JPS643175B2 - - Google Patents

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JPS643175B2
JPS643175B2 JP16985882A JP16985882A JPS643175B2 JP S643175 B2 JPS643175 B2 JP S643175B2 JP 16985882 A JP16985882 A JP 16985882A JP 16985882 A JP16985882 A JP 16985882A JP S643175 B2 JPS643175 B2 JP S643175B2
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JP
Japan
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bpa
phenol
phoh
reaction
tank
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JP16985882A
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JPS5962542A (ja
Inventor
Fujinao Matsunaga
Tadahiko Nishimura
Etsuo Myake
Kyotaka Baba
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MITSUI SEKYU KAGAKU KOGYO KK
PPONSHU KAGAKU KOGYO KK
Original Assignee
MITSUI SEKYU KAGAKU KOGYO KK
PPONSHU KAGAKU KOGYO KK
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Publication date
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Priority to US06/536,029 priority patent/US4517387A/en
Priority to DE8383305974T priority patent/DE3378576D1/de
Priority to EP83305974A priority patent/EP0112615B1/en
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Publication of JPS643175B2 publication Critical patent/JPS643175B2/ja
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、精製2,2―ビス(4―ヒドロキシ
フエニル)プロパン(以下、p,p′―BPAと略
記する)のフエノール付加物(以下、p,p′―
BPA.PhOHと略記する)の製造方法に関する。
更に詳しくは、フエノール及びアセトンを塩酸含
有触媒の存在下に反応させることにより生成する
スラリー性反応混合物から、高沸点副生物及び着
色性副生物などの副生物の含有率が少ない精製
p,p′―BPA・PhOHを製造する方法を提供する
ものである。更には、高品質のp,p′―BPAを
製造することのできる精製p,p′―BPA・PhOH
を製造する方法を提供するものである。 p,p′―BPAはポリカーボネート又はエポキ
シ樹脂などの原料として従来から使用されてい
る。これらの樹脂の用途及び需要が拡大するにつ
れて高品質の樹脂が要求されるようになり、その
結果これらの樹脂原料であるp,p′―BPAに対
しても高純度でかつ色相の良好な高品質の製品が
要求されるようになつている。特に、高品質のポ
リカーボネート用の原料のp,p′―BPAは高品
質であること、例えば純度が99.9%以上でありか
つ溶融色相が30APHA以下である高品質のp,
p′―BPAが要求されている。しかも、このよう
な高品質のp,p′―BPAを合理的にかつ経済的
に製造することも要求されている。これらの要求
を満たしたp,p′―BPAを製造するためには、
原料のフエノール及びアセトンを反応させる際に
1回の接触により高い変化率で反応させ、かつ反
応した原料に対して選択的にp,p′―BPAを生
成させることが必要であり、また生成したp,
p′―BPAは容易な方法で精製できることが必要
であり、更に最終的に得られるp,p′―BPAが
高品質で高収率でありかつ低コストであることが
要求されている。 ところで、フエノールとアセトンとを反応させ
る際に低変化率、例えばアセトンの変化率が55%
以下である場合には生成したp,p′―BPAは反
応混合物に完全に溶解しており反応系中の触媒を
除いた反応混合物は均一相である。しかし、この
ように低い変化率で反応を行つても経済的にp,
p′―BPAを製造することはできず、前記要求を
満たすことはできない。この欠点を改善するため
にアセトンに対してフエノールを過剰に使用して
アセトンの変化率を上げて反応を行うと、p,
p′―BPAはフエノール付加物の結晶として晶出
し、反応混合物はスラリー性反応混合物を形成す
るようになる。また、この反応においては、いず
れの場合にも目的とするp,p′―BPA・PhOHの
ほかに、2―(2―ヒドロキシフエニル)―2―
(4―ヒドロキシフエニル)プロパン(以下、o,
p′―BPAと略記する)、2,2―ビス(2―ヒド
ロキシフエニル)プロパン(以下、o,o′―
BPAと略記する)などの異性体副生物;4―
(4―ヒドロキシフエニル)―2,2,4―トリ
メチルクロマン(以下、共2量体と略記する)、
2,4―ビス(α,α―ジメチル―4―ヒドロキ
シベンジル)フエノール(以下、BPXと略記す
る)、2―(2―ヒドロキシフエニル)―2,4,
4―トリメチルクロマン(以下、o―2量体と略
記する)、5―ヒドロキシ―3―(4―ヒドロキ
シフエニル)―1,1,3―トリメチルインダン
(以下、IPEP環式2量体と略記する)、2,4―
ビス(4―ヒドロキシフエニル)―4―メチル―
1―ペンテン(以下、IPEP線状2量体と略記す
る)などの高沸点副生物;構造不明の着色性副生
物などの副生物が生成し、これらの副生物は分別
されたp,p′―BPA・PhOHの結晶中にも混入し
てくるので、高品質のp,p′―BPA・PhOHは得
られない。更に、この反応を酸性触媒として塩酸
を使用して行つた場合には、分別されたp,p′―
BPA・PhOHの結晶中には前記副生物不純物の
ほかに塩化水素又は塩酸が含まれており、このよ
うな粗p,p′―BPA・PhOHから高品質のp,
p′―BPAを選択的にかつ高収率で得ることはで
きない。例えば、このような副生物不純物及び前
記酸性触媒を含有する粗p,p′―BPA・PhOHを
そのまゝ減圧下に加熱分解しても、あるいはその
結果得られる粗p,p′―BPAを減圧蒸留法又は
晶析法によつて精製を行つても、高品質のp,
p′―BPAを選択的に高収率で製造することはで
きない。また、前記粗p,p′―BPA・PhOHをそ
のまゝ晶析法によつて精製した後、同様に分解反
応を行つても前記同様に高品質のp,p′―BPA
を得ることはできない。 従来、フエノール及びアセトンを酸性触媒の存
在下に反応させることによりp,p′―BPAを製
造する方法として多くの方法が提案されていて公
知である。例えば、フエノール及びアセトンを反
応させる際に触媒として塩化水素又は塩酸を使用
して反応させる方法、及び前記方法で反応させた
後の反応混合物からp,p′―BPAを精製分離す
る方法は、特公昭27−5367号公報、特公昭36−
23335号公報、特公昭38−4875号公報、特公昭40
−7186号公報、特公昭42−6333号公報、特公昭43
−3379号公報、特公昭47−10384号公報、特公昭
50−12428号公報、特開昭48−97853号公報、特開
昭49−93347号公報、特開昭49−82651号公報、特
開昭53−101347号公報、特開昭54−98748号公報、
特開昭54−98749号公報、その他などに提案され
ている。これらのいずれの公知文献に記載された
方法で反応を行い、p,p′―BPAを製造しても、
前記異性体副生物、高沸点副生物、着色性副生物
などの多量の副生物が生成し、これらの副生物は
目的とするp,p′―BPAへの選択性を低下させ、
しかも目的生成物中に混入して品質を低下させか
つその精製が困難であるので、前述の要求を満足
した高品質のp,p′―BPAを高収率で選択的に
しかも経済的に製造することはできない。また、
前記接触反応で得られた反応混合物を前記先行技
術文献に記載されたいずれの方法で処理し、精製
を行つても、前記副生物の除去が困難であり、同
様に高品質のp,p′―BPAを経済的に製造する
ことはできない。例えば、塩化水素又は塩酸を触
媒として使用して反応を行うことを記載した前記
先行技術文献の中で、特公昭42−6333号公報に
は、フエノールとアセトンとを反応させた反応混
合物からp,p′―BPAを分離した後の副生物
(樹脂状副産物)からp,p′―BPAを回収し、
p,p′―BPAへの実質上の選択率及びその収率
を向上させる目的で、該副生物及びフエノールを
塩化水素又は塩酸からなる触媒の存在下に処理
し、この反応混合物からp,p′―BPAを回収す
る方法が提案されている。しかし、この方法を採
用し、塩化水素又は塩酸の存在下にフエノール及
びアセトンを反応させて得られる反応混合物から
p,p′―BPAを分離し、その結果得られる副生
成物を前記公報に記載された方法に従いアセトン
とフエノールとの縮合反応及び副生物の処理反応
を別個の反応器で行うと、反応系が複雑になり、
そのほかに副生物の異性化反応系で処理される副
生物の量が著しく多くなり、しかもこの処理にお
ける副生物の異性化反応は平衡組成までであるの
で、副生物のp,p′―BPAへの異性化効率は低
い。したがつて、最終的なp,p′―BPAへの選
択率及びその収率が低く、経済的にp,p′―
BPAを製造することはできない。 また、塩化水素又は塩酸は触媒として使用して
反応を行うことを記載した前記先行技術文献の中
で、特公昭42−26787号公報には、反応終了後の
反応混合物から塩化水素を除去し、更にこの混合
物から高純度のp,p′―BPAを得る方法として、
該反応混合物に熱を加えることなく減圧下に処理
するか、あるいは不反応性ガスの吹込みを行うこ
とによつて塩化水素ガスを除去した混合物から
p,p′―BPA・PhOHを晶出させ、該p,p′―
BPA・PhOHを分解させることによりp,p′―
BPAを回収する方法が提案されている。その実
施態様において該p,p′―BPA・PhOHを分別し
て得られる反応母液を反応器に循環再使用できる
ことが記載されている。しかし、この方法に従つ
て反応を行い、該反応混合物を同様に処理して
も、塩化水素の除去を効率的に行うためには、反
応系内での塩酸の形成を抑制する必要があり、そ
のためには同公報の実施例からも明らかなよう
に、反応生成水の量を少なくする必要があるので
アセトンの変化率を約50%以下に維持して反応を
行わなければならないこと、また反応母液を循環
再使用しても塩化水素ガスが除去されているので
塩化水素の有効な再利用が困難であること、など
の理由から経済的に高純度のp,p′―BPAを得
ることはできないという欠点がある。また、同公
報の実施例1の対比実験では該反応混合物を苛性
ソーダ溶液で中和した後の有機相からp,p′―
BPAを分離する方法が開示されているが、この
方法で得られるp,p′―BPAも品質が悪くしか
も触媒である塩化水素を循環再使用することがで
きないという欠点がある。 また、フエノール及びアセトンを反応させる際
に触媒として酸性イオン交換樹脂又はその変性物
を使用して反応を行う方法、及び前記方法で反応
させた後の反応混合物からp,p′―BPA・PhOH
を精製分離する方法に関して、特公昭36−23334
号公報、特公昭37−14721号公報、特公昭37−981
号公報、特公昭41−4454号公報、特公昭45−
10337号公報、特公昭46−19953号公報、特公昭48
−71389号公報、特公昭49−48319号公報、特開昭
52−42861号公報、特開昭54−19951号公報、特開
昭54−19952号公報、その他などの多くの提案が
ある。これらの提案の方法で反応を行い、触媒活
性を充分に発揮させるためには、反応系中のp,
p′―BPA・PhOHが結晶として晶出してスラリー
性反応混合物を形成しないようにその濃度を低濃
度に維持し、反応混合物が均一溶液であることが
必要である。そのためには、原料アセトンの変化
率を55モル%以下に低く保つかあるいはアセトン
に対するフエノールのモル比を大きくすることが
必要である。したがつて、これらの提案ではいず
れも1回の接触当りの原料の変化率が低く、反応
混合物から多量の未反応原料を回収し、更に反応
系に循環使用しなければならないので、これらの
方法ではこの原料の回収及び循環使用に多くの用
役費が必要となり、効率的又は経済的に反応を行
うことができないという欠点がある。また、これ
らの酸性イオン交換樹脂を使用した反応において
も、前記塩化水素又は塩酸を用いた場合と同じよ
うに、p,p′―BPA・PhOHのほかに同様の異性
体副生物、高沸点副生物及び着色性副生物がより
多く生成する。 本発明は、p,p′―BPA又はp,p′―BPA・
PhOHの製造技術分野においては前述の問題点を
有しており、かつこの分野における先行技術が前
記現状にあることにかんがみてなされたものであ
り、その目的はフエノールとアセトンとを塩酸含
有触媒の存在下に反応させることにより生成する
粗p,p′―BPA・PhOHから容易でかつ経済的な
方法によつて異性体副生物、高沸点副生物及び着
色性副生物などの副生物不純物の含有率が少ない
精製p,p′―BPA・PhOHを製造することのでき
る方法を提供することにある。更に詳細には、前
記反応によつて得られた粗p,p′―BPA・PhOH
をフエノール溶媒中に溶解させて塩基で中和し、
晶出させることにより、前記目的が達成できるこ
とを見出したことに基づくものである。 本発明について概説すると、本発明は、フエノ
ール及びアセトンを塩酸含有触媒の存在下に反応
させることにより生成するスラリー性反応混合物
を分別し、その結果得られる粗p,p′―BPA・
PhOHから精製p,p′―BPA・PhOHを製造する
方法において、該粗p,p′―BPA・PhOHをフエ
ノール溶媒に溶解させ、該粗p,p′―BPA・
PhOH中に含まれている塩化水素又は塩酸を塩基
で中和した後、p,p′―BPA・PhOHを晶出さ
せ、これを分離することを特徴とする精製p,
p′―BPA・PhOHの製造方法である。 本発明の方法において、フエノール及びアセト
ンは酸性触媒として塩酸含有触媒の存在下に反応
させ、反応系内では反応混合物はp,p′―
BPA・PhOHの結晶を含むスラリー性反応混合
物を形成している。本発明の方法において、フエ
ノールとアセトンとの前記縮合反応に使用される
塩酸含有触媒、反応条件及び反応方法は反応系内
で生成した反応混合物がp,p′―BPA・PhOHの
結晶を含むスラリー性反応混合物を形成している
限りにおいて特に限定されない。これらに関して
は後述のとおりである。また、本発明の前記縮合
反応においては、p,p′―BPA・PhOHの他に
o,p′―BPA、o,o′―BPAなどの異性体副生
物;BPX、o―2量体、IPEP環式2量体、
IPEP線状2量体などの高沸点副生物、構造不明
の着色性副生物などの副生物が生成する。目的生
成物であるp,p′―BPAの大部分はフエノール
と付加物を形成して結晶として晶出している。 本発明の方法において、前記縮合反応によつて
形成されるスラリー性反応混合物は懸濁した固体
成分としてp,p′―BPA・PhOHの結晶を主成分
として含有するスラリー性反応混合物である。該
スラリー性反応混合物には、p,p′―BPA・
PhOHの結晶の他に前記副生物が固体表面に付着
しているかあるいは固体内部に取込まれている場
合もある。また、このスラリー性反応混合物を構
成する母液成分はp,p′―BPA又はp,p′―
BPA・PhOH、未反応フエノール、未反応アセ
トン、前記副生物、生成水及び塩酸含有触媒など
を含む均一相母液である場合もあるし、p,p′―
BPA又はp,p′―BPA・PhOH、未反応フエノ
ール、未反応アセトン、前記副生物などからなる
油相母液及び塩酸含有触媒、未反応フエノール、
未反応アセトン、微量のp,p′―BPA又はp,
p′―BPA・PhOHなどからなる水相母液の両者か
らなる二液相母液である場合もある。アセトンの
変化率を高くし、しかもp,p′―BPAへの選択
性及びその収率を高めるためには、該スラリー性
反応混合物を構成する母液成分が前記二液相母液
を形成していることが好ましく、その構成割合は
油相母液に対する水相母液の重量比として通常
0.01ないし2、好ましくは0.03ないし1.2の範囲で
ある。 本発明の方法において、該粗p,p′―BPA・
PhOHは前記縮合反応によつて生成した該スラリ
ー性反応混合物を分別することによつて得られ
る。分別手段としては、従来から知られている方
法、例えば遠心分離法、液体サイクロン法、加圧
過法、吸引過法などの常法が採用される。分
別された該粗p,p′―BPA・PhOH中には主成分
のp,p′―BPA・PhOHのほかに、o,p′―
BPA、o,o′―BPAなどの異性体副生物;o―
2量体、IPEP環式2量体、IPEP線状2量体など
の高沸点副生物;構造不明の着色性副生物の副生
物、塩化水素又は塩酸、更に場合によつては後記
助触媒が少量含まれている。 本発明の方法において、粗p,p′―BPA・
PhOHの中和精製工程では、前記スラリー性反応
混合物の分別処理によつて得られた該粗p,p′―
BPA・PhOH中に含まれる塩化水素又は塩酸、
及び前記副生物不純物が除去される。そのために
は、該粗p,p′―BPA・PhOHはフエノール溶媒
に溶解させることが必要である。ここで、フエノ
ール溶媒の使用割合は該粗p,p′―BPA・PhOH
に対する重量比として通常0.1ないし10の範囲、
好ましくは0.5ないし5の範囲である。溶解処理
の際の温度は常温でもよいが、加熱下に溶解させ
ることが好ましい。また、使用されるフエノール
溶媒はフエノール単独溶媒でもよいが、含水フエ
ノールを使用することが特に好ましい。該フエノ
ール溶媒としては、該粗p,p′―BPA.PhOHを
溶解させた際の混合物が油相溶液及び水相溶液か
らなる二液相溶液を形成する組成の含水フエノー
ルを使用すると中和操作が容易となり、かつ精製
効果も大きくなる。この含水フエノール中のフエ
ノールの含有率は通常10ないし65重量%、好まし
くは20ないし60重量%の範囲である。ここで、フ
エノール溶媒が含水フエノールでありかつその含
水率が高い場合には、該含水フエノールは油相及
び水相の二液相を形成していても差支えない。こ
の含水フエノールによる溶解処理を行う際に最初
にフエノールに溶解させた後に前記含水フエノー
ルとなる割合の水を加える方法を採用することも
できる。この溶解処理の際に、該溶液が二液相を
形成する場合にはフエノール、目的生成物のp,
p′―BPA・PhOHの水相への溶解による損失を抑
えるために、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫
酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウ
ム、塩化カルシウム、塩化アンモニウム、塩化マ
グネシウムなどの中性塩化合物を水相に溶解させ
ておくことも好ましい。前記溶解処理を行うこと
により、粗p,p′―BPA・PhOH中に含まれてい
る塩化水素又は塩酸は溶液中に溶解する。該粗
p,p′―BPA・PhOHの該フエノール溶媒溶液が
均一溶液である場合には、粗p,p′―BPA・
PhOH及び塩化水素又は塩酸はいずれも溶解して
いる。また、該粗p,p′―BPA・PhOHのフエノ
ール溶媒溶液が油相溶液と水相溶液からなる二液
相溶液を形成している場合には、塩化水素又は塩
酸の大部分は水溶液相に抽出されかつ残りの少部
分が油相溶液に溶解しており、他方大部分の粗
p,p′―BPA・PhOHは油相溶液に溶解してい
る。該粗p,p′―BPAのフエノール溶媒溶液中
に溶解している塩化水素又は塩酸を塩基で中和処
理することにより、塩化水素又は塩酸が除去され
る。ここで、塩基を該粗p,p′―BPA・PhOHを
溶解させる前に加えておく方法を採用することも
できるし、溶解させた後に加える方法を採用する
こともできる。いずれの場合にも中和後の溶液の
PHは通常2ないし5、好ましくは3ないし4.5の
範囲に調整される。該粗p,p′―BPA・PhOHの
フエノール溶媒溶液が前述のように二液相混合物
を形成している場合には、この二液相混合物に塩
基を加えて同時に中和する方法を採用することも
できるし、二液相混合物を油相溶液と水相溶液と
に分液し、それぞれの溶液に別別に塩基を加えて
中和する方法を採用することもできるが、後者の
方法を採用することが好ましい。ここで、塩基と
しては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン
酸マグネシウム、リン酸カリウム、アンモニア、
水酸化アンモニウム、リン酸水素二ナトリウム、
リン酸水酸二カリウム、リン酸水素二マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなど
の無機塩基、ナトリウムフエノラート、カリウム
フエノラート、ナトリウムメトキシド、ナトリウ
ムエトキシド、p,p′―BPAのアルカリ金属塩
などの有機塩基等の塩基性化合物の水溶液が通常
使用される。中和処理を施した後の該粗p,p′―
BPA・PhOHの溶液を冷却あるいは濃縮などの
手段によつて処理することにより、p,p′―
BPA・PhOHが晶出する。その際、粗p,p′―
BPA・PhOHの溶液が二液相溶液を形成してい
る場合には、該二液相溶液に対して前述の晶出処
理を実施することもできるし、該二液相溶液を分
液した油相溶液に対して前記晶出処理を実施する
こともできるが、後者の方法によつて晶出処理を
実施するのが好ましい。このようにして晶出した
p,p′―BPA・PhOHを分離することにより、前
記異性体副生物、高沸点副生物及び着色性副生物
などの不純物の含有率が少なく、高純度の精製
p,p′―BPA・PhOHが得られる。このようにし
て得られるp,p′―BPA・PhOHはこのまゝでも
充分に高純度であるが、更にこれに必要に応じて
洗浄あるいは再結晶などの精製処理操作を加えて
も差支えない。 本発明の方法において得られる前記精製p,
p′―BPA・PhOHは加熱することによつて、フエ
ノール及びp,p′―BPAに分解する。この分解
反応は通常100ないし200℃、好ましくは130ない
し180℃の範囲の温度に加熱することにより起る。
また、分解反応の際の圧力は分解温度によつても
異なるが、通常反応によつて生成したフエノール
が気化し得る減圧条件下であり、一般には1ない
し500mmHg、好ましくは5ないし300mmHgの範囲
である。前記分解工程で得られた生成物からフエ
ノール及びp,p′―BPAが回収され、p,p′―
BPAは通常前記分解反応の缶残物から回収され
る。該精製p,p′―BPA・PhOHの分解反応を留
出塔、蒸留塔などで実施した場合には、フエノー
ルは塔頂から回収され、p,p′―BPAは溶融状
態で塔底から回収される。その際、前記分解反応
を減圧下で行つた場合には、フエノールは通常気
体状態で回収され、これを凝縮させることにより
液体として回収される。回収されたフエノールは
後記縮合反応工程の反応器に循環するか、又は前
記中和精製工程のフエノール溶媒として循環し、
再使用することができる。生成物のp,p′―
BPAは何らの精製処理を施さなくとも充分に高
品質であるが、必要に応じて水、熱水、弱酸性熱
水又はその他の溶媒で洗浄するか、更に再結晶化
処理などの精製処理を施すことができる。本発明
の方法において得られる該精製p,p′―BPA・
PhOHを例えば前述の方法に従つて分解すること
により純度が99.9重量%以上でかつ溶融色相が
30APHA以下の高品質のp,p′―BPAが容易に
得られる。 本発明の方法において、フエノールとアセトン
との縮合によりp,p′―BPA・PhOHの結晶を含
む前記スラリー性反応混合物を形成させる反応
は、通常次の方法によつて実施される。この反応
において使用される酸性触媒は塩酸含有触媒であ
り、通常は過飽和の塩化水素が存在し、反応系内
では塩酸と塩化水素とが共存している場合が多
い。反応系は、前述のように生成した該スラリー
性反応混合物の反応母液が油相母液と水相母液か
らなる二液相を形成していることが好ましく、そ
の場合に塩酸含有触媒の使用割合は該スラリー性
反応混合物1000g中に含まれる全HClとして通常
0.5ないし5モル、好ましくは1ないし5モルの
範囲である。酸性触媒としては前記塩酸又は前記
塩酸と塩化水素からなる触媒のみを使用すること
もできるが、塩酸と他の助触媒成分とを組合わせ
て使用することもできる。この助触媒成分として
は従来から公知のものが使用される。通常は反応
混合物に可溶性の硫黄含有化合物が使用され、ガ
ス状の硫黄化合物、液状の硫黄化合物あるいは固
体状の硫黄化合物のいずれでも使用することがで
きる。これらの助触媒成分を使用すると反応速度
が向上するので好ましい。助触媒成分として具体
的には、一塩化硫黄、二塩化硫黄、チオ硫酸ソー
ダ、チオ硫酸カリ、硫化水素などの無機硫黄化合
物;メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、
n―プロピルメルカプタン、n―ブチルメルカプ
タンなどのアルキルメルカプタン類;チオフエノ
ール、p―メチルチオフエノール、p―エチルチ
オフエノール、p―クロロチオフエノール、チオ
ヒドロキノン、チオナフトールなどのチオフエノ
ール類;チオグリコール酸、チオ酢酸、チオプロ
ピオン酸などのメルカプト置換脂肪族カルボン酸
類;前記アルキルメルカプタン類、前記チオフエ
ノール類、前記メルカプト置換脂肪族カルボン酸
類のアルカリ金属塩;前記メルカプタン類から誘
導されるメルカプタール類及びメルカプトール類
などを例示することができる。これらの硫黄化合
物を助触媒として使用する場合の使用割合は反応
系内のHClに対するモル比として通常1/2000な
いし1/30モル、好ましくは1/1000ないし1/
50モルの範囲である。また、反応の際に反応器に
供給される全アセトンに対する全フエノールのモ
ル比は通常4ないし20、好ましくは5ないし10の
範囲である。全アセトンに対する全フエノールの
モル比が大きくなると良好な性状のスラリー性反
応混合物が形成されるようになるので好適であ
る。また、反応の際にはアセトンの変化率が通常
90%以上に達するまで反応が遂行され、好ましく
は95%以上に達するまで反応が行われる。反応の
際のアセトンの変化率が大きくなると、良好な性
状のスラリー性反応混合物が得られるようにな
る。反応の際の温度は通常25ないし70℃、好まし
くは30ないし60℃の範囲である。 次に、本発明の方法を実施するための工程図の
1例の概略を添付図面によつて説明する。図のイ
は本発明の方法を実施するための連続縮合反応装
置の1例である。補充原料タンク1及び2及び塩
酸含有触媒供給タンク3は反応工程の第1反応槽
11、第2反応槽12及び第3反応槽13からな
る直列型多段反応器へ原料及び触媒を連続的に供
給するための装置であり、前記直列型多段反応器
において反応工程の連続縮合反応が実施され、ス
ラリー性反応混合物が形成され、該スラリー性反
応混合物を受器14に集める。スラリー性反応混
合物を次の分離工程の遠心分離器15で粗p,
p′―BPA・PhOHと二液相反応母液とに分離し、
更に該二液相反応母液を次の循環工程の油水分離
器16で油相母液と水相母液とに分液し、それぞ
れ廃棄する。 遠心分離器15において30から分離した粗p,
p′―BPA・PhOHを図ロの連続中和晶析装置の中
和精製工程の溶解槽40にフエノール溶媒と共に
連続的に供給し、溶解させると油相溶液と水相溶
液とからなる二液相溶液を形成するので、これを
タンク41に受けてかくはんする。中和槽42に
タンク41からの油相溶液及びタンク31からの
アルカリ水溶液を連続的に加えて混合し、水相溶
液のPHが所定の値になるように調整した後に油水
分離槽43で油水分離する。水相溶液の一部を33
より排除し、残部を溶解槽40に循環させた。ま
た、油相溶液及び32からの新フエノールを晶析槽
44に送つて晶出させ、スラリー性混合物を形成
させ、これを遠心分離器46で別し、p,p′―
BPA・PhOHのケーキと母液とに分離する。更
に、このp,p′―BPA・PhOHのケーキをフエノ
ール水溶液で洗浄し、洗浄液を該母液と混合した
後、油水分離槽47で晶析油相母液及び晶析水相
母液とに分液し、それぞれ必要に応じて34及び35
から一部を排出させ、残部をそれぞれ晶析槽44
及び溶解槽40に循環させる。 分離した精製p,p′―BPA・PhOHを図ハの連
続熱分解装置の溶融槽70に連続的に供給し、脱
水塔71の塔頂61から水を留出させて脱水した
後、分解塔72に供給し、フエノールとp,p′―
BPAの溶融缶残物に分解させ、フエノールを塔
頂62から回収し、塔底からp,p′―BPAの溶
融物を回収する。回収フエノールの循環工程で
は、回収したフエノールを循環フエノールとして
反応工程の反応槽に循環させるか、フエノール溶
媒として中和精製工程に循環させる。分解塔の塔
底から得られるp,p′―BPAの溶融缶残物を回
収工程の油水混合槽73で弱酸性に調整した熱水
と混合し、熱水洗浄槽74で洗浄後、晶析槽75
で晶出させた後、遠心分離器76で分離し、真空
乾燥器77で乾燥させ、80より精製p,p′―
BPAの結晶が得られる。 次に、本発明の方法を実施例によつて具体的に
説明する。なお、実施例及び比較例例においてア
セトンの変化率、反応系内における反応混合物
1000g中に含まれるHClの量、反応系内のスラリ
ー性反応混合物中の油相母液に対する水相母液の
重量比はそれぞれ次の方法によつて測定した。ま
た、粗p,p′―BPA・PhOH、循環油相母液、循
環水相母液中に含まれるp,p′―BPA、フエノ
ール、水、HCl、副生物の組成はそれぞれ次の方
法で求めた。更に、精製p,p′―BPAの品質を
次の方法で求めた。 1 未反応アセトンの定量法 アセトン変化率は反応混合物をエタノール溶
媒に溶解し、中和処理した後、未反応アセトン
をガスクロマトグラフイーを用いて定量した。 2 フエノール及びp,p′―BPAの定量 フエノール及びp,p′―BPAはガスクロマ
トグラフイーを用いて定量した。 3 HClの定量法 HClは試料をエタノール溶媒に溶解した後、
通常の中和滴定法に従つて定量した。 4 副生成物の定量法 副生成物は試料をエタノールに溶解し中和処
理した後、高速液体クロマトグラフイーを用い
て内部標準法により定量した。 5 循環油相母液及び粗p,p′―BPA・PhOHの
着色度の測定 試料のメスフラスコに入れエタノールで希釈
後、この希釈液を10cm円筒ガラスセルに満たし
スペクトロニツク(spectronic)70分光光度計
〔バウシユ アンド ロムブ (Baush &
Romb)社製〕で360nm及び480nmにおける吸
光度(又は透過率)を測定した。測定に供した
試料濃度は、試料の着色度に応じて適宜変え
た。 試料の着色度は次式によつて表示した。 E1% 1cm=A/cb ……(1)* ここで、A=吸光度 c=試料の濃度(W/V%) b=セルの長さ(光路長)(cm) なお、以下の実施例及び比較例に表記したE360
及びE480は、それぞれ測定波長360nm,480nmに
おけるE1% 1cmを示す。 (*) ロバート、M.シルバーシユタイン (Robert、M.Silverstein),G.クレイト
ム、バツスラー(G.Claytom Bassler)
著、荒木峻、益子洋一郎訳(東京化学同
人)、「有機化合物のスペクトルによる同定
法」 6 スラリー性反応混合物中の油相母液に対する
水相母液の重量比の測定 反応槽から流出したスラリー性反応混合物を
反応槽と同じ温度に保つた貯槽に受ける。反応
混合物が、貯槽に一定量たまつたら、これを反
応槽と同一温度に保つた遠心分離器に装入し、
ケーキがほとんど乾燥するまで回転させた。遠
心分離器から排出する母液を静置槽に導き、油
水分離した。ついで、各相の容量及び比重測定
を行い、油相母液に対する水相母液の重量比を
求めた。 7 精製p,p′―BPAの品質検定法 (1) 溶融色 溶融色は試料を250℃において溶融後、直
ちにハーゼン標準液と比較して求めた。 (2) 凝固点 測定管に試料と浸線付温度計
(ASTM102)を入れ、140℃の恒温槽で冷却
して通常の方法に従つて測定した。 (3) 有機不純物の分析 前記4と同じ高速液体クロマトグラフイー
により分析した。 (4) 着色度E360及びE480の測定 試料をエタノールで20W/V%に希釈し、
前記5と同様に吸光度(透過率)を測定して
求めた。 実施例 1 (1) 反応容積がそれぞれ0.68,1.00,1.00の反
応槽を直列につないだ連続反応槽を使つて連続
縮合反応を行つた。なお、各反応槽にはかくは
ん機が設置してあり、オーバーフローラインで
連結されている。各反応槽内の温度を50℃に保
つた。 第1反応槽にフエノール362g/hr、アセト
ン32g/hr、15%メチルメルカプタンナトリウ
ム塩水溶液1.6g/hr、36%塩酸水溶液142g/
hr及び塩化水素ガス5/hrの速度でそれぞれ
連続的に供給した。この場合、平均滞留時間は
5.3hr、系内の全フエノール/全アセトンモル
比は7/1、スラリー性反応混合物中の水相/
油相重量比は0.2、メチルメルカプタン/HCl
モル比は1/500、HClモル/反応混合物1000
gは3.6モルである。 第3反応槽から排出されるスラリー性反応混
合物を50℃に保つた遠心分離器に間欠的に装入
し、遠心分離ケーキがほとんど乾燥するまで回
転させた。ここで、得られた遠心分離ケーキ
(粗P,P′BPA・PhOH)は後記中和精製実験
に供され、油相と水相から成る反応母液は再使
用せずに廃棄した。この連続反応が定常状態に
達した後のアセトン転化率は99%となり、アセ
トン基準のp,p′―BPAの収率は96モル%で
あつた。また、遠心分離ケーキは毎時130.7g
得られた。これは、生成したp,p′―BPAの
うち71.7%がp,p′―BPA・PhOHとして回収
されたことに相当する。また、遠心分離ケーキ
(粗p,p′―BPA・PhOH)の品質を表1に示
した。
【表】 (2) 一方、連続縮合反応で得られた粗p,p′―
BPA・PhOHを次のように連続中和晶析した。
該p,p′―BPA・PhOHを500g/hrを70℃に
保つた溶解槽に仕込み、これに後記中和系循環
水相(PhOH1重量%含有)1000g/hr、及び
後記晶析油相母液(組成PhOH52重量%、水24
重量%、p,p′―BPA24重量%)320g/hrを
装入して充分かくはんした。この場合溶解処理
に使つた含水フエノールのフエノール含有率は
13.4重量%であつた。該p,p′―BPA・PhOH
が完全に溶解した油相溶液及び水相溶液からな
る二液相溶液を中和槽へ供給した。中和槽では
18%NaOH水溶液を連続して流し、中和後の
水相のPH値が4(弱酸性)となるように調整し
た。ついで中和物を油水分離槽へ送り、油相と
水相とに分液した。分液した水相を前記中和系
循環水相の1部分として再使用した。その際、
再使用に供する循環水相量は前述のごとく1000
g/hrであるので、残余の水相を排水として中
和系から排出した。一方、油水分離槽から出た
油相、新フエノール、及び後記晶析油相母液を
晶析槽内におけるp,p′―BPAとフエノール
のモル比が2.5となるように晶析槽に注入混合
した。また、晶析槽にはもう一方の供給口から
後記晶析母液水相を連続的に供給した。保温し
た晶析槽で連続晶析を行い、生成したスラリー
混合物を受器に集め、30分間に1度の割合でス
ラリー混合物を保温した遠心分離器で固液分離
した。別されたp,p′―BPA・PhOHに更に
フエノール水溶液を振りかけてケーキリンスを
行い、精製p,p′―BPA・PhOH237g(30分
毎に)を得た。一方、前記スラリー性混合物の
固液分離によつて生じた晶析母液と洗浄液を油
水分離槽に集めて油相及び水相に分け、それぞ
れの一部分を捨てた残りを前記晶析油相母液及
び前記晶析水相母液として循環再使用した。こ
こで、製取した精製p,p′―BPA・PhOHの品
質を表2に示した。
【表】
【表】 (3) 次に、前記精製p,p′―BPA・PhOHからの
脱フエノール及びp,p′―BPA・PhOHの製取
を次のとおり行つた。まず、精製p,p′―
BPA・PhOHを500g/hr窒素下1のフラス
コ中で溶融させ、保温した二重管式シリンダー
の中へ仕込んだ。ついで、この溶融物を250
g/hrの速度で脱水塔へ導いで140℃,100mm
Hgの条件下で脱水を行い、脱水された溶融物
を脱水塔のポトムから連続的に抜出し、直ちに
フエノール回収塔へ供給した。フエノール回収
塔として10段のオールダーシヨウ型蒸留塔を用
い、脱水塔からの原料を下から4段目の棚段に
供給した。フエノール回収蒸留を塔底の内温が
20mmHgで163℃となるよう操作した。ここで、
塔頂から回収フエノール67.2g/hrを得たが、
これは前記連続縮合反応の補充フエノールに供
した。 一方、フエノール回収塔のポトムからは溶融
p,p′―BPAが174.8g/hrで得られた。次い
で、該溶融p,p′―BPA及び弱酸性に調整し
た熱水を油水混合槽に連続的に供給し、油水を
混合した。このようにして得られた混合油水を
充分かくはんしながら熱水洗浄槽へ送り、充分
かくはん洗浄後、静置室で油相と水相に分液
し、分液した油相233.3g/hrを連続的に抜出
した。 熱水洗浄槽から抜出したp,p′―BPAを主
成分とする油相及び弱酸性に調整した熱水を混
合しながら、晶析槽へ送り、かくはんしながら
連続晶析を行つた。このようにして得られたス
ラリー性混合物を受器に導き、1時間毎に保温
した遠心分離器により固液分離した。得られた
ウエツトケーキは173.3g/hrであつた。 次いで、このウエツトケーキを真空乾燥器に
入れ、加熱減圧条件下で乾燥し、精製p,p′―
BPA167.3g/hrを得た。 実施例 2 実施例1において、同様に連続反応を行い、中
和精製工程の中和槽の水相のPH値を3.2に調整す
るように反応条件を設定した以外は実施例1と同
様にして精製p,p′―BPA・PhOHを得、精製
p,p′―BPAを製造した。 その結果、精製p,p′―BPA・PhOH及び精製
p,p′―BPAの品質は実施例1のものと何ら変
らなかつた。 このようにして得られた精製p,p′―BPAの
品質を表3に示した。
【表】 実施例 3 実施例1において、同様に連続反応を行い、そ
の中和精製工程(2)においてp,p′―BPA・PhOH
の溶解処理の際、晶析油相母液の使用量のみを
320g/hrから640g/hrに増すことによつて含水
フエノール溶媒のフエノール含有率を25.5重量%
として中和晶析実験を行い、精製p,p′―
BPA・PhOHを得、ついで実施例1の方法に従
つて精製p,p′―BPAを得た。このようにして
得た精製p,p′―BPA・PhOH及び精製p,p′―
BPAの品質評価結果を表4に示した。
【表】 比較例 1 実施例1で得られた、粗p,p′―BPA・PhOH
の中和精製操作を行わなかつた以外は、実施例1
と同じ処方を用いてp,p′―BPAを直接製造し
た。その結果、得られたp,p′―BPAの溶融色
はAPHA300であつた。 以上の各例を対比すれば明らかなように、本発
明によれば、従来法に比べて、副生不純物の少な
い、精製されたp,p′―BPA・PhOHを得ること
ができ、このp,p′―BPA・PhOHからは高品質
のp,p′―BPAを得ることができる。このこと
は、p,p′―BPAの用途からみて顕著な効果で
ある。
【図面の簡単な説明】
添付図面は、本発明の一実施の態様において使
用する連続反応装置の系統図である。 1及び2:補充原料タンク、3:塩酸含有触媒
供給タンク、11〜13:反応槽、14:受器、
15及び46:遠心分離器、40:溶解槽、4
2:中和槽、43及び47:油水分離槽、44:
晶析槽。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 フエノール及びアセトンを塩酸含有触媒の存
    在下に反応させることにより生成するスラリー性
    反応混合物を分別し、その結果得られる粗2,2
    ―ビス(4―ヒドロキシフエニル)プロパンのフ
    エノール付加物から精製2,2―ビス(4―ヒド
    ロキシフエニル)プロパンのフエノール付加物を
    製造する方法において、該粗2,2―ビス(4―
    ヒドロキシフエニル)プロパンのフエノール付加
    物をフエノール溶媒に溶解させ、該粗2,2―ビ
    ス(4―ヒドロキシフエニル)プロパンのフエノ
    ール付加物中に含まれている塩化水素又は塩酸を
    塩基で中和した後、2,2―ビス(4―ヒドロキ
    シフエニル)プロパンのフエノール付加物を晶出
    させ、これを分離することを特徴とする精製2,
    2―ビス(4―ヒドロキシフエニル)プロパンの
    フエノール付加物の製造方法。 2 塩基による中和処理を、水相のPHが2ないし
    5の範囲に達するまで行う特許請求の範囲第1項
    に記載の方法。 3 溶解処理に使用するフエノール溶媒がフエノ
    ール含有率10ないし65重量%の範囲の含水フエノ
    ールである特許請求の範囲第1項に記載の方法。
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