JPH06269882A - ロール成形旋削加工装置 - Google Patents

ロール成形旋削加工装置

Info

Publication number
JPH06269882A
JPH06269882A JP6546193A JP6546193A JPH06269882A JP H06269882 A JPH06269882 A JP H06269882A JP 6546193 A JP6546193 A JP 6546193A JP 6546193 A JP6546193 A JP 6546193A JP H06269882 A JPH06269882 A JP H06269882A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ring
molding
forming
floating ring
jig
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6546193A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2798864B2 (ja
Inventor
Hideki Otaka
秀樹 大高
Kenji Nakajima
研志 中島
Toshiyasu Kashimura
寿康 樫村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hino Motors Ltd
Original Assignee
Hino Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hino Motors Ltd filed Critical Hino Motors Ltd
Priority to JP6546193A priority Critical patent/JP2798864B2/ja
Publication of JPH06269882A publication Critical patent/JPH06269882A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2798864B2 publication Critical patent/JP2798864B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Turning (AREA)
  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピストン用耐摩環のごときリング成形体を、
同一装置により精度よくロール成形及び旋削加工する。 【構成】 一対の成形型半体12,13からなる組み合
わせ成形型14の成形溝部15内に、リング成形体18
の内径と同寸法の外径を有するフローティングリング1
9を遊嵌し、成形溝部15を覆って組み合わせ成形型1
4に嵌合したフープ素材17を、成形溝部15の溝幅よ
りも幅の小さなローラ16を組み合わせ成形型14とは
相対的に逆方向回転させながら押圧することにより、フ
ローティングリング19の外径と同寸法の内径をもつリ
ング成形体17にロール成形し、次にロール成形中はフ
ローティングリング19から離脱させていた治具20を
フローティングリング19に係合させ、リング成形体1
8をフローティングリング19を介して成形型14に同
軸固定した状態で、ローラ16に代わる旋削工具21を
もって所要寸法の外形形状に仕上げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジン用ピストン耐
摩環のごときリング成形体を成形するさいに、ロール成
形と旋削加工が連続的に行えるよにしたロール成形旋削
加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼル・エンジン用ピストンは、特
にトップリング溝近傍を冷却剤によって効率よく冷却で
きるよう、耐摩性と耐熱性に富む専用の金属材料を成形
し、円筒状首部の両端に円形鍔部を有するリング成形体
に加工した耐摩環を用いるものが多い。この種の耐摩環
は、ピストンのリング溝の裏面部に潤滑油を導くことの
できる胴管部として付設されるため、鋳造により製作す
ることもできるが、使用時に低温から高温まで広範囲の
温度変化にさらされるため、成形時に要求される寸法精
度はきわめて厳しく、成形方法の善し悪しがピストン冷
却効果に与える影響は大である。そこで、例えばステン
レス材等の薄板板金をロール成形し、ピストンリングを
挿入するリングトレーガと溶接して成形し、これをピス
トンに鋳込む方法により、比較的簡単に製作されるよう
になった。
【0003】ところで、こうした耐摩環のごときリング
成形体をロール成形するのに用いる従来のロール成形装
置は、図3(A)〜(D)に各成形段に示した形状の装
置であった。同図に示したロール成形装置1は、端面に
縮径部をもつ円柱状の成形型半体2と円柱状の成形型半
体3とを端面どうし突き合わせ締結分離自在に組み合わ
せた組み合わせ成形型4と、この組み合わせ成形型4の
突き合わされた端面の部分に形成された断面コ字形の溝
部5内に進退自在とされるローラ6とから構成される。
成形にさいしては、まず一対の成形型半体2,3をボル
トなどの締結手段(図示せず)により同軸締結し、図3
(A)に示した組み合わせ成形型4を構成する。次に、
図4(A)に示す金属製の筒状薄板材料からなるフープ
素材7を、組み合わせ成形型4の外周に嵌合させる。そ
こで、フープ素材7の中央部分を溝部5の中央に位置合
わせしたのち、フープ素材7を組み合わせ成形型4とと
もに回転させる。
【0004】一方、ローラ6は、コ字形溝部5の溝幅か
らフープ素材7の肉厚の2倍を差し引いた幅を有してお
り、このローラ6を組み合わせ成形型4とは逆方向に回
転させながらフープ素材7に近接させ、図3(B)に示
したように、そこからさらにローラ6を溝部5の内方に
向けて押圧する。これにより、図4(B)に示したよう
に、フープ素材7は、まずリング成形体8に成形される
前段階であるリング中間体に成形され、この間のネッキ
ング工程により首部8aが徐々に形成される。そこで、
さらに図3(C)に示したように、ローラ6を回転させ
ながら、フープ素材7を溝部5内に押圧していくと、図
4(C)に示したように、リング中間体の首部8aの両
端に鍔部8bをもった最終成形体に近い形状に成形され
る。そして、図3(D)に示したように、ネッキング及
びフレアリング工程をさらに進め、最終段階において図
4(D)に示すリング成形体8が完成する。このため、
そこで成形型半体2,3どうしの締結を解除することに
より、溝部5内から完成したリング成形体8を取り外す
ことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のリング成形
体8の成形方法によれば、コ字形断面の溝部5にローラ
6を回転させながら押圧していったときに、円筒状の首
部8aとその両端に円形鍔部8bを有するリング成形体
8が完成する直前に、完成に近いがまだ所要の寸法を獲
得するに至っていないリング成形体8が溝部5内に落ち
込んでしまい、首部8aの内周を規制する手段が存在し
ないまま、組み合わせ成形型4とローラ6が互いに反対
方向に回転するだけであるため、リング成形体8に対す
る型規制が溝部5とローラ6の間のただ一か所に限られ
てしまい、リング成形体8の内周は自由放任されたまま
であるために、フレアリング工程における寸法精度が得
られないといった課題があった。
【0006】また、上記従来のロール成形装置1は、ロ
ール成形されたリング成形体の外形寸法を加工後に所定
形状に仕上げるさいに、まず成形型半体3を成形型半体
2から引き離してリング成形体8を外し、続いて別の場
所に設置された専用の旋削加工機(図示せず)にリング
成形体8を装着し、バイト等の旋削工具を使って外形寸
法を所要寸法に仕上げる方法によっていた。しかし、コ
字形断面をもつリング成形体8は、薄板板金であるため
僅かな外力で変形しやすく、このためロール成形装置1
から旋削加工機に移し変える最中に誤って変形させてし
まう恐れがあり、またロール成形により成形されたリン
グ成形体は、その首部8aに係合するチャック等を使っ
て旋削加工機に装着されるが、その中心軸線を旋削加工
機の回転中心軸に厳密に一致させるのは困難であり、装
着状態には多少のバラツキが伴うため、旋削加工機によ
り仕上げられた外形寸法の寸法精度はさほど高くなく、
またロール成形装置から旋削加工機に被加工物を移動さ
せるにも時間がかかるため、全体の作業効率は悪いとい
った問題があった。
【0007】本発明は、これらの点に鑑みてなされたも
のであり、一対の成形型半体を組み合わせて締結した組
み合わせ成形型の成形溝部に、フローティングリングを
遊嵌させて組み合わせることにより、特にロール成形最
終段階においてリング成形体の首部の内周をフローティ
ングリングにより規制し、リング成形体の寸法精度を高
めるとともに、ロール成形後はフローティングリングを
治具によりリング成形体に同軸固定し、リング成形体を
成形型に嵌装したまま旋削工具による旋削を可能にする
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、成形溝部を形成する一対の成形型半体か
らなり、円筒状の首部と該首部両端に円形鍔部を有する
リング成形体に加工しようとする筒状素材が、前記該成
形溝部を覆って嵌合装着される組み合わせ成形型と、前
記リング成形体の内径と同寸法の外径を有し、前記成形
溝部内に遊嵌されるフローティングリングと、前記成形
溝部の幅から前記筒状素材の肉厚の2倍を差し引いた幅
を有し、前記組み合わせ成形型に嵌合装着された筒状素
材を、該組み合わせ成形型とは相対的に逆方向回転させ
ながら押圧しロール成形するローラと、該ローラ成形後
に前記フローティングリングに係合され、前記リング成
形体を該フローティングリングを介して前記組み合わせ
成形型に同軸固定する治具と、前記組み合わせ成形型に
同軸固定された前記リング成形体を旋削し、所要寸法の
外形形状に仕上げる旋削工具とを具備することを特徴と
するものである。
【0009】また、本発明は、前記組み合わせ成形型
が、成形端面どうしを同軸対向させ、成形溝部を隔てて
互いに近接離間可能に設けられた受け型及び押し型とか
らなることを特徴としており、さらに前記フローティン
グリングが、前記治具に係合する段付き係合孔を有して
おり、該段付き係合孔に前記治具が係合したきに半径方
向及び軸方向に位置決めされることを特徴とし、さらに
また前記治具が、前記一方の成形半体内に摺動可能に同
軸配置され、前記フローティングリング又は前記他方の
成形半体に選択的に係脱可能とされ、ロール成形時は前
記他方の成形型半体に係合し、旋削加工時は前記フロー
ティングリングに係合することを特徴とするものであ
る。
【0010】
【作用】本発明装置によれば、一対の成形型半体からな
る組み合わせ成形型の成形溝部内に、リング成形体の内
径と同寸法の外径を有するフローティングリングを遊嵌
し、成形溝部を覆って組み合わせ成形型に嵌合したフー
プ素材を、成形溝部の溝幅よりも幅の小さなローラを組
み合わせ成形型とは相対的に逆方向回転させながら押圧
することにより、フローティングリングの外径と同寸法
の内径をもつリング成形体にロール成形し、次にロール
成形中はフローティングリングから離脱させていた治具
をフローティングリングに係合させ、リング成形体をフ
ローティングリングを介して組み合わせ成形型に同軸固
定した状態で、所要寸法の外形形状に仕上げることによ
り、ロール成形と旋削加工を同一装置により精度よくか
つ効率よく行う。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図1,2を
参照して説明する。図1は、本発明のロール成形旋削加
工装置の一実施例による成形加工工程を示す要部縦断面
図、図2は、図1に示したロール成形旋削加工装置によ
り成形加工されるリング成形体の各成形加工段における
状態を示す斜視図である。
【0012】図1(A)〜(F)に示したリング成形装
置11は、一対の成形型半体12,13を対向する成形
端面間に成形溝部15を形成して組み合わせた組み合わ
せ成形型14と、一方の成形型半体12内に摺動可能に
同軸配置した治具20と、リング成形体18の内径と同
寸法の外径を有し、成形溝部15内に嵌装されるフロー
ティングリング19と、成形溝部15の幅からフープ素
材17の肉厚の2倍を差し引いた幅を有するローラ16
と、ロール成形完了後に、リング成形体18の外形を旋
削加工する旋削工具21等から構成される。リング成形
体18は、図2(A)に示した薄板筒状金属材料からな
るフープ素材17から成形されるもので、最終的には円
筒状の首部18aとその両端に円形鍔部18bを有する
形状に成形加工される。
【0013】成形に用いる組み合わせ成形型14は、成
形端面どうしを同軸対向させて互いに近接離間可能に設
けた一対の成形型半体12,13が、ロール成形のため
の受け型と押し型を構成しており、それぞれに貫通孔1
2a,13aが同軸穿設してある。また、貫通孔13a
については開口部分を倍程度の径にまで座ぐり加工し、
治具20を受けるための皿穴13bとしてある。なお、
フープ素材17は、後述するように、成形端面を所定距
離だけ離間させた状態に管継手するごとく成形型半体1
2,13に嵌装される。受け型となる成形型半体12の
貫通孔12aに同軸嵌装した治具20は、先端に頭部2
0aと鍔部20bが形成されており、これらが押し型と
なる成形型半体13内とフローティングリング19に選
択的に係脱するようになっている。実施例の場合、鍔部
20bの径は、皿穴13bの径にほぼ等しく、また鍔部
20bの厚みは、皿穴13bの深さにほぼ等しい。な
お、治具20の胴部20cの径は、頭部20aと鍔部2
0bの各径の中間の寸法とされている。
【0014】フローティングリング19は、リング成形
体18の内径と同寸法の外径を有し、治具20の鍔部2
0bが係脱する段付き係合孔19aを有する。実施例に
示した係合孔19aは、鍔部20bが係合する大径部と
鍔部20bを係止する小径部から構成され、治具20を
半径方向に規制する大径部の径は鍔部20bの径にほぼ
等しく、また治具20を軸方向に規制する小係部までの
深さすなわち大径部の長さは鍔部20bの厚みにほぼ等
しい。フローティングリング19は、治具20の鍔部2
0bの係脱に応じて半径方向及び軸方向の動きを規制又
は解除されるが、治具20を離脱させたときに成形溝部
15内を半径方向に自由に移動できるよう、その幅は成
形溝部15の幅よりもごく僅かだけ小としてある。
【0015】ローラ16は、成形溝部15の幅からフー
プ素材17の肉厚の2倍を差し引いた幅を有しており、
治具20の鍔部20bを成形型半体13に係合させた状
態でフープ素材17に対し成形型14とは相対的に逆方
向回転させながら押圧され、フローティングリング19
の外径と同寸法の内径をもつリング成形体18をロール
成形する。
【0016】旋削工具21は、金属切削用のバイトであ
り、ロール成形完了後にローラ16に代わってリング成
形体18の外周に対向配置され、リング成形体18を成
形型14とともに回転させた状態で軸に平行移動され、
刃先でリング成形体18の外形を旋削加工する。ただ
し、旋削加工中は、治具20の鍔部20bは成形型半体
13内ではなくフローティングリング19内に係合させ
た状態で行われ、フローティングリング19は治具20
によって半径方向と軸方向に移動規制される。
【0017】リング成形体18の成形加工にさいして
は、まず図1(A)に示したように、押し型となる成形
型半体13を受け型である成形型半体12から離間さ
せ、フローティングリング19を治具20に係合させ
る。次に、一対の成形型半体12,13を管継手するご
とく溝部15を覆い、図2(A)に示すフープ素材7を
組み合わせ成形型14に嵌合する。すなわち、フープ素
材7を一端側から一方の成形型半体12に浅く嵌合保持
させ、次に他方の成形型半体13を近接移動させてフー
プ素材7の他端側に浅く嵌合させる。フープ素材7の装
着が完了したならば、図1(B)に示したように治具2
0を前進駆動し、頭部20a及び鍔部20bを成形型半
体13内に係合させ、ローラ16をフープ素材17に当
接させる。
【0018】こうして加工準備態勢は整うが、治具20
の係合を解除されたフローティングリング19は、成形
溝部15内にあって治具20の胴部20cに遊嵌した状
態となる、ただし、軸方向に殆ど遊びはなく、ただ半径
方向にのみ浮遊移動できる状態となる。そこで、図1
(C)に示したように、溝部15の溝幅よりもフープ素
材17の肉厚の2倍だけ幅の小さなローラ16を、成形
型14とは逆方向に回転させながらフープ素材17に押
圧する。これにより、ネッキング工程が始まり、リング
成形体18の首部18aが徐々に形成される。このネッ
キング工程では、フープ素材17の首部の内周にフロー
ティングリング19が密嵌合し、フープ素材17は内側
から変形規制されたまま成形されるため、最終形状の前
段階として図2(C)に示したようにフローティングリ
ング19と同径の内周をもったリング中間体が成形され
る。
【0019】そこで、図1(D)に示したようにさらに
ローラ16を回転させながら、フープ素材17を成形溝
部15内に押圧していくと、図2(C)に示したよう
に、首部18aの両端に円形鍔部18bをもった最終成
形体に近い形状に成形される。そして、このネッキング
及びフレアリング工程の最終段階でも、ネッキング工程
開始以来ずっとリング成形体18の首部の内周にフロー
ティングリング19が密嵌合したまま成形が行われるた
め、成形体リング18は内周側に一切自由変形できず、
設計寸法に近い状態で成形される。このため、工程終了
時には図2(D)に示したほぼ完成に近いリング成形体
19が得られ、後は外形寸法を仕上げるための旋削加工
を残すだけとなる。
【0020】旋削加工にさいしては、まず治具20を後
退させてフローティングリング19内に係合させ、フロ
ーティングリング19を半径方向と軸方向に移動規制す
る。これにより、リング成形体18はフローティングリ
ング19を介して治具20すなわち成形型半体12に対
して同軸固定され、旋削加工準備が整う。そこで、図1
に示したように、ローラ16を移動させて旋削工具21
を加工位置にセットし、組み合わせ成形型14を回転さ
せながら旋削加工を行う。リング成形体18の鍔部18
bは、旋削工具21の刃先により旋削されて所要寸法に
加工され、最終的には図示2(E)に示したリング成形
体18が得られる。なお、旋削加工中のリング成形体1
8は、一対の成形型半体12,13により両側からしっ
かりと保持され、かつまた内周側をフローティングリン
グ19により支持されているため、きわめて精度の高い
旋削加工が可能である。
【0021】旋削加工を終えたリング成形体18は、図
1(F)に示したように押し型である成形型半体13を
離間させることで、成形溝部15から容易に取り外すこ
とができる。ただし、リング成形体18は、旋削加工が
完了した時点で初めて成形溝部15から取り外すため、
当然のことながら、従来のようにロール成形を終えた段
階で旋削加工機のある場所に移し変えたりする必要はま
ったくなく、ロール成形に続いて同じ場所で旋削加工を
行うことができるため、加工変形による寸法狂いや不要
な加工工数とは無縁である。
【0022】このように、上記ロール成形旋削加工装置
11によれば、ディーゼルエンジン用ピストンの耐摩環
等のごとく寸法精度が要求されるリング成形体18を成
形溝部15の幅とフローティングリング19の外径に合
わせて精度よくロール成形することができ、またロール
成形に引き続きその場で旋削加工を施して外形形状を所
要寸法に仕上げることができる。また、リング成形体1
8の成形形状に合わせ成形型半体12,13とフローテ
ィングリング19を複数組用意しておくことで、形状の
異なるあらゆるリング成形体18を自在に成形すること
ができる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
一対の成形型半体からなる組み合わせ成形型の成形溝部
内に、リング成形体の内径と同寸法の外径を有するフロ
ーティングリングを遊嵌し、成形溝部を覆って組み合わ
せ成形型に嵌合したフープ素材を、成形溝部の溝幅より
も幅の小さなローラを組み合わせ成形型とは相対的に逆
方向回転させながら押圧することにより、フローティン
グリングの外径と同寸法の内径をもつリング成形体にロ
ール成形し、次にロール成形中はフローティングリング
から離脱させていた治具をフローティングリングに係合
させ、リング成形体をフローティングリングを介して組
み合わせ成形型に同軸固定した状態で、所要寸法の外形
形状に仕上げる構成としたから、筒状素材を成形溝部の
内壁に沿って変形させながらローラを押し付けていった
ときに、筒状素材が最終形状のリング成形体にまで成形
される過程で、リング成形体の内周にフローティングリ
ングが密着嵌合し、リング成形体の首部をフローティン
グリングの外形形状に規制するため、ローラとフローテ
ィングリングの間に挟まれて成形される素材を、鍔部の
端面は溝部の内壁により、また首部の内周面はフローテ
ィングリングの外周面により規制しながら、所望の形状
にきわめて精度よく成形することができ、またロール成
形完了後は、治具を移動させるだけでフローティングリ
ングを組み合わせ成形型に同軸固定できるため、リング
成形体を旋削加工機等に移し変えることなく、そのまま
旋削加工が可能であり、加工変形による寸法狂い等のな
い高精度の旋削加工が少ない工数で可能であり、従って
ディーゼルエンジン用ピストンの耐摩環等のごとく寸法
精度が要求されるリング成形体を効率よく成形すること
ができる等の優れた効果を奏する。
【0024】また、本発明は、組み合わせ成形型を、成
形端面どうしを同軸対向させ、成形溝部を隔てて互いに
近接離間可能に設けられた受け型及び押し型とから構成
したから、受け型から押し型を離間させた状態で筒状素
材を装着し、また受け型に対して押し型を所定の距離ま
で近接させることにより、受け型と押し型の間にリング
成形体の幅に応じた成形溝を形成することができ、受け
型と押し型を同軸一体回転させながら、リング成形体を
精度よく旋削加工することができる等の効果を奏する。
【0025】また、フローティングリングが、治具に係
合する段付き係合孔を有しており、段付き係合孔に治具
が係合したきに半径方向及び軸方向に位置決めされるよ
う構成したから、ロール成形中は成形溝部内に遊嵌して
いたフローティングリングを、旋削加工時には治具の作
用により正確に一方の成形型半体に同軸固定することが
でき、これにより治具の移動とローラから旋削工具への
置換とをもって、簡単にロール成形から旋削加工に移行
することができる等の効果を奏する。
【0026】さらにまた、治具が、一方の成形半体内に
摺動可能に同軸配置され、フローティングリング又は他
方の成形半体に選択的に係脱可能とされ、ロール成形時
は他方の成形型半体に係合し、旋削加工時はフローティ
ングリングに係合する構成としたから、ロール成形的に
は一対の成形型半体が治具により同軸化され、また旋削
加工時には治具がフローティングリングを介してリング
成形体を一方の成形型半体に同軸固定するというよう
に、ロール成形と旋削加工の両方に共通する治具の働き
によりロール成形精度と旋削加工精度を良好に維持する
ことができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロール成形旋削加工装置の一実施例に
よる成形加工工程を示す要部縦断面図である。
【図2】図1に示したロール成形旋削加工装置により成
形加工されるリング成形体の各成形加工段における状態
を示す斜視図である。
【図3】従来のロール成形装置による成形工程を示す要
部縦断面図である。
【図4】従来のロール成形装置により成形されるリング
成形体の各成形段における状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
11 ロール成形旋削加工装置 12,13 成形型半体 14 組み合わせ成形型 15 成形溝部 16 ローラ 17 フープ素材 18 リング成形体 19 フローティングリング 20 治具 21 旋削工具
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16J 9/00 A 7366−3J

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形溝部を形成する一対の成形型半体か
    らなり、円筒状の首部と該首部両端に円形鍔部を有する
    リング成形体に加工しようとする筒状素材が、前記該成
    形溝部を覆って嵌合装着される組み合わせ成形型と、前
    記リング成形体の内径と同寸法の外径を有し、前記成形
    溝部内に遊嵌されるフローティングリングと、前記成形
    溝部の幅から前記筒状素材の肉厚の2倍を差し引いた幅
    を有し、前記組み合わせ成形型に嵌合装着された筒状素
    材を、該組み合わせ成形型とは相対的に逆方向回転させ
    ながら押圧しロール成形するローラと、該ローラ成形後
    に前記フローティングリングに係合され、前記リング成
    形体を該フローティングリングを介して前記組み合わせ
    成形型に同軸固定する治具と、前記組み合わせ成形型に
    同軸固定された前記リング成形体を旋削し、所要寸法の
    外形形状に仕上げる旋削工具とを具備することを特徴と
    するロール成形旋削加工装置。
  2. 【請求項2】 前記組み合わせ成形型は、成形端面どう
    しを同軸対向させ、成形溝部を隔てて互いに近接離間可
    能に設けられた受け型及び押し型とからなることを特徴
    とする請求項1記載のロール成形旋削加工装置。
  3. 【請求項3】 前記フローティングリングは、前記治具
    に係合する段付き係合孔を有しており、該段付き係合孔
    に前記治具が係合したきに半径方向及び軸方向に位置決
    めされることを特徴とする請求項1記載のロール成形旋
    削加工装置。
  4. 【請求項4】 前記治具は、前記一方の成形半体内に摺
    動可能に同軸配置され、前記フローティングリング又は
    前記他方の成形半体に選択的に係脱可能とされ、ロール
    成形時は前記他方の成形型半体に係合し、旋削加工時は
    前記フローティングリングに係合することを特徴とする
    請求項1記載のロール成形旋削加工装置。
JP6546193A 1993-03-24 1993-03-24 ロール成形旋削加工装置 Expired - Fee Related JP2798864B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6546193A JP2798864B2 (ja) 1993-03-24 1993-03-24 ロール成形旋削加工装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6546193A JP2798864B2 (ja) 1993-03-24 1993-03-24 ロール成形旋削加工装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06269882A true JPH06269882A (ja) 1994-09-27
JP2798864B2 JP2798864B2 (ja) 1998-09-17

Family

ID=13287793

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6546193A Expired - Fee Related JP2798864B2 (ja) 1993-03-24 1993-03-24 ロール成形旋削加工装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2798864B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997007330A1 (fr) * 1995-08-14 1997-02-27 Hino Motors, Ltd. Segment resistant a l'abrasion pour piston de moteur et ses procede et dispositif de production
CN114473378A (zh) * 2022-01-07 2022-05-13 西安泰金工业电化学技术有限公司 一种导电能力强的阴极辊加工装置及其加工流程

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997007330A1 (fr) * 1995-08-14 1997-02-27 Hino Motors, Ltd. Segment resistant a l'abrasion pour piston de moteur et ses procede et dispositif de production
CN114473378A (zh) * 2022-01-07 2022-05-13 西安泰金工业电化学技术有限公司 一种导电能力强的阴极辊加工装置及其加工流程
CN114473378B (zh) * 2022-01-07 2023-03-14 西安泰金新能科技股份有限公司 一种导电能力强的阴极辊加工装置及其加工流程

Also Published As

Publication number Publication date
JP2798864B2 (ja) 1998-09-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4246310B2 (ja) ころ軸受用保持器の製造方法
US6757976B2 (en) Method for manufacturing alloy wheel for automobile
NL9420034A (nl) Werkwijze voor het vervaardigen van een velg voor een voertuig.
JPS6245012B2 (ja)
JP3349020B2 (ja) 薄板リング成形体の製造方法及び装置
JP2006181638A (ja) ラジアル玉軸受用軌道輪及びその製造方法
US6298702B1 (en) Method for making seamless wheel rims
JPH06269882A (ja) ロール成形旋削加工装置
CN214977842U (zh) 一种薄壁圆环类零件的工装夹具
JPH07155879A (ja) 管継手の製造方法及びそれに使用する揺動加工装置
JPH0139849B2 (ja)
JPH07185727A (ja) スプラインシャフトの冷間鍛造方法
JP2815521B2 (ja) リング成形体の成形方法及びリング成形装置
GB2154482A (en) Setting-up of workpieces for machining
JPS6113935B2 (ja)
JPH11244983A (ja) 軸受素形材の製造方法
US20220062969A1 (en) Method for producing a ball raceway on a workpiece and a ball screw nut having a ball raceway thus produced
JP3429157B2 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼の大径リング製造方法
JPH035381Y2 (ja)
US3142115A (en) Method and apparatus for manufacturing annular workpieces of metal, particularly steel, to be subsequently shaped by cold forging
US4712410A (en) Method and apparatus for cold sizing a round workpiece having multiple diameters
KR102480361B1 (ko) 파이프 벤딩용 와이퍼 다이의 제조 방법
JP3102674B2 (ja) 歯車のサイジング金型
JPS60145231A (ja) 自動車用ホイールにおけるインナーリムの製造方法並びにその装置
JPS622895B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees