JPH06273205A - 電磁流量計 - Google Patents

電磁流量計

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JPH06273205A
JPH06273205A JP5843693A JP5843693A JPH06273205A JP H06273205 A JPH06273205 A JP H06273205A JP 5843693 A JP5843693 A JP 5843693A JP 5843693 A JP5843693 A JP 5843693A JP H06273205 A JPH06273205 A JP H06273205A
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JP
Japan
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period
exciting
differential noise
excitation
noise
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Application number
JP5843693A
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English (en)
Inventor
Takashi Torimaru
尚 鳥丸
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Yokogawa Electric Corp
Original Assignee
Yokogawa Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 商用周波数より高い周波数で励磁しながら励
磁電流の切り換えに伴って発生する微分ノイズの影響の
程度を考慮することにより安定な流量信号が出力できる
ように改良した電磁流量計を提供するにある。 【構成】正・負の励磁レベル期間とこれらの中間のゼロ
励磁レベル期間を単位としてこれ等を繰り返す励磁をし
て検出電極に発生する測定流量に対応する信号を検出す
る電磁流量計において、先のゼロ励磁レベル期間でサン
プリングしたサンプル値を所定の設定レベルと比較する
比較手段と、このサンプル値が先の設定レベルを越えた
ときにのみ励磁レベルの切換えに伴う微分ノイズのエン
ベロープを演算してこの微分ノイズを算出するノイズ算
出手段と、算出された先の微分ノイズを用いて流量補正
する補正演算手段とを具備するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば正負の励磁レベ
ル期間とこれらの間にゼロ励磁レベル期間を有する期間
を単位としてこれ等を繰り返す励磁をして検出電極に発
生する測定流量に対応する信号を検出する電磁流量計に
係り、特に、商用周波数より高い周波数で励磁しながら
励磁電流の切り換えに伴って発生する微分ノイズの影響
の程度を考慮することにより補正演算を行い安定な流量
信号が出力できるように改良した電磁流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】電磁流量計には励磁方式から分類する
と、工業用としては(a)商用電源による商用周波数に
よる商用周波励磁方式、(b)商用周波数より低い低周
波での低周波励磁方式、(c)低周波と商用周波との複
合励磁方式などが代表的なものとして提案され実用化さ
れている。
【0003】商用周波励磁方式は、安価であり応答速度
も速いが、微分ノイズに基づくゼロ点変動が大きい欠点
をもっている。また、低周波励磁方式は周波数が低いの
で微分ノイズが少なくこのためゼロ点は安定であるが、
応答速度が悪くこの低周波の励磁周波数帯と同じ周波数
帯に測定流体に含まれるスラリーなどにより発生する1
/fノイズが発生し出力に変動を与える欠点がある。
【0004】そこで、これらの商用周波励磁方式と低周
波励磁方式との各々が持つ欠点を除去するために、これ
等の各方式を検出電極に対して並列に構成し各々ハイパ
スフイルタとローパスフイルタを用いて合体した複合ル
ープを持つ複合励磁方式が提案され実用化されている。
この複合励磁方式によれば、低周波励磁方式の持つゼロ
点の安定性と、商用周波励磁方式の持つ高速応答性とを
持つ電磁流量計が実現できる。
【0005】しかしながら、以上のような複合励磁方式
の電磁流量計は、ゼロ点安定性、高速応答性などの利点
はあるが、低周波と商用周波の2つの周波数ループを持
つので、信号処理に多くのパワーを必要とする。
【0006】したがって、この複合励磁方式の電磁流量
計は、例えば負荷側から2本の伝送線で電源の供給を受
けると共にこの伝送線を介して流量信号を統一信号(4
〜20mA)として負荷側に伝送する2線式の電磁流量
計を動作させようとする場合などには、2系統のループ
の信号処理をする関係からパワー不足に陥いる上に、S
/N比の低下をも招く。
【0007】また、1/fノイズも商用周波数の程度の
周波数では充分に低減されず、出力変動の要因をなすと
いう問題がある。そこで、本出願人は、1/fノイズの
完全な低減、小電力形の簡潔な演算処理、ゼロ点安定
性、高速応答性、S/N比の低下防止などを目的とし
て、特願平4−189344号「発明の名称:電磁流量
計」を提案している。
【0008】以下、この内容について、その概要を図5
〜図7を用いて説明する。10はセラミックスパイプ或
いは内面に絶縁のためのライニングが施されたステンレ
ススチールなどの非磁性の導管である。更に、この導管
10とは絶縁して一対の検出電極11、12が固定され
ている。また、測定流体Qを接地するために接液電極1
3が共通電位点COMに接続されている。
【0009】導管10の外部には励磁コイル14が固定
されており、ここに励磁電流I1が励磁回路15の内部
の定電流源から一定の電流として供給されている。一
方、検出電極11、12は、差動増幅器16(簡単のた
め増幅度は1とする)の各入力端に接続されており、こ
こでコモンモードノイズなどが除去された後にサンプリ
ング回路17に出力される。
【0010】サンプリング回路17はサンプリングスイ
ッチSW1、ホールドコンデンサC、バッフア増幅器Q1
などで構成され、サンプリング信号SMP1により差動
増幅器16の出力電圧をサンプリングしてホールドコン
デンサCにホールドする。ホールドされたホールド電圧
VHはアナログ/デジタル変換回路18を介してマイク
ロプロセッサ19に取り込まれる。
【0011】マイクロプロセッサ19は取り込まれたデ
ータを用いて所定の演算を実行して流量信号FSとして
出力端20に出力すると共に所定のタイミング信号TS
1をアナログ/デジタル変換回路18に出力してその変
換動作を制御する。また、マイクロプロセッサ19は、
サンプリング回路17のサンプリングスイッチSW1
制御するサンプリング信号SMP1をサンプリングスイ
ッチSW1に出力する。
【0012】この他、マイクロプロセッサ19は、励磁
回路15に励磁電流I1を切り換えるタイミング信号T
2を出力して定電流源からの定電流を切り換えて励磁
電流I1の波形を制御する。
【0013】次に、以上のように構成された実施例の動
作について図6に示す波形図、図7に示す演算フロー図
を用いて説明する。励磁回路15はマイクロプロセッサ
19からのタイミング信号TS2により内部の定電流源
から出力される定電流を図6(a)に示すようにサンプ
リング期間をTとして+I10の定常値を持つ正の励磁レ
ベル期間としての励磁期間α(0〜4T)、ゼロの励磁
レベル期間としての休止期間β(4T〜8T)、−I10
の定常値を持つ負の励磁レベル期間としての励磁期間γ
(8T〜12T)、ゼロの励磁レベル期間としての期間
δ(12T〜18T)を1単位として繰り返す励磁電流
1として励磁コイル14に供給する。
【0014】これにより、検出電極11、12には測定
流体Qの流量に対応した信号電圧v S、磁場が入力回路
で形成されるループを切ることによって、及び測定流体
Qに流れる渦電流などによって発生する微分ノイズ
Z、測定流体Qと検出電極11、12が接触すること
によって発生する直流電圧vdがそれぞれ加算された電
極間電圧eSが発生する。
【0015】したがって、電極間電圧eSは eS=vS+nZ+vd (1) となる。ここで、直流電圧vdは信号処理期間の間では
一定とみなす。また、微分ノイズnZは図6(b)に示
すように、励磁電流I1を微分回路を通したノイズ波形
をしている。
【0016】この電極間電圧eSは、差動増幅器16で
インピーダンス変換されてその出力端に出力され、この
出力はサンプリング回路17でサンプリング信号SMP
1によりサンプリングされる(図7のステップ1)。
【0017】サンプリングされホールドされたホールド
電圧VHは、アナログ/デジタル変換回路18でデジタ
ル信号に変換されてマイクロプロセッサ19のメモリに
格納される。
【0018】ここで、各期間α、β、γ、及びδでサン
プリングされるサンプル電圧e(α)、e(β1)、e(β2)、
e(γ)、e(δ1)、e(δ2)は、次のようになる。先ず、正
の励磁期間αでのサンプリングは、励磁電流I1の立ち
上がりから3T〜4Tの期間で行われ、次式のようにな
る。
【0019】 e(α)=vS・T+n1+vd・T (2) ここで、n1はこの励磁期間αの期間3T〜4Tでサン
プリングされる微分ノイズの大きさを示す。
【0020】次に、休止期間βでのサンプリングは、励
磁電流I1の立ち下がりからT〜2Tの期間、或いは3
T〜4Tで行われ、それぞれ次式のようになる。 e(β1)=−n2+vd・T (3) e(β2)=−n3+vd・T (4) ここで、n2、n3はこの休止期間βのT〜2T、及び3
T〜4Tでサンプリングされる微分ノイズの大きさをそ
れぞれ示す。
【0021】負の励磁期間γでのサンプリングは、励磁
電流I1の立ち下がりから3T〜4Tの期間で行われ、
次式のようになる。 e(γ)=−vS・T−n1+vd・T (5) 休止期間δでのサンプリングは、励磁電流I1の立ち上
がりからT〜2Tの期間、或いは3T〜4Tで行われ、
それぞれ次式のようになる。 e(δ1)=n2+vd・T (6) e(δ2)=n3+vd・T (7)
【0022】これらの(2)〜(7)式で示すサンプル
電圧は、それぞれマイクロプロセッサ19内のプロセッ
サ(CPU)の制御の基に、例えば内蔵されるランダム
アクセスメモリ(RAM)に格納される。
【0023】次に、図7に示すステップ2に移行する。
ここでは、励磁期間α、γにおけるサンプル電圧
((2)式、(5)式)を用いて、直流電圧vdを除去
する次の演算を実行して、その結果をランダムアクセス
メモリ(RAM)の所定領域に格納する。 e(α)−e(γ)=2・(vS・T+n1) (8)
【0024】更に、ステップ3に移行する。ここでは、
(3)式と(6)式、及び(4)式と(7)式に示す休
止期間β、δにおけるサンプル電圧を用いて、直流電圧
dを除去する次の演算を実行して、その結果をランダ
ムアクセスメモリ(RAM)の所定領域に格納する。 e(δ1)−e(β1)=2・n2 (9) e(δ2)−e(β2)=2・n3 (10)
【0025】次に、ステップ4に移行して微分ノイズの
演算式をロードすることとなるが、この場合の微分ノイ
ズの演算式は、次のようにして算出されたものが、マイ
クロプロセッサ19内の例えばリードオンリメモリ(R
OM)に格納されている。先ず、これらの式に含まれる
微分ノイズn2、n3を算定するための休止期間における
微分ノイズ関数f2を図6(b)を参照して算定する。
【0026】励磁期間αに移行する励磁電流の立上り時
に残存する微分ノイズをa、立上り後の微分ノイズを
b、励磁期間αの終了時に残存する微分ノイズをc、休
止期間βに移行する時の微分ノイズをdとし、これ等の
微分ノイズを時定数τの不完全微分形とすると、次の各
式が成立する。 c=b・exp(−4T/τ) (11) b−a=n0 (12) −a=d・exp(−4T/τ) (13) d−c=−n0 (14)
【0027】これらの(11)式〜(14)式の関係を用
いると、 a=n0[1−exp(−4T/τ)]exp(−4T/τ) /[1+exp(−8T/τ)] (15) d=−n0[1−exp(−4T/τ)] /[1+exp(−8T/τ)] (16) c=n0[1+exp(−4T/τ)]exp(−4T/τ) /[1+exp(−8T/τ)] (17) b=n0[1+exp(−4T/τ)] /[1+exp(−8T/τ)] (18) を得る。
【0028】したがって、f2は f2=d・exp(−t/τ) =−n0[1−exp(−4T/τ)]exp(−t/τ) /[1+exp(−8T/τ)] (19) として得られる。
【0029】また、微分ノイズn2は n2T2T2・dt =[−n0(1−exp(−4T/τ))・(exp(−T/τ) −exp(−2T/τ))]τ・ /[1+exp(−8T/τ)] (20) として求められる。
【0030】さらに、微分ノイズn3は n33T4T2・dt =[−n0(1−exp(−4T/τ))・(exp(−3T/τ) −exp(−4T/τ))]τ・ /[1+exp(−8T/τ)] (21) として求められる。
【0031】(20)式、(21)式から n3/n2=exp(−2T/τ) (22) を得る。
【0032】ここで、n0は(20)式から n0=−n2[1+exp(−8T/τ)] /τ[(1−exp(−4T/τ))・(exp(−T/τ) −exp(−2T/τ))] (23) として求められる。
【0033】n2は(9)式から既知の値であるので、
0は決定できる。n0が分かるので、(19)式から休
止期間βでの微分ノイズ関数f2が決定される。次に、
これらの関係を用いて、ステップ5において励磁期間α
の微分ノイズn 1の値を推定する。
【0034】励磁期間αでの微分ノイズ関数f1は f1=b・exp(−t/τ) =n0[1+exp(−4T/τ)]exp(−t/τ) /[1+exp(−8T/τ)] (24) で算出される。
【0035】したがって、励磁期間α、γでサンプルさ
れたサンプル電圧e(α)、e(γ)に含まれる微分ノ
イズn1は n13T4T1・dt =[n0(1+exp(−4T/τ))・(exp(−3T/τ) −exp(−4T/τ))]τ・ /[1+exp(−8T/τ)] (25) となる。
【0036】そこで、この(25)式に(23)式のn
0を代入して整理すると n1=−n2(1+exp(−4T/τ)) ・(exp(−2T/τ)/[1−exp(−4T/τ)] =−[n3(n2 2+n3 2)/(n2 2−n3 2)] (26) を得る。
【0037】ここで、n2はステップ3で得た(9)式
から、exp(−4T/τ)は(22)式の2乗から、
exp(−2T/τ)は(22)式から得られるので、
励磁期間αにおいてサンプリングされる微分ノイズn1
は(26)式から算定可能であり、この演算をステップ
5で実行する。
【0038】次に、ステップ6に移行し、ステップ2で
得た(8)式が格納されたRAM中の演算式に(26)
式における微分ノイズn1を代入する演算をして信号電
圧vSのみを抽出することができる。この信号電圧vS
ら流量演算を実行して出力する。この演算を実行したあ
と、ステップ1に移行しステップ5までを繰り返す演算
を実行する。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
微分ノイズ除去の演算は、基本的にゼロの励磁レベル期
間で検出した微分ノイズを用いて所定の演算を実行して
励磁レベル期間における微分ノイズを推定し、この推定
に基づいて信号電圧のみを抽出している。
【0040】したがって、ゼロの励磁レベル期間で検出
される微分ノイズの大きさがある程度大きくないと励磁
レベル期間における微分ノイズを正確に推定することが
できないという不都合がある。
【0041】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の課題を
解決するための主な構成として、正・負の励磁レベル期
間とこれらの中間のゼロ励磁レベル期間を単位としてこ
れ等を繰り返す励磁をして検出電極に発生する測定流量
に対応する信号を検出する電磁流量計において、先のゼ
ロ励磁レベル期間でサンプリングしたサンプル値を所定
の設定レベルと比較する比較手段と、このサンプル値が
先の設定レベルを越えたときにのみ励磁レベルの切換え
に伴う微分ノイズのエンベロープを演算してこの微分ノ
イズを算出するノイズ算出手段と、算出された先の微分
ノイズを用いて流量補正する補正演算手段とを具備する
ようにしたものである。
【0042】
【作 用】比較手段は、正・負の励磁レベル期間に挟ま
れた中間のゼロ励磁レベル期間でサンプリングしたサン
プル値を所定の設定レベルと比較する。ノイズ算出手段
は、このサンプル値が先の設定レベルを越えたときにの
み励磁レベルの切換えに伴う微分ノイズのエンベロープ
を演算してこの微分ノイズを算出する。補正演算手段
は、算出された先の微分ノイズを用いて流量補正する。
【0043】このようにして、微分ノイズが小さいとき
は、誤差が大きくなるので、補正演算を実行せずにその
まま出力し、微分ノイズが大きくなったときは、補正演
算の精度が向上するので、補正演算を実行してノイズの
除去された流量信号を出力する。
【0044】
【実施例】以下、本発明の実施例について図を用いて説
明する。図1は本発明の1実施例の構成を示すブロック
図である。なお、図5〜図7に示す従来の構成と同一の
機能を持つ構成要素には同一の符号を付して適宜にその
説明を省略する。
【0045】導管10、励磁コイル14、励磁回路1
5、差動増幅器16、サンプリング回路17、アナログ
/デジタル変換回路18などの構成は、図5に示す構成
とほぼ同一である。本実施例ではマイクロプロセッサ2
2の信号処理の内容が従来と異なっている。
【0046】次に、本実施例の動作について図2に示す
波形図、図3に示す演算フロー図を用いて説明する。図
2に示す波形は、基本的には図6に示す波形と同じであ
る。また、図3に示すマイクロプロセッサ22による演
算は図7に示す演算に対してステップA、〜Gが追加さ
れている。
【0047】励磁回路15はマイクロプロセッサ22か
らのタイミング信号TS2により内部の定電流源から出
力される定電流を図2(a)に示すようにサンプリング
期間をTとして+I10の定常値を持つ正の励磁レベル期
間としての励磁期間α(0〜4T)、ゼロの励磁レベル
期間としての休止期間β(4T〜8T)、−I10の定常
値を持つ負の励磁レベル期間としての励磁期間γ(8T
〜12T)、ゼロの励磁レベル期間としての期間δ(1
2T〜18T)を1単位として繰り返す励磁電流I1
して励磁コイル14に供給する。
【0048】これにより、検出電極11、12には測定
流体Qの流量に対応した信号電圧v S、磁場が入力回路
で形成されるループを切ることによって、及び測定流体
Qに流れる渦電流などによって発生する微分ノイズ
Z、測定流体Qと検出電極11、12が接触すること
によって発生する直流電圧vdがそれぞれ加算された電
極間電圧eSが発生する。
【0049】したがって、電極間電圧eSは eS=vS+nZ+vd (1) となる。ここで、直流電圧vdは信号処理期間の間では
一定とみなす。また、微分ノイズnZは図2(b)に示
すように、励磁電流I1を微分回路を通したノイズ波形
をしている。
【0050】この電極間電圧eSは、差動増幅器16で
インピーダンス変換されてその出力端に出力され、この
出力はサンプリング回路17でサンプリング信号SMP
1によりサンプリングされる(図3のステップ1)。こ
のステップ1は、基本的には、図7のステップ1と同様
である。
【0051】サンプリングされホールドされたホールド
電圧VHは、アナログ/デジタル変換回路18でデジタ
ル信号に変換されてマイクロプロセッサ22のメモリに
格納される。ここで、各期間α、β、γ、及びδでサン
プリングされるサンプル電圧e(α)、e(β1)、e(β2)、
e(γ)、e(δ1)、e(δ2)は、(2)式〜(7)式で示さ
れる。
【0052】この後、図7のステップ2、3と同様な手
順により、休止期間β、δにおけるサンプル電圧を用い
て、(9)式、(10)式により直流電圧vdを除去す
る演算を実行して、微分ノイズn2、n3を求め、その結
果をランダムアクセスメモリ(RAM)の所定領域に格
納する。
【0053】次に、ステップAに移行する。ここでは、
マイクロプロセッサ22は、ステップ3までの手順より
得られた(9)式、(10)式に基づいて演算されメモ
リRAMに格納された微分ノイズn2、n3を用いて、そ
のリードオンリメモリROMに格納されているノイズ比
較プログラムによりこれらの大小判断を実行する。
【0054】この判断の結果、n2>n3なる関係(ye
s)、つまり次第に微分ノイズが小さくなる関係にあれ
ば、正常な減衰状態にあるとしてステップBに移行す
る。n 2>n3なる関係にない場合(no)にあれば、異
常状態と判断されステップCに移行して流量出力を停止
し、その後、ステップDにおいて異常信号を外部に発信
する。
【0055】ステップBでは、マイクロプロセッサ22
のリードオンリメモリROMには図2(a)の時点14
Tの直前で検出された微分ノイズn2が許容できる設定
電圧E1に対応する設定値と、この設定値に対する微分
ノイズn2の大小を判断する判断プログラムが格納され
ている。
【0056】この判断プログラムにより、n2<E1を判
断した結果、noであれば、所定値より大きな微分ノイ
ズと判断されるので、ステップEに移行して警告信号を
外部に発信し、ステップ4に移行する。yesであれ
ば、予定通りのノイズであるので、ステップFに移行す
る。
【0057】ステップFでは、マイクロプロセッサ22
のリードオンリメモリROMには図2(a)の時点18
Tの直前で検出された微分ノイズn3が許容できる設定
電圧E2に対応する設定値と、この設定値に対する微分
ノイズn3の大小を判断する判断プログラムが格納され
ている。
【0058】この判断プログラムにより、n3<E2を判
断した結果、noであれば、所定値より大きな微分ノイ
ズと判断されるので、ステップGに移行して警告信号を
外部に発信し、ステップ4に移行する。
【0059】yesであれば、設定電圧E1、設定電圧
2も共にクリアしたことになり、微分ノイズの補正演
算を必要としないものと判断され、ステップ6に移行し
てサンプリングされたサンプル値を用いて流量演算が実
行されて出力される。
【0060】ステップ4では、ステップE、Gの何れの
場合にも微分ノイズが所定値より大きい場合を取り扱う
こととなるので、休止期間β、δのデータを用いて励磁
期間の微分ノイズを正確に算定できる状態にあり、この
ため従来通り微分ノイズの演算式をメモリからロードす
る。そして、ステップ5で励磁期間の微分ノイズを算定
して、ステップ6に移行し、流量演算を実行して出力す
る。
【0061】図4は本発明の第2の実施例を示すブロッ
ク図である。この実施例は信号を容量式で検出し2本の
伝送線で信号と電力を伝送するものである24は例えば
24Vなどの電圧を持つ直流電源、25は受信抵抗であ
り、これ等は直列に接続されて2本の伝送線L1、2
介して2線式の電磁流量計26に接続されている。
【0062】電磁流量計26は、絶縁性の導管27、測
定流体Qとは絶縁された検出電極28、29、共通電極
30、励磁コイル31、励磁回路32、差動増幅器3
3、アナログ/デジタル変換回路34、マイクロプロセ
ッサ35、絶縁回路36、出力回路37などから構成さ
れている。
【0063】励磁コイル31には図2(a)に示すよう
な励磁電流I1と同様な波形をもつ励磁電流I2が励磁回
路32から流されており、対応する磁場が測定流体Qに
印加されている。
【0064】測定流体Qの中に発生した信号電圧は、測
定流体Qと検出電極28、29との間に形成される静電
容量を介して差動増幅器33に出力される。差動増幅器
33の出力信号は、アナログ/デジタル変換回路34に
出力され、ここでデジタル信号に変換されてマイクロプ
ロセッサ35に出力され、内蔵するメモリに格納され
る。さらに、マイクロプロセッサ35はタイミング信号
TS4を励磁回路32に出力し励磁電流I2を制御す
る。
【0065】絶縁回路36は、スイッチングレギュレー
タにより出力回路37を介して取り入れられた電圧VB
を絶縁して回路電源或いは励磁電源Vfなどを作ると共
にマイクロプロセッサ35で図3に示す演算フローに従
う信号処理がされて出力された流量信号V0を絶縁して
出力回路37に伝送する。ただし、この場合は検出電極
28、29が測定流体に接液していないので、直流電圧
d=0として前記各式の演算を実行する。
【0066】出力回路37は流量信号V0を電流信号IS
として例えば0〜16mAの統一信号に変換するととも
に、伝送線L1、L2を介してベース電流4mAとして供
給された電流を用いて電圧VBに変換する。したがっ
て、受信抵抗25には合計で4〜20mAの電流信号と
して伝送される。
【0067】このように静電容量を介して信号を検出す
る場合は、検出電極が測定流体に接液しないので、検出
電極への渦電流の流れ込みがなく、通常は、ゼロ点の安
定化が期待できる。
【0068】しかし、導管27の内壁への異常な付着な
どによってゼロ点の安定性が損なわれることもある。例
えば、静電容量を介して信号を検出する場合に、導管2
7の内壁に絶縁性の膜が形成されて検出電極との間に不
均一に分布する静電容量が発生し、これにより流体中に
流れる渦電流による微分ノイズが遅れ、これが検出され
てゼロ点変動に結びつくような場合である。
【0069】このような場合には、導管の内壁の状態を
ゼロ励磁期間で検出される信号で診断して、必要に応じ
て、出力の補正演算、検出部メンテナンス要求信号
の発信等を追加することができ、より信頼性の高い流量
信号を得ることができる。
【0070】また、図4に示す構成では、周波数を高く
設定できるので、測定流体と検出電極とで形成される静
電容量に起因するインピーダンスを低くでき、差動増幅
器33での検出が容易になる。なお、図3に示す演算は
簡潔なので電力消費も少なく、電力に制限のある2線式
電磁流量計としては最適の信号処理である。
【0071】なお、今までの説明では、励磁期間αは正
の励磁レベル、休止期間βはゼロの励磁レベル、励磁期
間γは負の励磁レベル、休止期間δはゼロの励磁レベル
として説明したが、これに限られず、一般的に励磁期間
αは第1の励磁レベル、休止期間βは第2の励磁レベ
ル、励磁期間γは第3の励磁レベル、休止期間δは第2
の励磁レベルとして構成しても同様に動作する。
【0072】さらに、ノイズ算出手段としてはサンプル
値が所定の設定レベルを越えたときにのみ励磁レベルの
切換えに伴う微分ノイズのエンベロープを演算してこの
微分ノイズを算出したが、このエンベロープの算定は、
ステップ4、5で説明した算定以外の演算を用いること
もできる。
【0073】
【発明の効果】以上、実施例と共に具体的に説明したよ
うに本発明によれば、微分ノイズが小さいときに補正演
算を実行すると誤差が大きくなるので、補正演算を実行
せずにそのまま出力し、微分ノイズが大きくなったとき
に補正演算を実行するようにしたので、補正演算の精度
が向上し、全体としてゼロ点の安定度が向上し、信頼性
のある出力が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】図1に示す実施例の動作を説明する波形図であ
る。
【図3】図1に示す実施例の動作を説明するフロー図で
ある。
【図4】本発明の第2の実施例の構成を示すブロック図
である。
【図5】従来の電磁流量計の構成を示すブロック図であ
る。
【図6】図5に示す電磁流量計の動作を説明する波形図
である。
【図7】図5に示す電磁流量計の動作を説明するフロー
図である。
【符号の説明】
10、27 導管 11、12、28、29 検出電極 14、31 励磁コイル 15、32 励磁回路 16 差動増幅器 17 サンプリング回路 19、22、35 マイクロプロセッサ 24 直流電源 25 受信抵抗 26 電磁流量計 36 絶縁回路 37 出力回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正・負の励磁レベル期間とこれらの中間の
    ゼロ励磁レベル期間を単位としてこれ等を繰り返す励磁
    をして検出電極に発生する測定流量に対応する信号を検
    出する電磁流量計において、前記ゼロ励磁レベル期間で
    サンプリングしたサンプル値を所定の設定レベルと比較
    する比較手段と、このサンプル値が前記設定レベルを越
    えたときにのみ励磁レベルの切換えに伴う微分ノイズの
    エンベロープを演算してこの微分ノイズを算出するノイ
    ズ算出手段と、算出された前記微分ノイズを用いて流量
    補正する補正演算手段とを具備することを特徴とする電
    磁流量計。
  2. 【請求項2】前記流量補正を実行するときには警告信号
    をも外部に発信する警告手段を具備することを特徴とす
    る特許請求の範囲第1請求項記載の電磁流量計。
  3. 【請求項3】前記ゼロ励磁レベル期間においてサンプリ
    ングされたサンプル値のうち時間的に後のサンプル値の
    ほうが大きいときは出力を停止しかつ異常警報を発信す
    る異常警報発信手段を具備することを特徴とする特許請
    求の範囲第1請求項記載の電磁流量計。
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