JPH06273716A - 可逆性感熱記録媒体 - Google Patents

可逆性感熱記録媒体

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JPH06273716A
JPH06273716A JP8570893A JP8570893A JPH06273716A JP H06273716 A JPH06273716 A JP H06273716A JP 8570893 A JP8570893 A JP 8570893A JP 8570893 A JP8570893 A JP 8570893A JP H06273716 A JPH06273716 A JP H06273716A
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JP
Japan
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recording medium
reversible thermosensitive
thermosensitive recording
liquid crystals
liquid crystal
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Application number
JP8570893A
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English (en)
Inventor
Yasushi Muto
泰志 武藤
Katsuhiro Shibuya
勝弘 澁谷
Shohei Mimura
升平 三村
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Toppan Infomedia Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Magnetic Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 好ましくは、選択波長の異なる2種以上の高
分子液晶を非混合状態で存在させた記録層を有する可逆
性感熱記録媒体とする。 【効果】 反射率が高く高輝度であり、高感度で高コン
トラストの可逆性感熱記録媒体が実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録層に高分子液晶を
用いた可逆性感熱記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、残金などの情報を使用するたびに
磁気カードの本体に可視表示することが要求されてい
る。例えばロイコ染料を用いた方式では色素前駆体と顕
色剤とをバインダ中に分散させて基体の表面に塗工した
ものであり、サーマルヘッドなどで加熱することによっ
て色素と顕色剤が反応し、発色する。
【0003】このように色素を用いる感熱記録媒体のほ
か、近年、特開昭59−199284号公報に示される
ような低融点金属薄膜破壊型の感熱記録媒体が実用化さ
れている。
【0004】以上のような記録媒体では一度印字した部
分には二度と印字できず、カードのスペースやリサイク
ルの問題から、何度でも書き換え可能な印字方式が必要
となってくる。
【0005】従来、書き換え可能な感熱表示媒体として
は有機低分子物質を用いた方法、ロイコ染料を用いた方
法、高分子液晶を用いた方法などが提案されている。特
開昭63−39376号では有機低分子物質が樹脂母剤
中に分散し温度に依存して透明度が可逆的に変化する感
熱記録媒体が提示されている。この方法では記録画像消
去時に長時間熱を与えなければならず、また記録した画
像とバックグラウンドのコントラストが悪いという短所
を持っている。特開平2−188293号では本来可逆
反応であるロイコ染料を用いた可逆記録方式が提案され
ている。この方法も同様に消去時に長時間熱を与えなけ
ればならない。
【0006】一方、外部からの磁場により磁性粉が配向
または移動することにより可逆記録できる媒体も提案さ
れている。特開昭53−44425号、特開昭60−2
7003号、特開平3−273521号に磁性粉を用い
た可逆記録方式が開示されている。この方法では記録、
消去の時間は短時間でできるが、画像のコントラストが
悪いという短所がある。
【0007】特開平2−16082号では側鎖型高分子
ネマティック液晶を用い等方相転移温度(Tc)以上の
熱を与え急冷して記録、記録情報を昇温と徐冷で消去で
きる記録媒体が示されている。高分子ネマティック液晶
の場合、白濁−透明の変化により記録するため画像のコ
ントラストが悪いという短所がある。また、T.Ueno,T.N
akamura,C.Tani,Japan Display'86,290(1986) および特
開平4−174415号ではネマティックモノマーとコ
レステリックモノマーとの共重合体の高分子液晶を用い
可逆記録を実現している。
【0008】しかし、高分子コレステリック液晶を用い
た可逆感熱記録媒体はそのコレステリック液晶の特徴に
より、可視光吸収性基板上に形成しなければならず、バ
ックグラウンドがその色になると印字した画像の色との
コントラストが悪く、視認性が悪い。また、コレステリ
ックカラー自体もコレステリックらせんピッチの長さと
同じ波長の光のみを反射するため、反射光量が少なく輝
度が低くコントラストが悪いという欠点があった。
【0009】従って、この点の改善が望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特に
側鎖型高分子コレステリック液晶を記録層に用い、全可
視光領域にわたって反射率が高く、高輝度であり、かつ
コントラストが高く、感度が高い可逆性感熱記録媒体を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(11)の本発明により達成される。 (1)支持体上に高分子液晶を含有する記録層を有する
可逆性感熱記録媒体において、前記記録層は、2種以上
の高分子液晶を含有し、かつ2種以上の高分子液晶は実
質的に非混合状態で存在する可逆性感熱記録媒体。 (2)前記2種以上の高分子液晶のうち少なくとも1種
の高分子液晶はドットまたはストライプとして存在する
上記(1)の可逆性感熱記録媒体。 (3)前記ドットまたはストライプは空間的にまたはバ
リア層によって分離されている上記(2)の可逆性感熱
記録媒体。 (4)前記2種以上の高分子液晶のうち少なくとも1種
の高分子液晶は連続層として存在する上記(1)ないし
(3)のいずれかの可逆性感熱記録媒体。 (5)前記連続層はバリア層によって分離されている上
記(4)の可逆性感熱記録媒体。 (6)前記2種以上の高分子液晶は、互いに選択反射波
長が異なるものである上記(1)ないし(5)のいずれ
かの可逆性感熱記録媒体。 (7)前記高分子液晶のうち少なくとも1種がネマティ
ックモノマーとコレステリックモノマーとの共重合体の
側鎖型高分子コレステリック液晶である上記(1)ない
し(6)のいずれかの可逆性感熱記録媒体。 (8)前記側鎖型高分子コレステリック液晶が下記化3
で表わされる上記(7)の可逆性感熱記録媒体。
【0012】
【化3】
【0013】〔化3において、R1 は化4で表わされる
コレステロール基を表わし、R2 はビフェニル基、シア
ノフェニル基またはメトキシフェニル基を表わす。
【0014】
【化4】
【0015】aおよびdは、それぞれ2〜4の整数を表
わし、bおよびeは、それぞれ0または1を表わし、c
およびfは、それぞれ1を表わす。xは0.1〜0.7
であり、nは2.5〜10である。〕 (9)前記高分子液晶のうち少なくとも1種が可視光領
域に選択反射を有する上記(1)ないし(8)のいずれ
かの可逆性感熱記録媒体。 (10)前記記録層の膜厚が0.35〜170μm であ
る上記(1)ないし(9)のいずれかの可逆性感熱記録
媒体。 (11)前記記録層上に保護層を有する上記(1)ない
し(10)のいずれかの可逆性感熱記録媒体。
【0016】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0017】本発明の可逆性感熱記録媒体は、支持体上
に高分子液晶を含有する記録層を有するものである。こ
のような記録層は2種以上の高分子液晶を含有し、かつ
2種以上の高分子液晶は実質的に非混合状態で存在す
る。
【0018】ここで「実質的に非混合状態で存在する」
とは、2種以上の高分子液晶が混合状態にないことをい
う。この場合2種以上の高分子液晶は接していてもよい
が、空間的にあるいはバリア層を介して分離されている
ことが好ましい。
【0019】一方、上記の高分子液晶は、通常、可視光
領域に選択反射を有する側鎖型高分子コレステリック液
晶であることが好ましい。また、2種以上の高分子液晶
は互いに選択反射波長が異なるものとすることが好まし
い。
【0020】従って、このような高分子液晶を用い、記
録層構成を上記のようにすることによって、全可視光領
域にわたる反射率を向上させることができる。この結
果、輝度が向上し、コントラストが良好になる。また感
度も十分である。
【0021】これに対し、上記高分子液晶を1種あるい
は2種以上混合して用いたのでは、特定波長に選択反射
を有するものしか得られず、反射率も十分ではない。ま
た、コレステリックカラーによってはコントラストが十
分に得られないことがある。
【0022】例えば、選択反射波長720nm、580n
m、420nmの高分子液晶1、2、3の各々の反射スペ
クトルは図1のようになる。これに対し、高分子液晶
1、2、3を、本発明に従い、非混合状態で存在させた
場合(後記図3、図4等参照)、その反射スペクトルは
図2のようになる。すなわち、図2に示すように、本発
明の構成により、全可視光領域で一定の反射強度が得ら
れる理想値に近づく。
【0023】本発明においては、上記のように、2種以
上の高分子液晶を非混合状態で存在させた記録層とする
が、具体的には、まず少なくとも1種の高分子液晶をド
ットまたはストライプとして存在させることが好ましく
挙げられる。この場合、ドットの形状は、円形、角形等
いずれであってもよい。ドット1個あたりの大きさは面
積として10μm2〜10mm2 程度であることが好まし
い。また、ストライプとするときの大きさは巾3μm 〜
5mm程度であることが好ましく、長さは目的・用途に応
じて適宜選択すればよい。
【0024】また、ドット、ストライプは空間的に分離
していることが好ましく、これらが同一平面上で空間的
に分離しているとき、隣接するドット同志あるいはスト
ライプ同志の間隔は、通常、10mm程度以下であること
が好ましい。
【0025】この間隔は、ドット、ストライプの大きさ
や設置位置等にもよるが、一般に高反射率を得る上では
小さい方(μm オーダーで0に近い値)が好ましい。な
お、このとき、場合によっては、空間的な分離にかえ、
間隔をバリア材によって埋めるものとしてもよく、この
形で用いるバリア材も本発明にいうバリア層に包含する
ものとする。
【0026】また、本発明の記録層においては、少なく
とも1種の高分子液晶が連続層として存在していてもよ
い。この場合の連続層の膜厚は0.35μm 〜50μm
程度であることが好ましい。また、連続層を形成する場
合、他の高分子液晶との接触を回避するため、バリア層
を設け、バリア層によって分離することが好ましい。さ
らに、連続層を形成するときのみならず、同一平面上に
1種あるいは2種以上の高分子液晶をドットあるいはス
トライプとして存在させ、この高分子液晶のドット、ス
トライプに積層する形で高分子液晶を存在させるとき
も、上下に位置する高分子液晶同志の接触を回避するた
めバリア層を設けることが好ましい。このような場合の
バリア層の膜厚は、目的・用途によって異なるが、一般
に、0.50μm 〜10μm 程度とすることが好まし
い。
【0027】本発明では、記録層の2種以上の高分子液
晶をすべて同一平面上にドットまたはストライプとして
パターン形成することも、バリア層を介して各々の高分
子液晶を連続層とすることもできる。また1種のみを連
続層とし、そのほかをドットまたはストライプとしてパ
ターン形成するなど、種々の組合せが可能である。
【0028】具体的には、例えば図3〜図5に示すもの
とすればよい。これらは、いずれも部分断面図である。
【0029】図3に示す可逆性感熱記録媒体10は、支
持体11上に3種の高分子液晶のドットを形成し、これ
を記録層12とするものである。図示のように、記録層
12は、3種の高分子液晶層のドット121、122、
123の順次繰り返しとなっている。また、記録層12
上には保護層13が設けられている。
【0030】また、図4に示す可逆性感熱記録媒体20
は、支持体11上に3種の高分子液晶の連続層を設け、
これを記録層22とするものである。図示のように、記
録層22は、3種の高分子液晶の連続層221、22
2、223を有し、連続層221と222および連続層
222と223は、各々バリア層225を介して設層さ
れている。バリア層225を設けることにより、高分子
液晶同志の接触界面での混合を防止することができる。
また、記録層22上には保護層23が設けられている。
【0031】さらに、図5に示す可逆性感熱記録媒体3
0は、支持体11上に1種の高分子液晶の連続層と、2
種の高分子液晶のドットとを形成し、これを記録層32
とするものである。図示のように、記録層32は、1種
の高分子液晶の連続層321を有し、2種の高分子液晶
のドット322、323が、この順で、バリア層325
を介してその上に繰り返し設けられたものである。記録
層32上には保護層33が設けられている。
【0032】以上、図示例に従って説明したが、可逆性
感熱記録媒体の構成は、これに限定されず種々のもので
あってよい。
【0033】上記の記録層に対しては可逆的な記録を行
うことができるが、そのメカニズムについて説明する。
上記の高分子コレステリック液晶は、ガラス転移温度
(Tg)以上等方相転移温度(Tc)未満の温度でコレ
ステリック配向の液晶相を示し、このため選択反射光が
得られる。
【0034】この場合、全可視光領域にわたって反射率
がそれぞれの場合よりも増加し、さらに可視光領域全体
にわたり反射が起こっているため金属色のような光沢の
ある色が現れる。そして、等方相転移温度(Tc)以上
の温度となると等方相を示し、透明となる。このような
現象を利用して可逆記録を実現するものである。
【0035】より具体的には、コレステリック配向によ
り呈色した可逆性感熱記録層を設層し、サーマルヘッド
等により適当な熱を印加すると液晶基がランダム配向ま
たはネマティック配向すると考えられる。さらにこの可
逆性感熱記録層が室温まで冷却されるとランダム配向の
場合は白濁し、ネマティック配向の場合は透明になる。
本発明の可逆性感熱記録層においてはネマティック配向
をとるために透明層が固定され下地の黒色が現われる
か、またはランダム配向により白濁しているが記録層が
薄いため隠蔽できず透明に見えることにより下地の黒色
が現われていると考えられる。また、この層を固定する
ための冷却温度は、通常、ガラス転移温度(Tg)以下
とすればよい。なお、この下地の黒色は可視光吸収性支
持体の色に起因するものである。従って、この黒色画像
と金属色のバックグラウンドのコントラストはコレステ
リックカラーと黒色画像のコントラストよりも高くな
る。
【0036】また、図4、図5のような構成では、サー
マルヘッド等から可逆性感熱記録層に与えられるエネル
ギーを制御することにより、下地の色を黒色ではなく、
支持体側に位置する高分子液晶のコレステリックカラー
(2層の高分子液晶の連続層のときはそのコレステリッ
クカラーの混合色)とすることもできる。すなわち、記
録層での支持体側の高分子液晶の連続層をコレステリッ
クカラーに保持することによる。また、この手法によ
り、数種の高分子液晶を用いて画像の少なくとも2色化
が可能である。
【0037】一方、印字像の消去は、この印字された部
分を高分子液晶のガラス転移温度(Tg)と等方相転移
温度(Tc)の間の温度で処理することにより実現され
る。この熱処理により印字等によって現われた相が再び
液晶相になるからである。この熱処理は、オーブン、熱
ローラなどを用いて行えばよい。
【0038】本発明に用いる側鎖型高分子コレステリッ
ク液晶は、ネマチックモノマーとコレステリックモノマ
ーとの共重合体であることが好ましく、可視光領域に選
択反射を有するものであることが好ましい。上記の波長
領域は通常400〜700nmであることが好ましいが、
場合によっては400〜750nmであってよく、赤外領
域を包含していてもよい。
【0039】また、ガラス転移温度(Tg)は40℃以
上、好ましくは40〜100℃程度であることが好まし
い。また、等方相転移温度(Tc)は160℃以上、好
ましくは180℃〜200℃であることが好ましい。こ
のように、TgおよびTcが比較的高いものであること
から、記録画像およびバックグラウンドの常温における
る安定性が高くなり可逆性感熱記録層に用いるのに適す
る。
【0040】このような側鎖型高分子コレステリック液
晶としては、特に、化3で表わされるものを用いること
が好ましい。
【0041】化3において、R1 は化4のコレステロー
ル基を表わし、R2 はビフェニル基、シアノフェニル基
またはメトキシフェニル基を表わす。R2 で表わされる
ビフェニル基におけるフェニル基の置換位置には特に制
限はないが、好ましくは4−ビフェニル基等を挙げるこ
とができる。またフェニル基の置換位置が異なるビフェ
ニル基が混在していてもよい。また、R2 がシアノフェ
ニル基であるときも、シアノ基の置換位置には特に制限
はないが、好ましくは4−シアノフェニル基等を挙げる
ことができ、シアノ基の置換位置が異なるシアノフェニ
ル基が混在していてもよい。さらに、R2 がメトキシフ
ェニル基であるときも、メトキシ基の置換位置には特に
制限はないが、好ましくは4−メトキシフェニル基等を
挙げることができ、メトキシ基の置換位置が異なるメト
キシフェニル基が混在していてもよい。
【0042】化3において、aおよびdは、それぞれ2
〜4の整数を表わし、特に3であることが好ましい。a
およびdは通常同一であることが好ましいが、場合によ
っては異なっていてもよい。また、bおよびdは、それ
ぞれ0または1を表わし、cおよびfは、それぞれ1を
表わす。xは0.1〜0.7である。nは平均重合度を
表わし、2.5〜10であり、さらには3〜7であるこ
とが好ましい。
【0043】化3の高分子コレステリック液晶の具体例
を表1に示す。
【0044】なお、具体例では化3におけるR1 、R
2 、a、d、b、e、c、f、xおよびnの組合せによ
って示している。
【0045】
【表1】
【0046】化3の高分子コレステリック液晶は公知の
化合物であり、その合成法は F.H.Kreuzer, et al., Mo
l.Electron., 3, 1, 9(1987)、 F.H.Kreuzer, et al.,
Mol.Cryst.Liq.Cryst., 199, 345(1991)などに記載され
ている。
【0047】記録層の全膜厚(バリア層を設けるときは
バリア層も含む。)は、目的・用途によって異なるが、
0.35〜170μm 、好ましくは0.35〜50μm
、さらに好ましくは1.0〜30μm の範囲のなかか
ら適宜選択すればよい。なお、このときの膜厚は、図3
のような構成では図示のtとするものである。また、図
4、図5のような構成における連続層1層当りの膜厚
は、前記のように、0.35〜50μm とすることが好
ましく、また、図5のような構成におけるドット層の膜
厚は0.35〜50μm とすることが好ましい。上記範
囲の膜厚を適宜選択することによって、印字像の色を所
定のものとし、かつコントラストが十分となるような可
逆記録を実現することができる。これに対し、記録層が
厚くなりすぎても薄くなりすぎても上記のような可逆記
録を行うのが困難になりやすい。
【0048】なお、記録層における高分子液晶のドッ
ト、ストライプ、連続層は、特に化3の高分子コレステ
リック液晶のみで構成することが好ましいが、場合によ
っては、バインダー樹脂を含有するものであってもよ
い。このような樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、
ポリ酢酸ビニル、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、アク
リル樹脂、ポリウレタン、ポリエステルなどが挙げられ
る。
【0049】記録層においては、前記のように、種類の
異なる高分子液晶の互いの混合を防止するため、必要に
応じ、バリア層を設けるが、通常、連続層とすることが
好ましい(図4、図5参照)。バリア層の材質は、記録
層の機能を阻害しないものであれば特に制限はないが、
記録層の高分子液晶と混和しないものがよい。例えば、
水溶性の樹脂が好ましく、ポリビニルアルコール、ポリ
塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、
エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウ
レタン、ポリエステルなどが挙げられる。
【0050】本発明に用いる支持体は可視光吸収性のも
のとすることが好ましく、光吸収層を設けた紙、プラス
ティックフィルムまたは黒色のポリエチレンテレフタレ
ート(PET)等のプラスティックフィルムなどを用い
ればよい。光吸収はカーボンブラック等を含有させた層
とすればよく、また、黒色のプラスティックフィルムは
カーボンブラックを練り込んだ物を用いればよい。
【0051】支持体の厚さは50〜500μm 、好まし
くは100〜300μm とする。
【0052】本発明においては、記録層上に保護層を設
けることが好ましい。これにより、サーマルヘッドによ
る熱、圧力のダメージから保護することができ、耐久性
が向上する。保護層の材質としては、感熱記録層の可逆
性を損わないものであれば、特に制限はなく、熱可塑
性、熱硬化性、紫外線硬化性樹脂を用いることができ、
ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリブチラール、ポ
リスチレン、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、セ
ルロース等の単独またはそれらの共重合体等を用いるこ
とができる。
【0053】保護層の膜厚は0.5〜30μm 、好まし
くは1〜10μm とすればよい。
【0054】このほか、本発明の可塑性感熱記録媒体に
は、必要に応じ、磁気記録層、非可逆感熱記録層、固定
情報記録層等を設けることができる。
【0055】本発明の可逆性感熱記録媒体の記録層にお
いて、高分子液晶のドットやストライプのパターンを形
成する場合、支持体上等に高分子コレステリック液晶の
塗工液(「塗料」ともいう。)を用い、グラビア印刷、
オフセット印刷、シルク印刷等の印刷法によりドットや
ストライプのパターンを形成すればよい。また連続層を
形成する場合、塗工液を用い、バーコート法、グラビア
コート法、ロールコート法、エアナイフコート法等の塗
布法により形成すればよい。
【0056】塗工液は高分子コレステリック液晶を有機
溶剤[例えば、トルエン、テトラヒドロフラン(TH
F)、イソホロンないしこれらの混合溶剤]に含有させ
て調製する。高分子コレステリック液晶の含有量は10
〜80wt% 程度とする。
【0057】なお、記録層は、印刷ないし塗布、乾燥の
のち、コレステリックカラーを呈するものがほとんどで
あるが、高分子コレステリック液晶によってはTg以上
Tc未満の温度に設定した熱ローラ等を用いてずれ力に
より呈色するようにしてもよい。
【0058】また、必要に応じ保護層を設ける場合は、
記録層を設層したのち、記録層に準じ、所定の樹脂を含
有する塗工液を用いて塗布等により保護層を設層すれば
よい。なお、記録層のバリア層もこれに準じて塗布設層
等することができる。
【0059】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0060】実施例1 具体例の高分子液晶No. 1(Tg=56℃、Tc=22
0℃、選択波長680nm)4重量部をイソホロン2重量
部、THF1重量部の混合溶剤に溶解し記録層形成用塗
料(A:赤)を調製した。また、同様に具体例の高分子
液晶No. 2(Tg=50℃、Tc=216℃、選択波長
520nm)を用い記録層形成用塗料(B:緑)を、また
高分子液晶No. 4(Tg=47℃、Tc=196℃、選
択波長436nm)を用い記録層形成用塗料(C:青)を
各々調製した。
【0061】記録層形成用塗料(A)、(B)、(C)
を用い順次シルク印刷により網点を網点が隣り合うよう
に可視光吸収性基板[188μm 厚の黒色のポリエチレ
ンテレフタレート(PET)フィルム]上に形成した。
この記録層の厚み(乾燥膜厚)は前述の定義に従って2
μm であった。この可逆性感熱記録層は光沢のある金属
色を呈し、図2と同様の反射スペクトルを示した。な
お、網点1個当りの大きさは30000μm2程度であ
り、網点同志の間隔は10μm 程度である。
【0062】この記録層上に、さらに水性ウレタン樹脂
の20wt% 水溶液を塗工液としてバーコート法により2
μm 厚(乾燥膜厚)の保護層を設層し、図3に示すよう
な可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0063】作製した可逆性感熱記録媒体をTDK
(株)製サーマルヘッドを用い、印字したところ黒色の
鮮明な印字像が得られた。なお、印字の際の条件は、印
加電圧13V 、パルス巾0.8msec、抵抗値392Ω、
スキャニングスピード83mm/secとした。次に、150
℃のオーブンで1分間処理したところ印字像は消去さ
れ、元の金属光沢の色に戻った。再度、同様な印字、消
去を繰り返し行ったところ同様に可逆印字消去が可能で
あった。また、繰り返し使用においても記録特性の劣化
はなく、耐久性に優れるものであった。
【0064】実施例2 実施例1と同じ高分子液晶を用い、溶剤をテトラヒドロ
フラン(THF)にかえ記録層形成用塗料を調製した。
すなわち、具体例の高分子液晶No. 1を1重量部用い、
これをTHF2重量部に溶解して塗料(D:赤)を、ま
た同様に高分子液晶No. 2を用いて塗料(E:緑)を、
さらに高分子液晶No. 4を用いて塗料(F:青)を各々
調製した。
【0065】これらの塗料を黒色PET上に、(E)、
(F)、(D)の順に積層し、それぞれの高分子液晶層
の間にバリア層を設け記録層とした。このときの高分子
液晶層、バリア層ともバーコート法により設層した。
【0066】高分子液晶層1層当りの膜厚は3μm と
し、バリア層1層当りの膜厚は3μmとした。また、バ
リア層は、水性ウレタン樹脂の25wt% 水溶液を塗工液
として用いて塗設した。なお、記録層全体の膜厚(乾燥
膜厚)は15μm とした。
【0067】この記録層上に実施例1と同様に保護層を
設層し、図4に示すような可逆性感熱記録媒体を作製し
た。
【0068】上記の可逆性感熱記録層は光沢のある金属
色を呈し、図2と同様の反射スペクトルを示した。作製
した可逆性感熱記録媒体をTDK(株)製サーマルヘッ
ドを用い、印字したところ青緑色の鮮明な印字像が得ら
れた。なお、印字の際の条件は実施例1と同様とした。
【0069】次に、150℃のオーブンで1分間処理し
たところ印字像は消去され、元の金属光沢の色に戻っ
た。再度、同様な印字、消去を繰り返し行ったところ同
様に可逆印字消去が可能であった。また、耐久性も良好
であった。
【0070】実施例3 実施例1で用いた塗料(C)を黒色PET上に厚み3μ
m で形成し次いでバリア層を2μm 厚で塗布し、さらに
塗料(A)、(B)をシルク印刷により同一平面上に並
列に形成し乾燥して、このものを記録層とした。このと
きの網点の大きさ、網点同志の間隔は実施例1と同じに
した。バリア層は実施例2と同様に塗設し、記録層全体
の膜厚(乾燥膜厚)は7μm とした。
【0071】上記の可逆性感熱記録層は光沢のある金属
色を呈し、図2と同様の反射スペクトルを示した。
【0072】この記録層上に実施例1と同様に保護層を
設層し、図5に示すような可逆性感熱記録媒体を作製し
た。
【0073】作製した可逆性感熱記録媒体をTDK製サ
ーマルヘッドを用い、実施例1と同条件で印字したとこ
ろ青色の印字像が得られた。
【0074】次に150℃のオーブンで1分間処理した
ところ印字像は消去され金属光沢の色に戻った。再度同
様な印字、消去を繰り返し行ったところ同様に可逆印字
消去が可能であった。また、耐久性も良好であった。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、全可視光領域にわたっ
て反射率が高く、高輝度であり、かつコントラストが高
く、感度が高い可逆性感熱記録媒体を実現できる。ま
た、耐久性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】選択波長の異なる3種の高分子液晶のそれぞれ
の反射スペクトルを示すグラフである。
【図2】選択波長の異なる3種の高分子液晶を非混合状
態で存在させたときの反射スペクトルを示すグラフであ
る。
【図3】本発明の可逆性感熱記録媒体の部分断面図であ
る。
【図4】本発明の可逆性感熱記録媒体の部分断面図であ
る。
【図5】本発明の可逆性感熱記録媒体の部分断面図であ
る。
【符号の説明】
10、20、30 可逆性感熱記録媒体 11 支持体 12、22、32 記録層 13、23、33 保護層

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に高分子液晶を含有する記録層
    を有する可逆性感熱記録媒体において、 前記記録層は、2種以上の高分子液晶を含有し、かつ2
    種以上の高分子液晶は実質的に非混合状態で存在する可
    逆性感熱記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記2種以上の高分子液晶のうち少なく
    とも1種の高分子液晶はドットまたはストライプとして
    存在する請求項1の可逆性感熱記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記ドットまたはストライプは空間的に
    またはバリア層によって分離されている請求項2の可逆
    性感熱記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記2種以上の高分子液晶のうち少なく
    とも1種の高分子液晶は連続層として存在する請求項1
    ないし3のいずれかの可逆性感熱記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記連続層はバリア層によって分離され
    ている請求項4の可逆性感熱記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記2種以上の高分子液晶は、互いに選
    択反射波長が異なるものである請求項1ないし5のいず
    れかの可逆性感熱記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記高分子液晶のうち少なくとも1種が
    ネマティックモノマーとコレステリックモノマーとの共
    重合体の側鎖型高分子コレステリック液晶である請求項
    1ないし6のいずれかの可逆性感熱記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記側鎖型高分子コレステリック液晶が
    下記化1で表わされる請求項7の可逆性感熱記録媒体。 【化1】 〔化1において、R1 は化2で表わされるコレステロー
    ル基を表わし、R2 はビフェニル基、シアノフェニル基
    またはメトキシフェニル基を表わす。 【化2】 aおよびdは、それぞれ2〜4の整数を表わし、bおよ
    びeは、それぞれ0または1を表わし、cおよびfは、
    それぞれ1を表わす。xは0.1〜0.7であり、nは
    2.5〜10である。〕
  9. 【請求項9】 前記高分子液晶のうち少なくとも1種が
    可視光領域に選択反射を有する請求項1ないし8のいず
    れかの可逆性感熱記録媒体。
  10. 【請求項10】 前記記録層の膜厚が0.35〜170
    μm である請求項1ないし9のいずれかの可逆性感熱記
    録媒体。
  11. 【請求項11】 前記記録層上に保護層を有する請求項
    1ないし10のいずれかの可逆性感熱記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016129645A1 (ja) * 2015-02-10 2016-08-18 富士フイルム株式会社 光学部材、光学素子、液晶表示装置および近接眼光学部材

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