JPH0627415U - ゴルフ場用スロープカー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ゴルフ場用スロープカーの緊急時の安全を図
る。 【構成】 スロープカーに、同スロープカーの走行速度
を検出する検出センサと、同検出センサの検出出力に基
づいてスロープカーを緊急停止する緊急用ブレーキ機構
を設けている。かかる構成によって、走行速度が一定以
上の過回転を正確かつ迅速に検出し、同検出出力に基づ
いて速やかにスロープカーを緊急停止することができる
ので、プレーヤーやキャディの安全を確実に図ることが
できる。また、ゴルフ道具のみならず、プレーヤーとキ
ャディを別々にプレーヤー用主カートとキャディ用副カ
ートに乗せることができるので、プレーヤーはキャディ
の存在を気にすることなく、自由に会話することができ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、緊急時の安全装置を具備するゴルフ場用スロープカーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、プレーヤー及びキャディのホール間の移動を容易にするため、ホール間 に位置する傾斜面にスロープカーを設けたゴルフ場がある。

【０００３】 そして、かかるスロープカーとしては、プレーヤーが上面に乗るベルトコンベ ア式のマンコンベアと、２本のレール上にトロッコを載置した２本レール式運搬 装置が知られている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、マンコンベアは、ベルトを相当広幅とする必要があるため、広い設置 面積を必要とし、また、ベルトの特性上、急勾配の傾斜面では使用することがで きない。

【０００５】 一方、２本レール式運搬装置は、ワイヤを用いてトロッコを牽引するが、同ワ イヤが損傷し易く大事故を起こす可能性があり、また、２本のレールを相当な間 隔を開けて設置しなければならないので、マンコンベアと同様に、広い設置面積 を必要とする。

【０００６】 さらに、安全対策の面でも、通常の制動は図られているが、緊急停止について は図られておらず、そのため、十分加速がなされた場合、制動が不可能な場合も あった。

【０００７】 本考案は、上記問題点を解決することができるゴルフ場用スロープカーを提供 することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、モノレール上にスロープカーを走行自在に取付け、同スロープカー に、同スロープカーの走行速度を検出する検出センサと、同検出センサの検出出 力に基づいてスロープカーを緊急停止する緊急用ブレーキ機構とを具備させたこ とを特徴とするゴルフ場用スロープカーに係るものである。

【０００９】 また、上記構成において、スロープカーは、好ましくは、プレーヤー用主カー トとキャディ用副カートとを、それぞれ、同モノレールに沿って移動自在に取付 け、かつプレーヤー用主カートにキャディ用副カートを連結して構成したもので ある。

【００１０】

【実施例】

以下、添付図に示す実施例に基づいて、本考案を具体的に説明する。

【００１１】 なお、図１は本考案に係るスロープカーの正面図、図２〜図６は、それぞれ、 図１の I-I 線〜 V-V線による断面図、図７は図６のVI-VI 線による断面図であ る。

【００１２】 図１において、Ａは本考案に係るスロープカーであり、傾斜面Ｓに沿って設置 されるものである。

【００１３】 スロープカーＡは、図２に示す如く、実質的に、傾斜面Ｓ上に固定状態に設置 したモノレール10と、同モノレール10に軸線方向に移動自在に取付けたプレーヤ ー用主カート11と、同様にモノレール10に軸線方向に移動自在に取付け、かつプ レーヤー用主カート11に連結金具12によって着脱自在に連結したキャディ用副カ ート13と、プレーヤー用主カート11に内蔵したカート駆動機構14と、緊急用ブレ ーキ機構80から構成されている。

【００１４】 以下、スロープカーＡを、各構成要素毎に説明する。

【００１５】 図２及び図３から明らかなように、モノレール10は、垂直方向に平行間隔を開 けて配置した矩形中空断面形状の上下レール20,21 と、上下レール20,21 を一体 的に連結する連結リブ22と、上面に下レール21を固定支持するとともに、その下 面を傾斜面Ｓに固定設置するアンカー手段23とから構成されている。

【００１６】 なお、アンカー手段23は、本実施例では、上下レール20,21 と直交する方向に 横架し、ブラケット23a を介して下レール21と連結した横架フレーム23b と、同 フレーム23b の両端に取付け、傾斜面に打設したパイル23c とから形成している 。

【００１７】 また、図１において、24は上レール20の下端部に取付けた衝撃緩衝器であり、 ブレーキ故障等でスロープカーＡが下方に滑走しても、スロープカーＡを同位置 において確実に停止させるとともに、停止時に生じる衝撃を可及的に緩和して、 プレーヤー及びキャディの安全を図るべく設けたものである。

【００１８】 次にプレーヤー用主カート11の構成について説明する。

【００１９】 図１，図３及び図５に示すように、プレーヤー用主カート11は、矩形形状を有 する水平床板30と、同水平床板30の前後部に立設した湾状フレーム31,32 と、同 湾状フレーム31,32 の上部に取付けた天蓋33と、同水平床板30を移動自在にモノ レール10に取付ける一対のカート取付機構34,34 とから構成されている。

【００２０】 また、カート取付機構34,34 は、図３及び図５に示すように、水平床板30の前 後部に、間隔をあけて、かつモノレール10に跨がった状態に配設されており、そ れぞれ、逆Ｕ字状フレーム35と、同フレーム35を形成する左右側板36,37 と上部 連結板38の内面にそれぞれ回動自在に取付けた転動ガイド輪39,40,41とから構成 されている。

【００２１】 かかる構成によって、モノレール10に、プレーヤー用主カート11を、軸線方向 に移動自在にかつ安定状態に取付けることができる。

【００２２】 なお、図１において、42,43 は水平床板30上に設置したプレーヤー用座席であ り、44は水平床板30の両側に取付けた化粧カバーである。

【００２３】 次にキャディ用副カート13の構成について説明する。

【００２４】 図１及び図４に示すように、キャディ用副カート13は、矩形形状を有する水平 床板50と、同水平床板50の上部に立設した囲繞フレーム51と、同水平床板50を移 動自在にモノレール10に取付けるカート取付機構52とから構成されている。

【００２５】 また、カート取付機構52は、図４に示すように、水平床板50の下面に連結フレ ーム53を介して固着しかつモノレール10に跨がった状態に配設した逆Ｕ字状フレ ーム54と、同フレーム54を形成する左右側板55,56 と上部連結板57の内面にそれ ぞれ回動自在に取付けた転動ガイド輪58,59,60とから構成されている。

【００２６】 かかる構成によって、モノレール10に、キャディ用副カート13を、プレーヤー 用主カート11と同様に、軸線方向に移動自在にかつ安定状態に取付けることがで きる。

【００２７】 なお、図１において、水平床板50上には段部62が形成されており、その下段部 にゴルフ用具置き場を形成するとともに、その上段部にキャディ用座席63を取付 けている。また、64は水平床板50の両側に取付けた化粧カバーである。

【００２８】 また、かかるキャディ用副カート13は、連結金具12によってプレーヤー用主カ ート11に着脱自在に連結されるが、かかるカート11,13 と連結金具12との連結は 、例えば、ボルトによって行うことができ、また、連結部には衝撃吸収部材を介 設することもできる。

【００２９】 次にプレーヤー用主カート11に搭載したカート駆動機構14の構成について、図 ３を参照して説明する。

【００３０】 図示するごとく、水平床板30の前部に設けたカート取付機構34の逆Ｕ字状フレ ーム35の上部連結板38上には、カート駆動モータ70が設置されており、同駆動モ ータ70の出力軸71は、逆Ｕ字状フレーム35の右側側板37より横方向に突出してお り、同突出端にスプロケットホイール72を固着している。

【００３１】 一方、モノレール10の上レール20直下において、歯面を下方に向けた長尺のラ ック73が連結リブ22に固着されており、同ラック73には、ピニオン74が噛合して いる。そして、一端にこのピニオン74を固着支持するピニオン取付軸75が、その 中央部を、軸受76によって、回動自在に逆Ｕ字状フレーム35の右側側板37に支持 されており、かつ、その他端を右側側板37より突出するとともに、同突出端にス プロケットホイール77を固着している。

【００３２】 そして、上記スプロケットホイール72,77 間に無端チェン78が巻回されている 。

【００３３】 かかる構成によって、カート駆動モータ70を駆動すると、無端チェン78を介し てピニオン74を回転することができ、同回転によって、プレーヤー用主カート11 及びそれに連結したキャディ用副カート13とからなるスロープカーＡをモノレー ル10に沿っていずれかの方向に確実に移動させることができる。

【００３４】 また、図１、図５、図６及び図７において、80は緊急用ブレーキ機構であり、 同緊急用ブレーキ機構80は、以下の構成を有する。

【００３５】 即ち、図中、水平床板30の前部に設けたカート取付機構34は、その逆Ｕ字状フ レーム35の後面に、ブレーキ用逆Ｕ字状フレーム81を連結し、同フレーム81の水 平横架板82の両端に軸受を介して一対のブレーキ回動軸83,83 を回動自在に取付 けている。

【００３６】 また、ブレーキ回動軸83の下端には、半円形のブレーキシュー84,84 を取付け ており、同ブレーキシュー84,84 の外周面を、ブレーキ回動軸83,83 の回動に連 動してモノレール10の上レール20の両側面と押圧状態に当接可能となしている。

【００３７】 また、ブレーキ回動軸83,83 は、その上端にベベルギヤ85,85 を設けており、 同ベベルギヤ85,85 を、ブレーキ用逆Ｕ字状フレーム81上に配設した中間軸86に 固着したベベルギヤ87,87 と噛合させている。

【００３８】 また、中間軸86の一端にスプロケットホイール88を取付け、同スプロケットホ イール88を、水平床板30の後部に設けたカート取付機構34の逆Ｕ字状フレーム35 の上面に取付けたブレーキ駆動用モータ89の出力軸90に設けたスプロケットホイ ール91と無端チェン92によって連結している。

【００３９】 さらに、図７において、93はブレーキシュー84,84 の過回転を防止する過回転 防止ストッパである。

【００４０】 また、図５において、94はピニオン取付軸74に取付けた回転板、95はカート取 付機構34の逆Ｕ字状フレーム35の右側板56に取付け、上記回転板の回転数を検出 し、同回転数が設定値以上になった場合に、ブレーキ駆動用モータ89を作動し、 スロープカーＡを緊急定させる検出センサである。

【００４１】 かかる構成によって、スロープカーＡの走行速度が速すぎると、検出センサ95 の駆動によって、ブレーキ駆動用モータ89を作動させ、ブレーキシュー84,84 を モノレール10の上レール20の両側面に押圧でき、同押圧にともなう摩擦力によっ て、スロープカーＡの緊急制動を確実に行うことができる。

【００４２】 本実施例におけるその他の構成において説明すると、図５において、79はピニ オン取付軸75に取付け、図示しない操作盤上の操作ボタンを押すことによって作 動し、同ピニオン取付軸75に制動をかけ、スロープカーＡの移動を停止する電磁 ブレーキである。

【００４３】 ついで、上記構成を有するスロープカーＡの作動について説明する。

【００４４】 ホール間の移動に際しては、プレーヤーはプレーヤー用主カート11に乗り、一 方、キャディはキャディ用副カート13にゴルフ道具とともに乗り、その後、プレ ーヤー用主カート11に設けたカート駆動機構14を駆動することによって傾斜面Ｓ に沿ってスロープカーＡを上昇移動させ、ホールからホールへ容易にかつ適当な 速度で移動することができる。

【００４５】 また、必要な場合は、緊急用ブレーキ機構80や電磁ブレーキ79を作動して、必 要な制動を行い、スロープカーＡの緊急停止を図ることができ、これによって、 プレーヤーやキャディの安全を確実に図ることができる。

【００４６】

【効果】

以上述べてきた構成により、本考案は、以下の効果を奏する。

【００４７】 スロープカーに、同スロープカーの走行速度を検出する検出センサと、同検 出センサの検出出力に基づいてスロープカーを緊急停止する緊急用ブレーキ機構 を設けたので、走行速度が一定以上の過回転を正確かつ迅速に検出し、同検出出 力に基づいて速やかにスロープカーを緊急停止することができるので、プレーヤ ーやキャディの安全を確実に図ることができる。

【００４８】 ゴルフ道具のみならず、プレーヤーとキャディを別々にプレーヤー用主カー トとキャディ用副カートに乗せることができるので、プレーヤーはキャディの存 在を気にすることなく、自由に会話することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るスロープカーの正面図である。

【図２】図１の I-I線による断面図である。

【図３】図１のII-II 線による断面図である。

【図４】図１のIII-III 線による断面図である。

【図５】図１のIV-IV 線による断面図である。

【図６】図１のV-V 線による断面図である。

【図７】図６のVI-VI 線による断面図である。

【符号の説明】

Ａ スロープカー Ｓ 傾斜面 10 モノレール 11 プレーヤー用主カート 12 連結金具 13 キャディ用副カート 14 カート駆動機構 80 緊急用ブレーキ機構 95 検出センサ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 モノレール(10)上にスロープカー(A) を
   走行自在に取付け、同スロープカー(A) に、同スロープ
   カー(A) の走行速度を検出する検出センサ(95)と、同検
   出センサ(95)の検出出力に基づいてスロープカー(A) を
   緊急停止する緊急用ブレーキ機構(80)とを具備させたこ
   とを特徴とするゴルフ場用スロープカー。
2. 【請求項２】 スロープカー(A) は、プレーヤー用主カ
   ート(11)とキャディ用副カート(13)とを、それぞれ、同
   モノレール(10)に沿って移動自在に取付け、かつプレー
   ヤー用主カート(11)にキャディ用副カート(13)を連結し
   て構成したことを特徴とする請求項１記載のゴルフ場用
   スロープカー。