JPH06274942A - 光情報記録媒体及び原盤露光装置 - Google Patents

光情報記録媒体及び原盤露光装置

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JPH06274942A
JPH06274942A JP5057449A JP5744993A JPH06274942A JP H06274942 A JPH06274942 A JP H06274942A JP 5057449 A JP5057449 A JP 5057449A JP 5744993 A JP5744993 A JP 5744993A JP H06274942 A JPH06274942 A JP H06274942A
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JP
Japan
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recording
phase groove
pit
information recording
substrate
Prior art date
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Application number
JP5057449A
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Inventor
Akihiko Shimizu
明彦 清水
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Publication date
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  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 情報記録ピットを確実に検出し、ユーザが登
録したデータを損なうことなく再生することが可能な光
情報記録媒体及び原盤露光装置を提供する。 【構成】 基板7a上に予め一定の間隔をもって形成さ
れた案内溝16a,16bと、これら案内溝16a,1
6b間に予めプリフォーマット情報として形成されたプ
リピット18と、案内溝16a,16b間のランド部2
4に皮膜された記録層25とを有し、この記録層25上
にレーザビームを照射することにより情報記録ピット1
9が記録されるランド記録方式の光情報記録媒体におい
て、情報記録ピット19が記録される記録層25が皮膜
される前の基板7a上での情報記録ピット記録領域内の
トラッキングセンター20に、予め所定の再生信号出力
レベルLaに設定された位相溝26を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光情報記録媒体及び原
盤露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】まず、図11の原盤露光装置を用いて、
光ディスク(光情報記録媒体)に記録されたデータを再
生する方法について述べる。レーザ光源としてのフォト
ダイオード(PD)1から出射されたレーザビームa
は、コリメートレンズ2により平行光とされ、λ/2板
3により偏光面を調節した後、偏光ビームスプリッタ4
(PBS)を通過してλ/4板5により偏光面をλ/4
だけずらした後、光ピックアップ部の対物レンズ6によ
りレーザビームaの焦点を光ディスク7の記録面に合わ
せ、案内溝(後述する)に沿わせてトラッキングさせる
ことによりその記録面にレーザビームaを集光させるこ
とができる。そして、記録面からの反射光は、再び、対
物レンズ6、λ/4板5を通り、偏光ビームスプリッタ
4により反射し、シリンドリカルレンズ8に通過して4
分割された受光面a1,b1,c1,d1 を有する受光素
子9に入射することにより、非点収差法によりフォーカ
スエラー信号Foの検出がなされる。
【0003】また、図12に示すように、受光面a1
1,c1,d1により検出されたフォーカスエラー信号
Foは、電圧電流変換回路10により電流−電圧変換が
なされた後、増幅回路11により適正電圧に増幅され
る。これら増幅された各信号は加算器12により和がと
られ再生信号Rfが生成される。このRf信号は、光デ
ィスク7の記録面情報(後述する図14中、予め基板7
aに形成されたプリピット18及びレーザビームaによ
り記録層25に形成された記録ピット19)による反射
光量変化を検出する。このRf信号は、AC結合器13
によりAC結合されることにより、そのDCレベルの変
動(記録層膜厚の反射光量変化、光ディスク7の基板の
そりによるフォーカス変動による光量変化、光ディスク
7の偏芯などによるトラッキングずれによる光量変化
等)が除去された後、0レベルのスライサー(slicer)
14によって2値化(デジタル化)される。この2値化
された信号をデコードすることにより、0又は1の情報
を得ることができる。
【0004】図13(a)は、光ディスク7のフォーマ
ット構成を示したものであり、1セクタは、同期部15
aと、ID部15bと、FLAG部15cと、DATA
部15dとより構成されている。この場合、同期部15
aは、基準クロックの繰返しパターンや、再生時のPL
Lに利用する領域を示す。ID部15bは、再生時のア
ドレスナンバーや、トラックナンバーが登録されている
領域を示す。FLAG部15cは、データを再生する際
の取扱い情報を記録する領域を示す。DATA部15d
は、ユーザーがデータを記録する領域を示す。この場
合、一般に、同期部15a、ID部15b、FLAG部
15cの一部分(記録をする部分を除いて)は、プリフ
ォーマット情報と呼ばれ、予め光ディスク7の基板7a
に凹凸形状をなすプリピット18として形成されてい
る。FLAG部15cの一部分(記録する部分)は、ユ
ーザが記録する領域となっている。
【0005】図13(b)は、FLAG部15aを詳細
に示したものであり、FLAG Aと、FLAG B
と、FLAG C と、FLAG D との4種類のマーク
から構成されている。FLAG A は、DATA部15
dに記録済みであることを示すマークである。FLAG
B は、データをベリファイした際、NG(不良)と判
定されたことを示すマークである。FLAG C は、N
Gセクタを交替処理したことを示すマークである。FL
AG D は、データをデリートしたことを示すマークで
ある。各FLAGは、DATA部15dを再生する際の
システム情報となるため、誤検知すると、DATA部1
5dが未記録であると判定し、データを2重記録してし
まい、すでに記録された保存データを再生不可能にして
しまうため、致命的なエラーとなってしまう。
【0006】次に、FLAGマークの検出方法を図14
〜図16に基づいて説明する。この検出方法は、一般に
Land記録方式と呼ばれるものであり、トラッキング
用として予め光ディスク7の基板7aに形成された案内
溝16a,16b間のランド部17に、プリピット18
と、記録ピット(FLAGマーク)19とが形成されて
いる。これらプリピット18と記録ピット19とは、案
内溝16a,16b間の中心のトラッキングセンタ20
に位置し、このトラッキングセンタ20上を再生用のレ
ーザビームがトラッキングすることにより、光ディスク
7の情報を再生することができる。ここでいう、プリピ
ット18とは、基板7aに予め形成されたピットのこと
をいう。記録ピット19とは、基板7aに皮膜された記
録層にレーザビームを照射することにより形成されるピ
ットのことをいう。案内溝16a,16bとは、基板7
aに予め形成されたトラッキング用の溝(Groove)のこ
とをいう。また、図14は、基板7a上にプリピット1
8と、記録ピット19と、案内溝16a,16bとが形
成された光ディスク7の構成を示したものである。
【0007】まず、図15(a)は、基板7a上にFL
AGマーク19が記録されていない場合におけるプリピ
ット18とRf信号21との関係を示すものである。プ
リピット18の存在する部分では、回折効果のために受
光素子9への反射光量が低下するためにRf信号はスラ
イスレベル(slice level)22よりもLow側に落ち込
み、逆に、プリピット18間ではRf信号21はHigh
側へシフトする。スライスレベル22はRf信号21を
2値化し、AC結合した場合の0レベル(GND)に相
当する。このAC結合した場合の0レベルは、Rf信号
ではプリピット18から検出される振幅(peak to pea
k)のほぼ中心に位置する。図16(a)は、Rf信号
21に対応した2値化信号23の関係を示すものであ
る。この場合、2値化信号23は、Rf信号21がLo
w、すなわち、プリピット18が存在する部分でHigh
となり、逆にスペース領域でLowとなる。
【0008】また、図15(b)は、基板7a上にFL
AGマーク19を記録した場合におけるプリピット18
とFLAGマーク19とRf信号21との関係を示すも
のである。この場合、FLAGマーク19は、プリピッ
ト18間のスペース内に正常な状態で記録されており、
図12に示したような再生回路により2値化される。ス
ライスレベル22は、プリピット18から検出される振
幅のほぼ中心に位置している(正常時のFLAGマーク
19の振幅はA)。この時、FLAGマーク19のRf
信号21のピットレベルは、図16(b)に示すよう
に、FLAGマーク19を正常に検出することができ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図15(c)は、基板
7a上にFLAGマーク19が正常に記録されていない
場合におけるプリピット18と記録ピット19とRf信
号21との関係を示したものである。このようにFLA
Gマーク19の形成が不十分となる理由としては、フォ
トダイオード1の劣化による記録時のレーザパワーの低
下、光ディスク7の変形によるデフォーカス状態での記
録、基板7aの表面(記録面とは逆側の面であり、記録
再生は基板側からレーザビームを入射する)のゴミなど
による記録面でのレーザパワーの低下が考えられる。こ
のような場合、記録されたFLAGマーク19は、正常
に記録された図15(b)の場合に比べて小さく、ま
た、Rf信号21においても、そのFLAGマーク19
の振幅は小さい(その不良時のFLAGマークの振幅を
Bとすると、A>B)。これにより、図15(c)では
FLAGマークの振幅が小さいためスライスレベル22
に到達せず、図16(c)に示すようにFLAGマーク
19は2値化信号に現れず、その結果、FLAGマーク
19を記録したにもかかわらず、そのFLAGマーク1
9を検出することができなくなってしまう。このように
従来におけるFLAGマーク19の検出方法では、FL
AGマーク19を誤検知する可能性があり、仮にFLA
Gマーク誤検知が発生したような場合、ユーザが登録し
たデータを破壊するばかりでなく、再生時のDATA部
15dの取扱いができなくなるため、正確にデータを再
生することができなくなる。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、基板上に予め一定の間隔をもって形成された案内溝
と、これら案内溝間に予めプリフォーマット情報として
形成されたプリピットと、前記案内溝間のランド部に皮
膜された記録層とを有し、この記録層上にレーザビーム
を照射することにより情報記録ピットが記録されるラン
ド記録方式の光情報記録媒体において、前記情報記録ピ
ットが記録される前記記録層が皮膜される前の基板上で
の情報記録ピット記録領域内のトラッキングセンター
に、予め所定の再生信号出力レベルに設定された位相溝
を形成した。
【0011】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明において、基板上に予め位相溝を形成したことによ
り生じた再生信号出力レベルの低下量を、プリピットか
ら検出される再生信号の振幅の半分値よりも小さくなる
ように設定した。
【0012】請求項3記載の発明では、レーザ光源から
出射されたレーザビームを光ディスク原盤に露光するこ
とにより、その原盤上に予め案内溝やプリフォーマット
情報としてのプリピットさらには位相溝を形成すること
が可能な原盤露光装置において、前記案内溝を露光する
ためのビームを発生する第1ビーム発生手段と、前記プ
リピット及び前記位相溝を露光するためのビームを発生
する第2ビーム発生手段とを有するようにした。
【0013】請求項4記載の発明では、請求項3記載の
発明において、第2ビーム発生手段に、プリピットと位
相溝との露光光量を切換えるための光量変調手段を設け
た。
【0014】
【作用】請求項1,2記載の発明においては、位相溝上
に記録された情報記録ピットを誤検出することなく確実
に検出することができ、これにより、ユーザが登録した
データを破壊することなく再生時のDATA部の取扱い
を正確に行うことが可能となる。
【0015】請求項3,4記載の発明においては、1つ
のビームの光量変調を切換えることにより、プリピット
及び位相溝を作製することができ、これにより、原盤露
光装置の光学系及び光量変調光学系を簡素化することが
可能となる。
【0016】
【実施例】請求項1,2記載の発明の一実施例を図1〜
図3に基づいて説明する。なお、従来技術(図11〜図
16参照)と同一部分についての説明は省略し、その同
一部分については同一符号を用いる。
【0017】まず、光情報記録媒体としての光ディスク
7の構成について説明する。図1は、光ディスク7を一
部切断して示すものである。この場合、基板7a上には
予め一定の間隔をもって案内溝16a,16bが形成さ
れ、これら案内溝16a,16b間には予めプリフォー
マット情報としてプリピット18が形成されている。案
内溝16a,16b間のランド部24を含む基板7aの
全面に渡って記録層25が形成されている。このような
光ディスク7において、本実施例では、情報記録ピット
としての記録ピット(FLAGマーク)19が記録され
る記録層25が皮膜される前の基板7a上での情報記録
ピット記録領域内のトラッキングセンター20に、予め
所定の再生信号出力レベルLaに設定された位相溝26
を形成したことに特徴がある(請求項1記載の発明に対
応する)。ここでいう位相溝26とは、FLAGマーク
19を確実に再生できる目的で基板7a上に予め形成さ
れた溝(Groove)のことをいう。また、このような位相
溝26を予め基板7a上に形成したことにより発生する
再生信号出力レベルLaの低下量Δmは、プリピット1
8から検出される再生信号21の振幅の半分値よりも小
さくなるように設定されている(請求項2記載の発明に
対応する)。なお、この再生信号出力レベルLaの低下
量Δmに関しては、後述する。
【0018】次に、基板7a上に予め形成される位相溝
26の働きを図2及び図3に基づいて説明する。図2
(a)は位相溝26が存在する場合のRf信号21を示
したものである。FLAGマーク19を記録すべき部分
には位相溝26が存在し、この位相溝26による回折効
果のために、その位相溝26が存在する部分に対応する
Rf信号21は従来の検出方法に比べて再生信号出力レ
ベルLaの低下量はΔmだけ低下している。このような
状態ではスライスレベル22までは到達していないた
め、図3(a)に示すように、2値化信号23も検出さ
れない。
【0019】図2(b)は位相溝26の部分にFLAG
マーク19を記録した場合の様子を示すものである。こ
の時のFLAGマーク19の振幅は、図15(c)の振
幅の大きさBと仮定する(すなわち、記録ピット19の
形成が不十分で、ピットの大きさが小さい場合に相当す
る)。このような場合でも、FLAGマーク19の振幅
はスライスレベル22まで到達し、図3(b)に示すよ
うに、FLAGマーク19は2値化信号23に現れ、こ
れによりそのFLAGマーク19の検出を行うことがで
きる。従って、従来の検出方法ではFLAGマーク19
の振幅がBであったものが、本実施例の検出方法では見
かけ上の振幅が(Δm+B)となり、その結果、上述し
たような記録用ピットの形成が不十分となる問題が発生
してとしても、FLAGマーク19を確実に検出するこ
とができる。ただし、この場合、FLAGマーク19を
記録する前の位相溝26による再生信号出力レベルLa
の低下量Δmは、スライスレベル22に到達しない程度
に調整する必要がある。その理由は、Δmが大きくな
り、スライスレベル22に到達すると、FLAGマーク
19を記録していないにもかかわらず、そのFLAGマ
ーク19が2値化信号に現れてしまうからである。
【0020】次に、位相溝26を有する光ディスク7を
再生した場合における効果を、従来の場合と比較して説
明する。表1は、記録時のレーザパワー(Record Pow
er)の値を2.5〜5.0(mW)まで0.5きざみに
変化させた場合のFLAGマーク19の検出テストの結
果を、従来の位相溝なしの光ディスクと比較して示すも
のである。
【0021】
【表1】
【0022】この場合、〇印は検出可能、×印は検出不
可能を意味する。これにより、本発明法の方が、従来法
(位相溝なしの光ディスク)に比べて、Record Power
におけるマージンが1.0mWだけ増えている。このこ
とは、FLAGマーク誤検出となる原因(レーザダイオ
ードの劣化、基板の変形、基板表面の傷やゴミ等)に対
するマージンが増加したと考えることができる。
【0023】上述したように、光ディスク7の基板7a
上にFLAGマーク(記録ピット)19を記録する前に
位相溝26を予め形成しておくことによって、FLAG
マーク19を確実に検出することができ、ユーザが登録
したデータを損なうことなく再生することができる。ま
た、これにより情報を記録するRecorder の設計マージ
ンも増加しコスト的に安くなると共に、長期に渡る信頼
性も確保することができる。さらに、温湿度による基板
変形に対するマージンも増加するため、従来に比べて信
頼性を一段と向上させることができる。
【0024】次に、請求項3,4記載の発明の一実施例
を図4〜図10に基づいて説明する。なお、請求項1,
2記載の発明と同一部分についての説明は省略し、その
同一部分については同一符号を用いる。
【0025】図4は、原盤露光装置の光学系を示すもの
である。レーザ光源27(+Arイオンレーザ)から出
射されたレーザビームaは、スリット28を介して、コ
リメートレンズ29により平行光とされ、ハーフミラー
30aにより第1ビームbと第2ビームcとに分離され
る。第1ビームbは、光量変調手段としての光量変調器
31a、スリット32aを通過し、ハーフミラー33a
により反射される。一方、第2ビームcは、ミラー30
bにより反射され、光量変調器31b、スリット32b
を介して、ミラー33bにより反射され、ハーフミラー
33aへと向かう。その後、第1ビームb及び第2ビー
ムcは、λ/2板34を介して、偏向ビームスプリッタ
(PBS)35により偏向され、λ/4板36を介し
て、レンズアクチュエータ37aにより駆動制御される
対物レンズ37により集光されて光ディスク原盤38上
に照射される。これにより、その光ディスク原盤38上
に案内溝16a,16bや、プリピット18を形成する
ことができる。
【0026】このような原盤露光装置において、第1ビ
ームbは案内溝16a,16bを露光するために用いら
れ、この第1ビームbを発生するための光量変調器31
aとスリット32aとよりなる光学系は第1ビーム発生
手段39を構成している(請求項3記載の発明に対応す
る)。第2ビームcはプリピット18及び位相溝26を
露光するために用いられ、この第2ビームcを発生する
ためのミラー30bと光量変調器31bとスリット32
bとミラー33bとよりなる光学系は第2ビーム発生手
段40を構成している(請求項3記載の発明に対応す
る)。この場合、第2ビーム発生手段40を構成する光
量変調器31bは、プリピット18と位相溝26との露
光光量を切換える働きがある(請求項4記載の発明に対
応する)。
【0027】次に、上述したような原盤露光装置を用い
て、光ディスク原盤38から位相溝26を有する光ディ
スク7を作製する方法について説明する。まず、スタン
パ(射出成形工法により、光ディスク7の基板7aを作
るための金型)の作製工程を、図5(a)〜(f)を基
本工程として、図6〜図10を含めて述べる。ガラス基
板41上にフォトレジスト42を塗布する(塗布工程
a)。この場合における塗布条件は以下に示すように、 <フォトレジスト塗布条件> フォトレジスト…ポジ型フォトレジスト(OFPR80
0) 粘度2cp スピンコート …第1回転150rpm、 20sec 第2回転350rpm、180sec プリベーク …90°C、30min フォトレジスト薄膜…2600Å とする。次に、このようにしてフォトレジスト42を塗
布後、第1ビームb及び第2ビームcを露光して潜像を
形成する(原盤露光工程b)。この場合、ビーム間隔は
P/2(P:トラックピッチ)とし、露光線速は一定
(CLV)で、各溝はスパイラル状に形成される。第1
ビームbにより案内溝16a,16bを露光し、第2ビ
ームcによりプリピット18と位相溝26とを露光す
る。光量変調器31bを用いてプリピット18と位相溝
26との露光光量の切換えを行う。図6は、光量変調器
31bにおける入力電圧と出射光量との関係を示したも
のであり、このように入力電圧を変化させることにより
露光光量を調整することができる。また、図7は、第1
ビームbと第2ビームcとの光量を調整するために、光
量変調器31a,31bへ入力する電圧の変化を示した
ものである。この場合、第1ビームbの露光量は、ディ
スク全面に渡って一定の断面形状とするために一定にす
る必要があり、これにより第1ビームbの入射する光量
変調器31aの入力電圧はP1 に固定する。一方、第2
ビームcの露光量は、プリピット18と位相溝26の両
方を形成するために、光量変調器31bの入力電圧は以
下のように制御する。
【0028】<第2ビームの光量変調パターン> プリピット…入力電圧 5 (V) 位相溝…入力電圧 P2 (V) データ部…入力電圧 0 (V) このP2 の電圧波形は図7に示すようになり、この電圧
値を調整することにより位相溝26の形状を変化させる
ことができる。
【0029】ここで、位相溝26の適正形状と、再生信
号出力レベルLaの低下量Δmとの関係について述べ
る。まず、各部の断面形状を以下のように定義する。位
相溝26の断面形状においては、図8に示すように、 <位相溝の断面形状> 溝幅…Wpg 溝深さ…Dpg と定義する。また、位相溝26による再生信号Rfの低
下量Δmと、プリピット18による再生信号Rfの振幅
Lとは、図9(a)からもわかるように、一般式とし
て、 Δx=(Δm/M)×100(%) …(1) x=(L/M) ×100(%) …(2) と定義する。すなわち、(1)式では再生信号Rfの低
下量をΔxで示し、(2)式では再生信号Rfの振幅を
xで示す。Mは、ミラー(Mirror)面における再生信号
Rfの出力値とする。また、位相溝深さDpgに対する再
生信号出力レベルLaの低下量Δxは、図9(b)に示
すようになる。
【0030】図10は、案内溝16a,16b、プリピ
ット18、位相溝26の断面形状を示したものであり、
各部のパラメータを以下のように定義し、また、具体的
に数値を設定すると、 <案内溝の断面形状> 溝幅…Wg=0.5〜0.6μm 溝深さ…Dg=1100〜1300Å <プリピットの断面形状> 開口部の溝幅…Wp1=0.5〜0.6μm 底部の溝幅…Wp2=0.1〜0.2μm 溝深さ…Dp =2500〜2600Å となる。この時、(2)式に示すxの値は、60〜70
(%)である。
【0031】上述したような各種の定義に基づいて、位
相溝26の適性な断面形状を求める。前述したように、
位相溝26が不適当な形状に設定されると、未記録の状
態であるにもかかわらず、FLAGマーク19が検出さ
れてしまう結果となる。そこで、本実施例では、このよ
うな誤検出をしないために、以下のような条件に設定す
る。すなわち、位相溝26による再生信号Rfの低下量
Δxは、プリピット18からの再生信号Rfの振幅xの
半分よりも小さくなるように設定する。すなわち、 Δx<(1/2)x …(3) の条件式とする。これは、2値化信号23を得るため
に、スライスレベル22がプリピット18の振幅Lのほ
ぼ中心に位置するためである。図9(b)より、適性な
位相溝26の深さDpgは、約1000Åよりも小さけれ
ばよいことがわかる(ただし、Wpg=0.6μmとす
る)。ここで、(3)式の条件を満足させるための位相
溝26及び原盤露光条件の具体的なパラメータ値を示す
と、 <位相溝の断面形状> Wpg=0.5〜0.6μm Dpg=700〜800Å <原盤露光条件> 第1ビーム 案内溝の露光量…3.2mW 第2ビーム プリピット …5.2mW 位相溝 …2.8mW となる。次に、上述したような原盤露光工程の後に、現
像及びポストベークを行う(現像工程c)。露光により
フォトレジスト42の潜像化された部分を現像してリフ
トオフすることにより、各溝パターンを形成する。この
リフトオフ後、ベークして焼き固めることにより、光デ
ィスク基板と同一形状を有するフォトレジスト原盤を完
成させることができる。ここで、具体的な現像条件を示
すと、 <現像条件> 現像液…DE−3(商品名)、33%希釈 スピン現像…150rpm、 60sec リンス…150rpm、180sec ポストベーク…130°C、1hour となる。次に、このような現像工程の後に、(c)のフ
ォトレジスト原盤の表面に、電鋳を行うために、導電膜
としてのNi膜43をスパッタリングによって形成する
(スパッタリング工程d)。次に、そのNi膜43の表
面に電鋳を行うことによりNi44を形成し、これによ
りフォトレジスト原盤とは凹凸形状が反転したNiスタ
ンパ原形が完成する(電鋳工程e)。次に、そのNiス
タンパ原形の裏面側のガラス基板41とフォトレジスト
42とを削除して内外径を加工することにより、所望と
するスタンパ45を作製することができる(除去工程
f)。
【0032】次に、上述した図5(a)〜(f)のスタ
ンパ45の作製工程の後に、基板成形工程に移る。この
基板成形工程では、図5(f)のスタンパ45を金型と
して、射出成形法により光ディスク7の基板7aを作製
する。基板材料としては、ポリカーボネイトを用いる。
ここで作製される基板7aは、スタンパ45とは凹凸形
状が反転した状態となっており、その表面にはプリット
18や位相溝26等が形成されている。
【0033】次に、その基板成形工程の後に、位相溝2
6を有する基板7a上に記録層25をスピンコートによ
り形成する。記録材料としては、シアニン系の有機色素
を用いる。この記録層25を有する基板7aを図示しな
いスペーサに挿入して記録面が互いに向い合うようにし
て貼り合わせることによって、最終的に光ディスク7を
完成させることができる。
【0034】上述したように、光量変調器31bを用い
て第2ビームcを切換えることによりプリピット18及
び位相溝26を形成することができるため、光学系のス
ペースの省略化を図ることができ、これにより高精度な
プリピット18及び位相溝26を容易にしかも確実に作
製することができる。
【0035】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、基板上に予め一
定の間隔をもって形成された案内溝と、これら案内溝間
に予めプリフォーマット情報として形成されたプリピッ
トと、前記案内溝間のランド部に皮膜された記録層とを
有し、この記録層上にレーザビームを照射することによ
り情報記録ピットが記録されるランド記録方式の光情報
記録媒体において、前記情報記録ピットが記録される前
記記録層が皮膜される前の基板上での情報記録ピット記
録領域内のトラッキングセンターに、予め所定の再生信
号出力レベルに設定された位相溝を形成したので、位相
溝上に記録された情報記録ピットを誤検出することなく
確実に検出し、ユーザが登録したデータを破壊すること
なく再生時のDATA部の取扱いを正確に行うことがで
き、また、情報を記録するための設計マージンも増加
し、安価で信頼性の高い光情報記録媒体を提供すること
ができるものである。
【0036】請求項2記載の発明は、基板上に予め位相
溝を形成したことにより生じた再生信号出力レベルの低
下量を、プリピットから検出される再生信号の振幅の半
分値よりも小さく設定したので、情報記録ピットを誤検
出することなく確実に検出し、請求項1記載の発明より
もさらに信頼性を向上させることができるものである。
【0037】請求項3記載の発明は、レーザ光源から出
射されたレーザビームを光ディスク原盤に露光すること
により、その原盤上に予め案内溝やプリフォーマット情
報としてのプリピットさらには位相溝を形成することが
可能な原盤露光装置において、前記案内溝を露光するた
めのビームを発生する第1ビーム発生手段と、前記プリ
ピット及び前記位相溝を露光するためのビームを発生す
る第2ビーム発生手段とを有するようにしたので、1つ
のビームの光量変調切換えによりプリピットと位相溝を
作製できるため光学系のスペースを簡素化することがで
きると共に、高精度なプリピット及び位相溝を作製する
ことができるものである。
【0038】請求項4記載の発明は、第2ビーム発生手
段にプリピットと位相溝との露光光量を切換えるための
光量変調手段を設けたので、請求項3記載の発明と同様
に、露光光学系を簡素化することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1,2記載の発明の一実施例である光情
報記録媒体の一部を切断して示す斜視図である。
【図2】(a)は位相溝が形成された場合のピット形状
に対応する再生信号の様子を示す模式図、(b)は位相
溝上に記録ピットが形成された場合のピット形状に対応
する再生信号の様子を示す模式図である。
【図3】(a)は図2(a)の再生信号に対応する2値
化信号の様子を示す波形図、(b)は図2(b)の再生
信号に対応する2値化信号の様子を示す波形図である。
【図4】原盤露光装置の全体構成を示す光路図である。
【図5】スタンパの作製工程を示す工程図である。
【図6】光量変調器における入力電圧と出力光量との関
係を示す特性図である。
【図7】2つのビームによりそれぞれ形成されるピット
形状を示す模式図である。
【図8】位相溝の断面形状を示す断面図である。
【図9】(a)は再生信号の波形図、(b)は特性図で
ある。
【図10】プリピット、位相溝、案内溝との関係を示す
模式図である。
【図11】従来の原盤露光装置の全体構成を示す光路図
である。
【図12】再生信号の検出回路を示すブロック図であ
る。
【図13】フォーマット構成を示す模式図である。
【図14】従来の光情報記録媒体の構成を示す一部を切
断して示す斜視図である。
【図15】(a)は記録ピットが形成されていない場合
のピット形状に対応する再生信号の様子を示す模式図、
(b)は記録ピットが形成されている場合のピット形状
に対応する再生信号の様子を示す模式図、(c)は記録
ピットが不十分な状態で形成されている場合のピット形
状に対応する再生信号の様子を示す模式図である。
【図16】(a)は図15(a)の再生信号に対応する
2値化信号の様子を示す波形図、(b)は図15(b)
の再生信号に対応する2値化信号の様子を示す波形図、
(c)は図15(c)の再生信号に対応する2値化信号
の様子を示す波形図である。
【符号の説明】
7 光情報記録媒体 7a 基板 16a,16b 案内溝 18 プリピット 19 情報記録ピット 20 トラッキングセンター 21 再生信号 24 ランド部 25 記録層 26 位相溝 27 レーザ光源 31b 光量変調手段 38 光ディスク原盤 39 第1ビーム発生手段 40 第2ビーム発生手段 La 再生信号出力レベル Δm 低下量

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に予め一定の間隔をもって形成さ
    れた案内溝と、これら案内溝間に予めプリフォーマット
    情報として形成されたプリピットと、前記案内溝間のラ
    ンド部に皮膜された記録層とを有し、この記録層上にレ
    ーザビームを照射することにより情報記録ピットが記録
    されるランド記録方式の光情報記録媒体において、前記
    情報記録ピットが記録される前記記録層が皮膜される前
    の基板上での情報記録ピット記録領域内のトラッキング
    センターに、予め所定の再生信号出力レベルに設定され
    た位相溝を形成したことを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 基板上に予め位相溝を形成したことによ
    り生じた再生信号出力レベルの低下量を、プリピットか
    ら検出される再生信号の振幅の半分値よりも小さく設定
    したことを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 レーザ光源から出射されたレーザビーム
    を光ディスク原盤に露光することにより、その原盤上に
    予め案内溝やプリフォーマット情報としてのプリピット
    さらには位相溝を形成することが可能な原盤露光装置に
    おいて、前記案内溝を露光するためのビームを発生する
    第1ビーム発生手段と、前記プリピット及び前記位相溝
    を露光するためのビームを発生する第2ビーム発生手段
    とを有することを特徴とする原盤露光装置。
  4. 【請求項4】 第2ビーム発生手段は、プリピットと位
    相溝との露光光量を切換えるための光量変調手段を有し
    ていることを特徴とする請求項3記載の原盤露光装置。
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