JPH06271578A - 鎮痛剤ナルブフィン前薬の誘導体 - Google Patents

鎮痛剤ナルブフィン前薬の誘導体

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JPH06271578A
JPH06271578A JP5053840A JP5384093A JPH06271578A JP H06271578 A JPH06271578 A JP H06271578A JP 5053840 A JP5053840 A JP 5053840A JP 5384093 A JP5384093 A JP 5384093A JP H06271578 A JPH06271578 A JP H06271578A
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nalbuphine
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acid
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Yoho Ko
幼圃 胡
Shichu O
志中 王
Zendai Ka
善台 何
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NATL SCI KAUNSHIRU
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(1) 【化1】 (たゞし、Rは炭素数1〜40の直鎖状もしくは分岐状
アルキル基、芳香族基、直鎖状もしくは分岐状アルキル
基を有する芳香族基または水素を表す)で表されること
を特徴とするナルブフィン誘導体。 【効果】 長期にわたって鎮痛作用が維持できる新規な
ナルブフィン誘導体が提供された。また、それを用いた
鎮痛剤、外用薬、経穿皮吸収剤、注射剤が提供された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は長時間鎮痛作用を有する
新規なナルブフィン誘導体に関する。更に詳しくは該ナ
ルブフィン誘導体およびそれを用いた鎮痛剤、外用医薬
組成物、経穿皮吸収医薬組成物または注射剤医薬組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】鎮痛剤については昔から多くの研究がな
されている。非常にはげしい疼痛に使用する鎮痛剤はつ
ぎのような特性が必要である。すなわち快復作用、鎮痛
効果が強く、その効果が長時間持続すること、麻薬性が
ないこと、無加成性であること、心臓や血管に影響がな
いこと、呼吸障害をおこさないこと、副作用が少ないこ
となどである(Bovill, J.G. et al, Drugs, 33, 520、
1887参照)。
【0003】臨床上、心臓、胸腔、腹腔、産科、外科な
どの手術の際や、やけど、癌症末期に長時間使用可能な
適当の鎮痛剤はあまりなかった。例えば局部麻酔剤キシ
ロカイン(Xylocaine)、ビュブロカイン(Bupivacain
e)は局部的な鎮痛効果はあるが、患部が広くて奥深い
ような痛みの場合はこのような局部麻酔剤は役にたたな
い。また、脳膜外腔に注射をしないで鎮痛効果を長くす
るにしても鎮痛作用は6時間までであり、局部麻酔剤で
は長時間の鎮痛作用を得ることができない。
【0004】他の系統の鎮痛剤、例えばアスピリン(as
pirin)、アセタアミノフェン(Acetaminophen)のナン
ステロイドは、偏頭痛、歯痛などのかるい痛みに対して
鎮痛効果はあるが、はげしい痛みには抑制作用はない。
また、モルヒネ(Morphine)、モウプリダン(Meperidi
ne)、フェンタニル(Fentanyl)などの麻薬性鎮痛剤
(narcotic analgesics)は中枢神経系統の鴉片受容
体、例えばMu感受容体受体についても強い鎮痛作用が
あるが、麻薬性、加成性があり、心臓や血管に影響あ
り、呼吸を抑制するなどの副作用があり(Hayes, A.G.
et al, Br.J.Pharmacol., 79, 731、1983参照)、呼吸
機能の異常も起り、長時間の鎮痛作用を得ることはでき
ない。
【0005】この麻薬性鎮痛薬と麻薬作用−拮抗薬(na
rcotic agonistantagonists)の各々の薬の鎮痛作用効
果がある量で比較すると、モルヒネ(Morphine)は10
mg;ブプノルフィン(Buprenorphine)は10.3mg;
ナルブフィン(Nalbuphine)は10mg;ブトルフィノー
ル(Butorphanol)は2mg;である(Shafer, S.L. eta
l, Anesthesiology, 74, 53,1991参照)。
【0006】また、ナルブフィンは6ケ月の長期間投与
しても依存性、嗜癖がない。特に呼吸作用をあまり抑制
されることがないので、その特性は麻薬性鎮痛薬より安
全である。
【0007】ナルブフィンは筋肉内注射、静脈注射、脊
髄クモ膜腔注射、及び硬膜外注射などの各種注射方法に
よって、心臓、胸腔、腹腔、外科、産科などの手術、焼
傷や癌症の鎮痛の抑制に優れた効果を現わすことがある
(Schmidt, W.K. et al, Drug Alcohol Depend. 14, 33
9,1985参照)。ただし、ナルブフィンは静脈注射で3
−5時間、硬膜外注射で6−8時間しか効果がない。こ
の短時間の作用は前述の長期間の投与をした患者に対し
ては毎日数回の投与が必要である(Wang, J.J. et al,
Ma.Tsui. Hsueh. Tsa. Chi., 23,3,1985参照)。一般
に臨床上、麻薬作用−拮抗薬の鎮痛作用期間が一回投与
して24〜36時間まで延長できると医療材料として有
効に利用ができる。
【0008】薬学において、薬理効果を延長する一般的
な方法は、シクロデキストリン、アクリル重合体などで
主成分をかけたり、マイクロカプセル化(microcapsul
e)したり、マイクロピル化(micropil)したり、ま
た、前薬のような各種薬剤があげられる。前薬剤は長期
間に有効な作用を現す。例えば、抗精神病薬ハロペリド
ール(Haloperidol)のエステル化筋肉注射前薬は毎月
一、二回の投与でその薬理効果は毎日2−4回を投与す
ると同様な状態になる(Hamstrom, C.A. al, DrugIntel
l. Clin. Pharm., 22, 290,1988参照)。ノルエチステ
ロン(Northisterone)とエナント酸(enanthicacid)
との反応で生成する前薬は一回の投与で2ケ月までその
薬理効果を持続することができる(Joshi, J.V. emstro
m, C.A. et al, Steroids, 53, 751,1989参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記の
従来の技術の問題点に鑑み、ナルブフィン系薬剤の鎮痛
効果が長期間維持できる新規な化合物およびその化合物
に関連する薬剤組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
ついて鋭意研究した結果、ナルブフィンをエステル化す
ることによってすぐれた鎮痛効果が改善されることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0011】本発明のナルブフィン誘導体は、一般式
(1)
【化10】 (たゞし、Rは炭素数1〜40の直鎖状もしくは分岐状
アルキル基、芳香族基、直鎖状もしくは分岐状アルキル
基を有する芳香族基または水素を表す)で表されること
を特徴とする。好ましくは、Rが炭素数1〜40のアル
キル基を有するナルブフィン誘導体であり、より好まし
くはRの炭素数が1〜35、1〜25、1〜20であ
る。
【0012】本発明のナルブフィン誘導体の合成法は、
式(2)
【化11】 で示されるナルブフィンに塩化メチレンを加え、式 RCOX (3) (たゞし、Rはアルキル基、XはOH、ハロゲンまたは
アルコキシ基を表す)で示される化合物でエステル化反
応を行うことを特徴とする。
【0013】また、式(2)で示されるナルブフィン
に、式(4) ArSO2Cl (4) (こゝで、Arは芳香族基)で示され塩化スルホニル化
合物を反応させ、式(5)
【化12】 (こゝで、Arは芳香族基を示す)で示される化合物を
得ることができる。
【0014】本発明の鎮痛剤は、式(1)
【化13】 で示されるナルブフィン誘導体を含有することを特徴と
する。
【0015】本発明の外用医薬組成物は、少なくとも一
種の吸収促進活性成分および上記式(1)で示されるナ
ルブフィン誘導体を含有することを特徴とする。
【0016】本発明の経穿皮吸収医薬組成物は、少なく
とも一種の吸収促進性成分および上記式(1)で示され
るナルブフィン誘導体を含有する。
【0017】本発明の注射剤医薬組成物は、少なくとも
一種の吸収促進性成分および上記式(1)で示されるナ
ルブフィン誘導体を含有する。
【0018】本発明のナルブフィン前薬(Nalbuphine P
rodrug)の合成法は、次式で示される。
【0019】
【化14】 (こゝで、Rはアルキル基、XはOH、ハロゲン、O
R″(R″はアルキル基)Arまたは芳香族基を表
す)。
【0020】すなわち、ナルブフィンを塩化メチレンに
加えると、ナルブフィンの芳香環上の水酸基は塩素化さ
れる。つゞいて塩化メチレンに溶解されたトリエチルア
ミン溶液を添加して、脂肪族カルボン酸、およびその酸
クロライド、酸無水物、などとの反応でエステル化する
ことによりナルブフィン誘導体が得られる。
【0021】エステル化反応としてはつぎの五つの反応
があり得る。 (1)酸クロライドによる反応 R′OH+RCOCl→RCOOR′ (2)酸無水物による反応 R′OH+(RCO)2→RCOOR′ (3)カルボン酸による反応 R′OH+RCOOH→RCOOR′ (4)エステルによる反応 R′OH+RCOOR″→RCOOR′ (5)塩化スルホンによる反応 R′OH+ArSO2Cl→ArSO2OR′
【0022】化合物RCOXの具体的な化合物名として
は、炭素数3以上の直鎖状もしくは分岐状の飽和脂肪
酸、例えばプロピオン酸、安息香酸、エナント酸(ヘプ
チル酸)、吉草酸、ピバリン酸、デカン酸(カプリン
酸)、ラウリン酸、ステアリン酸、アラキン酸、セロチ
ン酸など、不飽和の脂肪酸、例えばオレイン酸、リカン
酸、リノレン酸(linolenic acid)、ウンデシレン酸
(undecylenic acid)、桂皮酸(cinnamic acid)など
があげられる。
【0023】本発明の合成方法により生成した誘導体
は、核磁気共鳴(NMR)、赤外線吸収(IR)スペク
トル、紫外線吸収(UV)スペクトル、ガスクロマトグ
ラフィー、マススペクトロメトリー(GC/Mas
s)、元素分析などの方法で物理恒数を測定し、その構
造が確認された。その結果を図9〜16に示す。
【0024】一方、ナルブフィン前薬の薬理効果は、ウ
サギの圧掌実験、高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)の血漿内薬物濃度、及び大鼠Sprague-Dawleyに投薬
前35、25、15分間で大鼠の基本反応を測定し、筋
注投薬して5分間後、10分間ずらして大鼠の尾部を−
20℃エタノール浴に入れた。該エタノール浴からとび
離れる時間により鎮痛効果を判定した。 鎮痛効果の計算方法:
【数1】
【0025】本発明のナルブフィン前薬の鎮痛作用につ
いて、図にもとづいて説明する。図1に示すように大鼠
に塩酸ナルブフィン(Nalbuphine Hcl)を0.1〜10
0mg/kg、塩酸ブプノルフィン(Buprenorphine Hcl)
を0.1〜100mg/kgで筋注した鎮痛作用は、塩酸モ
ルヒネ(Morphine Hcl)0.05〜10mg/kgの鎮痛作
用に相当する。
【0026】図2はナルブフィンが塩(free base)と
なることによって主成分の拡散時間が延びることを示し
ている。人間に0.8m mole/kg塩酸ナルブフィンを筋
注した後2.5時間まで50%の鎮痛作用が残った。同
様の条件で大鼠が残す鎮痛作用の期間は1.1時間であ
る。そうすると、人間に20%鎮痛作用が残る期間は
4.4時間であるのに対して大鼠は2.1時間、人間に
10%鎮痛作用が残る期間が5.0時間に対して大鼠は
2.4時間と異なることが明らかになった。
【0027】表1、図3に示すように、塩酸ナルブフィ
ンは人間に投薬後2.5時間まで50%鎮痛作用が残っ
た。プロピオン酸ナルブフィンなどについて、人間に投
薬後10時間まで同様な鎮痛作用を検討した。ナルブフ
ィン前薬の中で鎮痛作用が一番長い誘導体はデカン酸ナ
ルブフィン(nalbuphine decanoate)の6.7日であ
る。また、プロピオン酸ナルブフィンは投薬後12時間
まで10%鎮痛作用が残るが、デカン酸ナルブフィンは
8.2日まで同様な鎮痛作用があった。
【0028】
【表1】
【0029】図4に示すように、ウサギに25m mole/k
g塩酸ナルブフィンを投薬した場合の血漿内半生期は5
1.9分間で、デカン酸ナルブフィンの血漿内半生期は
それに対して30倍になる。
【0030】図5に示すように、25m mole/kgの塩酸
ナルブフィンを筋注したウサギの圧掌実験で45分間の
鎮痛作用があった。0.25m mole/kgのデカン酸ナル
ブフィンでは18時間の鎮痛作用があった。
【0031】本発明の薬剤は、それぞれセサミ油、大豆
油、落花生油などの油類に分散して得られる。得られた
ナルブフィン前薬剤は、リン酸塩緩衝液を対照グループ
として主成分の拡散時間の検討がなされた。その結果を
図6,7および8に示す。
【0032】図6の1〜11時間の間、図7の17〜2
8時間の間でわかるようにセサミ油薬剤の拡散時間は落
花生油薬剤や、塩酸ナルブフィンのリン酸塩緩衝液剤よ
りも長い。また、図8は、最初の3時間までは塩酸ナル
ブフィンのリン酸塩緩衝液剤は、塩酸ナルブフィンやナ
ルブフィン塩(free base)のセサミ油剤より長い拡散
時間であるが、3〜28時間の間では塩酸ナルブフィン
落花生油剤の拡散時間が一番長いことを示す。
【0033】本発明のナルブフィンの誘導体は、該誘導
体自体、または薬理的に適当に許容される結合剤、賦形
剤、潤滑剤、崩壊剤などと混合して粉末、顆粒、錠剤ま
たはカプセル剤などの形態をとることができる。この結
合剤としては、シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソ
ルビット、タラカントゴム、ポリビニルピロリドンな
ど;賦形剤としては乳糖、砂糖、コーンスターチ、リン
酸カルシウム、ソルビット、グリシンなど;潤滑剤とし
ては、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレ
ングリコール、シリカなど;崩壊剤としては、じゃがい
も澱粉酸などがあげられる。
【0034】本発明のナルブフィン薬剤は、経口的に投
与することが望ましい。しかしながら、これだけに限定
されるものではなく、非経口投与することも可能であ
る。例えば、セサミ油、大豆油、落花生油などの油類、
水などを用いて注射薬とし、皮下、筋肉内もしくは静脈
内、脊髄クモ膜腔内または硬膜外の投与も可能である。
成人を治療する場合の投与量は、一日当たり10mg、好
ましくは0.1〜1.0mgで投薬されるが、年齢、体
重、症状などにより投与量を増減するのが好ましい。
【0035】本発明のナルブフィン誘導体からなる前薬
は、投薬した場合に生物体の血清蛋白と結合して臓器中
に存在する。また、生物体の血液、脳、肝臓、心臓、肺
臓、腎臓、肌肉などにあるエステラーゼ(esterase)で
該前薬を分解し、拡散された主成分はすぐれた薬理効果
を示す。さらに前薬の薬理作用や安全性などはまったく
問題ない。
【0036】
【実施例】以下に実施例を示すように、本発明を具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0037】実施例1 プロピオン酸ナルブフィン(na
lbuphine propionate)の調製 3.75gのナルブフィンに75mlの塩化メチレンを加
え、氷冷下にて撹拌下0.16moleのトリエチルアミン
(triethylamine)を加えて得られた溶液に0.11mol
eの無水プロピオン酸の塩化メチレン(methylene chlor
ide)溶液の20mlを添加し、室温下で1時間撹拌して
反応させた。10%炭酸ナトリウムで洗浄後、減圧濃縮
し、またカラムクロマトグラフィーで分離精製し、表
1、表2、図9、図10、図11に示すプロピオン酸ナ
ルブフィンを得た。
【0038】実施例2 ピバリン酸ナルブフィン(Nalb
uphine pivalate)の調製 3.75gのナルブフィンに75mlの塩化メチレンを加
え、氷冷下にて撹拌下0.16moleのトリエチルアミン
を加えて得られた溶液に、0.11moleのピバリン酸ク
ロライドの塩化メチレン(methylene chloride)溶液2
0mlを添加し、以下実施例1と同様にして表1、表2、
図12、図13、図14に示すピバリン酸ナルブフィン
を得た。
【0039】実施例3 安息香酸ナルブフィン(Nalbup
hine benzoate)の調製 実施例1と同様にして0.11moleの安息香酸クロライ
ドの塩化メチレン溶液20mlを添加して、表1、表2に
示す安息香酸ナルブフィンを得た。
【0040】実施例4 エナント酸ナルブフィン(Nalb
uphine enanthate)の調製 実施例1と同様にして0.11moleのエナント酸クロラ
イドの塩化メチレン溶液20mlを添加し、表1、表2、
図15に示すエナント酸ナルブフィンを得た。
【0041】実施例5 デカン酸ナルブフィンの調製 実施例1を同様にして0.11moleのデカン酸クロライ
ドの塩化メチレン溶液20mlを添加し、表1、表2、図
16に示すデカン酸ナルブフィンを得た。
【0042】
【表2】
【0043】実施例6 ナルブフィン前薬(Nalbuphine
proudrugs)の調製 10.50mgのプロピオン酸ナルブフィンを2.8mlの
セサミ油に分散してプロピオン酸ナルブフィン前薬を得
た。また、11.91mgエナント酸ナルブフィンを2.
8mlセサミ油、大豆油、落花生油などの油類に分散して
各種な筋肉注射剤を得た。
【0044】実施例7 エナント酸ナルブフィンの飽合
油性懸濁液の調製 300mgのエナント酸ナルブフィンに2.8mlセサミ油
を加え、よく混ぜてエナント酸ナルブフィンの飽合油性
懸濁液を得た。
【0045】実施例8 プロピオン酸ナルブフィンカプ
セル剤の調製 4.1gのプロピオン酸ナルブフィンを10mlのテトラ
ヒドロフランに加え、これに20%塩酸のアルコール溶
液2mlを滴下した。得られた一塩酸塩は乾燥後、ゼラチ
ン、カプセル(gelatin capsule)とした。
【0046】実施例9 経皮吸収剤の調製 470gのエナント酸ナルブフィンを粉砕しながら、同
量のグリセリンと20ng/mlメチルセルロース(methyl
cellulose)の溶液を添加し、経皮吸収剤を得た。
【0047】
【発明の効果】長期にわたって鎮痛作用が維持できる新
規なナルブフィン誘導体が提供された。また、それを用
いた鎮痛剤、外用薬、経穿皮吸収剤、注射剤が提供され
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】塩酸ナルブフィンの鎮痛作用を示す図。
【図2】ナルブフィンの塩(free base)の鎮痛作用を
示す図。
【図3】ナルブフィン誘導体の鎮痛効果を示す図。
【図4】デカン酸ナルブフィンの血漿内半生期を示す
図。
【図5】デカン酸ナルブフィンの鎮痛効果を示す図。
【図6】ナルブフィン前薬の拡散時間を示す図。
【図7】ナルブフィン前薬の拡散時間を示す図。
【図8】ナルブフィン前薬の拡散時間を示す図。
【図9】プロピオン酸ナルブフィンのNMRスペクト
ル。
【図10】プロピオン酸ナルブフィンのMASSスペク
トル。
【図11】プロピオン酸ナルブフィンのUVスペクト
ル。
【図12】ピバリン酸ナルブフィンのUVスペクトル。
【図13】ピバリン酸ナルブフィンのNMRスペクト
ル。
【図14】ピバリン酸ナルブフィンのIRスペクトル。
【図15】エナント酸ナルブフィンのNMRスペクト
ル。
【図16】デカン酸ナルブフィンのMASSスペクト
ル。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 鎮痛剤ナルブフィン前薬の誘導体
【特許請求の範囲】
【化1】 (たゞし、Rは炭素数1〜40の直鎖状もしくは分岐状
アルキル基、炭素数6〜40の芳香族基、炭素数4〜6
直鎖状もしくは分岐状アルキル基を有する芳香族
または水素を表す)で表されることを特徴とするナ
ルブフィン誘導体。
【化2】 で示されるナルブフィンに塩化メチレンを加え、式 RCOX (3) 示される化合物でエステル化反応を行うことを特徴と
する式(1)
【化3】 (たゞし、Rは炭素数1〜 40の直鎖状もしくは分岐
アルキル基、炭素数6〜40の芳香族基、炭素数6〜4
0の直鎖状もしくは分岐状アルキル基を有する芳香族
基、または水素を表し、XはOH,ハロゲンまたはアル
コキシ基を表す)で示されるナルブフィン誘導体の合成
法。
【化4】 示されるナルブフィンに、式(4) ArSO2Cl (4) で示される塩化スルホニル化合物を反応させ、式(5)
【化5】 (こゝで、Arは芳香族基または直鎖状もし くは分岐状
アルキル基を有 する芳香族基を示す)で示される化合物
を得ることを特徴とするナルブフィン誘導体の合成法。
【化6】 たゞし、Rは炭素数1〜40の直鎖状もしくは分岐状
アルキル基、炭素数6〜40の芳香族基、炭素数6〜4
0の直鎖状もしくは分岐状アルキル基を有す芳香族基、
または水素を表す)で示される化合物の塩もしくはそ
塩からなるナルブフィン前薬
【化7】 (ただし、Rは炭素数1〜 40の直鎖状もしくは分岐
アルキル基、炭素数6〜40の芳香族基、炭素数6〜4
0の直鎖状もしくは分岐状アルキル基を有す芳香族基、
または水素を表す)で示されるナルブフィン誘導体を含
有する経穿皮吸収医薬組成物。
【化8】 たゞし、Rは炭素数1〜40の直鎖状もしくは分岐状
アルキル基、炭素数6〜40の芳香族基、炭素数 4〜6
0の直鎖状もしくは 分岐状アルキル基を有する 芳香族
基、または水素を表す)で示されるナルブフィン誘導体
を含有することを特徴とする長時間鎮痛作用を有する鎮
痛剤。
【化9】 たゞし、Rは炭素数1〜40の直鎖状もしくは分岐状
アルキル基、炭素数6〜40の芳香族基、炭素数4〜6
0の直鎖状もしくは分岐状アルキル基を有する芳香族
基、または水素を表す)で示される化合物の塩もしくは
ナルブフィン前薬の有効量を含有する注射剤。
請求項16】 セサミ油、大豆油もしくはエチルエス
テル落花生油を希釈薬、または担体として用いられた請
求項15記載の注射剤。
請求項17】 皮下注射に用いる請求項15記載の注
射剤。
請求項18】 筋肉内注射に用いる請求項15記載の
注射剤。
請求項19】 脊髄または脳室に用いる請求項15記
載の注射剤
請求項20】 油性溶液または油性懸濁液からなる請
求項15記載の注射剤。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は長時間鎮痛作用を有する
新規なナルブフィン誘導体に関する。更に詳しくは該ナ
ルブフィン誘導体およびそれを用いた鎮痛剤、外用医薬
組成物、経穿皮吸収医薬組成物または注射剤医薬組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】鎮痛剤については昔から多くの研究がな
されている。非常にはげしい疼痛に使用する鎮痛剤はつ
ぎのような特性が必要である。すなわち快復作用、鎮痛
効果が強く、その効果が長時間持続すること、麻薬性が
ないこと、無加成性であること、心臓や血管に影響がな
いこと、呼吸障害をおこさないこと、副作用が少ないこ
となどである(Bovill, J.G. et al, Drugs, 33, 520、
1887参照)。
【0003】臨床上、心臓、胸腔、腹腔、産科、外科な
どの手術の際や、やけど、癌症末期に長時間使用可能な
適当の鎮痛剤はあまりなかった。例えば局部麻酔剤キシ
ロカイン(Xylocaine)、ビュブロカイン(Bupivacain
e)は局部的な鎮痛効果はあるが、患部が広くて奥深い
ような痛みの場合はこのような局部麻酔剤は役にたたな
い。また、脳膜外腔に注射をしないで鎮痛効果を長くす
るにしても鎮痛作用は6時間までであり、局部麻酔剤で
は長時間の鎮痛作用を得ることができない。
【0004】他の系統の鎮痛剤、例えばアスピリン(as
pirin)、アセタアミノフェン(Acetaminophen)のナン
ステロイドは、偏頭痛、歯痛などのかるい痛みに対して
鎮痛効果はあるが、はげしい痛みには抑制作用はない。
また、モルヒネ(Morphine)、モウプリダン(Meperidi
ne)、フェンタニル(Fentanyl)などの麻薬性鎮痛剤
(narcotic analgesics)は中枢神経系統の鴉片受容
体、例えばMu感受容体受体についても強い鎮痛作用が
あるが、麻薬性、加成性があり、心臓や血管に影響あ
り、呼吸を抑制するなどの副作用があり(Hayes, A.G.
et al, Br.J.Pharmacol., 79, 731、1983参照)、呼吸
機能の異常も起り、長時間の鎮痛作用を得ることはでき
ない。
【0005】この麻薬性鎮痛薬と麻薬作用−拮抗薬(na
rcotic agonistantagonists)の各々の薬の鎮痛作用効
果がある量で比較すると、モルヒネ(Morphine)は10
mg;ブプノルフィン(Buprenorphine)は10.3mg;
ナルブフィン(Nalbuphine)は10mg;ブトルフィノー
ル(Butorphanol)は2mg;である(Shafer, S.L. eta
l, Anesthesiology, 74, 53,1991参照)。
【0006】また、ナルブフィンは6ケ月の長期間投与
しても依存性、嗜癖がない。特に呼吸作用をあまり抑制
されることがないので、その特性は麻薬性鎮痛薬より安
全である。
【0007】ナルブフィンは筋肉内注射、静脈注射、脊
髄クモ膜腔注射、及び硬膜外注射などの各種注射方法に
よって、心臓、胸腔、腹腔、外科、産科などの手術、焼
傷や癌症の鎮痛の抑制に優れた効果を現わすことがある
(Schmidt, W.K. et al, Drug Alcohol Depend. 14, 33
9,1985参照)。ただし、ナルブフィンは静脈注射で3
−5時間、硬膜外注射で6−8時間しか効果がない。こ
の短時間の作用は前述の長期間の投与をした患者に対し
ては毎日数回の投与が必要である(Wang, J.J. et al,
Ma.Tsui. Hsueh. Tsa. Chi., 23,3,1985参照)。一般
に臨床上、麻薬作用−拮抗薬の鎮痛作用期間が一回投与
して24〜36時間まで延長できると医療材料として有
効に利用ができる。
【0008】薬学において、薬理効果を延長する一般的
な方法は、シクロデキストリン、アクリル重合体などで
主成分をかけたり、マイクロカプセル化(microcapsul
e)したり、マイクロピル化(micropil)したり、ま
た、前薬のような各種薬剤があげられる。前薬剤は長期
間に有効な作用を現す。例えば、抗精神病薬ハロペリド
ール(Haloperidol)のエステル化筋肉注射前薬は毎月
一、二回の投与でその薬理効果は毎日2−4回を投与す
ると同様な状態になる(Hamstrom, C.A. al, DrugIntel
l. Clin. Pharm., 22, 290,1988参照)。ノルエチステ
ロン(Northisterone)とエナント酸(enanthic acid
との反応で生成する前薬は一回の投与で2ケ月までその
薬理効果を持続することができるが、(Joshi, J.V. em
strom, C.A. et al, Steroids, 53, 571,1989参照)。
米国特許4,673,679(1987年6月16日発行)に
は、モルヒネ、フェンタニル(Fentanyl)、ブプノルフ
ィン、ナルブフィン誘導体 が薬として生体に有効である
ことが開示されているが、本発明に示すようなナルブフ
ィン前薬の長時間の活性効果と 特別の調剤に関しての記
がない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記の
従来の技術の問題点に鑑み、ナルブフィン系薬剤の鎮痛
効果が長期間維持できる新規な化合物およびその化合物
に関連する薬剤組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
ついて鋭意研究した結果、ナルブフィンをエステル化す
ることによってすぐれた鎮痛効果が改善されることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0011】本発明のナルブフィン誘導体は、一般式
(1)
【化10】 (たゞし、Rは炭素数1〜40の直鎖状もしくは分岐状
アルキル基、炭素数6〜40の芳香族基、炭素数6〜4
の直鎖状もしくは分岐状アルキル基を有する芳香族
基、または水素を表す)で表されることを特徴とする。
好ましくは、Rが炭素数1〜40のアルキル基を有する
ナルブフィン誘導体であり、より好ましくはRの炭素数
が1〜35、1〜25、1〜20である。
【0012】本発明のナルブフィン誘導体の合成法は、
式(2)
【化11】 で示されるナルブフィンに塩化メチレンを加え、式 RCOX (3) (たゞし、Rは炭素数1〜40の直鎖状もしくは分岐状
アルキル基、炭素数6〜40の芳香族基、炭素数6〜4
0の直鎖状もしくは分岐状アルキル基を有する芳香族
基、または水素を表し、XはOH、ハロゲンまたはアル
コキシ基を表す)で示される化合物でエステル化反応を
行うことを特徴とする。
【0013】また、式(2)で示されるナルブフィン
に、式(4) ArSO2Cl (4) (こゝで、Arは芳香族基または直鎖状もし くは分岐状
アルキル基を有 する芳香族基を表す)で示され塩化スル
ホニル化合物を反応させ、式(5)
【化12】 (こゝで、Arは芳香族基または直鎖状もし くは分岐状
アルキル基を有 する芳香族基を示す)で示される化合物
を得ることができる。
【0014】本発明のナルブフィン 前薬は、式(1)
【化13】 (たゞし、Rは炭素数1〜 40の直鎖状もしくは分岐
アルキル基、炭素数6〜40の芳香族基、炭素数6〜4
0の直鎖状もしくは分岐状アルキル基を有する芳香族
基、または水素を表す)で示される化合物もしくはその
塩を含有することを特徴とする。本発明の薬剤組成物は
ナルブフィン前薬の有効量を含有し長時間鎮痛効果を有
することを特徴とする。
【0015】本発明の経穿皮吸収医 薬組成物は、少なく
とも一 種の吸収促進性成分および上記式(1)で示され
るナルブフィン誘導体を含有する。
【0016】本発明の鎮痛剤は、上 記式(1)で示され
るナル ブフィン誘導体を含有することを特徴とする。
【0017】本発明の注射薬剤は、 少なくとも一種の吸
収促進 活性成分および上記式(1)で示されるナルブフ
ィン誘導体を含有することを特徴とする。注射薬剤とし
ては、皮下用、筋肉内用、脊髄用、脳室内用などがあげ
られる。本発明の注射薬剤は、上記式(1)で示される
ナルブフィン誘導体を含有する油性溶液または油性懸濁
液からなる。本発明の外用医薬組成物は、少なくとも一
種の吸収促進活性成分および上記式(1)で示されるナ
ルブフィン誘導体を含有する とを特徴とする。
【0018】本発明のナルブフィン誘導体の合成法は、
次式で示される。
【0019】
【化14】 (こゝで、Rは炭素数1〜40の直鎖状もしくは分岐状
アルキル基、炭素数6〜40の芳香族基、炭素数6〜4
0の直鎖状もしくは分岐状アルキル基を有する芳香族
基、または水素を表し、XはOH、ハロゲン、OR″
(R″はアルキル基)Arは芳香族基または直鎖状も
くは分岐状アルキル基を 有する芳香族基を表す)。
【0020】すなわち、ナルブフィンを塩化メチレンに
加えると、ナルブフィンの芳香環上の水酸基は塩素化さ
れる。つゞいて塩化メチレンに溶解されたトリエチルア
ミン溶液を添加して、脂肪族カルボン酸、およびその酸
クロライド、酸無水物などとの反応でエステル化するこ
とによりナルブフィン誘導体が得られる。
【0021】エステル化反応としてはつぎの五つの反応
があり得る。 (1)酸クロライドによる反応 R′OH+RCOCl→RCOOR′ (2)酸無水物による反応 R′OH+(RCO)2O→RCOOR′ (3)カルボン酸による反応 R′OH+RCOOH→RCOOR′ (4)エステルによる反応 R′OH+RCOOR″→RCOOR′ (5)塩化スルホンによる反応 R′OH+ArSO2Cl→ArSO2OR′(ここで、R,R′,R″ ,Arは前記と同じ)
【0022】式化14において示される化合物RCOX
の具体的な化合物名としては、炭素数3以上の直鎖状も
しくは分岐状の飽和脂肪酸、例えばプロピオン酸、安息
香酸、エナント酸(ヘプチル酸)、吉草酸、ピバリン
酸、デカン酸(カプリン酸)、ラウリン酸、ステアリン
酸、アラキン酸、セロチン酸など、不飽和の脂肪酸、例
えばオレイン酸、リカン酸、リノレン酸(linolenic ac
id)、ウンデシレン酸(undecylenic acid)、桂皮酸
(cinnamic acid)などがあげられる。
【0023】本発明の合成方法により生成した誘導体
は、核磁気共鳴(NMR)、赤外線吸収(IR)スペク
トル、紫外線吸収(UV)スペクトル、ガスクロマトグ
ラフィー、マススペクトロメトリー(GC/Mas
s)、元素分析などの方法で物理恒数を測定し、その構
造が確認された。その結果を図9〜16に示す。
【0024】一方、ナルブフィン前薬の薬理効果は、
による 鎮痛効果の測定、ウサギの圧掌実験、高速液体ク
ロマトグラフィー(HPLC)の血漿内薬物濃度などで
調べた。鎮痛効果は 大鼠(おす、Sprague-Dawley)
いて投薬前35、25、15分間の基本反応を測定し、
筋注投薬後5分間、10分間ずらして大鼠の尾部(尖端
から1/3)を−20℃のエタノール浴に入れ、該エタ
ノール浴からとび離れる時間により判定した。 鎮痛効果の計算方法:
【数1】
【0025】本発明のナルブフィン前薬の鎮痛作用につ
いて、図にもとづいて説明する。図1に示すように大鼠
に塩酸ナルブフィン(Nalbuphine Hcl)を0.01〜1
00mg/kg、塩酸ブプノルフィン(Buprenorphine Hc
l)を0.01〜100mg/kgで筋注した鎮痛作用は、
塩酸モルヒネ(Morphine Hcl)0.01〜10mg/kgの
鎮痛作用に相当する。
【0026】図2はナルブフィンが遊離塩基(free bas
e)となることによって主成分の拡散時間が延びること
を示している。人間に0.8m mole/kg塩酸ナルブフィ
ンを筋肉注射した後2.5時間まで50%の鎮痛作用が
残った。同様の条件で大鼠が残す鎮痛作用の期間は1.
1時間である。そうすると、人間に20%鎮痛作用が残
る期間は4.4時間であるのに対して大鼠は2.1時
間、人間に10%鎮痛作用が残る期間が5.0時間に対
して大鼠は2.4時間と異なることが明らかになった。
【0027】表1、図3に示すように、塩酸ナルブフィ
ンは人間に投薬後2.5時間まで50%鎮痛作用が残っ
た。プロピオン酸ナルブフィンなどについて、人間に投
薬後10時間まで同様な鎮痛作用を検討した。ナルブフ
ィン前薬の中で鎮痛作用が一番長い誘導体はデカン酸ナ
ルブフィン(nalbuphine decanoate)の6.7日であ
る。また、プロピオン酸ナルブフィンは投薬後12時間
まで10%鎮痛作用が残るが、デカン酸ナルブフィンは
8.2日まで同様な鎮痛作用があった。
【0028】
【表1】
【0029】図4は高速液体クロマトグ ラフィー(HP
LC)法に よる血漿内薬物濃度と測定結果を示す。すな
わち、ニュージーランド白ウサギ(雄 2.4〜2.6
Kg)の3匹を一 つのグループとして、それ ぞれ耳に筋肉
内注射後5分 と10分に血液を採りHPLC法で試験
し、25m mole/kg塩酸ナルブフィンを投薬した場合の
血漿内半生期は51.9分に対して、デカン酸ナルブフ
ィンの血漿内半生期は1560分となり塩酸ナ ルブフィ
ンの場合の30倍になる。
【0030】図5は該ウサギに筋肉注射 した場合の圧掌
実験での鎮 痛効果を示す。10mg/kg(25m mole/kg)
の塩酸ナルブフィン45分間の鎮痛作用に対して、0.
25m mole/kgのデカン酸ナルブフィンでは18時間の
鎮痛作用があった。
【0031】本発明の薬剤は、ナルブフィン塩酸塩また
はナルブフィン遊離塩基をセサミ油、大豆油、落花生油
などの油類に分散して得るこ とができる。それぞれの
ルブフィン前薬剤は、透析バッグに 入れリン酸塩緩衝液
を対照グループとして主成分の拡散についての検討し
た。その結果を図6,7および8に示す。
【0032】図6はセサミ油を媒体とし た薬剤は拡散速
度が最も遅 く、他の三つに大きな差はないことを示す。
図7の17〜28時間の間で拡散するナルブフィン遊離
塩基の量でみるとセサミ油薬剤は落花生油薬剤や、塩酸
ナルブフィンのリン酸塩緩衝液剤よりも少ないことを示
す。また、図8は、塩酸ナルブフィンのリン酸塩緩衝液
(PB)、塩酸ナルブフィンのセサミ油薬剤(SO)
やナルブフィン遊離塩(free base)のセサミ油剤(S
O)の結果を示す。図20 はウサギの皮膚を用いてナル
ブフィン薬剤ゲルの経皮浸透移動を測定した結果を示
す。ゲルとしては、(a)2%CMCNaのゼリー中に5
デカン酸ナルブフィン。( b)2%CMCNaのゼリー
中に5%デカン酸ナルブフ ィン+10%テルピオネー
を用いた。ニュージーランド白ウサギ(1Kg)の腹 部の
皮膚を二片切りとり拡 散セルのドナー、レセプターに分
離して用いた。各セル のレセプター隔室はストレ プトマ
イシン硫酸塩(50mg/l)とペニシリンG カリウム塩
(30mg/l)を含む塩水5.5mlを満たして 撹拌した。
0.5gのゲル と拡散セルのドナー相の露 出した表皮の
表面に塗る。ついで72時間で1時間ごとにレセプター
灌硫液を採集してHPLC法によって分析した。
【0033】本発明のナルブフィンの誘導体は、該誘導
体自体、または薬理的に適当に許容される結合剤、賦形
剤、潤滑剤、崩壊剤などと混合して粉末、顆粒、錠剤ま
たはカプセル剤などの形態をとることができる。この結
合剤としては、シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソ
ルビット、タラカントゴム、ポリビニルピロリドンな
ど;賦形剤としては乳糖、砂糖、コーンスターチ、リン
酸カルシウム、ソルビット、グリシンなど;潤滑剤とし
ては、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレ
ングリコール、シリカなど;崩壊剤としては、じゃがい
も澱粉酸などがあげられる。
【0034】本発明のナルブフィン薬剤は、経口的に投
与することが望ましい。しかしながら、これだけに限定
されるものではなく、非経口投与することも可能であ
る。例えば、セサミ油、大豆油、落花生油などの油類、
水などを用いて注射薬とし、皮下、筋肉内もしくは静脈
内、脊髄クモ膜腔内または硬膜外の投与も可能である。
成人を治療する場合の投与量は、一日当たり10mg、好
ましくは0.1〜1.0mgで投薬されるが、年齢、体
重、症状などにより投与量を増減するのが好ましい。
【0035】本発明のナルブフィン誘導体からなる前薬
は、投薬した場合に生物体の血清蛋白と結合して臓器中
に存在する。また、生物体の血液、脳、肝臓、心臓、肺
臓、腎臓、肌肉などにあるエステラーゼ(esterase)で
該前薬を分解し、拡散された主成分はすぐれた薬理効果
を示す。さらに前薬の薬理作用や安全性などはまったく
問題ない。
【0036】
【実施例】以下に実施例を示すように、本発明を具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0037】実施例1 プロピオン酸ナルブフィン(na
lbuphine propionate)の調製 3.75g(0.01mole)のナルブフィン75mlの
塩化メチレンを加え、250mlフラスコに入れ氷冷下に
て撹拌下0.16moleのトリエチルアミン(triethylam
ine)を含む20ml塩化メチレン溶液を加えた。別に
0.011moleの無水プロピオン酸の塩化メチレン(me
thylene chloride)溶液の20mlを撹拌下で滴下した。
その後室温下で1時間撹拌して反応させた。10%炭酸
ナトリウム溶液20mlで中和し洗浄後、 酸ナトリウム
で脱水し減圧 乾燥して、またカラムクロマトグラフィー
で分離精製し、表1、表2、図9、図10、図11に示
すプロピオン酸ナルブフィンを得た。
【0038】実施例2 ピバリン酸ナルブフィン(Nalb
uphine pivalate)の調製 3.75gのナルブフィンに75mlの塩化メチレンを
50 mlフラスコに加え、氷冷下にて撹拌下0.16mole
のトリエチルアミンを加えて得られた溶液に、0.01
moleのピバリン酸クロライドの塩化メチレン(methylen
e chloride)溶液20mlを添加し、以下実施例1と同様
にして表1、表2、図12、図13、図14に示すピバ
リン酸ナルブフィンを得た。
【0039】実施例3 安息香酸ナルブフィン(Nalbup
hine benzoate)の調製無水プロピオン酸を 実施例1と同様にして0.011mo
leの安息香酸クロライドに代える以外は実施例1と同様
にして、表1、表2に示す安息香酸ナルブフィンを得
た。
【0040】実施例4 エナント酸ナルブフィン(Nalb
uphine enanthate)の調製無水プロピオン酸を エナント酸クロライドに代える以外
は実施例1と同様にして、表1、表2、図15に示すエ
ナント酸ナルブフィンを得た。
【0041】実施例5 デカン酸ナルブフィンの調製無水プロピオン酸を デカン酸クロライドに代える以外は
実施例1と 同様にして、表1、表2、図16に示すデカ
ン酸ナルブフィンを得た。
【0042】
【表2】
【0043】さらに、次のようなナ ルブフィン誘導体が
得られ た。 ドコサン酸ナルブフィンの 調製 無水プロピオン酸を無水ド コサン酸の0.35gに代
る以外は実施例1と同様に行った。図17に示すドコサ
ン酸ナルブフィンを得た。 エルカ酸ナルブフィンの調 無水プロピオン酸を無水エ ルカ酸の0.48gに代え
以外は実施例1と同様に行った。図18に示すエルカ酸
ナルブフィンを得た。 アラキン酸ナルブフィンの 調製 無水プロピオン酸を無水ア ラキン酸の0.85gに代
る以外は実施例1と同様に行った。図19に示すアラキ
ン酸ナルブフィンを得た。
【0044】実施例6 ナルブフィ ン前薬(Nalbuphine
proudrugs)油性注射剤の調製 10.50mgのプロピオン酸ナルブフィンを2.8mlの
セサミ油に分散してプロピオン酸ナルブフィン前薬を得
た。また、11.91mgエナント酸ナルブフ ィンを2.
8mlセサミ油、 大豆油、落花生油などの油 類に分散して
各種な筋肉注 射剤を得た。 実施例7 エナント酸ナルブフィン前薬の飽和油性注射
剤懸濁液の調製 300mgのエナント酸ナルブフィンに2.8mlセサミ油
(Supersaturaled)を加え、よく混ぜてエナント酸ナル
ブフィンの飽和油性注射剤懸濁液を得た。
【0045】実施例8 プロピオン酸ナルブフィン経口
カプセル剤の調製 4.1gのプロピオン酸ナルブフィンを10mlのテトラ
ヒドロフランに加え、これに20%塩酸のアルコール溶
液2mlを滴下した。水溶性プロピオン酸ナルブフィン一
塩酸塩の4.4gが得られた。これを、ゼラチン、カプ
セル(gelatincapsule)とした。
【0046】実施例9 経皮吸収剤の調製 470gのエナント酸ナルブフィンを粉砕しながら、同
量のグリセリンの 0%と20ng/mlメチルセルロース
(methylcellulose)の50%とからなる水溶液に添加
し、経皮吸収剤を得た。
【0047】
【発明の効果】長期にわたって鎮痛作用が維持できる新
規なナルブフィン誘導体が提供された。また、それを用
いた鎮痛剤、外用薬、経穿皮吸収剤、注射剤が提供され
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】塩酸ナルブフィンの鎮痛作用を示す図。
【図2】ナルブフィンの遊離塩基(free base)の鎮痛
作用を示す図。
【図3】ナルブフィン誘導体の鎮痛効果を示す図。
【図4】デカン酸ナルブフィンの血漿内半生期を示す
図。
【図5】デカン酸ナルブフィンの鎮痛効果を示す図。
【図6】ナルブフィン前薬の拡散を示す図。
【図7】ナルブフィン前薬の拡散を示す図。
【図8】ナルブフィン前薬の拡散を示す図。
【図9】プロピオン酸ナルブフィンのNMRスペクト
ル。
【図10】プロピオン酸ナルブフィンのMASSスペク
トル。
【図11】プロピオン酸ナルブフィンのUVスペクト
ル。
【図12】ピバリン酸ナルブフィンのUVスペクトル。
【図13】ピバリン酸ナルブフィンのNMRスペクト
ル。
【図14】ピバリン酸ナルブフィンのIRスペクトル。
【図15】エナント酸ナルブフィンのNMRスペクト
ル。
【図16】デカン酸ナルブフィンのMASSスペクト
ル。
【図17】ドコサン酸ナルブフィンのNMRスペクト
ル。
【図18】エルカ酸ナルブフィンのNMRスペクトル。
【図19】アラキン酸ナルブフィンのNMRスペクト
ル。
【図20】経皮吸収効果を示す図。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図9】
【図11】
【図20】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (たゞし、Rは炭素数1〜40の直鎖状もしくは分岐状
    アルキル基、芳香族基、直鎖状もしくは分岐状アルキル
    基を有する芳香族基または水素を表す)で表されること
    を特徴とするナルブフィン誘導体。
  2. 【請求項2】 式(1)において、Rが炭素数1〜40
    のアルキル基である請求項1記載のナルブフィン誘導
    体。
  3. 【請求項3】 式(1)において、Rが炭素数1〜35
    のアルキル基である請求項1記載のナルブフィン誘導
    体。
  4. 【請求項4】 式(1)において、Rが炭素数1〜25
    のアルキル基である請求項1記載のナルブフィン誘導
    体。
  5. 【請求項5】 式(1)において、Rが炭素数1〜20
    のアルキル基である請求項1記載のナルブフィン誘導
    体。
  6. 【請求項6】 式(1)において、Rが芳香族基である
    請求項1記載のナルブフィン誘導体。
  7. 【請求項7】 式(1)において、Rがフェニル基であ
    る請求項6記載のナルブフィン誘導体。
  8. 【請求項8】 式(2) 【化2】 で示されるナルブフィンに塩化メチレンを加え、式 RCOX (3) (たゞし、Rはアルキル基、XはOH、ハロゲンまたは
    アルコキシ基を表す)で示される化合物でエステル化反
    応を行うことを特徴とする式(1) 【化3】 で示されるナルブフィン誘導体の合成法。
  9. 【請求項9】 式(2) 【化4】 で示されるナルブフィンに、式(4) ArSO2Cl (4) で示される塩化スルホニル化合物を反応させ、式(5) 【化5】 (こゝで、Arは芳香族基を示す)で示される化合物を
    得ることを特徴とするナルブフィン誘導体の合成法。
  10. 【請求項10】 式(1) 【化6】 で示されるナルブフィン誘導体を含有することを特徴と
    する鎮痛剤。
  11. 【請求項11】 少なくとも一種の吸収促進活性成分お
    よび式(1) 【化7】 で示されるナルブフィン誘導体を含有する外用医薬組成
    物。
  12. 【請求項12】 少なくとも一種の吸収促進性成分およ
    び式(1) 【化8】 で示されるナルブフィン誘導体を含有する経穿皮吸収医
    薬組成物。
  13. 【請求項13】 少なくとも一種の吸収促進性成分およ
    び式(1) 【化9】 で示されるナルブフィン誘導体を含有する注射剤医薬組
    成物。
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