JPH06274939A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JPH06274939A
JPH06274939A JP5060475A JP6047593A JPH06274939A JP H06274939 A JPH06274939 A JP H06274939A JP 5060475 A JP5060475 A JP 5060475A JP 6047593 A JP6047593 A JP 6047593A JP H06274939 A JPH06274939 A JP H06274939A
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JP5060475A
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Shuji Yoshida
修治 吉田
Yasushi Miyazono
泰 宮園
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録・消去の繰り返しの回数を多くすること
のできる書換え型の光記録媒体を提供する。 【構成】 基板上に、少なくとも記録層と、この記録層
よりも上方に少なくとも保護層を設けた光記録媒体であ
って、前記記録層の上面と下面の少なくとも一方に隣接
して中間層を設けたことを特徴とする光記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学的に情報の記録、再
生及び消去を行うことの出来る、いわゆる書換え型の光
記録媒体に関する。
【0002】
【背景技術】光照射、主にレーザ光の照射によって生じ
た物質の非晶質状態と結晶質状態の間の可逆的な構造変
化(相変化)を情報の記録に利用した相変化型の光記録
媒体は、情報の高速処理能力に加えて記録容量が大き
く、将来の情報蓄積装置として期待されている。
【0003】この光記録媒体には、情報処理の高速化が
一段と進む中で、高速記録した情報を高速で消去する性
能が求められている。さらに、一旦記録した情報を消去
し、さらにその上に別の情報を記録する、いわゆる記録
・消去の繰り返しの安定動作が必要不可欠となる。記録
・消去繰り返し特性には記録層材料や保護層材料等の各
種材料の物性が影響を与える。記録層材料では、記録・
消去前後の体積変化、相分離等が記録・消去繰り返し特
性の劣化要因となることが知られている。
【0004】例えば、GeTeは高速消去が可能な記録
層材料として知られているが、記録・消去動作による体
積変化が大きく、膜ワレが生じるため、106 回に及ぶ
記録・消去繰り返し動作は困難であった。一方、Ge−
Te−Sbの3元系でGeTeとSb2 Te3 を結ぶ線
上の化合物組成にSbを若干加えた記録層材料は上記劣
化要因を解消し、優れた記録・消去繰り返し特性を示す
ことが報告されている。しかし、記録・消去繰り返し特
性の優れた記録層材料であっても、記録層は基板上に単
独で形成されることはなく、記録時の記録層材料の流動
あるいは飛散を抑制するための保護層の形成は良好な記
録・消去繰り返し特性を得るためには必要不可欠なもの
となっている。
【0005】書換え型光記録媒体は、基板と記録層とを
必須の構成要素とするものであるが、本発明者は、基板
上に、下地の保護層、記録層、上地の保護層、金属から
なる反射層が順次形成された新規な構造を有する光記録
媒体を発明し、特許出願している(特願平3−3387
57号)。
【0006】この特願平3−338757号明細書に記
載の光記録媒体において、保護層、特に上地の保護層
は、記録時の記録層材料のレーザ溶融に伴う流動又は飛
散を抑制し、記録・消去の繰り返し特性の向上に寄与す
る。特に保護層材料として、Y2 3 を含むものを用い
ると、コントラストが大きくなるとともに、記録・消去
の繰り返しを多数回にわたって安定に行うことが可能と
いう効果が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記のような構成を有
する特願平3−338757号明細書に記載の光記録媒
体は、それまで公知の光記録媒体よりも記録・消去の繰
り返し特性を大幅に改善したものであるが、この特性を
更に改善することが望まれていた。従って本発明の目的
は、より一層記録・消去の繰り返しの回数を多くするこ
とのできる書換え型の光記録媒体を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は鋭意検討を加えた結果、基板上に、少な
くとも記録層と、この記録層よりも上方に少なくとも保
護層とを設けた光記録媒体において、前記記録層の上面
と下面の少なくとも一方に隣接して中間層を設けること
により、記録層と保護層との化学反応による記録層の組
成の変動が防止され、かつ記録時に保護層が直接熱衝撃
を受けることによる保護層の変形、破壊も防止され、そ
の結果、より一層記録・消去の繰返し特性に優れた光記
録媒体が得られることを見出した。
【0009】本発明は、上記の知見に基づいて完成され
たものであり、本発明は、基板上に、少なくとも記録層
と、この記録層よりも上方に少なくとも保護層を設けた
光記録媒体であって、前記記録層の上面と下面の少なく
とも一方に隣接して中間層を設けたことを特徴とする光
記録媒体である。
【0010】また本発明者は、光記録媒体において記録
層はレーザ光を照射するたびに、高温になり、記録層と
保護層の間あるいは記録層と基板の間で化学反応を起し
やすい状態になるが、中間層として、保護層よりも化学
反応が起りにくく安定な、換言すれば保護層よりも標準
生成ギブスエネルギーが小さい材料を用いると、記録・
消去繰返し動作に伴う記録層と保護層の間あるいは記録
層と基板の間の化学反応が抑制され、その結果、記録・
消去繰返し動作をさらに多数回安定に行うことができる
ことを見出した。従って本発明の光記録媒体の実施態様
によれば、中間層の標準生成ギブスエネルギーが保護層
の標準生成ギブスエネルギーよりも小さいのが好まし
い。さらに本発明者の検討によれば、中間層の標準生成
ギブスエネルギーは−1500kJ/mol以下である
のが特に好ましいことが明らかとなっている。このよう
な条件を満たすものとして、Al2 3 (標準生成ギブ
スエネルギー約−1600kJ/mol)、Y2
3 (標準生成ギブスエネルギー約−1700kJ/mo
l)等がある。
【0011】また本発明者は、中間層の材料として、B
N(窒化ホウ素),AlN及びSi3 4 から選ばれる
少なくとも1種を用いることにより、これらの材料が化
学的に不活性で、耐熱衝撃性に極めて優れ、さらに硬度
が大きいことから、記録・消去の繰り返しに伴う記録層
と保護層あるいは記録層と基板の間の化学反応を抑え、
かつ保護層や基板への熱衝撃や保護層の変形を阻止し
て、上記のものよりさらに一層繰り返し特性が向上する
ことを見出した。従って本発明の光記録媒体の他の実施
態様によれば、中間層の材料がBN,AlN及びSi3
4 から選ばれる少なくとも1種であるのが好ましい。
【0012】本発明の光記録媒体において中間層は記録
層の上面と下面の少なくとも一方に隣接して設けられる
が、具体的な層構成を示すと以下のとおりである。 (イ)基板/保護層/中間層/記録層/保護層/反射層 (ロ)基板/保護層/中間層/記録層/中間層/保護層
/反射層 (ハ)基板/保護層/記録層/中間層/保護層/反射層 (ニ)基板/中間層/記録層/中間層/保護層/反射層 (ホ)基板/記録層/中間層/保護層/反射層 (ヘ)基板/中間層/記録層/保護層/反射層 (ト)基板/保護層/中間層/記録層/保護層 (チ)基板/保護層/中間層/記録層/中間層/保護層 (リ)基板/保護層/記録層/中間層/保護層 (ヌ)基板/中間層/記録層/中間層/保護層 (ル)基板/記録層/中間層/保護層 (ヲ)基板/中間層/記録層/保護層 (ワ)基板/反射層/保護層/中間層/記録層/保護層 (カ)基板/反射層/保護層/記録層/中間層/保護層 (ヨ)基板/反射層/保護層/中間層/記録層/中間層
/保護層 中間層の膜厚は、2〜15nmとすることが好ましい。
その理由は、2nm未満の薄膜になると、記録・消去繰
返し回数を改善する効果が著しく小さくなり、また、1
5nmを超えると記録・消去の繰り返し特性又は記録層
の反射率等の光学特性等が悪化する傾向があるためであ
る。
【0013】本発明の光記録媒体は、上記の中間層を設
けたことを除くと、通常の構成を有するものであり、基
板上に、少なくとも記録層と、この記録層よりも上方に
少なくとも保護層を設けてなる。
【0014】上記基板としては、特に限定されないが、
石英ガラスなどのガラス、PMMA(ポリメチルメタク
リレート)樹脂やPC(ポリカーボネート)樹脂などの
樹脂、Al、Cuなどの金属、SiAlONなどのセラ
ミックスなどが好ましく用いられる。
【0015】また記録層としては、特に限定されない
が、必須成分としてGe、Te、Sbを含み、さらに所
望により追加成分としてBi、Seを含有するものが、
記録・消去の繰り返し回数を多くする上で好ましく用い
られる。
【0016】保護層としては、特に限定されないが、記
録感度を高くするためには保護層としては熱伝導率が小
さいものが特に好ましく、このような材料として、例え
ばY2 3 とZnSとの混合物がある。特にY2 3
ZnSとの混合物において、Y2 3 の含有量を5〜3
5mol%の範囲とすると、記録感度を特に向上できる
点で好ましい。Y2 3 の含有量が5mol%未満ある
いは35mol%を超す場合には、上記範囲内のものに
比べて、記録感度の低下がある。従ってZnSとY2
3 の混合物からなる保護層材料のY2 3 含有量は5〜
35mol%の範囲に設定することが望ましい。
【0017】保護層の材料には、熱伝導率が小さく記録
感度の良い材料として、他にZnSとSiO2 の混合
物、ZnSとAl2 3 の混合物等も用いられる。
【0018】反射層は、必須ではないが、金属は熱伝導
性に優れていることから記録層の冷却速度の制御が容易
となり記録(非晶)状態及び消去(晶質)状態を良好に
するという効果があり、また金属は記録層を透過したレ
ーザ光を反射させることからレーザ光を記録層に有効に
取り入れることを可能とするという効果があるため、設
けることができる。この反射層は、光記録媒体における
反射層としての機能を有するものであれば、その種類は
問わないが、Al、Cu、Ag、Au、Pt、Cr、N
i及びTiから選ばれる少なくとも一種の金属を用いる
のが好ましい。反射層は、上記の記録層に対して基板側
に設けても又その逆でも良い。前者の場合、レーザ光を
基板側から記録層に照射する構造とし、後者の場合その
逆(記録層の上面側)からレーザ光を入射させるように
する。また、前者の場合、基板は透明にものに限定され
る。
【0019】
【実施例】
実施例1 本発明の光記録媒体の構成例を図1に示す。図1に示す
光記録媒体は透明基板1上に保護層2、中間層3、記録
層4、中間層5、保護層6、反射層7を順次積層したも
ので、中間層3及び5を設けた点で従来の光記録媒体の
構成と異なる。透明基板1には十分洗浄を施した石英ガ
ラス基板、保護層2及び保護層6にはそれぞれY2 3
を含有したZnS(Y2 3 10mol%)、中間層3
及び5にはY2 3 、反射層7にはAlを用いた。基板
材料はガラスに限定されるものではなく、利用可能なも
のであればよく、例えばポリカーボネートやPMMAと
いった樹脂等を用いることも出来る。保護層2、中間層
3、記録層4、中間層5、保護層6、反射層7の膜厚は
それぞれ180、5、20、5、25、100nm程度
とした。記録層4にはGe、Sb、Te、Bi、Seの
5つを構成元素とした、式 Ge22Sb20Te51Bi2 Se5 を有する合金を用いた。保護層2及び6、中間層3及び
5、記録層4、そして反射層7は全で高周波マグネトロ
ンスパッタ法により成膜した。なお前記保護層2及び6
は主にZnSとY2 3 の混合ターゲットを用意して成
膜するか、あるいはZnSターゲットとY2 3 ターゲ
ットをそれぞれ個別に用意し、2元同時スパッタ法によ
り成膜した。ここで、成膜方法は高周波マグネトロンス
パッタ法に限定されるものではなく、例えば、直流スパ
ッタ法、真空蒸着法、スピンコート法、プラズマCVD
法等の、成膜を行うことの出来るいかなる方法であって
も差し支えない。記録膜の組成は光電子分光分析法、保
護膜の組成はEDAXによりそれぞれ確認した。
【0020】静止状態における記録・消去繰り返し特性
は図2に示すように830nmの波長のレーザを有する
光源21と開口数がおよそ0.52の対物レンズ22よ
りなる光ヘッド23よりレーザ光線24をガラス基板1
側より記録層4に集光、照射することにより調べた。記
録・消去繰り返し特性の測定に先立って、レーザアニー
ルあるいは加熱処理によって記録層4に初期結晶化を施
した。加熱処理を施す際には反射層7の表面をさらに別
の保護層(約100nm)で覆うようにした。成膜後の
反射率を10(%)前後そして初期化後の媒体の反射率
を30−32(%)程度に設定した。記録・消去条件
は、信号コントラスト、Cを C=(VC −VA )/VC ×100(%) VC :結晶状態の光電変換素子出力電圧(消去信号) VA :非晶質状態の光電変換素子出力電圧(記録信号) と定義したとき、コントラストを約30%、記録パルス
幅を50ns、消去パルス幅を50ns一定として行っ
た。
【0021】また、繰り返し回数は、記録した後、その
反射率(Ra)を測定し、次に消去した後、その反射率
(Rc)を測定し、この操作を繰り返し、コントラスト
比が25%まで低下したところまでの回数をもって繰り
返し回数とした。
【0022】図3に本実施例の光記録媒体の測定結果の
一例を記録・消去信号レベルと記録・消去繰り返し回数
の関係として示す。記録・消去繰返し回数は中間層を設
けない従来の光記録媒体では1×106 回程度であった
が、中間層を導入することにより記録・消去繰返し動作
の安定性は改善され、5×106 〜1×107 回に達す
る良好なものとなった。なお記録レーザパワーは14.
5mW、消去レーザパワーは7.4mWであった。又、
中間層を基板と記録層あるいは記録層と保護層の間のい
ずれか一方としても、記録・消去繰返し回数は2×10
6 回程度とその効果は若干低下するものの、良好な値を
得ることが出来た。Y2 3 中間層の膜厚はここで使用
した5nmに限定されるものではなく、上記のように2
〜15nm程度の範囲にあれば、およそ同様の効果を得
ることが可能であった。中間層材料Y2 3 に代えてA
2 3 を用いても記録・消去繰返し動作を5×106
〜1×107 回にわたって安定に行うことが出来た。記
録層の両側に中間層を設ける場合、一方の材料をAl2
3 、他方をY2 3 のように異なる種類の材料の組合
わせにしても、同様の良好な特性が得られた。さらに、
この中間層の材料がAl2 3 とY2 3 の混合物にお
いても、同様の良好な特性が得られた。また中間層の材
料として、後記実施例8〜12に示すようにBN、Al
N、Si3 4 またはこれらの混合物を用いると、特に
優れた結果が得られた。
【0023】記録層材料をGe22Sb20Te56Bi2
Ge22Sb22Te51Se5 ,Ge2Sb2 Te5 やGe
1 Sb2 Te4 ,Ge2 Sb4 Te7 等にしても同様の
効果が認められた。ZnSとY2 3 の混合物からなる
保護層材料のY2 3 含有量は前記の10mol%に限
定されるものではなく、5−35mol%の範囲のY2
3 含有量を有する保護層材料を用いることが可能であ
る。光記録媒体の構成において、基板と記録層の間に位
置する保護層または記録層と反射層の間に位置する保護
層のZnSの含有量は必ずしも同じである必要はなく、
保護層の効果が得られるものであれば良い。例えば、基
板側の保護層のY2 3 含有量を20mol%、反射層
側の保護層のそれを30mol%にしても差支えない。
【0024】実施例2 光記録媒体の構成を基板/中間層/記録層/中間層/保
護槽/反射層とし、用いた基板材料、保護層材料、中間
層材料、記録層材料、反射層材料は実施例1と同様とし
た。実施例1と同様の良好な記録・消去繰返し動作の安
定性が得られ、中間層を設けない従来の光記録媒体では
5×105 回であったが、記録・消去繰返し回数は5×
106 回に達するものであった。中間層を基板と記録層
あるいは記録層と保護層の間のいずれか一方としても、
その効果は若干低下するものの、記録・消去繰返し回数
は1.5×106 回程度の良好な値であった。なお、記
録・消去レーザパワーは実施例1と同様であった。
【0025】実施例3 光記録媒体の構成ならびに用いた記録層材料、保護層材
料、反射層材料、中間層材料は実施例1と同様とした光
ディスクを用意した。基板には直径130mmφのフォ
ーマット付きのガラス基板を用いた。線速度9m/s、
キャリア周波数f1/f2=5.1/1.9(MH
z)、記録パルス幅70ns、記録パワー19mW、バ
イアスパワー12mWとし、1ビームオーバーライト繰
返し特性の測定をランド部で行った。その結果、約20
0万(2×106 )回にわたって繰返し動作は安定に行
われ、C/Nは約54dB程度、消去率23dB以上の
良好な状態が維持出来た。一方、中間層のない比較の光
ディスクの場合、繰返し動作は100万(1×106
回程度の安定性に止まった。
【0026】実施例4 光記録媒体の構成は、石英ガラス基板/保護層/中間層
/記録層/中間層/保護層/反射層とし、各層の材料及
び膜厚はそれぞれ、基板側から保護層がZnSで180
nm、中間層がY2 3 で5nm、記録層が実施例1と
同じもので20nm、中間層がY2 3 で5nm、さら
にその上の保護層がZnSで25nm、反射層がAlで
100nmとして試料を作製した。すなわち、本実施例
は、保護層として記録層にも反射層にも密着性の悪いZ
nSを用い、この保護層と記録層との付着力を高めるた
め中間層としてY2 3 を用いたものである。このよう
にして作製した試料を、実施例1と同様にして記録・消
去の繰り返し回数を求めた。この結果、中間層を設ける
ことにより、保護層と記録層との間の密着性が強くな
り、記録・消去の繰り返し回数が増加し、Y2 3 の中
間層を設けない場合の記録・消去の繰り返し回数が1×
104 回であったのに対して、中間層を設けると2×1
6 回に増加した。なお、記録レーザパワー及び消去レ
ーザパワーは中間層の有無で変わらずそれぞれ18.2
mW,9.2mWであった。
【0027】実施例5 光記録媒体の構成を、石英ガラス基板/保護層/中間層
/記録層/保護層/反射層とし、各層の材料及び膜厚は
それぞれ、基板側から保護層がZnSで180nm、中
間層がY2 3 で5nm、記録層が実施例1と同じもの
で20nm、その上の保護層がY2 3 で25nm、反
射層がAlで100nmとして試料を作製した。すなわ
ち本実施例は基板と記録層との間の保護層は記録層との
密着性の悪いZnSを用い、記録層と反射層との間の保
護層は両者に密着力の高いY2 3 を用い、そしてZn
Sの保護層と記録層との間に中間層として密着力の高い
2 3 を用いた。このようにして作製した試料を、実
施例1と同様にして記録・消去の繰り返し回数を求め
た。この結果、Y2 3 中間層を設けないものの記録・
消去の繰り返し回数が1×104 回であったのに対し
て、中間層を設けると、2×106 回と増加した。な
お、記録レーザパワー及び消去レーザパワーは、中間層
の有無で変化せず、それぞれ18.8mW,9.5mW
であった。
【0028】実施例6 光記録媒体の構成は、石英ガラス基板/保護層/中間層
/記録層/中間層/保護層/中間層/反射層とし、各層
の材料及び膜厚はそれぞれ、基板側から保護層がZnS
で180nm、中間層がY2 3 で5nm、記録層が実
施例1と同じもので20nm、中間層がY2 3 で5n
m、さらにその上の保護層がZnSで25nm、中間層
がY2 3 で5nm、反射層がAlで100nmとして
試料を作製した。すなわち、本実施例は実施例5におい
てさらに保護層と反射層との間にもY2 3 の中間層を
設けたものである。このようにして作製した試料を、実
施例1と同様にして記録・消去の繰り返し回数を求め
た。この結果、実施例5と比較して、保護層と記録層と
の間にも中間層を設けることにより、さらに記録・消去
の繰り返し回数が増加し、5×106 回に達した。な
お、記録レーザパワーは18.5mW,消去レーザパワ
ーは9.3mwであった。
【0029】実施例7 光記録媒体の構成を、石英ガラス基板/保護層/中間層
/記録層/中間層/保護層/中間層/反射層とし、各層
の材料及び膜厚はそれぞれ、基板側から保護層がZnS
で180nm、中間層がAl2 3 で5nm、記録層が
実施例1と同じもので20nm、中間層がAl2 3
5nm、さらにその上の保護層がZnSで25nm、中
間層がAl2 3 で5nm、反射層がAlで100nm
として試料を作製した。すなわち、本実施例は実施例6
において中間層の材料をY2 3から密着性のより高い
Al2 3 に置換させたものである。このようにして作
製した試料を、実施例1と同様にして記録・消去の繰り
返し回数を求めた。この結果、実施例6と比較して、さ
らに記録・消去の繰り返し回数が増加し、1×107
に達した。なお、記録レーザパワーは19.2mW,消
去レーザパワーは9.4mWであった。
【0030】実施例8 石英ガラス基板上に、保護層のZnS−SiO2 (Si
2 20mol%)を170nm、中間層のAlNを5
nm、記録層のGe2 Sb2 5 を20nm、中間層の
AlNを5nm、保護層のZnS−SiO2 (SiO2
20mol%)を20nm、反射層のAuを100nm
の順でRFマグネトロンスパッタ法により成膜した。成
膜後、N2 中で200℃10分間加熱し、初期結晶化し
た。この初期結晶化した光記録媒体について、実施例1
と同様にして記録・消去の繰り返し回数を求めた。この
結果、繰り返し回数は、中間層を設けない従来の光記録
媒体では5×105 回であったのに対し、2×107
と著しく増加した。なお、記録レーザパワーは15.1
mW,消去レーザパワーは7.6mWであった。
【0031】実施例9 中間層をSi3 4 とした以外は実施例8と同様にして
光記録媒体を作製した。記録レーザパワー14.5m
W、消去レーザパワー7.1mWで実施例8と同様に繰
り返し回数を求めたところ、2×107 回であった。
【0032】実施例10 中間層をBNとした以外は実施例8と同様にして光記録
媒体を作製した。記録レーザパワー14.3mW、消去
レーザパワー7.1mWで実施例8と同様に繰り返し回
数を求めたところ1.5×107 回であった。
【0033】実施例11 保護層をZnS−Al2 3 (Al2 3 10mol
%)、記録層をGe22Sb20Te51Bi2 Se5 とし、
記録レーザパワー15.7mW、消去レーザパワー7.
8mWで実施例8と同様に繰り返し回数を求めたとこ
ろ、中間層を設けない従来の光記録媒体では1×106
回であったのに対し、2×107 回と著しく増加した。
【0034】実施例12 130mmφのフォーマット付きのポリカーボネート基
板上に、保護層のZnS−SiO2 (SiO2 20mo
l%)を170nm、中間層のAlNを5nm、記録層
のGe2 Sb2 Te5 を20nm、中間層のAlNを5
nm、保護層のZnS−SiO2 (SiO2 20mol
%)を20nm、反射層のAuを100nmの順で、R
Fマグネトロンスパッタ法により成膜し、光ディスクを
作製した。線速度6m/s、記録パワー17mW、バイ
アスパワー9mW、記録パルス幅70ns、3.9MH
z/1.5MHzのオーバライト条件で、オーバライト
繰り返し特性を測定した。C/Nが55dB、消去率2
8dBの状態が約200万(2×106 )回にわたって
維持できた。
【0035】
【発明の効果】本発明の光記録媒体は、記録層に接して
両側あるいは片側に中間層を形成することによって、記
録感度を低下させることなく記録・消去繰り返し動作の
安定性を改善し、記録・消去繰返し回数を延ばすことが
可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例の光媒体の構成を示す図。
【図2】静止状態での記録・消去特性の測定系を示す
図。
【図3】中間層にY2 3 を用いた場合の記録・消去繰
返し特性の測定結果の一例を示す図。
【符号の説明】
1 透明基板 2,6 保護層 3,5 中間層 4 記録層 7 反射層 21 レーザ光源 22 対物レンズ 23 光ヘッド 24 レーザ光

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、少なくとも記録層と、この記
    録層よりも上方に少なくとも保護層を設けた光記録媒体
    であって、前記記録層の上面と下面の少なくとも一方に
    隣接して中間層を設けたことを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 中間層の材料の標準生成ギブス(Gib
    bs)エネルギーが保護層の材料の標準生成ギブスエネ
    ルギーよりも小さいことを特徴とする請求項1記載の光
    記録媒体。
  3. 【請求項3】 中間層の材料の標準生成ギブスエネルギ
    ーが−1500kJ/mol以下であることを特徴とす
    る請求項2記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 中間層の材料が、BN,AlN及びSi
    3 4 の群から選ばれた少なくとも一種であることを特
    徴とする請求項1記載の光記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006200010A (ja) * 2005-01-21 2006-08-03 Nikko Kinzoku Kk スパッタリングターゲット及び光情報記録媒体用薄膜

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