JPH0626894B2 - ワイヤドット印字ヘッドの製造方法 - Google Patents

ワイヤドット印字ヘッドの製造方法

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JPH0626894B2
JPH0626894B2 JP62003338A JP333887A JPH0626894B2 JP H0626894 B2 JPH0626894 B2 JP H0626894B2 JP 62003338 A JP62003338 A JP 62003338A JP 333887 A JP333887 A JP 333887A JP H0626894 B2 JPH0626894 B2 JP H0626894B2
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    • B41J2/22Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by selective application of impact or pressure on a printing material or impression-transfer material
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はインパクトプリンタに用いられるワイヤドット
印字ヘッドの製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
情報処理システム等における出力装置として用いられる
インパクトプリンタにおいては、近年特に情報量の増大
に伴う印字の高速化の要求や、漢字化の進展、及び母形
印字に近い高品質印字の要求が強くなり、これらの要求
に応えるために、印字ヘツドのの多素子化が推し進めら
れている。
この場合、多素子形のワイドドツト印字ヘツドにおいて
は、文字形成のための印字画素の増加からくる高速化
や、更には多素子のうちの1つの素子に、材料の疲労等
から生じる破損、あるいは印字の繰返しにより生じる印
字ワイヤの摩耗等の不具合を生じても、印字ヘツドとし
て使用に供することができないことから、高信頼性、特
に長寿命でかつ特性のバラツキが小さく、安定した品質
とすることが重要な課題となつている。
また、多素子形のワイヤドツト印字ヘツドでは、各部の
構成要素となるべき素子の数が増加することから、各素
子、特に印字ワイヤの廉価性ということも大きな課題の
1つになつている。
ここで、多素子形のワイヤドツト印字ヘツドの一例とし
て、特公昭58−56354号公報に示されるバネチヤ
ージ型のワイヤドツト印字ヘツドについて説明する。
第5図はこのワイヤドツト印字ヘツドの側面図で、構造
を明確にするために、下半分を断面にして示している。
図において1は印字ワイヤで、その基部はアーマチユア
2の先端に固定されており、このアーマチユア2の基部
はバイアス用の板バネ3の先部に支持されていて、更に
この板バネ3の基部はアーマチユアサポータ4に固定さ
れている。
5は第1ヨーク、6は磁性スペーサ、7は第2ヨーク、
8は永久磁石、9はベースで、これらは所定の順序で積
層されており、そして前記アーマチユアサポータ4が前
記第1ヨーク5、磁性スペーサ6、及び第2ヨーク7と
接するように固定されている。
10は前記アーマチユア2の背面と対向するようにベー
ス9に設けられたコアで、該コア10には消磁コイル1
1が装着されている。
この構成における印字動作は以下の通りである。
まず、消磁コイル11を励磁しないときは、永久磁石8
の磁束が第2ヨーク7、磁性スペーサ6、第1ヨーク
5、アーマチユア2、コア10及びベース9を通り、そ
の際生じる磁気吸引力によりアーマチユア2が板バネ3
を撓ませながらコア10に吸引される。
そこでこの状態から、次に消磁コイル11を励磁する
と、該消磁コイル11の磁束により前記永久磁石8の磁
束が打消され、アーマチユア2が吸引力から解放され
る。
これにより板バネ30が復旧するため、アーマチユア2
に固着されている印字ワイヤ1が図示した矢印の方向に
駆動され、その先端が図示しないプラテン上の媒体にイ
ンクリボンを介して衝突することで、媒体上にインクの
ドツトが画素として印字される。
そして、印字ワイヤ1は前記の衝突後、その反発力によ
り前記矢印と逆の方向へ復帰動作を開始し、前記消磁コ
イル11の励磁が停止されることにより、アーマチユア
2が永久磁石8の磁束により再びコア10に吸引される
ことで1回の印字動作を終了する。
尚、前記印字ワイヤ1は、アーマチユア2、板バネ3、
コア10、及び消磁コイル11等と組合わせて所定の本
数設けられ、各印字ワイヤ1が選択的に駆動されること
により、前記と同様に印字動作することで、媒体上にド
ツト構成の文字等が記録される。
このようなワイヤドツト印字ヘツドにおいて、従来は印
字ワイヤを、例えば“「粉体および粉末合金(第32巻
第4号)」(1985)粉体粉末冶金協会P152”に示さ
れる超硬合金や、あるいは鉄系金属、例えば高速度鋼
(JIS−G−4403)、ステンレス線(JIS−G−4309)等
により形成していたが、印字動作の高速化、及び信頼性
の向上という面で、それぞれ以下のような不都合あつ
た。
すなわち、この種のワイヤドツト印字ヘツドにおいて、
印字動作の高速化を計るには、例えば“「信学技報」EM
C84−2,P9”に示されるように、印字ワイヤを含む
可動部を軽量化することが重要な要素であるが、前記の
如く印字ワイヤを超硬合金で形成した場合、この超硬合
金はタングステンカーバイトを70〜85重量%含有す
ることから、その密度が13.5〜14g/cm3と重く、その
ため印字ワイヤの軽量化が困難で、高速印字ができない
という不都合を有している。
そこで、高速印字を実現するには、密度が約8g/cm3
軽い、高速度鋼等の鉄系金属で形成した印字ワイヤが使
用されることになるが、この鉄系金属による印字ワイヤ
は耐磨耗性に欠けることから、印字ヘツドの寿命が短か
くなり、信頼性が劣るという不都合があつた。
そこで、これらの不都合に対拠するため、合金中の炭化
物、例えば炭化バナジウムや炭化タングステン、あるい
は炭化モリブデン等の量を増加させることにより、合金
の硬度を上げて耐摩耗性を向上させつつ、その一方で重
要な要素の1つである廉価性の観点から、量産性に優れ
る伸線加工法により形成される軽量な耐摩耗性高速度鋼
ワイヤが印字ヘツドとして最近多用され始めてきてい
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上述した耐摩耗性高速度鋼ワイヤによる
印字ワイヤを具備したワイヤドツト印字ヘツドにおいて
も未だ以下に述べる問題がある。
すなわち、一般に金属材料における疲労強度は、その材
料の硬さや、表面状態等に大きく依存することが、例え
ば“「材料力学(上巻)」(昭50−3−1)養賢堂P3
47〜P352”に示されているように、既に周知であり、ま
た信線加工法による被加工物の表面には、例えば“「金
属の塑性加工と変質」(昭38−11−30)誠文堂新
光社P157〜P159”に示されているように、微細な割れを
含む欠陥が発生することも周知の通りである。
そのため、前記のように合金中の炭化物を増加させるこ
とにより、合金の硬度を上げて耐摩耗性を向上させた、
耐摩耗性高速度鋼ワイヤにより形成した印字ワイヤで
は、前記の伸線加工法によるワイヤ表面の欠陥に依存し
て、早期に疲労破損を招く恐れがあることから、ワイヤ
表面を研削加工によつて除去し、これによりワイヤ表面
の欠陥層を取除くことが行われている。
ところが、このように研削加工を行つた場合、例えば
“「切削加工技術便覧」(昭45−1−30)日刊工業
新聞社P697”に示されるように、研削砥石の粒によつて
ワイヤ表面に新たに生じる条痕や、研削液の汚濁等によ
つて生ずるスクラツチ等、ワイヤ表面に新たな欠陥が発
生してしまい、その結果疲労強度の向上を計ることがで
きなくなるという問題があつた。
また、印字ワイヤに対する加工条件は、ワイヤ表面を硬
くすること、及びワイヤ表面を滑らかにすることの他、
加工の際にワイヤが曲がらないこと、細いワイヤを加工
するために細かい加工が可能であること、多数のワイヤ
を一度に加工することが可能であることが必要であり、
このような条件に合う方法が要望されていた。
本発明は、このような問題を解決するためになされたも
ので、耐摩耗性高速度鋼ワイヤによる印字ワイヤの疲労
強度を向上させ、これにより長期間安定して高速印字動
作を行うことが可能なワイヤドツト印字ヘッドを提供で
きるワイヤドット印字ヘッドを実現することを目的とす
るものである。
〔問題点を解決するための手段〕
この目的を達成するため、本発明は、複数の印字ワイヤ
を備え、各印字ワイヤを選択的に駆動して媒体上にドッ
トによる印字を行うワイヤドット印字ヘッドの製造方法
において、前記印字ワイヤは耐磨耗性合金から成り、ワ
イヤ表面に研削加工を施す工程を含むことを特徴とす
る。
また、本発明は、前記印字ワイヤを成す耐磨耗性合金と
して、高速度鋼を用いたことを特徴とする。
また、前記印字ワイヤを成す耐磨耗性合金のバナジウム
含有量を5.0〜8.0重量%としたことを特徴とす
る。
更に、前記、印字ワイヤを成す耐磨耗性合金のタングス
テン当量を18〜29としたことを特徴とする。
〔作 用〕
上述した構成による本発明では、印字ワイヤの表面をバ
レル加工することで新たな欠陥を生じることなく、伸線
加工時に発生するワイヤ表面の欠陥を除去することがで
きるので、印字ワイヤの疲労強度を向上させることがで
きる。
しかも前記印字ワイヤを成す耐磨耗性合金に高速度鋼を
用い、そのバナジウム含有量を5.0〜8.0重量%と
し、タングステン当量を18〜29としているため、耐
磨耗性にすぐれている。
従つて、この印字ワイヤを具備したワイヤドツト印字ヘ
ツドにおいては、信頼性が向上し長期間安定して高速印
字を行うことが可能となる。
〔実施例〕 以下本発明の実施例として、耐摩耗性高速度鋼ワイヤか
ら成る印字ワイヤの表面をバレル加工した場合の疲労強
度の実験例について説明する。
一般に、金属の耐摩耗性を向上させるには、できるだけ
硬い材料を用いること、及び熱処理によつて硬さを増加
させることが有効であることが、例えば“「金属の摩耗
とその対策」(昭50−6−20)養賢堂P3に示され
ており、現存する鋼種のうちでは、高速度鋼がこれらの
条件に最も適合し、硬くし得るものと考えられる。
また、高速度鋼は合金工具鋼等に比べて、タングステ
ン、モリブデン、バナジウムを多量に含み、これらの炭
化物によつて耐摩耗性を向上させうることが、例えば
“「金属便覧」(昭57−12−20)丸善P820〜P82
1”に示されている。
そこで、本実施例においては、例えば“「日本金属学会
会報(第25巻第6号)」(1986)日本金属学会P553〜
P555”に示されるように、特に高速度鋼の硬さに影響を
与えるバナジウムの含有量、及びタングステン当量に着
目し、これらに関して高速度鋼とその表面状態が疲労強
度に与える影響について調べた。
まず、バナジウムを3〜9重量%含有する耐摩耗性高速
度鋼ワイヤの疲労強度と疲労破壊の原因について実験に
より調べた。
このときの実験に用いた耐摩耗性高速度鋼ワイヤの詳細
な化学成分を下記の表1に示す。
また、この実験に使用した高速度鋼ワイヤの焼入れ、焼
戻しの熱処理は、それぞれの鋼種について最も疲労強度
が高くなる条件で行つた。
また印字ワイヤとしての試料は、直径0.34mmの高速
度鋼ワイヤを用い、それぞれの表面状態を、伸線加工の
まま、研削加工(研削砥石の粒度は#1500を使用、加工
代50μm)、及びバレル加工(研摩石はAl2O3系の丸
形のもの、加工時間1H)とし、そして実験用の装置と
して、例えば“「金属材料強度試験便覧」(昭57−7
−20)養賢堂P256”に示されるヘイ・ロバートソン式
線材回転曲げ疲労試験機を使用して実験を行つた。
第1図は、この一連の実験のうち、特にバナジウムを
6.5重量%含有する高速度鋼ワイヤ(表1におけるM
5のワイヤ)における実験の結果を、例えば“「信頼性
データの解析(日科技連ライブラリー)」(1974−2
−27)日科技連出版社P80〜P82”に示されるワイブル確
率紙により表わしたもので、横軸はそれぞれ試料の疲労
破壊が起きた回数を示し、縦軸は破壊の累積確率を示し
ている。
ここで、第1図(a)はワイヤの表面状態が伸線加工のま
まのもの、同図(b)はワイヤの表面を研削加工したも
の、同図(c)は本発明の実施例としてバレル加工したも
のであり、図中の○は試験応力が120kg/mm2の場合、△
は試験応力が130kg/mm2の場合、●は試験応力が140kg/m
m2の場合である。
この図に見られるように、ワイヤの表面が研削加工され
たものは、いずれの試験応力においても、ワイヤの表面
が伸線加工したままのものに比べて、破壊の累積確率の
平均寿命ではかなり向上しているものの、そのバラツキ
は大きく、安定性に欠けていることが解る。
一方、本実施例のワイヤの表面がバレル加工のもので
は、いずれの試験応力においても、ワイヤの表面が伸線
加工のままのものに比べ、破壊の累積確率の平均寿命及
び早期破壊のものでも、大幅に向上しており、またその
バラツキは、前記2者に比べて大幅に小さく、安定した
品質のものが得られていると言える。
ここで、疲労寿命の短かい、伸線加工のままのもの、及
び研削可能のものについて、フラクトグラフイ的に、電
子顕微鏡を用いて、破壊の原因を調べた。
その結果、伸線加工のままのものでは、その大多数が、
前述の伸線加工時の、微細な割れを含む表面の欠陥に依
存していた。
また、研削加工のものでは、特に早期に破壊したもので
は、スクラツチに明瞭に依存していることが明らかとな
つた。
これに対してバレル加工のものでは、ワイヤ表面に研摩
石による間口が広く、深さの浅い傷は認められるもの
の、この傷に依存していないことも解つた。
以上このことから、パナジウムを6.5重量%含有する
高速度鋼ワイヤの疲労強度を、バラツキ少なく向上させ
るには、伸線加工時のワイヤ表面の欠陥を、バレル加工
により除去するのが良いという結論が得られた。
次に、バナジウムを3〜9重量%含有する高速度鋼ワイ
ヤについて、伸線加工のままのもの、研削可能のもの、
バレル加工のものの、表面欠陥に依存して破壊した割合
(%)を調べた。
第2図はその実験結果、すなわち、ワイヤの表面欠陥に
依存する破壊の割合いを示す図で、横軸は、高速度鋼中
のバナジウムの重量%であり、縦軸は、ワイヤの表面欠
陥に依存して破壊した割合(%)を示している。
図中の一点鎖線は、ワイヤの表面が、伸線加工のままの
もの、点線は、ワイヤの表面が研削加工のもの、実線
は、ワイヤの表面がバレル加工のものである。
また、○は試験応力が120kg/mm2の場合、 △は試験応力が130kg/mm2の場合、 ●は試験応力が140kg/mm2の場合である。
ここで、ワイヤの表面が、伸線加工のままのものでは、
高速度鋼中のバナジウムの含有量および、試験応力に関
係なく、いずれの場合にも、ほとんどのものが、ワイヤ
の表面の欠陥に依存して破壊していた。
また、ワイヤの表面が、研削加工のものでは、いずれの
試験応力のものでも、バナジウムの含有量が5%未満の
場合には、研削加工によるワイヤの表面の条痕やスクラ
ツチにあまり依存せず、伸線加工時のワイヤの表面の欠
陥を除去することが有効に作用していたが、バナジウム
の含有量が5%以上では、バナジウムの含有量の増加と
共に、研削加工によるスクラツチ等のワイヤ表面の欠陥
に依存して破壊する割合が増大していた。
一方、バレル加工をしたものでは、バナジウム含有量が
8重量%未満では、伸線加工時のワイヤの表面の欠陥を
有効に除去し、かつ、バレル加工時の研摩石によるワイ
ヤの表面の傷の影響も受けず良好に作用していたが、バ
ナジウムの含有量が8重量%以上では、研摩石による傷
に依存して破壊するものが、出始めるに至つた。
以上のことから、高速度鋼中にバナジウムを添加して、
合金の硬度を上げて、耐摩耗性を向上させた高速度鋼ワ
イヤのうち、バナジウムを5.0〜8.0重量%含有す
る高速度鋼ワイヤでは、バレル加工によつて、ワイヤの
表面の欠陥を除去することで、ワイヤ表面の欠陥に起因
破壊を防止できることが解つた。
次に、タングステン当量を12〜32とした耐摩耗性高
速度鋼ワイヤの疲労強度と疲労破壊の原因について実験
により調べた。
このときの実験に用いた耐摩耗性高速度鋼ワイヤの詳細
な化学成分を下記の表2に示す。
また、この実験に使用した高速度鋼ワイヤの焼入、焼戻
しの熱処理は、それぞれの鋼種について最も疲労強度が
高くなる条件で行つた。
また印字ワイヤとしての試料は、直径0.34mmの高速
度鋼ワイヤを用い、それぞれの表面状態を、伸線加工の
まま、研削加工(研削砥石の粒度は#1500を使用、加工
代50μm)、及びバレル加工(研摩石はAl2O3系の丸
形のもの、加工時間1H)とし、そして実験用の装置と
して、前記と同様にヘイ・ロバートソン式線材回転曲げ
疲労試験機を使用して実験を行つた。
第3図は、この一連の実験のうち、特にタングステン当
量26の高速度鋼ワイヤ(表2におけるM5のワイヤ)
における実験の結果を、前記ワイブル確率紙により表わ
したもので、横軸はそれぞれ試料の疲労破壊が起きた回
数を示し、縦軸は破壊の累積確率を示している。
ここで、第3図(a)はワイヤの表面状態が伸線加工のま
まのもの、同図(b)はワイヤの表面を研削加工したも
の、同図(c)は本発明の実施例としてバレル加工したも
のであり、図中の○は試験応力が120kg/mm2の場合、△
は試験応力が130kg/mm2の場合、●は試験応力が140kg/m
m2の場合である。
この図の場合においても、ワイヤの表面が研削加工され
たものは、いずれの試験応力においても、ワイヤの表面
が伸線加工したままのものに比べて、破壊の累積確率の
平均寿命ではかなり向上しているものの、そのバラツキ
は大きく、安定性に欠けていることが解る。
一方、本実施例のワイヤの表面がバレル加工のもので
は、いずれの試験応力においても、ワイヤの表面が伸線
加工のままのものに比べ、破壊の累積確率の平均寿命及
び早期破壊のものでも、大幅に向上しており、またその
バラツキは、前記2者に比べて大幅に小さく、安定した
品質のものが得られていると言える。
ここで、疲労寿命の短かい、伸線加工のままのもの、及
び研削加工のものについて、フラフトグラフイ的に、電
子顕微鏡を用いて、破壊の原因を調べた。
その結果、伸線加工のままのものでは、その大多数が、
前述の伸線加工時の、微細な割れを含む表面の欠陥に依
存していた。
また、研削加工のものでは、特に早期に破壊したもので
は、スクラッチに明瞭に依存していることが明らかとな
つた。
これに対してバレル加工のものでは、ワイヤ表面に研摩
石による開口が広く、深さの浅い傷は認められるもの
の、この傷に依存していないことも解つた。
以上このことからタングステン当量26の高速度鋼ワイ
ヤの疲労強度を、バラツキ少なく向上させるには、伸線
加工時のワイヤ表面の欠陥を、バレル加工により除去す
るのが良いという結論が得られた。
次に、タングステン当量12〜32の高速度鋼ワイヤに
ついて、伸線加工のままのもの、研削加工のもの、バレ
ル加工のものの、表面欠陥に依存して破壊した割合
(%)を調べた。
第4図はその実験結果、すなわち、ワイヤの表面欠陥は
依存する破壊の割合いを示す図で、横軸は、高速度鋼中
のタングステン当量であり、縦軸は、ワイヤの表面欠陥
に依存して破壊した割合(%)を示している。
図中の一点破線は、ワイヤの表面が、伸線加工のままの
もの、点線は、ワイヤの表面が研削加工のもの、実線
は、ワイヤの表面がバレル加工のものである。
また、○は試験応力が120kg/mm2の場合、 △は試験応力が130kg/mm2の場合、 ●は試験応力が140kg/mm2の場合である。
ここで、ワイヤの表面が、伸線加工のままのものでは、
高速度鋼中タングステン当量、及び試験応力に関係な
く、いずれの場合にも、ほとんどのものが、ワイヤの表
面の欠陥に依存して破壊していた。
また、ワイヤの表面が、研削加工のものでは、いずれの
試験応力のものでも、タングステン当量が18未満の場
合には、研削加工によるワイヤの表面の条痕やスクラツ
チにあまり依存せず、伸線加工時のワイヤの表面の欠陥
を除去することが有効に作用していたが、タングステン
当量が18以上では、タングステン当量の増加と共に、
研削加工によるスクラツチ等のワイヤ表面の欠陥に依存
して破壊する割合が増大していた。
一方、バレル加工したものでは、タングステン当量が2
9%未満の場合、伸線加工時のワイヤ表面の欠陥を有効
に除去し、かつバレル加工時の研摩石によるワイヤの影
響も受けず良好に作用していたが、タングステン当量が
29以上では、研摩石による傷に依存して破壊するもの
が出始めるに至つた。
以上のことから、高速度鋼中にタングステン及びモリブ
デンを添加することにより、合金の硬度を上げて、耐摩
耗性を向上させた高速度鋼ワイヤのうち、タングステン
当量が18〜29の耐摩耗性高速度鋼ワイヤでは、バレ
ル加工によつてワイヤ表面の欠陥を除去することで、ワ
イヤ表面の欠陥に起因する破壊を防止できることが解つ
た。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明は、耐摩耗性合金により形成
される印字ワイヤの表面をバレル加工して、ワイヤ表面
の欠陥を除去しているため、印字ワイヤの疲労強度を大
幅に向上させることができると共に、その特性のバラツ
キを極めて小さく抑えることが可能となり、これにより
長期間安定して高速印字を行うことが可能なワイヤドツ
ト印字ヘツドを実現でき、ヘツドの信頼性を向上できる
という効果が得られる。
また、本発明は、耐摩耗性合金による印字ワイヤにバレ
ル加工を行う製造方法であるため、ワイヤ表面を硬くす
ること、ワイヤ表面を滑らかにすること、加工の際にワ
イヤが曲がらないこと、細いワイヤを加工するために細
かい加工が可能であること、及び多数のワイヤを一度に
加工することが可能であるという印字ワイヤに対する加
工条件を満たすことができるという効果も得られ、しか
も印字ワイヤを成す耐磨耗性合金として高速度鋼を用
い、そのバナジウム含有量を5.0〜8.0重量%と
し、タングステン当量を18〜29としているため、耐
磨耗性にすぐれたものとなる。
尚、本発明は、バネチヤージ型のワイヤドツト印字ヘツ
ドのみでなく、プランジヤ形やクラツパ型等のワイヤド
ツト印字ヘツドにも適用可能であり、この場合、同様の
効果が得られることは無論である。
【図面の簡単な説明】
第1図はバナジウム含有量に関しての印字ワイヤの疲労
破壊寿命と累積確率との関係を示す図、第2図はバナジ
ウム含有量に関しての印字ワイヤの表面欠陥に依存する
破壊の割合を示す図、第3図はタングステン当量に関し
ての印字ワイヤの疲労破壊寿命と累積確率との関係を示
す図、第4図はタングステン当量に関しての印字ワイヤ
の表面欠陥に依存する破壊の割合いを示す図、第5図は
バネチヤージ型のワイヤドツト印字ヘツドを示す側面図
である。 1……印字ワイヤ、2……アーマチユア、3……板バ
ネ、4……アーマチユアサポータ、5……第1ヨーク、
6……磁性スペーサ、7……第2ヨーク、8……永久磁
石、9……ベース、10……コア、11……消磁コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠 正和 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−173953(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の印字ワイヤを備え、各印字ワイヤを
    選択的に駆動して媒体上にドットによる印字を行うワイ
    ヤドット印字ヘッドの製造方法において、 前記印字ワイヤは耐磨耗性合金から成り、 ワイヤ表面にバレル加工を施す工程を含むことを特徴と
    するワイヤドット印字ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】印字ワイヤを成す耐磨耗性合金として高速
    度鋼を用いたことを特徴とする特許請求の範囲(1)項記
    載のワイヤドット印字ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】印字ワイヤを成す耐磨耗性合金のバナジウ
    ム含有量を5.0〜8.0重量%としたことを特徴とす
    る特許請求の範囲(1)項記載のワイヤドット印字ヘッド
    の製造方法。
  4. 【請求項4】印字ワイヤを成す耐磨耗性合金のタングス
    テン当量を18〜29としたことを特徴とする特許請求
    の範囲(1)項記載のワイヤドット印字ヘッドの製造方
    法。
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