JPH06267522A - 亜鉛−臭素電池のセパレータ及びその製造方法 - Google Patents
亜鉛−臭素電池のセパレータ及びその製造方法Info
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- JPH06267522A JPH06267522A JP5054535A JP5453593A JPH06267522A JP H06267522 A JPH06267522 A JP H06267522A JP 5054535 A JP5054535 A JP 5054535A JP 5453593 A JP5453593 A JP 5453593A JP H06267522 A JPH06267522 A JP H06267522A
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 亜鉛−臭素電池に用いるセパレータの材質と
か厚みに起因する電池の総合効率の低下を防止して電池
の性能を高め、しかもコスト面からも有利なセパレータ
とその製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 前記セパレータとして、ポリエチレン樹脂に
シリカを混合した材料にイオン交換膜材料を細断して加
えた混練物のシート状成形物を用いる。電池への使用時
には、上記シート15とイオン交換膜16で成るセパレ
ータのプラス側に、充電時の臭素コンプレックスの付着
を防止するための低抵抗セパレータ17を配置してあ
る。このセパレータの製造方法は、ポリエチレン樹脂に
シリカを混合した微多孔質膜に、イオン交換膜をチョッ
パ状に細断したものを20〜30重量%加えて加熱混練
し、厚みが略1.0mmのシート状に成形する。
か厚みに起因する電池の総合効率の低下を防止して電池
の性能を高め、しかもコスト面からも有利なセパレータ
とその製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 前記セパレータとして、ポリエチレン樹脂に
シリカを混合した材料にイオン交換膜材料を細断して加
えた混練物のシート状成形物を用いる。電池への使用時
には、上記シート15とイオン交換膜16で成るセパレ
ータのプラス側に、充電時の臭素コンプレックスの付着
を防止するための低抵抗セパレータ17を配置してあ
る。このセパレータの製造方法は、ポリエチレン樹脂に
シリカを混合した微多孔質膜に、イオン交換膜をチョッ
パ状に細断したものを20〜30重量%加えて加熱混練
し、厚みが略1.0mmのシート状に成形する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電解液循環型積層二次電
池、特に亜鉛−臭素電池の構成部材であるセパレータ及
びその製造方法に関するものである。
池、特に亜鉛−臭素電池の構成部材であるセパレータ及
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】亜鉛−臭素電池は正極活物質に臭素、負
極活物質に亜鉛を用いた2次電池であり、この電池は例
えば電力の昼と夜のアンバランスを解決させるために、
電力需要が少ない夜間に電力を貯蔵して、昼間に放出さ
せるため等に使用される。
極活物質に亜鉛を用いた2次電池であり、この電池は例
えば電力の昼と夜のアンバランスを解決させるために、
電力需要が少ない夜間に電力を貯蔵して、昼間に放出さ
せるため等に使用される。
【0003】充電時に正極電極側で発生した臭素は、電
解液に添加した臭素錯化剤と反応し、オイル状の沈殿物
となって貯蔵タンクへ戻され、放電時はポンプで単電池
内へ送り込まれ還元される。電解液の成分はZnBr2
水溶液と、抵抗を下げるためのNH4Cl等の塩と、負
極亜鉛側のデンドライトを防止し、均一な電着を促進さ
せるためのPb,Sn,4級アンモニウム塩類と、臭素
錯化剤とである。正極電極と負極電極の間にはセパレー
タを介挿してあり、正極電極で発生した臭素が負極電極
へ拡散して亜鉛と反応することによる自己放電を防止し
ている。
解液に添加した臭素錯化剤と反応し、オイル状の沈殿物
となって貯蔵タンクへ戻され、放電時はポンプで単電池
内へ送り込まれ還元される。電解液の成分はZnBr2
水溶液と、抵抗を下げるためのNH4Cl等の塩と、負
極亜鉛側のデンドライトを防止し、均一な電着を促進さ
せるためのPb,Sn,4級アンモニウム塩類と、臭素
錯化剤とである。正極電極と負極電極の間にはセパレー
タを介挿してあり、正極電極で発生した臭素が負極電極
へ拡散して亜鉛と反応することによる自己放電を防止し
ている。
【0004】この亜鉛−臭素電池の化学反応は、
【0005】
【化1】充電時……正極:2Br-→Br2+2e-,負
極:Zn+++2e-→Zn 放電時……正極:2Br-←Br2+2e-,負極:Zn
+++2e-←Zn で表される。
極:Zn+++2e-→Zn 放電時……正極:2Br-←Br2+2e-,負極:Zn
+++2e-←Zn で表される。
【0006】この亜鉛−臭素電池は、主に電極をバイポ
ーラ型とし、複数個の単電池(単セル)を電気的に直列
に積層した電池本体と、電解液貯蔵槽と、これらの間に
電解液を循環させるポンプおよび配管系とで構成されて
いる。
ーラ型とし、複数個の単電池(単セル)を電気的に直列
に積層した電池本体と、電解液貯蔵槽と、これらの間に
電解液を循環させるポンプおよび配管系とで構成されて
いる。
【0007】図4は上記亜鉛−臭素電池を構成する電池
本体の一例を示す分解斜視図であり、矩形平板状のバイ
ポーラ型中間電極1の電極部1aの外周に絶縁性の枠体
1bが配置され、同様に矩形平板状のセパレータ板2
は、セパレータ3の外周に枠体2aが形成されている。
そして上記中間電極1にセパレータ板2及び必要に応じ
てパッキン4,スペーサメッシュ5を重ねて単セルを構
成し、この単セルを複数個積層して電池本体が構成され
ている。
本体の一例を示す分解斜視図であり、矩形平板状のバイ
ポーラ型中間電極1の電極部1aの外周に絶縁性の枠体
1bが配置され、同様に矩形平板状のセパレータ板2
は、セパレータ3の外周に枠体2aが形成されている。
そして上記中間電極1にセパレータ板2及び必要に応じ
てパッキン4,スペーサメッシュ5を重ねて単セルを構
成し、この単セルを複数個積層して電池本体が構成され
ている。
【0008】積層された電池本体の両端部には、集電メ
ッシュ6を有する集電電極7と、一対の締付端板8と、
その内側に位置する押さえ用の積層端板9とが配置され
ている。そして両締付端板8,8間に図示しないボルト
を通して、このボルトを締め付けることにより、一体的
に積層固定された電池本体が構成される。
ッシュ6を有する集電電極7と、一対の締付端板8と、
その内側に位置する押さえ用の積層端板9とが配置され
ている。そして両締付端板8,8間に図示しないボルト
を通して、このボルトを締め付けることにより、一体的
に積層固定された電池本体が構成される。
【0009】上記のように構成された電池本体の各単セ
ル内には、各中間電極1及びセパレータ板2の枠体2a
の上下2箇所の隅角部に形成した正極マニホールド10
と、負極マニホールド11より、セパレータ板2の枠体
2aに設けられたチャンネル12及びマイクロチャンネ
ル13を介して電解液が夫々流入排出する。
ル内には、各中間電極1及びセパレータ板2の枠体2a
の上下2箇所の隅角部に形成した正極マニホールド10
と、負極マニホールド11より、セパレータ板2の枠体
2aに設けられたチャンネル12及びマイクロチャンネ
ル13を介して電解液が夫々流入排出する。
【0010】集電電極7の電極材料は、ポリエチレンを
バインダーとして導電性を付与するためのカーボンプラ
スチック及びグラファイトを約6:3:1に混合した電
極材料を用いる。又、上記セパレータは、通常比較的固
いポリエチレン樹脂にシリカを混合したシートが用いら
れている。
バインダーとして導電性を付与するためのカーボンプラ
スチック及びグラファイトを約6:3:1に混合した電
極材料を用いる。又、上記セパレータは、通常比較的固
いポリエチレン樹脂にシリカを混合したシートが用いら
れている。
【0011】このように構成された亜鉛−臭素電池は、
50KW級電池における電池効率として約80%、総合
エネルギー効率として約70%が確認されている。
50KW級電池における電池効率として約80%、総合
エネルギー効率として約70%が確認されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このような電力貯蔵用
亜鉛−臭素電池の効率は、インバータ効率も含めた総合
効率で80%が必要である。従って電池本体としては約
85%の効率が要求されるが、実際には85%の効率が
達成されていない現状にある。その理由として、現在採
用されているセパレータの厚みの要因が考えられる。
亜鉛−臭素電池の効率は、インバータ効率も含めた総合
効率で80%が必要である。従って電池本体としては約
85%の効率が要求されるが、実際には85%の効率が
達成されていない現状にある。その理由として、現在採
用されているセパレータの厚みの要因が考えられる。
【0013】上記セパレータの厚みを変更することは、
電圧効率と電流効率との間でトレードオフの関係にあ
る。即ち、厚みを大きくすると電流効率が良化する反面
で電圧効率は低下し、厚みを小さくすると上記両効率の
良否が逆転する。従って厚みの変更だけで総合効率を高
めることは困難である。
電圧効率と電流効率との間でトレードオフの関係にあ
る。即ち、厚みを大きくすると電流効率が良化する反面
で電圧効率は低下し、厚みを小さくすると上記両効率の
良否が逆転する。従って厚みの変更だけで総合効率を高
めることは困難である。
【0014】上記に対処する手段として、セパレータに
イオン交換膜を採用する方法がある。即ち、正極で発生
した臭素は臭素コンプレックスとして正極側タンクの底
に貯留されるが、コンプレックス化されない臭素は、B
r3 -イオンとなり、電解液に溶解する。このBr3 -イオ
ンが負極へ拡散して亜鉛を自己放電させることが前記効
率に悪影響を及ぼしているものと考えることが出来る。
イオン交換膜を採用する方法がある。即ち、正極で発生
した臭素は臭素コンプレックスとして正極側タンクの底
に貯留されるが、コンプレックス化されない臭素は、B
r3 -イオンとなり、電解液に溶解する。このBr3 -イオ
ンが負極へ拡散して亜鉛を自己放電させることが前記効
率に悪影響を及ぼしているものと考えることが出来る。
【0015】そこでセパレータに対するBr3 -イオンの
透過を防止すれば亜鉛の自己放電がなくなり、総合効率
を高めることが可能であって、前記イオン交換膜が有効
であることが確認されているが、通常イオン交換膜は極
めて高価格であり、亜鉛−臭素電池に採用することは採
算的に合わないという問題がある。
透過を防止すれば亜鉛の自己放電がなくなり、総合効率
を高めることが可能であって、前記イオン交換膜が有効
であることが確認されているが、通常イオン交換膜は極
めて高価格であり、亜鉛−臭素電池に採用することは採
算的に合わないという問題がある。
【0016】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、前記セパレータの材質とか厚みに起因する電池の
総合効率の低下を防止して電池の性能を高めることがで
きる上、コスト面からも有利な亜鉛−臭素電池のセパレ
ータとその製造方法を提供することを目的とするもので
ある。
あり、前記セパレータの材質とか厚みに起因する電池の
総合効率の低下を防止して電池の性能を高めることがで
きる上、コスト面からも有利な亜鉛−臭素電池のセパレ
ータとその製造方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、矩形平板状の中間電極にセパレータを重ね
て単セルを形成し、この単セルを複数個積層して電池本
体を構成するとともに、該電池本体の両端部に一対の集
電電極と締付端板を配置し、両締付端板間をボルト締め
することによって一体的に積層固定するようにした亜鉛
−臭素電池において、前記セパレータは、ポリエチレン
樹脂にシリカを混合した材料に、イオン交換膜材料を細
断して加えた混練物のシート状成形物を用いている。
又、使用時には上記シート状成形物で成るセパレータの
プラス側に、充電時の臭素コンプレックスの付着を防止
するための低抵抗セパレータを配置して亜鉛−臭素電池
内に組み込んである。
するために、矩形平板状の中間電極にセパレータを重ね
て単セルを形成し、この単セルを複数個積層して電池本
体を構成するとともに、該電池本体の両端部に一対の集
電電極と締付端板を配置し、両締付端板間をボルト締め
することによって一体的に積層固定するようにした亜鉛
−臭素電池において、前記セパレータは、ポリエチレン
樹脂にシリカを混合した材料に、イオン交換膜材料を細
断して加えた混練物のシート状成形物を用いている。
又、使用時には上記シート状成形物で成るセパレータの
プラス側に、充電時の臭素コンプレックスの付着を防止
するための低抵抗セパレータを配置して亜鉛−臭素電池
内に組み込んである。
【0018】更にポリエチレン樹脂にシリカを混合した
微多孔質膜に、イオン交換膜をチョッパ状に細断したも
のを20〜30重量%加えて加熱混練し、厚みが略1.
0mmのシート状に成形した亜鉛−臭素電池用セパレー
タの製造方法を提供する。
微多孔質膜に、イオン交換膜をチョッパ状に細断したも
のを20〜30重量%加えて加熱混練し、厚みが略1.
0mmのシート状に成形した亜鉛−臭素電池用セパレー
タの製造方法を提供する。
【0019】
【作用】かかるセパレータによれば、通常のセパレータ
を構成する材料中へのイオン交換膜の添加量が20〜3
0重量%で該セパレータに対する臭素透過量が最低値と
なり、亜鉛−臭素電池における臭素イオンの負極への拡
散に基づく亜鉛の自己放電が防止されて電池効率が高め
られる。
を構成する材料中へのイオン交換膜の添加量が20〜3
0重量%で該セパレータに対する臭素透過量が最低値と
なり、亜鉛−臭素電池における臭素イオンの負極への拡
散に基づく亜鉛の自己放電が防止されて電池効率が高め
られる。
【0020】又、得られたセパレータを用いて製作した
亜鉛−臭素電池のプラス側に他の低抵抗セパレータを配
置することにより、充電時の臭素コンプレックスが該低
抵抗セパレータによって食い止められるため、この低抵
抗セパレータによって更に電池効率が向上する。
亜鉛−臭素電池のプラス側に他の低抵抗セパレータを配
置することにより、充電時の臭素コンプレックスが該低
抵抗セパレータによって食い止められるため、この低抵
抗セパレータによって更に電池効率が向上する。
【0021】
【実施例】以下本発明にかかる亜鉛−臭素電池のセパレ
ータ及びその製造方法の一実施例を説明する。本実施例
では、前記のようにポリエチレン樹脂にシリカを混合し
た通常のセパレータに用いられる合成樹脂材料に、イオ
ン交換膜を構成する材料を細断して加熱混練し、しかる
後にシート状に成形してセパレータを得ることを特徴と
している。
ータ及びその製造方法の一実施例を説明する。本実施例
では、前記のようにポリエチレン樹脂にシリカを混合し
た通常のセパレータに用いられる合成樹脂材料に、イオ
ン交換膜を構成する材料を細断して加熱混練し、しかる
後にシート状に成形してセパレータを得ることを特徴と
している。
【0022】以下に各種実験例を説明する。
【0023】〔実験例1〕ポリエチレン樹脂にシリカを
混合した微多孔質膜(旭化成製,気孔率50%)に対し
て、市販のイオン交換膜(旭ガラス製アニオン交換膜セ
レシオンCMV)をチョッパ状に細断したものを加えて
加熱混練した後、シート状に成形した。
混合した微多孔質膜(旭化成製,気孔率50%)に対し
て、市販のイオン交換膜(旭ガラス製アニオン交換膜セ
レシオンCMV)をチョッパ状に細断したものを加えて
加熱混練した後、シート状に成形した。
【0024】具体的には、加圧ニーダーを用いて上記微
多孔質膜に細断したイオン交換膜を少しずつ添加して、
120℃,30分の混練条件で混練した後、厚み1.0
mmのシートを作成した。尚、イオン交換膜の添加量が
50%以上になるとシート化が不可能であったため、添
加量は10%,20%,30%,40%,50%と5段
階に変化させて実験を行った。
多孔質膜に細断したイオン交換膜を少しずつ添加して、
120℃,30分の混練条件で混練した後、厚み1.0
mmのシートを作成した。尚、イオン交換膜の添加量が
50%以上になるとシート化が不可能であったため、添
加量は10%,20%,30%,40%,50%と5段
階に変化させて実験を行った。
【0025】図2は得られたシートに関して測定したイ
オン交換膜添加量(%)とシート抵抗(Ω−cm2)の
相関グラフを示しており、図3は同じくイオン交換膜添
加量(%)とシート当たりの臭素透過量(mol/l)
の相関グラフを示している。尚、図2中の(A)はシー
ト化が不可能な領域を示している。
オン交換膜添加量(%)とシート抵抗(Ω−cm2)の
相関グラフを示しており、図3は同じくイオン交換膜添
加量(%)とシート当たりの臭素透過量(mol/l)
の相関グラフを示している。尚、図2中の(A)はシー
ト化が不可能な領域を示している。
【0026】図2によれば、シート抵抗はイオン交換膜
添加量が増大するにつれてほぼ直線的に増加している
が、イオン交換膜自身の抵抗が低いため、電池特性にそ
れほど影響がないことが判明した。図3によれば、臭素
透過量はイオン交換膜の添加につれて次第に減少し、添
加量が20〜30%で最低値となった。添加量が40%
以上ではイオン交換膜が均一に分散せず、逆に臭素透過
量が増加する傾向を示した。これは両者の間に界面が生
じたためと考えられる。
添加量が増大するにつれてほぼ直線的に増加している
が、イオン交換膜自身の抵抗が低いため、電池特性にそ
れほど影響がないことが判明した。図3によれば、臭素
透過量はイオン交換膜の添加につれて次第に減少し、添
加量が20〜30%で最低値となった。添加量が40%
以上ではイオン交換膜が均一に分散せず、逆に臭素透過
量が増加する傾向を示した。これは両者の間に界面が生
じたためと考えられる。
【0027】〔実験例2〕上記シートに関して、実際に
イオン交換機能が働くのは、膜表面に露出している部分
であると推定されるため、表面での密度を高めるために
通常の混練を行った後、シート化する際にイオン交換膜
のチョップを表面にまぶした。まぶし量は10〜50g
/m2とし、10g単位でサンプルを作成した。
イオン交換機能が働くのは、膜表面に露出している部分
であると推定されるため、表面での密度を高めるために
通常の混練を行った後、シート化する際にイオン交換膜
のチョップを表面にまぶした。まぶし量は10〜50g
/m2とし、10g単位でサンプルを作成した。
【0028】そして実験例1と同様にイオン交換膜添加
量に対するシート抵抗と臭素透過量の相関を求めたとこ
ろ、シート抵抗の増加は殆どなく、臭素透過量も通常の
ものに比べて効果が少なかった。従ってイオン交換膜の
チョップをまぶしただけでは現状のシートと溶着せず、
両者の界面から臭素の透過が発生していることが推定さ
れる。
量に対するシート抵抗と臭素透過量の相関を求めたとこ
ろ、シート抵抗の増加は殆どなく、臭素透過量も通常の
ものに比べて効果が少なかった。従ってイオン交換膜の
チョップをまぶしただけでは現状のシートと溶着せず、
両者の界面から臭素の透過が発生していることが推定さ
れる。
【0029】〔実験例3〕次に上記の混練タイプのシー
トをセパレータに使用して作成した電池の特性を評価し
た。図1に示したようにポリエチレンをベースにしたシ
ート15内にチョップ状に細断したイオン交換膜16を
20〜30%添加したシートを作成して電池に用いたと
ころ、充電時に正電荷を帯びた臭素コンプレックスQ+
がシート内を透過できずに表面に付着して電池効率が低
下するため、同図に示したようにシート15のプラス側
に鉛電池用の低抵抗セパレータ17を配置して再度実験
を試みた。尚、実験に用いた電池は、800cm210
セルで充電13mA/cm2×8h、放電13mA/c
m210Vカット、温度30℃とした。
トをセパレータに使用して作成した電池の特性を評価し
た。図1に示したようにポリエチレンをベースにしたシ
ート15内にチョップ状に細断したイオン交換膜16を
20〜30%添加したシートを作成して電池に用いたと
ころ、充電時に正電荷を帯びた臭素コンプレックスQ+
がシート内を透過できずに表面に付着して電池効率が低
下するため、同図に示したようにシート15のプラス側
に鉛電池用の低抵抗セパレータ17を配置して再度実験
を試みた。尚、実験に用いた電池は、800cm210
セルで充電13mA/cm2×8h、放電13mA/c
m210Vカット、温度30℃とした。
【0030】図1のようにシート15内にイオン交換膜
16を加熱混練してシート状に成形したセパレータのプ
ラス側に低抵抗セパレータ17を配置したことにより、
充電時の臭素コンプレックスQ+は該低抵抗セパレータ
15によって食い止められてシート15の表面には付着
せず、又、臭素イオンBr3 -はシート15により食い止
められて負極側へ透過して拡散することが防止され、亜
鉛イオンZn2+だけが負極側に透過する。従って低抵抗
セパレータ17の存在によって更に電池効率が高められ
る。
16を加熱混練してシート状に成形したセパレータのプ
ラス側に低抵抗セパレータ17を配置したことにより、
充電時の臭素コンプレックスQ+は該低抵抗セパレータ
15によって食い止められてシート15の表面には付着
せず、又、臭素イオンBr3 -はシート15により食い止
められて負極側へ透過して拡散することが防止され、亜
鉛イオンZn2+だけが負極側に透過する。従って低抵抗
セパレータ17の存在によって更に電池効率が高められ
る。
【0031】セパレータとして従来型のシートと本実施
例にかかるシートを用いて作成した亜鉛−臭素電池の電
圧効率、クーロン効率及びエネルギー効率を調査した結
果を表1に示す。
例にかかるシートを用いて作成した亜鉛−臭素電池の電
圧効率、クーロン効率及びエネルギー効率を調査した結
果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1によれば、従来のシートを用いた電池
のエネルギー効率が69.0%であったのに対して、本
実施例にかかるシートを使用した電池のエネルギー効率
は83.7%と高い値を示した。更に充電と放電を10
00サイクル継続して実施しても該エネルギー効率が低
下しないことが確認された。
のエネルギー効率が69.0%であったのに対して、本
実施例にかかるシートを使用した電池のエネルギー効率
は83.7%と高い値を示した。更に充電と放電を10
00サイクル継続して実施しても該エネルギー効率が低
下しないことが確認された。
【0034】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる亜鉛−臭素電池のセパレータ及びその製造方法によ
れば、通常のセパレータを構成する材料中へ細断したイ
オン交換膜を20〜30重量%添加することにより、得
られたセパレータに対する臭素透過量が最低値となって
臭素イオンの負極への拡散に基づく亜鉛の自己放電を防
止して電池効率を高めることができる。
かる亜鉛−臭素電池のセパレータ及びその製造方法によ
れば、通常のセパレータを構成する材料中へ細断したイ
オン交換膜を20〜30重量%添加することにより、得
られたセパレータに対する臭素透過量が最低値となって
臭素イオンの負極への拡散に基づく亜鉛の自己放電を防
止して電池効率を高めることができる。
【0035】更に得られたセパレータを用いて製作した
亜鉛−臭素電池のプラス側に他の低抵抗セパレータを配
置したことにより、充電時の臭素コンプレックスが該低
抵抗セパレータによって食い止められて更に電池効率が
向上するという効果がある。そしてセパレータの材質と
か厚みに起因する電池の総合効率の低下をなくし、しか
も高価格なイオン交換膜の使用量はきわめて少ないた
め、コスト面からも有利であるという効果が得られる。
亜鉛−臭素電池のプラス側に他の低抵抗セパレータを配
置したことにより、充電時の臭素コンプレックスが該低
抵抗セパレータによって食い止められて更に電池効率が
向上するという効果がある。そしてセパレータの材質と
か厚みに起因する電池の総合効率の低下をなくし、しか
も高価格なイオン交換膜の使用量はきわめて少ないた
め、コスト面からも有利であるという効果が得られる。
【図1】本発明の具体的な一実施例を概略的に説明する
ための要部断面図。
ための要部断面図。
【図2】本実施例におけるシート抵抗特性を示すグラ
フ。
フ。
【図3】本実施例におけるシートの臭素透過量特性を示
すグラフ。
すグラフ。
【図4】亜鉛−臭素電池の電池本体を示す要部分解斜視
図。
図。
1…中間電極 1a…電極部 1b…枠体 3…セパレータ 6…集電メッシュ 6a…端子片 7…集電電極 8…締付端板 9…積層端板 10…正極マニホールド 11…負極マニホールド 12…チャンネル 13…マイクロチャンネル 15…シート 16…イオン交換膜 17…低抵抗セパレータ
Claims (3)
- 【請求項1】 矩形平板状の中間電極にセパレータを重
ねて単セルを形成し、この単セルを複数個積層して電池
本体を構成するとともに、該電池本体の両端部に一対の
集電電極と締付端板を配置し、両締付端板間をボルト締
めすることによって一体的に積層固定するようにした亜
鉛−臭素電池において、 前記セパレータは、ポリエチレン樹脂にシリカを混合し
た材料に、イオン交換膜材料を細断して加えた混練物の
シート状成形物を用いたことを特徴とする亜鉛−臭素電
池のセパレータ。 - 【請求項2】 前記シート状成形物で成るセパレータの
プラス側に、充電時の臭素コンプレックスの付着を防止
するための低抵抗セパレータを配置して亜鉛−臭素電池
内に組み込んだことを特徴とする請求項1記載の亜鉛−
臭素電池のセパレータ。 - 【請求項3】 ポリエチレン樹脂にシリカを混合した微
多孔質膜に、イオン交換膜をチョッパ状に細断したもの
を20〜30重量%加えて加熱混練し、厚みが略1.0
mmのシート状に成形したことを特徴とする亜鉛−臭素
電池用セパレータの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5054535A JPH06267522A (ja) | 1993-03-16 | 1993-03-16 | 亜鉛−臭素電池のセパレータ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5054535A JPH06267522A (ja) | 1993-03-16 | 1993-03-16 | 亜鉛−臭素電池のセパレータ及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06267522A true JPH06267522A (ja) | 1994-09-22 |
Family
ID=12973364
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5054535A Pending JPH06267522A (ja) | 1993-03-16 | 1993-03-16 | 亜鉛−臭素電池のセパレータ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06267522A (ja) |
-
1993
- 1993-03-16 JP JP5054535A patent/JPH06267522A/ja active Pending
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