JPH06272875A - 温水暖房機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 排熱回収型熱交換器を備えた温水暖房機の軽
負荷時における熱効率の低下を防止する。 【構成】 バーナで加熱される主熱交換器と、排熱回収
用の補助熱交換器と、室内機へ供給される湯温を一定に
維持するようにバーナの燃焼を制御する温度制御手段を
備えた温水暖房機において、室内機からの戻り湯温を検
出する温度検出手段と、温水流量を変化させる流量可変
手段と、上記温度検出手段の出力を受けて上記流量可変
手段を制御する制御手段を設け、戻り湯温が上昇すると
流量が減少するように制御せしめた。 【効果】 暖房負荷が軽くなって戻り湯温が上昇した場
合に、流量を絞ることによって室内機へ送る熱量を減少
させ、それによって戻り湯温を元の温度まで降下させる
ことができるので、補助熱交換器における排熱回収効率
は、軽負荷時にも低下することがない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、排熱回収用の熱交換器
を備えた温水暖房機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図１は従来のこの種の温水暖房機の構成
を示したもので、バーナ１で加熱される主熱交換器２
と、排熱を回収する補助熱交換器３と、室内機４へ供給
される湯温を一定に維持するようにバーナ１の燃焼を制
御する温度制御装置１２を備えたものであり、通常約２
００℃で廃棄されている排ガスから排熱あるいは凝縮潜
熱を回収することによって、装置の高効率化と炭酸ガス
やＮＯｘ等の回収を図ったものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし図１の従来例に
おいては、室温が上昇して暖房負荷が軽くなると、戻り
湯温が上昇して補助熱交換器３の排熱回収効率が低下
し、あるいはコンデンシングボイラにあっては、フィン
の温度が排気の露点温度を超えてしまって、凝縮潜熱の
回収が不可能になるという問題があった。すなわち同図
の構成において、温度制御装置１２は、戻り湯温が上昇
すると、バーナ１を絞ることによって室内機４への供給
温度を一定に維持するようになっており、またポンプ８
により流量もほぼ一定に保たれるので、室内機４へ送ら
れる熱量は、負荷変動に拘らず一定に維持され、従って
負荷が再び定常値に復帰するまで、戻り湯温は上昇した
ままであり、これが軽負荷時の熱効率を低下させる原因
となっていた。本発明は、かかる問題点を解消し、軽負
荷時にも熱効率が低下することのないこの種の温水暖房
機を提供することを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明による温水暖房機
は、図２に示すように、バーナ１で加熱される主熱交換
器２と、排熱回収用のする補助熱交換器３と、室内機４
へ供給される湯温を一定に維持するようにバーナ１の燃
焼を制御する温度制御手段１２を備えた温水暖房機にお
いて、室内機４からの戻り湯温を検出する温度検出手段
５と、温水流量を変化させる流量可変手段６ａと、上記
温度検出手段５の出力を受けて上記流量可変手段６ａを
制御する流量制御手段７を設けて、戻り湯温が上昇する
と流量が減少するように制御せしめたものである。

【０００５】

【作用】従来の温水暖房機は、暖房負荷が軽くなって戻
り湯温が上昇すると、流量を絞らずに、バーナ１の燃料
ガスを絞ることによって、室内機４へ送る湯温を一定に
制御していたので、室内機４へ送られる熱量は変わら
ず、戻り湯温は上昇したままであった。従って補助熱交
換器３を通る温水の温度が高くなって、排気から有効に
熱の回収ができず、熱効率が低下する原因となってい
た。本発明によれば、負荷が軽くなって戻り湯温が上昇
したときには、室内機４へ供給する温水の流量が絞ら
れ、温度制御装置１２により往き湯温は一定に維持され
るので、室内機４へ送られる熱量が減少し、その結果戻
り湯温が元の温度まで降下することになって、熱効率が
維持されるのである。

【０００６】

【実施例】図２は本発明による温水暖房機の一実施例を
示したもので、バーナ１で加熱される主熱交換器２の上
方に、排気の凝縮潜熱を回収する補助熱交換器３が設け
られており、熱媒水は循環用ポンプ８により、補助熱交
換器３及び主熱交換器２を通って室内機４へ供給され、
暖房負荷に熱を与えたのち、シスターンタンク９を経て
補助熱交換器２へ戻ってくる。主熱交換器２の出口側の
湯温は、サーミスタ１０の出力を受けてバーナ１の燃焼
を制御する温度制御手段１２によって一定に維持されて
いるが、更に室内機４からの戻り湯温を検出する温度検
出手段としてのサーミスタ５と、温水流量を変化させる
流量可変手段としての流量可変弁６ａと、サーミスタ５
の出力を受けて流量可変弁６ａを制御する流量制御装置
７が設けられており、室温が上がって暖房負荷が減少
し、室内機４からの戻り湯温が上昇すると、流量可変弁
６が絞られて、温水の流量が減少するようになってい
る。なお図中、１１はバーナ１へ燃焼用空気を供給する
ためのファンである。

【０００７】戻り湯温が上昇すると、補助熱交換器３に
おける排熱回収効率が低下し、あるいはコンデンシング
ボイラにあっては、フィンの温度が排気の露点温度を超
えてしまって凝縮潜熱の回収が不可能になる。ここで従
来は、バーナ１を制御して室内機４への供給温度を一定
に維持する温度制御のみが行われており、またポンプ８
により流量も一定に保たれていたので、室内機４へ送ら
れる熱量は、負荷変動に拘らず常に一定に維持され、負
荷で消費されずに戻ってきた熱量分だけが、バーナ１を
絞ることによって調整されていた。従って負荷が再び定
常値に復帰するまで、戻り湯温は上昇したままであり、
これが軽負荷時の熱効率が低下する原因となっていた。
本発明の場合は、戻り湯温が上昇すると流量が絞られ、
一方室内機４へ供給される温水の温度は温度制御装置１
２によって常に一定に維持されているので、室内機４へ
供給される熱量が減少することになり、結局負荷に見合
った熱量に落ち着くことになる。従って戻り湯温も元の
温度まで降下し、一時的に低下していた熱効率も速やか
に元に復帰することになるのである。

【０００８】図３は本発明の他の実施例を示したもの
で、流量可変手段として循環ポンプ８の代わりに、出力
可変型ポンプ６ｂを使用したものである。

【０００９】

【発明の効果】本発明によれば上述のように、暖房負荷
が軽くなって戻り湯温が上昇した場合に、流量を絞るこ
とによって室内機へ送る熱量を減少させ、それによって
戻り湯温を元の温度まで降下させることができるので、
補助熱交換器における排熱回収効率は、軽負荷時にも低
下することがなく、従って従来のこの種の温水暖房機に
比し、熱効率を向上し得るという利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来例の配管系統図。

【図２】本発明の一実施例の配管系統図。

【図３】本発明の他の実施例の配管系統図。

【符号の説明】

１ バーナ ２ 主熱交換器 ３ 補助熱交換器 ４ 室内機 ５ サーミスタ又は温度検出手段 ６ａ 流量可変弁又は流量可変手段 ６ｂ 出力可変型ポンプ又は流量可変手段 ７ 制御装置又は制御手段 ８ 循環ポンプ ９ シスターンタンク １０ サーミスタ １１ ファン

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 バーナで加熱される主熱交換器と、排ガ
   スから排熱を回収する補助熱交換器と、室内機へ供給さ
   れる湯温を一定に維持するようにバーナの燃焼を制御す
   る温度制御手段を備えた温水暖房機において、室内機か
   らの戻り湯温を検出する温度検出手段と、温水流量を変
   化させる流量可変手段と、上記温度検出手段の出力を受
   けて上記流量可変手段を制御する流量制御手段を設け、
   戻り湯温が上昇すると流量が減少するように制御せしめ
   て成る温水暖房機。