JPH0627194B2 - 微細なオルガノ珪酸の製造方法 - Google Patents
微細なオルガノ珪酸の製造方法Info
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- JPH0627194B2 JPH0627194B2 JP22281587A JP22281587A JPH0627194B2 JP H0627194 B2 JPH0627194 B2 JP H0627194B2 JP 22281587 A JP22281587 A JP 22281587A JP 22281587 A JP22281587 A JP 22281587A JP H0627194 B2 JPH0627194 B2 JP H0627194B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はオルガノクロロシランを原料とする微細なオル
ガノ珪酸の製造方法に関するものである。
ガノ珪酸の製造方法に関するものである。
[従来の技術] 従来、有機基を有するオルガノ珪酸は、例えばメチル
クロロシランなどを気相酸化する方法、あるいは基本
となる珪酸をシリル化剤で処理したり、またはアルコー
ルなどのOH基を有する有機溶剤と高温高圧で接触せしめ
る方法等によって製造されている。
クロロシランなどを気相酸化する方法、あるいは基本
となる珪酸をシリル化剤で処理したり、またはアルコー
ルなどのOH基を有する有機溶剤と高温高圧で接触せしめ
る方法等によって製造されている。
しかしながら、前者のの気相酸化による方法は、極め
て微粒子の粉塵状の珪酸と塩酸蒸気が発生するために、
その分離回収に大規模な設備が必要となり、更に製品中
のClの存在も問題となる欠点がある。
て微粒子の粉塵状の珪酸と塩酸蒸気が発生するために、
その分離回収に大規模な設備が必要となり、更に製品中
のClの存在も問題となる欠点がある。
また、後者のの方法においては、処理には水分の除去
が必要であり、有機溶剤中又は乾燥雰囲気中で行なわな
くてはならないために、基体の珪酸の水分除去に多大の
費用が必要となり、また製造設備も複雑となり、製造コ
ストが高くなる欠点がある。
が必要であり、有機溶剤中又は乾燥雰囲気中で行なわな
くてはならないために、基体の珪酸の水分除去に多大の
費用が必要となり、また製造設備も複雑となり、製造コ
ストが高くなる欠点がある。
さらに、原料として使用されているメチルクロロシラン
は、Si-Cl結合のため、アルコキシシラン、アルキルア
ルコキシシランに比較して極めて水との反応性が高く、
水に滴下すると瞬時に加水分解してHCl を放出するの
で、直接加水分解させてメチル基を含有した撥水性のゲ
ル塊を形成する方法がある。しかしながら、その重合度
や形状は不均一となり、制御することは難しい。
は、Si-Cl結合のため、アルコキシシラン、アルキルア
ルコキシシランに比較して極めて水との反応性が高く、
水に滴下すると瞬時に加水分解してHCl を放出するの
で、直接加水分解させてメチル基を含有した撥水性のゲ
ル塊を形成する方法がある。しかしながら、その重合度
や形状は不均一となり、制御することは難しい。
他方、適当な重合度や形状のアルキル基を有するオルガ
ノ珪酸を得る別の方法として、有機溶媒相でのアルキル
アルコキシシランの加水分解、またはアルキルアルコキ
シシランとアルコキシシランの混合物の加水分解による
方法があるが、これ等のアルコキシシラン類は高価なた
めに原料費が高く、また重合構造の制御法がいまだ未開
発であるため広範囲の用途はない現状である。
ノ珪酸を得る別の方法として、有機溶媒相でのアルキル
アルコキシシランの加水分解、またはアルキルアルコキ
シシランとアルコキシシランの混合物の加水分解による
方法があるが、これ等のアルコキシシラン類は高価なた
めに原料費が高く、また重合構造の制御法がいまだ未開
発であるため広範囲の用途はない現状である。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、上記の様な従来の技術の欠点を改善するため
になされたものであり、原料のオルガノクロロシランを
重合を起さない条件下においてアルカリ水溶液で加水分
解を行ない、次いで酸で中和することによりオルガノ珪
酸を重合析出せしめることにより、所望の構造を有し、
親水性から疎水性まで任意の性状を有する微細なオルガ
ノ珪酸の新規な製造方法を提供することを目的とするも
のである。
になされたものであり、原料のオルガノクロロシランを
重合を起さない条件下においてアルカリ水溶液で加水分
解を行ない、次いで酸で中和することによりオルガノ珪
酸を重合析出せしめることにより、所望の構造を有し、
親水性から疎水性まで任意の性状を有する微細なオルガ
ノ珪酸の新規な製造方法を提供することを目的とするも
のである。
[問題点を解決するための手段] 即ち、本発明は、アルカリ水溶液にオルガノクロロシラ
ンを反応液のpHを10以上に保ちながら重合を起さないよ
うに添加して加水分解し、次いで生成した加水分解溶液
に酸を分割して添加して中和しオルガノ珪酸を重合析出
せしめることを特徴とする微細なオルガノ珪酸の製造方
法である。
ンを反応液のpHを10以上に保ちながら重合を起さないよ
うに添加して加水分解し、次いで生成した加水分解溶液
に酸を分割して添加して中和しオルガノ珪酸を重合析出
せしめることを特徴とする微細なオルガノ珪酸の製造方
法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、出発原料のオルガノクロロシランを重合を起
さない特定の条件下においてアルカリ水溶液で加水分解
する第一工程と、次いで生成した加水分解溶液を酸で中
和しオルガノ珪酸の重合析出を行なう第二工程よりな
る。
さない特定の条件下においてアルカリ水溶液で加水分解
する第一工程と、次いで生成した加水分解溶液を酸で中
和しオルガノ珪酸の重合析出を行なう第二工程よりな
る。
まず、第一工程において、本発明で使用される出発原料
のオルガノクロロシランは、RnSiCl4-n(式中、Rはメ
チル基,エチル基,プロピル基等の低級アルキル基、ビ
ニル基、フェニル基を示し、nは1〜3の整数を示す)
で示される化合物が用いられ、具体的にはアルキルクロ
ロシラン、アリールクロロシラン等が挙げられるが、こ
れ等の中でメチルクロロシランが好ましい。メチルクロ
ロシランは(CH3)nSiCl4-n(n=1〜3)で示されるも
のであり、それ等の中でメチルトリクロロシランが好ま
しく、またn=1〜3の混合物であってもよく、更には
n=2のジメチルクロロシランの製造時に副生するメチ
ルトリクロロシランをはじめ、トリメチルクロロシラン
その他ジシラン類やそれらのシラン混合物であってもよ
い。また、アルコールなどの親水性溶媒で希釈(エステ
ル比)したものを用いてもよい。
のオルガノクロロシランは、RnSiCl4-n(式中、Rはメ
チル基,エチル基,プロピル基等の低級アルキル基、ビ
ニル基、フェニル基を示し、nは1〜3の整数を示す)
で示される化合物が用いられ、具体的にはアルキルクロ
ロシラン、アリールクロロシラン等が挙げられるが、こ
れ等の中でメチルクロロシランが好ましい。メチルクロ
ロシランは(CH3)nSiCl4-n(n=1〜3)で示されるも
のであり、それ等の中でメチルトリクロロシランが好ま
しく、またn=1〜3の混合物であってもよく、更には
n=2のジメチルクロロシランの製造時に副生するメチ
ルトリクロロシランをはじめ、トリメチルクロロシラン
その他ジシラン類やそれらのシラン混合物であってもよ
い。また、アルコールなどの親水性溶媒で希釈(エステ
ル比)したものを用いてもよい。
特に、第一工程におけるアルカリ水溶液によるオルガノ
クロロシランの加水分解においては、オルガノクロロシ
ランを重合を起さないように反応を行なうことが必要で
あり、そのためにはアルカリ水溶液を用いて、温度、塩
基量、pHが限定される。
クロロシランの加水分解においては、オルガノクロロシ
ランを重合を起さないように反応を行なうことが必要で
あり、そのためにはアルカリ水溶液を用いて、温度、塩
基量、pHが限定される。
本発明の第一工程における加水分解反応に使用するアル
カリ水溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、4
級アンモニウム水酸化物、珪酸ソーダなどのアルカリ水
溶液が単独または混合溶液として用いられる。
カリ水溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、4
級アンモニウム水酸化物、珪酸ソーダなどのアルカリ水
溶液が単独または混合溶液として用いられる。
アルカリ水溶液はMOH (式中、Mはアルカリ金属または
アンモニウム基を示す)を、加水分解反応によりオルガ
ノクロロシランから発生するHClのモル数に対して中和
当量以上、好ましくは1.1〜3.0当量を含有するこ
とが望ましい。
アンモニウム基を示す)を、加水分解反応によりオルガ
ノクロロシランから発生するHClのモル数に対して中和
当量以上、好ましくは1.1〜3.0当量を含有するこ
とが望ましい。
また、加水分解中の反応液のpHは10以上、好ましくは1
0.5以上に保持された状態で反応が行なわれることが望
ましく、pH10未満では重合反応が起こりゲル塊が生成す
るために好ましくない。
0.5以上に保持された状態で反応が行なわれることが望
ましく、pH10未満では重合反応が起こりゲル塊が生成す
るために好ましくない。
加水分解反応中の反応液の温度は50℃以上で、かつ使用
するオルガノクロロシランの沸点以下が好ましく、50℃
未満の低温ではゲル塊が生成し、またオルガノクロロシ
ランの沸点をこえる高温になると加水分解物の収量が低
下する。
するオルガノクロロシランの沸点以下が好ましく、50℃
未満の低温ではゲル塊が生成し、またオルガノクロロシ
ランの沸点をこえる高温になると加水分解物の収量が低
下する。
この様な条件下で反応液のpHを10以上に保ちながらアル
カリ水溶液中にオルガノクロロシランを添加してゆく
と、オルガノクロロシランはアルカリの存在のために重
合ができず、また多少重合してもアルカリによって鎖が
切断されるためにゲル塊を発生することなく加水分解さ
れる。
カリ水溶液中にオルガノクロロシランを添加してゆく
と、オルガノクロロシランはアルカリの存在のために重
合ができず、また多少重合してもアルカリによって鎖が
切断されるためにゲル塊を発生することなく加水分解さ
れる。
すなわち、この加水分解工程では、シラノール基の多い
活性珪酸を生成するものであり、これが縮合してポリシ
ロキサン結合をできるだけ生じないように制御すること
が重要となるわけである。従って、この工程では、オル
ガノゾルとして多少のポリシロキサン結合が生じても実
質的にゲルが生じないようにすることにある。
活性珪酸を生成するものであり、これが縮合してポリシ
ロキサン結合をできるだけ生じないように制御すること
が重要となるわけである。従って、この工程では、オル
ガノゾルとして多少のポリシロキサン結合が生じても実
質的にゲルが生じないようにすることにある。
この様に重合を制御しながら加水分解を行なうために
は、アルカリ水溶液へのオルガノクロロシランの添加速
度も当然制限しなくてはならないが、これは反応系の液
温やオルガノクロロシランの種類、水酸化アルカリの濃
度等により任意に選択することができるが、要するに反
応液のpHを10以上に保持するように添加していくことが
好ましい。また、バッチ反応においては、反応の初めと
終了時により添加速度を変えることが望ましい。
は、アルカリ水溶液へのオルガノクロロシランの添加速
度も当然制限しなくてはならないが、これは反応系の液
温やオルガノクロロシランの種類、水酸化アルカリの濃
度等により任意に選択することができるが、要するに反
応液のpHを10以上に保持するように添加していくことが
好ましい。また、バッチ反応においては、反応の初めと
終了時により添加速度を変えることが望ましい。
次に、第二工程において、上記の様にアルカリ性水溶液
で加水分解を行なって生成した加水分解溶液に、酸を分
割して添加して中和してオルガノ珪酸の重合析出を行な
う。この工程は、通常の水溶性珪酸アルカリを酸で中和
して微粉末珪酸を製造する方法と全く同じ方法で行なう
ことができ、例えばアイラー(IIer)著,[ザ ケミス
トリーオブ シリカ」(「The Chemistry of Silica」)5
54 〜563 頁に記載されている方法が挙げられる。ま
た、中和反応は反応条件の選定により目的とする微粉末
オルガノ珪酸の細孔容積や比表面積などを自由に制御す
ることができる。
で加水分解を行なって生成した加水分解溶液に、酸を分
割して添加して中和してオルガノ珪酸の重合析出を行な
う。この工程は、通常の水溶性珪酸アルカリを酸で中和
して微粉末珪酸を製造する方法と全く同じ方法で行なう
ことができ、例えばアイラー(IIer)著,[ザ ケミス
トリーオブ シリカ」(「The Chemistry of Silica」)5
54 〜563 頁に記載されている方法が挙げられる。ま
た、中和反応は反応条件の選定により目的とする微粉末
オルガノ珪酸の細孔容積や比表面積などを自由に制御す
ることができる。
中和に使用する酸としては鉱酸が用いられ、硫酸、塩
酸、硝酸等があげられる。
酸、硝酸等があげられる。
さらに、本発明においては、第二工程における酸による
中和反応は、上記の外の公知技術のいずれを用いてもよ
く、何ら限定するところはない。例えば、第一工程で加
水分解を行なった加水分解溶液に鉱酸を添加して中和を
行なう場合には、加水分解溶液を80〜 100℃に加温し、
十分な撹拌下に、例えば、硫酸を加水分解溶液のNoOHの
中和当量の40%位まで添加し、温度を保ったまま数時間
撹拌をつづける。この過程で溶液中の塩濃度(Na2SO4)
が高いため活性珪酸は重合を開始し、ポリシロキサン結
合を生じて、後の析出物の種粒子が形成される。次いで
中和まで残りの硫酸をゆっくり加えてオルガノ珪酸の全
量を重合析出させる。
中和反応は、上記の外の公知技術のいずれを用いてもよ
く、何ら限定するところはない。例えば、第一工程で加
水分解を行なった加水分解溶液に鉱酸を添加して中和を
行なう場合には、加水分解溶液を80〜 100℃に加温し、
十分な撹拌下に、例えば、硫酸を加水分解溶液のNoOHの
中和当量の40%位まで添加し、温度を保ったまま数時間
撹拌をつづける。この過程で溶液中の塩濃度(Na2SO4)
が高いため活性珪酸は重合を開始し、ポリシロキサン結
合を生じて、後の析出物の種粒子が形成される。次いで
中和まで残りの硫酸をゆっくり加えてオルガノ珪酸の全
量を重合析出させる。
本発明において、第一工程のオルガノクロロシラン添加
終了時には、発生したHCl により反応液中の塩濃度(Na
Clなど)はすでに高くなっており、すでに活性珪酸は一
部重合を開始している場合がある。しかし、加水分解MO
H/発生HCl のモル比が2.5倍以上の場合には、更に第
二工程の中和反応において鉱酸などを添加した時点が実
質的な重合開始時になる。
終了時には、発生したHCl により反応液中の塩濃度(Na
Clなど)はすでに高くなっており、すでに活性珪酸は一
部重合を開始している場合がある。しかし、加水分解MO
H/発生HCl のモル比が2.5倍以上の場合には、更に第
二工程の中和反応において鉱酸などを添加した時点が実
質的な重合開始時になる。
次に、上記の中和反応により得られたオルガノ珪酸の沈
殿はロ過、水洗、乾燥し、必要があれば粉砕して最終製
品とする。このようにして得られたメチル基等の有機基
を含有するオルガノ珪酸は、微粉末で、親油性、疎水性
表面を有し、水には撥水性を示し、ゴムやプラスチック
などとは極めて良い混和性を示す。
殿はロ過、水洗、乾燥し、必要があれば粉砕して最終製
品とする。このようにして得られたメチル基等の有機基
を含有するオルガノ珪酸は、微粉末で、親油性、疎水性
表面を有し、水には撥水性を示し、ゴムやプラスチック
などとは極めて良い混和性を示す。
有機基の存在に帰因するこの様な性質は最終回収物中の
有機帰/Si原子の比を調製することによって制御するこ
とができる。その方法の一つとしては、原料にポリシロ
キサン鎖を有するオルガノクロロシランや四塩化珪素、
テトラアルコキシシランを用いる方法である。また、別
の方法としては、オルガノクロロシランの加水分解液に
珪酸イオンを存在させる方法である。この後者の方法は
前者よりも安価で好ましい。例えば、第一工程の、加水
分解に使用するアルカリ水溶液として珪酸ソーダまたは
珪酸ソーダと水酸化アルカリの混合溶液を用いる方法で
もよい。また、別の例としては、第一工程の加水分解終
了液に珪酸ソーダを添加した後、活性珪酸の重合析出工
程を行なう方法でもよい。いずれにしても、これらの方
法で任意の有機基/Si原子の比のものを得ることができ
る。
有機帰/Si原子の比を調製することによって制御するこ
とができる。その方法の一つとしては、原料にポリシロ
キサン鎖を有するオルガノクロロシランや四塩化珪素、
テトラアルコキシシランを用いる方法である。また、別
の方法としては、オルガノクロロシランの加水分解液に
珪酸イオンを存在させる方法である。この後者の方法は
前者よりも安価で好ましい。例えば、第一工程の、加水
分解に使用するアルカリ水溶液として珪酸ソーダまたは
珪酸ソーダと水酸化アルカリの混合溶液を用いる方法で
もよい。また、別の例としては、第一工程の加水分解終
了液に珪酸ソーダを添加した後、活性珪酸の重合析出工
程を行なう方法でもよい。いずれにしても、これらの方
法で任意の有機基/Si原子の比のものを得ることができ
る。
さらに、第二工程のオルガノ珪酸の重合析出工程の前
に、第3の粒子(例えば、シリカであってもよい)を混
合し、この粒子の存在下で重合析出工程を行なうことに
より、第3の粒子表面のオルガノ珪酸コーティングを行
なうこともできる。
に、第3の粒子(例えば、シリカであってもよい)を混
合し、この粒子の存在下で重合析出工程を行なうことに
より、第3の粒子表面のオルガノ珪酸コーティングを行
なうこともできる。
また、本発明によれば、原料のオルガノクロロシランの
種類を変えて、本発明の方法で加水分解および酸の中和
による重合を行なえば、酸素配位数1〜4の各種のオル
ガノ珪酸を水相で扱うことができ様々な構造性状のオル
ガノ珪酸を工業的に安価に合成できる。
種類を変えて、本発明の方法で加水分解および酸の中和
による重合を行なえば、酸素配位数1〜4の各種のオル
ガノ珪酸を水相で扱うことができ様々な構造性状のオル
ガノ珪酸を工業的に安価に合成できる。
[作用] 本発明の微細なオルガノ珪酸の製造方法は、アルカリ水
溶液にオルガノクロロシランを反応液のpHを10以上に保
ちながら添加して加水分解するので、オルガノクロロシ
ランは常に過剰のアルカリが存在するためにポリシロキ
サン結合への重合がなく、また幾分重合してもアルカリ
により鎖が切断されてゲル塊を生成することなく加水分
解され、次いで生成した加水分解溶液に酸を分割して添
加して中和することにより活性珪酸はゲル塊を生成する
ことなくポリシロキサン結合を生じる重合により析出
し、微細なオルガノ珪酸を得ることができる。
溶液にオルガノクロロシランを反応液のpHを10以上に保
ちながら添加して加水分解するので、オルガノクロロシ
ランは常に過剰のアルカリが存在するためにポリシロキ
サン結合への重合がなく、また幾分重合してもアルカリ
により鎖が切断されてゲル塊を生成することなく加水分
解され、次いで生成した加水分解溶液に酸を分割して添
加して中和することにより活性珪酸はゲル塊を生成する
ことなくポリシロキサン結合を生じる重合により析出
し、微細なオルガノ珪酸を得ることができる。
[実施例] 以下、実施例を示し本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1 加水分解液として、水4500gに水酸化ナトリウム380gを
溶解し、液温度を60〜65℃に調節した液を用意し、撹拌
下、前記加水分解液に純分99.5%、沸点66.1℃のメチル
トリクロロシラン320gを系のpHが常に10.5以下にならな
いように注意しながら5時間かけて添加して加水分解を
行なった。このときのNaOHは9.5モル、メチルトリク
ロロシランは2.15モルで発生するHCl (2.15×3=6.45モ
ル)に対し9.5/6.45=1.47倍のNaOHを用意した。加水分
解終了時でpHは約12であった。加水分解終了後の液は、
温度を80〜85℃に保ち30時間撹拌を続けた。この撹拌中
溶液は塩類濃度が高いため活性珪酸の重合はある程度進
行し、溶液は乳白化していたがゲル塊は生じなかった。
溶解し、液温度を60〜65℃に調節した液を用意し、撹拌
下、前記加水分解液に純分99.5%、沸点66.1℃のメチル
トリクロロシラン320gを系のpHが常に10.5以下にならな
いように注意しながら5時間かけて添加して加水分解を
行なった。このときのNaOHは9.5モル、メチルトリク
ロロシランは2.15モルで発生するHCl (2.15×3=6.45モ
ル)に対し9.5/6.45=1.47倍のNaOHを用意した。加水分
解終了時でpHは約12であった。加水分解終了後の液は、
温度を80〜85℃に保ち30時間撹拌を続けた。この撹拌中
溶液は塩類濃度が高いため活性珪酸の重合はある程度進
行し、溶液は乳白化していたがゲル塊は生じなかった。
次いで、同じ温度を保ちつつ強撹拌下に50%H2SO4を約
1時間かけて添加し、pH6まで中和して活性珪酸の重合
によりオルガノ珪酸のゲル析出を行なった。これを室温
まで撹拌しながら冷却した後、ロ紙上にてロ過し、脱イ
オン水5で水洗し、続いて110℃で乾燥した。乾燥粉
末はメチル珪酸粉末であり、水には極めて強い撥水性を
示した。収率は90%であった。比表面積14m2/gの自由流
動性のある微粉末珪酸であった。
1時間かけて添加し、pH6まで中和して活性珪酸の重合
によりオルガノ珪酸のゲル析出を行なった。これを室温
まで撹拌しながら冷却した後、ロ紙上にてロ過し、脱イ
オン水5で水洗し、続いて110℃で乾燥した。乾燥粉
末はメチル珪酸粉末であり、水には極めて強い撥水性を
示した。収率は90%であった。比表面積14m2/gの自由流
動性のある微粉末珪酸であった。
比較例1 実施例1の水酸化ナトリウム量を250gにして同じ操作を
行なった。これはNaOH/HCl=約0.97倍に相当する。加水
分解反応中、pHは10未満に低下し、ゲル塊が発生し作業
は中断した。
行なった。これはNaOH/HCl=約0.97倍に相当する。加水
分解反応中、pHは10未満に低下し、ゲル塊が発生し作業
は中断した。
比較例2 実施例1の加水分解反応を80℃で行なったところ収率は
58%であった。また40℃で行なった場合はゲル塊の発生
が多く反応を中断した。
58%であった。また40℃で行なった場合はゲル塊の発生
が多く反応を中断した。
実施例2 実施例1の加水分解液にSiO2 37.0 %、Na2O17.5%のJI
S 1号珪酸ソーダ 394gと水4500gを加え、十分撹拌混合
したものを加水分解として使用した。加水分解液は液温
を60〜65℃に調節し、撹拌下、これに実施例1と同じメ
チルトリクロロシラン320gを、系のpHが常に11.0以下に
ならないように注意しながら2時間かけて添加して加水
分解を行なった。
S 1号珪酸ソーダ 394gと水4500gを加え、十分撹拌混合
したものを加水分解として使用した。加水分解液は液温
を60〜65℃に調節し、撹拌下、これに実施例1と同じメ
チルトリクロロシラン320gを、系のpHが常に11.0以下に
ならないように注意しながら2時間かけて添加して加水
分解を行なった。
このときのNaOHは、珪酸ソーダから入るNaOH分も加えて
11.5モル、メチルトリクロロシランは2.15モルで、発生
するHCl (2.15×3=6.45モル)に対し11.5/6.45=1.78
倍のNaOHを使用した。加水分解終了時に液はほとんど透
明であった。これを80℃まで昇温して16時間撹拌を続け
た。
11.5モル、メチルトリクロロシランは2.15モルで、発生
するHCl (2.15×3=6.45モル)に対し11.5/6.45=1.78
倍のNaOHを使用した。加水分解終了時に液はほとんど透
明であった。これを80℃まで昇温して16時間撹拌を続け
た。
次いで、50%H2SO4を添加してNaOHの80%まで中和し、
さらに85℃で2時間撹拌後、pH6 まで中和した。これを
ロ紙上にてロ過した後、140 ℃で16時間乾燥した。乾燥
粉末はSi原子の1/2にメチル基が結合したメチル珪酸粉
末であり、撥水性はなく、比表面積は188m2/gの自由流
動性のある微粉末珪酸であった。収率は98%であった。
さらに85℃で2時間撹拌後、pH6 まで中和した。これを
ロ紙上にてロ過した後、140 ℃で16時間乾燥した。乾燥
粉末はSi原子の1/2にメチル基が結合したメチル珪酸粉
末であり、撥水性はなく、比表面積は188m2/gの自由流
動性のある微粉末珪酸であった。収率は98%であった。
[発明の効果] 次に本発明の効果を列挙すると下記の通りである。
(1) 本発明で用いる原料のオルガノクロロシランは安
価であり、更にこれを湿式法で微粉末オルガノ珪酸とす
るため製造コストは極めて安価である。
価であり、更にこれを湿式法で微粉末オルガノ珪酸とす
るため製造コストは極めて安価である。
(2) オルガノクロロシランを重合させずに加水分解さ
せて水相へ移すことにより、次の工程である重合析出工
程で任意の構造のオルガノ珪酸を得ることができる。こ
れは従来の気相酸化法によるシリカの製法にはない特色
である。
せて水相へ移すことにより、次の工程である重合析出工
程で任意の構造のオルガノ珪酸を得ることができる。こ
れは従来の気相酸化法によるシリカの製法にはない特色
である。
(3) 重合析出工程より前に、加水分解溶液に水溶性珪
酸を添加することにより任意の有機基/Si原子比のオル
ガノ珪酸を得ることができる。
酸を添加することにより任意の有機基/Si原子比のオル
ガノ珪酸を得ることができる。
(4) 重合析出工程より前に、加水分解溶液に第3の粒
子を添加しておくことにより、その粒子表面にオルガノ
珪酸を析出させ、コーティングすることができる。
子を添加しておくことにより、その粒子表面にオルガノ
珪酸を析出させ、コーティングすることができる。
(5) 本発明の製造方法で得らえるオルガノ珪酸は、シ
リカ粒子表面をシリル化剤で処理したものとは本質的に
異なり、後者が粒子表面だけに有機基を有し粒子は酸素
4配位の珪素で構成されているのに対し、本発明で製造
された製品は粒子内部に有機基を有する酸素3配位の珪
素で構成され空間的にゆるい結合構成を有している。
リカ粒子表面をシリル化剤で処理したものとは本質的に
異なり、後者が粒子表面だけに有機基を有し粒子は酸素
4配位の珪素で構成されているのに対し、本発明で製造
された製品は粒子内部に有機基を有する酸素3配位の珪
素で構成され空間的にゆるい結合構成を有している。
Claims (7)
- 【請求項1】アルカリ水溶液にオルガノクロロシランを
反応液のpHを10以上に保ちながら重合を起さないように
添加して加水分解し、次いで生成した加水分解溶液に酸
を分割して添加して中和しオルガノ珪酸を重合析出せし
めることを特徴とする微細なオルガノ珪酸の製造方法。 - 【請求項2】オルガノクロロシランがメチルクロロシラ
ンである特許請求の範囲第1項記載の製造方法。 - 【請求項3】アルカリ水溶液が水酸化アルカリ水溶液で
ある特許請求の範囲第1項記載の製造方法。 - 【請求項4】アルカリ水溶液がMOH (式中、Mはアルカ
リ金属またはアンモニウム基を示す)を、加水分解反応
により発生するHCl のモル数に対して中和当量以上含有
する特許請求の範囲第1項記載の製造方法。 - 【請求項5】アルカリ水溶液が水溶性珪酸を含有する特
許請求の範囲第1項記載の製造方法。 - 【請求項6】加水分解反応を50℃以上でオルガノクロロ
シランの沸点以下の温度で行なう特許請求の範囲第1項
記載の製造方法。 - 【請求項7】酸での中和反応をシリカ粒子の分散した条
件下で行なう特許請求の範囲第1項記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22281587A JPH0627194B2 (ja) | 1987-09-05 | 1987-09-05 | 微細なオルガノ珪酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22281587A JPH0627194B2 (ja) | 1987-09-05 | 1987-09-05 | 微細なオルガノ珪酸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6466193A JPS6466193A (en) | 1989-03-13 |
JPH0627194B2 true JPH0627194B2 (ja) | 1994-04-13 |
Family
ID=16788342
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22281587A Expired - Fee Related JPH0627194B2 (ja) | 1987-09-05 | 1987-09-05 | 微細なオルガノ珪酸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0627194B2 (ja) |
-
1987
- 1987-09-05 JP JP22281587A patent/JPH0627194B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6466193A (en) | 1989-03-13 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |