JPH0627498A - エレクトロクロミック素子の製造方法 - Google Patents
エレクトロクロミック素子の製造方法Info
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- JPH0627498A JPH0627498A JP4183794A JP18379492A JPH0627498A JP H0627498 A JPH0627498 A JP H0627498A JP 4183794 A JP4183794 A JP 4183794A JP 18379492 A JP18379492 A JP 18379492A JP H0627498 A JPH0627498 A JP H0627498A
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- layer
- film
- sputtering
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- Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 製造時の基板の割れや変形を防止する共に、
特性を向上させる。 【構成】 基板上に形成された、一方または両方が透明
な一対の電極層、エレクトロクロミック物質層およびイ
オン導電層を少なくとも有するエレクトロクロミック素
子の製造方法において、前記基板を熱絶縁性および電気
絶縁性材料Mで保持した状態でエレクトロクロミック物
質層をアルゴンガスと酸素ガスによる反応性直流スパッ
タリング法により成膜した。そして、成膜時のスパッタ
ガスの圧力を2×10-3〜1×10-1torrの範囲に、また酸
素ガスの割合をスパッタガスの圧力の25%〜40%とし
た。
特性を向上させる。 【構成】 基板上に形成された、一方または両方が透明
な一対の電極層、エレクトロクロミック物質層およびイ
オン導電層を少なくとも有するエレクトロクロミック素
子の製造方法において、前記基板を熱絶縁性および電気
絶縁性材料Mで保持した状態でエレクトロクロミック物
質層をアルゴンガスと酸素ガスによる反応性直流スパッ
タリング法により成膜した。そして、成膜時のスパッタ
ガスの圧力を2×10-3〜1×10-1torrの範囲に、また酸
素ガスの割合をスパッタガスの圧力の25%〜40%とし
た。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エレクトロクロミック
素子の製造方法に関する。
素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電圧を印加すると可逆的に電解酸化また
は還元反応が起こり、可逆的に着消色する現象をエレク
トロクロミズムという。このような現象を示すエレクト
ロクロミック(以下、ECと略称する)物質を用いて、
電圧操作により着消色するEC素子(以下、ECDと略
す)を作り、このECDを光量制御素子(例えば、防眩
ミラー)や7セグメントを利用した数字表示素子に利用
しようとする試みは20年以上前から行なわれている。例
えば、ガラス基板の上に透明電極膜(陰極)、三酸化タ
ングステン薄膜、二酸化ケイ素のような絶縁膜、電極膜
(陽極)を順次積層してなるECD(特公昭52-46098参
照)が全固体型ECDとして知られている。このECD
に電圧を印加すると三酸化タングステン(WO3 )薄膜
が青色に着色する。その後、このECDに逆の電圧を印
加するとWO3 薄膜の青色が消えて無色になる。この着
色、消色する機構は詳しくは解明されていないが、WO
3 薄膜および絶縁膜(イオン導電層)中に含まれる少量
の水分がWO3 の着色、消色を支配していると理解され
ている。着色の反応式は、下記のように推定されてい
る。
は還元反応が起こり、可逆的に着消色する現象をエレク
トロクロミズムという。このような現象を示すエレクト
ロクロミック(以下、ECと略称する)物質を用いて、
電圧操作により着消色するEC素子(以下、ECDと略
す)を作り、このECDを光量制御素子(例えば、防眩
ミラー)や7セグメントを利用した数字表示素子に利用
しようとする試みは20年以上前から行なわれている。例
えば、ガラス基板の上に透明電極膜(陰極)、三酸化タ
ングステン薄膜、二酸化ケイ素のような絶縁膜、電極膜
(陽極)を順次積層してなるECD(特公昭52-46098参
照)が全固体型ECDとして知られている。このECD
に電圧を印加すると三酸化タングステン(WO3 )薄膜
が青色に着色する。その後、このECDに逆の電圧を印
加するとWO3 薄膜の青色が消えて無色になる。この着
色、消色する機構は詳しくは解明されていないが、WO
3 薄膜および絶縁膜(イオン導電層)中に含まれる少量
の水分がWO3 の着色、消色を支配していると理解され
ている。着色の反応式は、下記のように推定されてい
る。
【0003】陰極側: H2 O→ H+ +OH- WO3 + nH+ +ne- →HnWO3 (無色透明) (青色) 陽極側: OH- →1/2H2 O+1/4O2 ↑+1/2e- ところで、EC層を直接または間接的に挟む一対の電極
層は、EC層の着消色を外部に見せるために少なくとも
一方は透明でなければならない。特に、透過型のECD
の場合には両方とも透明でなければならない。透明な電
極材料としては、現在のところSnO2 、In2 O3 、
ITO(SnO2 とIn2 O3 との混合物)、ZnO等
が知られているが、これらの材料は比較的透明度が悪い
ために薄くせねばならず、この理由およびその他の理由
から一般的にECDは基板、例えばガラス板やプラスチ
ック板の上に形成される。このようなECDの構造の一
例を図1に示す。
層は、EC層の着消色を外部に見せるために少なくとも
一方は透明でなければならない。特に、透過型のECD
の場合には両方とも透明でなければならない。透明な電
極材料としては、現在のところSnO2 、In2 O3 、
ITO(SnO2 とIn2 O3 との混合物)、ZnO等
が知られているが、これらの材料は比較的透明度が悪い
ために薄くせねばならず、この理由およびその他の理由
から一般的にECDは基板、例えばガラス板やプラスチ
ック板の上に形成される。このようなECDの構造の一
例を図1に示す。
【0004】図1において(A)は上部透明電極、
(B)は下部透明電極、(E)は還元着色性EC層(例
えば、WO3 )、(D)はイオン導電層、(C)は可逆
的電解酸化層または酸化着色性EC層(例えば、酸化ま
たは水酸化イリジウム)をそれぞれ示し、基本的にはこ
の(A)〜(B)の積層構造だけでECDが構成され
る。そして、前述のとおり、これらのECDは基板
(S)上に形成される。なお、本明細書においては、還
元着色型EC層および可逆的電解酸化EC層(または酸
化着色性EC層)とを特に限定しない場合、両者をまと
めてEC物質層ということにする。
(B)は下部透明電極、(E)は還元着色性EC層(例
えば、WO3 )、(D)はイオン導電層、(C)は可逆
的電解酸化層または酸化着色性EC層(例えば、酸化ま
たは水酸化イリジウム)をそれぞれ示し、基本的にはこ
の(A)〜(B)の積層構造だけでECDが構成され
る。そして、前述のとおり、これらのECDは基板
(S)上に形成される。なお、本明細書においては、還
元着色型EC層および可逆的電解酸化EC層(または酸
化着色性EC層)とを特に限定しない場合、両者をまと
めてEC物質層ということにする。
【0005】このようなECDを製造する場合、一般に
は真空薄膜形成技術の一つであるスパッタリング法によ
って成膜される。このスパッタリングによる成膜は、例
えば、ガラス基板の外縁部分を方形枠状の金属製ホルダ
に載置し、このガラス基板の一辺よりも長いターゲット
を用いて該基板の一方の面にほぼ均一な薄膜を形成する
ことで行われる。その際、基板の成膜面の少なくとも一
方向のほぼ全長を含む領域を前記ターゲットに対向させ
てこの方向と直交する方向に基板を基板ホルダごと移動
させることで、基板上の一端から他端までに連続的に薄
膜を成膜していく。このような成膜方法を用いるスパッ
タリング装置は、インライン式スパッタリング装置また
は毎葉式スパッタリング装置と呼ばれており、成膜面を
下向きにすることで異物の付着の少ない薄膜を成膜でき
る利点を有する。また、前記基板ホルダの移動速度の調
節による膜厚の制御、基板上での縦横両方向に対する均
一な膜厚分布、ターゲット温度、放電状態、雰囲気等を
安定させることができるので、膜質、膜厚等の再現性が
高い成膜が可能となる。
は真空薄膜形成技術の一つであるスパッタリング法によ
って成膜される。このスパッタリングによる成膜は、例
えば、ガラス基板の外縁部分を方形枠状の金属製ホルダ
に載置し、このガラス基板の一辺よりも長いターゲット
を用いて該基板の一方の面にほぼ均一な薄膜を形成する
ことで行われる。その際、基板の成膜面の少なくとも一
方向のほぼ全長を含む領域を前記ターゲットに対向させ
てこの方向と直交する方向に基板を基板ホルダごと移動
させることで、基板上の一端から他端までに連続的に薄
膜を成膜していく。このような成膜方法を用いるスパッ
タリング装置は、インライン式スパッタリング装置また
は毎葉式スパッタリング装置と呼ばれており、成膜面を
下向きにすることで異物の付着の少ない薄膜を成膜でき
る利点を有する。また、前記基板ホルダの移動速度の調
節による膜厚の制御、基板上での縦横両方向に対する均
一な膜厚分布、ターゲット温度、放電状態、雰囲気等を
安定させることができるので、膜質、膜厚等の再現性が
高い成膜が可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】ところが、前述のよ
うな従来のECDの製造方法においては、EC物質層を
成膜する際に成膜レートを上げようとする(例えば、入
力パワーを上げる)と、ガラス基板の割れやプラスチッ
ク基板の変形が起こり易いという問題があった。また、
EC物質膜の特性(信頼性など)が低下するという問題
もあった。これらの問題は、基板冷却のできないスパッ
タリング装置において特に生じ易かった。本発明は、こ
のような問題を解決することを目的とする。
うな従来のECDの製造方法においては、EC物質層を
成膜する際に成膜レートを上げようとする(例えば、入
力パワーを上げる)と、ガラス基板の割れやプラスチッ
ク基板の変形が起こり易いという問題があった。また、
EC物質膜の特性(信頼性など)が低下するという問題
もあった。これらの問題は、基板冷却のできないスパッ
タリング装置において特に生じ易かった。本発明は、こ
のような問題を解決することを目的とする。
【0007】
【問題点を解決するための手段】上記目的のために、本
発明では、基板上に形成された、一方または両方が透明
な一対の電極層、エレクトロクロミック物質層およびイ
オン導電層を少なくとも有するエレクトロクロミック素
子の製造方法において、前記基板を熱絶縁性および電気
絶縁性材料で保持した状態で前記エレクトロクロミック
物質層をアルゴンガスと酸素ガスによる反応性直流スパ
ッタリング法により成膜すると共に、該成膜時のスパッ
タガスの圧力を2×10-3torrから1×10-1torrの範囲
に、また酸素ガスの割合をスパッタガスの圧力の25%か
ら40%とした。
発明では、基板上に形成された、一方または両方が透明
な一対の電極層、エレクトロクロミック物質層およびイ
オン導電層を少なくとも有するエレクトロクロミック素
子の製造方法において、前記基板を熱絶縁性および電気
絶縁性材料で保持した状態で前記エレクトロクロミック
物質層をアルゴンガスと酸素ガスによる反応性直流スパ
ッタリング法により成膜すると共に、該成膜時のスパッ
タガスの圧力を2×10-3torrから1×10-1torrの範囲
に、また酸素ガスの割合をスパッタガスの圧力の25%か
ら40%とした。
【0008】
【作用】従来の方法では、スパッタリングにより成膜
中、基板に積層される薄膜材料から放出される熱、放電
による輻射熱およびガラス基板に衝突するプラズマ粒子
や電子等によってガラス基板が加熱されていた。そのた
め、ガラス基板内に温度分布が形成されて歪みが生じる
ため、これにより該基板内に応力が発生して基板が破損
する場合があった。特に、ガラスは熱伝導度が低くて脆
いため、前述のように金属製の基板ホルダにこれと接触
させた状態で載置し、その際この基板ホルダでガラス基
板の外縁部分がターゲットから遮蔽される場合、このガ
ラス基板の外縁部分に対する熱流入量は抑制される。さ
らに、熱伝導性のよい金属製のホルダとの接触部(外縁
部分)ではヒートシンクが行われるので、ガラス基板に
おける外縁部分と熱伝導度の低い基板内側(中央部)の
成膜部分との間に大きな温度差(温度分布)が生じる。
この温度分布は、基板の寸法や成膜速度(成膜レート)
が大きくなる程、顕著になる。その結果、外縁部分の低
温部が成膜部分の高温部の熱膨張を拘束するため、外縁
部分に引張り応力が発生して基板の破損(割れ)が発生
し易くなる。また、この温度分布は基板内の膜厚分布を
増大させるため、EC物質層の特性を低下させる原因と
もなっていた。
中、基板に積層される薄膜材料から放出される熱、放電
による輻射熱およびガラス基板に衝突するプラズマ粒子
や電子等によってガラス基板が加熱されていた。そのた
め、ガラス基板内に温度分布が形成されて歪みが生じる
ため、これにより該基板内に応力が発生して基板が破損
する場合があった。特に、ガラスは熱伝導度が低くて脆
いため、前述のように金属製の基板ホルダにこれと接触
させた状態で載置し、その際この基板ホルダでガラス基
板の外縁部分がターゲットから遮蔽される場合、このガ
ラス基板の外縁部分に対する熱流入量は抑制される。さ
らに、熱伝導性のよい金属製のホルダとの接触部(外縁
部分)ではヒートシンクが行われるので、ガラス基板に
おける外縁部分と熱伝導度の低い基板内側(中央部)の
成膜部分との間に大きな温度差(温度分布)が生じる。
この温度分布は、基板の寸法や成膜速度(成膜レート)
が大きくなる程、顕著になる。その結果、外縁部分の低
温部が成膜部分の高温部の熱膨張を拘束するため、外縁
部分に引張り応力が発生して基板の破損(割れ)が発生
し易くなる。また、この温度分布は基板内の膜厚分布を
増大させるため、EC物質層の特性を低下させる原因と
もなっていた。
【0009】また、比較的厚い(例えば1μm)薄膜を
成膜する時や難蒸発(飛散)性材料からなるターゲット
を使用する時は、成膜レートの低下を防ぐために基板ホ
ルダの送り速度を遅くする代わりに放電時の消費電力を
増加させる場合があるが、この時も基板の外縁部分と基
板内側(中央部)の成膜部分との間に大きな温度差が生
じるため引張り応力が発生して基板にクラック等が形成
される。
成膜する時や難蒸発(飛散)性材料からなるターゲット
を使用する時は、成膜レートの低下を防ぐために基板ホ
ルダの送り速度を遅くする代わりに放電時の消費電力を
増加させる場合があるが、この時も基板の外縁部分と基
板内側(中央部)の成膜部分との間に大きな温度差が生
じるため引張り応力が発生して基板にクラック等が形成
される。
【0010】これに対して、本発明では、基板と基板ホ
ルダとが熱絶縁性材料を介して接触することになるの
で、成膜中に基板からホルダへ流出する熱量が少なくな
る。そのため、基板外縁部分の温度が低下し難くなり、
外縁部分と成膜部分との間の温度差が小さくなる。その
結果、引張り応力が小さくなり、基板の破損(割れ)を
防ぐことができる。
ルダとが熱絶縁性材料を介して接触することになるの
で、成膜中に基板からホルダへ流出する熱量が少なくな
る。そのため、基板外縁部分の温度が低下し難くなり、
外縁部分と成膜部分との間の温度差が小さくなる。その
結果、引張り応力が小さくなり、基板の破損(割れ)を
防ぐことができる。
【0011】また、導電性の薄膜を成膜する際に、基板
と金属製の基板ホルダとが直接接触していると成膜中に
放電異常が発生し易く、これによりEC物質層の特性が
低下することが判った。この理由としては、基板に形成
された導電性の薄膜が基板ホルダを介して接地電位に落
ちてしまいターゲットに対向する接地電極を形成するこ
と、および基板から基板ホルダとの接触部を通じて該ホ
ルダが加熱され吸気ガスが放出されること、等が挙げら
れる。本発明では、基板と基板ホルダとを電気絶縁性材
料を介して接触させることで前記放電異常を防止するこ
とができる。なお、本発明で使用する熱絶縁性および電
気絶縁性を兼ね備えた材料としては、フッ素樹脂等を使
用することができる。
と金属製の基板ホルダとが直接接触していると成膜中に
放電異常が発生し易く、これによりEC物質層の特性が
低下することが判った。この理由としては、基板に形成
された導電性の薄膜が基板ホルダを介して接地電位に落
ちてしまいターゲットに対向する接地電極を形成するこ
と、および基板から基板ホルダとの接触部を通じて該ホ
ルダが加熱され吸気ガスが放出されること、等が挙げら
れる。本発明では、基板と基板ホルダとを電気絶縁性材
料を介して接触させることで前記放電異常を防止するこ
とができる。なお、本発明で使用する熱絶縁性および電
気絶縁性を兼ね備えた材料としては、フッ素樹脂等を使
用することができる。
【0012】また、金属酸化物ターゲットによる高周波
スパッタリング法では、成膜レートを上げると輻射熱に
より基板温度が著しく上昇することが判明した。そし
て、この温度上昇によってガラス基板の割れやプラスチ
ック基板の変形が起こり易くなったり、EC物質層の特
性が低下することが判った。そこで、アルゴンガスと酸
素ガスによる反応性直流スパッタリング法を用いるよう
にした。そして、この反応性直流スパッタリング法によ
る成膜時に、スパッタガスの圧力を2×10-3torrから1
×10-1torrの範囲にすると放電状態が安定になり、特性
のよいEC物質層が成膜される。また、成膜時にスパッ
タガスに対する酸素ガスの割合を25%から40%にする
と、均一な膜が成膜され易くなる。酸素ガスの割合が25
%より低いと、ガラス基板の寸法が大きくなる程、広い
範囲に速い成膜速度で均一な膜を成膜することが困難に
なる。一方、酸素ガスの割合が40%を超えると、放電状
態が不安定になり易くなる。酸素ガスの割合が少ない
と、成膜速度を速くできるが膜厚分布が増大し易くな
る。酸素ガスの割合が25%以上の場合は均一な膜を成膜
できるが、入力パワーを一定にしておくと酸素ガスの割
合の増加に伴って成膜速度が低下してしまう。成膜速度
の低下を防ぐにはパワーを上げる必要があるが、その場
合前述のように温度分布や膜厚分布が大きくなるため、
基板と基板ホルダとの間に熱絶縁性および電気絶縁性材
料を設置するとよい。
スパッタリング法では、成膜レートを上げると輻射熱に
より基板温度が著しく上昇することが判明した。そし
て、この温度上昇によってガラス基板の割れやプラスチ
ック基板の変形が起こり易くなったり、EC物質層の特
性が低下することが判った。そこで、アルゴンガスと酸
素ガスによる反応性直流スパッタリング法を用いるよう
にした。そして、この反応性直流スパッタリング法によ
る成膜時に、スパッタガスの圧力を2×10-3torrから1
×10-1torrの範囲にすると放電状態が安定になり、特性
のよいEC物質層が成膜される。また、成膜時にスパッ
タガスに対する酸素ガスの割合を25%から40%にする
と、均一な膜が成膜され易くなる。酸素ガスの割合が25
%より低いと、ガラス基板の寸法が大きくなる程、広い
範囲に速い成膜速度で均一な膜を成膜することが困難に
なる。一方、酸素ガスの割合が40%を超えると、放電状
態が不安定になり易くなる。酸素ガスの割合が少ない
と、成膜速度を速くできるが膜厚分布が増大し易くな
る。酸素ガスの割合が25%以上の場合は均一な膜を成膜
できるが、入力パワーを一定にしておくと酸素ガスの割
合の増加に伴って成膜速度が低下してしまう。成膜速度
の低下を防ぐにはパワーを上げる必要があるが、その場
合前述のように温度分布や膜厚分布が大きくなるため、
基板と基板ホルダとの間に熱絶縁性および電気絶縁性材
料を設置するとよい。
【0013】本発明におけるECDの積層構造は、特に
どれと限定されるものではないが固体型ECDの構造と
しては、例えば電極層/EC層/イオン導電層/電極
層のような4層構造;電極層/還元着色型EC層/イ
オン導電層/可逆的電解酸化EC層のような5層構造が
あげられる。透明電極の材料としては、例えば、SnO
2 、In2 O3 、ITO等が使用される。このような電
極層は、一般には真空蒸着、イオンプレーティング、ス
パッタリング等の真空薄膜形成技術で形成される。ま
た、還元着色性EC層としては、一般にWO3 、MoO
3 等が使用される。
どれと限定されるものではないが固体型ECDの構造と
しては、例えば電極層/EC層/イオン導電層/電極
層のような4層構造;電極層/還元着色型EC層/イ
オン導電層/可逆的電解酸化EC層のような5層構造が
あげられる。透明電極の材料としては、例えば、SnO
2 、In2 O3 、ITO等が使用される。このような電
極層は、一般には真空蒸着、イオンプレーティング、ス
パッタリング等の真空薄膜形成技術で形成される。ま
た、還元着色性EC層としては、一般にWO3 、MoO
3 等が使用される。
【0014】イオン導電層としては、例えば、酸化ケイ
素、酸化タンタル、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸
化ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ラ
ンタン、フッ化マグネシウム等が使用される。これらの
物質薄膜は、電子に対して絶縁体であるがプロトン(H
+ )およびヒドロキシイオン(OH- )に対しては導電
体となる。EC層の着消色反応にはカチオンが必要とさ
れ、H+ イオンやLi + イオンをEC層その他に含有さ
せる必要がある。H+ イオンは初めからイオンである必
要はなく、電圧が印加されたときにH+ イオンが生じれ
ばよい。従って、H+ イオンの代わりに水を含有させて
もよい。この水は非常に少なくて充分であり、しばしば
大気中から自然に浸入する水分でも着消色する。
素、酸化タンタル、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸
化ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ラ
ンタン、フッ化マグネシウム等が使用される。これらの
物質薄膜は、電子に対して絶縁体であるがプロトン(H
+ )およびヒドロキシイオン(OH- )に対しては導電
体となる。EC層の着消色反応にはカチオンが必要とさ
れ、H+ イオンやLi + イオンをEC層その他に含有さ
せる必要がある。H+ イオンは初めからイオンである必
要はなく、電圧が印加されたときにH+ イオンが生じれ
ばよい。従って、H+ イオンの代わりに水を含有させて
もよい。この水は非常に少なくて充分であり、しばしば
大気中から自然に浸入する水分でも着消色する。
【0015】EC層とイオン導電層とは、どちらを上に
しても下にしてもよい。また、還元着色性EC層に対し
て間にイオン導電層を挟んで(場合により酸化着色性E
C層ともなる)可逆的電解酸化EC層ないし触媒層を配
設してもよい。このような層としては、例えば、酸化な
いし水酸化イリジウム、同じくバナジウム、同じくルテ
ニウム、同じくロジウム等があげられる。これらの物質
は、イオン導電層または透明電極中に分散されていても
よいし、逆にそれらを分散していてもよい。不透明な電
極層は反射層と兼用していてもよく、例えば、金、銀、
アルミニウム、クロム、スズ、亜鉛、ニッケル、ルテニ
ウム、ロジウム、ステンレスなどの金属が使用される。
しても下にしてもよい。また、還元着色性EC層に対し
て間にイオン導電層を挟んで(場合により酸化着色性E
C層ともなる)可逆的電解酸化EC層ないし触媒層を配
設してもよい。このような層としては、例えば、酸化な
いし水酸化イリジウム、同じくバナジウム、同じくルテ
ニウム、同じくロジウム等があげられる。これらの物質
は、イオン導電層または透明電極中に分散されていても
よいし、逆にそれらを分散していてもよい。不透明な電
極層は反射層と兼用していてもよく、例えば、金、銀、
アルミニウム、クロム、スズ、亜鉛、ニッケル、ルテニ
ウム、ロジウム、ステンレスなどの金属が使用される。
【0016】還元着色性のEC物質層として酸化タング
ステン層を使用すると、良好な特性を有するECDが得
られ易い。この酸化タングステンの薄膜層は、スパッタ
リングにより容易に成膜できる。また、反応性直流スパ
ッタリング法に用いるスパッタリング装置は、基板サイ
ズの大型化に対応させることが比較的容易であるという
利点がある。
ステン層を使用すると、良好な特性を有するECDが得
られ易い。この酸化タングステンの薄膜層は、スパッタ
リングにより容易に成膜できる。また、反応性直流スパ
ッタリング法に用いるスパッタリング装置は、基板サイ
ズの大型化に対応させることが比較的容易であるという
利点がある。
【0017】以下、実施例により本発明を具体的に説明
する。
する。
【0018】
【実施例】矩形のガラス製またはプラスチック製の素子
基板(S)の表面全体にITO電極層を形成し、次にフ
ォトエッチングまたはレーザーカッティングによって、
上部電極(A)用の取り出し電極層(F)と下部電極層
(B)との間に溝を形成した。これにより取り出し電極
層(F)と、この取り出し電極層(F)から隔離した矩
形の下部電極(B)とを形成した。なお、ITOをマス
ク蒸着することにより直接これらのパターンを形成して
も良い。
基板(S)の表面全体にITO電極層を形成し、次にフ
ォトエッチングまたはレーザーカッティングによって、
上部電極(A)用の取り出し電極層(F)と下部電極層
(B)との間に溝を形成した。これにより取り出し電極
層(F)と、この取り出し電極層(F)から隔離した矩
形の下部電極(B)とを形成した。なお、ITOをマス
ク蒸着することにより直接これらのパターンを形成して
も良い。
【0019】次に、図2に示すようなインライン式(毎
葉式)スパッタリング装置を用いてEC物質層(C)、
(E)、イオン導電層(D)および上部電極(A)の成
膜を行った。図2において、各層を成膜するためのター
ゲット(L)は、カソード(K)に上向きに接合されて
絶縁部材(I)を介して真空チャンバー(G)内に固定
されている。防着板(P)は、ターゲット(L)の上方
に開口(P’)が形成されるように真空チャンバー
(G)に設置されている。防着板(P)の内側には、カ
ソード(K)との間に放電領域(H)を形成するための
アノード(J)が配置され、このアノード(J)はカソ
ード(K)と同様に真空チャンバー(G)内に固定され
ている。真空チャンバー(G)には電磁弁(U)を介し
て真空ポンプ(R)が、また電磁弁(V)を介してスパ
ッタガス供給系(W)がそれぞれ接続されている。真空
チャンバー(G)の外側には、カソード(K)とアノー
ド(J)との間に直流電圧を印加する電源(Q)が接続
されている。なお、図示していないが、真空チャンバー
(G)内には基板ホルダ(T)が移動する軌道が設けら
れ、また、真空チャンバー(G)の外側には基板ホルダ
(T)を前記軌道に沿って移動させる移動装置が配置さ
れている。さらに、真空チャンバー(G)内の真空を破
らずにこのチャンバー(G)内に基板ホルダ(T)を搬
入、搬出するための搬入出装置(図示せず)が設けてあ
る。また、基板ホルダ(T)には、基板(S)を載置す
る位置にテフロン製のスペーサ(M)が固定されてお
り、基板(S)はスペーサ(M)を介して基板ホルダ
(T)に保持される。
葉式)スパッタリング装置を用いてEC物質層(C)、
(E)、イオン導電層(D)および上部電極(A)の成
膜を行った。図2において、各層を成膜するためのター
ゲット(L)は、カソード(K)に上向きに接合されて
絶縁部材(I)を介して真空チャンバー(G)内に固定
されている。防着板(P)は、ターゲット(L)の上方
に開口(P’)が形成されるように真空チャンバー
(G)に設置されている。防着板(P)の内側には、カ
ソード(K)との間に放電領域(H)を形成するための
アノード(J)が配置され、このアノード(J)はカソ
ード(K)と同様に真空チャンバー(G)内に固定され
ている。真空チャンバー(G)には電磁弁(U)を介し
て真空ポンプ(R)が、また電磁弁(V)を介してスパ
ッタガス供給系(W)がそれぞれ接続されている。真空
チャンバー(G)の外側には、カソード(K)とアノー
ド(J)との間に直流電圧を印加する電源(Q)が接続
されている。なお、図示していないが、真空チャンバー
(G)内には基板ホルダ(T)が移動する軌道が設けら
れ、また、真空チャンバー(G)の外側には基板ホルダ
(T)を前記軌道に沿って移動させる移動装置が配置さ
れている。さらに、真空チャンバー(G)内の真空を破
らずにこのチャンバー(G)内に基板ホルダ(T)を搬
入、搬出するための搬入出装置(図示せず)が設けてあ
る。また、基板ホルダ(T)には、基板(S)を載置す
る位置にテフロン製のスペーサ(M)が固定されてお
り、基板(S)はスペーサ(M)を介して基板ホルダ
(T)に保持される。
【0020】成膜の際は、まず、ITO層が形成された
基板(S)をスペーサ(M)を介した状態で基板ホルダ
(T)に載置する。そして、前述のインライン式スパッ
タリング装置により、酸化イリジウムと酸化スズとの混
合物からなる可逆的電解酸化層(C)と酸化タンタルか
らなるイオン導電層(D)とを順に成膜した。さらに、
還元着色性EC層(E)として酸化タングステン層を、
タングステン金属ターゲットによる反応性直流スパッタ
リング法により成膜した。この時の成膜条件を以下に示
す。
基板(S)をスペーサ(M)を介した状態で基板ホルダ
(T)に載置する。そして、前述のインライン式スパッ
タリング装置により、酸化イリジウムと酸化スズとの混
合物からなる可逆的電解酸化層(C)と酸化タンタルか
らなるイオン導電層(D)とを順に成膜した。さらに、
還元着色性EC層(E)として酸化タングステン層を、
タングステン金属ターゲットによる反応性直流スパッタ
リング法により成膜した。この時の成膜条件を以下に示
す。
【0021】到達真空度 :5×10-6torr スパッタガス圧 :2×10-2torr(Ar、O2 ) 酸素ガス分圧 :5×10-3torr(スパッタガス圧の
25%) 成膜レート : 240Å/min 膜厚分布 :±4% ここで、還元着色性EC層(E)の成膜を例に、図2の
スパッタリング装置による操作を簡単に説明する。ま
ず、電磁弁(U)を開いて真空ポンプ(R)により真空
チャンバー(G)内の真空度がほぼ5×10-6torrとなる
まで真空に引く。その後、電磁弁(U)を絞り込むと共
に、電磁弁(V)を開いてスパッタガス供給系(W)に
より所定流量のスパッタガスを導入して真空チャンバー
(G)内のガス圧が2×10-2torrとなるようにする。そ
の際、酸素ガスの分圧が、スパッタガス圧の25%である
5×10-3torrとなるように調整する。その後、電源
(Q)を差動させて、カソード(K)とアノード(J)
との間に直流電圧を印加すると、放電領域(X)が形成
されてこの領域(X)でイオン化されたスパッタガス原
子がターゲット(L)に衝突して、その表面からターゲ
ットを形成するタングステン金属の粒子が叩き出され
る。この粒子は酸素ガスと反応して酸化タングステンと
なり、基板(S)に酸化タングステン層を形成してい
く。
25%) 成膜レート : 240Å/min 膜厚分布 :±4% ここで、還元着色性EC層(E)の成膜を例に、図2の
スパッタリング装置による操作を簡単に説明する。ま
ず、電磁弁(U)を開いて真空ポンプ(R)により真空
チャンバー(G)内の真空度がほぼ5×10-6torrとなる
まで真空に引く。その後、電磁弁(U)を絞り込むと共
に、電磁弁(V)を開いてスパッタガス供給系(W)に
より所定流量のスパッタガスを導入して真空チャンバー
(G)内のガス圧が2×10-2torrとなるようにする。そ
の際、酸素ガスの分圧が、スパッタガス圧の25%である
5×10-3torrとなるように調整する。その後、電源
(Q)を差動させて、カソード(K)とアノード(J)
との間に直流電圧を印加すると、放電領域(X)が形成
されてこの領域(X)でイオン化されたスパッタガス原
子がターゲット(L)に衝突して、その表面からターゲ
ットを形成するタングステン金属の粒子が叩き出され
る。この粒子は酸素ガスと反応して酸化タングステンと
なり、基板(S)に酸化タングステン層を形成してい
く。
【0022】還元着色性EC層(E)を成膜した後、上
部電極(A)としてITO層を同様に成膜した。この
時、ITO層は既に基板(S)上に形成された取り出し
電極層(F)と一端が接触するように形成した。次に、
断面が略コの字型のリン青銅製の導電性クリップ(H)
を2本用意した。そして、このクリップ(H)2本を素
子基板(S)の短辺側にそれぞれ装着し、これによりク
リップ(H)が上部、下部各電極の取り出し部を圧着す
るようにした(図3参照)。なお、この導電性クリップ
(H)の形状および寸法は、封止基板(G)の位置決め
とECD周辺の非表示部のマスキングができるように設
定した。
部電極(A)としてITO層を同様に成膜した。この
時、ITO層は既に基板(S)上に形成された取り出し
電極層(F)と一端が接触するように形成した。次に、
断面が略コの字型のリン青銅製の導電性クリップ(H)
を2本用意した。そして、このクリップ(H)2本を素
子基板(S)の短辺側にそれぞれ装着し、これによりク
リップ(H)が上部、下部各電極の取り出し部を圧着す
るようにした(図3参照)。なお、この導電性クリップ
(H)の形状および寸法は、封止基板(G)の位置決め
とECD周辺の非表示部のマスキングができるように設
定した。
【0023】その後、エポキシ樹脂(R)およびガラス
製またはプラスチック製の封止基板(G)により素子を
封止した。そして、上部電極および下部電極の取り出し
部にそれぞれ外部配線LA 、LB をボンディングするこ
とでECDを製造した。図1に本実施例により得られた
ECDを示す。このECDに駆動電源(Su)から着色
電圧(+1.35V)を印加すると、基板に入射させた波長
633nmの光に対して透過率は20%に減少し(10秒後)、
この透過率は電圧印加を止めてもしばらく保たれた。次
に、消色電圧(−1.35V)を印加すると、同じく透過率
は70%に回復した(10秒後)。
製またはプラスチック製の封止基板(G)により素子を
封止した。そして、上部電極および下部電極の取り出し
部にそれぞれ外部配線LA 、LB をボンディングするこ
とでECDを製造した。図1に本実施例により得られた
ECDを示す。このECDに駆動電源(Su)から着色
電圧(+1.35V)を印加すると、基板に入射させた波長
633nmの光に対して透過率は20%に減少し(10秒後)、
この透過率は電圧印加を止めてもしばらく保たれた。次
に、消色電圧(−1.35V)を印加すると、同じく透過率
は70%に回復した(10秒後)。
【0024】
【比較例1】還元着色性EC層(E)として酸化タング
ステン層を、タングステン酸化物ターゲットを用いた高
周波スパッタリング法により成膜した他は実施例と全く
同様にしてECDを製造した。この時の酸化タングステ
ン層の成膜条件を以下に示す。
ステン層を、タングステン酸化物ターゲットを用いた高
周波スパッタリング法により成膜した他は実施例と全く
同様にしてECDを製造した。この時の酸化タングステ
ン層の成膜条件を以下に示す。
【0025】チャンバー内の背圧:5×10-6torr スパッタガス圧 :2×10-2torr(Arガスのみ) 成膜レート :100 Å/min 成膜レートをさらに上げると、ガラス基板が割れたり、
プラスチック基板が変形してしまうためECDを製造す
ることができなかった。また、ターゲット表面にヒビ割
れが発生し易くなった。
プラスチック基板が変形してしまうためECDを製造す
ることができなかった。また、ターゲット表面にヒビ割
れが発生し易くなった。
【0026】
【比較例2】基板と基板ホルダとの間に金属製のスペー
サを設置して成膜レートを 150Å/min にした他は実施
例と全く同様にしてECDを製造した。この時、還元着
色性EC層(E)として成膜した酸化タングステン層の
膜厚分布は±10%であり、ECD駆動時には着色ムラが
発生した。また、成膜レートをさらに上げると、ガラス
基板が割れたり、プラスチック基板が変形してしまうた
めECDを製造することができなかった。
サを設置して成膜レートを 150Å/min にした他は実施
例と全く同様にしてECDを製造した。この時、還元着
色性EC層(E)として成膜した酸化タングステン層の
膜厚分布は±10%であり、ECD駆動時には着色ムラが
発生した。また、成膜レートをさらに上げると、ガラス
基板が割れたり、プラスチック基板が変形してしまうた
めECDを製造することができなかった。
【0027】
【比較例3】成膜時の酸素ガスの分圧を3×10-3torrと
した他は実施例と全く同様にしてECDを製造した。こ
の時、還元着色性EC層(E)として成膜した酸化タン
グステン層の膜厚分布は±15%であり、ECD駆動時に
は着色ムラが発生した。
した他は実施例と全く同様にしてECDを製造した。こ
の時、還元着色性EC層(E)として成膜した酸化タン
グステン層の膜厚分布は±15%であり、ECD駆動時に
は着色ムラが発生した。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、成膜時にガラス基板の
割れやプラスチック基板の変形を起こさずにEC物質層
を成膜することができる。また、成膜に際しEC物質層
の特性を低下させることがないので、良好な特性を有す
るECDを製造することができる。さらに、成膜する際
に従来より成膜レートを向上させることが可能となり、
スループットが向上する。
割れやプラスチック基板の変形を起こさずにEC物質層
を成膜することができる。また、成膜に際しEC物質層
の特性を低下させることがないので、良好な特性を有す
るECDを製造することができる。さらに、成膜する際
に従来より成膜レートを向上させることが可能となり、
スループットが向上する。
【0029】また、EC物質層を酸化タングステン層と
することで、ECDの特性を向上させることができる。
さらに、基板を熱絶縁性および電気絶縁性材料で保持す
ると共に、成膜時のスパッタガスの圧力を2×10-3torr
から1×10-1torrの範囲に、また酸素ガスの割合をスパ
ッタガスの圧力の25%から40%としているため、特性の
良好な層を形成することが可能となる。
することで、ECDの特性を向上させることができる。
さらに、基板を熱絶縁性および電気絶縁性材料で保持す
ると共に、成膜時のスパッタガスの圧力を2×10-3torr
から1×10-1torrの範囲に、また酸素ガスの割合をスパ
ッタガスの圧力の25%から40%としているため、特性の
良好な層を形成することが可能となる。
【0030】さらにまた、反応性直流スパッタリングで
は基板サイズの大型化に対応するスパッタリング装置の
大型化が容易であり、大型基板に対しても成膜すること
ができるという利点を有する。
は基板サイズの大型化に対応するスパッタリング装置の
大型化が容易であり、大型基板に対しても成膜すること
ができるという利点を有する。
【図1】は、実施例にかかるECDの概略垂直断面図で
ある。
ある。
【図2】は、実施例の製造過程を示す概略構成図であ
る。
る。
【図3】は、実施例の製造途中にあるECDの概略垂直
断面図である。
断面図である。
A 上部電極 B 下部電極 E WO3 層(還元着色性EC層) D イオン導電層 C 可逆的電解酸化層 S 素子基板 M テフロン製のスペーサ(熱絶縁性および電気絶縁性
材料) K 金属製の基板ホルダ L ターゲット G 真空チャンバー ECD エレクトロクロミック素子(積層構造部分)
材料) K 金属製の基板ホルダ L ターゲット G 真空チャンバー ECD エレクトロクロミック素子(積層構造部分)
Claims (2)
- 【請求項1】 基板上に形成された、一方または両方が
透明な一対の電極層、エレクトロクロミック物質層およ
びイオン導電層を少なくとも有するエレクトロクロミッ
ク素子の製造方法において、 前記基板を熱絶縁性および電気絶縁性材料で保持した状
態で前記エレクトロクロミック物質層をアルゴンガスと
酸素ガスによる反応性直流スパッタリング法により成膜
すると共に、該成膜時のスパッタガスの圧力を2×10-3
torrから1×10 -1torrの範囲に、また酸素ガスの割合を
スパッタガスの圧力の25%から40%とすることを特徴と
するエレクトロクロミック素子の製造方法。 - 【請求項2】 前記エレクトロクロミック物質層が、酸
化タングステンであることを特徴とする請求項1記載の
エレクトロクロミック素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4183794A JPH0627498A (ja) | 1992-07-10 | 1992-07-10 | エレクトロクロミック素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4183794A JPH0627498A (ja) | 1992-07-10 | 1992-07-10 | エレクトロクロミック素子の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0627498A true JPH0627498A (ja) | 1994-02-04 |
Family
ID=16142042
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4183794A Pending JPH0627498A (ja) | 1992-07-10 | 1992-07-10 | エレクトロクロミック素子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0627498A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005124444A1 (ja) * | 2004-06-22 | 2005-12-29 | National University Corporation Oita University | エレクトロクロミックフィルムとその製造方法及びエレクトロクロミックフィルム表示装置 |
-
1992
- 1992-07-10 JP JP4183794A patent/JPH0627498A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005124444A1 (ja) * | 2004-06-22 | 2005-12-29 | National University Corporation Oita University | エレクトロクロミックフィルムとその製造方法及びエレクトロクロミックフィルム表示装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |