JPH0627011Y2 - カセット装填装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ＶＴＲなどのカセット装填装置に係り、詳し
くは、カセットの装填を、回動自在に設けられた駆動ア
ームによって行うカセット装填装置に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

一般に、この種のカセット装填装置においては、第３図
に示すように、フレーム６内には、カセットを保持する
ためのカセットホルダー５が内蔵されている。カセット
ホルダー５にはガイドピン５ａが突設されており、この
ガイドピン５ａはフレーム６の側壁に形成されたガイド
溝６ｂに嵌合されている。また、上記フレーム６の側壁
には軸６ａが突設されており、この軸６ａには駆動アー
ム７が回動自在に支承されている。この駆動アーム７に
はアーム溝７ａが形成されており、このアーム溝７ａは
上記ガイドピン５ａに係合されている。そして、上記駆
動アーム７が駆動ギヤ８にて駆動されると、駆動アーム
７の駆動力が上記ガイドピン５ａに伝達されるととも
に、上記ガイドピン５ａが上記ガイド溝６ｂにて案内さ
れ、上記カセットホルダー５が機器内の所定位置まで移
送され、保持しているカセットを上記所定位置にセッテ
ィングするように成っている。

ところで、この種のカセット装填装置は、カセットの水
平移動量および垂直移動量が決定されると、駆動アーム
７の駆動力が最も有効に上記ガイドピン５ａに伝達され
るように、上記軸６ａの位置は同図に示す位置に決定さ
れ、カセット装填装置本体が必要とする最少の高さは、
上記軸６ａの位置と、この軸６ａを中心に回動する駆動
アーム７の回動半径によって決定されることになる。

ところが、上記従来の構造では、カセットホルダー５へ
の駆動力伝達を、１つのガイドピン５ａと１つのアーム
溝７ａとで行っているため、カセットホルダー５におけ
る水平移動区間および垂直移動区間の全区間において上
記ガイドピン５ａとアーム溝７ａとの係合が維持される
ためには、上記アーム溝７ａの溝深さを深くしなければ
ならない。従って、上述のごとく、カセット装填装置本
体が必要とする最少の高さが上記軸６ａの位置と、この
軸６ａを中心に回動する駆動アーム７の回動半径によっ
て決定される場合、カセット装填装置本体の高さが高く
なってしまうという問題点を有していた。

そこで、このような問題点を解消するため、従来では、
実開昭６２−１２０４４６号公報に開示されているよう
に、カセットホルダーに２つのガイドピンを設け、これ
らのガイドピンをフレームの側壁に設けられた２本のガ
イド溝に沿って案内させ、さらに、上記のガイドピンに
それぞれ係合する２つの駆動アームを設けた構成が提案
されている。このような構成では、カセットの挿入直後
に第１駆動アームが第１ガイドピンに係合して、カセッ
トホルダーが第１ガイド溝に沿って移動する。続いて、
第２駆動アームが第２ガイドピンに係合する一方、第１
駆動アームが第１ガイドピンから離れ、回動力の伝達が
第２駆動アームに引き継がれて、カセットホルダーが第
２ガイド溝に沿って移動する。

上記の構成によれば、２つの駆動アームにカセットホル
ダーの移送を分担させることにより、駆動アームの長さ
寸法を大きくしなくてすみ、カセット装填装置本体の高
さ方向の大型化を回避することができる。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記の構成では、第１および第２駆動ア
ームは、駆動モータの回転力が最終的に伝達される第３
ギヤにアームサポータにより同軸に取り付けられる構造
であるため、第３ギヤに歯合する第２ギヤと接触しない
ように第２ギヤに対し回転軸方向に張り出して設けられ
ている。このため、カセット装填装置の幅方向の大きさ
が増大するという不都合があった。また、上記の構成で
は、第１および第２駆動アームを有するアームサポータ
と第３ギヤとが別部品であるため、部品点数の増加が避
けられなかった。

〔課題を解決するための手段〕

本考案に係るカセット装填装置は、上記従来の課題を解
決するために、側壁部に第１および第２ガイドピンが突
設されており、カセット挿入口から挿入されたカセット
を保持し機器内の所定箇所まで移送するカセットホルダ
ーと、上記第１および第２ガイドピンにそれぞれ係合し
得る第１および第２係合溝が形成された駆動部材とを備
え、この駆動部材に上記カセットの水平移動区間であっ
てカセットの挿入開始点から一定区間だけ上記第１係合
溝と第１ガイドピンとが係合され、残りの区間は上記第
２係合溝と第２ガイドピンとが係合され上記カセットホ
ルダーに対する駆動部材の駆動力伝達経路が切り換わる
ように設定されたカセット装填装置において、上記駆動
部材は、円盤形状をなすとともに中心回りに回動自在と
なるように設けられており、上記第１および第２係合溝
が外周部から中心に向かって形成される一方、回転駆動
力を伝達する駆動ギヤに歯合するギヤ部が外周部に形成
されていることを特徴としている。

〔作用〕

上記の構成によれば、駆動部材の外周部に、回転駆動力
を伝達する駆動ギヤに歯合するギヤ部が形成されている
ので、駆動部材が第１および第２ガイドピンを駆動する
機能と、駆動ギヤからの駆動力を伝達するギヤとしての
機能を兼ね備えることになる。このため、駆動部材の回
転軸方向の厚みを、第１および第２ガイドピンを駆動し
うるとともに、ギヤとして機能しうるだけ確保すればよ
い。また、駆動部材を駆動ギヤと同列に設けることがで
き、駆動部材を駆動ギヤに対して上記回転軸方向に張り
出して設ける必要がなくなる。

それゆえ、カセット装填装置の幅方向の大きさを小さく
するとともに、部品点数を削減することが可能になる。

〔実施例〕

本考案の一実施例を第１図および第２図に基づいて説明
すれば、以下の通りである。

本考案にかかるカセット装填装置において、第１図に示
すように、フレーム１１の前端縁には、カセット１２
（第２図に示している）が挿入されるカセット挿入口１
３が形成されている。フレーム１１内には、上記カセッ
ト挿入口１３から挿入されたカセット１２を保持してこ
のカセット１２を機器内の所定箇所まで移送するカセッ
トホルダー１４が内蔵されている。カセットホルダー１
４の両側壁部（図においては一方の側壁がわを示してい
る）には、第１ガイドピン１５および第２ガイドピン１
６が突設されており、上記第１ガイドピン１５は上記第
２ガイドピン１６よりも上方側であって、且つ奥側に配
置されている。そして、これら第１ガイドピン１５およ
び第２ガイドピン１６は、上記フレーム１１の両側壁部
に形成された第１ガイド溝１７および第２ガイド溝１８
にそれぞれ嵌合されており、これらガイド溝１７・１８
に案内されて上記カセットホルダー１４を上記所定箇所
まで導くように成っている。ガイド溝１７・１８は、上
記カセット１２における水平移動区間に対応する長さだ
け水平に延設される一方、この水平部の最終端部におい
て上記カセット１２の垂直移動区間に対応する深さだけ
垂直に延設されている。さらに、前記フレーム１１の両
側壁部には軸１９がビス２０にて固着されており、上記
軸１９には円盤形状をなす駆動部材２１がその中心回り
に回動自在に支承されている。駆動部材２１の外周部に
は、上記第１ガイドピン１５に係合し得る第１係合溝２
２と、上記第２ガイドピン１６に係合し得る第２係合溝
２３とがそれぞれ上記軸１９の位置する方向に向けて形
成されている。また、駆動部材２１の外周部であって、
上記第１係合溝２２から第２係合溝２３までの時計回り
の部位にはギヤ部２４が形成されており、このギヤ部２
４は駆動ギヤ２５に歯合されている。ここで、上記第１
および第２ガイドピン１５・１６と、第１および第２係
合溝２２・２３とにおけるそれぞれの関係は、上記カセ
ットホルダー１４の水平移動区間であってカセット１２
の挿入開始点から一定区間だけ上記第１係合溝２２と第
１ガイドピン１５とが係合するように、そして、残りの
移動区間は上記第２係合溝２３と第２ガイドピン１６と
が係合するように成っており、駆動部材２１における上
記カセットホルダー１４に対する駆動力伝達経路がカセ
ットホルダー１４の移動区間によって切り換わるように
設定されている。

上記の構成において、第１図に示すように、カセット１
２が挿入される前にあっては、第１ガイドピン１５と第
１係合溝２２とが係合する一方、第２ガイドピン１６が
駆動部材２１の外周より離れた位置にあって第２係合溝
２３と離反した状態にある。そして、第２図（ａ）に示
すように、カセット１２がカセット挿入口１３に挿入さ
れると、図示しない検出スイッチが作動し、前記駆動ギ
ヤ２５が回転する。駆動ギヤ２５が回転すると、駆動部
材２１が時計回りに回動し、第１ガイドピン１５に伝達
された駆動力にてカセットホルダー１４が水平移動区間
のうち一定区間だけ奥方向に移送される。そして、カセ
ットホルダー１４が、カセット１２の挿入点から一定区
間だけ奥方向に移送された後、上記第１係合溝２２から
第１ガイドピン１５が離反し、これと同時に、上記カセ
ットホルダー１４の移動に伴って奥方向に移動してきた
第２ガイドピン１６が第２係合溝２３に係合する。そし
て、カセット１２における残りの水平移動区間、および
垂直移動区間においては、同図（ｂ）に示すように、第
２ガイドピン１６に伝達された駆動力にてカセットホル
ダー１４が残りの水平移動区間を奥方向に移送された
後、垂直移動区間だけ下方に降下する。これにより、カ
セット１２が機器内の所定箇所にセッティングされる。
なお、カセット１２が取り出される場合には、カセット
１２は上述の経路と逆の経路とを辿ってカセット挿入口
１３から排出されることになる。

このように、本案のカセット装填装置は、カセットホル
ダー１４の水平移動区間における駆動力伝達を、上記２
個のガイドピン１５・１６および係合溝２２・２３にて
切り換えるものであるから、係合溝が１つである場合に
必要な溝深さを、第１係合溝２２と第２係合溝２３とで
分担させることができ、その結果、第１および第２係合
溝２２・２３の溝深さをそれぞれ浅くすることが可能に
なる。ゆえに、駆動部材２１の回動半径を格段に小さく
することができ、カセット装填装置本体の高さを容易に
低くすることが可能になる。しかも、部品点数を殆ど増
加させることがない。

〔考案の効果〕

本考案に係るカセット装填装置は、以上のように、側壁
部に第１および第２ガイドピンが突設されており、カセ
ット挿入口から挿入されたカセットを保持し機器内の所
定箇所まで移送するカセットホルダーと、上記第１およ
び第２ガイドピンにそれぞ係合し得る第１および第２係
合溝が形成された駆動部材とを備え、この駆動部材に上
記カセットの水平移動区間であってカセットの挿入開始
点から一定区間だけ上記第１係合溝と第１ガイドピンと
が係合され、残りの区間は上記第２係合溝と第２ガイド
ピンとが係合され上記カセットホルダーに対する駆動部
材の駆動力伝達経路が切り換わるように設定されたカセ
ット装填装置において、上記駆動部材は、円盤形状をな
すとともに中心回りに回動自在となるように設けられて
おり、上記第１および第２係合溝が外周部から中心に向
かって形成される一方、回転駆動力を伝達する駆動ギヤ
に歯合するギヤ部が外周部に形成されている構成であ
る。

これにより、駆動部材が、第１および第２ガイドピンを
駆動する機能と、駆動ギヤからの駆動力を伝達するギヤ
としての機能を兼ね備えることになる。それゆえ、カセ
ット装填装置の幅方向の大きさを小さくするとともに、
部品点数を削減することができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の一実施例を示すものであ
って、第１図はカセット装填装置の側面図、第２図
（ａ）および（ｂ）はそれぞれカセット装填装置の動作
を説明する側面図、第３図は従来例を示すカセット装填
装置の側面図である。 １１はフレーム、１２はカセット、１３はカセット挿入
口、１４はカセットホルダー、１５は第１ガイドピン、
１６は第２ガイドピン、１７は第１ガイド溝、１８は第
２ガイド溝、２１は駆動部材、２２は第１係合溝、２３
は第２係合溝である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】側壁部に第１および第２ガイドピンが突設
   されており、カセット挿入口から挿入されたカセットを
   保持し機器内の所定箇所まで移送するカセットホルダー
   と、上記第１および第２ガイドピンにそれぞれ係合し得
   る第１および第２係合溝が形成された駆動部材とを備
   え、この駆動部材に上記カセットの水平移動区間であっ
   てカセットの挿入開始点から一定区間だけ上記第１係合
   溝と第１ガイドピンとが係合され、残りの区間は上記第
   ２係合溝と第２ガイドピンとが係合され上記カセットホ
   ルダーに対する駆動部材の駆動力伝達経路が切り換わる
   ように設定されたカセット装填装置において、 上記駆動部材は、円盤形状をなすとともに中心回りに回
   動自在となるように設けられており、上記第１および第
   ２係合溝が外周部から中心に向かって形成される一方、
   回転駆動力を伝達する駆動ギヤに歯合するギヤ部が外周
   部に形成されていることを特徴とするカセット装填装
   置。