJ. Light−
Wave Tech. LT−4,504(198
6)、を参照)、或いは、引っ張り歪の場合(要すれ
ば、M.Sugawara,Appl. Phys.
Lett. 60,1842(1992)、を参照)の
何れの場合であっても、レーザの高性能化に寄与するこ
とができる。
子井戸レーザにすると特性は更に向上することが理論的
に指摘された。この歪は、圧縮歪の場合(要すれば、Y
ablonovitch,IEEEJ. Light−
Wave Tech. LT−4,504(198
6)、を参照)、或いは、引っ張り歪の場合(要すれ
ば、M.Sugawara,Appl. Phys.
Lett. 60,1842(1992)、を参照)の
何れの場合であっても、レーザの高性能化に寄与するこ
とができる。
【0009】要は、量子井戸に歪を導入することで価電
子帯の構造を制御できることに帰一し、どちらの歪を加
えても、しきい値電流の低減、温度特性の向上、高速変
調特性の向上などの点でレーザにとって有利に作用す
る。
子帯の構造を制御できることに帰一し、どちらの歪を加
えても、しきい値電流の低減、温度特性の向上、高速変
調特性の向上などの点でレーザにとって有利に作用す
る。
【0010】現在、前記理論予測に基づいて、盛んに実
験が行なわれ、歪量子井戸に依る特性の向上が報告され
るようになりつつある。
験が行なわれ、歪量子井戸に依る特性の向上が報告され
るようになりつつある。
【0011】特に、多くの研究がなされている半導体系
は、InP基板及びIn1-x GaxAs層との組み合わ
せである。この系でレーザを作成する場合、通常、 クラッド層2及び10:InP 光閉じ込め層3及び9と障壁層5及び7:In1-y Ga
y Asz P1-z (InPに格子整合させる為、x=0.
47yとする) 井戸層4及び6及び8:In1-x Gax As とする。ここで、In1-x Gax Asに於いて、x>
0.47とすると引っ張り歪を、また、x<0.47と
すると圧縮歪を受ける。
は、InP基板及びIn1-x GaxAs層との組み合わ
せである。この系でレーザを作成する場合、通常、 クラッド層2及び10:InP 光閉じ込め層3及び9と障壁層5及び7:In1-y Ga
y Asz P1-z (InPに格子整合させる為、x=0.
47yとする) 井戸層4及び6及び8:In1-x Gax As とする。ここで、In1-x Gax Asに於いて、x>
0.47とすると引っ張り歪を、また、x<0.47と
すると圧縮歪を受ける。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前記した通り、歪量子
井戸に依って価電子帯構造がレーザ特性に有利な方向に
制御できることが知られたが、歪量子井戸を用いた活性
層にとって、特性に影響を及ぼす重要な因子の一つであ
るエネルギ・バンドの不連続については、全くと言って
よいほど未知の状態にある。
井戸に依って価電子帯構造がレーザ特性に有利な方向に
制御できることが知られたが、歪量子井戸を用いた活性
層にとって、特性に影響を及ぼす重要な因子の一つであ
るエネルギ・バンドの不連続については、全くと言って
よいほど未知の状態にある。
【0013】図9は量子井戸に関するエネルギ・バンド
・ダイヤグラムである。図に於いて、(A)はタイプ1
と呼ばれている量子井戸構造、(B)はタイプ2と呼ば
れている量子井戸、EV は価電子帯の頂、EC は伝導帯
の底、φe は電子の波動関数、φh は正孔の波動関数を
それぞれ示している。
・ダイヤグラムである。図に於いて、(A)はタイプ1
と呼ばれている量子井戸構造、(B)はタイプ2と呼ば
れている量子井戸、EV は価電子帯の頂、EC は伝導帯
の底、φe は電子の波動関数、φh は正孔の波動関数を
それぞれ示している。
【0014】図から判るように、タイプ1の量子井戸構
造では電子の波動関数φe と正孔の波動関数φh とが同
じ位置に存在しているが、タイプ2の量子井戸構造では
異なった位置に存在している。電子と正孔の再結合に依
る発光効率は、波動関数の重なり積分の2乗、即ち、 |<φe |φh >|2 ・・・・(1) に比例する。従って、レーザの活性層として量子井戸を
用いる場合、必ずタイプ1の量子井戸構造が示すエネル
ギ・バンド構造を採用する必要がある。
造では電子の波動関数φe と正孔の波動関数φh とが同
じ位置に存在しているが、タイプ2の量子井戸構造では
異なった位置に存在している。電子と正孔の再結合に依
る発光効率は、波動関数の重なり積分の2乗、即ち、 |<φe |φh >|2 ・・・・(1) に比例する。従って、レーザの活性層として量子井戸を
用いる場合、必ずタイプ1の量子井戸構造が示すエネル
ギ・バンド構造を採用する必要がある。
【0015】一般に、ヘテロ界面に於ける伝導帯の底E
C の接続のしかた及び価電子帯の頂EV の接続のしかた
は、バンド・オフセット或いはバンド・ラインナップと
呼ばれ、この値を予測する為、様々な理論が発表されて
きた。
C の接続のしかた及び価電子帯の頂EV の接続のしかた
は、バンド・オフセット或いはバンド・ラインナップと
呼ばれ、この値を予測する為、様々な理論が発表されて
きた。
【0016】それら各理論のなかで、ハリソンの著書で
ある「固体の電子構造と物性」中に見られるLCAO
(linear combination of at
omic orbitals)法(要すれば、W.A.
Harrison:Electronic Struc
ture and Properties of So
lids,W.H.Freeman and Comp
any,San Francisco,1980、を参
照)は、最も実験に近い値を示すことが知られている。
ある「固体の電子構造と物性」中に見られるLCAO
(linear combination of at
omic orbitals)法(要すれば、W.A.
Harrison:Electronic Struc
ture and Properties of So
lids,W.H.Freeman and Comp
any,San Francisco,1980、を参
照)は、最も実験に近い値を示すことが知られている。
【0017】このモデルでは、半導体を構成する陰イオ
ンと陽イオンのp軌道の混成に依って価電子帯が形成さ
れている、とし、混成に依って生成されたp軌道のエネ
ルギが価電子帯の頂のエネルギに相当し、また、これに
禁制帯幅を加えると伝導帯の底のエネルギとなる、とし
ている。
ンと陽イオンのp軌道の混成に依って価電子帯が形成さ
れている、とし、混成に依って生成されたp軌道のエネ
ルギが価電子帯の頂のエネルギに相当し、また、これに
禁制帯幅を加えると伝導帯の底のエネルギとなる、とし
ている。
【0018】本発明者は、前記ハリソンのLCAO法に
於けるp軌道の混成の効果のみで、バンド・オフセット
値の計算について高い精度を得ることはできず、この理
論に基づいて半導体歪量子井戸レーザを作成しても、必
ずしも良い結果は得られないことを確認した。
於けるp軌道の混成の効果のみで、バンド・オフセット
値の計算について高い精度を得ることはできず、この理
論に基づいて半導体歪量子井戸レーザを作成しても、必
ずしも良い結果は得られないことを確認した。
【0019】本発明は、バンド・オフセット値の予測に
ついて新たな理論を確立し、それに基づき、常に、タイ
プ1の歪量子井戸構造をもつレーザが得られるようにす
る。
ついて新たな理論を確立し、それに基づき、常に、タイ
プ1の歪量子井戸構造をもつレーザが得られるようにす
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者は、バンド・オ
フセット値について精度の高い予測を可能にする為に
は、前記ハリソンのLCAO法に於けるp軌道の混成の
効果のみを採り上げるのでは不充分であり、これに加え
てd軌道の混成の効果を採り入れなければならないと考
えた。
フセット値について精度の高い予測を可能にする為に
は、前記ハリソンのLCAO法に於けるp軌道の混成の
効果のみを採り上げるのでは不充分であり、これに加え
てd軌道の混成の効果を採り入れなければならないと考
えた。
【0021】前記した本発明者の理論に基づく予測に依
ると、驚くべきことには、ハリソンのLCAO法に基づ
いて作成されたInP基板上の引っ張り歪を有するIn
1-xGax As/In1-y Gay Asz P1-z からなる
量子井戸は、或る組成の範囲でタイプ2になってしまう
ことが判った。このような歪量子井戸レーザが、レーザ
として機能しない虞があることは、図9について説明し
た通りである。
ると、驚くべきことには、ハリソンのLCAO法に基づ
いて作成されたInP基板上の引っ張り歪を有するIn
1-xGax As/In1-y Gay Asz P1-z からなる
量子井戸は、或る組成の範囲でタイプ2になってしまう
ことが判った。このような歪量子井戸レーザが、レーザ
として機能しない虞があることは、図9について説明し
た通りである。
【0022】本発明では、InP基板上の活性層とし
て、井戸層に引っ張り歪を与えられたIn1-x Gax A
sを用い、また、障壁層に(Aly Ga1-y )z In
1-z Asを用いることで、In1-x Gax Asの広い組
成範囲でタイプ1の歪量子井戸を維持できるようにする
ことが基本になっている。
て、井戸層に引っ張り歪を与えられたIn1-x Gax A
sを用い、また、障壁層に(Aly Ga1-y )z In
1-z Asを用いることで、In1-x Gax Asの広い組
成範囲でタイプ1の歪量子井戸を維持できるようにする
ことが基本になっている。
【0023】本発明の原理を明らかにする為、まず、半
導体ヘテロ接合のバンド・オフセットを計算するモデル
について説明し、また、このモデルを用いてInP基板
上のIn1-x Gax As/In1-y Gay As
z P1-z 、In1-x Gax Asからなる量子井戸、及
び、In1-x Gax As/(Aly Ga1-y )z In
1-z Asからなる量子井戸についてバンド・オフセット
値の計算結果を示し、この結果からタイプ1の歪量子井
戸を得る為の条件を導くことにする。
導体ヘテロ接合のバンド・オフセットを計算するモデル
について説明し、また、このモデルを用いてInP基板
上のIn1-x Gax As/In1-y Gay As
z P1-z 、In1-x Gax Asからなる量子井戸、及
び、In1-x Gax As/(Aly Ga1-y )z In
1-z Asからなる量子井戸についてバンド・オフセット
値の計算結果を示し、この結果からタイプ1の歪量子井
戸を得る為の条件を導くことにする。
【0024】 理論モデルについて 結晶の電子状態を表す波動関数は、互いに直交する基底
関数
関数
【数1】 の線型結合で表される。即ち、
【0025】
【数2】 強結合近似を用いると、基底関数は原子軌道の線型結合
で表される。即ち、
で表される。即ち、
【0026】
【数3】 共有結合性の閃亜鉛鉱型結晶に於いて、ハリソンは次の
原子軌道を用いた。即ち、
原子軌道を用いた。即ち、
【0027】
【数4】
【0028】
【数5】
【0029】本発明者は、更に、次のような陽イオンの
d軌道を追加して以下の解析を行なう。即ち、
d軌道を追加して以下の解析を行なう。即ち、
【0030】
【数6】 結晶の並進対称性を用いると、電子のエネルギ状態は、
次の13×13のハミルトニアン・マトリクスの固有値
で与えられる。即ち、
次の13×13のハミルトニアン・マトリクスの固有値
で与えられる。即ち、
【0031】
【数7】 数7の式に於けるそれぞれの行列要素の計算に於いて
は、基本単位格子中の陽イオンと陰イオンの相互作用の
みを考慮した。電子の波数ベクトルk=0に於いては、
s軌道、
は、基本単位格子中の陽イオンと陰イオンの相互作用の
みを考慮した。電子の波数ベクトルk=0に於いては、
s軌道、
【0032】
【数8】 軌道、
【0033】
【数9】 軌道はp状態から分離するので、考慮する必要がなく、
従って9×9の行列を解けば良い。行列の固有値は3重
に縮退していて、次の3次方程式の解で与えられる。即
ち、
従って9×9の行列を解けば良い。行列の固有値は3重
に縮退していて、次の3次方程式の解で与えられる。即
ち、
【0034】
【数10】 また、
【0035】
【数11】
【0036】
【数12】 である。
【0037】ハリソンの著書「固体の電子構造と物性」
に依れば、原子間行列要素は、
に依れば、原子間行列要素は、
【0038】
【数13】 で与えられる。原子軌道のエネルギの順番が、
【0039】
【数14】 となっている場合、数10の式に於ける2番目に大きな
解が価電子帯頂上のエネルギとなる。また、原子軌道の
エネルギの順番が、
解が価電子帯頂上のエネルギとなる。また、原子軌道の
エネルギの順番が、
【0040】
【数15】 となっている場合は、数10の式に於ける最も小さい解
が価電子帯頂上のエネルギとなる。このようにして求め
た価電子帯のエネルギをEV とすると、伝導帯のエネル
ギは、
が価電子帯頂上のエネルギとなる。このようにして求め
た価電子帯のエネルギをEV とすると、伝導帯のエネル
ギは、
【0041】
【数16】 で与えられる。ここでEg は禁制帯幅であり、測定値を
用いることができる。
用いることができる。
【0042】歪が加わった場合には、前記のようにして
求めたEV とEC は、次のように変化する。
求めたEV とEC は、次のように変化する。
【0043】○ 伝導帯
【数17】
【0044】○ 価電子帯の重い正孔帯
【数18】
【0045】○ 価電子帯の軽い正孔帯
【数19】 ここで、ε11は、
【0046】
【数20】 で与えられる歪量、また、aC ,aH ,bは変形ポテン
シャル、c11,c12は弾性定数、aInP はInPの格子
定数、a(x)はIn1-x Gax Asの格子定数であ
る。
シャル、c11,c12は弾性定数、aInP はInPの格子
定数、a(x)はIn1-x Gax Asの格子定数であ
る。
【0047】 計算結果について 以上のモデルに基づいて、InP基板上のIn1-x Ga
x As層、In1-y Gay Asz P1-z 層、(Aly G
a1-y )z In1-z As層の伝導帯と価電子帯のエネル
ギを計算する。
x As層、In1-y Gay Asz P1-z 層、(Aly G
a1-y )z In1-z As層の伝導帯と価電子帯のエネル
ギを計算する。
【0048】まず、InAsとGaAsについて、前記
のモデルに依って伝導帯と価電子帯のエネルギを求め、
その後、補間に依ってIn1-x Gax Asの値を求め
た。ここで、ボーイングパラメタとして0.6〔eV〕
を用いた。
のモデルに依って伝導帯と価電子帯のエネルギを求め、
その後、補間に依ってIn1-x Gax Asの値を求め
た。ここで、ボーイングパラメタとして0.6〔eV〕
を用いた。
【0049】
【数21】 変形ポテンシャルは、
【0050】
【数22】 d軌道半径として、rd =1〔Å〕を用いた。
【0051】また、InPに格子整合するIn1-y Ga
y Asz P1-z 層、同じく(AlyGa1-y )z In
1-z As層についても同様に計算した。更に、必要な2
元化合物であるGaP,InP,AlAsの計算に用い
たパラメタは次の通りである。
y Asz P1-z 層、同じく(AlyGa1-y )z In
1-z As層についても同様に計算した。更に、必要な2
元化合物であるGaP,InP,AlAsの計算に用い
たパラメタは次の通りである。
【数23】
【0052】また、ボーイングパラメタとして、0.5
〔eV〕(InGaP),0.28〔eV〕(InAs
P),0.21〔eV〕(GaAsP),0.24〔e
V〕(AlInAs)を用いた。
〔eV〕(InGaP),0.28〔eV〕(InAs
P),0.21〔eV〕(GaAsP),0.24〔e
V〕(AlInAs)を用いた。
【0053】図1は及び図2はIn1-x Gax As/I
n1-y Gay Asz P1-z に関するバンド・オフセット
を計算した結果を表す線図である。図1は障壁層として
InP層を用いた場合、図2は障壁層として室温の発光
波長が約1.1〔μm〕となるIn0.85Ga0.15As
0.33P0.67層を用いた場合をそれぞれ示し、縦軸にはエ
ネルギEを、横軸にはIn1-x Gax Asのx値をそれ
ぞれ採ってある。
n1-y Gay Asz P1-z に関するバンド・オフセット
を計算した結果を表す線図である。図1は障壁層として
InP層を用いた場合、図2は障壁層として室温の発光
波長が約1.1〔μm〕となるIn0.85Ga0.15As
0.33P0.67層を用いた場合をそれぞれ示し、縦軸にはエ
ネルギEを、横軸にはIn1-x Gax Asのx値をそれ
ぞれ採ってある。
【0054】図1に於いて、最下方で水平に延びる線に
「InP VB −9.444」と表示してあるが、こ
れは、InPに於ける価電子帯の頂のエネルギが−9.
444〔eV〕であることを示し、また、最上方で水平
に延びる線に「InP CB −8.094」と表示し
てあるのは、InPに於ける伝導帯の底のエネルギが−
8.094〔eV〕であることを示している。
「InP VB −9.444」と表示してあるが、こ
れは、InPに於ける価電子帯の頂のエネルギが−9.
444〔eV〕であることを示し、また、最上方で水平
に延びる線に「InP CB −8.094」と表示し
てあるのは、InPに於ける伝導帯の底のエネルギが−
8.094〔eV〕であることを示している。
【0055】また、図2では、障壁層がIn0.85Ga
0.15As0.33P0.67に変わっていること、その結果、エ
ネルギの数値が相違していることを除けば、図1に関す
る説明が通用する。
0.15As0.33P0.67に変わっていること、その結果、エ
ネルギの数値が相違していることを除けば、図1に関す
る説明が通用する。
【0056】各図では、In1-x Gax Asに於けるx
値が変化すると価電子帯の頂のエネルギ及び伝導帯の底
のエネルギがどのように変化するかが明瞭に視認でき
る。即ち、各図に於いて、HH及びLHはIn1-x Ga
x Asに於ける価電子帯の頂のエネルギ変化を示し、ま
た、CBはIn1-x Gax Asに於ける伝導帯の底のエ
ネルギ変化を示している。
値が変化すると価電子帯の頂のエネルギ及び伝導帯の底
のエネルギがどのように変化するかが明瞭に視認でき
る。即ち、各図に於いて、HH及びLHはIn1-x Ga
x Asに於ける価電子帯の頂のエネルギ変化を示し、ま
た、CBはIn1-x Gax Asに於ける伝導帯の底のエ
ネルギ変化を示している。
【0057】ここで、価電子帯の頂のエネルギ変化がH
H及びLHになっているのは、歪が加わっていることに
起因する。即ち、通常の量子井戸であれば、価電子帯の
頂は1本であるが、歪が加わると図示されているように
2本に分裂する。
H及びLHになっているのは、歪が加わっていることに
起因する。即ち、通常の量子井戸であれば、価電子帯の
頂は1本であるが、歪が加わると図示されているように
2本に分裂する。
【0058】通常、半導体レーザの発振は、伝導帯の底
とエネルギが高い方の価電子帯の頂との間で起こるの
で、前記のHH及びLHは、何れかエネルギが高い方を
採用して考えれば良い。
とエネルギが高い方の価電子帯の頂との間で起こるの
で、前記のHH及びLHは、何れかエネルギが高い方を
採用して考えれば良い。
【0059】さて、量子井戸に引っ張り歪を加える、即
ち、x値を0.47から増加させて1に近づけてゆく
と、各図に示されているように、禁制帯幅が大きくな
り、伝導帯の底のエネルギは増加し、価電子帯の頂のエ
ネルギは減少することが看取されよう。
ち、x値を0.47から増加させて1に近づけてゆく
と、各図に示されているように、禁制帯幅が大きくな
り、伝導帯の底のエネルギは増加し、価電子帯の頂のエ
ネルギは減少することが看取されよう。
【0060】図1から明らかなように、InPを障壁層
に用いた場合、x値=0.84の近傍で伝導帯の底のエ
ネルギはInPの伝導帯の底のエネルギを越えてしま
い、その歪量子井戸はタイプ2になってしまうことが判
る。また、図2から明らかなように、In0.85Ga0.15
As0.33P0.67を障壁層に用いた場合、x=0.26の
近傍でタイプ2になっている。
に用いた場合、x値=0.84の近傍で伝導帯の底のエ
ネルギはInPの伝導帯の底のエネルギを越えてしま
い、その歪量子井戸はタイプ2になってしまうことが判
る。また、図2から明らかなように、In0.85Ga0.15
As0.33P0.67を障壁層に用いた場合、x=0.26の
近傍でタイプ2になっている。
【0061】実際の半導体歪量子井戸レーザを作成する
場合、活性層への光の閉じ込めを考慮すると、1.1
〔μm〕を下回る短波長にすることは困難である。従っ
て、伝導帯の底の不連続としては、或る程度の余裕が必
要であることも考慮すると、x=0.7以上の組成範囲
で引っ張り歪量子井戸の活性層をもつレーザを実現する
ことは困難である。
場合、活性層への光の閉じ込めを考慮すると、1.1
〔μm〕を下回る短波長にすることは困難である。従っ
て、伝導帯の底の不連続としては、或る程度の余裕が必
要であることも考慮すると、x=0.7以上の組成範囲
で引っ張り歪量子井戸の活性層をもつレーザを実現する
ことは困難である。
【0062】図3は及び図4はIn1-x Gax As/
(Aly Ga1-y )z In1-z Asに関するバンド・オ
フセットを計算した結果を表す線図である。図3は障壁
層としてAl0.48In0.52As層を用いた場合、図4は
障壁層として室温の発光波長が約1.2〔μm〕となる
Al0.20Ga0.27In0.53As層を用いた場合をそれぞ
れ示している。
(Aly Ga1-y )z In1-z Asに関するバンド・オ
フセットを計算した結果を表す線図である。図3は障壁
層としてAl0.48In0.52As層を用いた場合、図4は
障壁層として室温の発光波長が約1.2〔μm〕となる
Al0.20Ga0.27In0.53As層を用いた場合をそれぞ
れ示している。
【0063】図3から明らかなように、Al0.48In
0.52Asを障壁層に用いた場合、全ての組成範囲でタイ
プ1の歪量子井戸が得られ、また、図4から明らかなよ
うに、実用的なレーザを構成する為の障壁層として、波
長が1.2〔μm〕のAl0.20Ga0.27In0.53As層
を用いた場合でも、前記説明した波長が1.1〔μm〕
のIn0.85Ga0.15As0.33P0.67層と同じ組成x=
0.74までタイプ1の歪量子井戸を得ることができ
る。
0.52Asを障壁層に用いた場合、全ての組成範囲でタイ
プ1の歪量子井戸が得られ、また、図4から明らかなよ
うに、実用的なレーザを構成する為の障壁層として、波
長が1.2〔μm〕のAl0.20Ga0.27In0.53As層
を用いた場合でも、前記説明した波長が1.1〔μm〕
のIn0.85Ga0.15As0.33P0.67層と同じ組成x=
0.74までタイプ1の歪量子井戸を得ることができ
る。
【0064】更にまた、組成をAl0.25Ga0.22In
0.53Asとして波長を1.1〔μm〕にまで短波長化す
ると、伝導帯のエネルギは−8.10〔eV〕まで大き
くなって、組成x=0.85までタイプ1の歪量子井戸
を得ることができる。
0.53Asとして波長を1.1〔μm〕にまで短波長化す
ると、伝導帯のエネルギは−8.10〔eV〕まで大き
くなって、組成x=0.85までタイプ1の歪量子井戸
を得ることができる。
【0065】前記したところから、本発明に依る半導体
歪量子井戸レーザに於いては、 (1)InP基板(例えばn−InP基板21)上に積
層形成された(Aly Ga1- y )z In1-z As障壁層
(例えばAl0.25Ga0.22In0.53As障壁層23Cな
ど)及びIn1-x Gax As井戸層(例えばIn0.2 G
a0.8 As井戸層23B或いは23Dなど)からなり且
つ前記In1-x Gax As井戸層の面内方向に引っ張り
歪が加わっている歪量子井戸で構成された活性層(例え
ば活性層23)を備えてなることを特徴とするか、或い
は、
歪量子井戸レーザに於いては、 (1)InP基板(例えばn−InP基板21)上に積
層形成された(Aly Ga1- y )z In1-z As障壁層
(例えばAl0.25Ga0.22In0.53As障壁層23Cな
ど)及びIn1-x Gax As井戸層(例えばIn0.2 G
a0.8 As井戸層23B或いは23Dなど)からなり且
つ前記In1-x Gax As井戸層の面内方向に引っ張り
歪が加わっている歪量子井戸で構成された活性層(例え
ば活性層23)を備えてなることを特徴とするか、或い
は、
【0066】(2)前記(1)に於いて、In1-x Ga
x As井戸層に於ける組成xが x>0.7 であること(図2のデータから導出)を特徴とするか、
或いは、
x As井戸層に於ける組成xが x>0.7 であること(図2のデータから導出)を特徴とするか、
或いは、
【0067】(3)前記(1)或いは(2)に於いて、
InP基板に略格子整合する(Aly Ga 1-y )z In
1-z As障壁層が z=0.4176(1−y)/(0.22021−0.0125y) の関係をみたし、且つ、Al組成y・zが y・z>0.2 であること(図4のデータから導出)を特徴とする。
InP基板に略格子整合する(Aly Ga 1-y )z In
1-z As障壁層が z=0.4176(1−y)/(0.22021−0.0125y) の関係をみたし、且つ、Al組成y・zが y・z>0.2 であること(図4のデータから導出)を特徴とする。
【0068】
【作用】前記手段を採ること、即ち、障壁層に(Aly
Ga1-y )z In1-z As層を用いることに依って、よ
り広い組成範囲で引っ張り歪をもつタイプ1のIn1-x
Gax As量子井戸をレーザに適用することが可能とな
って、特性を更に向上させることができる。
Ga1-y )z In1-z As層を用いることに依って、よ
り広い組成範囲で引っ張り歪をもつタイプ1のIn1-x
Gax As量子井戸をレーザに適用することが可能とな
って、特性を更に向上させることができる。
【0069】また、従来の技術で採用しているIn1-x
Gax Asy P1-y からなる障壁層を用いた場合には製
造困難であった構造も実現することができる。例えば、
図2から理解できるが、x=0.80の組成では、タイ
プ1の量子井戸を得ることは不可能であるが、(Aly
Ga1-y )z In1-z Asを用いてy・z=0.25と
することで実現可能となる。
Gax Asy P1-y からなる障壁層を用いた場合には製
造困難であった構造も実現することができる。例えば、
図2から理解できるが、x=0.80の組成では、タイ
プ1の量子井戸を得ることは不可能であるが、(Aly
Ga1-y )z In1-z Asを用いてy・z=0.25と
することで実現可能となる。
【0070】
【実施例】図5は本発明一実施例の半導体歪量子井戸レ
ーザに用いたウエハを表す要部切断側面図である。図に
於いて、21は基板、22はn側のクラッド層、23は
活性層、24はp側のクラッド層、25は電極コンタク
ト層をそれぞれ示している。
ーザに用いたウエハを表す要部切断側面図である。図に
於いて、21は基板、22はn側のクラッド層、23は
活性層、24はp側のクラッド層、25は電極コンタク
ト層をそれぞれ示している。
【0071】図6は図5に示されている活性層23の内
容を具体的に表す要部切断側面図である。図に於いて、
23Aは光閉じ込め層、23Bは井戸層、23Cは障壁
層、23Dは井戸層、23Eは光閉じ込め層をそれぞれ
示している。
容を具体的に表す要部切断側面図である。図に於いて、
23Aは光閉じ込め層、23Bは井戸層、23Cは障壁
層、23Dは井戸層、23Eは光閉じ込め層をそれぞれ
示している。
【0072】図5並びに図6に見られる各部分に関する
主要なデータを例示すると次の通りである。 (1) 基板21について 材料:n−InP 面指数:(001) 不純物濃度:1×1018〔cm-3〕
主要なデータを例示すると次の通りである。 (1) 基板21について 材料:n−InP 面指数:(001) 不純物濃度:1×1018〔cm-3〕
【0073】(2) n側のクラッド兼バッファ層22 材料:n−InP 不純物濃度:1×1018〔cm-3〕 厚さ:1〔μm〕
【0074】(3) 活性層23について 光閉じ込め層23A 材料:Al0.25Ga0.22In0.53As 厚さ:1000〔Å〕 井戸層23B 材料:In0.2 Ga0.8 As 厚さ:160〔Å〕
【0075】 障壁層23C 材料:Al0.25Ga0.22In0.53As 厚さ:100〔Å〕 井戸層23D 材料:In0.2 Ga0.8 As 厚さ:160〔Å〕
【0076】 光閉じ込め層23E 材料:Al0.25Ga0.22In0.53As 厚さ:1000〔Å〕 尚、活性層23はノンドープであるが、材料の特性から
1×1016〔cm-3〕以下のn型になっている。 (4) p側のクラッド層24について 材料:p−Al0.48In0.52As 不純物濃度:1×1018〔cm-3〕 厚さ:2〔μm〕
1×1016〔cm-3〕以下のn型になっている。 (4) p側のクラッド層24について 材料:p−Al0.48In0.52As 不純物濃度:1×1018〔cm-3〕 厚さ:2〔μm〕
【0077】(5) コンタクト層25について 材料:p−InGaAs 不純物濃度:1×1018〔cm-3〕 厚さ:2000〔Å〕
【0078】前記ウエハを作成するには、有機金属化学
気相堆積(metalorganic chemica
l vapour deposition:MOCV
D)法を適用することに依り、n−InP基板21上に
各半導体層を積層成長させれば良い。尚、この際、成長
温度は、600〔℃〕とし、Alを含む半導体層を成長
させる場合は700〔℃〕とした。
気相堆積(metalorganic chemica
l vapour deposition:MOCV
D)法を適用することに依り、n−InP基板21上に
各半導体層を積層成長させれば良い。尚、この際、成長
温度は、600〔℃〕とし、Alを含む半導体層を成長
させる場合は700〔℃〕とした。
【0079】前記ウエハを、室温に於いて、フォトルミ
ネセンス測定を行なって評価したところ、強力な発光が
観察され、歪量子井戸は間違いなくタイプ1であること
が確認された。
ネセンス測定を行なって評価したところ、強力な発光が
観察され、歪量子井戸は間違いなくタイプ1であること
が確認された。
【0080】また、前記ウエハを用いて図Aに見られる
ようなストライプ幅が5〔μm〕で共振器長が1〔mm〕
の標準型半導体歪量子井戸レーザを作成して動作させた
ところ、約600〔A/cm2 〕の低しきい値電流密度
で良好に発振した。
ようなストライプ幅が5〔μm〕で共振器長が1〔mm〕
の標準型半導体歪量子井戸レーザを作成して動作させた
ところ、約600〔A/cm2 〕の低しきい値電流密度
で良好に発振した。
【0081】
【発明の効果】本発明に依る半導体歪量子井戸レーザに
於いては、InP基板上に積層形成された(Aly Ga
1-y )z In1-z As障壁層及びIn1-x Gax As井
戸層からなり且つ前記In1-x Gax As井戸層の面内
方向に引っ張り歪が加わっている歪量子井戸で構成され
た活性層を備える。
於いては、InP基板上に積層形成された(Aly Ga
1-y )z In1-z As障壁層及びIn1-x Gax As井
戸層からなり且つ前記In1-x Gax As井戸層の面内
方向に引っ張り歪が加わっている歪量子井戸で構成され
た活性層を備える。
【0082】前記構成を採ること、即ち、障壁層に(A
ly Ga1-y )z In1-z As層を用いることに依っ
て、より広い組成範囲で引っ張り歪をもつタイプ1のI
n1-xGax As量子井戸をレーザに適用することが可
能となって、特性を更に向上させることができる。
ly Ga1-y )z In1-z As層を用いることに依っ
て、より広い組成範囲で引っ張り歪をもつタイプ1のI
n1-xGax As量子井戸をレーザに適用することが可
能となって、特性を更に向上させることができる。
【0083】また、従来の技術で採用しているIn1-x
Gax Asy P1-y からなる障壁層を用いた場合には、
製造困難であった構造も実現することができる。例え
ば、図2に見られるように、x=0.80の組成では、
タイプ1の量子井戸を得ることは不可能であるが、(A
ly Ga1-y )z In1-z Asからなる障壁層を用いて
y・z=0.25とすることで実現が可能となる。
Gax Asy P1-y からなる障壁層を用いた場合には、
製造困難であった構造も実現することができる。例え
ば、図2に見られるように、x=0.80の組成では、
タイプ1の量子井戸を得ることは不可能であるが、(A
ly Ga1-y )z In1-z Asからなる障壁層を用いて
y・z=0.25とすることで実現が可能となる。
【図1】In1-x Gax As/In1-y Gay Asz P
1-z に関するバンド・オフセットを計算した結果を表す
線図である。
1-z に関するバンド・オフセットを計算した結果を表す
線図である。
【図2】In1-x Gax As/In1-y Gay Asz P
1-z に関するバンド・オフセットを計算した結果を表す
線図である。
1-z に関するバンド・オフセットを計算した結果を表す
線図である。
【図3】In1-x Gax As/(Aly Ga1-y )z I
n1-z Asに関するバンド・オフセットを計算した結果
を表す線図である。
n1-z Asに関するバンド・オフセットを計算した結果
を表す線図である。
【図4】In1-x Gax As/(Aly Ga1-y )z I
n1-z Asに関するバンド・オフセットを計算した結果
を表す線図である。
n1-z Asに関するバンド・オフセットを計算した結果
を表す線図である。
【図5】本発明一実施例の半導体歪量子井戸レーザに用
いたウエハを表す要部切断側面図である。
いたウエハを表す要部切断側面図である。
【図6】図5に示されている活性層23の内容を具体的
に表す要部切断側面図である。
に表す要部切断側面図である。
【図7】標準的な半導体量子井戸レーザを表す要部斜面
図である。
図である。
【図8】図7に見られる半導体量子井戸レーザの要部エ
ネルギ・バンド・ダイヤグラムである。
ネルギ・バンド・ダイヤグラムである。
【図9】量子井戸に関するエネルギ・バンド・ダイヤグ
ラムである。
ラムである。
21 基板 22 n側のクラッド層 23 活性層 24 p側のクラッド層 25 電極コンタクト層 23A 光閉じ込め層 23B 井戸層 23C 障壁層 23D 井戸層 23E 光閉じ込め層
Claims (3)
- 【請求項1】InP基板上に積層形成された(Aly G
a1-y )z In1-z As障壁層及びIn1-x Gax As
井戸層からなり且つ前記In1-x Gax As井戸層の面
内方向に引っ張り歪が加わっている歪量子井戸で構成さ
れた活性層を備えてなることを特徴とする半導体歪量子
井戸レーザ。 - 【請求項2】In1-x Gax As井戸層に於ける組成x
が x>0.7 であることを特徴とする請求項1記載の半導体歪量子井
戸レーザ。 - 【請求項3】InP基板に略格子整合する(Aly Ga
1-y )z In1-z As障壁層が z=0.4176(1−y)/(0.22021−0.0125y) の関係をみたし、且つ、Al組成y・zが y・z>0.2 であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の半
導体歪量子井戸レーザ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6027793A JPH06275909A (ja) | 1993-03-19 | 1993-03-19 | 半導体歪量子井戸レーザ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6027793A JPH06275909A (ja) | 1993-03-19 | 1993-03-19 | 半導体歪量子井戸レーザ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06275909A true JPH06275909A (ja) | 1994-09-30 |
Family
ID=13137491
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6027793A Withdrawn JPH06275909A (ja) | 1993-03-19 | 1993-03-19 | 半導体歪量子井戸レーザ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06275909A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005175295A (ja) * | 2003-12-12 | 2005-06-30 | Hitachi Ltd | 半導体光素子及び光モジュール |
-
1993
- 1993-03-19 JP JP6027793A patent/JPH06275909A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005175295A (ja) * | 2003-12-12 | 2005-06-30 | Hitachi Ltd | 半導体光素子及び光モジュール |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000530 |