JPH06137889A - スパイクノイズフィルタ - Google Patents

スパイクノイズフィルタ

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JPH06137889A
JPH06137889A JP4308021A JP30802192A JPH06137889A JP H06137889 A JPH06137889 A JP H06137889A JP 4308021 A JP4308021 A JP 4308021A JP 30802192 A JP30802192 A JP 30802192A JP H06137889 A JPH06137889 A JP H06137889A
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JP
Japan
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spike noise
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change amount
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JP4308021A
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English (en)
Inventor
Masahito Tanaka
雅人 田中
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Azbil Corp
Original Assignee
Azbil Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スパイクノイズの除去性能を上げて計測機器
の信頼性向上を図る。 【構成】 計測値は計測機器から変化量算出部2、収束
値予測部7及び出力切替部8に入力され、通常は出力切
替部8からそのまま出力される。スパイクノイズが加わ
ると、スパイクノイズ検出部4は切替信号を出力する。
出力切替部8は、切替信号が入力されると変化量記憶部
5にて演算されたスパイクノイズが加わらなかった場合
の計測値の推定値を出力する。収束値予測部7は所定の
時間後に切替信号とスパイクノイズの影響がなくなった
ときの予測収束値とを出力する。出力切替部8は、収束
値予測部7から切替信号が入力されると、現在の変化量
がスパイクノイズが加わる前の変化量に近づいて切替解
除判定部6から切替解除信号が出力されるまで予測収束
値を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、時間的に変化する物理
量を計測して出力する計測機器、例えば電磁流量計に接
続され、計測値に加わるスパイクノイズを除去するスパ
イクノイズフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】プロセス制御装置において流体の流量を
計測する計測機器として、管内を流れる液体に交流磁界
を印加して管内の2つの電極間に生じる電位差からその
流量を計測する電磁流量計がある。図9はその電磁流量
計のブロック図である。10は電極10a、10bを備
えた流体が流れる管路、11は励磁コイル11aに例え
ば商用電源周波数の1/8の周波数の励磁電流を供給し
て磁界を発生させる励磁回路、12は電極10a、10
b間に生じた電位差を増幅して出力する初段増幅回路、
13は初段増幅回路12から出力された信号をサンプリ
ングするサンプリング回路、14はサンプリング回路1
3から出力された信号をデジタル信号に変換して計測値
とし、図示しないCPUへ出力するA/D変換器であ
る。
【0003】次に、図9のような電磁流量計の動作を簡
単に説明する。今、管路10内に流体が流れている場
合、その流体に励磁コイル11aに流れる励磁電流によ
って発生する交流磁界が与えられることにより、その磁
界に対して直角方向に配置された電極10a、10bか
ら流体の流量に応じた流量信号が得られる。この電極1
0a、10bから得られた流量信号は、初段増幅回路1
2でその差分をとって増幅され、サンプリング回路13
によってサンプリングされ、A/D変換器14によって
デジタル信号に変換されて出力される。そして、A/D
変換器14から出力された計測値はCPUで処理されて
図示しない制御装置等へ出力される。
【0004】このような電磁流量計は、測定流量範囲が
広い等の優れた特徴があるが、特定の物理的条件が原因
となって計測値にノイズが加わりやすいという問題点が
従来からあった。そのようなノイズの1種としてスパイ
クノイズがあるが、このスパイクノイズは電極10a、
10bへの異物、例えば小石の衝突や、気泡の接触等に
より発生する突発的なノイズである。スパイクノイズが
流量信号に加わった場合、突然計測値が急変することに
なるので、CPUを通してそのまま制御装置等に出力す
ると制御に誤動作を発生させる危険性がある。
【0005】そこで、この計測値の誤った急変を伝えな
いようにするために、従来からスパイクノイズフィルタ
を電磁流量計に接続して使用しているが、このスパイク
ノイズフィルタの動作は、まず次式のようなしきい値で
1サンプリングごとに次々と入力される計測値にスパイ
クノイズが加わったかどうかを判断する。 |1サンプル周期の入力変化量|≧測定レンジの25% ・・・(1) ここで、測定レンジの25%とは、計測の際に設定する
最大計測値と最小計測値との差を測定レンジ100%と
した場合の25%である。
【0006】このスパイクノイズフィルタは、上記のし
きい値によってスパイクノイズが加わったと判断する
と、その出力値を前回のサンプリングにおける計測値に
保持して出力する。この出力値の保持の解除は、次式の
ように特定時間の経過、又は保持している値と現在の計
測値との差の絶対値が特定の値以下に復帰したときに行
われる。 出力保持時間≧3秒 ・・・(2) あるいは |現在の計測値−出力保持値|≦測定レンジの25% ・・・(3) 以上のような出力値の保持を上記のしきい値に合致する
まで継続することにより、スパイクノイズの除去を行っ
ている。
【0007】図10はこのような従来のスパイクノイズ
フィルタを用いたスパイクノイズの除去の例を示す図で
あり、Y(縦軸)は計測値、t(横軸)は時間、Y1
(実線)は電磁流量計からスパイクノイズフィルタに入
力された計測値、Y3(太線)はスパイクノイズフィル
タの出力値、Y4(破線)はスパイクノイズが加わらな
かった場合の計測値、Gは出力保持が解除される前のあ
る時点での出力値Y3とスパイクノイズが加わらなかっ
た場合の計測値Y4との差、T2は出力保持時間であ
る。なお、計測値Y1、Y4及び出力値Y3は実際には
離散値であるデジタル信号を用いているが、図10では
連続したアナログ量として簡単に図示する。
【0008】この例ではスパイクノイズが検出された時
点で出力値Y3が前回のサンプリングの計測値に保持さ
れ、出力保持時間T2だけ出力値の保持が継続した後、
出力保持時間T2が式(2)に該当して出力保持が解除
されたことを示している。また、この例のように計測値
が大きく増加又は減少している際にスパイクノイズが加
わると、計測値Y1と出力保持値(出力保持時間T2中
のY3)とは大きく離れていくので、一般に式(3)の
条件によって出力保持が解除されることより、出力保持
時間T2の所定の経過、すなわち式(2)の条件によっ
て解除されることが多い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来のスパイクノイズ
フィルタでは、式(2)又は(3)の条件に該当するま
で出力値を前回のサンプリングの計測値に保持し続ける
ので、計測値が大きく変化している際にスパイクノイズ
が加わると、本来スパイクノイズが加わらなかった場合
にスパイクノイズフィルタに入力される計測値とスパイ
クノイズフィルタの出力値との差が図10のGのように
大きくなり過ぎてしまい、制御に誤動作を発生させる危
険性が生じるという問題点があった。また、計測値が大
きく変化していて保持解除の前に偶然次のスパイクノイ
ズが加わった場合は、図10のようにそのままこのスパ
イクノイズを出力してしまい、ノイズフィルタとしての
効果が得られないという問題点があった。本発明は上記
課題を解決するために、計測値の変化に対して追従性が
良くてスパイクノイズの残らないスパイクノイズフィル
タを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、計測機器から
出力された、現在のサンプリングの計測値及び前回のサ
ンプリングの計測値から1サンプル周期の変化量を算出
する変化量算出部と、変化量算出部から出力された変化
量に基づいてスパイクノイズを検出した場合は切替信号
を出力するスパイクノイズ検出部と、変化量算出部から
出力されたスパイクノイズが加わる前の変化量を記憶
し、スパイクノイズが加わる前の変化量からスパイクノ
イズが加わらなかった場合の計測値の推定値を演算する
変化量記憶部と、変化量算出部から出力された現在の変
化量と変化量記憶部から出力されたスパイクノイズが加
わる前の変化量との差が所定量以下になった場合は切替
解除信号を出力する切替解除判定部と、計測値及び変化
量記憶部から出力されたスパイクノイズが加わる前の変
化量に基づき、スパイクノイズの影響がなくなったとき
の計測値の予測収束値を逐次演算し、スパイクノイズ検
出部にてスパイクノイズが検出されてから所定の時間後
に切替信号及びその時点において演算した予測収束値を
出力する収束値予測部と、通常は計測値を出力し、スパ
イクノイズ検出部から切替信号が出力された場合は計測
値を出力する代わりに変化量記憶部から出力された推定
値を出力し、収束値予測部から切替信号が出力された場
合は予測収束値を出力し、切替解除判定部から切替解除
信号が出力された場合は計測値を出力する出力切替部と
を有することを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明によれば、計測値にスパイクノイズが加
わった場合は、計測値を出力する代わりにスパイクノイ
ズが加わる前の変化量から演算されたスパイクノイズが
加わらなかった場合の計測値の推定値を出力し、所定の
時間後にスパイクノイズがなくなったときの収束値を予
測して出力し、現在の変化量がスパイクノイズが加わる
前の変化量に近くなると計測値をそのまま出力する動作
に戻る。
【0012】
【実施例】図1は本発明の1実施例を示すスパイクノイ
ズフィルタのブロック図、図2、3は本発明のスパイク
ノイズフィルタを用いたスパイクノイズの除去の例を示
す図、図4は本発明のスパイクノイズフィルタの収束値
予測の基本原理を示す図である。図1において、1は図
示しない電磁流量計から1サンプリングごとに次々と計
測値が入力される信号入力部、2は信号入力部1から出
力された計測値に基づいて1サンプル周期の入力変化量
を算出する変化量算出部、3は変化量算出部2における
変化量算出のために前回のサンプリングの計測値を格納
しているデータバッファ、4は変化量算出部2から出力
された入力変化量に基づいてスパイクノイズを検出し、
スパイクノイズの検出信号及び出力の切替信号を出力す
るスパイクノイズ検出部、5は変化量算出部2から出力
されたスパイクノイズが加わる前の入力変化量を記憶
し、この入力変化量から1サンプリングごとにスパイク
ノイズが加わらなかった場合の計測値の推定値を演算し
て出力する変化量記憶部、6は変化量算出部2から出力
された現在の入力変化量と変化量記憶部5から出力され
たスパイクノイズが加わる前の入力変化量との差が所定
量以下になった場合は切替解除信号を出力する切替解除
判定部である。
【0013】7は収束値予測部であり、信号入力部1か
ら出力された計測値と変化量記憶部5から出力されたス
パイクノイズが加わる前の入力変化量とに基づいて後述
するアルゴリズムによりスパイクノイズの影響がなくな
ったときの収束値を逐次予測し、スパイクノイズが検出
されてから所定の時間後に出力の切替信号及び予測収束
値を出力する。8は出力切替部であり、通常は信号入力
部1から出力された計測値をそのまま出力し、スパイク
ノイズ検出部4から切替信号が出力された場合は、変化
量記憶部5から出力された推定値を出力するように出力
を切り替え、収束値予測部7から切替信号が出力された
場合は予測収束値を出力するように出力を切り替え、切
替解除判定部6から切替解除信号が出力された場合はそ
の出力の切り替えを解除して計測値を出力する。9は出
力切替部8からの出力信号を出力する信号出力部であ
る。
【0014】図2、3において、Y(縦軸)は計測値、
t(横軸)は時間、Y1(実線)はスパイクノイズフィ
ルタに入力された計測値、Y2(太線)はスパイクノイ
ズフィルタの出力値、Y4(破線)はスパイクノイズが
加わらなかった場合の計測値、dY、dYaはそれぞれ
サンプリング時間t1 ―t2 間、t2 ―t3 間の入力変
化量、T1はスパイクノイズが検出されてから収束値予
測部7が切替信号及び予測収束値を出力する所定の時間
である。なお、図2においては、スパイクノイズが加わ
る前の計測値Y1は一定なので、入力変化量dYは0で
ある。図4において、D(破線)はスパイクノイズが加
わらなかった場合の計測値、dtはサンプリング周期、
j-2 、Yj-1 、Yj はそれぞれサンプリング時間t
j-2 、tj-1 、tj における計測値である。
【0015】次に、本発明のスパイクノイズフィルタの
動作を説明する。計測値は、電磁流量計から信号入力部
1を通して変化量算出部2、収束値予測部7及び出力切
替部8に1サンプリングごとに次々と入力される。この
計測値は、スパイクノイズが加わらない通常時(図2、
3のサンプリング時間t2 以前)は出力切替部8からそ
のまま出力されて信号出力部9から図示しないCPU等
へ出力される。
【0016】変化量算出部2は、データバッファ3に格
納された前回のサンプリングの計測値と現在のサンプリ
ングの計測値とから1サンプル周期の入力変化量を算出
して一時的に保持する。スパイクノイズ検出部4は変化
量算出部2から出力されたこの入力変化量に基づいて、
従来例の式(1)のようなしきい値でスパイクノイズを
検出する。今、計測値に式(1)で検出されるようなス
パイクノイズが加わった場合、すなわち図2、3に示す
ようにサンプル周期t2 ―t3 間の入力変化量dYaが
測定レンジの25%以上である場合は、スパイクノイズ
が計測値に加わったと判断するので、スパイクノイズ検
出部4は変化量算出部2へ検出信号を出力し、出力切替
部8へ切替信号を出力する。
【0017】変化量算出部2は、スパイクノイズ検出部
4から検出信号が入力されると、この信号を入力される
前の保持していた入力変化量、つまりサンプル周期t1
―t2 間の入力変化量dYをスパイクノイズが加わる前
の1サンプル周期の入力変化量として変化量記憶部5へ
出力する。そして、変化量記憶部5は、変化量算出部2
から出力されたスパイクノイズが加わる前の入力変化量
dYを記憶して切替解除判定部6へこの入力変化量dY
を出力し、前回のサンプリング時間t2 における計測値
にこの入力変化量dYを加算することにより、現在のサ
ンプリング時間t3 におけるスパイクノイズが加わらな
かった場合の計測値の推定値を演算して出力する。
【0018】続いて、切替解除判定部6は、変化量算出
部2から出力された現在の入力変化量と変化量記憶部5
から出力されたスパイクノイズが加わる前の入力変化量
dYとの差の絶対値が次式のようなしきい値以下になっ
たかどうかで後述する出力切り替えの解除を判定する。 |dYn−dY|≦測定レンジの1.5% ・・・(4) ここで、dYnは現在の1サンプル周期の入力変化量で
ある。
【0019】出力切替部8は、スパイクノイズ検出部4
から切替信号が入力されると、現在のサンプリング時間
3 における出力値Y2が示すように、信号入力部1か
らの計測値を出力していたのを変化量記憶部5からの推
定値を出力するように回路を切り替える。図2の例では
入力変化量dYは0であり、推定値はサンプリング時間
2 における計測値と同じ値なので、出力値Y2に変化
はない。この出力の切り替えの後、変化量記憶部5は、
推定値に更に入力変化量dYを加算することにより1サ
ンプリングごとに次の推定値を演算し、出力切替部8
は、収束値予測部7から切替信号が出力されるまでこの
推定値の出力を継続する。
【0020】収束値予測部7は、信号入力部1から計測
値を入力され、変化量記憶部5からスパイクノイズが加
わる前の入力変化量dYを入力されているが、これらの
値から次式以降に示すようなアルゴリズムでスパイクノ
イズが加わった後の計測値がどのように収束するかを予
測する。まず、図4のようにスパイクノイズが加わらな
かった場合の計測値をDとし、スパイクノイズが急激に
立ち上がって指数関数的に減衰することに着目すると、
スパイクノイズの減衰部のある時間tn における計測値
n は次式のように近似できる。 Yn =A・exp(−Btn )+D ・・・(5) A、Bはある定数である。
【0021】ここで、図4のサンプリング時間tjは tj =tj-1 +dt ・・・(6) なので、1サンプル周期の変化量Yj-1 −Yj は式
(5)、(6)より次式のようになる。 Yj-1 −Yj =A・exp(−Btj-1 )−A・exp(−Btj ) =A・exp(−Btj-1 )−A・exp〔−B(tj-1 +dt)〕 =A・exp(−Btj-1 )・〔1−exp(−Bdt)〕 ・・・(7) 同様に、1サンプル周期の変化量Yj-2 −Yj-1 は次式
となる。 Yj-2 −Yj-1 =A・exp(−Btj-2 )・〔1−exp(−Bdt)〕 ・・・(8)
【0022】式(7)、(8)より次式が得られる。 (Yj-1 −Yj )/(Yj-2 −Yj-1 ) =exp(−Btj-1 )/exp(−Btj-2 ) =exp〔−B(tj-1 −tj-2 )〕=exp(−Bdt) ・・・(9) したがって、 −Bdt=ln〔(Yj-1 −Yj )/(Yj-2 −Yj-1 )〕 ・・・(10)
【0023】次に、時間tj の段階で収束値予測をする
には、予測収束値をY∞とすると、 Y∞=Yj −C(Yj-1 −Yj )=D ・・・(11) となる変数Cが得られれば良い。式(5)、(6)、
(10)、(11)より変数Cは下記のようになる。
【0024】
【数1】
【0025】したがって、式(11)、(12)より予
測収束値Y∞は Y∞=Yj −(Yj-1 −Yj2 /〔(Yj-2 −Yj-1 )−(Yj-1 −Yj )〕 ・・・(13) 以上により、スパイクノイズが加わったときの収束値を
予測することができる。なお、実際の電磁流量計の計測
値は一定の変化率で変化していることがあり、図4の計
測値Y1が変化していると仮定してサンプル周期tj-1
−tj 間の部分を拡大した図5において、サンプル周期
j-1 −tj 間の指数関数から演算できる演算値E(破
線)の変化量dE、すなわち式(7)のA・exp(−
Btj-1)・〔1−exp(−Bdt)〕は、計測値Y
1のサンプル周期tj-1 −tj 間の変化量Yj-1 −Yj
にスパイクノイズが加わる前の入力変化量dYが加わっ
たものなので、実際の式(7)は次式のようになる。 Yj-1 −Yj +dY =A・exp(−Btj-1 )・〔1−exp(−Bdt)〕 ・・・(14) 式(8)も同様であり、よってこれらから式(13)を
補正すると、
【0026】
【数2】
【0027】となり、式(15)が実際に収束値予測部
7で使用される式である。収束値予測部7は式(15)
により予測収束値Y∞を逐次演算するが、スパイクノイ
ズが検出されてからスパイクノイズの減衰部になるよう
な所定の時間、例えば3サンプリング(図2、3のT
1)の後に、切替信号とその時点において演算した予測
収束値Y∞とを出力する。そして、出力切替部8は、収
束値予測部7から切替信号を入力されると、変化量記憶
部5からの推定値を出力していた代わりに予測収束値Y
∞を出力するように回路を切り替え、以後は切替解除判
定部6から切替解除信号が出力されるまで予測収束値Y
∞を次々と出力する。図2では、スパイクノイズを検出
した時間t3 から所定の時間T1後に出力値Y2がその
時点で演算された予測収束値Y∞(スパイクノイズが加
わらなかった場合の計測値Y4の水平部分)になり、計
測値Y1の変化に対して出力値Y2が大きく変化して追
従する様子が示されている。
【0028】次に、切替解除判定部6は、サンプル周期
4 ―t5 間において現在の入力変化量dYnとスパイ
クノイズが加わる前の入力変化量dYとの差の絶対値が
測定レンジの1.5%以下になって式(4)の切り替え
の解除の条件に合致したと判定し、出力切替部8へ切替
解除信号を出力する。出力切替部8は、切替解除判定部
6から切替解除信号が入力されると、収束値予測部7か
ら出力された予測収束値Y∞を出力していたのを解除
し、現在のサンプリング時間t5 の時点から信号入力部
1からの計測値を出力する。これで、計測値にスパイク
ノイズが加わったときの本発明のスパイクノイズフィル
タの一連の動作が終了したことになり、このスパイクノ
イズフィルタは図2、3のように出力値Y2が計測値Y
1の変化に追従し、図10の例と異なってスパイクノイ
ズが残らないことが分かる。
【0029】なお、実際の動作においては上記の動作の
みでは問題があるので、下記のような場合は例外的な処
理を行う。図6は、スパイクノイズが指数関数に従って
いない等の理由により、予測収束値Y∞(Y4の水平部
分)が実際に収束すべき値よりもかなり低く演算されて
所定の時間T1間で保持されている出力値Y2よりも低
くなる例外的な処理の例で、この場合は所定の時間T1
後に予測収束値Y∞に出力を切り替えると本来収束すべ
き値から大きく離れて制御に誤動作を発生させる危険性
が生じることがあるので、収束値予測部7は切替信号を
出力せず、出力切替部8は出力を切り替えずに切替解除
判定部6から切替解除信号が出力されるまで出力値Y2
の保持を継続する。
【0030】図7は、計測値Y4の急激な変化の際にス
パイクノイズが下向きに加わったために、予測収束値Y
∞(Y4の水平部分)が計測値Y1よりも高くなる例外
的な処理の例で、この場合は収束値予測部7は、所定の
時間T1後に切替解除判定部6から出力されるのと同様
の切替解除信号を出力し、出力切替部8は出力の保持を
解除して計測値Y1をそのまま出力する。このようにし
て、図6、7のような計測値Y1が入力されても対応で
きるスパイクノイズフィルタとなる。
【0031】また、図1の実施例のスパイクノイズフィ
ルタは、式(15)により予測収束値Y∞を演算する
が、計測値に微少な平均値0のランダムノイズ、あるい
は測定誤差が含まれる場合は予測精度が劣化し、図8の
ように予測収束値Y∞が実際の収束値よりもスパイクノ
イズ側になってスパイクノイズの除去が不十分になって
しまうことがある。つまり、図8のように1サンプル周
期の変化量Yj-2 −Yj-1 はランダムノイズ等の影響に
より誤差dF2だけ大きく演算され、変化量Yj-1 −Y
j は誤差dF1だけ小さく演算されるので、予測収束値
Y∞は本来の収束値よりも大きく演算されることになる
からである。
【0032】このように、予測収束値Y∞が本来の収束
値よりも大きく演算される場合は、スパイクノイズを出
力してしまうことに等しく、スパイクノイズの除去能力
が低下してしまうので、予測収束値Y∞を安全側に予測
するように式(15)を修正する。すなわち、ランダム
ノイズの平均振幅が既知である場合はこれをWとし、図
1の例と同様の構成において式(15)を以下のように
修正した次式で演算を行う収束値予測部7を用いれば安
全側に予測することが可能となる。
【0033】
【数3】
【0034】ここで、αは特定の定数であり、要求され
るスパイクノイズの除去性能に応じて調整されるべき値
である。通常は0.5〜1.0の範囲で設定する。この
ようにして、予測収束値Y∞をあらかじめ小さく演算し
て安全側に予測することにより、計測値に含まれるラン
ダムノイズ、あるいは測定誤差に対応したスパイクノイ
ズフィルタとすることができる。
【0035】また、上記の実施例では計測値に加わるラ
ンダムノイズの平均振幅が既知であるとしたが、ランダ
ムノイズの大きさが未知である場合は、図1の例と同様
の構成において式(15)を以下のように修正した次式
で演算を行う収束値予測部7を用いて対応することがで
きる。
【0036】
【数4】
【0037】ここで、βは安全係数であり、要求される
スパイクノイズの除去性能に応じて調整されるべき値で
ある。通常は2.0〜3.0の範囲で設定する。このよ
うにして、安全係数βで予測収束値Y∞をあらかじめ小
さく演算して安全側に予測することにより、計測値に含
まれるランダムノイズ、あるいは測定誤差に対応したス
パイクノイズフィルタとすることができる。
【0038】また、式(15)を修正する上記の2つの
実施例では特定のパラメータを設定したが、図1の例と
同様の構成において次式の演算を行う収束値予測部7を
用いて対応することもできる。
【0039】
【数5】
【0040】ここで、sgn(dj )はdj の符号を値
として返す関数であり、dj がそれぞれ正、0、負のと
きは1、0、−1である。また、max(|dj-1 |、
|dj|)はdj-1 、dj の両者の絶対値の大小を比較
し、大きい方の絶対値を返す関数である。このようにし
て、予測収束値Y∞を演算するための補正量に相当する
値としてdj-1 、dj から絶対値の大きい方を採用する
ことによって特定のパラメータを調整することなしに安
全側に予測するスパイクノイズフィルタとなる。
【0041】また、上記の実施例では電磁流量計からの
計測値におけるスパイクノイズの除去の例を示している
が、その他の計測機器に本発明を適用して同様の効果を
得ることもできる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、計測値の変化に対する
追従性を向上させることができ、特定の時間経過による
出力保持の解除に起因するスパイクノイズの不完全除去
の問題を解決することができるので、S/N比の向上及
びプロセス制御における誤動作の危険性の減少を図るこ
とができ、電磁流量計等の信頼性を向上することができ
る。また、他の計測機器においてもスパイクノイズの除
去性能が向上することにより、従来スパイクノイズのた
めに適用できなかった分野に用いることができるので、
信頼性の向上及び用途の拡大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を示すスパイクノイズフィル
タのブロック図である。
【図2】図1の実施例を用いたスパイクノイズの除去の
例を示す図である。
【図3】図1の実施例を用いたスパイクノイズの除去の
他の例を示す図である。
【図4】本発明の収束値予測の基本原理を示す図であ
る。
【図5】本発明の収束値予測の演算式を補正する原理を
示す図である。
【図6】図1の実施例において例外的な処理を行う計測
値の例を示す図である。
【図7】図1の実施例において例外的な処理を行う計測
値の他の例を示す図である。
【図8】図1の実施例にて実際の収束値よりも大きく予
測する例を示す図である。
【図9】電磁流量計のブロック図である。
【図10】従来のスパイクノイズフィルタを用いたスパ
イクノイズの除去の例を示す図である。
【符号の説明】
1 信号入力部 2 変化量算出部 3 データバッファ 4 スパイクノイズ検出部 5 変化量記憶部 6 切替解除判定部 7 収束値予測部 8 出力切替部 9 信号出力部 dY スパイクノイズが加わる前の入力変化量 dYn 現在の入力変化量 T1 所定の時間 Y1 スパイクノイズフィルタに入力された計測値 Y2 スパイクノイズフィルタの出力値 Y4 スパイクノイズが加わらなかった場合の計測値 Yj-2 時間tj-2 における計測値 Yj-1 時間tj-1 における計測値 Yj 時間tj における計測値 Y∞ 予測収束値

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時間的に変化する物理量をサンプリング
    して計測した計測値を出力する計測機器に接続され、前
    記計測値に加わるスパイクノイズを除去するスパイクノ
    イズフィルタにおいて、 前記計測機器から出力された、現在のサンプリングの計
    測値及び前回のサンプリングの計測値から1サンプル周
    期の変化量を算出する変化量算出部と、 前記変化量算出部から出力された変化量に基づいてスパ
    イクノイズを検出した場合は切替信号を出力するスパイ
    クノイズ検出部と、 前記変化量算出部から出力されたスパイクノイズが加わ
    る前の変化量を記憶し、スパイクノイズが加わる前の変
    化量からスパイクノイズが加わらなかった場合の計測値
    の推定値を演算する変化量記憶部と、 前記変化量算出部から出力された現在の変化量と前記変
    化量記憶部から出力されたスパイクノイズが加わる前の
    変化量との差が所定量以下になった場合は切替解除信号
    を出力する切替解除判定部と、 前記計測値及び前記変化量記憶部から出力されたスパイ
    クノイズが加わる前の変化量に基づいてスパイクノイズ
    の影響がなくなったときの前記計測値の予測収束値を逐
    次演算し、前記スパイクノイズ検出部にてスパイクノイ
    ズが検出されてから所定の時間後に切替信号及びその時
    点において演算した前記予測収束値を出力する収束値予
    測部と、 通常は前記計測値を出力し、前記スパイクノイズ検出部
    から切替信号が出力された場合は前記計測値を出力する
    代わりに前記変化量記憶部から出力された推定値を出力
    し、前記収束値予測部から切替信号が出力された場合は
    前記予測収束値を出力し、前記切替解除判定部から切替
    解除信号が出力された場合は前記計測値を出力する出力
    切替部とを有することを特徴とするスパイクノイズフィ
    ルタ。
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