JPH0627270B2 - アルコキシチタン系表面処理剤 - Google Patents

アルコキシチタン系表面処理剤

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JPH0627270B2
JPH0627270B2 JP12732686A JP12732686A JPH0627270B2 JP H0627270 B2 JPH0627270 B2 JP H0627270B2 JP 12732686 A JP12732686 A JP 12732686A JP 12732686 A JP12732686 A JP 12732686A JP H0627270 B2 JPH0627270 B2 JP H0627270B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アルコキシチタン系表面処理剤に係り、さら
に詳しくは、テトラアルコキシチタンまたはそのポリマ
ーの遊離置換基の一部をフタル酸ハーフエステル残基で
置換したチタンアルコキシド誘導体を有効成分として含
有する表面処理剤に関する。
本発明の表面処理剤は、固体物質と高分子物質との複合
体、たとえば、充填材を高分子物質に分散した複合体の
製造に際し、充填材の高分子物質への分散性、加工性を
改善し、得られる複合体の物性を向上させることを目的
として、充填材の表面を処理するか、もしくは、高分子
媒質に添加混合して使用される。
〔従来の技術〕
固体物質と高分子物質との複合体の製造に際し、固体物
質を有機チタン化合物を使用して表面処理することによ
り、複合体の諸特性を向上させることは従来からよく知
られている。たとえば、充填材としてのカオリンとポリ
プロピレン、ポリエチレン、エチレンプロピレンゴム等
の高分子物質との複合系に、アルコキシチタンの脂肪酸
エステルを充填材の表面処理剤として使用することによ
り、充填材の高分子物質への分散性、加工性、硬化物の
諸物性が向上することが、特公昭49-39196号公報に開示
されている。また、炭酸カルシウムとエポキシ樹脂、シ
リカと液状ポリスルフィドゴム、炭酸カルシウムとポリ
エチレン等の複合系に、前記に類似したアルコキシチタ
ンの脂肪酸エステルが表面処理剤として有効であること
が、特開昭56-84723号公報に開示されている。
一方、本発明に係るアルコキシチタンおよび/またはそ
の加水分解縮重合物の遊離置換基の一部にフタル酸ハー
フエステルの残基を導入したアルコキシチタン誘導体を
有効成分とする表面処理剤については、それを記載した
文献は知られていない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前記引例に開示されたアルコキシチタンの脂肪酸エステ
ル類は、多種多様の充填材と高分子物質(樹脂)との複
合系中、特定の充填材と高分子物質との組み合わせにお
いては、優れた効果が認められるものの、その組み合わ
せを変えることにより、何らの効果をも示さない場合が
ある。たとえば、テトライソプロポキシチタン1モルと
オレイン酸1モルとから合成されたアルコキシチタン脂
肪酸エステルは、カオリンとポリエチレンやポリプロピ
レンとの複合系の表面処理剤としては極めて有効である
が、カオリンとポリ塩化ビニルとの複合系、炭酸カルシ
ウムとポリアミドの複合系等において表面処理剤として
使用してもその処理効果はほとんど認められない。ま
た、テトライソプロポキシチタン1モルとイソステアリ
ン酸3.19モルとから合成されたアルコキシチタン脂肪酸
エステルは、硫酸バリウムと高密度ポリエチレン(HD
PE)との複合系の表面処理剤として使用した場合に
は、メルトインデックス、抗張力、衝撃強度等が改善さ
れるが、他の複合系、たとえば、カオリン−ポリ塩化ビ
ニル系、タルク−ポリウレタン系、シリカ−エポキシ樹
脂系、炭酸カルシウム−不飽和ポリエステル系等に使用
しても、その表面処理効果はほとんど認められない。
以上に述べたように、よく知られたアルコキシチタンの
脂肪酸エステル類は、特定の複合系においてのみ有効で
あり、より広範囲の複合系、特に極性の大きな高分子
系、たとえば、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、エポキシ
樹脂等の系においては、その表面処理効果はほとんど認
められない。
本発明は、充填材と極性の大きな高分子物質との複合系
においても、充填材の分散性、加工性、硬化物の物性等
に優れた効果を有する表面処理剤を提供することを、そ
の目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は、前記目的を達成すべく鋭意研究した結
果、テトラアルコキシチタンとフタル酸ハーフエステル
とから合成されたアルコキシチタン誘導体が、充填材と
高分子物質との複合系の表面処理剤の有効成分として優
れた効果を示すことを見出し、本発明を完成した。
本発明は、下記の一般式(1)で表されるアルコキシチ
タンと無水フタル酸又はフタル酸ハーフエステルとの反
応物であって、一般式(1)中のいずれかのOR基の1
0〜65%が、一般式−OOC−C64−COOR′で
表される基(R′は、直鎖又は分枝の炭素数1〜6のア
ルキル基を表す)で置換されているアルコキシチタン誘
導体の一種又は二種以上を有効成分とする。
(式中、Rは、直鎖又は分枝の炭素数1〜6のアルキル
基を表し、nは、0〜5の整数を表す) 前記置換基中のRおよびR′として、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
tert−ブチル基、ペンチル基、n−ヘキシル基等の
直鎖または側鎖を有する炭素数1〜6のアルキル基が例
示され、これらは全て同一の置換基でもよく、また、相
異なる置換基であってもよい。本発明の表面処理剤は、
一般式:(RO)4Ti(ここにRは、前記と同じ意味を表
す。)で表されるテトラアルコキシチタン1モルに対
し、無水フタル酸またはフタル酸ハーフエステルを1〜
2モル反応させることにより合成することができる。
テトラアルコキシチタンと無水フタル酸との反応は、下
記反応式(3)で、また、テトラアルコキシチタンとフタ
ル酸ハーフエステルとの反応は下記反応式(4)で表され
る。
(RO)4Ti+nC6H4C2O3−→ (RO)(4-n)Ti(OOC-C6H4-COOR)n …(3) (RO)4Ti+nHOOC-C6H4-COOR′−→ (RO)(4-n)Ti(OOC-C6H4-COOR′)n+ROH …(4) (ここに、RおよびR′は、前記と同じ意味を表し、n
は1または2である。) また、これらの反応においては、無水フタル酸またはフ
タル酸ハーフエステルのジアルキルエステル化が副反応
として起こり、このジアルキルエステル化反応に伴って
アルコキシチタンが縮重合し、前記アルコキシチタン誘
導体・ポリマーが一部副生する。したがって、これらの
反応においては、反応式(3)または(4)で得られるアルコ
キシチタン誘導体・モノマーと分子中に を有するアルコキシチタン誘導体・ポリマーとの混合物
が、通常の反応条件下において得られ、特に副生物を分
離することなく表面処理剤として使用することができ
る。また、抽出等により前記モノマーおよびポリマーを
分離し、それぞれを表面処理剤として使用してもよい。
また、前記テトラアルコキシチタンを、予め加水分解縮
重合した平均縮合度が6以下のアルコキシチタン・ポリ
マーの遊離置換基の総数に対するモル比として、0.1〜
0.65の無水フタル酸またはフタル酸ハーフエステルを反
応させることにより、アルコキシチタン・ポリマーの遊
離RO−基の10〜35%がフタル酸ハーフエステル残基
で置換された平均縮合度が6以下の前記アルコキシチタ
ン誘導体・ポリマーを主成分とする表面処理剤を製造す
ることができる。
これらの反応において、出発原料のテトラアルコキシチ
タンとして、表面処理剤の加水分解性、入手の容易性等
から、テトライソプロポキシチタンおよびテトラノルマ
ルブトキシチタンが好ましく使用される。一方、フタル
酸ハーフエステルは、無水フタル酸とアルコールとの当
モル反応で合成することができ、前記反応においては、
純粋なフタル酸ハーフエステルを使用する必要は特にな
く、この反応で得られる反応液をそのまま使用してもよ
い。また、フタル酸ハーフエステルとしては、イソプロ
パノールまたはノルマルブタノールとのハーフエステル
が好ましく使用される。
前記テトラアルコキシチタン・モノマーおよび/または
テトラアルコキシチタン・ポリマーと無水フタル酸また
はフタル酸ハーフエステルとの反応は、溶媒の存在下ま
たは非存在下、40ないし80℃の温度に2ないし6時
間攪拌保持して行う。また、無水フタル酸のハーフエス
テル化反応は、溶媒の存在下または非存在下、40ない
し80℃の温度に2ないし6時間攪拌保持して行う。
本発明の表面処理剤は、広範囲の高分子媒質と充填材と
の混合系に配合し、その混合系の減粘化、充填材の分散
性の向上、硬化物の物理的特性の改良に使用される。こ
れらは単独で使用してもよくまた溶剤に溶解して使用し
てもよい。さらに、他の表面処理剤または溶剤と併用す
ることもできる。
高分子媒質として、たとえば、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネ
ート、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、ポリフッ化ビニ
リデン、ポリアミド、ポリスルフォン、ポリサルファイ
ド、ポリフェニレンオキシド、キシレン樹脂、ニトロセ
ルロース、塩化ゴム、塩素化ポリエチレン、ポリスチレ
ン、スチレンブタジエン共重合体、ポリアクリロニトリ
ル等が挙げられる。一方、充填材として、高分子材料の
単価を低減する。加工性および物理的性質を改善する、
色彩効果を付与する等の目的で高分子材料に添加される
比較的に不活性な固形物、たとえば、炭酸カルシウム、
カオリン、クレー、マイカ、タルク、ケイ酸カルシウ
ム、酸化チタン、酸化鉄、シリカ、カーボンブラック、
硫酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミニウム粉末、亜
鉛粉末、ガラス繊維、木粉、紙・繊維粉末、合成および
天然粉末、塗料工業で使用される顔料および体質顔料等
が挙げられる。
本発明の表面処理剤の使用方法としては、本発明の表面
処理剤を高分子媒質に予め添加混合したのち充填材を混
合して充填材の表面を処理する方法、高分子媒質に充填
材を混合する際に同時に本発明の表面処理剤を添加する
ことによって、充填材の表面を処理する方法、充填材を
予め本発明の表面処理剤により表面を処理したのち、高
分子媒質に混合する方法などがある。表面処理剤として
の使用量は、充填材100重量部に対し0.1ないし5重
量部、好ましくは、0.2ないし1重量部である。使用量
が過少な場合には、その使用効果が小さく、また、過剰
に使用しても期待される程の使用効果の増加は認められ
ない。
〔作用〕
本発明は、前記したように比較的短鎖のアルコキシ基及
びフタル酸ハーフエステル残基がチタン原子に結合した
アルコキシチタン誘導体を有効成分とすることを特徴と
する。アルコキシ基(RO−基)は、加水分解性の反応性
基であり、Rが炭素数1〜6のアルキル基であることが
好ましく、Rの炭素数が大きくなると、アルコキシチタ
ン誘導体と充填材の表面に存在する付着水分やHO−基と
の反応性が低下するので好ましくない。一方、フタル酸
ハーフエステル残基(−OOCC6H4COOR′基)はその構造
中に安息香酸残基(−OOCC6H5基)のようにベンゼン環
のみからなる置換基を有するチタンアルコキシド誘導体
とは異なり、別のエステル結合を有する親油性基(親樹
脂性基)であり、R′が炭素数1〜6のアルキル基であ
ることが好ましく、R′の炭素数が大きくなると高分子
媒質である樹脂に選択性を生ずるので好ましくない。さ
らに好ましいR′の炭素数は3または4である。また、
アルコキシチタン誘導体の平均縮合度は6以下であるこ
とが好ましく、平均縮合度が過大な場合、表面処理剤と
しての分子が大きくなり過ぎ、有効に充填材の表面に付
着しにくくなるので表面処理効果が低下する。さらに、
アルコキシチタン誘導体のチタン原子に結合している置
換基の中で、アルコキシ基の占める割合は35〜90%
であることが好ましく、アルコキシ基含有率が過少な場
合、充填材との反応性が低下し、また過大な場合、フタ
ル酸ハーフエステル残基が過少となり親樹脂性が低下す
る。
本発明の表面処理剤は、その有効成分であるアルコキシ
チタン誘導体の構造を前記したように特定したことによ
り、構造全体としての極性、非極性のバランスがとれて
いる。その結果、高分子媒質と充填材との混合系である
充填高分子系、たとえば、塗料、インキ、複合樹脂等に
使用した場合、減粘効果、分散効果、物性向上効果等
が、従来のアルコキシチタン系の表面処理剤と異なり、
多様な極性を有する高分子マトリックスにおいても発現
するものと推定される。特に、極性の大きな高分子系、
たとえば、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、不飽和ポリエ
ステル、エポキシ樹脂等と充填材との複合系においても
優れた表面処理効果を奏する。
〔実施例〕
本発明を、実施例および比較例により、さらに詳細に説
明する。
ただし、本発明の範囲は、下記実施例により何等限定さ
れるものではない。
なお、下記例中の「部」および「%」は、断りのない限
り重量基準である。
(1)アルコキシチタン誘導体の合成 (a)試料(T-1)(T-2)および比較試料(CT-1) 攪拌機、温度計、空冷冷却器および加熱装置を備えた反
応フラスコに、テトライソプロポキシチタン1モル(2
84部)を仕込み、この中に無水フタル酸1モル(14
8部)を徐々に加えた。ついで、65℃に加温し、3時
間攪拌保持して淡黄色透明なかつ、25℃における粘度
が150ポイズの粘稠な液状物(T-1)432部を得た。
得られた(T-1)を赤外線吸収スペクトル(IR)により
分析した結果、ベンゼン環およびエステル結合に基づく
吸収が認められ、また、強熱残分(TiO2)法による定量分
析の結果、Ti含有量は11.1%であった。
以上の分析結果から、(T-1)はテトライソプロポキシチ
タンのイソプロポキシ基の1個が、フタル酸モノイソプ
ロピルエステル残基で置換されたアルコキシチタン誘導
体のモノマーを主成分とするものと推定した。
また、(T-1)の合成において、テトライソプロポキシチ
タン1モル(284部)をテトラノルマルブトキシチタ
ン1モル(340部)に、無水フタル酸の使用量を2モ
ル(296部)に代えた以外には(T-1)の合成と同一の
条件で反応を行い、Ti含有量7.55%、25℃における粘
度320ポイズのテトラノルマルブトキシチタンのブト
キシ基の2個が、フタル酸モノノルマルブチルエステル
残基で置換されたアルコキシチタン誘導体のモノマーを
主成分とする(T-2)を得た。
さらに、(T-1)の合成において、無水フタル酸に代えて
安息香酸1モル(122部)および反応温度を70℃に
代えた以外には、上記と同一の条件で反応を行い、25
℃における粘度が175ポイズのテトライソプロポキシ
チタンのイソプロポキシ基の1個が、安息香酸残基で置
換されたアルコキシチタン誘導体のモノマーを主成分と
する比較試料(CT-1)を得た。
これらの諸仕様を第1表に示す。
(b)試料(T-3)および比較試料(CT-2) 試料(T-1)の合成に用いたものと同一の反応装置に、テ
トラペントキシチタン1モル(396部)を仕込み、無
水フタル酸とn−ブタノールとの当モル反応物222部
(フタル酸モノノルマルブチルエステルとして1モル相
当)を徐々に添加して70℃に加温し、その温度に3時
間攪拌保持し、淡黄色透明な25℃における粘度が39
0ポイズの粘稠な液状物(T-3)613部を得た。
得られた(T-3)のIR分析の結果、ベンゼン環およびエ
ステル結合に基づく吸収が認められ、また、強熱残分(T
iO2)法による定量分析の結果、Ti含有量は7.77%であっ
た。
以上の分析結果から、(T-3)はテトラペントキシチタン
のペントキシ基の1個が、フタル酸モノノルマルブチル
エステル残基で置換されたアルコキシチタン誘導体のモ
ノマーを主成分とするものと推定した。
(T-3)の合成において、テトラペントキシチタンに代え
てテトライソプロポキシチタン1モル(284部)およ
び無水フタル酸とn−ブタノールとの当モル反応物に代
えて無水フタル酸とラウリルアルコールとの当モル反応
物334部(フタル酸モノラウリルエステルとして1モ
ル相当)を使用した以外には、(T-3)の合成と同一の反
応条件で反応を行い、25℃における粘度が225ポイ
ズのテトライソプロポキシチタンのイソプロポキシ基の
1個が、フタル酸モノラウリルエステル残基で置換され
たアルコキシチタン誘導体のモノマーを主成分とする比
較試料(CT-2)を得た。
これらの諸仕様を第1表に示す。
(c)試料(T-4) 試料(T-1)の合成に用いたものと同一の反応装置に、テ
トライソプロポキシチタンの平均縮合度4の加水分解縮
重合体(ポリマー)830部(1モル相当)を仕込み、
無水フタル酸とn−ブタノールとの等モル反応物111
0部(フタル酸モノノルマルブチルエステルとして5モ
ル相当)を徐々に添加して70℃に加温し、その温度に
3時間攪拌保持し、淡黄色透明な25℃における粘度が
5600ポイズの粘稠な液状物(T-4)1940部を得
た。
得られた(T-4)のIR分析の結果、ベンゼン環およびエ
ステル結合に基づく吸収が認められ、また、強熱残分(T
iO2)法による定量分析の結果、Ti含有量は9.90%であっ
た。
以上の分析結果から、(T-4)はイソプロポキシチタン・
ポリマーの遊離置換基の1部が、フタル酸モノノルマル
ブチルエステル残基で置換されたアルコキシチタン誘導
体のポリマーを主成分とするものと推定した。
(T-4)の諸仕様を第1表に示す。
(d)比較試料(CT-3) 試料(T-1)の合成に用いたものと同一の反応装置を使用
し、テトライソプロポキシチタン1モル(284部)と
イソステアリン酸3.1モル(880部)との反応を特開
昭56-84723号公報の記載に基づいて行い淡黄色透明な2
5℃における粘度が1.25ポイズの液状物(CT-3)978部
を得た。
(CT-3)の諸仕様を第1表に示す。
(2)ジオクチルフタレート炭酸カルシウム系 ジオクチルフタレート200部に、前記(1)項で合成し
たアルコキシチタン誘導体(T-1)〜(T-4)および(CT-1)〜
(CT-3)の各3部を溶解し、さらに炭酸カルシウム(白石
工業(株)製・商品名・ホワイトンSSB)300部を
添加しボールミルを使用して20時間混練した。
得られた混練物の25℃における粘度を、回転粘度計
(東京計器(株)製)を使用して測定した。
また、比較として、アルコキシチタン誘導体無添加の計
についても粘度を測定した。
粘度測定の結果を第2表に示す。
(3)ポリ塩化ビニル−炭酸カルシウム系 ジオクチルフタレート40部と40%塩化パラフィン1
0部との混合物に、前記(1)項で合成したアルコキシチ
タン誘導体(T-1)〜(T-4)および(CT-1)〜(CT-3)の各0.8
部を溶解し、さらに炭酸カルシウム(白石工業(株)製
・商品名・ホワイトンSSB)80部を添加しボールミ
ルを使用して20時間混練した。さらに、ポリ塩化ビニ
ル(日本ゼオン(株)製・商品名・Geon 121)100
部、3塩基性硫酸鉛1部、2塩基性ステアリン酸鉛0.5
部およびステアリン酸カルシウム2部を添加混合し、つ
いで175〜180℃に加熱した二本ロールを用いて混
練した。
得られた混練物を、予備加熱180℃×10分、加圧成
形30kg/cm2×180℃×5分の成形条件で成形し、物
性測定用の試験片を得た。
得られた試験片を使用し、JIS−K6723に準拠し
引張り強さおよび伸び率を、また、JIS−K7210
に準拠し190℃×4,350gの条件でメルトインデ
ックス(MI)を測定した。
比較として、アルコキシチタン誘導体無添加系について
も同様の処理を行い物性を測定した。
測定結果を、第3表に示す。
(4)ウレタン−タルク系 平均分子量3000、OHV38.8のポリエーテルポリオ
ール(三井ウレタン(株)製・商品名・Diol-3000)12
5部に、前記(1)項で合成したアルコキシチタン誘導体
(T-1)〜(T-4)および(CT-1)〜(CT-3)の各1部を溶解し、
さらにタルク(日本タルク(株)製・商品名・シムゴ
ン)100部を添加しボールミルを使用して20時間混
練し、ポリエーテル組成物を調製した。
得られたポリエーテル組成物の25℃における粘度を回
転粘度計(東京計器(株)製)を用いて測定し、第4表
に示した。
ついで、NCO3.0%、粘度7000CP(25℃)の
室温硬化エラストマー(三井ウレタン(株)製・商品名
・Hi-Prene P-305)100部とタルク(日本タルク
(株)製・商品名・シムゴン)60部とを混合して主剤
を調製した。さらに前記調製したポリエーテル組成物に
ジブチルチンジラウレート1.5部を添加混合し前記室温
硬化エラストマーの硬化剤を調製した。
前記調製した主剤および硬化剤の各100部を混合、脱
泡した後、テフロン板上にシート状の広げて塗布し、室
温下に14日間放置して硬化させた。
得られた硬化物について、JIS K−6301に準拠
しダンベル3号型試験片を作製し、JISに基づいて引
張り強さおよび引裂き強度を測定した。これらの測定結
果を、アルコキシチタン誘導体無添加の比較例と共に第
4表に示す。
(5)ポリアミド樹脂−炭酸カルシウム系 炭酸カルシウム(白石工業(株)製・商品名・ホワイト
ンSSB)100部を、前記(1)項で合成したアルコキシチ
タン誘導体(T-1)〜(T-4)および(CT-1)〜(CT-3)の各1部
により表面処理を行った。
ポリアミド・ペレット(Allied Chemical社製・商品名・
Plaskon 8200・ナイロン6)100部と前記表面処理を
施した炭酸カルシウム50部とを、ニーダーを使用し1
00℃で混練した後、冷却、粉砕した。
得られた粉砕物のJIS K−6760に準拠して測定
した190℃×2.16kg/cm2の条件のメルトインデックス
を第5表に示す。
ついで、この粉砕物を射出成形機(日精樹脂工業(株)
製・FS-75型)を用いて成形した。得られた成形物を温
度20℃×相対湿度45%の条件下に48時間放置後、
JIS K−6911に準拠し各物性を測定した。測定
結果を、アルコキシチタン誘導体による無処理の炭酸カ
ルシウムを使用した比較例と共に第5表に示す。
(6)エポキシ樹脂−炭酸カルシウム系 前記(5)項で調製したアルコキシチタン誘導体(T-1)〜(T
-4)および(CT-1)〜(CT-3)による表面処理を施した炭酸
カルシウム100部と平均分子量380のビスフェノー
ルA型ジグリシジルエーテル200部とを、石川式ライ
カイ機を用いて混練した。混練物の回転粘度計(東京計
器(株)製・B8R型・ローターNO.7)を使用して測定
した25℃における粘度を、アルコキシチタン誘導体に
よる無処理の炭酸カルシウムを使用した比較例と共に第
6表に示す。得られた混練物100部に、硬化剤として
テトラヒドロ無水フタル酸80部、硬化促進剤としてト
リス(ジメチルアミノメチル)フェノール1部を添加混
合し脱泡した後、100℃×2時間および160℃×2
時間の条件で加熱硬化した。
得られた硬化物のJIS K−6911に準拠して測定
した物性を第6表に示す。
表中衝撃強さは、アイゾット衝撃強さを表す。
〔発明の効果〕
本発明の表面処理剤は、前記実施例に示したように、多
くの高分子媒質、特に極性の大きな高分子媒質と充填材
との複合系において、減粘効果、が認められ、さらに硬
化物の物性向上に優れた効果を有する。したがって、本
発明の表面処理剤の利用範囲は広く、特に高分子系およ
び充填材系の選択の条件が緩和され多くの高分子−充填
材複合系の製造を可能とする。
本発明は、多くの高分子−充填材複合系において使用可
能な表面処理剤を提供するものであり、その産業的意義
は極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 79/14 NUR 7308−4J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式(1)で表されるアルコキシ
    チタンと無水フタル酸又はフタル酸ハーフエステルとの
    反応物であって、一般式(1)中のいずれかのOR基の
    10〜65%が、一般式−OOC−C64−COOR′
    で表される基(R′は、直鎖又は分枝の炭素数1〜6の
    アルキル基を表す)で置換されているアルコキシチタン
    誘導体の一種又は二種以上を含有することを特徴とする
    充填材の表面処理剤。 (式中、Rは、直鎖又は分枝の炭素数1〜6のアルキル
    基を表し、nは、0〜5の整数を表す)
JP12732686A 1986-06-03 1986-06-03 アルコキシチタン系表面処理剤 Expired - Lifetime JPH0627270B2 (ja)

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