JPH06269786A - 水処理プロセスのオゾン注入量制御方法 - Google Patents

水処理プロセスのオゾン注入量制御方法

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JPH06269786A
JPH06269786A JP20706691A JP20706691A JPH06269786A JP H06269786 A JPH06269786 A JP H06269786A JP 20706691 A JP20706691 A JP 20706691A JP 20706691 A JP20706691 A JP 20706691A JP H06269786 A JPH06269786 A JP H06269786A
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ozone
concentration
musty
water
reaction rate
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JP20706691A
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English (en)
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Takeo Shigeniwa
竹生 茂庭
Mitsumasa Okada
光正 岡田
Nobuyuki Motoyama
本山  信行
Takayuki Morioka
崇行 森岡
Koji Shimizu
康次 清水
Hiroshi Hoshikawa
寛 星川
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】かび臭物質の除去を目的として被処理水をオゾ
ン処理する際に、原水中に共存する腐植物質,炭酸がか
び臭物質の分解に及ぼす影響を補償して、オゾンを過不
足なく注入できるようにしたオゾン注入量制御方法を提
供する。 【構成】反応槽1に導入したかび臭物質を含む原水中に
散気管2を通じてオゾン発生器3で生成したオゾンを散
気してかび臭物質を分解させる水処理プロセスにおい
て、TOC分析計5により原水中のTOC(全有機炭
素)濃度、および全炭酸濃度を測定し、かつこの測定値
を基に演算器6が所定のアルゴリズムを用いて原水中の
かび臭物質の分解に必要な適正オゾン量を求め、その結
果を制御部7に出力してオゾン発生器3のオゾン発生量
を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水中に含まれているか
び臭物質の除去を目的として浄水場で行うオゾンによる
水処理プロセスのオゾン注入量制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、「美味しい水」に対する関心が非
常に高いことからもわかるように、水道水源の水質汚濁
に伴い、全国各地の上水道で発生している異臭味(主と
してかび臭) が大きな問題となっている。この上水道の
かび臭物質としては放線菌や藍藻類の代謝産物であるジ
オスミン, 2−メチルイソボルネオール(2−MIB)
の2物質が確認されているが、上水の異臭味に影響を及
ぼすかび臭物質の閾値濃度は10〜50ng/l程度と非
常に低濃度である。そこで、前記のような微量かび臭物
質の除去対策として、オゾンによる高度処理システムの
導入が各地で検討されている。
【0003】この水処理システムは、基本的に被処理水
である原水を導入してオゾン処理を行う反応槽と、該反
応槽内に設置した散気管へオゾン化空気,オゾンガスを
供給するオゾン発生器と、排オゾン処理器などを組合わ
せて構成され、反応槽内にて原水中にオゾン発生器で生
成したオゾンを注入,散気し、原水中に含まれているか
び臭物質をオゾンとの接触反応により分解するようにし
たものである。
【0004】ところで、前記のオゾン処理を行うに際し
ては、反応槽へのオゾン注入量は原水の水質に対して常
に適切であるように監視制御されなければならない。す
なわち、過剰なオゾン注入は排オゾン量の増加を招き、
排オゾンを無害化する処理コストが上昇する。逆にオゾ
ン注入量が不足すれば、期待した水処理効果が得られず
処理水に異臭味が残る。
【0005】一方、前記した水処理プロセスにおけるオ
ゾン注入量の適正化を図る制御方法として、従来より次
記の方法が知られている。 (a)反応槽内の溶存オゾン濃度,ないしは排オゾン濃
度を測定し、この測定結果を基に原水のオゾン濃度が所
定の基準値を維持するようにオゾン注入量を制御する方
法。 (b)原水の全有機炭素(TOC)濃度と反応槽に導入
する原水の流量とを測定し、オゾン消費量とTOCの比
を所定の基準値に維持するようにオゾン注入量を制御す
る方法。 (c)原水の特定波長における光吸収率を基に水中の溶
存オゾン濃度を測定してオゾン注入量を制御する方法。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかして、前記の各種
オゾン注入量制御方法について発明者等が行った水処理
プロセスの実験によれば、オゾン注入量に過不足が生じ
て期待した通りの水処理効果の得られない場合が多々あ
ることが認められた。そこで、発明者等はこの原因につ
いて究明したところ、原水のpH,水温のほかに、原水
中に普遍的に共存する腐植物質(フミン酸,フルボ酸な
どの有機物),炭酸(無機物)が、オゾン処理によるか
び臭物質(ジオスミン,2−MIB)の除去特性、特に
その分解速度に大きな影響を及ぼしていることが判明し
た。
【0007】本発明は上記の点にかんがみなされたもの
であり、前記のようにオゾンによる水処理に際して、原
水中に共存する腐植物質,炭酸について着目し、これら
共存物質がかび臭物質の分解に及ぼす影響について実
験,反応速度論的な検討を行ってより得た知見を基に、
水処理プロセスの運用過程で被処理水中に共存する腐植
物質などによるかび臭物質の分解に及ぼす影響を補償
し、オゾンを過不足なく反応槽に注入して効率よくかび
臭物質を分解できるようにしたオゾン注入量制御方法を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のオゾン注入量制御方法では、原水のTOC
(全有機炭素)濃度、および全炭酸濃度を測定し、かつ
これら測定値から所定のアルゴリズムを用いてかび臭物
質の分解に必要な適正オゾン量を求め、これを基に反応
槽へのオゾン注入量を制御するものとする。
【0009】ここで、かび臭物質の分解に必要な適正オ
ゾン量は、あらかじめ実験により得たTOC濃度,全炭
酸濃度とかび臭物質の反応速度定数(対オゾン)との関
係から、原水のTOC濃度,全炭酸濃度の測定値に対応
した相対反応速度定数を求めるものとし、具体的には、
水中の共存物質(腐植物質,炭酸)濃度ゼロにおけるか
び臭物質の反応速度定数を基準相対反応速度定数として
かび臭物質の分解に必要な基準オゾン必要量を定め、こ
れよれ高い相対反応速度定数を示すTOC濃度範囲で
は、オゾン注入量を前記の基準オゾン必要量よりも減量
し、逆に低い相対反応速度定数を示すTOC,全炭酸濃
度範囲では、オゾン注入量を基準オゾン必要量よりも増
量させる方法で実施することができる。
【0010】また、前記のオゾン注入量制御方法につい
て、オゾン注入量をより一層きめ細かく制御するため
に、TOC,全炭酸濃度のほかに原水のpH,水温を測
定し、所定の演算式によりpH,水温測定値に対応した
共存物質濃度ゼロにおけるかび臭物質の分解に必要な基
準オゾン必要量を算出するの方法があり、この場合に
は、かび臭物質(ジオスミン,2−MIB)の反応速度
定数k(l/hr) に対し、 ジオスミン:k=e43.2+1.1pH・e-10900/T・C03 2−MIB:k=e45.0+0.9pH・e-11100/T・C03 で表した演算式にpH,および水温T(℃)の測定値を
代入して溶存オゾン濃度C03 (mol/l)を算出し、
該溶存オゾン濃度を基に前記の基準オゾン必要量を求め
ることができる。
【0011】
【作用】発明者等は、かび臭物質の除去を目的とした水
処理プロセスでのオゾン処理に必要なオゾン注入量の適
正化を検討する研究過程で、原水中のかび臭物質(ジオ
スミン,2−MIB)とオゾンとの反応において、原水
中の腐植物質(フルボ酸,フミン酸),炭酸がかび臭物
質の分解に及ぼす影響、およびpH,水温および溶存オ
ゾン濃度がかび臭物質の分解に及ぼす影響について、実
験,および反応速度論的検討を行って調べたところ、次
記のような知見を得た。
【0012】まず、かび臭物質を含む原水中に普遍的に
共存する腐植物質としてのフルボ酸,フミン酸(土壌抽
出)がかび臭物質(ジオスミン)の相対反応速度定数
(対オゾン)に及ぼす影響を実験により調べた。図5は
この実験の結果を示したものである。ここで、相対反応
速度定数とは、水中の腐植物質の濃度がゼロであるとき
のジオスミンの反応速度定数を1とした相対値を表すも
のである。なお、実験は原水のpH7,水温20℃,ジ
オスミンの初期濃度30μg/lで、フルボ酸,フミン
酸をTOC濃度で0〜12mg/lとなるように添加し
て行った。図5から明らかなように、フルボ酸,フミン
酸ともに、少量の共存範囲ではジオスミンの相対反応速
度は1よりも大きく、TOC濃度3mg/l付近で極大
値(相対反応速度定数2)を示し、それ以上のTOC濃
度では逆に高濃度になるほどジオスミンの相対反応速度
定数が小さくなる傾向を示す。このことから、低濃度の
フルボ酸,フミン酸はかび臭物質のオゾン処理により分
解を促進するが、高濃度になると逆に被酸化物質として
の影響の方が強くなりかび臭物質のオゾン処理による分
解促進を阻害するように振る舞うことか確認された。な
お、2−MIBの分解に及ぼす腐植物質の影響について
も調べたところ、その反応速度はジオスミンの場合と同
様な結果を示した。
【0013】次に、図6は水中の全炭酸濃度がかび臭物
質(ジオスミン)の分解に及ぼす影響について調べた実
験結果を表したものである。なお、実験は前記と同様に
原水のpH7,水温20℃,ジオスミン初期濃度30μ
g/lの条件で行い、原水にCaCO3 を添加して水中
の炭酸濃度を調整し、全炭酸濃度が1mgCO2 /lの
時の相対反応速度定数を1とした。図6から明らかなよ
うに全炭酸濃度が増加するにつれてジオスミンの相対反
応速度定数が1よりも小さくなる傾向を示し、全炭酸濃
度が約30mg/lでh相対反応速度定数は約 0.5に半
減する。これは全炭酸がOHラジカルの消費物質として
作用するためであると推定される。しかも、通常の水道
水源では水中の全炭酸濃度が20〜50mg/l程度で
あることから、オゾン処理に際して全炭酸濃度がかび臭
物質の分解にかなり影響を及ぼすと考えられる。
【0014】一方、前記実験とは別に、pH,水温,溶
存オゾン濃度がかび臭物質の分解に及ぼす影響を調べる
ために、共存物質を含まない純水の中で実験を行った。
図7はpHがかび臭物質(ジオスミン,2−MIB)の
反応速度定数(対オゾン)に及ぼす影響を示したもので
あり、実験は水温20℃、ジオスミン,2−MIBの初
期濃度300ng/lの条件でで行った。図7から明ら
かなように、pHが高くなるほど反応速度定数が大きく
なる。
【0015】また、図8は原水の水温がかび臭物質(ジ
オスミン,2−MIB)の反応速度定数に及ぼす影響を
示したものであり、実験はpH7、ジオスミン,2−M
IBの初期濃度300ng/lの条件でで行った。図8
から明らかなように水温が高くなるほど反応速度定数が
大きくなる。
【0016】また、図9は水中の溶存オゾン濃度がかび
臭物質(ジオスミン,2−MIB)の反応速度定数に及
ぼす影響を示したものであり、実験はpH7、水温20
℃、ジオスミン,2−MIBの初期濃度300ng/l
の条件で行った。図9から明らかなように溶存オゾン濃
度が高くなるほど反応速度定数が大きくなる。
【0017】さらに、図7〜図9で示した個々の実験結
果に加えて、pH,水温T(K),溶存オゾン濃度C03
(mol/l)をパラメータとして幾通りか行った実験
結果より、共存物質濃度ゼロ(純水)でのかび臭物質の
反応速度定数kを次に示す式で表わせることを確認し
た。 ジオスミン:k=e43.2+1.1pH・e-10900/T・C03 2−MIB:k=e45.0+0.9pH・e-11100/T・C03
【0018】そして、本発明は前記実験で得た知見を基
に、原水のオゾン処理に際して、原水のTOC,全炭酸
濃度を測定し、この測定値を基に前記実験より得たTO
C濃度,全炭酸濃度と相対反応速度定数との関係(図
5,図6参照)から、かび臭物質の分解速度,およびか
び臭物質の分解に必要な適正なオゾン量を求め、これを
基に反応槽に供給するオゾン注入量を制御するようにし
たものであり、この制御方法によりオゾンを過不足なく
注入して原水中に含まれているかび臭物質を効果的に分
解処理することができることが確認された。
【0019】また、前記のオゾン注入量制御の過程で原
水のpH,水温を測定し、前記の演算式によりpH,水
温測定値に対応した共存物質濃度ゼロにおけるかび臭物
質の分解に必要な基準オゾン必要量を算出し、これを基
に反応槽に供給するオゾン注入量を補正制御することに
より、オゾン注入量の制御性がより一層向上する。
【0020】
【実施例】
実施例1:図1は水処理システムの系統図、図2は図1
によるオゾン注入量制御方法のフロー図を示すものであ
る。まず、図1の系統図において、1は反応槽、2は反
応槽1の底部に配したオゾン散気管、3はオゾン発生
器、4は排オゾン処理器であり、被処理水としての原水
はほぼ一定流量でオゾン反応槽1に導入してオゾン処理
され、その後に処理水として反応槽1から流出する。ま
た、オゾン発生器3で生成したオゾン化空気,ないしオ
ゾンガスは散気管2を通じて槽内に導入した原水中に注
入,散気され、水中を上昇する過程で原水と接触反応し
て原水中に含まれているかび臭物質を分解する。また、
槽内の水面上に出た余剰の排オゾンは排オゾン処理器4
で無害化処理した上で大気中に放出される。一方、オゾ
ン反応槽1に導入される原水の供給管路にはTOC分析
計5が計装されており、演算器6,制御部7を含めてオ
ゾン発生器3に対する制御系を構成している。
【0021】ここで、TOC分析計5は原水中の全炭素
(TC)濃度,無機炭素(IC)濃度を測定し、さらに
TCからICを差し引いてTOC(全有機炭素)濃度を
算出して演算器6に出力する。また、演算器6ではTO
C分析計5の測定値を基に水中の全炭酸濃度を算出する
とともに、さらに図5,図6に示したTOC濃度,全炭
酸濃度とかび臭物質の相対反応速度定数との関係式から
その時の原水中のTOC濃度,全炭酸濃度に対応する必
要オゾン量を算出し、その結果を制御部9に出力する。
そして、制御部9は演算部8からの入力を基にオゾン発
生器3の放電電力を例えばインバータ制御して所要のオ
ゾン量を生成し、散気管2を通じて反応槽1に注入す
る。
【0022】上記の制御動作をさらに具体的に述べる
と、水中の共存物質濃度ゼロにおけるかび臭物質の反応
速度定数を相対反応速度定数の基準(図5,図6におけ
る相対反応速度定数1)としてかび臭物質の分解に必要
な基準オゾン必要量を定める。そして、これよりもかび
臭物質の分解速度が速くなる状態、つまり相対反応速度
定数が1よりも高い相対反応速度定数を示すTOC濃度
範囲(図5における6g/l以下のTOC濃度範囲)で
は、その相対反応速度定数の値に比例してオゾン注入量
を前記の基準オゾン必要量よりも減じるようにオゾン発
生器3でのオゾン発生量を制御し、逆にかび臭物質の分
解速度が低くなる状態、つまり相対反応速度定数が1よ
り小さい低い相対反応速度定数を示すTOC,全炭酸濃
度範囲では、オゾン注入量を基準オゾン必要量よりも増
量させるように制御する。これにより、かび臭物質の分
解に及ぼす腐植物質,全炭酸濃度の影響を補償し、オゾ
ンを過不足なく反応槽に注入して原水に含まれているか
び臭物質を分解処理することができる。
【0023】実施例2:次に、前記実施例1をさらに発
展させた実施例を図3,図4で説明する。この実施例
は、オゾン注入量制御の因子として、原水のTOC濃
度,全炭酸濃度のほかに、原水のpH,水温を加えてよ
り一層きめ細かな制御を行うようにしたものであり、図
3において原水の供給管路にはTOC分析計5のほかに
pH計8,温度計9を追加計装してオゾン発生器3に対
する制御系を構成している。
【0024】ここで、図4のフロー図にしたがって、p
H計8,温度計9で測定した原水のpH,水温の測定値
を演算器6に出力すると、演算器6では、まず前記p
H,水温(T)の測定値を次記の演算式に代入して所定
のかび臭物質(ジオスミン,2−MIB)の反応速度定
数k(水中の共存物質濃度ゼロにおける反応速度定数)
に対する溶存オゾン濃度C03 (mol/l)を演算し、
これに対応する基準オゾン必要量(原水の共存物質濃度
がゼロであるときの前記pH,水温に対応したかび臭物
質の分解に要するオゾン注入量)を算出する。 ジオスミン:k=e43.2+1.1pH・e-10900/T・C03 2−MIB:k=e45.0+0.9pH・e-11100/T・C03
【0025】また、演算器6ではTOC分析計5の測定
値を基にして水中の全炭酸濃度を算出するとともに、さ
らに先記した基準オゾン必要量を図5,図6に表した相
対反応速度定数1に対応する必要オゾン量とし、これを
基準に図5,図6の特性関係式からその時の原水中のT
OC濃度,全炭酸濃度に対応する必要オゾン量を算出
し、その結果を制御部7に出力する。そして、制御部7
は演算部6からの入力を基に実施例1で述べたと同様に
オゾン発生器3を制御して所要のオゾン量を生成し、散
気管2を通じて反応槽1に注入する。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のオゾン注入
量制御方法によれば、かび臭物質の分解除去を目的とし
て行う水道水源のオゾンによる水処理プロセスにおい
て、オゾンの水処理特性に影響を及ぼす原水中の共存物
質(腐植物質,炭酸)に対応するTOC濃度,全炭酸濃
度、ないしはTOC,全炭酸濃度および原水のpH,水
温を因子としてオゾン注入量を制御するようにしたこと
により、被処理原水の水質に対応して常にオゾンを過不
足なく反応槽に注入して原水に含まれているかび臭物質
を適正,かつ効果的に分解処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による水処理システム図
【図2】図1によるオゾン注入量制御方法のフロー図
【図3】図1と異なる実施例の水処理システム図
【図4】図3によるオゾン注入量制御方法のフロー図
【図5】腐植物質がかび臭物質の分解に及ぼす影響を表
す関係図
【図6】全炭酸濃度がかび臭物質の分解に及ぼす影響を
表す関係図
【図7】水中のpHがかび臭物質の分解に及ぼす影響を
表す関係図
【図8】水温がかび臭物質の分解に及ぼす影響を表す関
係図
【図9】水中の溶存オゾン濃度がかび臭物質の分解に及
ぼす影響を表す関係図
【符号の説明】
1 反応槽 2 散気管 3 オゾン発生器 5 TOC分析計 6 演算器 7 制御部 8 pH計 9 温度計
【手続補正書】
【提出日】平成3年9月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森岡 崇行 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 清水 康次 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 星川 寛 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反応槽内に導入したかび臭物質を含む原水
    にオゾンを散気してかび臭物質を分解させる水処理プロ
    セスにおいて、原水のTOC(全有機炭素)濃度、およ
    び全炭酸濃度を測定し、かつこれら測定値から所定のア
    ルゴリズムを用いてかび臭物質の分解に必要な適正オゾ
    ン量を求め、これを基に反応槽へのオゾン注入量を制御
    することを特徴とする水処理プロセスのオゾン注入量制
    御方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のオゾン注入制御方法におい
    て、あらかじめ実験により得たTOC濃度,全炭酸濃度
    とかび臭物質の反応速度定数(対オゾン)との関係か
    ら、原水のTOC濃度,全炭酸濃度の測定値に対応した
    相対反応速度定数を求め、該相対反応速度定数を基にか
    び臭物質の分解に必要な適正オゾン量を算出することを
    特徴とする水処理プロセスのオゾン注入量制御方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載のオゾン注入量制御方法にお
    いて、水中の共存物質(腐植物質,炭酸)濃度ゼロにお
    けるかび臭物質の反応速度定数を基準相対反応速度定数
    としてかび臭物質の分解に必要な基準オゾン必要量を定
    め、これよれ高い相対反応速度定数を示すTOC濃度範
    囲では、オゾン注入量を前記の基準オゾン必要量よりも
    減量し、逆に低い相対反応速度定数を示すTOC,全炭
    酸濃度範囲では、オゾン注入量を基準オゾン必要量より
    も増量させるように制御することを特徴とする水処理プ
    ロセスのオゾン注入量制御方法。
  4. 【請求項4】請求項1,2,3記載のオゾン注入量制御
    方法において、TOC,全炭酸濃度のほかに原水のp
    H,水温を測定し、所定の演算式によりpH,水温測定
    値に対応した共存物質濃度ゼロにおけるかび臭物質の分
    解に必要な基準オゾン必要量を算出することを特徴とす
    る水処理プロセスのオゾン注入量制御方法。
  5. 【請求項5】請求項4に記載のオゾン注入量制御方法に
    おいて、かび臭物質(ジオスミン,2−MIB)の反応
    速度定数k(l/hr) に対し、次の関係式 ジオスミン:k=e43.2+1.1pH・e-10900/T・C03 2−MIB:k=e45.0+0.9pH・e-11100/T・C03 にpH,および水温T(℃)の測定値を代入して溶存オ
    ゾン濃度C03 (mol/l)を算出し、該溶存オゾン濃
    度を基に基準オゾン必要量を求めることを特徴とする水
    処理プロセスのオゾン注入量制御方法。
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