JPH0627117B2 - ジアリールスルホン類の製造方法の改良 - Google Patents

ジアリールスルホン類の製造方法の改良

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JPH0627117B2
JPH0627117B2 JP62505785A JP50578587A JPH0627117B2 JP H0627117 B2 JPH0627117 B2 JP H0627117B2 JP 62505785 A JP62505785 A JP 62505785A JP 50578587 A JP50578587 A JP 50578587A JP H0627117 B2 JPH0627117 B2 JP H0627117B2
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sulfonic acid
acid
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C317/00Sulfones; Sulfoxides

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業状の利用分野〕 本発明は4,4′−ジクロロジフェニルスルホンの改良さ
れた製造方法に関する。
〔従来の技術と発明が解決しようとする課題〕
ジアリールスルホン類はモノ置換ベンゼンをモノ置換ベ
ンゼンスルホン酸と、高温で接触することにより合成さ
れることはよく知られている。又、そのような合成では
一般にスルホン酸の部分的な転換しか達成されず、未反
応のスルホン酸は所望のジアリールスルホン生成物の回
収時に捨てられてしまっていることも知られている。例
えばベンダー(Bender)等による米国特許第25930
01号に於いて、モノクロルベンゼン蒸気とベンゼンス
ルホン酸との向流反応によって、p−モノクロロジフエ
ニエルスルホンを形成することを含む合成方法が記載さ
れている。提唱した方法は良好なる収量であると記載さ
れているが、生じた生成物の混合物はジアリールスルホ
ン生成物とほぼ同じくらいの未反応スルホンを含有して
いる。
ジアリールスルホンを回収する為に、ベンダーは未反応
スルホン酸をおびただしい量の水で洗い流したと言って
いる。この分離方法は、工業的には慣用の方法である。
米国特許第3935237号及び第3946037号に
記載の製法の様に、スルホン酸が主な所望の生成物であ
る製法に於いてさえも、一般的に生成したベンゼンスル
ホン酸のずっと過剰量の大量の水がジアリールスルホン
から、水溶液としてベンゼンスルホン酸を分離する為に
用いられる。しかしながら、そのように大量の水を用い
る場合、スルホン酸はさらにジアリールスルホンを形成
する為には実際には役にたたなくなってしまう。
反応の間、反応媒体が実質的に無水であることが、ジア
リールスルホン類を形成するのに必須である。約1%迄
の量は許容されるが、これよりも実質的に大量の水は、
水の存在が非常に低い反応速度をもたらすので、避ける
のが望ましい。従って慣用のジアリールスルホン回収法
からのスルホン酸の水溶液はその大量の水含量の為追加
の生成物を生成する為に再循環出来ない。
更に、スルホン酸水溶液の脱水は、所望のジアリールス
ルホン生成物を回収する為に用いた大量の水の為に経済
的に不可能であった。それゆえに、これまで未反応スル
ホン酸はベンダーに記載の様に、副生物廃棄物として処
理されてきた。
ジアリールスルホン類の現在の商業的合成法は、一般に
スルホン酸を製造し、次いでスルホン酸を、それが製造
されるとき(例えば米国特許第3701806号及び第
4172852号)あるいはその製造に引き続き(例え
ば英国特許第1572916号)チオニルクロライドを
スルホン酸と共に反応させてスルホニルクロライド誘導
体を形成することによって「捕獲する」。次いで芳香族
スルホニルクロライドを塩化第二鉄触媒の存在下でモノ
置換ベンゼンと反応させると、所望のジアリールスルホ
ンが得られる。ジアリールスルホンを製造するこれらの
方法は商業的運転に対して充分有利であり効率的であ
る。しかしながら、チオニルクロライドは二酸化硫黄、
及び塩化水オフガスとして工程中で失なわれてしまう、
比較的高価な化学物質である。
〔課題を解決する手段〕
本発明は、工程が 式 (式中Xは塩素)のモノクロロベンゼンを 式 (式中、Yは塩素)のp−クロロベンゼンスルホン酸と
接触させることを含み、それにより4,4′−ジクロロジ
フェニルスルホンと、未反応のモノクロロベンゼンスル
ホン酸から成る混合反応生成物を形成するという、4,
4′−ジクロロジフェニルスルホンの製造方法の改良に
関する。
本発明の改良は次の段階からなる。
(a)反応生成物混合物にクロロベンゼンスルホン酸の
水に対する重量比が約1:1と4:1の間となる量の水
を加え、それによって反応生成物混合物中に、未反応の
モノクロロベンゼンスルホン酸を含有するより重い水相
と4,4′−ジクロロジフェニルスルホンを含有するより
軽い有機相を形成し、 (b)より軽い有機相から水相を分離し、 (c)水相を脱水し、それによって未反応の実質的に無
水のモノクロロベンゼンスルホン酸を回収し、 (d)回収した未反応のモノクロロベンゼンスルホン酸
をモノクロロベンゼンと接触させ、それによって追加の
4,4′−ジクロロジフェニルスルホンを形成する。
本発明の改良は未反応モノクロロベンゼンスルホン酸を
最小限量の水と共に回収するので、水性のスルホン酸は
簡単に脱水できて、追加のジアリールスルホンを形成す
る為の反応体として利用できる。本発明によるスルホン
酸の回収と、さらにその転化は、ジアリールスルホン類
の収量を大きく増大させる為の単純かつ効率的な方法で
ある。
4,4′−ジクロロジフェニルスルホンの生成は、液体p
−クロロジフェニルスルホン酸をモノクロロベンゼン蒸
気と連続又は半連続で向流接触させて、4,4′−ジクロ
ロジフェニルスルホンを形成することと一緒に、本発明
改良を用いることにより、特に高められる。
従って本発明は、次の工程からなる。4,4′−ジクロロ
ジフェニルスルホンの改良された製造方法をも又、提供
するものである。
(a)液体p−クロロベンゼンスルホン酸を反応帯域へ
送り、一方、モノクロロベンゼン蒸気をp−クロロベン
ゼンスルホン酸に対して向流で反応帯域へ送って、それ
により4,4′−ジクロロジフェニルスルホンを形成し、 (b)未反応p−クロロベンゼンスルホン酸を4,4′−
ジクロロジフェニルスルホンと共に反応生成物混合物と
して反応帯域から除去し、 (c)反応生成物混合物にクロロベンゼンスルホン酸の
水に対する重量比が約1:1と4:1の間となる量の水
を加え、それによって反応生成物混合物中に、未反応p
−クロロベンゼンスルホン酸を含有するより重い水相
と、4,4′−ジクロロジフェニルスルホンを含有するよ
り軽い有機相を形成し、 (d)より軽い有機相から水相を分離し、 (e)水相を脱水することによって未反応p−クロロベ
ンゼンスルホン酸を回収し、 (f)回収したp−クロロベンゼンスルホン酸と共に段
階(a)を繰返し、 (g)4,4′−ジクロロジフェニルスルホンを回収す
る。
この改良方法に於いては、p−クロロベンゼンスルホン
酸はモノクロロベンゼンとの向流反応に於いて部分的に
転換され4,4′−ジクロロジフェニルスルホンを形成す
る。未転換のスルホン酸は少量の水と共に粗スルホン生
成物から分離され、水性の酸は脱水され次いで追加の4,
4′−ジクロロジフェニルスルホンを形成するため反応
帯域へ戻される。
モノクロロベンゼンとモノクロロベンゼンスルホン酸か
ら4,4′−ジクロロジフェニルスルホンを作る工程は、
本発明による方法改良を取入れることにより、更にぐん
と有効になることが発見された。この方法改良は未反応
スルホン酸を工程から回収し、次いで回収した酸を更に
4,4′−ジクロロジフェニルスルホンへ転化する工程へ
戻して再循環することを包含する。
さらに本発明の方法改良は特に次の段階を包含する。ま
ず最初に未反応スルホン酸を含有する、より重い水相
と、4,4′−ジクロロジフェニルスルホンを含有する、
より軽い有機相とが、4,4′−ジクロロジフェニルスル
ホン合成からの反応生成物混合物中に形成される。水相
は有機相から分離され、次いで脱水され、スルホン酸が
回収される。次に、回収したスルホン酸を追加の4,4′
−ジクロロジフェニルスルホンを造るために再循環させ
る。
一般に、本発明の方法改良は置換スルホン酸が4,4′−
ジクロロジフェニルスルホン類の形成にあたり、充分に
消費されない場合のどの工程にも応用できる。そのよう
な工程は、モノ置換ベンゼンをモノ置換ベンゼンスルホ
ン酸と接触させ、4,4′−ジクロロジフェニルスルホン
を形成することを包含している。これらの工程は二つの
芳香族化合物を一緒に混合するか、あるいはモノ置換ベ
ンゼンスルホン酸を液体モノ置換ベンゼンにスパージン
グ(吹込み)する様なバッチ操作であっても、あるい
は、モノ置換ベンゼン蒸気の液体モノ置換ベンゼンスル
ホン酸との向流反応のような、連続又は半連続の工程で
あってもよい。これらの工程は、例えばその開示を参照
としてここで取入れた米国特許第2953001号に記
載されているか、あるいはそうでなくても、この技術で
良く知られており、それゆえにここで詳細に述べない。
本発明の改良が特に応用できるのは、ボンダー等の米国
特許第2593001号に一般に記載されている。4,
4′−ジクロロジフェニルスルホンを形成する為の、連
続又は半連続の工程であり、その開示を参考にここで取
入れている。工程は、液体p−クロロベンゼンスルホン
酸を反応帯域へ送り、そこへモノクロロベンゼン蒸気を
向流で送ることを包含している。反応帯域に於いて、4,
4′−ジクロロジフェニルスルホンは、次の等式、 によって全体が表される不均質反応によって生成され
る。
ジクロロジフェニルスルホンの異性体の混合物が生成す
るが、所望の4,4′−異性体が主として(一般に>87
%)生成される。液体反応生成物混合物は又、未反応の
クロロベンゼンスルホン酸及びモノクロロベンゼン、な
らびに水及び種々の副生物及び不純物からなる。
本発明の改良によって、未反応クロロベンゼンスルホン
酸を含有するより低い水相と、4,4′−ジクロロジフェ
ニルスルホンを含有する上部相が反応生成物混合物中に
形成される。水相を有機相から分離し、次いで脱水する
とクロロベンゼンスルホン酸が回収される。この回収し
たスルホン酸を次に液体として反応帯域に戻し、4,4′
−ジクロロジフェニルスルホンへ転化する。4,4′−ジ
クロロジフェニルスルホンを、工程が連続又は半連続で
ある慣用の手段で回収する。
4,4′−ジクロロジフェニルスルホンを形成する為の改
良方法は未反応の酸を回収し、脱水し、再循環すること
によりクロロベンゼンスルホン酸の最大転化率を生む。
更に、改良方法は望まないスルホン異性体及び他の副生
物の形成を最小限におさえる。
未反応クロロベンゼンスルホン酸が再循環されない慣用
の工程では、、反応帯域を通過する場合のスルホン酸の
最大転化率が主要な関心事である。転化率を増す為に、
長い保留時間と高い反応温度が使われる。しかしなが
ら、これらの条件も又、かなりのパーセントの望ましく
ないスルホン異性体とその他の副生物を導く。
本発明の改良によって、反応帯域を1回通過する場合の
反応体の転化率を最大にすることは、未反応のクロロベ
ンゼンスルホン酸が更に転化する為に回収、脱水、再循
環するので第一の目的ではない。従って、本発明は望ま
しくない異性体や他の副生物の形成を最小限にした効率
的な転化を提供するより穏やかな反応条件を用いること
を可能にする。
4,4′−ジクロロジフェニルスルホンを形成する本改良
方法に於いて、高い温度で商業的に受入れられる転化率
を提供する為には、一般に約5分間の滞留時間で十分で
ある。約15分〜約50分の好ましい滞留時間では、約
20〜50パーセントのスルホン酸転化を生じる。
反応体が接触する温度は、約180℃の最小反応温度以
上であるかぎり問題ない。しかしながら、望ましくない
異性体とその他の副生物の生成を最小限にする為に、約
190℃〜約240℃の中位の温度が望ましい。
4,4′−ジクロロジフェニルスルホンを形成するための
モノクロロベンゼンとクロロベンゼンスルホン酸間の反
応は吸熱反応である。加熱ジャケット、その他の慣用の
装置と方法が反応帯域へ熱を送る為に用いられる。更に
便利な方法は気化したモノクロロベンゼン、又はクロロ
ベンゼンスルホン酸と共に熱を供給することである。従
って、モノクロロベンゼン蒸気が約220〜約250℃
の温度まで過加熱されていることが好ましい。また液体
クロロベンゼンスルホン酸が約200〜約220℃の温
度に予備加熱されることも好ましい。
向流方法に於いて、反応中に生じた水を、反応帯域から
取除く為の共沸剤として働く様に、モノクロロベンゼン
を過剰量用いることは更に好ましい。先に示した様に、
反応帯域中での水の存在は形成される4,4′−ジクロロ
ジフェニルスルホンの量を非常に減少させる。一般にモ
ノクロロベンゼンの4〜12モル過剰が反応帯域から水
を充分にとり除くのに充分である。モノクロロベンゼン
の好ましい量はクロロベンゼンスルホン酸モル当り約5
〜約8モルである。
共沸する水と共に、反応帯域から蒸気として出る過剰の
モノクロロベンゼンは一般に少量のクロロベンゼンスル
ホン酸と、4,4′−ジクロロジフェニルスルホンも又含
有するであろう。慣用の工程では蒸気は凝縮され、水は
傾斜によるかあるいは同様の手段で除去され、モノクロ
ロベンゼンを回収し、これは更に転化する為に再循環出
来る。
しかしながら、本発明の改良を更に有利に行なうには、
回収したクロロベンゼンスルホン酸の脱水に、出てきた
モノクロロベンゼン蒸気を共沸剤として更に用いること
が望ましい。蒸気中に存在するクロロベンゼンスルホン
酸及び4,4′−ジクロロジフェニルスルホンの両者が脱
水中に回収されるので、本発明の脱水段階で、出てきた
蒸気を用いることは工程の収量を更に高める。
本発明の向流方法は、特に4,4′−ジクロロジフェニル
スルホンの製造に関するが、この向流方法は種々のその
他のジアリールスルホン類の製造にも又、応用できる。
この工程で形成されるジアリールスルホン生成物はモノ
置換ジアリールスルホン、ポリ置換ジアリールスルホン
又はそれらの混合物のいずれかである。もちろん、その
工程で形成される特定のジアリールスルホンまたは複数
種のジアリールスルホン類が何であるかはモノ置換ベン
ゼンスルホン酸とモノ置換ベンゼン反応体による。
ジクロロジフェニルスルホンの形成に於いて、モノクロ
ロベンゼン反応体は、式 (式中Xはクロロ)で表される。
ジクロロジフェニルスルホン類の形成に於ける、別の反
応体は 式 (式中、Yはクロロ)を持つp−クロロベンゼンスルホ
ン酸である。
p−クロロベンゼンスルホン酸反応体は実質上、無水物
であるべきである。p−クロロベンゼンスルホン酸類は
購入出来、又は米国特許第3935237号及び第39
46037号に記載される様な慣用の方法によって造ら
れてもよい。しかしながら、大量の水を含有する水溶液
中で造られるスルホン酸の回収は、慣用方法の様に、そ
してこれらの参考文献で述べられているように、スルホ
ン酸の水溶液のその後の脱水は経済的に魅力がないので
行なわないのが好ましい。
そのかわりに、本発明の改良をなす回収及び脱水方法段
階は無水反応物を得る為のp−クロロベンゼンスルホン
酸の製造と関連して用いることが好ましい。
無水のスルホン酸反応体を得る特に都合のよい方法は、
慣用の合成方法から造られた、スルホン酸生成物混合物
をジクロロジフェニルスルホン工程の反応生成物混合物
へ加え、その後本発明の方法改良によって、一緒にした
“新しい”そして未反応のp−クロロベンゼンスルホン
酸を同時に回収し脱水することである。
例えば、クロロベンゼンスルホン酸反応体を造る為の特
に都合のよい好ましい方法は、モノクロロベンゼンを三
酸化硫黄でスルホン化することによる。全反応は次の等
式によって表わされる。
反応は急速で、発熱性で、本質的に定量的である。約8
0モルパーセントのクロロベンゼンスルホン酸と等モル
量のジクロロジフェニルスルホンと硫酸が形成される。
クロロベンゼンスルホン酸はほとんど独占的に(一般に
>96%)バラ異性体である。ジアリールスルホンは約
96%が4,4′−ジクロロジフェニルスルホンである異
性体の混合物である。
クロロベンゼンスルホン酸のこの形式に於いて、モノク
ロロベンゼンは反応の媒体として、及び生じるクロロベ
ンゼンスルホン酸の溶媒として働くために過剰量で用い
るのが好ましい。モノクロロベンゼンの好ましい量は三
酸化硫黄のモル当り約2〜約3モルである。通常三酸化
硫黄は「サフファン(Sulfan)」として知られ
ている環状三量体型の様な安定な型で用いられていつ。
スルホン化反応の温度は臨界的でなく、約−20〜約2
30℃の範囲にあるのがよく、一方、反応混合物を穏や
かな(中程度の)温度、例えば約30〜70℃で保持す
るのが好ましい。p−クロロベンゼンスルホン酸溶液
を、ジアリールスルホン反応生成物混合物へ加える前に
相分離を達成すのに、冷凍の必要がないよう穏やかな温
度が望ましい。温度は、熱交換器の様な慣用の手段によ
って、あるいは三酸化硫黄がモノクロロベンゼンに加え
られる速度を制御することによって保持され得る。
本発明の改良により、未反応モノクロロベンゼンスルホ
ン酸は、モノクロロベンゼンスルホン酸の量よりも少な
い量の水を使った水相の分離により、ジクロロジフェニ
ルスルホン生成物混合物から回収される。回収は、水:
モノクロロベンゼンスルホン酸の重量比を1:1より小
さくすると、二つの相が生じ、それらの比重が充分異な
るので、モノクロロベンゼンスルホン酸を含有するより
重い水相が、ジクロロジフェニルスルホンを含有するよ
り軽い有機相からたまやすく分離できる。用いられ得る
正確なモノクロロベンゼンスルホン酸:水比はもちろん
相分離が行なわれる温度による。しかし、一般に水性モ
ノクロロベンゼンスルホン酸相の比重が、有機スルホン
相の比重よりも、いくぶん大きく、好ましくは少なくと
も10パーセント大きいような比である。
約70〜約80℃の好ましい分離温度で、約1:1〜約
4:1間にあるクロロベンゼンスルホン酸:水の重量比
が効果的な相分離が生じることが分った。4:1よりも
かなり高い比では効果的な相分離得られない。同じく0.
5:1未満の重量比では効果的な相分離は得られない
し、更に水の量が増加すると転相がおこる。先に記載し
た様に、スルホンを製造するに当り、後で使用前にクロ
ロベンゼンスルホン酸から水を取除かねばならないの
で、過度の水量は望ましくない。好ましい、クロロベン
ゼンスルホン酸:水の重量比は約2:1〜3:1の間に
ある。
本発明の方法改良で、水相の分離が約70〜80℃の間
の温度で行なわれるのが好ましいけれども、温度は分離
溶液の凝固点から沸点間のどこの温度であってもよい。
しかしながら、低温と高温のいずれにおいても効果的な
相分離はますます困難になり、ついには実際的ではない
程効率が悪くなる。
加えられるべき水の量を決定する為に、抽出混合物のク
ロロベンゼンスルホン酸含量を例えば水酸化ナトリウム
溶液でサンプルを滴定することにより定量することがで
きる。一般に硫酸は非常に少量でしか存在しないので定
量するに当り無視できる。水:クロロベンゼンスルホン
酸比を測定する更に都合のよい方法は、水が加えられる
とき水性混合物の導電度をモニターすることである。こ
こでも硫酸は非常に少量でしか存在しないので測定に余
り干渉しない。
本発明の改良に於いて有機溶媒も相分離を起こす為に用
いられている。有機溶媒はジクロロジフェニルスルホン
を溶かし、相分離の有機相を形成する。適当な有機溶媒
は、特にジクロロジフェニルスルホンを溶かすが認め得
るほど水混和性でないものである。代表的な有機溶媒は
ベンゼン、モノクロロベンゼン、トルエン、それらの混
合物等を包含する。未反応モノ置換ベンゼンは一般にジ
アリールスルホン反応生成物混合物中に存在するので、
有機溶媒として用いることは最も都合がよく、例えばジ
クロロジフェニルスルホンの場合はクロロベンゼンであ
る。
少なくとも分離温度でジクロロジフェニルスルホンすべ
てを溶かす為に充分な有機溶媒の量が用いられる。一般
に、存在するジクロロジフェニルスルホンの量の1.5〜
2倍重量の有機溶媒で充分である。有機溶媒の過剰量は
多ければ多い程良いというものでなく、ジクロロジフェ
ニルスルホンのその後の回収を妨げるかもしれない。
もし、反応生成物混合物の組織が必要なパラメーターの
範囲内でなければ、更に水、有機溶媒、及び/又はモノ
クロロベンゼンスルホン酸が、相分離を達成する為に必
要に応じて加えられる。
水相分離を形成した後、より低い、水性のモノクロロベ
ンゼンスルホン酸層が傾斜の様な、慣用の方法、あるい
は同様の手段で溶液から分離される。
残された有機相は一般にスルホン酸の少量部を含有した
ままである。ジクロロジフェニルスルホンを回収する前
に、粗生成物は通常中和される。この様に、もし有機ス
ルホン生成物溶液からスルホン酸を抽出する試みをしな
かったら、残されたスルホン酸は失われてしまう。
従って、粗生成物溶液からのモノクロロベンゼンスルホ
ン酸の抽出を実際に可能な限り完全に達成することが好
ましい。ここで、第二の層分離を行なう為に有機溶液に
水を添加するのが好ましい。この第二の相分離の水の量
は臨界的ではない。もし過剰の水を用いれば、相の逆転
が起り、水性希スルホン酸が溶液の頂部へあがる。過剰
の水は、再循環出来、その後に続く最初の相分離の形成
に用いられるので、ここでは有害ではない。しかし使う
水の量は、普通スルホン酸回収の最初の水相の分離に使
用するのに望ましい量を超えるべきでない。もちろん、
最初のスルホン酸回収におけるような方法で相分離を実
施する為に、もっと限られた量の水を使用でき、そのと
きは生じたより低い水性の酸相を、再循環し、又は脱水
器へ送ることが出来る。
ジクロロジフェニルスルホンが結晶化、液化、あるいは
同様の手段の様な適当な手段によって回収されるのはこ
の第二の分離の有機性のラフィネートからである。
同様に、一般に最初の分離からの水性のスルホン酸相
は、少量のジクロロジフェニルスルホンを含有したまま
である。スルホン酸中のスルホンの存在は脱水及びその
後のスルホン酸の反応に於いて明らかな有害な効果はな
いけれども、ジクロロジフェニルスルホンそれ自身がそ
れらの方法段階中に分解して、望ましくない異性体型の
スルホン組成物を生じてしまう。従って、一般にモノク
ロロベンゼンスルホン酸を脱水し、再循環する前に第二
の相分離によってジクロロジフェニルスルホン含量を減
少させることが望ましい。
水性のスルホン酸の第二の相分離はそれらに有機溶媒を
加えることによって都合よく実施される。ここでは、有
機溶媒の量は大部分のスルホンを抽出するのに充分でな
ければならないという以外は臨界的ではない。しかしな
がら、有機溶媒の過剰量は更に利益をもたらさないし、
溶媒からのジクロロジフェニルスルホンの回収を妨げる
かもしれない。生じた有機スルホン相を水性のスルホン
酸から分離した後、ジクロロジフェニルスルホンを回収
するか、あるいは好ましくは、溶液全体をジクロロジフ
ェニルスルホン反応生成物混合物のその後の最初の水相
の分離の為に再循環する。
相分離からの水性モノクロロベンゼンスルホン酸抽出液
を脱水してモノクロロベンゼンスルホン酸を回収し、こ
れは更にジクロロジフェニルスルホンを形成する為の反
応体として用いる為に十分無水である。前に述べたよう
に、ジクロロジフェニルスルホンの合成は、生成物の形
成に重大な好ましくない結果を与えることなく、一般に
約1重量パーセントまでの水が存在しうる。従ってモノ
クロロベンゼンスルホン酸は、実質的に無水、好ましく
は1重量パーセントより少ない水含量まで脱水する。
脱水は適当な手段により成し遂げられるが、共沸剤での
共沸蒸留が望ましい。共沸剤としては、ベンゼン、トル
エン、それらの混合物等の様な水と混和しない有機の液
体が用いられる。特に都合のよい共沸剤はジクロロジフ
ェニルスルホン合成に於いては共反応物であるモノ置換
ベンゼン、例えばジクロロジフェニルスルホンの場合は
クロロベンゼンである。そのような物質を使うと、更に
ジクロロジフェニルスルホンを形成する再循環の前にモ
ノクロロベンゼンスルホン酸から共沸剤を取除く必要性
が全くなくなる。
水性のクロロベンゼンスルホン酸の脱水は脱水の間にあ
う比較的高い凝固点の為複雑になるだろう。高い水含量
のスルホン酸溶液は0〜30℃の凝固点を持っている。
しかしながら、低い水濃度では、一水和物が形成され、
これはかなり高い凝固点を持つ。例えば、8.5%の水含
量で水性のクロロベンゼンスルホン酸は約101℃の凝
固点を持つ。
従って、特にスルホン酸がより無水になるにつれ、後の
段階で脱水の間の一水和物の形成は、脱水の運転条件を
支配する。即ち、共沸剤又は真空を利用して、スルホン
酸水溶液の沸点をその高い凝固点よりも上に引上げなけ
ればならない。
しかしながら、高い温度はモノクロロベンゼンスルホン
酸の加水分解を導く。加水分解から生じた硫酸は反応し
て再びスルホン酸を形成するけれども、このような再形
成が望ましくない異性体の増加を導いてしまうので、加
水分解反応は極めて望ましくない。
例えば、硫酸からのクロロベンゼンスルホン酸の再形成
は、モノクロロベンゼンの三酸化硫黄でのスルホン化の
場合ほど、異性体特異性がなく、従って加水分解はより
多量のメタクロロベンゼンスルホン酸の生成を導いてし
まう。更にパラクロロベンゼンスルホン酸はメタクロロ
ベンゼンスルホン酸よりも二倍も容易に加水分解してし
まう。この様に、加水分解はスルホン酸の異性体比を不
都合にかえてしまい、結局、望ましくないジクロロジフ
ェニルスルホン異性体類の形成を高めてしまう。
加水分解を最小限にする為に、脱水の温度はできるだけ
低く保つが、かなりの脱水率は達成しなくてはならな
い。クロロベンゼンスルホン酸の場合、脱水温度は約1
50〜約180℃が好ましい。
エネルギーを保存する為に、向流ジクロロジフェニルス
ルホン方法を用いる場合、共沸脱水は、共沸剤として反
応器からのモノ置換ベンゼン蒸気流を用いることにより
達成される。更にこの過加熱された流の熱含量を用いる
ほか、脱水中に共沸する酸とジクロロジフェニルスルホ
ンを蒸気流から取除く。次いで脱水器からの共沸剤は更
にジクロロジフェニルスルホンを形成する為の反応体と
して再利用できる。
脱水した無水スルホン酸は、モノ置換ベンゼン反応体と
反応させて、追加のジクロロジフェニルスルホンを得
る。
次の実施例は、本発見の種々の面を説明する為に提供す
る。それらは本発明の範囲を限定するものではなく、む
しろ、当業者の本発明の実施を容易にする為に与えられ
る。
実施例1 次はクロロベンゼンスルホン酸を製造する例である。3
00ポンド(約136.2kg)のモノクロロベンゼンを外部
冷却ループを装備したジャケット付50ガロンガラスラ
イニングタンクに充てんした。タンクをジャケット上の
調節水で70℃に保った。次いで、100ポンド(約4
5.4kg)の三酸化硫黄を45分間にわたり加えた。過剰
のモノクロロベンゼンは溶媒としての役割をなした。
典型的生成物の分析は重量を基に次の通りである。
クロロベンゼンスルホン酸 48.1% 硫酸 3.1% ジクロロジフェニルスルホン 9.0% モノクロロベンゼン 39.8% 実施例2 この実施例はモノクロロベンゼンをクロロベンゼンスル
ホン酸と向流反応させ、4,4′−ジクロロジフェニルス
ルホンを形成することを例示する。
反応器系は直列に連結した2本の4インチx12フィー
ト(約10cmx約366cm)の充填カラムからなる。充
填物は1.5インチ(約3.18cm)のセラミックのインタロ
クス(lntalox)サドルであった。カラムは自動記録さ
れ、反応温度の熱い油を循環して加熱した。
クロロベンゼンスルホン酸(CBSA)仕込流を実施例
1の様に準備し、160℃まで予め加熱した。仕込物は
上部の反応器の頂部より入れ、上部の反応器から下部の
反応器の頂部までシール(パイプループ)を通して流れ
た。
250℃に過熱したモノクロロベンゼン(MCB)を各
反応器の底部へ個々に定量して入れた。モノクロロベン
ゼン蒸気は反応器を上方へ上り、各反応器の頂部で出て
いった。
粗反応生成物が下部反応器からタンクへ流れ出た。
反応器は本質的に断熱的に運転され、わずかな吸熱反応
の熱源として過熱したモノクロロベンゼンを用いた。結
果として上部反応器では、温度が頂部で約210℃、カ
ラムの中ほどよりわずかに上が約225℃、底部で約2
35℃であった。下部反応器では、温度はその頂部で2
15℃、底部で237℃であった。
この方法は11日間にわたり連続して行なわれた。仕込
速度、及びこの方法の反応器からの生成速度及び組成を
表Iに示している。本実施例及び続く実施例の全てのパ
ーセントは重量によるものである。
実施例3 クロロベンゼンスルホン酸の4,4′−ジクロロジフェニ
ルスルホンからの、水相分離を本実施例で示す。実施例
1で準備された、クロロベンゼンスルホン酸の補給流れ
をタンクへ送り、そこでそれを希モノクロロベンゼン及
び実施例2からの反応器の生成物の流れと混合した。
タンクに据え付けられた水冷却熱交換器が混合物を70℃
で冷却、保持した。、抽出器への仕込流である本生成物
混合物の組成を表IIに示す。
その後、1N NaOH溶液で滴定して決める(クロロベンゼ
ンスルホン酸:水)の重量比を2.0〜2.5に保持できるよ
うな量の水を加えた(少量のH2SO4は無視)。次いで混
合物はデカンターへ送られた。
次に、最初の抽出からの水性のクロロベンゼンスルホン
酸抽出液から、ジクロロジフェニルスルホンを取除く為
第二の抽出を行なった。8段の4-インチRDCカラムを
用いた。
モノクロロベンゼンを抽出器の底部へ定量して入れ、こ
れは連続相を示した。水性のクロロベンゼンスルホン酸
を頂部から導入し、ローターにより分散させた。界面が
制御された。生じたラフィネートの組成を表IIIに示
す。
又クロロベンゼンスルホン酸の損失を最小限にする為に
最初の抽出からのモノクロロベンゼン−ジクロロジフェ
ニルスルホンラフィネートから、クロロベンゼンスルホ
ン酸及び硫酸を抽出する為にも第二の抽出が行なわれ
た。
8段の4インチRDCカラムを使った。連続相の水は底
部から加え、頂部の水準制御装置により水の流量を調節
した。標準水準以上には水オーバーフローを設けた。最
初の抽出からの有機相はカラムの頂部へ重力により供給
され、ローターにより分散された。
定期的に生成物サンプルを取りだし、等容量の脱水イオ
ン水と混合した。次いで水相のpHを測定すると粗生成物
溶液のクロロベンゼンスルホン酸含量の見積もりが得ら
れた。水相のpHは2.5〜3.5の範囲にあり、生成物の流れ
のなかの600〜60ppmのクロロベンゼンスルホン酸
含量を示した。
この第二の抽出の結果を表IVに示す。
実施例4〜14 4,4′−ジクロロジフェニルスルホン混合物からのクロ
ロベンゼンスルホン酸の抽出も実験室で行なった。表V
はそれらの実施例の結果を示している。
実施例15 水性のクロロベンゼンスルホン酸の脱水を説明すると、
表IIIで示したようにに、実施例3の第二の抽出からの
抽出液を、20ガロンガラスライニングタンク、循環ポ
ンプ、熱交換器及び6インチパイレックス(Pyre
x)ガラスカラムから成る単段脱水器で脱水した。カラ
ムは仕込部により分離された2つの30インチの充填さ
れた区分〔1.5インチ インタロックス(lntalox)サド
ル〕から成る。
開始時に脱水器にモノクロロベンゼンを充填し、沸点ま
で加熱した。水性のクロロベンゼンスルホン酸抽出物と
共沸剤としてのモノクロロベンゼンを大気圧でガラスラ
イニング容器とカラムの間の蒸気管を経て導入した。水
を除去し、底部にあるクロロベンゼンスルホン酸の濃度
を上げると、温度が増加した。温度が120℃に達した
とき、100mmHg圧に達するようゆっくりと真空にし
た。真空になると、セミバッチ式操作を温度が150℃
に達するまで続けた。
次いで、脱水器は、水性のクロロベンゼンスルホン酸抽
出物(57%クロロベンゼンスルホン酸)を約36ポン
ド/時間(約16kg/時間)の速度で仕込み、モノクロ
ロベンゼン共沸剤を90ポンド/時で仕込み、モノクロ
ロベンゼン還流液(カラムの頂部まで)を約5ポンド/
時間で仕込むように操作した。これらの条件下で、約1
1ポンド(約5kg)の水を1時間あたり除去し、モノク
ロロベンゼンオーバーヘッド蒸気を約145ポンド/時
間で除去した。1時間当り約25ポンド(約11kg)の
85%クロロベンゼンスルホン酸を製造した。
実施例16 反応器へのクロロベンゼンスルホン酸再循環仕込物中で
のより低い水含有量を達成する為に、実施例15で記載
した脱水器の前に、予備脱水器を据え付けた以外は、実
施例15の工程を繰返した。
予備脱水器は供給部により分離された2つの24インチ
の充填された区分を持つ6インチの蒸留カラムである。
予備脱水器は大気圧で操作した。加水分解を最小限にす
る為に、140℃の底部温度を用いた。カラムへの副仕
込を、ストリッピング区域での脱水を高める為に用い
た。クロロベンゼンスルホン酸抽出物を約35ポンド/
時間の速度で仕込んだ。
モノクロロベンゼン共沸剤の流速は約90ポンド/時間
で、これはカラムの頂部で110℃の大気圧での沸点を
持つモノクロロベンゼン一水組成物を提供した。このこ
とはカラム内の温度がクロロベンゼンスルホン酸一水和
物の凝固点以上であることを確実にした。モノクロロベ
ンゼン還流液を約45ポンド/時で、脱水器の頂部へ仕
込んだ。
予備脱水器の釜残を実施例15の脱水器のカラムの中間
へ供給した。この物質の凝固点は水和物(充分に脱水さ
れているもの)よりも低く、無水クロロベンゼンスルホ
ン酸の融点(63℃)よりも上であった。
脱水器の底部の温度を280℃にセットして、圧力を4
00mmHgとした。モノクロロベンゼン共沸剤の流速を約
90ポンド/時とし、還流液流速を約15ポンド/時と
した。
予備脱水器で、仕込器の水濃度を25%〜約5%に減少
させた。脱水器で更に水の含有量を0.5%未満にした。
実質的に無水のクロロベンゼンスルホン酸が25ポンド
/時の速度で造られた。
実施例1、2、3、及び16の連続11日間の方法運転
に基づき、本発明の改良を用いた工程の効率が、使った
三酸化硫黄の量に基づき計算された。表VIIIに示したよ
うに、11日間の運転で平均して97.7%の効率が得られ
た。更に生成したスルホンの87〜89%が4,4′−ジ
クロロジフェニルスルホンであった。
実施例17 この実施例は4,4′−ジクロロジフェニルスルホンから
モノクロロベンゼンスルホン酸を分離する上でモノクロ
ロベンゼンスルホン酸の水に対する4:1から1:1の
重量比を使用することの重要性を説明する。実施例1の
クロロベンゼンスルホン酸の補充流れ、希釈物モノクロ
ロベンゼン及び実施例3中に記載した実施例2の反応器
生成物流を一緒にすることによって形成される仕込原料
と似せた、2.4重量%のスルホン酸、34.6重量%のクロ
ロベンゼンスルホン酸、22.5重量%の4,4′−ジクロロ
ジフェニルスルホン及び40.5%のモノクロロベンゼンか
らなる仕込組成物を表IXに記載したように70℃又は80℃
で水と接触させた。水相と有機相の比重も表IXに記録し
た。
上のデータは明らかに、4,4′−ジクロロジフェニルス
ルホンの上層の有機相から下層の水相中のクロロベンゼ
ンスルホン酸をきれいに分離するのに、クロロベンゼン
スルホン酸の水に対する4:1から1:1の重量比が必
要であることを示している。クロロベンゼンスルホン酸
の水に対する重量比が4:1を越えるときは(例えば
5:1)、相の分離が生じない。クロロベンゼンスルホ
ン酸の水に対する重量比が1:1に満たないときは(例
えば1:2)、有機相は水相より重く、生成物の4,4′
−ジクロロジフェニルスルホンは下層にある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リーチル,ウォルター トーマス アメリカ合衆国 07060 ニュージャージ ー州 サマーセット マウンテン アベニ ュー 158 (56)参考文献 米国特許2556429(US,A)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モノクロロベンゼンをp−クロロベンゼン
    スルホン酸と接触させ、少なくとも1つのジアリールス
    ルホンと未反応クロロベンゼンスルホン酸とから成る反
    応生成物混合物を形成することから成る、4,4′−ジク
    ロロジフェニルスルホンの製法に於いて、 (a)上記反応生成物混合物にクロロベンゼンスルホン
    酸の水に対する重量比が約1:1と4:1の間となる量
    の水を加え、それによって反応生成物混合物中に、未反
    応のモノクロロベンゼンスルホン酸を含有するより重い
    水相と4,4′−ジクロロジフエニルスルホンを含有する
    より軽い有機相を形成し、 (b)より軽い有機相から水相を分離し、 (c)水相を脱水し、それによって未反応の実質的に無
    水のクロロベンゼンスルホン酸を回収し、 (d)回収した未反応のクロロベンゼンスルホン酸をモ
    ノクロロベンゼンと接触させ、それによって追加の4,
    4′−ジクロロジフェニルスルホンを形成する、 以上(a)〜(d)の段階からなる製法。
  2. 【請求項2】クロロベンゼンスルホン酸対水の比が約
    2:1〜3:1間にある特許請求の範囲第1項に記載の
    製法。
  3. 【請求項3】(a)液体p−クロロベンゼンスルホン酸
    を反応帯域へ送り、一方、モノクロロベンゼン蒸気をp
    −クロロベンゼンスルホン酸に対して向流で反応帯域へ
    送って、それにより4,4′−ジクロロジフェニルスルホ
    ンを形成し、 (b)未反応p−クロロベンゼンスルホン酸を4,4′−
    ジクロロジフェニルスルホンと共に反応生成物混合物と
    して反応帯域から除去し、 (c)反応生成物混合物にクロロベンゼンスルホン酸の
    水に対する重量比が約1:1と4:1の間となる量の水
    を加え、それによって反応生成物混合物中に、未反応p
    −クロロベンゼンスルホン酸を含有するより重い水相
    と、4,4′−ジクロロジフェニルスルホンを含有するよ
    り軽い有機相を形成し、 (d)より軽い有機相から水相を分離し、 (e)水相を脱水することによって未反応p−クロロベ
    ンゼンスルホン酸を回収し、 (f)回収したp−クロロベンゼンスルホン酸と共に段
    階(a)を繰返し、 (g)4,4′−ジクロロジフェニルスルホンを回収す
    る、 以上(a)〜(g)から成る4,4′−ジクロロジフェニ
    ルスルホンの製法。
  4. 【請求項4】クロロベンゼンスルホン酸対水の比が約
    2:1〜3:1の間にある特許請求の範囲第3項に記載
    の製法。
  5. 【請求項5】(a)三酸化硫黄を含むスルホン化剤を過
    剰のモノクロロベンゼンと反応させて、モノクロロベン
    ゼン連行剤と共に、主としてp−クロロベンゼンスルホ
    ン酸を含有する生成物混合物を形成し、 (b)上記p−クロロベンゼンスルホン酸生成物混合物
    の一部を反応帯域中に送り、一方モノクロロベンゼン蒸
    気をp−クロロベンゼンスルホン酸に対して向流で通過
    させ、それによって主として4,4′−ジクロロジフェニ
    ルスルホンを形成し、 (c)未反応モノ置換ベンゼン蒸気を反応帯域から回収
    し、 (d)4,4′−ジクロロジフェニルスルホンと共に未反
    応p−クロロベンゼンスルホン酸を反応帯域から反応生
    成物混合物として取除き、 (e)(i)p−クロロベンゼンスルホン酸混合物の一部
    及び(ii)水を、クロロベンゼンスルホン酸の水に対する
    重量比が約1:1と4:1の間となる量で、反応生成物
    混合物へ加え、反応生成物混合物中に、p−クロロベン
    ゼンスルホン酸を含有するより重い水相と、モノクロロ
    ベンゼンと共に4,4′−ジクロロジフェニルスルホンを
    含有するより軽い有機相を形成し、 (f)より軽い有機相から水相を分離し、 (g)有機相から4,4′−ジクロロジフェニルスルホン
    を回収し、 (h)回収したモノクロロベンゼン蒸気を連行剤とし
    て、共沸蒸留により水相を脱水し、それによって未反応
    の実質的に無水のp−クロロベンゼンスルホン酸を回収
    し、 (i)回収した未反応p−クロロベンゼンスルホン酸を
    反応帯域へ送り、一方、モノクロロベンゼンをp−クロ
    ロベンゼンスルホン酸に対して向流で通し、更に4,4′
    −ジクロロジフェニルスルホンを形成する、 以上(a)〜(i)から成る4,4′−ジクロロジフェニ
    ルスルホンの製法。
  6. 【請求項6】4,4′−ジクロロジフェニルスルホンがモ
    ノクロロベンゼン中に溶解する量で、液体モノクロロベ
    ンゼンを反応生成物混合物中に加えることを段階(e)
    が含む特許請求の範囲第5項に記載の製法。
  7. 【請求項7】(a)液体のp−クロロベンゼンスルホン
    酸を反応帯域中でモノクロロベンゼンと反応させ、それ
    によって4,4′−ジクロロジフェニルスルホンを形成
    し、 (b)反応帯域から、4,4′−ジクロロジフェニルスル
    ホンと共に未反応のp−クロロベンゼンスルホン酸を、
    反応生成物混合物として除き、 (c)三酸化硫黄を含むスルホン化剤を過剰のモノクロ
    ロベンゼンと反応させて、モノクロロベンゼン連行剤と
    共に、主としてp−クロロベンゼンスルホン酸を含有す
    る生成物混合物を形成し、 (d)段階(b)で形成した4,4′−ジクロロジフェニ
    ルスルホンと段階(c)で形成したp−クロロベンゼン
    スルホン酸生成物混合物とを一緒にし、 (e)水性組成物中のp−クロロベンゼンスルホン酸の
    水に対する重量比が1:1から4:1である、段階
    (d)の組成物を含んでいる水性組成物を形成して、p
    −クロロベンゼンスルホン酸を含有するより重い水相
    と、4,4′−ジクロロジフェニルスルホンを含有するよ
    り軽い有機相を形成し、 (f)より軽い有機相から水相を分離し、 (g)水相を脱水し、それによって未反応の実質的に無
    水のクロロベンゼンスルホン酸を回収し、そして (h)回収した未反応クロロベンゼンスルホン酸をモノ
    クロロベンゼンと接触し、更に4,4′−ジクロロジフェ
    ニルスルホンを形成する、 以上(a)〜(h)から成る4,4′−ジクロロジフェニ
    ルスルホンの製法。
  8. 【請求項8】段階(a)に於いて、液体p−クロロベン
    ゼンスルホン酸とモノクロロベンゼン蒸気が反応帯域中
    を向流で通過される特許請求の範囲第7項に記載の製
    法。
  9. 【請求項9】段階(e)の水が段階(d)の組成物に加
    えられる特許請求の範囲第7項に記載の製法。
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