JPH06271265A - エスカレータの踏段安全装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エスカレータ踏段のクリート面を梳き通す櫛
板の歯に欠損が生じると、安全上問題となる。このため
この歯の欠損は常時監視（保守点検）しなければならな
い。しかし、これは手間ひまの掛かることであるので、
これを自動的に検出できるようにする。 【構成】 踏段クリートにセンサーを埋め込み、通過す
る櫛の歯の有無（欠損）によるセンサー出力の変化から
検出する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はエスカレータの踏段の安
全装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のエスカレータについて図１を参照
して説明する。

【０００３】エスカレータ１は、その踏段２が走行して
乗降板３下方に出入りするとき、踏段２の踏板４の上面
に設けたクリート５が乗降板側に設けた櫛板（コムプレ
ート）６に梳かれて、踏板面上に載っているもの（乗客
や荷物、ごみ、異物など）が乗降板３に衝突したり、そ
の下側に吸い込まれたりしないようにしている。従っ
て、この櫛板６の櫛歯７が折損したりしていると、踏板
面上のものが乗降板３に衝突したりして事故を発生させ
る危険性がある。このためエスカレータ１の保守点検の
際、この櫛板６の状態を点検し、櫛歯７の折損があれば
直ちに櫛板６の交換をして、事故の発生を防止してい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】一般に櫛板はプラスチ
ック製で、踏板上の異物などが櫛に挟まったときに櫛の
歯の方が折れて、異物が乗降板に食い込まれないように
しているので、櫛の歯の折損は常時発生しがちなのでこ
の点検は欠かせない。しかし、常時点検により、多数の
櫛板の多数の歯の折損を見逃さないように点検するのは
非常に手間が掛かり大変である。

【０００５】本発明はこの保守点検の手間を減じ、且、
保守点検時の作業ミスなどが生じないように自動的に櫛
の歯の折損を検出する安全装置を設けて、櫛歯の安全性
の信頼度を向上させようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】櫛の歯の梳き通し動作に
より作動するリミットスイッチを踏段の踏板の各クリー
トの溝底に設け、櫛の歯の有無によるリミットスイッチ
出力の差異によって歯の欠損を検出する。

【０００７】

【作用】この構成により、踏段の乗降板通過時に、櫛歯
に欠損がある場合はリミットスイッチの出力変化が生じ
るので、これを更に警報回路に入力して、櫛歯の欠損を
報知させる。

【０００８】

【実施例】本発明を図１〜図３に示す実施例に基づいて
説明する。

【０００９】エスカレータ１の無端状に連結された多数
の踏段２、２…中の一台の踏段２を選び、その踏板４の
ｎ本の各クリート溝８に穴９を開け、先端に作動輪１０
を付けたＬ字状の操作捍１１を軸１２を支点にして取付
ける。検出器としてリミットスイッチ（マイクロスイッ
チ）Ｌｎを操作捍１１の上下動により作動するよう取付
ける。このように各クリート８、８…にリミットスイッ
チL1、L2…Lnを取付ける。更に、電源（バッテリーＢa
t）とリレィRyおよび警報ランプLpを一体にして踏板裏
面に取付ける。

【００１０】このように構成した各リミットスイッチL
1、L2…Ln、警報ランプLp、電源Batを電気回路展開図
（図３）のごとく接続する。

【００１１】即ち、ｎ個のリミットスイッチL1…Lnの各
ａ接点群を並行に、ｂ接点群も同様に並行に接続し、つ
いで、このａ接点群にｂ接点群を直列に接続し、さらに
その先にリレィRyを接続する。ここで、ａ接点群はバッ
テリー電源の入り切りに、ｂ接点群は櫛歯の折損検出用
である。

【００１２】このように構成すると、仮に、櫛歯の一つ
が欠損すると、リミットスイッチLnのａ接点群と欠損し
た櫛歯のリミットスイッチ、例えばL3は作動しないの
で、そのｂ接点が閉路したままなのでリレィRyが投入さ
れ、ランプLpが点灯し、櫛歯の欠損を検出、報知するこ
とになる。尚、リレィRyの２個のａ接点のうち一方は自
己保持用、他は警報ランプLp点灯用であり、押釦スイッ
チPsはリレィRyの復帰用である。

【００１３】警報ランプLpは踏板の裏面に取付け、その
光が踏段ライザに設けた小穴１３から見えるようにして
おくと、櫛歯の欠損が生じたことが分かりやすい。

【００１４】以上のような構成により、櫛歯の欠損が自
動的に検出できることになる。

【００１５】尚、検出器としてはリミットスイッチ（マ
イクロスイッチ）の代わりに、リードリレィ、光検出器
などを用いることもできる。警報用ランプも、更にその
光を受けて作動する光検出器１４を踏段の脇に設けて、
この出力をエスカレータの監視盤に送信するようにして
も良い。

【００１６】

【発明の効果】本発明により乗降板の櫛歯の欠損の発生
を直ちに知り、その処置を迅速に行って、エスカレータ
の安全性がより向上することとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるエスカレータの概略図、

【図２】図１の部分詳細断面図、

【図３】本発明による安全装置の電気回路展開図であ
る。

【符号の説明】

２…踏段 ３…乗降板 ４…踏板 ５…クリート ６…櫛板（コムプレート） ７…櫛歯 １１…操作捍 Ｌｎ，Ｌ1 、Ｌ2 …検出器（リミットスイッチ） Ｌｐ…警報ランプ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 踏段の踏板のクリート溝底に設けた穴
   に、支点に支えた操作稈の先端を突出させて嵌め、クリ
   ートを梳いて通る櫛の歯が前記操作稈の先端を押し下げ
   て、踏板裏面に設けた検出器を作動させることを特徴と
   したエスカレータの踏段安全装置。