JPH06269959A - 高純度フェライト系ステンレスクラッド鋼板の製造方法 - Google Patents

高純度フェライト系ステンレスクラッド鋼板の製造方法

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JPH06269959A JP5085098A JP8509893A JPH06269959A JP H06269959 A JPH06269959 A JP H06269959A JP 5085098 A JP5085098 A JP 5085098A JP 8509893 A JP8509893 A JP 8509893A JP H06269959 A JPH06269959 A JP H06269959A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 重量%で、Cr:16.0〜32.0%、M
o:2.5%以下を含む高純度フェライト系ステンレス
鋼と炭素鋼もしくは低合金鋼を重ね合わせてスラブを、
熱間で圧延して高純度フェライト系ステンレスクラッド
鋼板を製造する方法において、1100〜1200℃に
スラブを加熱後、第1段目の熱間圧延を950℃以上の
高温で行った後一旦圧延を中断し、900℃以下で再び
累積圧下率50%以上の熱間圧延を施すことを特徴とす
る加工後の表面性状に優れた高純度フェライト系ステン
レスクラッド鋼板の製造方法。 【効果】 従来法により製造された鋼板に比べて加工後
の表面性状に優れており、鏡板加工等の加工後に合せ材
の研磨工程の短縮・省略が可能となり、その結果大幅な
コスト低減が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鏡板加工などの加工後の
表面性状に優れた高純度フェライト系ステンレスクラッ
ド鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】SUS444に代表される高純度フェラ
イト系ステンレス鋼は、SUS304やSUS316な
どの汎用オーステナイト系ステンレス鋼の欠点である耐
塩化物応力腐食割れ性に優れるという特徴から温水タン
クや化学プラントの圧力容器などに使用が広がってい
る。しかしながら、板厚の増加に伴い靭性の確保が困難
となるため、厚物材の用途でクラッド鋼板の需要が高ま
っている。ところが、従来法で製造した高純度フェライ
ト系ステンレスクラッド鋼板は、製造後の合せ材表面に
肌荒れが生じたり、超音波探傷試験において雑エコーが
発生し探傷試験が不可能な場合がある等の問題があっ
た。また、高純度フェライト系ステンレスクラッド鋼板
は、温水タンクや圧力容器のヘッドのように鏡板に加工
して使用される場合が多いが、この場合も合せ材の表面
にしわが生じ、加工後の研磨工程に手間が掛かる等の問
題があった。
【0003】鏡板加工など曲げ加工や引張加工後に表面
性状が悪化する現象は、粗大結晶粒が原因であることは
良く知られており、類似の現象として薄板のリジングが
ある。リジングはフェライト系ステンレス鋼の強圧下時
に生じる粗大な伸長組織と集合組織が原因であるとさ
れ、その対策として特開昭55−134128等が提案
されている。これは、粗大な伸長組織を破壊するため
に、熱間圧延工程の比較的低温度域で大圧下を加え、そ
の後の焼鈍により微細な再結晶組織を得ようとするもの
である。また、一般的に結晶粒を小さくする技術とし
て、圧延開始温度から仕上げ温度の間に変態点を通過さ
せる方法が考えられる。一方、従来圧延法による高純度
フェライト系ステンレスクラッド鋼板の製造において
は、一般にクラッド圧延前のスラブ加熱温度を高温にす
るほど高い接合強度が得られることからスラブをなるべ
く高温に加熱し、連続して圧延を行い製造する方法が主
に採用されており、また母材の機械的性質の観点から熱
間圧延後に必要に応じて焼ならし熱処理を施す場合があ
るが、この双方が表面性状の観点からは有害であり、加
工後の合せ材の表面のしわ等の不都合は高純度フェライ
ト系ステンレスクラッド鋼板の欠点であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の高純度フェライ
ト系ステンレスクラッド鋼板の製造においては、前述の
薄板リジング対策あるいは変態点利用技術をそのまま適
用することはできない。すなわち、薄板リジング対策で
ある熱間圧延工程の低温域において大圧下を加える方法
は、従来のクラッド鋼板製造工程において組立スラブを
できる限り高温に加熱しそこから連続圧延する方法と相
反するもので、スラブ設計及び圧延能力から限られた圧
下量の中で高温域での圧下量が制限されるため、高い接
合強度が得られないというような問題点を生起すること
になる。一方、接合強度を高めるためスラブを高温に加
熱することは、結晶粒の粗大化を促進し、その後の工程
における組織の微細化を困難なものにする。また、圧延
時に変態点を通過させる方法は、高純度フェライト系ス
テンレス鋼が室温から融点までほぼフェライト単相であ
り相変態を起こさないことから適用することができな
い。本発明は上記のような問題点を解決するためになさ
れたもので、加工後の表面性状に優れた高純度フェライ
ト系ステンレスクラッド鋼板の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の方法は、重量%で、Cr:16.0〜3
2.0%、Mo:2.5%以下を含む高純度フェライト
系ステンレス鋼と炭素鋼もしくは低合金鋼を重ね合わせ
たスラブを、熱間で圧延して高純度フェライト系ステン
レスクラッド鋼板を製造する方法において、1100〜
1200℃にスラブを加熱後、第1段目の熱間圧延を9
50℃以上の高温で行った後一旦圧延を中断し、900
℃以下で再び累積圧下率50%以上の熱間圧延を施すこ
とを特徴とする加工後の表面性状に優れた高純度フェラ
イト系ステンレスクラッド鋼板を製造する方法である。
また、上記の熱間圧延後に、850〜1000℃で焼な
らし熱処理を施すことを特徴とする加工後の表面性状に
優れた高純度フェライト系ステンレスクラッド鋼板の製
造方法である。
【0006】この製造法の特徴は次の通りである。高純
度フェライト系ステンレスクラッド鋼板において、高い
接合強度と加工後の良好な表面性状の両特性を同時に得
るためには、熱間圧延工程を目的の異なる2つの工程に
分け、それらを最適な条件で組み合わせることが有効で
あることを見いだした。すなわち、高温域での第1段目
の熱間圧延工程と、低温域での第2段目の熱間圧延工程
の、2つの工程に熱間圧延工程を分割し、前工程で高い
接合強度を得ることを目的とし、後工程で微細な組織を
得ることを目的とし、これらの工程を最適な条件で組み
合わせることにより、高い接合強度と微細な組織の両方
を得ることができる。ここで、第1段目の熱間圧延工程
の条件が不適切であると、高い接合強度が得られない
か、あるいはそれ以降の工程における組織の微細化を阻
害し加工後の良好な表面性状を得ることができない。ま
た、第2段目の熱間圧延工程の条件が不適切であると、
加工後の表面性状が良好になるような微細な組織が得ら
れないか、あるいは接合に寄与する第1段目の熱間圧延
における圧下率を十分確保することができなくなる。す
なわち、2つに分割した圧延工程の各条件のうち1つで
も不適切なものがあれば、高い接合強度あるいは加工後
の良好な表面性状あるいはその両方を得ることができな
くなるため、各条件を全工程の組み合わせの中で最適化
する必要がある。
【0007】また、高純度フェライト系ステンレスクラ
ッド鋼板においては、母材の機械的性質の観点から、熱
間圧延後に焼ならし熱処理を施す場合がある。この場
合、焼ならし熱処理条件あるいは熱間圧延条件が不適切
であると、熱間圧延により得られた微細な組織が粗大化
し、加工後に良好な表面性状が得られない。そこで、熱
間圧延後に焼ならし熱処理を施した場合でも組織の粗大
化を防止する必要がある。そのためには、熱間圧延工程
における低温域での第2段目の熱間圧延工程において組
織内に蓄積された歪エネルギーにより、焼ならし熱処理
において微細な再結晶組織を形成させ、結晶粒の粗大化
を防止することができる。その際、第2段目の熱間圧延
工程において、圧下量が少なく、組織内に十分な歪みエ
ネルギーが蓄積されていないと、再結晶が起こらない
か、あるいは再結晶の核生成サイトの数が少なく、微細
な再結晶粒組織が得られない。また、焼ならし熱処理に
おいて、熱処理温度が低いと再結晶が十分起こらず、逆
に熱処理温度が高いと再結晶後の粒成長により結晶粒が
粗大化してしまう。このため、熱間圧延工程及び焼なら
し熱処理の条件を最適化する必要がある。
【0008】
【作用】以下本発明について詳細に説明する。まず、合
せ材の高純度フェライト系ステンレス鋼の成分を限定し
た理由を説明する。従来化学プラント等には耐食性に優
れたオーステナイト系ステンレス鋼が広く用いられてい
るが、オーステナイト系ステンレス鋼は塩化物環境下に
おいて応力腐食割れを発生する危険性を有している。こ
れに対し、フェライト系ステンレス鋼の耐食性はオース
テナイト系ステンレス鋼よりも劣っているが、耐応力腐
食割れ性に優れているという特徴を有している。近年、
フェライト系ステンレス鋼においてC、N等の不純物元
素量を低減化し耐食性を改善した高純度フェライト系ス
テンレス鋼が開発され、化学プラント、温水タンク等に
使用されるようになってきた。高純度フェライト系ステ
ンレス鋼においてオーステナイト系ステンレス鋼と同等
の耐食性を有するためにはCrが重量%で16%以上必
要である。また、同様に耐食性の観点からMoの添加が
望ましい。しかし、Cr、Moは多量に添加すると製造
性、溶接性、経済性等を損なうため、Crは32%を、
またMoは2.5%を上限とした。
【0009】次に、クラッド圧延前のスラブ加熱温度を
1100〜1200℃とした理由を説明する。一般にク
ラッド圧延においては、スラブ加熱温度を高温にするほ
ど低い圧下比でも安定して高い接合強度が得られるよう
になる。そこで、スラブ加熱の下限温度としては、通常
の圧延において安定して高い接合強度が得られる110
0℃とした。一方、上限温度としては、1200℃を越
える温度に加熱すると、合せ材の結晶粒が粗大化し、そ
れ以降の圧延工程でいかに大きな圧下を加えても、合せ
材の微細な組織を得ることができなくなり、製造後及び
加工後に肌荒れが生じるため、1200℃とした。
【0010】次に圧延条件と焼ならし熱処理条件を限定
した理由を説明する。表1に供試高純度フェライト系ス
テンレスクラッド鋼板の合せ材と母材の化学成分を示
す。合せ材にはC量及びN量がそれぞれ0.007wt
%、0.0082wt%と高純度の18wt%Cr−2
wt%Mo系のSUS444を用いた。母材にはSS4
00を用いた。表2に上記の合せ材と母材を組み合わ
せ、3条件で圧延を行ったものについて、曲げ半径を板
厚tとして表曲げ試験を行った後の合せ材表面性状を示
した。熱間圧延を高温から連続して行い、900℃仕上
の条件で圧延を行ったものは、曲げ試験後の合せ材表
面に肌荒れが生じた。これに対し、第1段目の熱間圧延
を950℃以上の温度で一旦中断し、900℃以下で再
び累積圧下率50%以上の熱間圧延を施した条件及び
で圧延を行ったものは、曲げ試験後の合せ材表面に肌
荒れが生じず、良好な表面性状であった。さらに、表2
に示す3条件で圧延を行った後、800℃〜1050℃
の温度で30分間焼ならし熱処理したときの再結晶率と
結晶粒径の変化を図1に示した。圧延後の焼ならし熱処
理時の再結晶挙動は圧延条件の影響を大きく受け、90
0℃以下で圧下を加えたものは850℃の焼ならし熱処
理で再結晶がほぼ完了するのに対し、900℃仕上材で
は完全再結晶組織を得るには1050℃の焼ならし熱処
理が必要であった。また、900℃以下で圧下を加えた
ものは圧延後の850℃〜1000℃の焼ならし熱処理
により微細な再結晶組織を得ることができた。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】図1中には2MHz及び5MHzで行った
超音波探傷の可否を併せて示した。再結晶率が90%以
上で、かつ結晶粒径が90μm以下の組織を有するもの
は超音波探傷が可能であったが、再結晶率が90%未満
あるいは結晶粒径が90μmを越える組織のものは雑エ
コーが発生し超音波探傷が不可能であった。この超音波
探傷が可能な組織を有するものは、曲げ半径を板厚tと
した表曲げ試験において、試験後合せ材の表面性状が概
ね良好であった。これに対し、超音波探傷が不可能な組
織を有するものは、表曲げ試験後の合せ材表面に肌荒れ
が観察された。すなわち、焼ならし熱処理を施した場
合、加工後の合せ材表面に肌荒れが生じないようにする
ためには、超音波探傷可能な微細な再結晶粒組織を得る
ことが必要である。
【0014】図2に1200℃にスラブを加熱後、熱間
圧延を1000℃で一旦中断し、900℃以下または8
50℃以下で累積圧下率10%〜50%の圧延を行い、
910℃で30分の焼ならし熱処理を施したときの再結
晶率と結晶粒径の変化を示した。加工後の合せ材表面性
状が良好となる再結晶率が90%以上で、かつ結晶粒径
が90μm以下の組織を得るためには、900℃以下で
の累積圧下率が50%以上必要であることが分かる。し
たがって、加工後の合せ材表面性状が良好となるような
微細な組織を得るためには、900℃以下での累積圧下
率が50%以上の熱間圧延を施すこと、またその後焼な
らし熱処理を施す場合には、焼ならし熱処理温度を85
0℃〜1000℃とすることが必要である。ここで、9
00℃以下での圧下率が大きくなると、接合に寄与する
第1段目の圧下比を十分にとることができなくなる。逆
に、第1段目の圧延で必要以上の圧下を加えると、90
0℃以下での圧下率を確保することができず、組織の微
細化を図ることができない。そこで、950℃以下の圧
延が接合に寄与しないことから、全圧下を接合に寄与す
る950℃以上の圧延と組織微細化のための900℃以
下での圧延に効率的に振り分けるため、第1段目の圧延
を950℃以上で集中的に行い一旦圧延を中断すること
が望ましい。
【0015】
【実施例】本発明の特徴を明らかにするために、本発明
により製造したSUS444クラッド鋼板と、従来法及
び本発明に当てはまらない条件で製造したSUS444
クラッド鋼板ついて特性を比較した。表3に合せ材に用
いたSUS444の成分を示す。母材にはすべてSS4
00を用いた。表4に焼ならし熱処理を施さない場合の
供試クラッド鋼板の製造条件を示す。表5に表4により
製造した鋼板の特性を示す。また、表6に焼ならし熱処
理を施した場合の供試クラッド鋼板の製造条件を示す。
表7に表6により製造した鋼板の特性を示す。表5及び
表7の剪断強度はJIS G 0601の剪断強度試験
法により測定した。製造後の合せ材表面性状は、粗さ計
により測定した合せ材表面の最大高さRmaxが0.1
mm未満の場合を良好とした。曲げ加工後の合せ材表面
性状も圧延後の合せ材表面性状に準じて評価を行った。
また、表7の超音波探傷は2MHz及び5MHzで行っ
た。
【0016】
【表3】
【0017】
【表4】
【0018】
【表5】
【0019】
【表6】
【0020】
【表7】
【0021】A1〜A5及びN1〜N6は本発明により
製造したクラッド鋼板であり、剪断強度も高く、製造後
と曲げ加工後の合せ材表面性状は良好であり、N1〜N
6はさらに超音波探傷も可能であった。一方、スラブ加
熱後連続した圧延を施した従来鋼板のA6〜A8及びN
7〜N9は接合強度は高かったが、曲げ加工後に合せ材
表面に肌荒れが発生し、N7〜N9はさらに超音波探傷
が雑エコー発生のため不可能であった。さらに、A6,
A7,N7は製造後にも合せ材表面に肌荒れが生じてい
た。また、本発明法によらない比較鋼板のA9〜A13
及びN10〜N16は、接合強度、あるいは製造後また
は曲げ加工後の合せ材表面性状に劣っているか、あるい
は超音波探傷が不可能であった。
【0022】A9とN10はスラブ加熱温度が低かった
ため剪断強度が劣っていた。A10とN11はスラブ加
熱温度が高かったため製造後と曲げ加工後の合せ材の表
面に肌荒れが生じ、N11はさらに超音波探傷が不可能
であった。A11とN12は第2段目の熱間圧延を95
0℃で開始し累積圧下率が50%であったため、900
℃以下での累積圧下率が不足し、曲げ加工後の合せ材表
面に肌荒れが生じ、N12ではさらに超音波探傷が不可
能であった。A12とN13は第1段目の熱間圧延をそ
れぞれ907℃、919℃まで行い、第2段目の圧下率
を確保することができなかったため、曲げ加工後の合せ
材表面に肌荒れが生じ、N13はさらに超音波探傷が不
可能であった。A13とN14は第2段目の熱間圧延の
圧下率が不足したため、N15は焼ならし熱処理温度が
低かったため、N16は焼ならし熱処理温度が高かった
ため、曲げ加工後の合せ材表面に肌荒れが生じ、N14
〜N16はさらに超音波探傷が不可能であった。本発明
により製造したクラッド鋼板の鏡板加工後の合せ材表面
性状を確認するため、実際に表6のN1について冷間ス
ピニング加工による鏡板加工を実施し、加工後の合せ材
表面性状を調査した。鏡板の形状は内径1250mmの
半楕円型とした。加工後の合せ材表面性状は肌荒れがな
く良好なものであり、本発明鋼は鏡板加工後も優れた合
せ材表面性状を有することが確認された。
【0023】
【発明の効果】本発明により製造された高純度フェライ
ト系ステンレスクラッド鋼板は、従来法により製造され
た鋼板に比べて加工後の表面性状に優れていた。ゆえ
に、本発明によれば鏡板加工等の加工後に合せ材の研磨
工程の短縮・省略が可能となり、その結果大幅なコスト
低減が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧延条件及び焼ならし熱処理条件による組織変
化を示した図である。
【図2】圧延条件による組織変化を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C21D 9/46 Z C22C 38/00 302 H 38/22 (72)発明者 木村 秀途 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、Cr:16.0〜32.0
    %、Mo:2.5%以下を含む高純度フェライト系ステ
    ンレス鋼と炭素鋼もしくは低合金鋼を重ね合わせたスラ
    ブを、熱間で圧延して高純度フェライト系ステンレスク
    ラッド鋼板を製造する方法において、1100〜120
    0℃にスラブを加熱後、第1段目の熱間圧延を950℃
    以上の高温で行った後一旦圧延を中断し、900℃以下
    で再び累積圧下率50%以上の熱間圧延を施すことを特
    徴とする加工後の表面性状に優れた高純度フェライト系
    ステンレスクラッド鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 特許請求の範囲第1項記載の熱間圧延後
    に、850〜1000℃で焼ならし熱処理を施すことを
    特徴とする加工後の表面性状に優れた高純度フェライト
    系ステンレスクラッド鋼板の製造方法。
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